JP7292520B2 - 製造工程管理システム、製造工程管理装置、製造工程管理方法、及びプログラム - Google Patents

製造工程管理システム、製造工程管理装置、製造工程管理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、シート・フィルム・繊維などの成形加工を行う工程などに利用される被製造物に加わる張力測定方法及びその管理装置に係り、特に、合成樹脂繊維の紡糸工程における糸条の張力を、非接触な状態で任意の位置における測定、製造工程管理システム、製造工程管理装置、製造工程管理方法、及びプログラムに関する。
本願は、2020年7月28日に日本に出願された特願2020-127203号、及び2021年3月4日に日本に出願された特願2021-034632号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、樹脂からシート、フィルムや繊維が生産されている。その生産工程には、ロールを用いた樹脂の大きな変形を伴う成形加工の工程があり、例えば、樹脂を薄い膜状に成型するフィルム化や、紡糸ノズルから吐出された樹脂を紡ぐ紡糸等の工程が知られている。このような工程において、加えられた変形の履歴は、残留ひずみとして樹脂に記憶され、製品品質や加工安定性に強く影響を与えることが知られているが、物理的制約や経済的制約により、センシング技術導入が見送られることも多い。工程内では、残留ひずみの緩和に伴う収縮応力が発生し、被製造物の張力として検出できる。特に、合成樹脂繊維の紡糸工程において、強すぎる張力は、製品糸の物理的特性に悪影響を与えたり、工程における糸切れ・工程ロールへの巻き付きに繋がる。逆に、低すぎる張力も、製品糸の物理的特性に悪影響を与えたり、工程糸のたるみに繋がり、糸条の走行が不安定になり、糸が傷つき易く糸切れなどの原因となる。この様にロールを用いた成型加工工程では、被製造物の張力は重要な工程管理指標であり、樹脂の張力に基づき、加工される樹脂の品質や工程の管理を行うための技術が各種提案されている。
例えば、下記特許文献1には、プラスチック等の樹脂、布、紙、金属等で形成された帯状又は糸状の部材であるウェブの加工工程において、ウェブにかかる張力をセンサ装置で直接測定し、測定値に基づきウェブにかかる張力を制御する装置に関する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、取得した糸条の張力を高速フーリエ変換することによって、張力振動の変化を周波数領域で監視し、糸条の異常及び加工糸の品質を制御・管理するシステムに関する技術が開示されている。
さらに、下記特許文献3には、糸条の張力検出を非接触で行うために、少量の糸条に対して、赤外線を照射し、透過光から糸条張力を検出する測定方法及び装置に関する技術が開示されている。
下記特許文献4は、ベルトに振動を加え、その際の振動を加速度センサによって取得し、これをフーリエ変換することで固有周波数を求め、得られた振動周波数からベルト張力を算出する方法に関する技術が開示されている。
日本国特開2019-197036号公報 日本国特開2000-220043号公報 日本国特開2002-88606号公報 日本国特開2018-9989号公報
しかしながら、先行技術文献に示された技術は、特許文献1のような被製造物にかかる張力を直接測定するために、大規模な設備の導入が必要となることや、特許文献2または特許文献3のような少量の繊維に対してしか適用できない場合がある。よって、これらの技術が適用可能な設備や工程は、例えば、大規模な設備が必要あるいは少量の糸束を扱う工程等に限られるといった課題があった。
さらに、特許文献4のように張力を直接測定するのではなく、張力監視の対象の振動からその周波数を求めて張力を算出する場合には、張力監視の対象への振動を付加するとともに検出した加速度の変化から固有振動数を算出し、固有振動数がベルトの振動によるものか否かについての同定を行う必要があるといった事前の作業が必要となる。
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、製造工程管理を容易に行うことが可能な製造工程管理システム、製造工程管理装置、製造工程管理方法、及びプログラムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る製造工程管理システムは、張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材と、前記支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、を備える。
本発明の一態様に係る製造工程管理装置は、張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、を備える。
本発明の一態様に係る製造工程管理方法は、取得部が、張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得することと、推定部が、前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定することと、を含む。
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、として機能させる。
本発明によれば、製造工程管理を容易に行うことができる。
