JP7292870B2 - ゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法 - Google Patents

ゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法 Download PDF

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本発明は、ゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法に関する。
従来、ゴルフのレッスンにおいては、スイングの見た目、および、種々の計測器(トラックマン(ボール弾道測定器)、モーションセンサ、カメラなど)の測定結果などに基づいて、インストラクターがゴルファーに指導を行うのが一般的であった。スイングの見た目、モーションセンサ、カメラなどから得られる、ゴルファーの体の動きという外から見える情報に基づく指導には、指導を受けるゴルファーの上達の程度がインストラクターの技量に依存するという問題がある。
そこで、特許文献1には、ゴルファーの腰に取り付けた慣性センサにより検出された加速度に基づき、ゴルファーの重心位置の加速度を算出し、算出した加速度と、ゴルファーのクラブを含む身体の質量情報とに基づいて、ゴルファーの身体およびクラブを含む系全体に作用する床反力を推定し、推定した床反力に基づいてスイングを評価する技術が開示されている。
特開2017-29516号公報
特許文献1に開示されている技術は、ゴルファーの身体およびクラブを含む系全体に作用する床反力を推定するものである。すなわち、左右の脚それぞれに作用する床反力を求めることはできない。そのため、各脚の踏込みの程度およびタイミングなどが分からないので、解析結果から、例えば、どのように踏込みを改善すべきなのかが直感的に分かりにくく、指導に活かしにくいという問題がある。スイングの正確な評価を行うためには、左右の脚それぞれに作用する床反力を求める必要があるが、左右の脚それぞれに作用する床反力を分離して求めることは困難であった。
そこで、従来は、フォースプレートを用意し、ゴルファーがフォースプレートに乗った状態でスイングすることで、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を測定することが行われていた。しかしながら、フォースプレートを用意することは、システムの高コスト化・大型化を招いてしまう。
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、簡易な構成でゴルファーのスイングをより正確に評価することができるゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法を提供することにある。
本発明の一態様としてのゴルフスイング評価システムは、ゴルファーによるクラブのスイングを評価するゴルフスイング評価システムであって、前記ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、前記ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する床反力推定手段と、前記動作情報と、前記床反力推定手段により推定された床反力とに基づき、前記ゴルファーの身体の部位による前記スイングへの寄与を算出する算出手段と、を備える。
上記構成を有することにより、床反力を測定するための設備を用いずに、左右の脚それぞれに作用する床反力を推定することができるので、簡易な構成でゴルファーのスイングをより正確に評価することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データを含む。
上記構成を有することにより、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データに基づき、床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記ゴルファーの動作情報は、前記クラブの所定部位の位置座標データをさらに含む。
上記構成を有することにより、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データと、クラブの所定部位の位置座標データとに基づき、床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データを含む。
上記構成を有することにより、ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データに基づき、床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記ゴルファーの動作情報は、前記クラブの所定部位の加速度データおよび角速度データをさらに含む。
上記構成を有することにより、ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データと、クラブの所定部位の加速度データおよび角速度データとに基づき、床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび系の重心を通る所定の軸まわりの角速度データを含む。
上記構成を有することにより、ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび系の重心を通る所定の軸まわりの角速度データに基づき、床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記算出部は、前記スイングへの寄与として、前記スイング中の前記クラブのヘッドスピードに対する前記ゴルファーの身体の各部位の寄与率を算出する。
上記構成を有することにより、スイング中のクラブのヘッドスピードに対するゴルファーの身体の各部位の寄与率を算出することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記スイング中のゴルファーの動作情報を取得する取得手段をさらに備え、前記床反力推定部は、前記取得手段により取得された動作情報に基づき、前記床反力を推定する。
上記構成を有することにより、スイング中のゴルファーの動作情報を取得し、その動作情報に基づき床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記取得手段により取得された動作情報と、前記ゴルファーの過去の動作情報とに基づき、前記床反力を推定する。
