JP7293583B2 - エアロゲルブロック - Google Patents

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Description

本発明は、エアロゲルブロックに関する。
熱伝導率が小さく断熱性を有する材料としてシリカエアロゲルが知られている。シリカエアロゲルは、優れた機能性(断熱性等)、特異な光学特性、特異な電気特性などを有する機能素材として有用なものであり、例えば、シリカエアロゲルの超低誘電率特性を利用した電子基板材料、シリカエアロゲルの高断熱性を利用した断熱材料、シリカエアロゲルの超低屈折率を利用した光反射材料等に用いられている。このようなシリカエアロゲルを製造する方法として、例えばアルコキシシランを加水分解し、重合して得られたゲル状化合物(アルコゲル)を、分散媒の超臨界条件下で乾燥する超臨界乾燥法(例えば特許文献1参照)、あるいは当該アルコゲルの強度を向上させた上で常圧で乾燥させる方法(例えば特許文献2参照)が知られている。
米国特許第4402927号 特開2011-93744号公報
しかしながら、従来周知の製造方法で、ある程度ボリュームのあるブロック状のエアロゲル(エアロゲルブロック)を作製した場合、その脆さにより取り扱うのが非常に困難であるという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、優れた靭性を有するエアロゲルブロックを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、靭性を向上させるためには、エアロゲル中のケイ素原子と酸素原子との結合態様を調整しつつ、透過率を一定以上に維持することが重要であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、DD/MAS法を用いて測定された固体29Si-NMRスペクトルにおいて、含ケイ素結合単位Q及びTを以下のとおり規定したとき、Qに由来するシグナル面積に対するTに由来するシグナル面積の比T/Qが1/9~9/1であり、可視光透過率が50%以上である、エアロゲルブロックを提供する。このようなエアロゲルブロックは、優れた靭性を発現することができる。
Q:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が4個の含ケイ素結合単位。
T:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が3個と水素原子又は1価の有機基が1個の含ケイ素結合単位。ただし、有機基とはケイ素原子に結合する原子が炭素原子である1価の有機基である。
本発明のエアロゲルブロックにおいて、密度は0.5g/cm以下であってもよい。
本発明のエアロゲルブロックは、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するケイ素化合物、及び、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物の加水分解生成物の少なくとも一種、を含有するゾルの縮合物である湿潤ゲルの乾燥物であってもよい。
この際、ケイ素化合物は、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が3個結合したケイ素原子を有するシランモノマー、及びケイ素原子の総数に対し3個の酸素原子と結合したケイ素原子を50%以上有するシランオリゴマーの少なくとも一種と、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が4個結合したケイ素原子を有するシランモノマー、及びケイ素原子の総数に対し4個の酸素原子と結合したケイ素原子を50%以上有するシランオリゴマーの少なくとも一種と、を主として含むことができる。
本発明によれば、優れた靭性を有するエアロゲルブロックを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。「A又はB」とは、A及びBのいずれか一方を含んでいればよく、両方を含んでいてもよい。本実施形態で例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<エアロゲルの製造方法>
狭義には、湿潤ゲルに対して超臨界乾燥法を用いて得られた乾燥ゲルをエアロゲル、大気圧下での乾燥により得られた乾燥ゲルをキセロゲル、凍結乾燥により得られた乾燥ゲルをクライオゲルと称するが、本実施形態においては、湿潤ゲルのこれらの乾燥手法によらず、得られた低密度の乾燥ゲルを「エアロゲル」と称する。すなわち、本実施形態において、「エアロゲル」とは、広義のエアロゲルである「Gel comprised of a microporous solid in which the dispersed phase is a gas(分散相が気体である微多孔性固体から構成されるゲル)」を意味する。一般的に、エアロゲルの内部は、網目状の微細構造を有しており、2~20nm程度の粒子状のエアロゲル成分が結合したクラスター構造を有している。このクラスターにより形成される骨格間には、100nmに満たない細孔がある。これにより、エアロゲルは、三次元的に微細な多孔性の構造が形成されている。なお、本実施形態に係るエアロゲルは、例えば、シリカを主成分とするシリカエアロゲルである。シリカエアロゲルとしては、例えば、有機基(メチル基等)又は有機鎖を導入した、いわゆる有機-無機ハイブリッド化されたシリカエアロゲルが挙げられる。
本実施形態に係るエアロゲルの製造方法は、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するケイ素化合物、及び、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物の加水分解生成物の少なくとも一種、を含有するゾルを生成するゾル生成工程と、ゾルをゲル化して、湿潤ゲルを得る湿潤ゲル生成工程と、湿潤ゲルを乾燥してエアロゲルを得る乾燥工程と、を備える。なお、本実施形態に係るエアロゲルの製造方法は、乾燥工程の前工程として湿潤ゲルを洗浄する洗浄工程を更に備えることができる。
なお、ゾルとは、ゲル化反応が生じる前の状態であって、本実施形態においては、ケイ素化合物又はケイ素化合物の加水分解生成物が液体媒体中に溶解又は分散している状態を意味する。また、湿潤ゲルとは、液体媒体を含んでいながらも、流動性を有しない湿潤状態のゲル固形物を意味する。
(ゾル生成工程)
ゾル生成工程は、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物、当該ケイ素化合物を加水分解してなる加水分解生成物、及び縮合性の官能基を有するケイ素化合物、からなる群より選択される少なくとも一種を含むゾル、を生成する工程である。本工程において、ケイ素化合物が加水分解性の官能基を有する場合、当該官能基の全てが加水分解されていてもよいし、部分的に加水分解されていてもよい。すなわち、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物とその加水分解生成物とは混在していてもよい。