本発明の実施形態に係る被製造物の製造工程の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るロール装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る製造工程管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る製造工程管理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態の実施例に係る張力センサによって測定される樹脂加工品にかかる張力の時系列変化を示すグラフである。 本発明の実施形態の実施例に係る加速度センサによって測定されるロール装置10における加速度の分散の時系列変化を示すグラフである。 本発明の第3の変形例に係る製造工程管理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3の変形例の実施例に係る統計的処理の実施の有無に応じた張力と加速度との関係を示す図である。 本発明の第3の変形例の実施例に係る統計的処理の実施の有無に応じた張力と加速度との関係を示す図である。 本発明の第3の変形例の実施例に係る統計的処理の実施の有無に応じた張力と加速度との関係を示す図である。 本発明の第3の変形例の実施例に係る統計的処理の実施の有無に応じた張力と加速度との関係を示す図である。 本発明の第3の変形例の実施例に係る張力センサによって測定される樹脂加工品にかかる張力の時系列変化を示すグラフである。 本発明の第3の変形例の実施例に係る加速度センサによって測定されるロール装置10における加速度の分散の時系列変化を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸(空間軸)が示されている。各軸において、矢印が延びる方向を「正方向」、正方向と逆の方向を「負方向」と称する。
<1.製造工程概要>
図1は、本発明の実施形態に係る被製造物の製造工程の一例を示す図である。図1には、製造工程の一例として、被製造物2が成形加工される成形加工工程が示されている。以下、被製造物2の成形加工工程の管理を一例として、本発明について説明する。
被製造物2は、例えば、繊維状の合成樹脂である。当該合成樹脂は、熱可塑性を有する熱可塑性樹脂である。本実施形態では、成形加工工程にて合成樹脂が加工され、フィルム、シート、繊維等の樹脂加工品が生産される。以下、本実施形態では、合成樹脂から生産された樹脂加工品が被製造物2であるものとして説明する。
成形加工工程では、図1に示すように、複数のロール3が設けられている。ロール3は、本実施形態に係る支持部材の一例である。ロール3は、張力がかかった状態で移動する被製造物2と接触し、被製造物2を支持する。なお、成形加工工程に設けられるロール3の数と配置は、図1に示す例に限定されない。
ロール3は、ロール軸4を軸に回転する。樹脂加工品は、ロール3と接触するように配置される。樹脂加工品は、ロール3が回転することによって成形(例えば伸長)されながら、Y軸の正方向又は負方向への移動とZ軸の正方向への移動を繰り返す。これにより、樹脂加工品は、上流工程から下流工程へ移動させられる。
図1では、一例として、X軸方向から見た際の樹脂加工品の形状がU字となるように、樹脂加工品とロール3が接触させられている。なお、樹脂加工品とロール3との接触のさせ方は、図1に示す例に限定されない。樹脂加工品とロール3との接触のさせ方は、ロール3の配置に応じて変化し得る。
<2.ロール装置の構成>
図2は、本発明の実施形態に係るロール装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、ロール装置10は、ロール3、ロール軸4、ロール軸受け5、及び加速度センサ6で構成される。ロール3は、ロール軸4を介して、ロール軸受け5と接続されている。
ロール装置10には、ロール3における測定値を検出するためのセンサ装置が設けられる。センサ装置は、加速度センサ6である。加速度センサ6は、既存の設備への導入が容易であるだけでなく、工程温度が高い等の制約から張力センサの導入が困難であった箇所への導入も可能である。加速度センサ6は、ロール装置10に対して取り付けられる。加速度センサ6は、ロール軸受け5の上部(図2に示す領域7)に取り付けられる。ただし、加速度センサ6は、ロール軸受け5の他の位置に取り付けられてもよいし、その他、ロール3又はロール軸4の振動を検出可能な位置であれば任意の位置であってもよい。また、加速度センサ6は、1つのロール軸受け5に対して、複数取り付けられてもよい。
加速度センサ6は、ロール3の回転動力に応じた加速度を検出する。当該加速度センサ6には、例えば、3軸方向の加速度を検出可能なセンサが用いられる。製造工程管理システムは、検出された加速度(力学的な変動の一例)の分散を算出し、算出した分散に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。ただし、製造工程管理システムはこれに限らず、加速度に代えて、速度や位置の分散に基づき、張力が推定されてもよい。また、張力を推定するための加速度、速度又は位置は、張力がかかった場合には、張力のかからない場合の測定値を基準として正負の値を繰り返すもの(力学的な変動)である。なお、本実施形態では、加速度センサ6が検出した3軸方向の各々の加速度の内、樹脂加工品にかかる張力の変動が加速度の変動に最も強く作用する方向の加速度(即ち1つの軸方向の加速度のみ)が、樹脂加工品にかかる張力の推定に用いられる。
なお、力学的な変動の検出には、工程条件が加味されてもよい。工程条件は、成形加工工程において設定される条件であり、例えば、樹脂加工品の物性に関わる温度や生産速度である。工程条件は、樹脂加工品における残留ひずみや収縮応力に大きく影響する。残留ひずみや収縮応力は、樹脂加工品にかかる張力に影響を与える。よって、力学的な変動の検出に工程条件を加味することで、樹脂加工品にかかる張力をより精度高く推定することができる。また、純粋な樹脂に関する物性情報を得るために、工程条件を加味した力学的な変動を得る場合もある。