上記構成を有することにより、測定のばらつきによる影響を低減し、より正確に床反力を推定することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムにおいて、前記取得手段は、前記スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力の測定データを取得しなくてもよい。
上記構成を有することにより、スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力を測定することなく、床反力を推定することができる。
本発明の一態様としてのゴルフスイング評価方法は、ゴルファーによるクラブのスイングを評価するゴルフスイング評価方法であって、前記ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、前記ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定するステップと、前記動作情報と、前記推定された床反力とに基づき、前記ゴルファーの身体の部位による前記スイングへの寄与を算出するステップと、を含む。
上記構成を備えることにより、床反力を測定するための設備を用いずに、左右の脚それぞれに作用する床反力を推定することができるので、簡易な構成でゴルファーのスイングをより正確に評価することができる。
本発明によれば、簡易な構成でゴルファーのスイングをより正確に評価することができるゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るゴルフスイング評価システムの構成例を示す図である。 図1に示す取得部がモーションキャプチャである場合の、ゴルファーへのマーカーの取り付け例を示す図である。 図1に示す取得部がモーションキャプチャである場合の、クラブへのマーカーの取り付け例を示す図である。 図1に示す算出部が算出する関節トルクの一例を示す図である。 図1に示す算出部が算出する、スイング中の各時刻における、クラブのヘッドスピードに対するゴルファーの身体の各部位の寄与の表示例を示す図である。 図1に示す算出部が算出する、ゴルファーの身体の各部位に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値、および、累積値の各部位の割合の表示例を示す図である。 図1に示す算出部による、複数のスイングについて算出された、関節ごとの関節トルクの表示例を示す図である。 図1に示す算出部が算出するコヒーレンスについて説明するための図である。 図1に示す算出部による、複数のスイングについて算出された、関節ごとの関節トルクのコヒーレンスの表示例を示す図である。 図1に示す算出部による、複数のスイングについて算出された、クラブのヘッドスピードに対する身体の各部位の寄与の表示例を示す図である。 図1に示す算出部による、複数のスイングについて算出された、ゴルファーの身体の各部位に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値、および、累積値の身体の各部位の割合の表示例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して例示説明する。なお、各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフスイング評価システム10の構成例を示す図である。本実施形態に係るゴルフスイング評価システム10は、例えば、ゴルフのレッスンの際に用いられ、ゴルファーによるクラブのスイングを評価するものである。
図1に示すゴルフスイング評価システム10は、取得手段としての取得部11と、床反力推定手段としての床反力推定部12と、算出手段としての算出部13と、表示部14と、を備える。
取得部11は、ゴルファーによるクラブのスイング中の、ゴルファーの動作情報を取得し、取得した動作情報を床反力推定部12と算出部13とに出力する。動作情報には、例えば、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データが含まれる。また、動作情報には、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データに加えて、クラブの所定部位の位置座標データが含まれてもよい。また、動作情報には、例えば、ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データが含まれる。また、動作情報には、ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データに加えて、クラブの所定部位の加速度データおよび角速度データが含まれてもよい。また、動作情報には、例えば、ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび角速度データが含まれてもよい。このように、取得部11は、スイング中のゴルファーの身体およびクラブの所定の部位の動きに関するデータを取得するものである。したがって、取得部11は、スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力の測定データなどは取得しない。取得部11としては、例えば、モーションキャプチャ、慣性センサ、ビデオカメラ、深度カメラなどを用いることができる。ビデオカメラは、動作解析用のハイスピードカメラに加え、撮影時のサンプリングレートが低すぎないものであれば、市販のデジタルカメラ、携帯端末に搭載されたカメラあるいは小型のWEBカメラなどであってもよい。
取得部11としてモーションキャプチャを用いる場合、例えば、図2に示すように、ゴルファーの身体の所定部位にマーカーを取り付ける。図2においては、身体の34箇所にマーカーM01~M34を取り付けた例を示している。また、図3に示すように、クラブの所定部位にマーカーを取り付ける。図3においては、クラブの4箇所にマーカーM35~M38を取り付けた例を示している。マーカーM35は、クラブのグリップ端に取り付けられている。マーカーM36は、クラブのシャフトの手元に取り付けられている。マーカーM37は、クラブのシャフトの先端に取り付けられている。マーカーM38は、シャフトの手元であって、ヘッドのフェース面と直角に取り付けられている。