ケイ素化合物としては、例えば加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するポリシロキサン化合物(但し、後述のT単位の割合が50%未満、Q単位の割合が50%未満、又はケイ素原子の数が100個を超える)が挙げられる。加水分解性の官能基としてはアルコキシ基が挙げられ、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられ、加水分解反応の反応速度の観点から、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。縮合性の官能基としては水酸基(ヒドロキシアルキル基等の水酸基含有基を含む)、シラノール基等が挙げられる。ポリシロキサン化合物を用いることで、エアロゲルの柔軟性及び強靭性を向上させ易い。
ポリシロキサン化合物は、加水分解性の官能基及び縮合性の官能基とは異なる反応性基をさらに有していてもよい。反応性基としては、エポキシ基、メルカプト基、グリシドキシ基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アミノ基等が挙げられる。エポキシ基は、グリシドキシ基等のエポキシ基含有基に含まれていてもよい。
水酸基(ヒドロキシアルキル基)を有するポリシロキサン化合物としては、例えば、X-22-160AS、KF-6001、KF-6002、KF-6003等の化合物(いずれも、信越化学工業株式会社製)、XF42-B0970、Fluid OFOH 702-4%等の化合物(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが挙げられる。
アルコキシ基を有するポリシロキサン化合物としては、例えば、特開2000-26609号公報、特開2012-233110号公報等にて報告される製造方法を適宜参照して得ることができる。
また、ケイ素化合物としては、例えば、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するシランモノマーが挙げられる。加水分解性の官能基及び縮合性の官能基としては上記に例示した基と同じ基が例示できる。なお、シランモノマーは、シロキサン結合(Si-O-Si)を有しないケイ素化合物ということもできる。なお、シランモノマーを用いることで、エアロゲルの柔軟性及び強靭性を向上させ易い。
加水分解性の官能基を有するシランモノマーとしては、例えば、モノアルキルトリアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、モノアルキルジアルコキシシラン、モノアリールジアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、モノアルキルモノアルコキシシラン、モノアリールモノアルコキシシラン、ジアルキルモノアルコキシシラン、ジアリールモノアルコキシシラン、トリアルキルモノアルコキシシラン、トリアリールモノアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン等が挙げられる。具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
縮合性の官能基を有するシランモノマーとしては、例えば、シランテトラオール、メチルシラントリオール、ジメチルシランジオール、フェニルシラントリオール、フェニルメチルシランジオール、ジフェニルシランジオール、n-プロピルシラントリオール、ヘキシルシラントリオール、オクチルシラントリオール、デシルシラントリオール、トリフルオロプロピルシラントリオール等が挙げられる。
シランモノマーは、加水分解性の官能基及び縮合性の官能基とは異なる反応性基をさらに有していてもよい。反応性基としては上記と同様の基が挙げられる。
加水分解性の官能基及び反応性基を有するシランモノマーとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
縮合性の官能基及び反応性基を有するシランモノマーとしては、例えば、ビニルシラントリオール、3-グリシドキシプロピルシラントリオール、3-グリシドキシプロピルメチルシランジオール、3-メタクリロキシプロピルシラントリオール、3-メタクリロキシプロピルメチルシランジオール、3-アクリロキシプロピルシラントリオール、3-メルカプトプロピルシラントリオール、3-メルカプトプロピルメチルシランジオール、N-フェニル-3-アミノプロピルシラントリオール、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルシランジオール等が挙げられる。
また、シランモノマーは2以上のケイ素原子を有していてもよく、このようなシランモノマーとしては、ビストリメトキシシリルメタン、ビストリメトキシシリルエタン、ビストリメトキシシリルヘキサン等が挙げられる。
上記のシランモノマーの中で、特に3官能シランモノマー、すなわち、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が3個結合したケイ素原子を有するモノマーを用いることで、強度をより向上できるとともに、乾燥工程における体積収縮及びクラックの発生を抑制し易くなる。3官能シランモノマーとしては、例えば、上記のメチルトリメトキシシラン、メチルシラントリオール、ビストリメトキシシリルメタン等が挙げられる。
また、上記のシランモノマーの中で、特に4官能シランモノマー、すなわち、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が4個結合したケイ素原子を有するモノマーを用いることで、緻密な構造が形成され、透明性及び強度をより向上し易くなる。4官能シランモノマーとしては、例えば、上記のテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、シランテトラオール等が挙げられる。
さらに、ケイ素化合物としてはシランオリゴマーが挙げられる。シランオリゴマーはシランモノマーの重合体であり、複数のケイ素原子が酸素原子を介して連結された構造を有する。本実施形態において、シランオリゴマーは、1分子中のケイ素原子の数が2~100個の重合体を示す。シランオリゴマーは、例えば、上記のシランモノマーの一種又は二種以上の重合体であってよい。なお、シランオリゴマーを用いることで、強度をより向上できるとともに、乾燥工程における体積収縮及びクラックの発生を抑制し易くなる。特に体積収縮及びクラックの発生が抑制されることにより、良好な可視光透過性と断熱性とを有するエアロゲルブロックが得易くなる。
シランオリゴマーに含まれるケイ素原子は、1個の酸素原子と結合したケイ素原子(M単位)、2個の酸素原子と結合したケイ素原子(D単位)、3個の酸素原子と結合したケイ素原子(T単位)及び4個の酸素原子と結合したケイ素原子(Q単位)に区別することができる。これら含ケイ素結合単位であるM単位、D単位、T単位及びQ単位としては、それぞれ以下の式(M)、(D)、(T)及び(Q)が例示できる。これらの単位の含有量に関する情報は、後述の固体29Si-NMRにより得ることができる。
Figure 0007293583000001
上記式中、Rは水素原子又は1価の有機基を示す。有機基とはケイ素原子に結合する原子が炭素原子である1価の有機基である。
