JP7293809B2 - 多孔質フィルム用の前駆体フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、多孔質フィルムを得るための前駆体フィルム、およびこのような前駆体フィルムを用いて得られる多孔質フィルムに関する。
リチウム二次電池などの蓄電デバイスは、携帯電話、ノート型パソコンなどの小型電子機器、電気自動車などの電源用途として、広く普及している。このようなリチウム二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する短絡防止用のセパレータと、非水電解液とから構成されている。セパレータとしては、たとえば、ポリオレフィンを原料とし、これを薄膜状に形成して多孔化した多孔質フィルムが利用されている。
このようなポリオレフィンを原料とする多孔質フィルムからなるセパレータの製造方法としては、湿式法および乾式法が知られている。湿式法では、たとえば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂に、溶媒などの添加物を混合した樹脂組成物を、フィルム状に製膜した後、製膜したフィルムから添加物を抽出し、次いで、添加物を抽出したフィルムを延伸することにより、多孔質フィルムが製造される。
一方、乾式法としては、たとえば、特許文献1に開示されているように、延伸時の開裂を利用して空隙を形成することで、多孔質フィルムを得る方法が知られている。特許文献1に開示された技術によれば、ポリエチレン系樹脂フィルムと、ポリプロピレン系樹脂フィルムとを熱融着することで一体化させた後、一体化により得られたフィルムを延伸することにより、多孔質フィルムが製造される。
多孔質フィルムの製造方法として乾式法を採用した場合、湿式法では必須となる溶媒などの添加物の抽出工程を必要としないため、湿式法に比べて一般的に生産性に優れている。
特開平10-100344号公報
一方で、特許文献1のような、ポリエチレン系樹脂フィルムと、ポリプロピレン系樹脂フィルムとを熱融着することで一体化させるラミネート法により、多孔質フィルムを製造する場合、ポリエチレン系樹脂層となるポリエチレン系樹脂フィルムを熱処理し、このポリエチレン系樹脂フィルムの両面にポリプロピレン系樹脂フィルムを貼り合わせて延伸多孔化し、多孔質フィルムを形成するものである。しかしながら、ラミネート法においては、ラミネート前のポリエチレン系樹脂フィルムやポリプロピレン系樹脂フィルムは、その製膜時に裂けが発生してしまうことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、透気性に優れた多孔質フィルムを高い品質にて製造することのできる前駆体フィルム、およびこれを延伸多孔化した多孔質フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、原料となるポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂に着目し、鋭意検討を重ねた結果、124℃での等温結晶化試験における半結晶化時間が400秒以下であるポリエチレン系樹脂を含有するポリエチレン系樹脂層と、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%以上であり、エチレン成分の含有量が10質量%以下であるポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備える前駆体フィルムによれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記の[1]~[7]を提供するものである。
[1]ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備える、多孔質フィルム用の前駆体フィルムであって、
前記ポリエチレン系樹脂層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂が、124℃での等温結晶化試験における半結晶化時間(t1/2)が400秒以下であり、
前記ポリプロピレン系樹脂層に含まれる、前記ポリプロピレン系樹脂が、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%以上であり、エチレン成分の含有量が10質量%以下である、多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
[2]前記ポリエチレン系樹脂の124℃での結晶化発熱エネルギー(ΔH)が110J/g以上である[1]に記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が25万~120万である[1]または[2]に記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
[4]前記ポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率が90~98%である[1]~[3]のいずれかに記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
[5][1]~[4]のいずれかに記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルムを延伸多孔化した多孔質フィルム。
[6][5]に記載の多孔質フィルムを有する蓄電デバイス用セパレータ。
[7][6]に記載の蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極とを備える蓄電デバイス。
本発明によれば、透気性に優れた多孔質フィルムを高い品質にて製造することのできる前駆体フィルム、およびこのような前駆体フィルムを用いて得られる多孔質フィルムを提供することができる。
本発明の前駆体フィルムは、多孔質フィルムを製造するために用いられるフィルムであり、
ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備え、
前記ポリエチレン系樹脂層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂が、124℃での等温結晶化試験における半結晶化時間が400秒以下であり、
前記ポリプロピレン系樹脂層に含まれる、前記ポリプロピレン系樹脂が、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%以上であり、エチレン成分の含有量が10質量%以下である。
ここで、本発明の前駆体フィルムは、ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備えるフィルムであり、多孔質フィルムを製造するために用いられるものであるが、このような多孔質フィルムを乾式法により製造する方法としては、ラミネート法と、共押出法とが知られている。
ラミネート法は、ポリエチレン系樹脂フィルム、およびポリプロピレン系樹脂フィルムを別個に準備し、これらを別個に熱処理した後、貼り合わせて、貼り合わせたフィルムを延伸多孔化することで、多孔質フィルムを製造する方法である。また、共押出法は、ポリエチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを一括してフィルム状に押し出すことで、前駆体フィルムを得て、得られた前駆体フィルムを延伸多孔化することで、多孔質フィルムを製造する方法である。
