図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、シフトバイワイヤシステム1は、三相交流モータ50、シフトレンジ切り替え機構60、パーキングロック機構70を備えている、三相交流モータ50は、スイッチトリラクタンスモータである。
シフトレンジ切り替え機構60は、マニュアルシャフト61、ディテントプレート62、ディテントスプリング65、マニュアルバルブ68、バルブボディ69を備えている。シフトレンジ切り替え機構60で切り替えるシフトレンジには、パーキングレンジとパーキングレンジ以外のシフトレンジである非パーキングレンジとが含まれる。非パーキングレンジは、例えばドライブレンジやニュートラルレンジなどのシフトレンジである。この明細書および図面において、パーキングをPと表記し、非パーキングをNotPと表記することがある。
マニュアルシャフト61は、三相交流モータ50の出力軸を構成している。このため、三相交流モータ50が回転することで、マニュアルシャフト61も回転することとなる。ディテントプレート62は、マニュアルシャフト61に取り付けられている。ディテントプレート62は、マニュアルシャフト61から径方向外側に延びている。ディテントプレート62は、マニュアルシャフト61の回転に応じて回動する。ディテントプレート62がディテントスプリング65の基部から離れる方向を正回転方向とし、基部に近づく方向を逆回転方向としている。
マニュアルバルブ68は、ディテントプレート62にピンを介して取り付けられている。マニュアルバルブ68は、三相交流モータ50の回転運動を直線運動に変換している。マニュアルバルブ68は、バルブボディ69に接続されている。マニュアルバルブ68が直線的な往復運動を行うことで、油圧クラッチへの油圧供給経路が切り替えられ、シフトレンジが切り替えられることとなる。
ディテントプレート62のディテントスプリング65側には複数の凹部63が設けられている。凹部63は、Pレンジに対応した位置と、NotPレンジに対応した位置とのそれぞれに設けられている。
ディテントスプリング65は、弾性変形可能な板状部材である。ディテントスプリング65の先端には、ストッパ66が設けられている。ディテントスプリング65は、ストッパ66をディテントプレート62の回動中心方向に付勢している。ディテントプレート62に所定以上の回転力が加わると、ディテントスプリング65が弾性変形して、ストッパ66の位置が複数の凹部63間を移動することとなる。
ストッパ66は、凹部63に嵌まり込むことでディテントプレート62の揺動を規制している。これにより、マニュアルバルブ68の位置やパーキングロック機構70の状態が安定して維持される。言い換えると、シフトレンジの位置が安定して固定される。ストッパ66は、Pレンジの場合とNotPレンジの場合とで、異なる凹部63に嵌まり込むこととなる。
パーキングロック機構70は、パーキングロッド71、テーパカム72、パーキングポール73、パーキングギア75を備えている。パーキングロッド71は、略L字形状に形成されている。パーキングロッド71の一端は、ディテントプレート62に固定されている。パーキングロッド71の他端には、円錐状のテーパカム72が設けられている。ディテントプレート62が回動することで、テーパカム72が軸方向に移動する。テーパカム72の側面には、パーキングポール73が接触している。このため、パーキングロッド71が往復運動することで、テーパカム72を介してパーキングポール73がポール軸部74を中心に回動することとなる。
パーキングポール73には、凸部73aが設けられている。Pレンジが選択されている状態では、凸部73aがパーキングギア75の歯車にかみ合い、パーキングギア75の回転が規制される。これにより、自動変速機の出力軸の回転をロックするパーキングロックが行われる。一方、NotPレンジが選択されている状態では、凸部73aがパーキングギア75の歯車から外れ、パーキングギア75が回転可能となる。これにより、パーキングロックが解除される。このようにして、パーキングロック機構70は、ロック状態と非ロック状態とを切り替える。
三相交流モータ50の駆動制御について、以下に説明する。図2において、モータシステム5は、三相交流モータ50と、三相交流モータ50に電力を供給するための配線と、配線に設けられたスイッチの切り替え制御を行う制御部90とを備えている。
三相交流モータ50は、U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとW相コイル部材55wとを備えている。言い換えると、三相交流モータ50は、三相分のコイル部材を備えている。U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとW相コイル部材55wとは、スター結線されている。U相コイル部材55uは、コイル部材の一例を提供する。V相コイル部材55vは、コイル部材の一例を提供する。W相コイル部材55wは、コイル部材の一例を提供する。
電源4と三相交流モータ50の中性点51とは、中性点配線11によって電気的に接続されている。中性点配線11には、リレー12が設けられている。リレー12がオンであれば、中性点配線11を介して三相交流モータ50に電力供給可能な状態となり、中性点51が電源4に等しい高電圧となる。一方、リレー12がオフであれば、少なくとも中性点配線11を介した三相交流モータ50への電力供給が不可能な状態となる。
三相交流モータ50の中性点51とは反対側には、電源4に接続するための高圧側配線21と、グランドに接続するための低圧側配線31とが設けられている。高圧側配線21は、U相高圧側配線部材21uとV相高圧側配線部材21vとW相高圧側配線部材21wとを備えている。U相高圧側配線部材21uは、電源4とU相コイル部材55uとを電気的に接続している。V相高圧側配線部材21vは、電源4とV相コイル部材55vとを電気的に接続している。W相高圧側配線部材21wは、電源4とW相コイル部材55wとを電気的に接続している。U相高圧側配線部材21uは、高圧側配線部材の一例を提供する。V相高圧側配線部材21vは、高圧側配線部材の一例を提供する。W相高圧側配線部材21wは、高圧側配線部材の一例を提供する。
高圧側配線21には、高圧側スイッチ22が設けられている。高圧側スイッチ22は、U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとを備えている。U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとは、半導体を用いたスイッチング素子であり、例えばMOSFETを採用可能である。ただし、IGBTなどの半導体スイッチング素子などを採用してもよい。
U相高圧側スイッチング素子22uは、U相高圧側配線部材21uに設けられている。V相高圧側スイッチング素子22vは、V相高圧側配線部材21vに設けられている。W相高圧側スイッチング素子22wは、W相高圧側配線部材21wに設けられている。U相高圧側スイッチング素子22uは、高圧側スイッチング素子の一例を提供する。V相高圧側スイッチング素子22vは、高圧側スイッチング素子の一例を提供する。W相高圧側スイッチング素子22wは、高圧側スイッチング素子の一例を提供する。
U相高圧側スイッチング素子22uがオンの場合、U相高圧側配線部材21uが通電可能な状態となる。一方、U相高圧側スイッチング素子22uがオフの場合、U相高圧側配線部材21uが通電不可能な状態となる。V相高圧側スイッチング素子22vがオンの場合、V相高圧側配線部材21vが通電可能な状態となる。一方、V相高圧側スイッチング素子22vがオフの場合、V相高圧側配線部材21vが通電不可能な状態となる。W相高圧側スイッチング素子22wがオンの場合、W相高圧側配線部材21wが通電可能な状態となる。一方、W相高圧側スイッチング素子22wがオフの場合、W相高圧側配線部材21wが通電不可能な状態となる。
