JP7293691B2 - 光学フィルム、偏光板、光学フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の光学フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂と、糖のアルキレンオキサイド付加物と、ゴム粒子とを含む。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、50万以上であることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)が50万以上であると、光学フィルムに十分な靱性を付与することができる。(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、上記観点から、50万~300万であることが好ましく、50万~200万であることがより好ましい。
(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、六員環ラクトン(メタ)アクリル酸エステルなどの脂環を有する(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレンなどの芳香環を有するビニル類;
ビニルシクロヘキサンなどの脂環を有するビニル類;
N-フェニルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-プロピルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-o-クロロフェニルマレイミドなどのマレイミド類(イミド環を有する化合物)が含まれる。
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチルなどの、炭素原子数2~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸類;
酢酸ビニル、エチレンやプロピレンなどのオレフィン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;
(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類が含まれる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
糖のアルキレンオキサイド付加物は、糖に、アルキレンオキサイドを付加反応させて得られる化合物である。
ゴム粒子は、光学フィルムに柔軟性や靱性を付与しつつ、光学フィルムの表面に凹凸を形成して滑り性を付与しうる。
コア部を構成するアクリル系ゴム状重合体(a)は、アクリル酸エステルを主成分とする架橋重合体である。アクリル系ゴム状重合体(a)は、アクリル酸エステルと、それと共重合可能な任意のモノマーとを含むモノマー混合物(a’)、および、1分子あたり2以上の非共役な反応性二重結合(ラジカル重合性基)を有する多官能性モノマーを重合させて得られる架橋重合体である。アクリル系ゴム状重合体(a)は、これらのモノマーを全部混合して重合させて得てもよいし、モノマー組成を変化させて2回以上で重合させて得てもよい。
シェル部を構成するモノマー混合物(b)の重合体は、アクリル系ゴム状重合体(a)に対するグラフト成分である。モノマー混合物(b)は、メタアクリル酸エステルを主成分として含む。
アクリル系グラフト共重合体の例には、アクリル系ゴム状重合体(a)5~75質量部の存在下で、メタクリル酸エステルを主成分とするモノマー混合物(b)95~25質量部を少なくとも1段階で重合させた重合体が含まれる。
(I)メタクリル酸エステル40~100質量%と、これと共重合可能な他のモノマー60~0質量%からなるモノマー混合物(c1)、および多官能性モノマー0.01~10質量部(モノマー混合物(c1)の合計100質量部に対して)を重合して硬質重合体を得る工程
(II)アクリル酸エステル60~100質量%と、これと共重合可能な他のモノマー0~40質量%からなるモノマー混合物(a1)、および多官能性モノマー0.1~5質量部(モノマー混合物(a1)の合計100質量部に対して)を重合して軟質重合体を得る工程
(III)メタクリル酸エステル60~100質量%と、これと共重合可能な他のモノマー40~0質量%からなるモノマー混合物(b1)、および多官能性モノマー0~10質量部(モノマー混合物(b1)の合計100質量部に対して)を重合して硬質重合体を得る工程