すなわち、ラミネート法では、前駆体フィルムを得るためには、まず、ポリエチレン系樹脂フィルム、およびポリプロピレン系樹脂フィルムを個別に成形した後、次いで、熱処理した後、これらを貼り合わせて融着させる必要がある一方で、共押出法によれば、ポリエチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを一括して押し出すことで、ポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂層とを有する前駆体フィルムを一括で成形できることから、ラミネート法と比較して、高い効率にて前駆体フィルムを生産できるものである。
その一方で、本発明者等が、共押出法による前駆体フィルムの製造について鋭意検討を行ったところ、共押出法により得られる前駆体フィルムについて、延伸による多孔化を行う方法を採用した場合、十分な開孔を形成することが通常は困難であること、および、これに対し、原料となるポリエチレン系樹脂、およびポリプロピレン系樹脂として、特定の特性を有するものを使用し、これらを組み合わせることで、延伸による多孔化を行った際に、十分な開孔を有する多孔質フィルムを高い品質にて得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
以下、本発明の前駆体フィルムについて詳細に説明する。
本発明の前駆体フィルムは、上述したように、ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備えるものである。
[ポリエチレン系樹脂]
本発明においては、ポリエチレン系樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂として、124℃での等温結晶化試験における半結晶化時間(t1/2)が400秒以下であるものを用いるものであり、半結晶化時間(t1/2)は、好ましくは350秒以下であり、より好ましくは330秒以下、さらに好ましくは300秒以下、特に好ましくは250秒以下である。
なお、本発明において、「124℃における半結晶化時間(t1/2)」とは、溶融状態のポリエチレン系樹脂を、示差走査熱量計(DSC)において、124℃まで、-500℃/分で急冷した後、当該温度で保持した際に表示される結晶化曲線の積分値が、結晶化状態に移行するまでの曲線の積分値の半分に到達するまでの時間である。なお、温度条件は測定目的に合わせて適宜変更してもよい。
124℃における半結晶化時間が、400秒を超えると、ポリエチレン系樹脂を含有するポリエチレン系樹脂層を備える前駆体フィルムを、延伸多孔化した際に、開孔が形成し難くなり、得られる多孔質フィルムの透気性が不十分となり、蓄電デバイス用セパレータ用途に用いた場合に充放電特性が不十分となってしまう。
一方、124℃における半結晶化時間が、50秒以上であると、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、延伸多孔化した際における、開孔の形成を容易なものとすることが可能であることから、124℃における半結晶化時間の下限は、好ましくは50秒以上であり、より好ましくは60秒以上、さらに好ましくは70秒以上、特に好ましくは80秒以上である。
また、ポリエチレン系樹脂としては、124℃における結晶化発熱エネルギー(△H)が、110J/g以上であることが好ましく、より好ましくは110~190J/gであり、さらに好ましくは120~175J/g、特に好ましくは135~163J/gである。124℃における結晶化発熱エネルギー(△H)が110J/g以上であると、前駆体フィルムを構成するポリエチレン系樹脂層の結晶化度が高くなり、延伸多孔化した際における開孔性を高めることができる。また、延伸多孔化した際における、前駆体フィルムを構成するポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂層との間の剥離強度を十分なものとするという観点より、結晶化発熱エネルギー(△H)は190J/g以下であることが好ましい。
124℃における結晶化発熱エネルギー(△H)は、たとえば、示差走査熱量計(DSC)により、溶融状態のポリエチレン系樹脂を、124℃まで、-500℃/分で急冷した後、当該温度で保持した際に表示される結晶化曲線の積分値から求めることができる。なお、温度条件は測定目的に合わせて適宜変更してもよい。
また、ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)が200J/g以上であることが好ましく、より好ましくは205J/g以上、さらに好ましくは210J/g以上である。また、示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)の上限は、特に限定されないが、好ましくは240J/g以下である。
ポリエチレン系樹脂は、重量平均分子量が22万以上60万以下であることが好ましく、25万以上50万以下であることがより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算の値として求めることができる。分子量1~10万の成分の割合は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の結果より、ポリスチレン換算の値として求めた分子量の分布から求めることができる。また、ポリエチレン系樹脂は、融点が125℃以上140℃以下であることが好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン単位を80質量%以上、好ましくは90質量%以上含有するものであるが、ポリエチレン系樹脂中における、プロピレン成分の含有量は、0.7質量%以下であることが好ましく、プロピレン成分の含有量が多すぎると、プロピレン成分がポリエチレン系樹脂の結晶化を阻害し、結晶化度を低下させてしまう場合がある。また、ポリエチレン系樹脂中における、ブテン成分の含有量は、0.3質量%以下であることが好ましく、ブテン含有量が多すぎると、ブテン成分がポリエチレン系樹脂の結晶化を阻害し、結晶化度を低下させてしまう場合がある。
本発明において、ポリエチレン系樹脂層中における、ポリエチレン系樹脂の含有割合は、99.80質量%以上であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂の含有割合が99.80質量%以上であると、ポリエチレン系樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂中のラメラ晶中の結晶欠陥が減少し、結晶化度が向上するため好ましい。
ポリエチレン系樹脂層を形成するポリエチレン系樹脂の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。たとえば、ポリエチレン系樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒といった触媒を用いて製造することができ、特にチーグラー・ナッタ触媒を用いた方法が好ましい。重合方法は単段、多段どちらでも構わないが多段の方が好ましい。ポリエチレン系樹脂の124℃における半結晶化時間、124℃における結晶化発熱エネルギー、重量平均分子量等は、重合温度、触媒量等の各種製造条件を調節することにより制御することができる。