ここで、「酸素原子」とは、主としてケイ素原子間を結合する酸素原子であるが、例えばケイ素原子に結合した水酸基が有する酸素原子である場合も考えられる。また、「有機基」とは、例えば、炭素数が1~10の非置換又は置換の1価の有機基が挙げられる。非置換の1価の有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等の炭化水素基が挙げられる。また、置換の1価の有機基としては、これら炭化水素基の水素原子がハロゲン原子、所定の官能基、所定の官能基含有有機基等で置換された炭化水素基(置換有機基)が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらのうちメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アリール基としては、フェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。置換フェニル基の置換基としては、アルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
ケイ素原子の総数に対し、3個の酸素原子と結合したケイ素原子(T単位)を50%以上有するシランオリゴマー(「3官能シランオリゴマー」という場合がある)を用いることで、靭性をより向上できるとともに、乾燥工程における体積収縮及びクラックの発生をより抑制し易くなる。特に、3官能シランモノマーであるアルキルトリアルコキシシランを一定量以上含むシランモノマーの重合体を好適に用いることができる。なお、このようなシランオリゴマーにおいて、上記T単位の割合は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、100%(3官能シランモノマーからなるオリゴマー)であってもよい。
3官能シランオリゴマーとしては、例えば、XR31-B1410、XC96-B0446(いずれも、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、KR-500、KR-515、X-40-9225、KC-89S(いずれも、信越化学工業株式会社製)、SR-2402、AY42-163(いずれも、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
また、ケイ素原子の総数に対し、4個の酸素原子と結合したケイ素原子(Q単位)を50%以上有するシランオリゴマー(「4官能シランオリゴマー」という場合がある)を用いることで、乾燥工程における体積収縮及びクラックの発生を抑制しながら、緻密構造の形成によって透明性及び強度を向上させ易くなる。特に、4官能シランモノマーであるテトラアルコキシシランを一定量以上含むシランモノマーの重合体を好適に用いることができる。なお、このようなシランオリゴマーにおいて、上記Q単位の割合は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上であり、100%(4官能シランモノマーからなるオリゴマー)であってもよい。
4官能シランオリゴマーとしては、例えば、メチルシリケートオリゴマー、エチルシリケートオリゴマー等のシリケートオリゴマーを用いることもできる。このようなシリケートオリゴマーとしては、例えば、メチルシリケート51、メチルシリケート53A、エチルシリケート40、エチルシリケート48(いずれも、コルコート株式会社製)等が挙げられる。
シランオリゴマーの重量平均分子量は、例えば200以上とすることができ、400以上であってもよく、600以上であってもよい。また、シランオリゴマーの重量平均分子量は、例えば10000以下とすることができ、7000以下であってもよく、5000以下であってもよい。なお、本実施形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量を示す。
後述のとおり、本実施形態のエアロゲルブロックは所定の範囲のT/Q比を有している。透明性を維持しつつT/Q比を調整し易いという観点から、ケイ素化合物は、上記に例示した化合物の中でも、3官能シランモノマー及び3官能シランオリゴマーの少なくとも一種と、4官能シランモノマー及び4官能シランオリゴマーの少なくとも一種と、を主として含むことが好ましい。すなわち、ケイ素化合物中の、3官能シランモノマー及び3官能シランオリゴマーの少なくとも一種と、4官能シランモノマー及び4官能シランオリゴマーの少なくとも一種の合計含有量は、50質量%以上とすることができ、75質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。ただし、靭性をより向上できると共に、乾燥工程における体積収縮及びクラックの発生をより抑制し易いという観点から、ケイ素化合物はシランオリゴマーを含むことが好ましい。この観点から、ケイ素化合物中におけるシランモノマーの含有量とシランオリゴマーの含有量との比は、99:1~0:100とすることができ、95:5~0:100であってもよい。
上記ゾルに含まれるケイ素化合物の含有量は、良好な反応性を得易くなる観点から、ゾルの総量100質量部に対し、5質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。上記ゾルに含まれるケイ素化合物の含有量は、良好な相溶性を得易くなる観点から、ゾルの総量100質量部に対し、50質量部以下であってもよく、40質量部以下であってもよい。
ゾル生成工程では、例えば、ケイ素化合物の混合及び場合により加水分解のために溶媒が用いられる。溶媒としては、例えば、水、又は、水との混和性のある有機溶媒を用いることができる。水との混和性のある有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、アセトン、N,N-ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、N,N-ジメチルホルムアミドを用いることで良好な可視光透過率が得られ易い。この理由は定かではないが、ゲル化途中の反応溶媒中で、シリカ粒子(エアロゲルを構成することになる個々の粒子)の凝集が静電的な相互作用により抑制されているためであると推察される。これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