ゴルファーおよびクラブにマーカーを取り付けた状態で、ゴルファーのスイングを、周囲から複数(例えば、10台以上)のモーションキャプチャカメラで、所定のサンプリングレート(例えば、100Hz以上)で撮影する。取得部11は、各モーションキャプチャカメラの撮影画像から各マーカーの位置座標を特定することで、スイング中の、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データおよびクラブの所定部位の位置座標データを取得する。
取得部11としてビデオカメラを用いる場合、撮影画像からスイング中の、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データおよびクラブの所定部位の位置座標データを取得する。例えば、予め定められたゴルファーの身体およびクラブの所定部位を撮影画像から特定する。ビデオカメラを用いることで、モーションキャプチャを使用する場合と比較して、非常に簡易な構成で、ゴルファーのスイング中の動作情報を取得することができる。なお、位置情報の特定精度を向上するために、必要であればゴルファーの身体およびクラブの所定部位に撮影時にマーカーを取り付けてもよい。
ゴルファーのスイングを、周囲から複数(例えば、2台以上)のビデオカメラで、所定のサンプリングレート(例えば、100Hz以上)で撮影する。取得部11は、例えば、ゴルファーの身体およびクラブの所定部位にマーカーを取り付けている場合、各ビデオカメラの撮影画像から、各マーカーの位置座標を特定することで、スイング中の、ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データおよびクラブの所定部位の位置座標データを取得する。所定部位の特定には、例えば、3次元DLT(Direct Linear Transformation Method)法を用いてもよい。また、所定部位の特定には、例えば、画像認識技術(画素分析等)を用いてもよい。また、所定部位の特定には、例えば、画像認識技術と機械学習とを組み合わせて用いてもよい。
取得部11として慣性センサを用いる場合、ゴルファーの身体の所定部位およびクラブの所定部位に慣性センサを取り付ける。取得部11は、スイング中の各慣性センサの測定結果から、スイング中のゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データを取得する。取得部11としてモーションキャプチャを用いる場合、ゴルファーおよびクラブにマーカーを取り付け、スイングの様子を多数のモーションキャプチャカメラで撮影するために、大規模な設備が必要となるだけでなく、専用のスーツの着用や、カメラのキャリブレーションなど、データの取得に多大な手間および時間を要する。一方、取得部11として慣性センサを用いる場合、ゴルファーおよびクラブに慣性センサを取り付け、慣性センサの位置座標を取得するだけでよい。そのため、モーションキャプチャを使用する場合と比較して、非常に簡易な構成で、ゴルファーのスイング中の動作データ(ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データ、クラブの所定部位の加速度データおよび角速度データ)を取得することができる。
また、取得部11として慣性センサを用いる場合、ゴルファーの身体の重心付近、例えば、ゴルファーの腰に慣性センサを取り付けてもよい。この場合、取得部11は、スイング中の慣性センサ(ゴルファーの腰に取り付けられた慣性センサ)の測定結果から、ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび系の重心を通る所定軸まわりの角速度データを取得する。
慣性センサは、3軸加速度センサおよび3軸角速度センサなどで構成される。慣性センサとしては、例えば、Noitom社製 Perseption Neuronなどが使用できる。これらのセンサは、市販される汎用センサであり、研究者に限らず、広く使用されている。これらのセンサにより、スイング動作中のゴルファーの身体の所定部位の位置座標、加速度、角速度など、様々なデータを取得することができる。
例えば、前述したセンサに付属するソフトには、アバターを用いたアニメーションの作成用に、人体のモデルがデフォルトで設定されている。この人体モデルは、身体各部(セグメント)の長さと関節位置、初期姿勢が事前に決定されており、各セグメントの時々刻々の姿勢をセンサで取得することによってリアルタイムで全身の動作を再現することができる。姿勢の取得は、隣接するセグメントのなす相対角度(オイラー角)またはクオータニオンなどを取得すればよい。これらのデータから各セグメントの姿勢を、決定された股関節(hip)の位置から身体の遠位方向へ順に計算することにより、人体のモデル全体の姿勢が得られ、そこからスイングに伴って時々刻々の身体各部の変位も推定することが可能となる。クラブについても同様に、両手の位置とクラブのグリップ部の位置が一致すると仮定し、前述したセンサで取得したクラブの姿勢を予め準備しておいたモデルに入力することでその動きを推定することが可能となる。
図1を再び参照すると、床反力推定部12は、取得部11により取得された動作情報に基づき、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。より具体的には、床反力推定部12は、取得部11により取得された動作情報と、剛体リンクモデルと、身体部分慣性係数とに基づき、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。床反力推定部12は、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力の推定結果(床反力データ)を算出部13に出力する。
剛体リンクモデルとは、人体を複数の剛体要素(セグメント)と、剛体要素同士を接続する関節要素とで表わすモデルである。それぞれの剛体要素に座標の情報を与えておいてもよいし、取得されたゴルファーの身体の所定部位の位置座標データを入力してもよい。予め準備(作成)しておいた単一の身体モデルを使用する場合、システムを簡素化することで、計算時間の短縮を図ることができる。予め準備しておいた複数の身体モデルを使用する場合は、予め準備しておいた複数の身体モデルの中から、ゴルファーの身長、性別、体重といった属性から、ゴルファーに適切な身体モデルを適宜選択できる。