多段重合においては、直列または並列に接続された複数の重合反応器で順次連続的に重合を行うことが好ましい。重合は、有機溶媒中、液状単量体中、もしくは気相中で行うことができる。多段重合では、たとえば、まず、第一段目において、エチレンあるいは、エチレンとα-オレフィンとを重合/共重合させることで、高分子量成分となるポリエチレンを製造する。次いで、第二段目において、重合系中にエチレンおよび水素を導入し、低分子量成分となるポリエチレンを製造する。すなわち、多段重合では、高分子量成分および低分子量成分を含むポリエチレン系樹脂を製造することができ、このような態様を採用することが好ましく、このような方法によれば、重量平均分子量や、分子量1~10万の成分の含有割合が所望の範囲にあるポリエチレン系樹脂を得ることができる。あるいは、第一段目で低分子量成分のポリエチレンを、第二段目で高分子量成分のポリエチレンを順次製造する方法を採用してもよい。なお、エチレンと共重合させるα-オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどが挙げられる。
[ポリプロピレン系樹脂]
また、ポリプロピレン系樹脂層を形成するプロピレン系樹脂としては、プロピレン単位を80質量%以上、好ましくは90質量%以上含有する樹脂であればよく、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレン系樹脂としては、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。また、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれであってもよい。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、たとえば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどのα-オレフィン等が挙げられる。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂層を形成するポリプロピレン系樹脂として、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%以上であり、エチレン成分の含有量が10質量%以下であるものを用いる。
ポリプロピレン系樹脂中における、分子量が10万以下である成分の含有量は、12質量%以上であり、好ましくは14質量%以上、より好ましくは16質量%以上である。ポリプロピレン系樹脂中における、分子量が10万以下である成分の含有量が、12質量%未満であると、前駆体フィルムを延伸多孔化することにより得られる多孔質フィルムの多孔化が不十分となってしまう。ポリプロピレン系樹脂中における、分子量が10万以下である成分の含有量の上限は、特に限定されないが、前駆体フィルムを延伸多孔化することにより得られる多孔質フィルムの強度を十分なものとするという観点より、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。分子量が10万以下である成分の割合は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の結果より、ポリスチレン換算の値として求めた分子量の分布から求めることができる。
また、ポリプロピレン系樹脂中における、エチレン成分の含有量は、10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。エチレン成分の含有量が10質量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂層を備える前駆体フィルムを、延伸多孔化した際に、開孔が形成し難くなり、得られる多孔質フィルムの透気性が不十分となり、蓄電デバイス用セパレータ用途に用いた場合に充放電特性が不十分となってしまう。ポリプロピレン系樹脂中における、エチレン成分の含有量の下限は特に限定されないが、実質的に0質量%とすることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは25万~120万であり、より好ましくは50万~100万、さらに好ましくは50万~80万であり、特に好ましくは55万~80万である。重量平均分子量が上記範囲にあるポリプロピレン系樹脂によれば、共押出法でも良好な開孔を有する多孔質フィルムを提供することができる。とりわけ、重量平均分子量が60万~75万のポリプロピレン樹脂を用いた場合は、そのメカニズムは必ずしも明らかではないが、多孔質フィルムを製造する際に、裂けの発生をより適切に抑制することができ、これにより、多孔質フィルムの製造をより安定的に行うことができる。
また、ポリプロピレン系樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、特に限定されないが、好ましくは7.0~15.0であり、より好ましくは7.5~14.5、さらに好ましくは8.0~14.0である。分子量分布を上記範囲とすることで、前駆体フィルムを延伸多孔化することで得られる多孔質フィルムの開口率をより高めることができ、これにより、多孔質フィルムのガーレ値をより高めることができる。ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により、ポリスチレン換算の値として求めることができる。
ポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率は、特に限定されないが、好ましくは90%以上であり、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは94%以上、特に好ましくは96%以上である。ペンタッド分率が90%以上であるポリプロピレン系樹脂によれば、共押出法により前駆体フィルムを製造した際に、ラメラ結晶をより適切に成長させることができ、これにより、前駆体フィルムを延伸多孔化して多孔質フィルムとした際に、多孔質フィルムを、良好な空孔率を有するものとすることができる。なお、メソペンタッド分率の上限は、特に限定されないが、好ましくは98%以下であり、より好ましくは97.8%以下である。メソペンタッド分率は、たとえば、13C-核磁気共鳴スペクトルのピーク帰属に基づいて定量されたポリプロピレン系樹脂中におけるプロピレンモノマー単位が5個連続して等しい立体構造を有する割合を意味しており、立体規則性の指標として一般的に用いられている。
ポリプロピレン系樹脂層を形成するポリプロピレン系樹脂の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。たとえば、ポリプロピレン系樹脂は、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒といった触媒を用いて製造することができ、特にチーグラー・ナッタ触媒を用いた方法が好ましい。重合方法は単段、多段いずれでもよい。ポリプロピレン系樹脂の、分子量が10万以下である成分の含有量、重量平均分子量、分子量分布、メソペンタッド分率等は、重合温度、触媒量等の各種製造条件を調節することにより制御することができる。また、ポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分の含有量は、重合に用いるエチレン量を調整することにより制御することができる。
