JP7291734B2 - 制御システム、移動体、情報処理装置、制御方法、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

Description

本発明は、制御システム、移動体、情報処理装置、制御方法、情報処理方法及びプログラムに関する。

特許文献１には、車両用のＥＣＵとして、アプリプログラムを書換え可能なＥＣＵが開示されている。
［先行技術文献］
［特許文献］
［特許文献１］ 特開２０２０－２７６６６号公報

第１の態様において、制御システムが提供される。制御システムは、移動体を制御する移動体制御部を備える。制御システムは、移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御し、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する更新制御部を備える。制御システムは、移動体制御部の更新中に生じる移動体において制限される機能情報をユーザへ通知させる通知制御部を備える。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が付与さている。通知制御部は、更新プログラムに付与された識別情報に基づいて、制限される機能情報のユーザへの通知を制御する。

更新プログラムには、識別情報と、機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されていてよい。制御システムは、更新プログラムに付与された識別情報及び移動体特定情報に基づいて、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を特定する特定部を備えてよい。通知制御部は、特定部によって特定された機能に基づいて、制限される機能情報のユーザへの通知を制御してよい。

更新制御部は外部装置から複数の更新プログラムを受信制御してよい。制御システムは、複数の更新プログラムのうち、移動体制御部の更新を行うための更新プログラムを選択する選択部をさらに備えてよい。特定部は、複数の更新プログラム毎に付与された識別情報及び移動体特定情報に基づいて、選択部によって選択された更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を特定してよい。

通知制御部は、選択部によって選択された更新プログラムによる移動体制御部の更新が開始する前に、特定部によって特定された機能をユーザへ通知させてよい。

選択部は、移動体が備えるバッテリの残量に基づいて、複数の更新プログラムのうち移動体制御部の更新を行うための１つの更新プログラムを選択してよい。

選択部は、複数の更新プログラムのそれぞれにより更新の対象となる移動体制御部を更新する場合に消費される電力量と、バッテリの残量とに基づいて、移動体制御部の更新を行うための１つの更新プログラムを選択してよい。

第２の態様において、移動体が提供される。移動体は、上記の制御システムを備える。

移動体は車両であってよい。

第３の態様において、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に移動体において制限される機能を示す機能制限情報を生成する。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が付与されている。情報処理装置は、更新プログラムを取得する更新プログラム取得部を備える。情報処理装置は、更新プログラムに付与された識別情報を取得する識別情報取得部を備える。情報処理装置は、識別情報取得部が取得した識別情報に基づいて、更新プログラムにより移動体制御部が更新される場合に出力されるメッセージを生成するメッセージ生成部を備える。情報処理装置は、メッセージ生成部が生成したメッセージの出力を制御する出力制御部を備える。

第４の態様において、制御方法が提供される。制御方法は、移動体を制御する移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御する段階を備える。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が埋め込まれている。制御方法は、更新プログラムに付与された識別情報に基づいて、移動体制御部の更新中に生じる移動体において制限される機能情報のユーザへの通知を制御する段階を備える。制御方法は、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する段階を備える。

第５の態様において、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体を制御する移動体制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御し、更新プログラムによる移動体制御部の更新を制御する更新制御部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、移動体制御部の更新中に生じる移動体において制限される機能情報をユーザへ通知させる通知制御部として機能させる。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が埋め込まれている。プログラムにより、通知制御部は、更新プログラムに付与された識別情報に基づいて、制限される機能情報のユーザへの通知を制御する。

第６の態様において、情報処理方法が提供される。情報処理方法は、移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に移動体において制限される機能を示す機能制限情報を生成する。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が付与されている。情報処理方法は、更新プログラムを取得する段階を備える。情報処理方法は、更新プログラムに付与された識別情報を取得する段階を備える。情報処理方法は、識別情報に基づいて、更新プログラムにより移動体制御部が更新される場合に出力されるメッセージを生成する段階を備える。情報処理方法は、メッセージの出力を制御する段階を備える。

第７の態様において、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に移動体において制限される機能を示す機能制限情報を生成する情報処理装置として機能させる。更新プログラムには、更新プログラムによる移動体制御部の更新中に移動体において制限される機能を識別する識別情報が付与されている。プログラムは、コンピュータを、更新プログラムを取得する更新プログラム取得部として機能さえる。プログラムは、コンピュータを、更新プログラムに付与された識別情報を取得する識別情報取得部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、識別情報取得部が取得した識別情報に基づいて、更新プログラムにより移動体制御部が更新される場合に出力されるメッセージを生成するメッセージ生成部として機能させる。プログラムは、コンピュータを、メッセージ生成部が生成したメッセージの出力を制御する出力制御部として機能させる。

なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。

一実施形態に係る更新システム１０を模式的に示す。 情報処理装置７２が備えるシステム構成を模式的に示す。 制御システム２００が備えるシステム構成を模式的に示す。 車両２０に送信される更新パッケージ６２を生成する流れ模式的に示す。 更新プログラムに付与される識別情報のデータ構造をテーブル形式で示す。 ＩＶＩ２９９に表示されるユーザ通知情報６００の一例を示す。 アクティベート実行前にＩＶＩ２９９に表示させるユーザ通知情報７００の一例を示す。 車両２０が図５の「車種１」に該当する車両Ａである場合のプログラム更新を示す。 車両２０が図５の「車種２」に該当する車両Ｂである場合のプログラム更新を示す。 更新プログラムのアクティベート時に実行する処理の流れを示す。 制御システム２００が実行するプログラム更新に関する処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。 コンピュータ２０００の例を示す。

以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

図１は、一実施形態に係る更新システム１０を模式的に示す。更新システム１０は、車両２０と、外部装置７０と、情報処理装置７２と、プログラム登録装置７４とを備える。車両２０は、制御システム２００を備える。制御システム２００は、車両２０の制御と、通信ネットワーク９０を通じた外部装置７０との間の通信とを担う。通信ネットワーク９０は、インターネット等のＩＰネットワーク、Ｐ２Ｐネットワーク、ＶＰＮを含む専用回線、仮想ネットワーク、移動体通信網等を含む。

車両２０において、制御システム２００は、車両２０の制御を行う複数のＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）を備える。制御システム２００は、制御システム２００が備えるＥＣＵの更新プログラムを外部から取得する。例えば、制御システム２００は、通信ネットワーク９０を通じて、外部装置７０から送信される更新プログラム６０を無線通信により受信する。制御システム２００は、更新プログラム６０によって制御システム２００が備えるＥＣＵをリプログラミングする。リプログラミングは、制御システム２００が備えるＥＣＵの機能のアップグレード等を目的として行われる。このように、制御システム２００は、ＯＴＡ（Ｏｖｅｒ Ｔｈｅ Ａｉｒ）によりＥＣＵをリプログラミングすることによってＥＣＵを更新する。本実施形態において、更新プログラムによってＥＣＵ等の機器を更新することを「プログラム更新」と呼ぶ。

図１において、更新プログラム６０は、例えばソフトウエア作成者によって作成され、プログラム登録装置７４に登録される。更新プログラム６０は、プログラム本体と、識別情報とを含む。プログラム本体は、ＥＣＵが実行するプログラムコードである。識別情報は、更新プログラム６０によるプログラム更新を行う場合に車両２０において制限される機能を識別する情報である。例えば、更新プログラム６０が車両２０のバッテリを制御するＥＣＵ用のプログラムである場合、更新プログラム６０によるプログラム更新時にバッテリの充電機能が制限される場合がある。この場合、更新プログラム６０の識別情報は、「充電機能」を示すフラグ情報であってよい。更新プログラム６０の作成者は、更新プログラム６０の生成時に、更新プログラム６０に識別情報を埋め込む。プログラム登録装置７４は、通信ネットワーク９０を通じて更新プログラム６０を情報処理装置７２にアップロードする。

情報処理装置７２は、更新プログラム６０に関する説明文を更新プログラム６０に付与する。説明文は、例えば更新プログラム６０によるプログラム更新によって追加される機能を説明する文章である。説明文は、説明文の作成者によって情報処理装置７２に入力される。情報処理装置７２は、説明文を更新プログラム６０に付与するとともに、更新プログラム６０に埋め込まれた識別情報に基づいて、更新プログラム６０によるプログラム更新を実行する前にユーザに通知されるメッセージを自動生成して、更新プログラム６０に付与する。情報処理装置７２は、更新プログラム６０、説明文及びメッセージを含む更新パッケージ６２を、外部装置７０にアップロードする。外部装置７０は、車両２０に更新パッケージ６２を送信する。

制御システム２００は、更新パッケージ６２に含まれる更新プログラム６０によるプログラム更新を行う前に、更新パッケージ６２に含まれる説明文及びメッセージを表示してユーザに通知する。また、制御システム２００は、更新プログラム６０に含まれる識別情報に基づいて、プログラム更新時に制限される機能をユーザに通知する。これにより、プログラム更新による機能制限が発生する前に、制限される機能をユーザに明示することができる。また、情報処理装置７２において、更新プログラム６０に埋め込まれた識別情報によってメッセージを自動生成して更新パッケージ６２に付与するので、ヒューマンエラー等によって機能制限に関する説明文が更新パッケージ６２に付与されないまま車両２０に送信される可能性を低減することができる。