低圧側配線31は、U相低圧側配線部材31uとV相低圧側配線部材31vとW相低圧側配線部材31wとを備えている。U相低圧側配線部材31uは、グランドとU相コイル部材55uとを電気的に接続している。V相低圧側配線部材31vは、グランドとV相コイル部材55vとを電気的に接続している。W相低圧側配線部材31wは、グランドとW相コイル部材55wとを電気的に接続している。U相低圧側配線部材31uは、低圧側配線部材の一例を提供する。V相低圧側配線部材31vは、低圧側配線部材の一例を提供する。W相低圧側配線部材31wは、低圧側配線部材の一例を提供する。
低圧側配線31には、低圧側スイッチ32が設けられている。低圧側スイッチ32は、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとを備えている。U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとは、半導体を用いたスイッチング素子であり、例えばMOSFETを採用可能である。ただし、IGBTなどの半導体スイッチング素子などを採用してもよい。
U相低圧側スイッチング素子32uは、U相低圧側配線部材31uに設けられている。V相低圧側スイッチング素子32vは、V相低圧側配線部材31vに設けられている。W相低圧側スイッチング素子32wは、W相低圧側配線部材31wに設けられている。U相低圧側スイッチング素子32uは、低圧側スイッチング素子の一例を提供する。V相低圧側スイッチング素子32vは、低圧側スイッチング素子の一例を提供する。W相低圧側スイッチング素子32wは、低圧側スイッチング素子の一例を提供する。
U相低圧側スイッチング素子32uがオンの場合、U相低圧側配線部材31uが通電可能な状態となる。一方、U相低圧側スイッチング素子32uがオフの場合、U相低圧側配線部材31uが通電不可能な状態となる。V相低圧側スイッチング素子32vがオンの場合、V相低圧側配線部材31vが通電可能な状態となる。一方、V相低圧側スイッチング素子32vがオフの場合、V相低圧側配線部材31vが通電不可能な状態となる。W相低圧側スイッチング素子32wがオンの場合、W相低圧側配線部材31wが通電可能な状態となる。一方、W相低圧側スイッチング素子32wがオフの場合、W相低圧側配線部材31wが通電不可能な状態となる。
高圧側スイッチ22がオフ、かつ、リレー12がオンの状態で、低圧側スイッチ32のオンオフを切り替えることで、三相交流モータ50に通電している状態と、通電していない状態とを切り替えることができる。より詳細には、U相低圧側スイッチング素子32uをオンにすることで、U相コイル部材55uに電流を流すことができる。V相低圧側スイッチング素子32vをオンにすることで、V相コイル部材55vに電流を流すことができる。W相低圧側スイッチング素子32wをオンにすることで、W相コイル部材55wに電流を流すことができる。例えば、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとの2つがオンであれば、U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとの2つに電流を流す二相通電の状態とすることができる。
U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとW相コイル部材55wとは、三相交流モータ50の固定子として機能する。三相交流モータ50の回転子は、複数の突極を有する鉄心を備えている。三相交流モータ50は、固定子で発生した磁界に対して磁気抵抗が最も小さくなるように回転子が回転するスイッチトリラクタンスモータである。
U相低圧側配線部材31uには、U相低圧側スイッチング素子32uとグランドとの間にU相シャント抵抗33uが設けられている。U相シャント抵抗33uの両端電圧を計測することで、U相低圧側配線部材31uを流れる電流の大きさを算出することができる。V相低圧側配線部材31vには、V相低圧側スイッチング素子32vとグランドとの間にV相シャント抵抗33vが設けられている。V相シャント抵抗33vの両端電圧を計測することで、V相低圧側配線部材31vを流れる電流の大きさを算出することができる。W相低圧側配線部材31wには、W相低圧側スイッチング素子32wとグランドとの間にW相シャント抵抗33wが設けられている。W相シャント抵抗33wの両端電圧を計測することで、W相低圧側配線部材31wを流れる電流の大きさを算出することができる。
制御部90は、リレー12と高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とに対してオンオフの切り替えを制御するための信号を出力する。制御部90は、高圧側スイッチ22を構成しているU相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとのそれぞれに個別に信号を出力する。制御部90は、低圧側スイッチ32を構成しているU相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとのそれぞれに個別に信号を出力する。
図3において、制御部90は、U相電流センサ34uとV相電流センサ34vとW相電流センサ34wとに接続している。U相電流センサ34uは、U相低圧側配線部材31uを流れる電流であるU相電流の大きさを計測するためのセンサである。U相電流センサ34uとしては、U相シャント抵抗33uの両端電圧を計測する電圧計を採用可能である。V相電流センサ34vは、V相低圧側配線部材31vを流れる電流であるV相電流の大きさを計測するためのセンサである。V相電流センサ34vとしては、V相シャント抵抗33vの両端電圧を計測する電圧計を採用可能である。W相電流センサ34wは、W相低圧側配線部材31wを流れる電流であるW相電流の大きさを計測するためのセンサである。W相電流センサ34wとしては、W相シャント抵抗33wの両端電圧を計測する電圧計を採用可能である。
U相電流センサ34uとV相電流センサ34vとW相電流センサ34wとは、シャント抵抗の両端電圧を計測する電圧計に限られない。例えば、ホール素子や磁気抵抗効果素子を用いて配線部材を流れる電流の大きさを計測してもよい。この場合、非接触で電流の大きさを計測することができる。
制御部90は、U相電流センサ34uで計測したU相電流の大きさを取得する。制御部90は、V相電流センサ34vで計測したV相電流の大きさを取得する。制御部90は、W相電流センサ34wで計測したW相電流の大きさを取得する。
制御部90は、リレー12と高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とに接続している。制御部90は、リレー12のオンオフを制御する。制御部90は、高圧側スイッチ22のオンオフを制御する。制御部90は、低圧側スイッチ32のオンオフを制御する。
制御部90は、信号出力部91と電流取得部92と判定部93とを備えている。信号出力部91は、リレー12や高圧側スイッチ22や低圧側スイッチ32のオンオフを切り替えるための信号を出力する。電流取得部92は、U相電流センサ34uやV相電流センサ34vやW相電流センサ34wで計測した電流値を取得する。判定部93は、高圧側スイッチ22におけるオープン故障やショート故障といった故障の有無を判定する。
モータシステム5の故障検知に関する制御について、以下に説明する。以下では、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32として、ノーマリオフ型の半導体スイッチング素子を採用した場合を例に説明する。この場合、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とは、オン信号が入力されている間のみオン状態となり、オン信号が入力されていない間はオフ状態となる。