[前駆体フィルム]
本発明の前駆体フィルムは、上述したポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層(以下、PE層)と、上述したポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層(以下、PP層)と、を備える。前駆体フィルムの構成としては特に限定されないが、PE層の上に、PP層を有するような構成であればよく、たとえば、PE層/PP層/PE層、PP層/PE層/PP層といった三層構造、PP層/PE層/PP層/PE層/PP層、PE層/PP層/PE層/PP層/PE層といった五層構造などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系樹脂を含むPE層の両面に、一対のポリプロピレン系樹脂を含むPP層が配置されてなる構成、すなわち、PP層/PE層/PP層の三層構造が好適である。
前駆体フィルムの厚さは、特に限定されないが、好ましくは8~40μmであり、より好ましくは12~35μmである。前駆体フィルムの厚みを上記範囲とすることにより、このような前駆体フィルムを延伸多孔化することにより得られる多孔質フィルムを、膜厚が10~30μmの良好な開孔を有するものとすることができる。
[前駆体フィルムの製造方法]
本発明の前駆体フィルムは、上述したポリエチレン系樹脂と上述したポリプロピレン系樹脂とを一括してフィルム状に押し出すことで、製膜する方法、すなわち、共押出しにより製膜する方法により製造することができる。たとえば、PE層を中間層とし、その両面にPP層を設けた前駆体フィルムを製造する場合を例示すると、PE層を中間層とし、その両面にPP層が形成されるように、ポリエチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを共押出しにより製膜することにより製造することができる。
ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを共押出しする際における、共押出しに使用する装置としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。そのような共押出し用の装置としては、たとえば、サーキュラーダイを備えた共押出機、フィードブロックまたはマルチマニホールド型のTダイを備えた共押出機などが挙げられる。
共押出機を用いて共押出しする際における、ダイ温度(すなわち、製膜温度)は、好ましくは185~240℃であり、より好ましくは190~235℃、さらに好ましくは195~230℃である。ダイ温度を185℃以上とすることにより、製膜時に破断することなく前駆体フィルムを形成できる。また、ダイ温度を240℃以下とすることにより、熱によるポリプロピレン系樹脂の劣化を低減でき、最終的に得られる多孔質フィルムの特性の低下を抑制することができる。
[多孔質フィルム]
本発明の多孔質フィルムは、上述した本発明の前駆体フィルムを、延伸多孔化することにより得られる、微多孔質のフィルムであり、たとえば、蓄電デバイス用のセパレータ用途に好適に用いられるものである。
本発明の多孔質フィルムは、膜厚が、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。膜厚が40μm以下であると、多孔質フィルムを製造する際に前駆体フィルムを開孔させやすく、これによりガーレ値(透気度)の低い多孔質フィルムをより容易に得られるため好ましい。なお、前駆体フィルムの膜厚が薄いほど、開孔しやすくすることが可能であるが、10μm未満の膜厚を有する多孔質フィルムを製造する場合、その膜厚を均一にコントロールすることが難しいことが多いため、多孔質フィルムの膜厚の下限は、好ましくは10μm以上である。
本発明の多孔質フィルムの空孔率は、特に限定されないが、好ましくは45~70%であり、より好ましくは48~65%であり、最も好ましくは48~60%である。
また、本発明の多孔質フィルムを蓄電デバイス用のセパレータとして用いる場合、ガーレ値(透気度)は400秒/100cc以下であることが好ましく、380秒/100cc以下がより好ましい。多孔質フィルムのガーレ値が400秒/100cc以下であると、セパレータとして多孔質フィルムを用いた蓄電デバイスにおいて、高温保存時におけるインピーダンスの上昇を効果的に抑制できる。なお、多孔質フィルムのガーレ値が低すぎると、セパレータとして多孔質フィルムを用いた蓄電デバイスにおいて、蓄電デバイスを作動させた際に短絡が発生しやすくなる。このため、多孔質フィルムのガーレ値は、50秒/100cc以上であることが好ましく、65秒/100cc以上であることがより好ましく、75秒/100cc以上であることがさらに好ましい。
[多孔質フィルムの製造方法]
本発明の多孔質フィルムは、上述した本発明の前駆体フィルムを延伸多孔化することにより製造される。
前駆体フィルムを延伸多孔化する際には、延伸多孔化する前に、前駆体フィルムについて、予め熱処理を行うことが好ましい。予め熱処理を施すことにより、前駆体フィルムを構成するポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を結晶化させることができ、これにより、前駆体フィルムを延伸による多孔化により適したものとすることができ、延伸による多孔化をより好適に行うことができる。また、熱処理条件により、前駆体フィルムの結晶化度をコントロールすることができ、熱処理条件により結晶化度をコントロールすることにより、延伸多孔化により得られる多孔質フィルムの開孔特性を調整することができる(すなわち、間接的にコントロールすることができる)。
熱処理の方法としては、たとえば、前駆体フィルムを予め加熱したロールに当接させる方法や、前駆体フィルムを所定温度に加温された環境下を通過させる方法などが挙げられ、適切な方法を用いるとよい。
熱処理温度は、好ましくは110℃以上145℃以下であり、より好ましくは128℃超140℃以下、さらに好ましくは130℃以上136℃以下である。熱処理温度を上記範囲とすることにより、前駆体フィルムの結晶化度をより適切に高めることができ、得られる多孔質フィルムのガーレ値(透気度)を十分に低いものとすることができる。また、熱処理時間は、好ましくは20秒間~60分間であり、より好ましくは40秒間~40分間、さらに好ましくは70秒間~20分間である。熱処理時間は、上述の熱処理の温度に応じて適宜定めればよい。
PE層とPP層との層厚比は、目的に応じて適宜変更するとよい。たとえば、PP層/PE層/PP層の三層構造とする場合には、PE層の熱処理を確実に実施してPP層に良好な開孔を形成するという観点より、それぞれの表層のPP層の厚みを、少なくともPE層の厚みと同じ厚み、もしくはPE層の厚みよりも薄くするとよい。このような層構造とすることで、PE層を確実に熱処理することができ、延伸時にPE層に良好な開孔を形成することが可能となる。また、このような構成により、得られる多孔質フィルムをセパレータとして蓄電デバイスに組み込んだ際に、当該蓄電デバイスが異常発熱したとき、十分な量のポリエチレン系樹脂が溶融し、これにより、PP層に形成された開孔を適切に塞ぐことができ、電池機能を適切に消失(シャットダウン)させることができる。