(IV)メタクリル酸エステル40~100質量%、アクリル酸エステル0~60質量%、および共重合可能な他のモノマー0~5質量%からなるモノマー混合物(b2)、ならびに多官能性モノマー0~10質量部(モノマー混合物(b2)100質量部に対して)を重合して硬質重合体を得る。
1)アクリル系グラフト共重合体2gを、メチルエチルケトン50mlに溶解させ、遠心分離機(日立工機(株)製、CP60E)を用い、回転数30000rpm、温度12℃にて1時間遠心し、不溶分と可溶分とに分離する(遠心分離作業を合計3回セット)。
2)得られた不溶分の重量を下記式に当てはめて、グラフト率を算出する。
グラフト率(%)=[{(メチルエチルケトン不溶分の重量)-(アクリル系ゴム状重合体(a)の重量)}/(アクリル系ゴム状重合体(a)の重量)]×100
光学フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(メタ)アクリル系樹脂、糖のアルキレンオキサイド付加物およびゴム粒子以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、微粒子、残留溶媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが含まれる。
光学フィルムは、滑り性をさらに高める観点などから、マット剤として、無機微粒子またはゴム粒子以外の有機微粒子をさらに含んでもよい。
光学フィルムは、後述するように溶液製膜法により製造されることから、溶液製膜法で用いられるドープの溶媒に由来する残留溶媒を含んでいてもよい。
(乾燥係数)
光学フィルムは、前述の通り、高い乾燥効率で製造されうる。具体的には、光学フィルムの乾燥係数(D)は、0.02以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。
1)まず、光学フィルムを所定の大きさにカットし、試料とする。この試料を、90℃で60分間乾燥させた後、質量を測定して、「加熱処理前質量」とする。
2)次いで、この試料を140℃で15分間加熱処理した後、質量を測定し、「加熱処理後質量」とする。
3)上記1)および2)で得られた値を下記式に当てはめて、加熱処理後の残留溶媒量Zを算出する。
残留溶媒量Z(%)=(試料の加熱処理前質量-試料の加熱処理後質量)/(試料の加熱処理後質量)×100
4)上記3)で得られた残留溶媒量Z(%)、初期値Zo(%)および加熱時間t(分)を、下記式に当てはめて、乾燥係数(D)を算出する。初期値Zo(%)は、5(%)とする。
式(II):D=(-1/t)×ln(Z/Zo)
光学フィルムは、透明性が高いことが好ましい。光学フィルムのヘイズは、1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることより好ましい。
光学フィルムのガラス転移温度(Tg)は、例えば115~150℃であることが好ましい。光学フィルムのTgが115℃以上であると、光学フィルムの耐熱性を高めうるだけでなく、溶液製膜時の乾燥温度を高めることができるため、乾燥性を高めやすい。光学フィルムのTgが150℃以下であると、剛直なモノマーに由来する構造単位の含有量を少なくできるため、光学フィルムの靱性が損なわれにくい。光学フィルムのTgは、120~140℃であることがより好ましい。光学フィルムのガラス転移温度は、前述と同様の方法で測定することができる。
光学フィルムは、例えばIPSモード用の位相差フィルムとして用いる観点では、測定波長550nm、23℃55%RHの環境下で測定される面内方向の位相差Roは、0~10nmであることが好ましく、0~5nmであることがより好ましい。光学フィルムの厚み方向の位相差Rtは、-20~20nmであることが好ましく、-10~10nmであることがより好ましい。
式(2a):Ro=(nx-ny)×d
式(2b):Rt=((nx+ny)/2-nz)×d
(式中、
nxは、フィルムの面内遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率を表し、
nyは、フィルムの面内遅相軸に直交する方向の屈折率を表し、
nzは、フィルムの厚み方向の屈折率を表し、
dは、フィルムの厚み(nm)を表す。)
1)光学フィルムを23℃55%RHの環境下で24時間調湿する。このフィルムの平均屈折率をアッベ屈折計で測定し、厚みdを市販のマイクロメーターを用いて測定する。
2)調湿後のフィルムの、測定波長550nmにおけるリターデーションRoおよびRtを、それぞれ自動複屈折率計アクソスキャン(Axo Scan Mueller Matrix Polarimeter:アクソメトリックス社製)を用いて、23℃55%RHの環境下で測定する。