予め準備(作成)しておいた剛体リンクモデルを使用し、動作を慣性センサなどで捕捉する場合、位置座標ではなくセグメントの姿勢を取得してもよい。こうすることで、位置座標から剛体リンクモデルを作成する方法に比べ、マーカーの貼付箇所のずれやカメラに起因する誤差などを排除することができる。また、大規模な設備が必要なく、カメラのキャリブレーションなどの初期設定を簡易化することができるため、実施者が場所を選ばずに実施することが可能となる。また、予め準備しておいた剛体リンクモデルを使用することで、インストラクターがセンサを身体計測点に取り付ける技量の差が結果に影響しにくくなるので、店舗などで簡易に利用できるようになる。
身体部分慣性係数とは、身体部分の質量、質量中心位置、慣性モーメントなどの慣性特性に関する情報を示すものである。身体部分慣性係数は、種々の測定などにより、予め求められている。
床反力推定部12によるゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力の推定の詳細については後述する。
算出部13は、取得部11により取得された動作情報と、床反力推定部12により推定された床反力(ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力)とに基づき、ゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与を算出する。
具体的には、算出部13は、取得部11により取得された動作情報と、床反力推定部12により推定された床反力と、剛体リンクモデルと、身体部位慣性係数とに基づき、
ゴルファーの関節ごとの関節トルクを算出する。そして、算出部13は、算出したゴルファーの関節ごとの関節トルク、および、スイング中のゴルファーの動作により生じた力の、クラブのスイングへの寄与をゴルファーの身体の各部位について算出する。
算出部13は、ゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与として、例えば、クラブのヘッドスピードに対するゴルファーの身体の各部位の寄与率を算出する。ゴルフにおいては、飛距離を伸ばすことが重要な要素の1つであり、飛距離を伸ばすためには、クラブのヘッドスピードを上げることが重要である。したがって、クラブのヘッドスピードに対して、ゴルファーの身体の各部位がどのように寄与をしているかを分析することは非常に有用である。なお、クラブのヘッドスピードに対する身体の各部位の寄与とは、各部位によりクラブのヘッドに与えられる加速度、運動エネルギーなどを指す。
算出部13は、ゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与として、例えば、ゴルファーの身体の各部位により生じるパワー、トルクなどを算出してもよい。また、算出部13は、ゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与として、例えば、ゴルファーの左右の腕および左右の脚それぞれによる寄与を算出してもよい。
算出部13の動作の詳細は後述する。
表示部14は、算出部13によるゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与の算出結果などを表示する。
次に、図1に示すゴルフスイング評価システム10において実行されるゴルフスイング評価方法について説明する。
本実施形態に係るゴルフスイング評価方法は、床反力推定部12が、ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定するステップと、算出部13が、動作情報と、推定された床反力とに基づき、ゴルファーの身体の部位によるスイングへの寄与を算出するステップと、を含む。以下では床反力推定部12および算出部13の動作について、より詳細に説明する。
まず、算出部13の動作について説明する。なお、以下では、算出部13が、ゴルファーの身体の部位によるクラブのスイングへの寄与として、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を算出する例を用いて説明する。
算出部13は、ゴルファーの関節ごとの関節トルクを算出するために、大きく分けて、キネマティクス(kinematics)計算と、キネティクス(kinetics)計算とを行う。算出部13は、キネマティクス計算として、例えば、セグメントの姿勢/角速度/角加速度、重心位置/重心速度/重心加速度などを算出する。また、算出部13は、キネティクス計算として、ゴルファーの各関節の関節トルク、等価トルク算出用のモーメントアーム(回転軸と力の作用線とを結んだ垂線)などを算出する。
まず、キネマティクス計算について説明する。算出部13はまず、取得部11が取得した動作情報と、既存の剛体リンクモデルとに基づき、逆動力学計算に必要な計算用のマーカー座標位置や各セグメントの姿勢などを算出する。逆動力学計算とは、計測で得られた動作を実現するために、各関節が発揮するトルクを算出する手法である。次に、算出部13は、算出したマーカー座標位置に基づき、剛体リンクモデルを作成し、各マーカーの速度/加速度を計算する。次に、算出部13は、Local座標系を設定し、算出した各マーカーの速度/加速度に基づき、Local座標系における、ゴルファーの身体を表わす剛体リンクモデルにおける各セグメントの姿勢/角速度/角加速度、重心位置/重心速度/重心加速度などを算出する。なお、本実施形態においては、算出部13は、上述した各計算において、必要に応じて、身体部分慣性係数を用いる。
次に、キネティクス計算について説明する。算出部13は、床反力推定部12により推定された床反力(床反力データ)、および、キネマティクス計算で算出した各セグメントの角速度などに基づき、逆動力学計算を用いて、ゴルファーの関節ごとの関節トルクを算出する。算出部13は、例えば、図4に示すように、ゴルファーの首(Neck)、右肩(R.shoulder)、右肘(R.elbow)、右手首(R.wrist)、左肩(L.shoulder)、左肘(L.elbow)、左手首(L.wrist)、胴体(Torso)、右股関節(R.hip)、右膝(R.knee)、右足首(R.ankle)、左股関節(L.hip)、左膝(L.knee)、左足首(L.ankle)のそれぞれについて、3軸方向(X軸、Y軸、Z軸)の関節トルクを算出する。また、算出部13は、算出したトルクの等価トルク算出用のモーメントアームを計算する。
次に、算出部13は、以下の式(1)~(3)を解く。