また、熱処理された前駆体フィルムのPE層のラメラ厚みは、X線小角散乱法で測定した値で、好ましくは150~300Åであり、その下限は170Å以上であることがより好ましく、180Å以上であることがさらにより好ましい。ラメラ厚みが150Å以上であると、延伸多孔化処理を経ることによって孔径の比較的大きな細孔をPE層内に形成することができ、得られる多孔質フィルムのガーレ値(透気度)を十分に低いものとすることができる。一方、PE層のラメラ厚みが150Å未満であると、得られる多孔質フィルムは、耐電圧特性は良好となるものの、ガーレ値が高くなり過ぎてしまい、多孔質フィルムを蓄電デバイス用のセパレータとして用いた場合に、蓄電デバイス用のセパレータとして適さなくなってしまう可能性が生じてしまう。また、耐電圧特性の観点からも好ましくない。
そして、このように熱処理された前駆体フィルムを、延伸することにより多孔化(延伸多孔化)することで、これにより多孔質フィルムを得ることができる。
延伸多孔化における延伸方式としては、特に限定されないが、機械方向(MD)への一軸延伸方式、機械方向と略垂直をなす幅方向(TD)への一軸延伸方式、機械方向(MD)に次いで幅方向(TD)に延伸する逐次二軸延伸方式、機械方向(MD)と幅方向(TD)とでほぼ同時に延伸する同時二軸延伸方式、チューブラー二軸延伸方式等が挙げられる。これらの中で目的に応じて適した延伸方式を採用するとよい。
延伸多孔化の具体的な方法としては、たとえば、熱処理された前駆体フィルムを、低温延伸ゾーンにて低温延伸し、次いで高温延伸ゾーンにて低温延伸よりも高い温度で延伸することで多孔化することで、多孔質フィルムを得る方法が挙げられる。低温延伸と高温延伸のうちのどちらか一方の延伸だけでは、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の両方を十分に多孔化することができず、多孔質フィルムを形成できなくなってしまう場合がある。
低温延伸の温度は、特に限定されないが、好ましくは-20℃以上、+50℃以下であり、より好ましくは+20℃以上、+40℃以下である。低温延伸の温度が低すぎると延伸中に前駆体フィルムの破断が生じやすくなり好ましくない。一方、低温延伸の温度が高すぎると、前駆体フィルム中のポリエチレン系樹脂が開孔されにくくなるので好ましくない。
低温延伸の延伸倍率は、特に限定されないが、3%以上、200%以下の範囲が好ましく、より好ましくは5%以上、100%以下の範囲である。低温延伸の延伸倍率が3%以上であると、ガーレ値が十分に低い多孔質フィルムが得られやすくなる。一方、低温延伸の延伸倍率が200%を超えると、発生したクレーズがクラックに変化し、破膜の原因となる。このため低温延伸の延伸倍率は、200%以下であることが好ましい。
高温延伸の温度は、好ましくは70℃以上150℃以下であり、より好ましくは80℃以上145℃以下である。高温延伸の温度をこの範囲とすることにより、高温延伸における多孔化を十分なものとすることができ、ガーレ値が十分に低い多孔質フィルムが得られやすくなる。
高温延伸の延伸倍率は、特に限定されないが、100%以上、400%以下の範囲であることが好ましい。高温延伸の延伸倍率が低すぎると、多孔質フィルムのガーレ値が十分に低くならないおそれがある。また、高温延伸の延伸倍率が高すぎると、多孔質フィルムのガーレ値が低くなりすぎる場合がある。
本発明によれば、このような製造方法を採用することにより、膜厚が18μm以下で、ガーレ値が400秒以下である多孔質フィルムを好適に製造することができる。
以上のように、本発明によれば、透気性に優れた多孔質フィルムを高い品質にて製造することのできる前駆体フィルム、およびこのような前駆体フィルムを用いて得られる多孔質フィルムを提供することができ、特に、本発明の前駆体フィルムは、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とをフィルム状に重ねた状態で一括して押し出す共押出法により好適に製造することができるものである。そのため、本発明によれば、高い効率にて前駆体フィルムを生産でき、さらには、延伸多孔化して、多孔質フィルムを得る際に、フィルムが裂けてしまうという不具合(すなわち、ラミネート法に特有の不具合)を抑制することができ、これにより、高い品質にて、多孔質フィルムを生産できるものである。
[蓄電デバイス]
本発明の蓄電デバイスは、上述した本発明の多孔質フィルムを含む蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極とを備えるものである。
(非水電解液)
本発明の蓄電デバイスは、上述した本発明の多孔質フィルムを含む蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極とに加えて、通常、非水電解液を含有する。非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステルが好適に挙げられる。広い温度範囲、特に高温での電気化学特性が相乗的に向上するため、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることがさらに好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることがもっとも好ましい。なお、「鎖状エステル」なる用語は、鎖状カーボネートおよび鎖状カルボン酸エステルを含む概念として用いる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)から選ばれる一種または二種以上が挙げられ、ECとVCの組み合わせ、PCとVCの組み合わせが特に好ましい。
また、非水溶媒がエチレンカーボネートおよび/またはプロピレンカーボネートを含むと電極上に形成される被膜の安定性が増し、高温、高電圧サイクル特性が向上するので好ましい。エチレンカーボネートおよび/またはプロピレンカーボネートの含有量は、非水溶媒の総体積に対し、好ましくは3体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは7体積%以上である。また、その上限としては、好ましくは45体積%以下、より好ましくは35体積%以下、さらに好ましくは25体積%以下である。
鎖状エステルとしては、非対称鎖状カーボネートとして、メチルエチルカーボネート(MEC)、対称鎖状カーボネートとして、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、鎖状カルボン酸エステルとして酢酸エチル(以下、EA)が好適に挙げられる。前記鎖状エステルの中でも、MECとEAのような非対称かつエトキシ基を含有する鎖状エステルの組み合わせが可能である。
鎖状エステルの含有量は、特に制限されないが、非水溶媒の総体積に対して、60~90体積%の範囲で用いるのが好ましい。鎖状エステルの含有量が60体積%以上であれば非水電解液の粘度が高くなりすぎず、90体積%以下であれば非水電解液の電気伝導度が低下して広い温度範囲、特に高温での電気化学特性が低下するおそれが少ないので上記範囲であることが好ましい。