<3.製造工程管理システムの機能構成>
図3は、本発明の実施形態に係る製造工程管理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、製造工程管理システム1は、ロール装置10及び製造工程管理装置20を有する。
<3-1.ロール装置の機能構成>
ロール装置10は、樹脂加工品に対して伸長等の加工を行う装置である。ロール装置10は、図3に示すように、センサ部110及び駆動部120を有する。
(1)センサ部110
センサ部110は、ロール3における測定値を検出する機能を有する。センサ部110の機能は、加速度センサ6によって実現される。センサ部110は、加速度センサ6によって検出されたロール3の回転動力に応じた加速度を製造工程管理装置20へ送信する。
(2)駆動部120
駆動部120は、ロール装置10を駆動させる機能を有する。駆動部120の機能は、モータによって実現される。駆動部120の動作は、製造工程管理装置20によって制御される。
<3-2.製造工程管理装置20の機能構成>
製造工程管理装置20は、ロール装置10の動作を制御して樹脂加工品の成形加工工程を管理する装置である。製造工程管理装置20は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、サーバ端末等によって実現される。製造工程管理装置20は、図3に示すように、通信部210、制御部220、及び記憶部230を有する。
(1)通信部210
通信部210は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部210は、制御部220から入力される制御情報をロール装置10へ送信する。当該制御情報は、例えば、ロール装置10の駆動部120の動作を制御するための情報である。また、通信部210は、ロール装置10のセンサ部110から送信される加速度を受信し、受信した加速度を制御部220へ入力する。なお、通信部210における通信は、無線通信により行われる。
(2)制御部220
制御部220は、製造工程管理装置20の動作全般を制御する機能を有する。制御部220は、例えば、製造工程管理装置20がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
制御部220は、図3に示すように、取得部2202、算出部2204、推定部2206、判定部2208、及び条件制御部2210を有する。
(2-1)取得部2202
取得部2202は、加速度を取得する。例えば、取得部2202は、通信部210がロール装置10のセンサ部110から受信した加速度を取得する。取得部2202は、取得した加速度を算出部2204へ入力する。取得部2202が取得する加速度は、力学的な変動の分散に関する情報の一例である。当該情報は、加速度に限定されない。
(2-2)算出部2204
算出部2204は、ロール3における加速度に基づき、加速度の分散を算出する。算出部2204は、取得部2202から入力される加速度に基づき、加速度の分散を算出する。算出部2204は、算出した加速度の分散を示す情報(以下、「分散情報」とも称される)を推定部2206へ入力する。
ここで、加速度の分散の算出方法の一例について説明する。加速度センサ6は、1秒間に100点、すなわち0.01秒に1回測定を行うものとする。算出部2204は、加速度センサ6が1分間測定を行った測定結果(6000点)に基づき、標準偏差を分散として算出する。なお、加速度センサ6による加速度の測定周期は、かかる例に限定されない。加速度センサ6による加速度の測定周期は、例えば、張力の推定に必要となる精度に応じて適宜変更されてよい。
(2-3)推定部2206
推定部2206は、樹脂加工品にかかる張力を推定する。例えば、推定部2206は、算出部2204から入力される分散情報に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。具体的に、推定部2206は、分散情報と樹脂加工品にかかる張力との相関関係に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。推定部2206は、推定した張力を示す情報(以下、「推定情報」とも称される)を判定部2208へ入力する。
推定の一例として、推定部2206は、ロール3が樹脂加工品から受ける張力の方向によって定まる張力方向軸における、加速度の分散の変動と、樹脂加工品にかかる張力の変動との相関関係に基づき、樹脂加工品にかかる張力の変動を推定する。推定部2206は、当該相関関係を用いることで、樹脂加工品にかかる張力の変動を容易に推定することができる。
なお、加速度の分散と張力の相関関係は、張力の大きさに応じて、相関の関係(正の相関関係)あるいは逆相関の関係(負の相関関係)のいずれかの関係となり得る。
例えば、ロール3が何も支持していない状態でロール3が回転すると、ロール3には全方向に対して振動が生じ得る。
これに対して、樹脂加工品がロール3に支持された状態でロール3が回転することによって、樹脂加工品が成形されながら上流工程から下流工程へ移動しているとする。この時、樹脂加工品にかかる張力が弱いと、ロール3における振動は、張力に応じて樹脂加工品と平行方向へと引っ張られる。即ち、張力が大きくなると振動(加速度)も大きくなり、張力が小さくなると振動(加速度)も小さくなる。よって、樹脂加工品にかかる張力が弱い場合、加速度の分散と張力は相関の関係にある。一方、樹脂加工品にかかる張力が強いと、ロール3における振動は、張力に応じて樹脂加工品と平行方向で抑制される。即ち、張力が大きくなると振動(加速度)は小さくなり、張力が小さくなると振動(加速度)は大きくなる。よって、樹脂加工品にかかる張力が強い場合、加速度の分散と張力は逆相関の関係にある。