また、上記の混合溶媒には低表面張力の溶媒を更に添加することもできる。低表面張力の溶媒としては、20℃における表面張力が30mN/m以下のものが挙げられる。なお、当該表面張力は25mN/m以下であっても、又は20mN/m以下であってもよい。低表面張力の溶媒としては、例えば、ペンタン(15.5)、ヘキサン(18.4)、ヘプタン(20.2)、オクタン(21.7)、2-メチルペンタン(17.4)、3-メチルペンタン(18.1)、2-メチルヘキサン(19.3)、シクロペンタン(22.6)、シクロヘキサン(25.2)、1-ペンテン(16.0)等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン(28.9)、トルエン(28.5)、m-キシレン(28.7)、p-キシレン(28.3)等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン(27.9)、クロロホルム(27.2)、四塩化炭素(26.9)、1-クロロプロパン(21.8)、2-クロロプロパン(18.1)等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル(17.1)、プロピルエーテル(20.5)、イソプロピルエーテル(17.7)、ブチルエチルエーテル(20.8)、1,2-ジメトキシエタン(24.6)等のエーテル類;アセトン(23.3)、メチルエチルケトン(24.6)、メチルプロピルケトン(25.1)、ジエチルケトン(25.3)等のケトン類;酢酸メチル(24.8)、酢酸エチル(23.8)、酢酸プロピル(24.3)、酢酸イソプロピル(21.2)、酢酸イソブチル(23.7)、エチルブチレート(24.6)等のエステル類などが挙げられる(かっこ内は20℃での表面張力を示し、単位は[mN/m]である)。上記の溶媒は単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
ゾル生成工程では、溶媒として水及び水との混和性のある有機溶媒を併用することで、ケイ素化合物を加水分解させてもよい。また溶媒には、加水分解反応を促進させるための酸触媒が含まれていてもよい。
酸触媒としては、フッ酸、塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、臭素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸等の無機酸;酸性リン酸アルミニウム、酸性リン酸マグネシウム、酸性リン酸亜鉛等の酸性リン酸塩;酢酸、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、アゼライン酸等の有機カルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、得られるエアロゲルの耐水性がより向上する酸触媒としては有機カルボン酸が挙げられる。当該有機カルボン酸としては酢酸が挙げられるが、ギ酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸等であってもよい。
酸触媒の添加量は特に限定されないが、例えば、ケイ素化合物の総量100質量部に対し、0.001~10質量部とすることができる。
ゾル生成工程では、特許第5250900号公報に示されるように、溶媒中に界面活性剤、熱加水分解性化合物等を添加することもできる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤等を用いることができる。これらは単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン等の親水部と主にアルキル基からなる疎水部とを含む化合物、ポリオキシプロピレン等の親水部を含む化合物などを使用できる。ポリオキシエチレン等の親水部と主にアルキル基からなる疎水部とを含む化合物としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。ポリオキシプロピレン等の親水部を含む化合物としては、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロック共重合体等が挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノ酸系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、アミンオキシド系界面活性剤等が挙げられる。アミノ酸系界面活性剤としては、例えば、アシルグルタミン酸等が挙げられる。ベタイン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。アミンオキシド系界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
これらの界面活性剤は、後述する湿潤ゲル生成工程において、反応系中の溶媒と、成長していくシロキサン重合体との間の化学的親和性の差異を小さくし、相分離を抑制する作用をすると考えられている。なお、溶媒としてアルコール、N,N-ジメチルホルムアミド等の、水との混和性のある有機溶媒を用いた場合、これらの有機溶媒が界面活性剤による上記効果と同様の効果を奏すると考えられ、界面活性剤を添加しなくても湿潤ゲルを好適に生成することができる。
熱加水分解性化合物は、熱加水分解により塩基触媒を発生して、反応溶液を塩基性とし、後述する湿潤ゲル生成工程でのゾルゲル反応を促進すると考えられている。よって、この熱加水分解性化合物としては、加水分解後に反応溶液を塩基性にできる化合物であれば、特に限定されず、尿素;ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等の酸アミド;ヘキサメチレンテトラミン等の環状窒素化合物などを挙げることができる。これらの中でも、特に尿素は上記促進効果を得られ易い。
ゾル生成工程では、熱線輻射抑制等を目的として、可視光透過性及び強度が損なわれない範囲で、溶媒中にカーボングラファイト、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、銀化合物、チタン化合物等の成分を添加してもよい。また、強度をさらに向上する目的で、可視光透過性が損なわれない範囲で、溶媒中にシリカ、アルミナ等から構成されるナノ粒子、シリカ、アルミナ、セルロース等から構成されるナノファイバーなどを添加することもできる。
ゾル生成工程の加水分解は、混合液中のケイ素化合物、酸触媒等の種類及び量にも左右されるが、例えば20~80℃の温度環境下で10分~24時間行ってもよく、50~60℃の温度環境下で5分~8時間行ってもよい。これにより、ケイ素化合物中の加水分解性官能基が十分に加水分解され、ケイ素化合物の加水分解生成物をより確実に得ることができる。
ただし、溶媒中に熱加水分解性化合物を添加する場合は、ゾル生成工程の温度環境を、熱加水分解性化合物の加水分解を抑制してゾルのゲル化を抑制する温度に調節してもよい。この時の温度は、熱加水分解性化合物の加水分解を抑制できる温度であれば、いずれの温度であってもよい。例えば、熱加水分解性化合物として尿素を用いた場合は、ゾル生成工程の温度環境は0~40℃とすることができるが、10~30℃であってもよい。
ゾル生成工程では、ケイ素化合物又はケイ素化合物の加水分解生成物を含むゾルが生成する。加水分解生成物は、ケイ素化合物が有する加水分解性の官能基の一部又は全部が加水分解されたものということもできる。ゾル生成工程ではケイ素化合物の一部又は全部が加水分解されてもよいが、上記のとおりケイ素化合物の加水分解は必須ではない。ケイ素化合物は後記の湿潤ゲル生成工程で加水分解されてもよい。
(湿潤ゲル生成工程)
湿潤ゲル生成工程は、ゾル生成工程で得られたゾルをゲル化して、湿潤ゲルを得る工程である。ケイ素化合物が加水分解性の官能基を有する場合は、ケイ素化合物の加水分解生成物を得つつゾルをゲル化する、あるいはケイ素化合物の加水分解生成物を含むゾルをゲル化することで、湿潤ゲルを得る。本工程は、ゾルをゲル化し、その後熟成して湿潤ゲルを得る工程であってもよい。本工程では、加水分解反応及びゲル化を促進させるため塩基触媒を用いることができる。