鎖状エステルの中でもEAが占める体積の割合は、非水溶媒中に1体積%以上が好ましく、2体積%以上がより好ましい。その上限としては、10体積%以下がより好ましく、7体積%以下であるとさらに好ましい。非対称鎖状カーボネートはエチル基を有するとより好ましく、メチルエチルカーボネートが特に好ましい。
環状カーボネートと鎖状エステルの割合は、広い温度範囲、特に高温での電気化学特性向上の観点から、環状カーボネート:鎖状エステル(体積比)が10:90~45:55が好ましく、15:85~40:60がより好ましく、20:80~35:65が特に好ましい。
非水電解液に使用される電解質塩としては、リチウム塩が好適に挙げられる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiN(SOF)、LiN(SOCFからなる群より選ばれる1種または2種以上が好ましく、LiPF、LiBFおよびLiN(SOF)から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、LiPFを用いることがさらに好ましい。
非水電解液は、たとえば、上述した非水溶媒を混合し、これに上述した電解質塩および溶解助剤などを特定の混合比率で混合させた組成物を添加する方法により得ることができる。この際、用いる非水溶媒および非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の多孔質フィルムを含む蓄電デバイス用セパレータは、たとえば、下記の第1、第2の蓄電デバイスに使用することができる。また、この場合において、非水電解質として、液体状のものだけでなくゲル化されているものも使用できる。中でも電解質塩としてリチウム塩を使用するリチウムイオン電池(第1の蓄電デバイス)用やリチウムイオンキャパシタ(第2の蓄電デバイス)用のセパレータとして用いることが好ましく、リチウムイオン電池用に用いることがより好ましく、リチウムイオン二次電池用に用いることがさらに好ましい。
(第1の蓄電デバイス)
第1の蓄電デバイスとしてのリチウムイオン二次電池は、正極、負極および上述した非水電解液を有する。正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
たとえば、リチウムイオン二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン、およびニッケルからなる群より選ばれる1種または2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、たとえば、LiCoO、LiCo1-x(ただし、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、およびCuから選ばれる1種または2種以上の元素)、LiMn、LiNiO、LiCo1-xNixO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn0.3Co0.2Mn0.3、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiMnOとLiMO(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体、およびLiNi1/2Mn3/2から選ばれる1種以上が好適に挙げられる。
正極は、上述した正極活物質をアセチレンブラック、導電剤、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリルとブタジエンの共重合体(NBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の結着剤と混合し、これに溶剤を加えて混練して正極合剤とした後、この正極合剤を集電体のアルミニウム箔やステンレス製板等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、所定条件のもとに加熱処理することにより作製することができる。導電剤としては、化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に限定されないが、たとえば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラックなどから選ばれる1種または2種以上のカーボンブラック等が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用負極活物質としては、リチウム金属やリチウム合金、およびリチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素材料、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、またはLiTi12等のチタン酸リチウム化合物等を一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵および放出能力が高いという観点より、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することがより好ましい。
特に複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合または結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、鱗片状天然黒鉛を球形化処理した粒子、を用いることが好ましい。
負極は、上記した正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、所定条件のもとに加熱処理することにより作製することができる。
第1の蓄電デバイスとしてのリチウムイオン二次電池の構造に特に限定はなく、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、またはラミネート電池等を適用できる。
巻回型のリチウムイオン二次電池は、たとえば、電極体が非水電解液と共に電池ケースに収容された構成を有する。電極体は、正極と負極とセパレータとによって構成されている。非水電解液の少なくとも一部は、電極体に含浸されている。
巻回型のリチウムイオン二次電池では、正極として、長尺シート状の正極集電体と、正極活物質を含み、かつ正極集電体上に設けられた正極合材層とを含む。負極として、長尺シート状の負極集電体と、負極活物質を含み、かつ負極集電体上に設けられた負極合材層とを含む。セパレータは、正極および負極と同様に、長尺シート状に形成されている。正極および負極は、それらの間にセパレータを介在させ筒状に巻回される。
電池ケースは、有底円筒状のケース本体と、ケース本体の開口部を塞ぐ蓋とを備える。蓋およびケース本体は、たとえば金属製であり互いに絶縁されている。蓋は正極集電体に電気的に接続され、ケース本体は負極集電体に電気的に接続されている。なお、蓋が正極端子、ケース本体が負極端子をそれぞれ兼ねるようにしてもよい。
リチウムイオン二次電池は、-40~100℃、好ましくは-10~80℃で充放電することができる。また、巻回型リチウムイオン二次電池の内圧上昇の対策として、電池の蓋に安全弁を設ける方法、あるいは、電池のケース本体やガスケット等の部材に切り込みを入れる方法も採用することができる。また、過充電防止の安全対策として、電池の内圧を感知して電流を遮断する電流遮断機構を蓋に設けることもできる。