Figure 0007292870000001
Figure 0007292870000002
算出部13は、式(2),(3)におけるC,C,hを計算する。なお、これらの計算は当業者によく知られているため、詳細な説明は省略する。
Figure 0007292870000003
Figure 0007292870000004
Figure 0007292870000005
Figure 0007292870000006
Figure 0007292870000007
式(5)の両辺にクラブのヘッドの質量Mheadをかけると以下の式(6)となる。
Figure 0007292870000008
Figure 0007292870000009
Figure 0007292870000010
Figure 0007292870000011
Figure 0007292870000012
算出部13は、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を算出することで、例えば、図5に示すように、スティックピクチャ表示されたゴルファーの身体に、そのゴルファーのスイング中の各時刻における関節ごとの寄与を重畳して表示部14に表示することができる。図5においては、ヘッドスピードを加速させている関節(正の寄与をしている関節)には菱形の印が付され、ヘッドスピードを減速させている関節(負の寄与をしている関節)には丸印が付されている。また、図5においては、関節ごとの寄与の大きさを、関節に付された印の大きさで示している。図5に示すように、ゴルファーの身体に、スイング中の各時刻における関節ごとの寄与を重畳して表示することで、スイングの各段階で、各関節がどのような寄与をしているかを容易に把握することができる。
また、算出部13は、寄与を算出した全関節による寄与に対する、関節ごとの寄与の割合(寄与率)を算出してもよい。こうすることで、各関節の寄与の程度をより詳細に把握することができる。
また、算出部13は、ゴルファーのスイング中の特定の姿勢(例えば、トップの姿勢)からの、クラブのヘッドスピードに対する関節の寄与(ヘッドに作用するパワー)を積分することで、その特定の姿勢からの、その関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値を算出することができる。スイング中の各時刻までのヘッドスピードに対する関節の累積寄与は、各時刻におけるクラブのヘッドの運動エネルギーに対するその関節の寄与を示す。算出部13は、上述した累積寄与を各関節について算出する。こうすることで、各関節が、クラブのヘッドの運動エネルギーに対してどのような寄与をしているかを容易に把握することができる。
図6は、算出部13による、ゴルファーの各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値の表示例を示す図である。図6に示すように、算出部13は、ゴルファーの各関節について、スイング中の各時刻ごとに、その時刻までのゴルファーの関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値を算出し、表示部14に表示することができる。ある時刻における、各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値の総和は、その時刻におけるクラブのヘッドの運動エネルギーに相当する。
また、算出部13は、スイング中の特定のタイミング(例えば、インパクトのタイミング)における、ゴルファーの各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値の、関節ごとの割合を算出してもよい。こうすることで、図6に示すように、算出部13は、スイング中の特定のタイミング(図6では、インパクトのタイミング)における、クラブのヘッドの全運動エネルギーに対する、関節ごとの割合を表示部14に表示することができる。
また、算出部13は、第1のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与と、第2のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与とを比較し、比較結果を出力してもよい。すなわち、算出部13は、複数のスイングそれぞれについて、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を算出し、スイング毎に算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を比較し、比較結果を出力してもよい。こうすることで、スイング間での関節ごとの寄与の違いを抽出し、ヘッドスピードの差を生じさせる要因を特定することができる。
例えば、算出部13は、同じゴルファーによる2回のスイング(第1のスイングおよび第2のスイング)それぞれについて、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を計算する。そして、算出部13は、第1のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与と、第2のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与との差を時系列的に比較し、差異が大きな点を、ヘッドスピードの差を生じさせる要因として抽出してもよい。
また、算出部13は、第1のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与と、第2のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与との差を時系列的に比較し、ゴルファーの上達の程度を示す指標を算出してもよい。例えば、算出部13は、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与の一致度に応じて、ゴルファーの上達の程度を示す指標として、スイングの安定度合いを示す指標を算出してもよい。こうすることで、生体力学的に算出されたクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与という、より客観的な指標により、より効果的にゴルファーの上達の程度を評価することがきる。