図4において、車両のパワースイッチが押されるなどして、モータシステム5の駆動制御が開始されると、ステップS110で高圧側スイッチ22のショート故障検知を行う。ショート故障検知は、制御部90の制御によらずスイッチング素子が常にオンされた状態となる故障のことである。
図5において、ショート故障検知を開始すると、ステップS111でリレー12をオフの状態とする。これにより、中性点配線11を通電不可能な状態とする。リレー12をオフした後、ステップS112に進む。
ステップS112では、低圧側スイッチ32にスイッチをオンするためのパルス信号を出力する。低圧側スイッチ32にパルス信号が入力され、低圧側スイッチ32が短時間オンの状態となる。パルス信号は、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとに時間をずらして順番に出力される。このため、U相低圧側スイッチング素子32uのみがオンの状態と、V相低圧側スイッチング素子32vのみがオンの状態と、W相低圧側スイッチング素子32wのみがオンの状態とに制御される。
低圧側スイッチ32にパルス信号を出力している間、高圧側スイッチ22にはパルス信号は出力されていない。言い換えると、高圧側スイッチ22は、ショート故障していなければオフの状態が維持された状態である。低圧側スイッチ32にパルス信号を出力した後、ステップS113に進む。
ステップS113では、パルス信号を出力している間における電流値を取得する。より詳細には、U相低圧側スイッチング素子32uがオンの状態でのU相電流を取得する。また、V相低圧側スイッチング素子32vがオンの状態でのV相電流を取得する。また、W相低圧側スイッチング素子32wがオンの状態でのW相電流を取得する。
図6は、高圧側スイッチ22がショート故障していない場合における電流波形を示している。TuのタイミングでU相低圧側スイッチング素子32uにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Tvのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TvのタイミングでV相低圧側スイッチング素子32vにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Twのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TwのタイミングでW相低圧側スイッチング素子32wにパルス信号が出力されている。
TuとTvとTwとの3つのパルス信号が出力されたタイミングを含むすべての時間において、U相電流とV相電流とW相電流とは常にゼロである。言い換えると、取得された電流値はすべて閾値未満の状態である。
図7は、U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとは正常であり、W相高圧側スイッチング素子22wがショート故障している場合における電流波形を示している。U相において、TuのタイミングでU相電流が流れ始めている。これは、ショート故障しているW相高圧側スイッチング素子22wから、W相コイル部材55w、U相コイル部材55u、パルス信号によりオンされているU相低圧側スイッチング素子32uの順に電流が流れたことによる電流波形である。W相コイル部材55wとU相コイル部材55uとを電流が流れているため、各コイル部材での逆起電力の影響によりU相電流の立ち上がりに時間を要している。
U相電流と同様に、TvのタイミングでV相電流が流れ始めている。これは、ショート故障しているW相高圧側スイッチング素子22wから、W相コイル部材55w、V相コイル部材55v、パルス信号によりオンされているV相低圧側スイッチング素子32vの順に電流が流れたことによる電流波形である。W相コイル部材55wとV相コイル部材55vとを電流が流れているため、各コイル部材での逆起電力の影響によりV相電流の立ち上がりに時間を要している。
TwのタイミングでW相電流が流れ始めている。これは、ショート故障しているW相高圧側スイッチング素子22wからパルス信号によりオンされているW相低圧側スイッチング素子32wに電流が流れたことによる電流波形である。この場合のW相電流においては、コイル部材を経由せずに電流が流れているため、コイル部材での逆起電力の影響がない。言い換えると、電源4とグランドとが瞬間的に短絡している状態である。このため、W相電流は、パルス信号を出力したTwと略同時のタイミングで立ち上がりが完了している。W相電流は、コイル部材を経由して電流が流れるU相電流やV相電流に比べて、立ち上がり時間が短く、かつ、電流の大きさも大きい。パルス信号の出力に対応して各相の電流値を取得した後、ステップS114に進む。
ステップS114では、電流値が閾値未満であるか否かを判定する。U相電流とV相電流とW相電流とのすべてにおいて電流値が閾値未満であれば、ステップS115に進む。一方、U相電流とV相電流とW相電流との1つでも電流値が閾値以上であれば、ステップS116に進む。
ステップS115では、高圧側スイッチ22は、ショート故障していないと判定する。また、リレー12についても、高圧側スイッチ22と同様にショート故障していないと判定できる。高圧側スイッチ22とリレー12とがともにショート故障していないため、三相交流モータ50に対して電力供給を停止することができる状態である。高圧側スイッチ22がショート故障していないと判定したことで、高圧側スイッチ22に対するショート故障検知を終了する。
ステップS116では、電流値の立ち上がり時間が閾値未満であるか否かを判定する。ここで、立ち上がり時間としては、例えば電流が流れ始めてから電流値がピーク値の90%の大きさを超えるまでの所要時間とすることができる。ただし、立ち上がり時間の設定方法は上述の方法に限られない。例えば、電流が流れ始めてから所定の電流値を超えるまでの所要時間としてもよい。
高圧側スイッチ22がショート故障している場合には、ショート故障しているスイッチング素子と同相の低圧側スイッチング素子をオンにした瞬間に短絡状態となる。このため、電流波形の立ち上がり時間は、極めて短くなる。一方、ショート故障しているスイッチング素子と異なる相の低圧側スイッチング素子をオンにした場合には、コイル部材を経由して電流が流れることになる。このため、電流波形の立ち上がり時間は、短絡状態に比べて長くなる。以上により、電流波形の立ち上がり時間からどの相の高圧側スイッチング素子がショート故障しているかを判断できる。立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が1つでもあればステップS117に進む。一方、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が1つもなければステップS118に進む。
ステップS117では、高圧側スイッチ22がショート故障していると判定する。より詳細には、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が取得された相と同相の高圧側スイッチング素子がショート故障していると判定する。また、立ち上がり時間が閾値以上の電流波形が取得された相と同相の高圧側スイッチング素子は、ショート故障していないと判定する。高圧側スイッチ22のショート故障を判定したことで、高圧側スイッチ22に対するショート故障検知を終了する。