一例として、リチウムイオン二次電池の製造手順について以下に説明する。
まず、正極、負極、およびセパレータをそれぞれ作製する。次に、それらを重ね合わせて円筒状に巻回することにより、電極体を組み立てる。次いで電極体をケース本体に挿入し、ケース本体内に非水電解液を注入する。これにより、電極体に非水電解液が含浸する。ケース本体内に非水電解液を注入した後、ケース本体に蓋を被せ、蓋およびケース本体を密封する。なお、巻回後の電極体の形状は円筒状に限られない。たとえば、正極とセパレータと負極とを巻回した後、側方から圧力を加えることにより、偏平形状に形成してもよい。
上記のリチウムイオン二次電池は、各種用途向けの二次電池として利用可能である。たとえば、自動車等の車両に搭載され、車両を駆動するモータ等の駆動源用の電源として好適に利用することができる。車両の種類は特に限定されないが、たとえば、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等があげられる。かかるリチウムイオン二次電池は、単独で使用されてもよく、直列および/または並列に複数の電池を接続して使用してもよい。
なお、上記では巻回型リチウムイオン二次電池について例示したが、本発明においては、このような態様に限定されず、ラミネート型リチウムイオン二次電池に適用してもよい。
(第2の蓄電デバイス)
また、第2の蓄電デバイスとして、リチウムイオンキャパシタが挙げられる。リチウムイオンキャパシタは、セパレータとして、上述した本発明の多孔質フィルムを有する蓄電デバイス用セパレータ、非水電解液、正極、および負極を有する。リチウムイオンキャパシタは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵することができる。正極は、たとえば活性炭電極と電解液との間の電気二重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF等のリチウム塩が含まれる。
次に、実施例および比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から容易に類推可能な様々な組み合わせを包含する。
表1に示す特性を有するポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を用いて、以下に示す方法により、実施例1~16、比較例1~4の前駆体フィルムを成形した後、各前駆体フィルムを延伸して多孔化することにより、実施例1~16、比較例1~4の多孔質フィルムを形成した。実施例1~16、比較例1~4の前駆体フィルムおよび多孔質フィルムは、PP層/PE層/PP層を有する三層構造とした。
各特性は、以下に示す方法により測定した。
[ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、分子量10万以下の成分の含有割合]
ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、分子量10万以下の成分の含有割合は、Agilent社製ゲル浸透クロマトグラフを用いて、標準ポリスチレン換算によって求めた。カラムにはAgilent PLgel Olexisの2本を使用し、0.05wt/vol%に調製したオルトジクロロベンゼン中、145℃で測定を行った。検出器には、示差屈折計(RI)を用いた。
[ポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率[mmmm](NMR(核磁気共鳴)測定)]
ODCB(1,2-ジクロロベンゼン)/C(4/1)溶媒に10wt/vol%の濃度でポリプロピレン系樹脂を溶かし、13C-NMR測定を、分解能100MHz、温度130℃、積算回数8000回の条件で行い、ピーク高さ法よりメソペンタッド分率を算出した。
[ポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分の含有割合]
上記メソペンタッド分率の測定と同様にして、13C-NMR測定を行い、高分子分析ハンドブック(日本分析化学会編集)の記載に基づいて帰属した13C-NMRスペクトルから、ピーク高さ法によって、ポリプロピレン系樹脂中のエチレン成分の含有割合を求めた。本測定においては、分岐構造を持たないものの割合をエチレン成分の含有割合とした。
[ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)]
ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、Agilent社製ゲル浸透クロマトグラフを用いて、標準ポリスチレン換算によって求めた。カラムにはAgilent PLgel Olexisの2本を使用し、0.05wt/vol%に調製したオルトジクロロベンゼン中、145℃で測定を行った。検出器には、示差屈折計(RI)を用いた。
[ポリエチレン系樹脂の密度]
ポリエチレン系樹脂の密度(kg/m)は、JIS K7112に準拠して、25℃の条件で測定した。
[ポリエチレン系樹脂の124℃における半結晶化時間(t1/2)]
ポリエチレン系樹脂について、パーキンエルマー社製入力補償型示差走査熱量計(商品名: DSC8500)を用いて、走査温度範囲50℃から250℃まで、昇温速度200℃/分で昇温し、昇温走査後に5min間の熱処理を行った。その後、124℃まで-500℃/分で降温し、当該温度を90分間キープした。そして、この際における、結晶化発熱エネルギー△Hの面積を積分し、半分の面積になったときの時間を、半結晶化時間(t1/2)とした。
[ポリエチレン系樹脂の124℃における結晶化発熱エネルギー(△H)]
ポリエチレン系樹脂について、パーキンエルマー社製入力補償型示差走査熱量計(商品名:DSC8500)を用い、走査温度範囲50℃から250℃まで、昇温速度200℃/分で昇温し、昇温走査後に5min間の熱処理を行った。その後、124℃まで-500℃/分で降温し、当該温度を90分間キープした。そして、この際における、発熱エネルギーを結晶化発熱エネルギー(ΔH)とした。
[ポリエチレン系樹脂の示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)測定]
ポリエチレン系樹脂に対し、パーキンエルマー社製入力補償型示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC)を用いて、走査温度範囲30℃から230℃、10℃/分の昇温条件にて、示差走査熱量分析を行うことで、DSC発熱エネルギーを測定した。
[前駆体フィルムおよび多孔質フィルムの膜厚]
前駆体フィルムおよび多孔質フィルムの膜厚は、ダイヤルゲージ(尾崎製作所社製、商品名「PEACOCK No.25」)を用いて測定した。
[多孔質フィルムのガーレ値(透気度)]
製造した多孔質フィルムからMDに80mm、全幅の試験片を採取し、中央部と左右の端部(端面から50mm内側)の3点について、B型ガーレ式デンソメーター(株式会社東洋精機社製)を用いてJIS P8117に準じて測定を行った。3点の平均値をガーレ値として評価した。また、上記にて測定した多孔質フィルムの膜厚と、ガーレ値の結果より、厚み1μmあたりのガーレ値の算出も行った。