以下、本実施形態では、加速度の分散と張力の変動との間に逆相関の関係がある例について説明する。なお、後述する実施例では、ロール3における加速度の分散の変動と樹脂加工品にかかる張力の変動との張力方向軸における相関関係が、逆相関の関係であることが示されている。よって、推定部2206は、加速度の分散の変動が増加傾向にある場合には樹脂加工品にかかる張力の変動が減少傾向にあると推定する。一方、推定部2206は、加速度の分散の変動が減少傾向にある場合には樹脂加工品にかかる張力の変動が増加傾向にあると推定する。なお、加速度センサ6が検出する3軸方向の加速度の内、加速度の変動が最も大きい軸との相関関係が最も大きくなり得る。なお、本実施形態における加速度の分散と張力の変動との間の関係は逆相関の関係に限定されず、相関の関係であってもよい。
推定部2206は、樹脂加工品の少なくとも一つの工程条件に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定してもよい。工程条件は、例えば、樹脂加工品の工程温度または生産速度等である。これにより、推定部2206は、樹脂加工品における残留ひずみや収縮応力を加味した張力を推定することができる。よって、推定部2206は、樹脂加工品にかかる張力の推定精度を向上することができる。
(2-4)判定部2208
判定部2208は、推定された樹脂加工品にかかる張力に基づき、樹脂加工品の状態を判定する。例えば、判定部2208は、推定部2206から入力される推定情報に基づき、樹脂加工品の状態を判定する。判定部2208は、樹脂加工品の状態の判定結果を条件制御部2210へ入力する。
例えば、推定情報が示す張力の変動が安定している場合、判定部2208は、樹脂加工品の状態が良好であると判定する。張力の変動が安定している状態の一例として、前回入力された推定情報が示す張力の変動と今回入力された推定情報が示す張力の変動との差分が所定の閾値未満である状態が挙げられる。
一方、推定情報が示す張力の変動が不安定である場合、判定部2208は、樹脂加工品の状態が異常であると判定する。張力の変動が不安定な状態の一例として、前回入力された推定情報が示す張力の変動と今回入力された推定情報が示す張力の変動との差分が所定の閾値以上である状態が挙げられる。当該差分が所定の閾値以上である状態の一例として、張力の変動が急増あるいは急減している状態が挙げられる。張力の変動が不安定となる要因として、例えば、樹脂加工品がロール3に巻き付くことや、樹脂加工品が切断すること等が挙げられる。
判定部2208は、異常な状態となっている樹脂加工品の位置を判定することができる。例えば、判定部2208は、樹脂加工品の状態の判定に用いた推定情報の大元となる加速度を検出した加速度センサ6を特定する。これにより判定部2208は、特定した加速度センサ6が設けられたロール装置10にて樹脂加工品の状態に異常が生じていると把握することができる。
(2-5)条件制御部2210
条件制御部2210は、樹脂加工品の状態に応じて、樹脂加工品の工程条件を制御する。例えば、条件制御部2210は、判定部2208から入力される判定結果に応じて、樹脂加工品の工程条件を変更する。条件制御部2210は、通信部210を介して、変更後の工程条件を示す制御情報をロール装置10の駆動部120へ送信する。
樹脂加工品の状態が異常であると判定された場合、条件制御部2210は、樹脂加工品の状態に応じて樹脂加工品の工程条件を変更する。例えば、条件制御部2210は、樹脂加工品の生産速度を遅くする。樹脂加工品にかかる張力の大きさは、生産速度が速いほど大きくなり得る。そのため、条件制御部2210は、生産速度を遅くすることで、樹脂加工品にかかる張力の大きさを小さくすることができる。
一方、樹脂加工品の状態が良好であると判定された場合、条件制御部2210は、樹脂加工品の生産速度を加速する。条件制御部2210は、樹脂加工品の状態が異常な状態にならない程度に生産速度を加速する。これにより、条件制御部2210は、樹脂加工品の生産性を向上することができる。
(3)記憶部230
記憶部230は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部230は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部230は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
<4.処理の流れ>
図4は、本実施形態に係る製造工程管理システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、まず、製造工程管理システム1は、樹脂加工品における加速度を取得する(S102)。具体的に、ロール装置10のセンサ部110(加速度センサ6)が樹脂加工品における加速度を検出する。センサ部110は、検出した加速度を製造工程管理装置20へ送信する。製造工程管理装置20の取得部2202は、通信部210を介して、センサ部110から送信される加速度を取得する。
次いで、製造工程管理システム1は、加速度の分散を算出する(S104)。具体的に、製造工程管理装置20の算出部2204は、取得部2202が取得する加速度に基づき、加速度の分散を示す分散情報を算出する。
次いで、製造工程管理システム1は、樹脂加工品にかかる張力を推定する(S106)。具体的に、製造工程管理装置20の推定部2206は、算出部2204が算出した分散情報と張力との相関関係に基づき、樹脂加工品にかかる張力を示す推定情報を推定する。