ステップS118では、リレー12がショート故障していると判定する。仮に、リレー12と高圧側スイッチ22とが同時にショート故障している場合には、ショート故障している高圧側スイッチング素子と同相の低圧側スイッチング素子をオンした際に、短絡状態となり、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が含まれることとなる。このため、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が1つもない場合は、高圧側スイッチ22はショート故障しておらず、リレー12がショート故障していると判定できることとなる。リレー12のショート故障を判定したことで、高圧側スイッチ22に対するショート故障検知を終了する。ショート故障検知の完了後、ステップS120に進む。
ステップS120では、高圧側スイッチ22のオープン故障検知を行う。図8において、オープン故障検知を開始すると、ステップS121でリレー12をオフの状態とする。これにより、中性点配線11を通電不可能な状態とする。リレー12をオフした後、ステップS122に進む。
ステップS122では、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32にスイッチをオンするためのパルス信号を出力する。高圧側スイッチ22にパルス信号を出力するとともに、低圧側スイッチ32にパルス信号を出力することで、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とを同時にオンする。
パルス信号は、U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとに時間をずらして順番に出力される。また、パルス信号は、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとに時間をずらして順番に出力される。ただし、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とは、同相のスイッチング素子が同時にオンになることのないようにパルス信号を出力する。このため、高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とで、異なる相のスイッチング素子が同時にオンされる。
1つの高圧側スイッチング素子にパルス信号を出力している間、残りの高圧側スイッチング素子にはパルス信号を出力しない。例えば、U相高圧側スイッチング素子22uにパルス信号を出力している間、V相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとには、パルス信号を出力しない。1つの低圧側スイッチング素子にパルス信号を出力している間、残りの低圧側スイッチング素子にはパルス信号を出力しない。例えば、W相低圧側スイッチング素子32wにパルス信号を出力している間、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとには、パルス信号を出力しない。高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32にパルス信号を出力した後、ステップS123に進む。
ステップS123では、パルス信号を出力している間における電流値を取得する。より詳細には、U相低圧側スイッチング素子32uがオンの状態でのU相電流を取得する。また、V相低圧側スイッチング素子32vがオンの状態でのV相電流を取得する。また、W相低圧側スイッチング素子32wがオンの状態でのW相電流を取得する。
図9は、高圧側スイッチ22がオープン故障していない場合における電流波形を示している。TuのタイミングでW相高圧側スイッチング素子22wとU相低圧側スイッチング素子32uにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Tvのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TvのタイミングでU相高圧側スイッチング素子22uとV相低圧側スイッチング素子32vにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Twのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TwのタイミングでV相高圧側スイッチング素子22vとW相低圧側スイッチング素子32wにパルス信号が出力されている。
U相において、TuのタイミングでU相電流が流れ始めている。これは、オンされているW相高圧側スイッチング素子22wから、W相コイル部材55w、U相コイル部材55u、オンされているU相低圧側スイッチング素子32uの順に電流が流れたことによる電流波形である。W相コイル部材55wとU相コイル部材55uとを電流が流れているため、各コイル部材での逆起電力の影響によりU相電流の立ち上がりに時間を要している。
U相電流と同様に、TvのタイミングでV相電流が流れ始めている。これは、オンされているU相高圧側スイッチング素子22uから、U相コイル部材55u、V相コイル部材55v、オンされているV相低圧側スイッチング素子32vの順に電流が流れたことによる電流波形である。U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとを電流が流れているため、各コイル部材での逆起電力の影響によりV相電流の立ち上がりに時間を要している。
U相電流およびV相電流と同様に、TwのタイミングでW相電流が流れ始めている。これは、オンされているV相高圧側スイッチング素子22vから、V相コイル部材55v、W相コイル部材55w、オンされているW相低圧側スイッチング素子32wの順に電流が流れたことによる電流波形である。V相コイル部材55vとW相コイル部材55wとを電流が流れているため、各コイル部材での逆起電力の影響によりV相電流の立ち上がりに時間を要している。
図10は、U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとは正常であり、W相高圧側スイッチング素子22wがオープン故障している場合における電流波形を示している。U相電流は、Tuのタイミングを含め常にゼロである。これは、オープン故障しているW相高圧側スイッチング素子22wを電流が流れることができなかったためである。一方、V相電流とW相電流とは、高圧側スイッチ22が正常な場合と同様の波形を示している。パルス信号の出力に対応して各相の電流値を取得した後、ステップS124に進む。
ステップS124では、電流値が閾値以上であるか否かを判定する。U相電流とV相電流とW相電流とのすべてにおいて電流値が閾値以上であれば、ステップS125に進む。一方、U相電流とV相電流とW相電流との1つでも電流値が閾値未満であれば、ステップS127に進む。
ステップS125では、高圧側スイッチ22は、オープン故障していないと判定する。高圧側スイッチ22がオープン故障していないと判定したことで、高圧側スイッチ22に対するオープン故障検知を終了する。
ステップS127では、高圧側スイッチ22がオープン故障していると判定する。より詳細には、電流値が閾値未満の電流波形が取得された相と同じタイミングでパルス信号を受信した高圧側スイッチング素子がオープン故障していると判定する。また、電流値が閾値以上の電流波形が取得された相と同じタイミングでパルス信号を受信した高圧側スイッチング素子は、オープン故障していないと判定する。高圧側スイッチ22のオープン故障を判定したことで、高圧側スイッチ22に対するオープン故障検知を終了する。オープン故障検知の完了後、ステップS141に進む。
ステップS141では、高圧側スイッチ22が正常であるか否かを判定する。高圧側スイッチ22が故障しておらず、正常である場合にはステップS150に進む。高圧側スイッチ22がオープン故障またはショート故障している場合には、通常通りに三相交流モータ50を駆動することができないと判断してステップS161に進む。