[多孔質フィルムの空孔率]
多孔質フィルムの幅方向両端部より型枠を用いて100mm×100mmの試験片を、両端面に沿って2枚採取し、採取した2枚の各試験片の重量を0.1mgまで測定した。測定した重量から下記式を用いて空孔率を算出した。
空孔率(%)={(1-試験片重量(g)/密度(g/cm))/(試験片面積(100cm)×膜厚(cm))}×100
<実施例1>
表1に示す特性を有するポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂を使用し、マルチマニホールド型のTダイを備えた共押出機を用い、ダイ温度(共押出温度)210℃にて、PE層を中間層とし、その両面にPP層が形成されるように、ポリエチレン系樹脂と、ポリプロピレン系樹脂とを共押出しすることで、PP層/PE層/PP層の三層構造からなる前駆体フィルムを得た。なお、前駆体フィルムにおける、各層の厚み比は、PP層/PE層/PP層=1/1/1とした。
そして、得られた前駆体フィルムに対し、130.2℃~135.7℃の温度領域で30分間の熱処理を行い、次いで、熱処理した前駆体フィルムを、35℃の冷延伸ゾーンにて18%の延伸倍率(初期延伸倍率)で低温延伸した。そして、低温延伸された前駆体フィルムを130℃の熱延伸ゾーンで190%の延伸倍率(最大延伸倍率)で高温延伸し、次いで、125%の延伸倍率(最終延伸倍率)になるまで熱緩和させた。その後、133℃の温度で熱固定することで多孔質フィルムを作製した。そして、作製した多孔質フィルムについて、ガーレ値(総ガーレ値)の測定および厚み1μmあたりのガーレ値の算出を行った。なお、本実施例においては、前駆体フィルムの延伸は、機械方向(MD)への一軸延伸方式により行った。結果を表1に示す。
<実施例2~16、比較例1~4>
表1に示す特性を有するポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂をそれぞれ使用したこと、PP層/PE層/PP層の厚み比を表1に示すものとしたこと以外は、実施例1と同様にして、前駆体フィルムおよび多孔質フィルムを作製し、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
なお、実施例1~16で使用したポリエチレン系樹脂は、いずれも、プロピレン成分の含有量およびブテン成分の含有割合が、いずれも実質的に0質量%であった。
Figure 0007293809000001
表1に示すように、実施例1~16によれば、表1に示す特性を有するポリプロピレン系樹脂およびポリエチレン系樹脂をそれぞれ用いることにより、共押出しによる前駆体フィルムを好適に製造することができ、さらには、このようにして得られた前駆体フィルムを用いることで、ガーレ値が400秒/100cc以下であり、膜厚が25μm以下である多孔質フィルムを得ることができた。なお、実施例1~16においては、多孔質フィルムの作製に際し、作製中において、途中で裂けることなく、多孔質フィルムを確実に形成できた。また、実施例1~16により得られた多孔質フィルムについて空孔率を測定したところ、空孔率はいずれも45~70%の範囲内にあるものであった。そして、この結果より、実施例1~16により得られた多孔質フィルムは、たとえば、リチウムイオン電池用のセパレータとして好適に用いることができるものであるといえる。
一方、ポリエチレン系樹脂として、124℃における半結晶化時間(t1/2)が400秒超であるものを使用した比較例1,2においては、ポリエチレン系樹脂からなるPE層の開孔が十分に進行せず、ガーレ値が10000秒/100ccを超える結果となった。
また、ポリプロピレン系樹脂として、エチレン成分の含有割合が、10質量%を超えるものを使用した比較例3においては、ポリプロピレン系樹脂からなるPP層の開孔が十分に進行せず、ガーレ値が10000秒/100ccを超える結果となった。
さらに、ポリプロピレン系樹脂として、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%未満であるものを使用した比較例4においては、ポリエチレン系樹脂からなるPE層およびポリプロピレン系樹脂からなるPP層のいずれにおいても、開孔が進行したものの、ガーレ値が400秒/100ccを超え、不十分な結果であった。
本発明の前駆体フィルムは、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ等を含む蓄電デバイス用のセパレータとして好適に用いられる多孔質フィルムの製造に用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリエチレン系樹脂を含むポリエチレン系樹脂層と、ポリプロピレン系樹脂を含むポリプロピレン系樹脂層とを備える、多孔質フィルム用の前駆体フィルムであって、
    前記ポリエチレン系樹脂層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂が、124℃での等温結晶化試験における半結晶化時間(t1/2)が400秒以下、124℃での結晶化発熱エネルギー(ΔH)が110J/g以上、且つ示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)が200J/g以上、240J/g以下であり、
    前記ポリプロピレン系樹脂層に含まれる、前記ポリプロピレン系樹脂が、分子量が10万以下である成分の含有量が12質量%以上であり、エチレン成分の含有量が10質量%以下である、多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が25万~120万である請求項に記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂のメソペンタッド分率が90~98%である請求項1または2に記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
  4. 前記ポリエチレン系樹脂層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂が、示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)が205J/g以上、240J/g以下である請求項1~のいずれかに記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
  5. 前記ポリエチレン系樹脂層に含まれる前記ポリエチレン系樹脂が、示差走査熱量(DSC発熱エネルギー)が210J/g以上、240J/g以下である請求項1~のいずれかに記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルム。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の多孔質フィルム用の前駆体フィルムを延伸多孔化した多孔質フィルム。
  7. 請求項に記載の多孔質フィルムを有する蓄電デバイス用セパレータ。
  8. 請求項に記載の蓄電デバイス用セパレータと、正極と、負極とを備える蓄電デバイス。
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