光学フィルムは、搬送時やスリット時に破断しない程度の靱性、すなわち引裂き強度を有することが好ましい。そのような観点から、光学フィルムの引裂き強度は、30~200Nであることが好ましく、40~150Nであることがより好ましい。
光学フィルムの厚みは、例えば5~100μm、好ましくは5~40μmとしうる。
本発明の光学フィルムの製造方法は、特に制限されないが、高分子量の樹脂を用いることができるなど、使用できる材料の制限が少ない観点から、溶液製膜法(キャスト法)が好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂と、糖のアルキレンオキサイド付加物と、ゴム粒子とを、溶媒に溶解または分散させて、ドープを得ることができる。(メタ)アクリル系樹脂、糖のアルキレンオキサイド付加物およびゴム粒子は、それぞれ上記のものである。
本工程では、得られたドープを、支持体上に流延する。ドープの流延は、流延ダイから吐出させて行うことができる。
ドープの残留溶媒量(質量%)=(ドープの加熱処理前質量-ドープの加熱処理後質量)/ドープの加熱処理後質量×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、140℃15分の加熱処理をいう。
本工程では、得られた膜状物を乾燥させる。
本発明の偏光板は、偏光子と、本発明の光学フィルムと、それらの間に配置された接着層とを有する。
偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
本発明の光学フィルムは、偏光子の少なくとも一方の面(少なくとも液晶セルと対向する面)に配置されている。光学フィルムは、偏光板保護フィルムとして機能しうる。
接着層は、光学フィルム(または他の光学フィルム)と偏光子との間に配置されている。接着層の厚みは、例えば0.01~10μm、好ましくは0.03~5μm程度でありうる。
本発明の偏光板は、偏光子と本発明の光学フィルムを、接着剤を介して貼り合わせて得ることができる。接着剤は、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)、または活性エネルギー線硬化性接着剤でありうる。活性エネルギー線硬化性接着剤は、光ラジカル重合を利用した光ラジカル重合型組成物、光カチオン重合を利用した光カチオン重合型組成物、またはそれらの併用物のいずれであってもよい。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、液晶セルの一方の面に配置された第1偏光板と、液晶セルの他方の面に配置された第2偏光板とを含む。
(1)(メタ)アクリル系樹脂
表1に示される(メタ)アクリル系樹脂1~6を準備した。
(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)を、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製 HLC8220GPC)、カラム(東ソー社製 TSK-GEL G6000HXL-G5000HXL-G5000HXL-G4000HXL-G3000HXL 直列)を用いて測定した。試料20±0.5mgをテトラヒドロフラン10mlに溶解し、0.45mmのフィルターで濾過した。この溶液をカラム(温度40℃)に100ml注入し、検出器RI温度40℃で測定し、スチレン換算して、重量平均分子量を求めた。
表2に示される糖化合物1~13を準備した。
糖化合物1(スクロースのエチレンオキサイド付加物)は、スクロース(ショ糖)に、水酸化カリウムの存在下で、所定のモル数のエチレンオキサイドを添加および付加して合成した。
原料となる糖の種類および付加させる成分の種類や量を、表2に示されるように変更した以外は糖化合物1と同様にして糖化合物を得た。
なお、アルキレンオキサイドの水酸基末端の封止は、得られたアルキレンオキサイド付加物に、所定の脂肪酸を反応させることにより行った。
<ゴム粒子R1>
内容積60リットルの還流冷却器付反応器に、イオン交換水38.2リットル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム111.6gを投入し、250rpmの回転数で攪拌しながら、窒素雰囲気下75℃に昇温し、酸素の影響が事実上無い状態にした。過硫酸アンモニウム(APS)0.36gを投入し、5分間攪拌後にメタクリル酸メチル(MMA)1657g、アクリル酸ブチル(BA)21.6g、およびメタクリル酸アリル(ALMA)1.68gからなるモノマー混合物(c1)を一括添加し、発熱ピークの検出後さらに20分間保持して最内硬質層の重合を完結させた。