次いで、製造工程管理システム1は、樹脂加工品の状態を判定する(S108)。具体的に、製造工程管理装置20の判定部2208は、推定部2206が推定した推定情報に基づき、樹脂加工品の状態を判定する。
最後に、製造工程管理システム1は、工程条件を制御する(S110)。具体的に、製造工程管理装置20の条件制御部2210は、判定部2208が判定した判定結果に基づき、工程条件を制御する。
なお、工程条件の制御後、製造工程管理システム1は、S102から処理を繰り返してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る製造工程管理システム1は、張力がかかった状態で移動する樹脂加工品と接触し、当該樹脂加工品を支持するロール3を有する。
製造工程管理システム1は、ロール3における加速度に基づき、加速度の分散を算出する。
製造工程管理システム1は、樹脂加工品にかかる張力を推定する。
かかる構成により、製造工程管理システム1は、樹脂加工品と接触するロール3における加速度に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。これにより、製造工程管理システム1は、張力センサを用いることなく、樹脂加工品にかかる張力を容易に推定することができる。即ち、張力センサの導入が困難な設備であっても、ロール3における加速度を検出可能なセンサ装置(加速度センサ6)を用いることで、ロール3にかかる張力を容易に推定することができる。
よって、本実施形態に係る製造工程管理システム1は、製造工程管理を容易に行うことができる。
<5.実施例>
本発明の実施形態に係る実施例では、張力センサを用いて測定した樹脂加工品にかかる張力と、加速度センサ6を用いて測定したロール装置10における加速度から算出した加速度の分散(標準偏差)とを比較する。これにより、樹脂加工品にかかる張力と、ロール装置10における加速度の分散とに相関関係があることを確認する。
本実施例では、張力センサは、ロール3から伝播する張力を測定可能な位置であれば任意の位置に設けられてよい。また、本実施例では、ロール3に対して樹脂加工品がU字にかかっている工程(図1参照)におけるロール3を、加速度センサ6の設置対象ロールとした。加速度センサ6の具体的な設置位置は、図2に示したロール軸受け5の上部(領域7)である。なお、加速度センサ6が測定する加速度の方向は、樹脂加工品にかかる張力の変動が加速度の変動に最も強く作用する方向とする。
本実施例では、加速度センサ6は、1秒間に100点、すなわち0.01秒に1回測定を行うものとする。加速度の標準偏差は、加速度センサ6が1分間測定を行った測定結果(6000点)に基づき算出される。
図5A及び図5Bは、本発明の実施形態の実施例を説明する図である。図5Aは、本発明の実施形態の実施例に係る張力センサによって測定される樹脂加工品にかかる張力の時系列変化を示すグラフである。図5Aの縦軸は張力を示し、横軸は時刻を示している。図5Bは、本発明の実施形態の実施例に係る加速度センサ6によって測定されるロール装置10における加速度から算出される加速度の分散の時系列変化を示すグラフである。図5Bの縦軸は加速度の標準偏差を示し、横軸は時刻を示している。
図5Aに示される張力の時系列変化と、図5Bに示される加速度の標準偏差とを比較すると、張力の変動に逆相関(負の相関)するような形で加速度の標準偏差が変動していることが分かる。よって、樹脂加工品にかかる張力と、ロール装置10における加速度の標準偏差(分散)との間に相関関係(負の相関関係)があるといえる。
<6.変形例>
最後に、本発明の実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
<6-1.第1の変形例>
上述の実施形態では、センサ装置として加速度センサ6が用いられる例について説明したが、かかる例に限定されない。センサ装置には、振動センサが用いられてもよい。この場合、製造工程管理システム1は、振動センサが計測する値に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。
<6-2.第2の変形例>
上述の実施形態では、製造工程管理システム1が加速度センサ6によって計測される加速度に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する例について説明したが、かかる例に限定されない。製造工程管理システム1は、加速度センサ6によって計測される加速度をフーリエ変換したデータに基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定してもよい。
<6-3.第3の変形例>
上述の実施形態では、製造工程管理装置20が、複数のロール装置10の各々に設けられた加速度センサ6によって検出される複数の加速度の内、いずれか1つの加速度における1つの軸方向の加速度のみに基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、製造工程管理装置20は、複数の軸方向の加速度に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定してもよい。具体的に、製造工程管理装置20は、複数の軸方向の加速度に対する統計的処理によって得られる情報に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。なお、複数の分散に関する情報は、複数の加速度に関する情報(即ち、加速度センサ6によって計測される加速度)であるものとする。