塩基触媒としては、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウム、炭酸銅(II)、炭酸鉄(II)、炭酸銀(I)等の炭酸塩類;炭酸水素カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸水素塩類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムの水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;水酸化アンモニウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等のアンモニウム化合物;メタ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、ポリ燐酸ナトリウム等の塩基性燐酸ナトリウム塩;アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、3-エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3-(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ-2-エチルヘキシルアミン、3-(ジブチルアミノ)プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、t-ブチルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、3-(メチルアミノ)プロピルアミン、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3-メトキシアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族アミン類;モルホリン、N-メチルモルホリン、2-メチルモルホリン、ピペラジン及びその誘導体、ピペリジン及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体等の含窒素複素環状化合物類などが挙げられる。上記の塩基触媒は単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
塩基触媒を用いることで、ゾル中のケイ素化合物の加水分解反応及び脱水縮合反応又は脱アルコール縮合反応を促進することができ、ゾルのゲル化をより短時間で行うことができる。また、これにより、強度(剛性)のより高い湿潤ゲルを得ることができる。特に、アルカリ金属、テトラアルキルアンモニウム等の水酸化物のような強塩基の触媒を用いることで、可視光透過性と強度とをより向上させ易い。
塩基触媒の添加量は、ゾル生成工程で用いたケイ素化合物の総量100質量部に対し、0.1~10質量部とすることができるが、0.5~5質量部であってもよい。0.1質量部以上とすることにより、強度を向上し易くなり、10質量部以下とすることにより、可視光透過性の低下を抑制し易くなる。
湿潤ゲル生成工程におけるゾルのゲル化は、溶媒及び塩基触媒が揮発しないように密閉容器内で行ってもよい。ゲル化温度は、30~100℃とすることができるが、40~90℃であってもよい。ゲル化温度を30℃以上とすることにより、ゲル化をより短時間に行うことができ、強度(剛性)のより高い湿潤ゲルを得ることができる。また、ゲル化温度を100℃以下にすることにより、溶媒(特に水又はアルコール)の揮発を抑制し易くなるため、体積収縮を抑えながらゲル化することができる。
湿潤ゲル生成工程における熟成は、溶媒及び塩基触媒が揮発しないように密閉容器内で行ってもよい。熟成により、湿潤ゲルを構成する成分の結合が強くなり、その結果、乾燥時の収縮を抑制するのに十分な強度(剛性)の高い湿潤ゲルを得ることができる。熟成温度は、30~100℃とすることができるが、40~90℃であってもよい。熟成温度を30℃以上とすることにより、強度(剛性)のより高い湿潤ゲルを得ることができ、熟成温度を100℃以下にすることにより、溶媒(特に水又はアルコール)の揮発を抑制し易くなるため、体積収縮を抑えながらゲル化することができる。
なお、ゾルのゲル化終了時点を判別することは困難な場合が多いため、ゾルのゲル化とその後の熟成とは、連続して一連の操作として行ってもよい。
ゲル化時間と熟成時間は、ゲル化温度及び熟成温度により適宜設定することができる。ゲル化時間は3~120分間とすることができるが、5~90分間であってもよい。ゲル化時間を3分間以上とすることにより均質な湿潤ゲルを得易くなり、120分間以下とすることにより後述する洗浄工程から乾燥工程の簡略化が可能となる。なお、ゲル化及び熟成の工程全体として、ゲル化時間と熟成時間との合計時間は、4~480時間とすることができるが、6~200時間であってもよい。ゲル化時間と熟成時間の合計を4時間以上とすることにより、強度(剛性)のより高い湿潤ゲルを得ることができ、480時間以下にすることにより熟成の効果をより維持し易くなる。
得られるエアロゲル粒子の密度を下げたり、平均細孔径を大きくするために、ゲル化温度及び熟成温度を上記範囲内で高めたり、ゲル化時間と熟成時間の合計時間を上記範囲内で長くしてもよい。また、得られるエアロゲルの密度を上げたり、平均細孔径を小さくするために、ゲル化温度及び熟成温度を上記範囲内で低くしたり、ゲル化時間と熟成時間の合計時間を上記範囲内で短くしてもよい。
(洗浄工程)
洗浄工程は、湿潤ゲル生成工程で得られた湿潤ゲルを洗浄する工程である。洗浄工程では、湿潤ゲル中の洗浄液を乾燥条件(後述の乾燥工程)に適した溶媒に置換する溶媒置換を更に行ってもよい。
洗浄工程では、湿潤ゲル生成工程により得られた湿潤ゲルを洗浄する。当該洗浄は、例えば水又は有機溶媒を用いて繰り返し行うことができる。この際、加温することにより洗浄効率を向上させることができる。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、1,2-ジメトキシエタン、アセトニトリル、ヘキサン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸、ギ酸等の各種の有機溶媒を使用することができる。上記の有機溶媒は単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
溶媒置換では、乾燥によるゲルの収縮を抑制するため、低表面張力の溶媒を用いることができる。しかし、低表面張力の溶媒は、一般的に水との相互溶解度が極めて低い。そのため、溶媒置換において低表面張力の溶媒を用いる場合、洗浄に用いる有機溶媒としては、水及び低表面張力の溶媒の双方に対して高い相互溶解性を有する親水性有機溶媒が挙げられる。なお、洗浄において用いられる親水性有機溶媒は、溶媒置換のための予備置換の役割を果たすことができる。上記の有機溶媒の中で、親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。なお、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等は経済性の点で優れている。