ステップS150では、通常駆動モードを実行する。通常駆動モードでは、リレー12をオンにした状態で低圧側スイッチ32のオンオフを切り替えることで、三相交流モータ50に通電する。低圧側スイッチ32のオンオフを切り替える際に、高圧側スイッチ22のオンオフも切り替える。これは、低圧側スイッチ32をオンからオフに切り替えた際に、コイル部材の逆起電力の影響を低減するためである。逆起電力は、コイル部材に流れる電流の変化を妨害するように作用する。
図2に示すモータシステム5において、三相交流モータ50を駆動した場合、低圧側スイッチ32のオンからオフへの切り替え時にコイル部材に逆起電力が生じることになる。例えば、U相低圧側スイッチング素子32uをオンしている間は、U相コイル部材55uにおいて、中性点51からU相低圧側スイッチング素子32uに向かう電流が流れる。ここで、U相低圧側スイッチング素子32uをオフに切り替えると、U相低圧側スイッチング素子32uを電流が流れることができなくなる。それと同時に、U相コイル部材55uにおいては、現在の電流を維持しようと逆起電力が発生する。ここで、U相高圧側スイッチング素子22uがオフの状態であると、U相コイル部材55uで発生した逆起電力はどこにも流れることができず、U相低圧側スイッチング素子32uで熱としてエネルギーが消費されることとなる。言い換えると、U相低圧側スイッチング素子32uに対して大きな熱負荷が加えられてしまう。
半導体のスイッチング素子には、許容熱容量が設定されており、許容熱容量の範囲内で使用する必要がある。このため、大きな熱負荷が加えられるスイッチング素子には、許容熱容量の高い比較的高価なスイッチング素子を採用するなど、熱負荷への対策が求められる。
通常駆動モードにおける高圧側スイッチ22を用いた逆起電力への対策について、以下に説明する。リレー12がオンの状態を維持して、図11に示すように高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とを切り替えることで三相交流モータ50を回転駆動することができる。
三相交流モータ50の駆動を開始するタイミングであるT0では、V相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとU相低圧側スイッチング素子32uとをオフからオンに切り替える。また、残りのスイッチング素子については、オフの状態を維持する。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相に一相通電している状態である。
次のタイミングであるT1では、W相低圧側スイッチング素子32wをオフからオンに切り替える。それと同時にW相高圧側スイッチング素子22wをオンからオフに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uとW相コイル部材55wとを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相とW相とに二相通電している状態である。
次のタイミングであるT2では、U相低圧側スイッチング素子32uをオンからオフに切り替える。それと同時にU相高圧側スイッチング素子22uをオフからオンに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、W相コイル部材55wを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のW相に一相通電している状態である。
さらに、U相コイル部材55uでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、U相高圧側スイッチング素子22uを通過して電源4側に戻る。電源4が充電可能なバッテリであれば、逆起電力が電源4に充電される。一方、電源4が充電不可能であれば、逆起電力が電源4において熱として処理されることとなる。まとめると、発生した逆起電力は、電源4において電気エネルギーまたは熱エネルギーとして処理されることとなる。
逆起電力によってU相高圧側スイッチング素子22uに電流が流れている。しかし、オン状態のU相高圧側スイッチング素子22uの電気抵抗は、非常に小さい。このため、逆起電力に起因して流れる電流の大部分は、U相高圧側スイッチング素子22uではなく、電源4で処理されることとなる。これにより、U相コイル部材55uで発生した逆起電力を電源4に戻すことによって処理することができる。
次のタイミングであるT3では、V相低圧側スイッチング素子32vをオフからオンに切り替える。それと同時にV相高圧側スイッチング素子22vをオンからオフに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、V相コイル部材55vとW相コイル部材55wとを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のV相とW相とに二相通電している状態である。
次のタイミングであるT4では、W相低圧側スイッチング素子32wをオンからオフに切り替える。それと同時にW相高圧側スイッチング素子22wをオフからオンに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、V相コイル部材55vを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のV相に一相通電している状態である。
さらに、W相コイル部材55wでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、W相高圧側スイッチング素子22wを通過して電源4側に戻り、電源4で処理される。ここで、オン状態のW相高圧側スイッチング素子22wの電気抵抗は、非常に小さい。このため、逆起電力に起因して流れる電流の大部分は、W相高圧側スイッチング素子22wではなく、電源4で処理されることとなる。これにより、W相コイル部材55wで発生した逆起電力を電源4に戻すことによって処理することができる。
次のタイミングであるT5では、U相低圧側スイッチング素子32uをオフからオンに切り替える。それと同時にU相高圧側スイッチング素子22uをオンからオフに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相とV相とに二相通電している状態である。
次のタイミングであるT6では、V相低圧側スイッチング素子32vをオンからオフに切り替える。それと同時にV相高圧側スイッチング素子22vをオフからオンに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相に一相通電している状態である。
さらに、V相コイル部材55vでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、V相高圧側スイッチング素子22vを通過して電源4側に戻り、電源4で処理される。ここで、オン状態のV相高圧側スイッチング素子22vの電気抵抗は、非常に小さい。このため、逆起電力に起因して流れる電流の大部分は、V相高圧側スイッチング素子22vではなく、電源4で処理されることとなる。これにより、V相コイル部材55vで発生した逆起電力を電源4に戻すことによって処理することができる。
このように、低圧側スイッチ32のオンオフを切り替えるタイミングで、同相の高圧側スイッチ22を低圧側スイッチ32とはオンオフが逆になるように制御している。例えば、U相高圧側スイッチング素子22uとU相低圧側スイッチング素子32uとは、T0からT7までのすべてのタイミングにおいて、一方がオンであれば他方がオフとなっている。言い換えると、U相高圧側スイッチング素子22uとU相低圧側スイッチング素子32uとが同時にオンになるタイミングが存在しない。また、U相高圧側スイッチング素子22uとU相低圧側スイッチング素子32uとが同時にオフになるタイミングが存在しない。ただし、逆起電力の処理が完了していれば、高圧側スイッチ22をオフにしてもよい。したがって、U相高圧側スイッチング素子22uとU相低圧側スイッチング素子32uとが同時にオフになるタイミングが存在するように制御してもよい。