また、算出部13は、第1のスイングをゴルファーによりスイングとし、第2のスイングを、目標となるスイング(例えば、上級者によるスイング)とし、第1のスイングをしたゴルファーの上達の程度を示す指標を算出してもよい。すなわち、算出部13は、第1のスイングについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与と、第2のスイング(手本となるスイング)について算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与との差を時系列的に比較することで、第1のスイングをしたゴルファーの上達の程度を示す指標を算出してもよい。例えば、算出部13は、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出したクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与の一致度に応じて、第1のスイングをしたゴルファーの上達の程度を示す指標を算出してもよい。こうすることで、生体力学的に算出されたクラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与という、より客観的な指標により、より効果的にゴルファーの上達の程度を評価することがきる。
また、算出部13は、スイング中の特定の期間(例えば、トップからインパクトまでの期間)における、クラブのヘッドスピードに対する関節の寄与を、複数のスイング間で比較し、該比較の結果を出力してもよい(表示部14に表示してもよい)。こうすることで、複数のスイング間での、スイング中の特定の期間における関節ごとの寄与を比較することができる。
また、本実施形態に係るゴルフスイング評価システム10においては、算出部13による、関節ごとキネマティクス計算およびキネティクス計算の計算結果の算出、および、クラブのヘッドスピードに対する身体の部位による寄与の算出を、複数のスイングについて行い、表示部14は、それぞれのスイングについての算出結果を比較可能に表示してもよい。すなわち、算出部13は、複数のスイングそれぞれについて、ゴルファーの関節ごとのキネマティクス計算およびキネティクス計算の計算結果を算出し、表示部14は、複数のスイングそれぞれについて算出部13により算出されたゴルファーの関節ごとの関節トルクを、比較可能に表示してもよい。また、算出部13は、複数のスイングそれぞれについて、クラブのヘッドスピードに対する身体の各部位による寄与を算出し、表示部14は、複数のスイングそれぞれについて算出部13により算出されたクラブのヘッドスピードに対する身体の各部位による寄与の計算結果を、比較可能に表示してもよい。また、表示部14は、複数のスイングそれぞれについて算出部13により算出された、ゴルファーの関節トルクを、比較可能に表示してもよい。なお、表示部14は、算出部13により複数のスイングそれぞれについて算出されたキネマティクス計算結果を、比較可能に表示してもよい。
例えば、算出部13は、図7に示すように、関節ごとに、第1のスイングにより算出した関節トルクと、第2のスイングにより算出した関節トルクとを重畳して、表示部14に表示してもよい。こうすることで、第1のスイングと第2のスイングとで、どの関節で差異が大きいかを容易に把握することができる。
また、算出部13は、関節ごとに、第1のスイングについて算出した関節トルクと、第2のスイングについて算出した関節トルクとのコヒーレンス(相関値)を算出し、表示部14に表示してもよい。算出部13は、例えば、以下の式(8)に基づき、コヒーレンスを算出する。
Figure 0007292870000013
Figure 0007292870000014
算出部13は、関節ごとに、第1のスイングについて算出した関節トルクと、第2のスイングについて算出した関節トルクとのコヒーレンスを算出し、表示部14に表示してもよい。図9は、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出された関節ごとの三軸方向の関節トルク(TorqueX,TorqueY,TorqueZ,)のコヒーレンスの表示例を示す図である。図9においては、右股関節(Rhip)、右膝(Rknee)、右足首(Rankle)、左股関節(Lhip)、左膝(Lknee)、左足首(Lankle)、胴体(Trunk)、右肩(Rshoulder)、右肘(Relbow)、右手首(Rwrist)、左肩(Lshoulder)、左肘(Lelbow)、左手首(Lwrist)それぞれについて、第1のスイングについて算出した関節トルクと、第2のスイングについて算出した関節トルクとのコヒーレンスを示している。こうすることで、第1のスイングと第2のスイングとで差異が大きい関節を容易に把握することができる。
また、算出部13は、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出した、クラブのヘッドスピードに対する身体の各部位による寄与を、表示部14に比較可能に表示してもよい。例えば、算出部13は、図10に示すように、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出した、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を、時系列的に、スティックピクチャ表示されたゴルファーの身体に重畳して表示部14に表示するようにしてもよい。図10に示すように、第1のスイングおよび第2のスイングについて算出した、クラブのヘッドスピードに対する関節ごとの寄与を並べて表示することで、例えば、第1のスイングでは、トップの位置からクラブを振り下げインパクトに至るまでの間において、下半身からの寄与が大きい、第2のスイングでは、インパクトの手前で、肩関節によるクラブの減速が顕著であるといった、第1のスイングと第2のスイングとの差異を容易に把握することができる。
また、算出部13は、第1のスイングおよび第2のスイングそれぞれについて算出した、身体の各部位に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値、あるいは、クラブのヘッドの全運動エネルギーに対する、身体の各部位の累積値の割合を、表示部14に比較可能に表示してもよい。例えば、算出部13は、図11に示すように、第1のスイングについて算出した各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値と、第2のスイングについて算出した各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値とを並べて表示部14に表示してもよい。また、算出部13は、図11に示すように、スイング中の特定のタイミング(例えば、インパクトのタイミング)における、第1のスイングについて算出した各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値の各部位の割合と、第2のスイングについて算出した各関節に起因するクラブのヘッドの運動エネルギーの累積値の各部位の割合とを並べて表示部14に表示してもよい。