以下、複数の加速度に基づき樹脂加工品にかかる張力を推定する場合の製造工程管理装置20の機能について詳細に説明する。なお、上述の実施形態にて説明した機能と重複する説明については省略する。
(1)機能構成
通信部210は、ロール装置10のセンサ部110から送信される加速度を受信し、受信した加速度を制御部220へ入力する。なお、通信部210が加速度を受信するセンサ部110の数は、少なくとも1つ以上であれば特に限定されない。なお、通信部210が加速度を受信するセンサ部110の数が1つである場合、当該センサ部110か受信する加速度は少なくとも2軸方向の速度を示すものとする。
取得部2202は、通信部210から少なくとも2つの軸方向の加速度を取得する。 例えば、少なくとも2つの軸方向の加速度は、1つのロール3の少なくとも2つの空間軸方向の加速度に基づき取得される。具体的に、少なくとも2つの軸方向の加速度は、ある1つのロール装置10に設けられた1つの加速度センサ6によって検出されたX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の加速度の内、の少なくとも2つの軸方向の加速度である。 また、少なくとも2つの軸方向の加速度は、異なるロール3ごとの加速度に基づき取得されてもよい。具体的に、少なくとも2つの軸方向の加速度は、複数のロール装置10の各々に設けられた加速度センサ6によって検出される加速度である。この場合、各加速度センサ6が検出する加速度は、1軸方向のみの加速度であってもよいし、複数の軸方向の加速度であってもよい。
また、少なくとも2つの軸方向の加速度は、ある1つのロール装置10に設けられた複数の加速度センサによって検出される複数の加速度である。この場合、各加速度センサ6が検出する加速度は、1軸方向のみの加速度であってもよいし、複数の軸方向の加速度であってもよい。
算出部2204は、複数の軸方向の加速度(複数の分散に関する情報)に対して統計的処理を行い、樹脂加工品にかかる張力の推定に用いられる情報を算出する。例えば、算出部2204は、複数の軸方向の加速度に対して、主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)を統計的処理として行う。具体的に、算出部2204は、取得部2202によって取得された複数の軸方向の加速度に基づき、主成分分析を行って得られる第1主成分より、標準偏差(加速度の分散)を算出する。算出部2204は、主成分分析によって算出した標準偏差を、加速度の分散を示す情報(分散情報)として推定部2206へ出力する。
なお、算出部2204は、取得部2202によって取得された複数の軸方向の加速度から、所定の範囲外の複数の軸方向の加速度を除外してから標準偏差を算出してもよい。例えば、算出部2204は、外れ値処理によって、複数の軸方向の加速度の中から所定の範囲に含まれる複数の軸方向の加速度を抽出し、複数の軸方向の加速度の中から所定の範囲外の加速度を除外する。所定の範囲は、用いるセンサや観測系等に応じて、より最適な算出結果を得られるように設定されることが好ましい。例えば、所定の範囲を広くしすぎると、データの再現性やばらつきを損ない、算出結果に影響し得る場合がある。一方、所定の範囲を狭くしすぎても、外れ値を除外しきれず、算出結果に影響し得る場合がある。本実施形態にて用いるセンサと観測系の場合、最適な所定の範囲は、例えば、2σ(σ:標準偏差)である。このように、外れ値処理は、主成分分析に用いる複数の軸方向の加速度の中から、外れ値である加速度を除外するための処理である。外れ値は、例えば、加速度センサの故障や外乱によって生じ得る、他の加速度から大きく外れた値である。算出部2204は、外れ値処理によって、他の加速度から大きく外れた値を除外することができる。即ち、算出部2204は、外れ値処理後の複数の軸方向の加速度を用いることで、主成分分析の結果に対する外乱の影響を抑制することができる。よって、算出部2204は、外れ値処理によって主成分分析の精度を向上することができる。
推定部2206は、算出部2204が主成分分析によって算出した分散情報に基づき、樹脂加工品にかかる張力を推定する。推定の一例として、推定部2206は、算出部2204が主成分分析によって算出した加速度の分散の変動と、樹脂加工品にかかる張力の変動との相関関係に基づき、樹脂加工品にかかる張力の変動を推定する。推定部2206は、当該相関関係を用いることで、樹脂加工品にかかる張力の変動を容易に推定することができる。また、推定部2206は、算出部2204が主成分分析によって算出した分散情報を張力の推定に用いることで、張力の推定精度を向上することができる。
以下、本変形例では、加速度の分散と張力の変動との間に相関の関係がある例について説明する。なお、後述する本変形例の実施例では、ロール3における加速度の分散の変動と樹脂加工品にかかる張力の変動との張力方向軸における相関関係が、相関の関係であることが示されている。よって、推定部2206は、加速度の分散の変動が増加傾向にある場合には樹脂加工品にかかる張力の変動も増加傾向にあると推定する。一方、推定部2206は、加速度の分散の変動が減少傾向にある場合には樹脂加工品にかかる張力の変動も減少傾向にあると推定する。なお、本変形例における加速度の分散と張力の変動との間の関係は相関の関係に限定されず、逆相関の関係であってもよい。
(2)処理の流れ
ここで、図6を参照して、本変形例に係る製造工程管理システム1における処理の流れについて説明する。図6は、本発明の第3の変形例に係る製造工程管理システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、製造工程管理システム1は、樹脂加工品における複数の軸方向の加速度を取得する(S202)。具体的に、ロール装置10のセンサ部110(加速度センサ6)が樹脂加工品における加速度を検出する。センサ部110は、検出した加速度を製造工程管理装置20へ送信する。製造工程管理装置20の取得部2202は、通信部210を介して、センサ部110から送信される加速度から、少なくとも2つの軸方向の加速度を取得する。