T6の完了後における各スイッチのオンオフと、T0の完了後における各スイッチのオンオフとは、同じ状態である。このため、T6の完了後はT1のように各スイッチング素子のオンオフを切り替えることで三相交流モータ50の回転駆動を維持することができる。言い換えると、三相交流モータ50の回転駆動を維持する間は、T1からT6までの一連のサイクルを繰り返すこととなる。
通常駆動モードにおけるT0からT6までの各スイッチング素子のオンオフ切り替えによって、三相交流モータ50の回転子の位置をU相コイル部材55uに突極が正対する位置に移動させることができる。したがって、三相交流モータ50の回転子と固定子との相対的な位置関係を把握することができる。
シフトバイワイヤシステム1においては、三相交流モータ50を通常駆動モードなどの駆動モードで駆動することでP壁位置検出やP壁戻しといった制御を行う。ここで、P壁位置検出とは、Pレンジを維持可能な三相交流モータ50の回転数を決めるための制御である。P壁位置検出では、Pレンジに対応した凹部63にストッパ66が位置している状態で、三相交流モータ50の回転数を上昇させ、ディテントプレート62を正回転方向に回動させる。これにより、Pレンジを維持できる三相交流モータ50の回転数の上限を検出する。NotPレンジからPレンジにシフトレンジを変更する際には、Pレンジの状態でこの回転数の上限を超えないように三相交流モータ50を制御することとなる。
P壁戻しとは、ストッパ66の位置がPレンジに対応した凹部63の中心位置に合うように調整する制御である。P壁戻しは、P壁位置検出を完了した後に行う制御である。P壁戻しでは、三相交流モータ50を回転させ、ディテントプレート62を逆回転方向に回動させる。シフトバイワイヤシステム1は、P壁位置検出とP壁戻しとの2つの制御を経て、実際にシフトレンジを変更可能な状態に遷移する。通常駆動モードの実行後、通常駆動モードを維持した状態でステップS181に進む。
図4のステップS161では、高圧側スイッチ22の故障報知を行う。故障報知では、シフトバイワイヤシステム1が故障していることを報知するためのランプを点灯させることで乗員に故障を報知することができる。ただし、故障報知方法は、上述の方法に限られない。例えば、車両に設けられたディスプレイに警告を表示することで故障を報知してもよい。例えば、車両に設けられたアラームを鳴らすことで故障を報知してもよい。例えば、インターネット通信を利用して車両の所有者に対してメールを送信することで故障を報知してもよい。あるいは、複数の故障報知方法を組み合わせて故障を報知してもよい。また、シフトバイワイヤシステム1全体の故障として故障報知するのではなく、故障箇所を特定して故障報知を行ってもよい。故障報知の完了後、ステップS162に進む。
ステップS162では、故障している高圧側スイッチング素子の数が1つか否かを判定する。故障している高圧側スイッチング素子の数が1つであれば、ステップS170に進む。一方、故障している高圧側スイッチング素子の数が2つ以上であればステップS190に進む。
ステップS170では、フェールセーフ駆動モードを実行する。フェールセーフ駆動モードでは、リレー12をオンにした状態で高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とのオンオフを切り替えることで、三相交流モータ50に通電する。フェールセーフ駆動モードでは、故障していない相の高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32のみを用いて三相交流モータ50を駆動する。言い換えると、故障している相の高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とに対しては、パルス信号を出力しない。
リレー12がオンの状態を維持して、図12に示すように高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とを切り替えることで三相交流モータ50を回転駆動することができる。三相交流モータ50の駆動を開始するタイミングであるT0では、V相高圧側スイッチング素子22vとW相高圧側スイッチング素子22wとU相低圧側スイッチング素子32uとをオフからオンに切り替える。また、残りのスイッチング素子については、オフの状態を維持する。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相に一相通電している状態である。
次のタイミングであるT1では、W相低圧側スイッチング素子32wをオフからオンに切り替える。それと同時にW相高圧側スイッチング素子22wをオンからオフに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uとW相コイル部材55wとを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相とW相とに二相通電している状態である。
次のタイミングであるT2では、U相低圧側スイッチング素子32uをオンからオフに切り替える。それと同時にU相高圧側スイッチング素子22uをオフからオンに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、W相コイル部材55wを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のW相に一相通電している状態である。さらに、U相コイル部材55uでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、U相高圧側スイッチング素子22uを通過して電源4側に戻り、電源4で処理される。
次のタイミングであるT3では、各スイッチング素子のオンオフを変更せずT2後の状態を維持する。言い換えると、三相交流モータ50のW相に一相通電している状態を維持している。
次のタイミングであるT4では、W相低圧側スイッチング素子32wをオンからオフに切り替える。それと同時にW相高圧側スイッチング素子22wをオフからオンに切り替える。この状態では、各コイル部材に電流が流れることのできない状態となる。言い換えると、三相交流モータ50に0相通電している状態である。さらに、W相コイル部材55wでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、W相高圧側スイッチング素子22wを通過して電源4側に戻り、電源4で処理される。
次のタイミングであるT5では、U相低圧側スイッチング素子32uをオフからオンに切り替える。それと同時にU相高圧側スイッチング素子22uをオンからオフに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uとV相コイル部材55vとを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相とV相とに二相通電している状態である。
次のタイミングであるT6では、V相低圧側スイッチング素子32vをオンからオフに切り替える。それと同時にV相高圧側スイッチング素子22vをオフからオンに切り替える。この状態では、中性点51側からグランドに向かって、U相コイル部材55uを電流が流れることとなる。言い換えると、三相交流モータ50のU相に一相通電している状態である。さらに、V相コイル部材55vでは、逆起電力が発生している。この逆起電力は、V相高圧側スイッチング素子22vを通過して電源4側に戻り、電源4で処理される。