得られた分散液中のゴム粒子の分散粒径を、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製 ELSZ-2000ZS)で測定した。なお、ゼータ電位・粒径測定システム(大塚電子株式会社製 ELSZ-2000ZS)用いて測定されるゴム粒子の平均粒子径は、フィルムをTEM観察して測定されるゴム粒子の平均粒子径とほぼ一致するものである。
<光学フィルム101の作製>
(ゴム粒子分散液の調製)
20質量部のゴム粒子R1と、380質量部のメチレンクロライドとを、ディゾルバーで50分間撹拌混合した後、マイルダー分散機マイルダー分散機(大平洋機工株式会社製)を用いて1500rpm条件下で分散し、ゴム粒子分散液を得た。
次いで、下記組成のドープを調製した。まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライド、およびエタノールを添加した。次いで、加圧溶解タンクに、(メタ)アクリル系樹脂1を撹拌しながら投入した。次いで、上記調製した微粒子分散液を投入して、これを60℃に加熱し、撹拌しながら、完全に溶解した。加熱温度は、室温から5℃/minで昇温し、30分間で溶解した後、3℃/minで降温した。得られた溶液を濾過した後、ドープを得た。
(メタ)アクリル系樹脂1:100質量部
糖化合物2(糖のアルキレンオキサイド付加物):8質量部
メチレンクロライド:318質量部
エタノール:61質量部
ゴム粒子分散液:400質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度31℃、1800mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は28℃に制御した。ステンレスベルトの搬送速度は20m/minとした。
ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が30%になるまで溶剤を蒸発させた。次いで、剥離張力128N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離した膜状物をロールで搬送しながら、テンターにて(Tg+10)℃(Tgは、(メタ)アクリル系樹脂のTgを示す)の条件下で幅方向に1.2倍延伸した。その後、膜状物を、下記搬送条件にてロールで搬送しながら、(Tg-30)℃(Tgは、(メタ)アクリル系樹脂のTgを示す)でさらに乾燥させ、テンタークリップで挟んだ端部をレーザーカッターでスリットして巻き取り、膜厚40μmの光学フィルムを得た。
(搬送条件)
搬送速度:40m/min
搬送張力:75N/m
(メタ)アクリル系樹脂の種類を表3に示されるように変更した以外は光学フィルム101と同様にして、光学フィルムを作製した。
糖化合物の種類を表3に示されるように変更した以外は光学フィルム103と同様にして、光学フィルムを作製した。
糖化合物を添加しなかった以外は光学フィルム103と同様にして、光学フィルムを作製した。
糖化合物の含有量を表3に示されるように変更した以外は光学フィルム103と同様にして、光学フィルムを作製した。
ゴム粒子を添加しなかった以外は光学フィルム103と同様にして、光学フィルムを作製した。
ゴム粒子の含有量を表3に示されるように変更した以外は光学フィルム103と同様にして、光学フィルムを作製した。
光学フィルムのガラス転移温度を、前述と同様に、JIS K 7121-2012に準拠して測定した。
1)まず、光学フィルムを所定の大きさにカットし、試料とした。この試料を、90℃で60分間乾燥させた後、質量を測定して、「加熱処理前質量」とした。
2)次いで、この試料を140℃で15分間加熱処理した後、質量を測定し、「加熱処理後質量」とした。
3)上記1)および2)で得られた値を下記式に当てはめて、加熱処理後の残留溶媒量Zを算出した。
残留溶媒量Z(%)=(試料の加熱処理前質量-試料の加熱処理後質量)/(試料の加熱処理後質量)×100
4)次いで、得られた残留溶媒量Z(%)、初期値Zo(%)および加熱時間t(分)を、下記式に当てはめて、乾燥係数(D)を算出した。初期値Zo(%)は、5(%)とした。
式(II):D=(-1/t)×ln(Z/Zo)
◎:乾燥係数(D)が0.1以上
○:乾燥係数(D)が0.05以上0.1未満
△:乾燥係数(D)が0.02以上0.05未満
×:乾燥係数(D)が0.02未満
Dの値が大きいほど、溶液製膜法で製造する際の溶媒の抜け(乾燥性)がよいことを示す。△以上であれば良好と判断した。