図２は、情報処理装置７２が備えるシステム構成を模式的に示す。情報処理装置７２は、処理部３００と、記憶部３８０と、通信部３９０とを備える。処理部３００は、更新プログラム取得部３１０と、識別情報取得部３２０と、メッセージ生成部３３０と、出力制御部３４０とを備える。

処理部３００は、例えば、プロセッサを含む演算処理装置により実現される。記憶部３８０は、不揮発性の記憶媒体を備えて実現される。処理部３００は、記憶部３８０に格納された情報を用いて処理を行う。通信部３９０は、外部装置７０及びプログラム登録装置７４との間の通信を担う。

情報処理装置７２は、車両２０が備えるＥＣＵを更新プログラムにより更新中に車両２０において制限される機能を示す機能制限情報を生成する。更新プログラムには、更新プログラムによるＥＣＵの更新中に車両２０において制限される機能を識別する識別情報が付与されている。更新プログラム取得部３１０は、更新プログラムを取得する。例えば、更新プログラム取得部３１０は、ソフトウエア作成者が作成した更新プログラムを取得する。

識別情報取得部３２０は、更新プログラムに付与された識別情報を取得する。メッセージ生成部３３０は、識別情報取得部３２０が取得した識別情報に基づいて、更新プログラムによりＥＣＵが更新される場合に出力されるメッセージを生成する。例えば、メッセージ生成部３３０は、識別情報に対応づけられた予め定められた固定のメッセージを生成する。出力制御部３４０は、メッセージ生成部３３０が生成したメッセージの出力を制御する。例えば、出力制御部３４０は、更新プログラム取得部３１０が取得した更新プログラムにメッセージを対応づけて出力する。

図３は、制御システム２００が備えるシステム構成を模式的に示す。制御システム２００は、ＴＣＵ２０１と、ＥＣＵ２０２と、ＥＣＵ２０４と、ＥＣＵ２０５と、ＥＣＵ２０６と、ＭＩＤ２９８と、ＩＶＩ２９９とを備える。図２において、ＦＩ２９４、高圧バッテリ２９５、施錠装置２９６、及び低圧バッテリ２９７は、車両２０が備える被制御機器の一例である。

ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６と車内通信回線２８０を通じて接続される。ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９と車内通信回線２８０を通じて相互に通信する。ＥＣＵ２０２は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９を統括制御する。車内通信回線２８０は、例えばＣＡＮ（Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）やイーサ・ネットワーク等を含んで構成されてよい。

ＴＣＵ２０１は、テレマティクス制御ユニット（Ｔｅｌｅｍａｔｉｃｓ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）である。ＴＣＵ２０１は、主として移動体通信を担う。ＴＣＵ２０１は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、外部装置７０との間でデータの送受信を行う。ＴＣＵ２０１は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、外部装置７０から送信された更新プログラムを移動体通信によって受信する。ＴＣＵ２０１は、無線通信部として機能し得る。

ＭＩＤ２９８は、マルチインフォメーションディスプレイである。ＩＶＩ２９９は、例えば車内インフォテインメント情報機器（ＩＶＩ）である。ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９は表示制御部として機能し得る。ＩＶＩ２９９は、無線ＬＡＮ通信機能を備える。ＩＶＩ２９９は、ＥＣＵ２０２の制御に基づいて、外部装置７０から送信された更新プログラムを無線ＬАＮ通信によって受信する。

ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、それぞれ車両２０を制御する車両制御部としてのＥＣＵである。ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、「移動体制御部」の一例である。ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６は、車両２０が備える各種の機器を制御する。例えば、ＥＣＵ２０４は、燃料噴射装置であるＦＩ２９４等を制御する。ＥＣＵ２０５は、高圧バッテリ２９５等を制御する。高圧バッテリ２９５は、例えば、車両２０が備える走行用モータに供給される電力を蓄積するバッテリである。ＥＣＵ２０６は、施錠装置２９６及び低圧バッテリ２９７等を制御する。施錠装置２９６は、車両２０のドア等の施錠を行う装置である。低圧バッテリ２９７は、例えば車両用の１２Ｖ電源として機能する。低圧バッテリ２９７は例えば鉛蓄電池等である。

本実施形態では、制御システム２００がＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０２、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９を備えるシステム構成を例示するが、制御システム２００のシステム構成は本実施形態の例に限られない。また、本実施形態では、例示として、プログラム更新の対象となり得る移動体制御部がＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６であり、ＥＣＵ２０２がプログラム更新を制御する更新制御部として機能するものとして説明する。なお、プログラム更新の対象となり得る移動体制御部はこれらのＥＣＵに限られない。プログラム更新の対象となり得る移動体制御部は、ＴＣＵ２０１、ＥＣＵ２０２、ＥＣＵ２０４、ＥＣＵ２０５、ＥＣＵ２０６、ＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９のいずれであってよい。