T6の完了後とT0の完了後は、同じ状態である。このため、T6の完了後はT1のように各スイッチング素子のオンオフを切り替えることで三相交流モータ50の回転駆動を維持することができる。言い換えると、三相交流モータ50の回転駆動を維持する間は、T1からT6までの一連のサイクルを繰り返すこととなる。
ステップS181では、モータシステム5を駆動する駆動要求があるか否かを判定する。例えば、乗員の操作によって車両のパワースイッチがオフされた場合には駆動要求がない状態となる。駆動要求がない場合には、ステップS190に進む。一方、駆動要求がある場合には、現在の駆動モードを維持した状態でステップS110に戻り、一連の故障検知を繰り返し実行する。これにより、車両の走行中にトラブルが発生して高圧側スイッチ22に故障が生じた場合であっても、故障を検知することができる。
ステップS190では、駆動停止モードを実行する。駆動停止モードは、三相交流モータ50を駆動させないモードである。リレー12と高圧側スイッチ22と低圧側スイッチ32とをすべてオフの状態とする。駆動停止モードの実行後、駆動停止モードの状態を維持してモータシステム5の駆動制御を終了する。
上述した実施形態によると、制御部90は、低圧側スイッチング素子をオンからオフに切り替えた際に、オンからオフに切り替えた低圧側スイッチング素子と同相の高圧側スイッチング素子をオフからオンに切り替える。このため、コイル部材で発生した逆起電力をオンに切り替えられた高圧側スイッチング素子を流れる電流として電源4側に戻すことができる。したがって、逆起電力の影響で低圧側スイッチ32に大きな熱負荷が加えられてしまうことを抑制できる。よって、三相交流モータ50で発生した逆起電力を安定して処理可能なモータシステム5を提供できる。
制御部90は、三相交流モータ50を通常駆動する前に、高圧側スイッチ22の故障を検知する故障検知を実行する。このため、高圧側スイッチ22が故障した状態で三相交流モータ50を通常駆動することを防止できる。あるいは、三相交流モータ50を通常駆動する前に、高圧側スイッチ22が故障していることを乗員に報知することができる。したがって、三相交流モータ50を通常駆動する前に、高圧側スイッチ22の故障に対応することができる。特に、高圧側スイッチ22が故障している場合、三相交流モータ50を通常駆動モードなどで駆動してしまうと、逆起電力や短絡で生じた電流によって低圧側スイッチ32に大きな熱負荷が加えられ得る。よって、三相交流モータ50を通常駆動する前に高圧側スイッチ22の故障を検知することは非常に重要である。
リレー12をオフした状態でのショート故障検知において、判定部93は、各相の電流値がすべて閾値未満であれば、高圧側スイッチ22はショート故障していないと判定する。一方、各相の電流値がすべて閾値以上であれば、リレー12または高圧側スイッチ22はショート故障していると判定する。このため、電流値の大きさに基づいて適切にショート故障の有無を判定できる。
ショート故障検知において、判定部93は、電流値の立ち上がり時間が閾値以上の相と同相の高圧側スイッチング素子はショート故障していないと判定する。一方、電流値の立ち上がり時間が閾値未満の相と同相の高圧側スイッチング素子はショート故障していると判定する。このため、電流値の立ち上がり時間に基づいて適切にショート故障の有無を判定できる。したがって、高圧側スイッチ22がショート故障していることを判定した場合に、高圧側スイッチング素子毎にショート故障しているか否かを判定できる。
オープン故障検知において、判定部93は、電流値が閾値以上であれば、その電流値を取得したタイミングでオンに切り替えるパルス信号を受信した高圧側スイッチング素子はオープン故障していないと判定する。一方、電流値が閾値未満であれば、その電流値を取得したタイミングでオンに切り替えるパルス信号を受信した高圧側スイッチング素子はオープン故障していると判定する。このため、電流値の大きさに基づいて適切にオープン故障の有無を判定できる。
オープン故障検知において、オンに切り替えた低圧側スイッチング素子とは異なる相の高圧側スイッチング素子にパルス信号を出力している。このため、高圧側スイッチ22が正常な場合には、2つのコイル部材を経由して電流が流れることとなる。したがって、コイル部材を経由せずに短絡させる場合に比べて、スイッチング素子に加えられる熱負荷を低減しやすい。
制御部90は、故障していると判定された高圧側スイッチング素子の数が1つの場合には、故障していないと判定された2つの高圧側スイッチング素子を用いて三相交流モータ50をフェールセーフ駆動する。このため、三相交流モータ50を駆動してシフトレンジを変更することができる。したがって、1つでも高圧側スイッチング素子が故障していると判定した場合に三相交流モータ50を強制的に停止させる場合に比べて、シフトバイワイヤシステム1を駆動可能な時間を長く確保できる。例えば、NotPレンジの状態で高圧側スイッチング素子の1つが故障した場合であっても、フェールセーフ駆動によってNotPレンジからPレンジに切り替えることができる。
制御部90は、故障していると判定された高圧側スイッチング素子の数が2つ以上の場合には、三相交流モータ50を強制的に停止させる。このため、故障している高圧側スイッチング素子の影響で低圧側スイッチング素子が故障してしまうことを防止しやすい。
制御部90は、高圧側スイッチ22が故障していると判定された場合に、高圧側スイッチ22が故障していることを報知する。このため、乗員が高圧側スイッチ22の故障によってモータシステム5が正常に動作していない状態であることを認識できる。したがって、故障箇所を修理するなどの対応を乗員が速やかにとることができる。特に、フェールセーフ駆動で三相交流モータ50が駆動している場合には、高圧側スイッチ22が故障していることを乗員が認識しにくい。このため、高圧側スイッチ22が故障していることを報知することは非常に重要である。
三相交流モータ50は、スイッチトリラクタンスモータである。このため、永久磁石を用いることなく駆動可能な構成であり、磁石の割れや磁力の低下などによってモータとしての性能が低下することがない。したがって、モータとしての所定の性能を安定して発揮しやすい。
故障検知において、信号出力部91は、各スイッチング素子に対してオフからオンに切り替えるパルス信号を出力している。このため、高圧側スイッチ22がショート故障している場合であっても、故障検知の際に短絡する時間を短くすることができる。したがって、低圧側スイッチ32に加えられる熱負荷の量を低減しやすい。パルス信号を出力している時間は、電流波形が適切に取得できる範囲で、可能な限り短い時間とすることが好ましい。
ステップS110のショート故障検知を行うことで、リレー12のショート故障の有無を判定することができる。このため、リレー12のショート故障を別途行う必要がない。したがって、リレー12のショート故障と高圧側スイッチ22のショート故障とを別々に検知する場合に比べて、三相交流モータ50を通常駆動する前の準備に要する時間を短くしやすい。
通常駆動モードにおける各スイッチング素子の制御内容は、図11に示す方法に限られない。例えば、U相の一相通電の後に、U相とW相との二相通電を行うのではなく、U相とV相との二相通電を行うなどしてもよい。また、フェールセーフ駆動モードにおける各スイッチング素子の制御内容は、図12に示す方法に限られない。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。この実施形態では、リレー12をオンした状態で高圧側スイッチ22のショート故障検知を行う。
図13において、ショート故障検知を開始すると、ステップS211でリレー12をオンの状態とする。これにより、中性点配線11を通電可能な状態とする。リレー12をオンした後、ステップS212に進む。