洗浄に使用される水又は有機溶媒の量としては、湿潤ゲル中の溶媒を十分に置換し、洗浄できる量とすることができる。当該量は、湿潤ゲルの容量に対して3~10倍の量とすることができる。
洗浄における温度環境は、洗浄に用いる溶媒の沸点以下の温度とすることができ、例えば、メタノールを用いる場合は、30~60℃程度の加温とすることができる。
溶媒置換では、乾燥工程におけるエアロゲルの収縮を抑制するため、洗浄した湿潤ゲルの溶媒を所定の置換用溶媒に置き換える。この際、加温することにより置換効率を向上させることができる。置換用溶媒としては、具体的には、乾燥工程において、乾燥に用いられる溶媒の臨界点未満の温度にて、大気圧下で乾燥する場合は、後述の低表面張力の溶媒が挙げられる。一方、超臨界乾燥をする場合は、置換用溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、2-プロパノール、ジクロロジフルオロメタン、二酸化炭素等、又はこれらを2種以上混合した溶媒が挙げられる。
低表面張力の溶媒としては、20℃における表面張力が30mN/m以下の溶媒が挙げられる。なお、当該表面張力は25mN/m以下であっても、又は20mN/m以下であってもよい。低表面張力の溶媒としては、例えば、ペンタン(15.5)、ヘキサン(18.4)、ヘプタン(20.2)、オクタン(21.7)、2-メチルペンタン(17.4)、3-メチルペンタン(18.1)、2-メチルヘキサン(19.3)、シクロペンタン(22.6)、シクロヘキサン(25.2)、1-ペンテン(16.0)等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン(28.9)、トルエン(28.5)、m-キシレン(28.7)、p-キシレン(28.3)等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン(27.9)、クロロホルム(27.2)、四塩化炭素(26.9)、1-クロロプロパン(21.8)、2-クロロプロパン(18.1)等のハロゲン化炭化水素類;エチルエーテル(17.1)、プロピルエーテル(20.5)、イソプロピルエーテル(17.7)、ブチルエチルエーテル(20.8)、1,2-ジメトキシエタン(24.6)等のエーテル類;アセトン(23.3)、メチルエチルケトン(24.6)、メチルプロピルケトン(25.1)、ジエチルケトン(25.3)等のケトン類;酢酸メチル(24.8)、酢酸エチル(23.8)、酢酸プロピル(24.3)、酢酸イソプロピル(21.2)、酢酸イソブチル(23.7)、エチルブチレート(24.6)等のエステル類などが挙げられる(かっこ内は20℃での表面張力を示し、単位は[mN/m]である)。これらの中で、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)は低表面張力でありかつ作業環境性に優れている。また、これらの中でも、アセトン、メチルエチルケトン、1,2-ジメトキシエタン等の親水性有機溶媒を用いることで、洗浄時の有機溶媒と兼用することができる。なお、これらの中でも、さらに後述する乾燥工程における乾燥が容易な点で、常圧での沸点が100℃以下の溶媒を用いてもよい。上記の溶媒は単独で、又は2種類以上を混合して用いてもよい。
溶媒置換に使用される溶媒の量としては、洗浄後の湿潤ゲル中の溶媒を十分に置換できる量とすることができる。当該量は、湿潤ゲルの容量に対して3~10倍の量とすることができる。
溶媒置換における温度環境は、置換に用いる溶媒の沸点以下の温度とすることができ、例えば、ヘプタンを用いる場合は、30~60℃程度の加温とすることができる。
(乾燥工程)
乾燥工程では、洗浄工程を経た湿潤ゲルを乾燥させることにより、エアロゲルを得ることができる。すなわち、上記ゾルから生成された湿潤ゲルを乾燥してなるエアロゲルを得ることができる。
乾燥の手法としては特に制限されず、公知の常圧乾燥、超臨界乾燥又は凍結乾燥を用いることができる。これらの中で、低密度のエアロゲルを製造し易いという観点からは、凍結乾燥又は超臨界乾燥を用いることができる。また、低コストで生産可能という観点からは、常圧乾燥を用いることができる。なお、本実施形態において、常圧とは0.1MPa(大気圧)を意味する。
エアロゲルは、湿潤ゲルを、湿潤ゲル中の溶媒の臨界点未満の温度にて、大気圧下で乾燥することにより得ることができる。乾燥温度は、湿潤ゲル中の溶媒の種類により異なるが、特に高温での乾燥が溶媒の蒸発速度を速め、ゲルに大きな亀裂を生じさせる場合があるという点に鑑み、20~180℃とすることができる。なお、当該乾燥温度は30~150℃であってもよい。また、乾燥時間は、湿潤ゲルの容量及び乾燥温度により異なるが、4~300時間とすることができる。なお、生産性を阻害しない範囲内において臨界点未満の圧力をかけて乾燥を早めることも、常圧乾燥に包含されるものとする。
エアロゲルは、また、湿潤ゲルを超臨界乾燥することによっても得ることができる。超臨界乾燥は、公知の手法にて行うことができる。超臨界乾燥する方法としては、例えば、湿潤ゲルに含まれる溶媒の臨界点以上の温度及び圧力にて溶媒を除去する方法が挙げられる。あるいは、超臨界乾燥する方法としては、湿潤ゲルを、液化二酸化炭素中に、例えば、20~25℃、5~20MPa程度の条件で浸漬することで、湿潤ゲルに含まれる溶媒の全部又は一部を当該溶媒より臨界点の低い二酸化炭素に置換した後、二酸化炭素を単独で、又は二酸化炭素及び溶媒の混合物を除去する方法が挙げられる。
このような常圧乾燥又は超臨界乾燥により得られたエアロゲルは、さらに常圧下にて、105~200℃で0.5~2時間程度追加乾燥してもよい。これにより、密度が低く、小さな細孔を有するエアロゲルをさらに得易くなる。追加乾燥は、常圧下にて、150~200℃で行ってもよい。
乾燥工程を経た後で得られるエアロゲルの体積は、収縮により、ゾルの時点での体積に比して小さくなる。ただし、過度な収縮はエアロゲルの熱伝導率を悪化させるため、収縮率({1-(エアロゲルの体積/ゾルの体積)}×100)は、60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
<エアロゲルブロック>
本実施形態に係るエアロゲルブロックは、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するケイ素化合物、及び、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物の加水分解生成物の少なくとも一種、を含有するゾルの縮合物である湿潤ゲルの乾燥物ということができる。この際ケイ素化合物は、前述のとおり、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が3個結合したケイ素原子を有するシランモノマー、及びケイ素原子の総数に対し3個の酸素原子と結合したケイ素原子を50%以上有するシランオリゴマーの少なくとも一種と、加水分解性の官能基又は縮合性の官能基が4個結合したケイ素原子を有するシランモノマー、及びケイ素原子の総数に対し4個の酸素原子と結合したケイ素原子を50%以上有するシランオリゴマーの少なくとも一種と、を主として含むことができる。