次いで、製造工程管理システム1は、外れ値処理を行う(S204)。具体的に、製造工程管理装置20の算出部2204は、取得部2202が取得する複数の軸方向の加速度に対して外れ値処理を行い、所定の範囲外の加速度を除外する。
次いで、製造工程管理システム1は、主成分分析を行う(S206)。具体的に、製造工程管理装置20の算出部2204は、外れ値処理後の複数の軸方向の加速度に対して主成分分析を行う。
次いで、製造工程管理システム1は、加速度の分散を算出する(S208)。具体的に、製造工程管理装置20の算出部2204は、主成分分析によって得られた第1主成分(加速度)に基づき、加速度の分散を示す分散情報を算出する。
次いで、製造工程管理システム1は、樹脂加工品にかかる張力を推定する(S210)。具体的に、製造工程管理装置20の推定部2206は、算出部2204が算出した分散情報と張力との相関関係に基づき、樹脂加工品にかかる張力を示す推定情報を推定する。
次いで、製造工程管理システム1は、樹脂加工品の状態を判定する(S212)。具体的に、製造工程管理装置20の判定部2208は、推定部2206が推定した推定情報に基づき、樹脂加工品の状態を判定する。
最後に、製造工程管理システム1は、工程条件を制御する(S214)。具体的に、製造工程管理装置20の条件制御部2210は、判定部2208が判定した判定結果に基づき、工程条件を制御する。
なお、工程条件の制御後、製造工程管理システム1は、S202から処理を繰り返してもよい。
(3)実施例
本発明の第3の変形例に係る実施例では、張力センサを用いて測定した樹脂加工品にかかる張力と、複数のロール装置10の各々に設けられた加速度センサ6の内、13個の加速度センサ6の3つの軸の加速度(即ち、合計39個の加速度)から算出した加速度の分散(標準偏差)とを比較する。これにより、樹脂加工品にかかる張力と、ロール装置10における複数の加速度の分散とに相関関係があることを確認する。
まず、図7Aから図7D、図8A、及び図8Bは、本発明の第3の変形例の実施例を説明する図である。図7Aから図7Dは、本発明の第3の変形例の実施例に係る統計的処理の実施の有無に応じた張力と加速度との関係を示す図である。図7Aから図7Dの縦軸はセンサ装置によって実測された張力を示し、横軸はセンサ装置によって実測された加速度を示す。
図7Aは、あるロール3に設けられた加速度センサ6が検出した加速度が示す1つの軸方向の加速度に対して、外れ値処理と主成分分析の両方を行っていない場合における、張力と加速度との関係を示す図である。図7Aに示す散布図における決定係数は、R2=0.001976であった。当該決定係数より、張力と加速度との間にはほぼ相関関係がないといえる。これは、外れ値が影響しているためである。
図7Bは、外れ値処理のみを行った場合における、張力と加速度との関係を示す図である。図7Bに示す散布図における決定係数は、R2=0.191であった。当該決定係数より、張力と加速度との間に一定の相関関係があるといえる。これは、外れ値処理によって外れ値の影響が抑制されたためである。
図7Cは、主成分分析のみを行った場合における、張力と加速度との関係を示す図である。図7Cに示す散布図における決定係数は、R2=0.4574であった。当該決定係数より、図7Bに示した外れ値処理のみを行う場合と比較し、一定の相関関係の精度が大幅に向上したといえる。
図7Dは、外れ値処理と主成分分析の両方を行った場合における、張力と加速度との関係を示す図である。図7Dに示す散布図における決定係数は、R2=0.4598であった。当該決定係数より、図7Cに示した主成分分析のみを行う場合と比較し、一定の相関関係の精度がさらに向上したといえる。
以上より、外れ値処理と主成分分析の両方を行わない場合、外れ値処理のみを行う場合、主成分分析のみを行う場合、外れ値処理と主成分分析の両方を行う場合の順に、張力と加速度との間の相関関係の算出の精度が向上するといえる。
図8A及び図8Bは、本発明の第3の変形例の実施例に係る時系列変化を示す図である。図8Aは、本発明の第3の変形例の実施例に係る張力センサによって測定される樹脂加工品にかかる張力の時系列変化を示すグラフである。図8Aの縦軸は張力を示し、横軸は時刻を示している。図8Bは、本発明の第3の変形例の実施例に係る加速度センサによって測定されるロール装置10における加速度の分散の時系列変化を示すグラフである。図8Bの縦軸は加速度の標準偏差を示し、横軸は時刻を示している。
図8Aに示される張力の時系列変化と、図8Bに示される加速度の標準偏差とを比較すると、張力の変動に相関(正の相関)するような形で加速度の標準偏差が変動していることが分かる。よって、樹脂加工品にかかる張力と、ロール装置10における加速度の標準偏差(分散)との間に相関関係(正の相関関係)があるといえる。
以上、本発明について説明した。なお、上述した実施形態における製造工程管理システム1をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
1 製造工程管理システム
2 被製造物
3 ロール
4 ロール軸
5 ロール軸受け
6 加速度センサ
7 領域
10 ロール装置
20 製造工程管理装置
110 センサ部
120 駆動部
210 通信部
220 制御部
230 記憶部
2202 取得部
2204 算出部
2206 推定部
2208 判定部