第1のスイングと第2のスイングとは、同じゴルファーによるスイングであってもよいし、異なるゴルファーによるスイングであってもよい。第1のスイングと第2のスイングとが異なるゴルファーによるものである場合、例えば、第1のスイングは、レッスンを受けるゴルファーによるスイングであり、第2のスイングは、上級者によるスイング(目標となるスイング)である。
次に、床反力推定部12の動作について説明する。
床反力推定部12は、例えば、動作情報として取得されたゴルファーの身体およびクラブの所定部位の位置座標データ(三次元位置座標)と、身体質量情報と、接地点の推定値とに基づき、モーメントの釣り合いを用いて、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。身体質量情報とは、ゴルファーの身長、体重などの情報である。また、接地点とは、ゴルファーの左右の脚が接する床面上の位置である。具体的には、床反力推定部12は、取得した位置座標データと、剛体で身体各部をモデル化し、身体部分慣性係数を用いて求めたゴルファーの身体の各部の重心位置およびクラブの重心位置とに基づき、ゴルファーの身体重心、および、ゴルファーの身体とクラブとを含む系全体の重心位置を算出する。また、床反力推定部12は、系全体の重心位置を2階微分することにより、加速度を算出する。ここで、ゴルファーに作用する床反力(左右合力)は、系全体の質量と系の重心加速度との積と一致すると考えることができる。
次に、床反力推定部12は、床反力の左右分離(左右の脚それぞれに作用する床反力を求める)に当たり、ゴルファーの左右の脚の接地点の位置を推定する。ゴルフスイングにおいては、ゴルファーはスイング中、基本的に常に両足を接地している。そのため、系が左右の脚からどのような比率で床反力を受けているか、また、その際の圧力中心が基底面となる足底内のどの位置にあるのかを、フォースプレートなどの計測機器を用いずに知ることは一般に困難である。
そこで、床反力推定部12は、簡便の為、つま先、踵あるいは足部重心位置からの相対位置として接地点の位置を推定する。こうすることで、床反力推定部12は、未知数を減らすことによって、左右各足の床反力を推定する。
ゴルファーのスイング中の床反力および接地点の位置について、左右の脚それぞれの接地点の位置を仮にCOP_R(xR,yR,zR)、COP_L(xL,yL,zL)とする。なお、zR,zL(鉛直方向成分)は、両脚が接地している場合、床面の高さと一致することから常に0とする。左右の脚に作用する床反力を推定する際には、接地点の位置COP_R、COP_Lについては、例えば、足底内の常に決まった位置に床反力の入力代表点を定めてもよい。また、その他の接地点の位置として、例えば、スイングのアドレス期(静止)、バックスイング期(始動~トップ)、ダウンスイング期(トップ~インパクト直前)、インパクト以降の4区間に分けて、時間を変数とする3次以上の関数で近似した式を用いることができる。なお、連続する区間の間では、左右の脚の接地点は、滑らかに連続することが望ましい。推定式の係数の決定には、例えば、複数のゴルファーの計測結果を用いても良いし、過去のゴルファー自身の計測結果を用いても良い。床反力推定部12は、推定した接地点の位置を床反力の入力代表点として、系全体および身体の所定部位に作用する力と、モーメントの釣り合いの関係とから、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。なお、接地点を通る鉛直軸まわりの偶力モーメントは、計算の簡便のため、考慮しないものとしてもよい。
また、床反力推定部12は、例えば、動作情報として取得されたゴルファーの身体およびクラブの所定部位の加速度データおよび角速度データと、身体質量情報と、接地点の推定値とに基づき、モーメントの釣り合いを用いて、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。具体的には、床反力推定部12は、取得したゴルファーの身体およびクラブの所定部位の加速度データおよび角速度データと、剛体で身体各部をモデル化し、身体部分慣性係数を用いて求めたゴルファーの身体の各部の重心位置およびクラブの重心位置とに基づき、ゴルファーの身体重心およびゴルファーの身体、および、クラブを含む系全体の重心位置を算出する。以降、床反力推定部12は、上述した方法により、左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。
また、床反力推定部12は、例えば、動作情報として取得されたゴルファーの身体の重心の加速度データおよび角速度データと、身体質量情報と、接地点の推定値とに基づき、ゴルファーの力の発揮パターンを用いて、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。この場合、取得部11は、ゴルファーの身体の各部の重心位置近傍に貼付された3軸の加速度・角速度センサから、ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび系の重心を通る所定軸まわりの角速度データを取得する。床反力推定部12は、アドレス時(静止時)の値をオフセットするための基準姿勢とし、静止時の各部の位置および姿勢を取得する。床反力推定部12は、スイング開始後、基準姿勢からの変化を用いて、各部の重心位置および各部の姿勢の変位量を求めることができる。以降、床反力推定部12は、上述した方法により、左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する。