本実施形態に係るエアロゲルブロックは、例えば、上記の製造方法によって得られたものであってよい。すなわち、本実施形態に係るエアロゲルは、ケイ素化合物又はケイ素化合物の加水分解生成物を含有するゾルを生成するゾル生成工程と、ゾルをゲル化して湿潤ゲルを得る湿潤ゲル生成工程と、湿潤ゲルを乾燥してエアロゲルを得る乾燥工程と、を備える製造方法により得られるエアロゲルブロックであってもよい。
本実施形態のエアロゲルブロックに対する、DD/MAS法を用いて測定された固体29Si-NMRスペクトルにおいて、含ケイ素結合単位Q及びTを以下のとおり規定したとき、Qに由来するシグナル面積に対するTに由来するシグナル面積の比T/Qは1/9~9/1である。含ケイ素結合単位Q及びTは、それぞれ上記にて説明した構造を有する結合単位であり、酸素原子及び有機基についても上記のとおりである。
Q:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が4個の含ケイ素結合単位。
T:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が3個と水素原子又は1価の有機基が1個の含ケイ素結合単位。ただし、有機基とはケイ素原子に結合する原子が炭素原子である1価の有機基である。
Qに由来するシグナル面積に対するTに由来するシグナル面積の比T/Qは、さらに1/5~5/1であってもよく、1/3~3/1であってもよく、1/3~1/1であってもよい。比T/Qを1/9以上とすることにより屈曲性が増加することで靭性が向上し易い傾向があり、9/1以下とすることにより緻密な構造が形成され、強度が向上し易い傾向がある。比T/Qは、ケイ素化合物として使用する3官能成分及び4官能成分の量を調整することにより変動させることができる。
また、含ケイ素結合単位Dを以下のとおり規定したとき、優れた靭性を確保するという観点から、Q及びTに由来するシグナルの合計面積に対する、Dに由来するシグナル面積の比D/Q+Tは、1/2以下とすることができ、1/3以下であってもよく、1/5以下であってもよく、0(実質的にD単位を含まない)であってもよい。含ケイ素結合単位Dは、上記にて説明した構造を有する結合単位であり、酸素原子及び有機基についても上記のとおりである。
D:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が2個と水素原子又は1価の有機基が2個の含ケイ素結合単位。
各単位に由来するシグナル面積は、原料として使用するケイ素化合物の種類及び量を調整することにより、変動させることができる。例えば、Q単位に由来するシグナル面積を大きくしたい場合は、ケイ素化合物として使用する4官能シランモノマー、4官能シランオリゴマー等の4官能成分の量を増やせばよい。
固体29Si-NMRスペクトルにおける含ケイ素結合単位Q、T及びDの化学シフトは、Q単位:-90~-120ppm、T単位:-45~-80ppm、D単位:0~-40ppmの範囲にそれぞれ観察されるため、含ケイ素結合単位Q、T及びDのシグナルを分離し、各単位に由来するシグナル面積を計算することが可能である。なお、スペクトル解析に際しては、解析精度向上の点から、Window関数として指数関数を採用し、Line Broadening係数を0~50Hzの範囲に設定することができる。シグナル面積は、一般的なスペクトル解析ソフト(例えば、ブルカー社製のNMRソフトウェア「TopSpin」(TopSpinは登録商標))を用いて算出することができる。
良好な断熱性を得るという観点から、エアロゲルブロックの、25℃における密度は0.5g/cm以下とすることができるが、0.4g/cm以下であってもよく、0.3g/cm以下であってもよい。また、十分な靭性を確保するという観点から、当該密度は0.01g/cm以上とすることができるが、0.05g/cm以上であってもよく、0.1g/cm以上であってもよい。エアロゲルブロックの密度は、例えば電子比重計SD-200L(アルファーミラージュ株式会社製、製品名)を用い、JIS K7112に記載の方法に準じてアルキメデス法により測定することができる。
エアロゲルブロックの、大気圧下、25℃における熱伝導率は0.030W/(m・K)以下とすることができるが、0.028W/(m・K)以下であってもよく、0.025W/(m・K)以下であってもよい。熱伝導率は、例えば定常法熱伝導率測定装置「HFM436Lambda」(NETZSCH社製、製品名)を用いて行うことができる。
エアロゲルブロックの可視光透過率は50%以上である。ここで可視光とは、JIS Z8120の定義による電磁波をいう。エアロゲルブロックの可視光透過率は、55%以上であってもよく、60%以上であってもよい。エアロゲルブロックが上記所定のT/Q比を有する場合において、可視光透過率を50%以上とすることにより良好な靭性を発現することができる。靭性発現のメカニズムは定かではないが、発明者らは次のように推察している。可視光透過率が一定以上であるということは、入射光の散乱を生じさせるような構造上の要因が低減されているということであり、すなわち緻密な構造が形成されていることを意味する。エアロゲルの骨格は、微細な粒子状のシリカが三次元的に連なった構造を有しているため、構造が緻密になるほど、骨格を形成しているシリカ粒子同士の架橋点は増加していると考えられる。このような架橋点の増加が、結果としてエアロゲルの骨格を強靭化しているものと推察される。なお、可視光透過率の上限は特に制限されないが、靭性が維持されたエアロゲル構造体であるという観点から99%とすることができる。可視光透過率は、例えばダブルビーム分光光度計「U-2900」(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、製品名)を用い、測定波長を550nmとして測定することができる。
可視光透過率は、例えばエージング条件、ゾルの配合条件、触媒種、溶媒種等を調整することにより、変動させることができる。
靭性に優れる本実施形態のエアロゲルブロックの破断曲げ応力は、0.1MPa以上、好ましくは0.15MPa以上とすることができる。また、本実施形態のエアロゲルブロックの単位体積当たりの曲げ破断エネルギーは、0.5mJ/cm以上、好ましくは0.75mJ/cm以上、より好ましくは1.0mJ/cm以上とすることができる。破断曲げ応力及び単位体積当たりの曲げ破断エネルギーは、例えばテンシロン万能材料試験機(引張・圧縮試験機)「RTC―1350A」(株式会社オリエンテック製、製品名)を用い、測定モードを3点曲げとし、支点間距離を20mmとして測定することができる。
なお、本実施形態に係るエアロゲルの具体的形状として、上記ではある程度のボリュームを有するブロック状のエアロゲルについて説明したが、エアロゲルの形状はこれに限定されない。例えば、厚さをさらに低減したシート状のエアロゲルにおいても、本実施形態に係るエアロゲルは有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