得られた光学フィルムを、幅方向は全幅、搬送方向に1m分切り出して、サンプルとした。このサンプルを黒い下地の上に置き、トタン状の変形の有無を目視観察した。トタン状の変形とは、光学フィルムの搬送方向に略平行に形成される複数の皺であり、光学フィルムの幅方向の断面において波形状にみえる変形である。そして、以下の基準に基づいて評価した。
◎:トタン状の変形が全く見られない
○:トタン状の変形がほんの少しだけ見られる
△:トタン状の変形が若干見られるが実用上問題ないレベル
×:トタン状の変形が多く見られる
△以上であれば良好と判断した。
得られた光学フィルムを切り取り、幅50mm×長さ64mmのフィルムを得た。得られたフィルムを、23℃、55%RH下で24時間調湿した後、ISO6383/2-1983に準拠して、エルメンドルフ引裂き強度を測定した。エルメンドルフ引裂き強度は、東洋精機(株)軽加重引裂き試験機を用いて測定した。引裂き強度は、23℃、55%RH下で、フィルムの長さ方向(MD方向)に引き裂いた場合と、フィルムの幅方向(TD方向)に引き裂いた場合のそれぞれについて行い、それらの平均値として求めた。
引裂き強度が30N以上であれば良好、40N以上であれば特に良好と判断した。
得られた光学フィルムのTD方向5点、すなわち、フィルムのTD方向の中央部、端部(両端からそれぞれ全幅の5%の位置)2点、中央部と端部の中間部2点を、MD方向に100mごとにサンプリングし、5cm×5cmの大きさのサンプルを得た。このサンプルを、25℃、相対湿度60%にて24時間調湿後、ヘイズメーター(NDH 2000:日本電色工業(株)製)を用いて各サンプルのヘイズを測定し、それらの平均値をヘイズ値とした。
ヘイズが1%以下であれば良好、0.5%以下であれば特に良好と判断した。
Claims (9)
- 重量平均分子量が50万以上であり、かつガラス転移温度が120~150℃の(メタ)アクリル系樹脂と、
糖のアルキレンオキサイド付加物と、
ゴム粒子と
を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、N-フェニルマレイミドに由来する構造単位とを含み、
前記糖のアルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドの付加量は、糖1モルに対して30~60モルである、
光学フィルム。 - 前記糖のアルキレンオキサイド付加物は、スクロースのアルキレンオキサイド付加物である、
請求項1に記載の光学フィルム。 - 前記糖のアルキレンオキサイド付加物における前記アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの少なくとも一方を含む、
請求項1または2に記載の光学フィルム。 - 前記糖のアルキレンオキサイド付加物の含有量は、前記(メタ)アクリル系樹脂に対して5質量%以上10質量%未満である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の光学フィルム。 - 前記ゴム粒子の含有量は、前記(メタ)アクリル系樹脂に対して10質量%超20質量%以下である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の光学フィルム。 - 偏光子と、
前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学フィルムとを含む、
偏光板。 - 重量平均分子量が50万以上であり、かつガラス転移温度が120~150℃の(メタ)アクリル系樹脂と、糖のアルキレンオキサイド付加物と、ゴム粒子と、溶媒とを含み、
前記糖のアルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドの付加量が、糖1モルに対して30~60モルであるドープを得る工程と、
前記ドープを支持体上に流延した後、剥離して膜状物を得る工程と、
前記膜状物を乾燥させる工程と
を含み、
前記(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル酸メチルに由来する構造単位と、N-フェニルマレイミドに由来する構造単位とを含む、
光学フィルムの製造方法。 - 前記糖のアルキレンオキサイド付加物は、スクロースのアルキレンオキサイド付加物を含む、
請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。 - 前記糖のアルキレンオキサイド付加物における前記アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの少なくとも一方を含む、
請求項7または8に記載の光学フィルムの製造方法。
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