なお、床反力推定部12は、取得部11により取得されたゴルファーの動作情報だけでなく、予め蓄積されたゴルファーの過去の動作情報を用いて、床反力を推定してもよい。例えば、床反力推定部12は、予め蓄積されたゴルファーの過去の動作情報を用いて、時々刻々、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力の配分比率を事前に決定してもよい。あるいは、ゴルファーが過去にフォースプレートなどで計測した左右の脚それぞれに作用する床反力データを、左右の脚の配分比率を決定するために用いてもよい。系の重心加速度の情報から床反力(左右合力)が判明している場合、接地点の推定と同様に、スイングをアドレス期、バックスイング期、ダウンスイング期およびインパクト以降などの区間に分け、左右の脚それぞれに作用する床反力の構成比の変化を関数で近似した値を用いてもよい。例えば、同じゴルファーの数多くのスイングを解析する場合に、床反力の推定時間の短縮を図り、より簡便かつ正確に床反力を推定することができる。
このように本実施形態に係るゴルフスイング評価システム10は、ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する床反力推定部12と、動作情報と、床反力推定部12により推定された床反力とに基づき、ゴルファーの身体の部位によるスイングへの寄与を算出する算出部13と、を備える。
そのため、床反力を測定するための設備を用いずに、左右の脚それぞれに作用する床反力を推定することができるので、簡易な構成でゴルファーのスイングをより正確に評価することができる。
本発明に係るゴルフスイング評価システムおよびゴルフスイング評価方法は、上述した実施形態に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。
10 ゴルフスイング評価システム
11 取得部(取得手段)
12 床反力推定部(床反力推定手段)
13 算出部(算出手段)
14 表示部
M01~M38 マーカー

Claims (9)

  1. ゴルファーによるクラブのスイングを評価するゴルフスイング評価システムであって、
    両足接地した前記ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、前記ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する床反力推定手段と、
    前記動作情報と、前記床反力推定手段により推定された床反力とに基づき、前記ゴルファーの身体の部位による前記スイングへの寄与を算出する算出手段と、
    前記スイング中のゴルファーの動作情報を取得する取得手段と、を備え、
    前記床反力推定手段は、前記取得手段により取得された動作情報と、前記ゴルファーの過去の動作情報とに基づき、前記床反力を推定し、
    前記取得手段は、前記スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力の測定データを取得しない、ゴルフスイング評価システム。
  2. 請求項1に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の所定部位の位置座標データを含む、ゴルフスイング評価システム。
  3. 請求項2に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記ゴルファーの動作情報は、前記クラブの所定部位の位置座標データをさらに含む、ゴルフスイング評価システム。
  4. 請求項1に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の所定部位の加速度データおよび角速度データを含む、ゴルフスイング評価システム。
  5. 請求項4に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記ゴルファーの動作情報は、前記クラブの所定部位の加速度データおよび角速度データをさらに含む、ゴルフスイング評価システム。
  6. 請求項1に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記ゴルファーの動作情報は、前記ゴルファーの身体の重心の加速度データおよび系の重心を通る所定の軸まわりの角速度データを含む、ゴルフスイング評価システム。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のゴルフスイング評価システムにおいて、
    前記算出手段は、前記スイングへの寄与として、前記スイング中の前記クラブのヘッドスピードに対する前記ゴルファーの身体の各部位の寄与率を算出する、ゴルフスイング評価システム。
  8. ゴルファーによるクラブのスイングを評価するゴルフスイング評価システムにより実行されるゴルフスイング評価方法であって、
    両足接地した前記ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、前記ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定するステップと、
    前記動作情報と、前記推定された床反力とに基づき、前記ゴルファーの身体の部位による前記スイングへの寄与を算出するステップと、
    前記スイング中のゴルファーの動作情報を取得するステップと、を含み、
    前記床反力を推定するステップでは、前記取得された動作情報と、前記ゴルファーの過去の動作情報とに基づき、前記床反力を推定し、
    前記動作情報を取得するステップでは、前記スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力の測定データを取得しない、ゴルフスイング評価方法。
  9. ゴルファーによるクラブのスイングを評価するゴルフスイング評価システムであって、
    両足接地した前記ゴルファーのスイング中の動作情報に基づき、前記ゴルファーの左右の脚それぞれに作用する床反力を推定する床反力推定手段と、
    前記動作情報と、前記床反力推定手段により推定された床反力とに基づき、前記ゴルファーの身体の部位による前記スイングへの寄与を算出する算出手段と、
    前記スイング中のゴルファーの動作情報を取得する取得手段と、を備え、
    前記床反力推定手段は、前記取得手段により取得された動作情報と、複数のゴルファーの過去の動作情報とに基づき、前記床反力を推定し、
    前記取得手段は、前記スイング中のゴルファーの足裏にかかる圧力の測定データを取得しない、ゴルフスイング評価システム。
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