2210 条件制御部

Claims (20)

  1. 張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材と、
    前記支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、
    前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、
    を備える、製造工程管理システム。
  2. 前記支持部材の力学的な変動は、支持部材の加速度である、
    請求項1に記載の製造工程管理システム。
  3. 前記取得部にて取得された前記分散に関する情報より、標準偏差を算出する算出部、
    をさらに備える、
    請求項1又は請求項2に記載の製造工程管理システム。
  4. 前記算出部は、前記取得部によって取得された複数の前記分散に関する情報に基づき、主成分分析を行って得られる第1主成分より、前記標準偏差を算出する、
    請求項3に記載の製造工程管理システム。
  5. 前記分散に関する情報は、加速度に関する情報であり、
    前記算出部は、前記取得部によって取得された前記加速度に関する情報から、所定の範囲外の値を除外し、前記標準偏差を算出する、
    請求項3又は請求項4に記載の製造工程管理システム。
  6. 複数の前記分散に関する情報は、異なる前記支持部材ごとの前記力学的な変動に基づき取得される、
    請求項4又は請求項5に記載の製造工程管理システム。
  7. 複数の前記分散に関する情報は、前記支持部材の少なくとも2つの空間軸における前記力学的な変動に基づき取得される、
    請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  8. 前記推定部は、前記被製造物の少なくとも一つの工程条件に基づき、前記被製造物にかかる張力を推定する、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  9. 前記工程条件は、前記被製造物の工程温度または生産速度である、
    請求項8に記載の製造工程管理システム。
  10. 前記推定部は、前記支持部材が前記被製造物から受ける張力の方向によって定まる張力方向軸における、加速度の分散の変動と、前記被製造物にかかる張力の変動との相関関係に基づき、前記被製造物にかかる張力の変動を推定する、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  11. 前記支持部材における前記加速度の分散の変動と前記被製造物にかかる張力の変動との前記張力方向軸における前記相関関係は、逆相関の関係にあり、
    前記推定部は、前記加速度の分散の変動が増加傾向にある場合には、前記被製造物にかかる張力の変動が減少傾向にあると推定し、前記加速度の分散の変動が減少傾向にある場合には、前記被製造物にかかる張力の変動が増加傾向にあると推定する、
    請求項10に記載の製造工程管理システム。
  12. 推定された前記被製造物にかかる張力に基づき、前記被製造物の状態を判定する判定部と、
    判定結果に応じて、前記被製造物の工程条件を制御する条件制御部と、
    をさらに備える、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  13. 前記被製造物の状態が異常であると判定された場合、
    前記条件制御部は、前記被製造物の状態に応じて前記被製造物の工程条件を変更する、
    請求項12に記載の製造工程管理システム。
  14. 前記被製造物の状態が異常であると判定された場合、
    前記条件制御部は、前記被製造物の生産速度を遅くする、
    請求項13に記載の製造工程管理システム。
  15. 前記被製造物の状態が良好であると判定された場合、
    前記条件制御部は、前記被製造物の生産速度を加速する、
    請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  16. 前記被製造物は、合成樹脂である、
    請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  17. 前記被製造物は、繊維状である、
    請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の製造工程管理システム。
  18. 張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、
    前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、
    を備える、製造工程管理装置。
  19. 取得部が、張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得することと、
    推定部が、前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定することと、
    を含む、製造工程管理方法。
  20. コンピュータを、
    張力がかかった状態で移動する被製造物と接触し、前記被製造物を支持する支持部材の力学的な変動に基づき、前記力学的な変動の分散に関する情報を取得する取得部と、
    前記力学的な変動の分散に関する情報に基づいて、前記被製造物にかかる張力を推定する推定部と、
    として機能させる、プログラム。
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