4官能シランオリゴマーとしてメチルシリケート53A(コルコート株式会社製、製品名)を1.6mL、3官能シランオリゴマーとしてXR31-B1410(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、製品名)を1.6mL、N,N-ジメチルホルムアミドを14mL混合し、10分間撹拌した後、0.75Mに調整した水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液0.6mLを加え、さらに1分間攪拌してゾルを得た。得られたゾルを80℃でゲル化し、72時間熟成して湿潤ゲルを得た(表中のエージング条件)。
得られた湿潤ゲルをメタノール2500mL中に浸漬し、60℃で3時間かけて洗浄を行った。この洗浄操作を、新しいメタノールに交換しながら2回行った。次に、洗浄した湿潤ゲルを、メチルエチルケトン2500mL中に浸漬し、60℃で3時間かけて溶媒置換を行った。この溶媒置換操作を、新しいメチルエチルケトンに交換しながら2回行った。さらに、メチルエチルケトンでの溶媒置換後の湿潤ゲルを、低表面張力溶媒であるn-ヘプタン2500mL中に浸漬し、60℃で3時間かけて再度溶媒置換を行った。この溶媒置換操作を、新しいn-ヘプタンに交換しながら2回行った。洗浄及び溶媒置換された湿潤ゲルを、常圧下にて、30℃で170時間乾燥し、その後さらに150℃で2時間乾燥することで、エアロゲルブロックを得た。
(その他の実施例及び比較例)
エアロゲルブロックの作製条件を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にしてエアロゲルブロックを得た。なお、表1中、KBM-13(信越化学工業株式会社製、製品名)はメチルトリメトキシシランであり、0.75M NaOHaq.は0.75Mに調整した水酸化ナトリウム水溶液である。
表1中、収縮率は次式を用いて算出した。なお、ゾルの体積はメスシリンダーを用いて測定し、エアロゲルの体積は、円筒形に作製したエアロゲルの直径及び高さをノギスで測定して算出した。
{1-(エアロゲルの体積/ゾルの体積)}×100
Figure 0007293583000002
[各種評価]
各実施例及び各比較例で得られたエアロゲルブロックについて、以下の条件に従って評価をした。結果を表2に示す。
(1)含ケイ素結合単位Q、T及びDに係るシグナル面積の測定
固体29Si-NMR装置として「FT-NMR AV400WB」(ブルカー・バイオスピン株式会社製、製品名)を用いて測定を行った。測定条件は、測定モード:DD/MAS法、プローブ:4mmφのCPMASプローブ、磁場:9.4T、共鳴周波数:79Hz、MAS回転数:6kHz、遅延時間:150秒とした。標準試料としては、3-トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウムを用いた。
測定サンプルとして、エアロゲルブロックを細かく裁断したものを準備し、これをZrO製ローターに詰めて、プローブに装着して測定を行った。また、スペクトル解析においては、Line Broadening係数を2Hzとした。得られたスペクトルから、含ケイ素結合単位Q、T及びDに係るシグナル面積を求め、含ケイ素結合単位Q及びTに係る面積比T/Qを算出した。なお、本実施例及び比較例においては、含ケイ素結合単位Dに係るシグナル面積は実質的に観測されなかった。
(2)可視光透過率の測定
エアロゲルブロックを20mm×25mm×10mmのサイズとなるようにカットした。面の平行を確保するために、必要に応じて#1500以上の紙やすりで整形した。整形したエアロゲルブロックを、定温乾燥機「DVS402」(ヤマト科学株式会社製、製品名)を用いて、大気圧下、100℃で30分間乾燥した後、デシケータ中に移し、25℃まで冷却して、可視光透過率測定用の測定サンプルを得た。測定装置としては、ダブルビーム分光光度計「U-2900」(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名)を用い、20mm×25mmの面に波長550nmの光を当てて、光が10mmの距離(光路長)を透過するときの透過率(平行光線透過率)を測定した。
(3)密度の測定
エアロゲルブロックの密度を、JIS K7112に記載の方法に準じてアルキメデス法により測定した。測定装置としては、電子比重計SD-200L(アルファーミラージュ株式会社製、製品名)を用いた。
(4)破断曲げ応力及び単位体積当たりの曲げ破断エネルギーの測定
カットサイズを150mm×150mm×10mmとしたこと以外は、可視光透過率の測定と同様にして測定サンプルを作製した。これを3点曲げ測定用の測定サンプルとした。
測定装置としては、テンシロン万能材料試験機(引張・圧縮試験機)「RTC―1350A」(株式会社オリエンテック製、製品名)を用いた。測定モードは3点曲げとし、支点間距離を20mmとした。支点間の中央に、サンプル上面から荷重を加え、測定サンプルが破壊した点(破断点)で終了した。荷重を加える時の治具の移動速度は、0.3mm/minとし、測定温度は25℃とした。ここで、ひずみεは次式より求めた。
ε=6×s×h/L
式中、sは破断点での変位(mm)、hは負荷をかける前の測定サンプルの厚み(mm)、Lは支点間距離(mm)を示す。
また、破断曲げ応力σ(MPa)は、次式より求めた。
σ=3×F×L/2×b×h
式中、Fは破断点での荷重(N)を示し、bは負荷をかける前の測定サンプルの幅(mm)を示す。
そして、縦軸を応力、横軸をひずみで表した応力-ひずみ曲線において、破断点までの曲線の下側の面積を算出することにより、単位体積当りの曲げ破断エネルギー(mJ/cm)を求めた。
Figure 0007293583000003

Claims (3)

  1. DD/MAS法を用いて測定された固体29Si-NMRスペクトルにおいて、含ケイ素結合単位Q及びTを以下のとおり規定したとき、Qに由来するシグナル面積に対するTに由来するシグナル面積の比T/Qが1/9~9/1であり、
    光路長10mmにおける可視光透過率が50%以上であり、
    加水分解性の官能基又は縮合性の官能基を有するケイ素化合物、及び、加水分解性の官能基を有するケイ素化合物の加水分解生成物の少なくとも一種、を含有するゾルの縮合物である湿潤ゲルの乾燥物であり、
    前記ケイ素化合物が、ケイ素原子の総数に対し3個の酸素原子と結合したケイ素原子を60%以上有するシランオリゴマー(3官能シランオリゴマー)と、ケイ素原子の総数に対し4個の酸素原子と結合したケイ素原子を60%以上有するシランオリゴマー(4官能シランオリゴマー)と、を主として含前記ケイ素化合物中の、前記3官能シランオリゴマー及び前記4官能シランオリゴマーの合計含有量が75質量%以上である、エアロゲルブロック。
    Q:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が4個の含ケイ素結合単位。
    T:1個のケイ素原子に結合した酸素原子が3個と水素原子又は1価の有機基が1個の含ケイ素結合単位。ただし、前記有機基とはケイ素原子に結合する原子が炭素原子である1価の有機基である。
  2. アルキメデス法により測定される密度が0.5g/cm以下である、請求項1に記載のエアロゲルブロック。
  3. 前記ケイ素化合物が、前記3官能シランオリゴマーと、前記4官能シランオリゴマーとからなる、請求項1又は2に記載のエアロゲルブロック。
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