ステップS212では、低圧側スイッチ32にスイッチをオンするためのパルス信号を出力する。低圧側スイッチ32にパルス信号が入力され、低圧側スイッチ32が短時間オンの状態となる。パルス信号は、U相低圧側スイッチング素子32uとV相低圧側スイッチング素子32vとW相低圧側スイッチング素子32wとに時間をずらして順番に出力される。このため、U相低圧側スイッチング素子32uのみがオンの状態と、V相低圧側スイッチング素子32vのみがオンの状態と、W相低圧側スイッチング素子32wのみがオンの状態とに制御される。
低圧側スイッチ32にパルス信号を出力している間、高圧側スイッチ22にはパルス信号は出力されていない。言い換えると、高圧側スイッチ22は、ショート故障していなければオフの状態が維持された状態である。低圧側スイッチ32にパルス信号を出力した後、ステップS213に進む。
ステップS213では、パルス信号を出力している間における電流値を取得する。より詳細には、U相低圧側スイッチング素子32uがオンの状態でのU相電流を取得する。また、V相低圧側スイッチング素子32vがオンの状態でのV相電流を取得する。また、W相低圧側スイッチング素子32wがオンの状態でのW相電流を取得する。
図14は、高圧側スイッチ22がショート故障していない場合における電流波形を示している。TuのタイミングでU相低圧側スイッチング素子32uにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Tvのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TvのタイミングでV相低圧側スイッチング素子32vにパルス信号が出力されている。このパルス信号は、Twのタイミングよりも前の時点でゼロになっている。TwのタイミングでW相低圧側スイッチング素子32wにパルス信号が出力されている。
U相において、TuのタイミングでU相電流が流れ始めている。これは、オンされているリレー12から、U相コイル部材55u、パルス信号によりオンされているU相低圧側スイッチング素子32uの順に電流が流れたことによる電流波形である。U相コイル部材55uを電流が流れているため、U相コイル部材55uでの逆起電力の影響によりU相電流の立ち上がりに時間を要している。
V相において、TvのタイミングでV相電流が流れ始めている。V相電流は、U相電流と同様の電流波形である。W相において、TwのタイミングでW相電流が流れ始めている。W相電流は、U相電流と同様の電流波形である。まとめると、U相電流とV相電流とW相電流とは、すべて各コイル部材の逆起電力の影響により、立ち上がりに閾値を超える時間を要している。
図15は、U相高圧側スイッチング素子22uとV相高圧側スイッチング素子22vとは正常であり、W相高圧側スイッチング素子22wがショート故障している場合における電流波形を示している。U相において、TuのタイミングでU相電流が流れ始めている。これは、オンされているリレー12から、U相コイル部材55u、パルス信号によりオンされているU相低圧側スイッチング素子32uの順に電流が流れたことによる電流波形である。U相コイル部材55uを電流が流れているため、U相コイル部材55uでの逆起電力の影響によりU相電流の立ち上がりに時間を要している。V相において、TvのタイミングでV相電流が流れ始めている。V相電流は、U相電流と同様の電流波形である。
W相において、TwのタイミングでW相電流が流れ始めている。これは、ショート故障しているW相高圧側スイッチング素子22wからパルス信号によりオンされているW相低圧側スイッチング素子32wに電流が流れたことによる電流波形である。この場合のW相電流においては、コイル部材を経由せずに電流が流れているため、コイル部材での逆起電力の影響がない。言い換えると、電源4とグランドとが瞬間的に短絡している状態である。このため、W相電流は、パルス信号を出力したTwと略同時のタイミングで立ち上がりが完了している。W相電流は、コイル部材を経由して電流が流れるU相電流やW相電流に比べて、立ち上がり時間が短く、かつ、電流の大きさも大きい。パルス信号の出力に対応して各相の電流値を取得した後、ステップS214に進む。
ステップS214では、電流値の立ち上がり時間が閾値以上であるか否かを判定する。高圧側スイッチ22がショート故障している場合には、ショート故障しているスイッチング素子と同相の低圧側スイッチング素子をオンにした瞬間に短絡状態となる。このため、電流波形の立ち上がり時間は、極めて短くなる。一方、ショート故障しているスイッチング素子と異なる相の低圧側スイッチング素子をオンにした場合には、コイル部材を経由して電流が流れることになる。このため、電流波形の立ち上がり時間は、短絡状態に比べて長くなる。以上により、電流波形の立ち上がり時間からどの相の高圧側スイッチング素子がショート故障しているかを判断できる。すべての電流波形について、立ち上がり時間が閾値以上であればステップS215に進む。一方、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が1つでも含まれていればステップS217に進む。
ステップS215では、高圧側スイッチ22は、ショート故障していないと判定する。高圧側スイッチ22がショート故障していないと判定したことで、高圧側スイッチ22に対するショート故障検知を終了する。
ステップS217では、高圧側スイッチ22がショート故障していると判定する。より詳細には、立ち上がり時間が閾値未満の電流波形が取得された相と同相の高圧側スイッチング素子がショート故障していると判定する。また、立ち上がり時間が閾値以上の電流波形が取得された相と同相の高圧側スイッチング素子は、ショート故障していないと判定する。高圧側スイッチ22のショート故障を判定したことで、高圧側スイッチ22に対するショート故障検知を終了する。
上述した実施形態によると、リレー12をオンした状態でのショート故障検知において、判定部93は、電流値の立ち上がり時間が閾値以上の相と同相の高圧側スイッチング素子はショート故障していないと判定する。一方、電流値の立ち上がり時間が閾値未満の相と同相の高圧側スイッチング素子はショート故障していると判定する。このため、高圧側スイッチング素子毎に電流値の立ち上がり時間に基づいて適切にショート故障の有無を判定できる。
ショート故障検知のステップS212を行う際に、通常駆動モードでのT0からT6までの制御に相当する制御を実行してもよい。この場合、T0とT1とT3との3つのタイミングで各相の電流が立ち上がることになるので、この電流の立ち上がりのタイミングで各相の電流値を取得する。取得された電流波形の立ち上がり時間から、高圧側スイッチ22がショート故障しているか否かを判定できる。これによると、ショート故障検知と三相交流モータ50の回転子と固定子との相対的な位置関係を掴む処理とを同時に実行することができる。この場合、通常駆動モードでは、三相交流モータ50の回転子と固定子との相対的な位置関係を掴む処理を省略して、速やかに三相交流モータ50の回転駆動を開始することができる。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。
本開示に記載の制御部およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つないしは複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置およびその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置およびその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。