ＥＣＵ２０２は、更新制御部２２０と、通知制御部２３０と、特定部２４０と、選択部２６０とを備える。

更新制御部２２０は、ＥＣＵの更新プログラムの外部装置からの受信を制御し、更新プログラムによるＥＣＵの更新を制御する。通知制御部２３０は、ＥＣＵの更新中に生じる車両２０において制限される機能情報をユーザへ通知させる。ユーザは、例えば車両２０の搭乗者である。更新プログラムには、更新プログラムによるＥＣＵの更新中に車両２０において制限される機能を識別する識別情報が付与されている。通知制御部２３０は、更新プログラムに付与された識別情報に基づいて、制限される機能情報のユーザへの通知を制御する。例えば、通知制御部２３０は、ユーザへの通知をＭＩＤ２９８及びＩＶＩ２９９に実行させてよい。

更新プログラムには、識別情報と、機能の制限が生じる車両２０を特定するための車両特定情報とが付与されている。特定部２４０は、更新プログラムに付与された識別情報及び車両特定情報に基づいて、更新プログラムによるＥＣＵの更新中に車両２０において制限される機能を特定する。通知制御部２３０は、特定部２４０によって特定された機能に基づいて、制限される機能情報のユーザへの通知を制御する。

更新制御部２２０は、外部装置から複数の更新プログラムの受信を制御する。選択部２６０は、複数の更新プログラムのうち、ＥＣＵの更新を行うための更新プログラムを選択する。特定部２４０は、複数の更新プログラム毎に付与された識別情報及び車両特定情報に基づいて、選択部２６０によって選択された更新プログラムによるＥＣＵの更新中に車両２０において制限される機能を特定する。通知制御部２３０は、選択部２６０によって選択された更新プログラムによるＥＣＵの更新が開始する前に、特定部２４０によって特定された機能をユーザへ通知させる。

選択部２６０は、車両２０が備える低圧バッテリ２９７の残量に基づいて、複数の更新プログラムのうちＥＣＵの更新を行うための１つの更新プログラムを選択してよい。選択部２６０は、複数の更新プログラムのそれぞれにより更新の対象となるＥＣＵを更新する場合に消費される電力量と、低圧バッテリ２９７の残量とに基づいて、ＥＣＵの更新を行うための１つの更新プログラムを選択する。ＥＣＵを更新する場合に消費される電力量は、外部装置７０から送信される更新パッケージに含まれてよい。

ここで、プログラム更新について説明する。プログラム更新の対象となる機器がＥＣＵであり、ＥＣＵのファームウェア格納用のメモリがシングルバンクメモリ（いわゆる１面ＲＯＭ）である場合のプログラム更新処理を説明する。この場合、ＥＣＵのファームウェア格納用のプログラム記憶領域は１つであるため、ＥＣＵがプログラム記憶領域内に格納されたプログラムに従って動作している場合には、更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込むことができない。ＥＣＵのプログラム更新を行う場合、更新制御部２２０は、ＥＣＵに更新プログラムを転送してＥＣＵの予め定められたデータ記憶領域に更新プログラムを格納させた後、ＥＣＵにプログラム更新を指示する。ＥＣＵは、プログラム更新が指示されると、プログラム更新を行う制御コードを実行して、データ記憶領域に転送された更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込み、更新プログラムをアクティベートする。更新プログラムのアクティベートは、例えばＥＣＵの起動時に更新プログラムをロードして更新プログラムに基づく制御を開始するように、ＥＣＵの起動パラメータを設定する処理を含む。

次に、ＥＣＵの内部メモリがダブルバンクメモリ（いわゆる２面ＲＯＭ）である場合のプログラム更新処理を説明する。この場合、ＥＣＵはファームウェア格納用のプログラム記憶領域を２つ有しているため、第１のプログラム記憶領域に格納されたプログラムに従ってＥＣＵが動作している場合に、第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。つまり、いわゆる裏面書き込みによって、裏面となる第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。したがって、例えば車両２０の走行中であっても、第２のプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込むことができる。そのため、更新制御部２２０は、更新プログラムをＥＣＵに転送すると、更新プログラムを第２のプログラム記憶領域に書き込むようＥＣＵに指示する。ＥＣＵの第２のプログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了すると、ＥＣＵのプログラム更新が可能な状態となる。更新制御部２２０がＥＣＵのプログラム更新を行う場合、更新制御部２２０は、第２のプログラム記憶領域に書き込まれた更新プログラムをアクティベートするようＥＣＵに指示する。更新プログラムのアクティベートは、例えばＥＣＵの起動時に、第２のプログラム記憶領域に格納された更新プログラムをロードして更新プログラムに基づく制御を開始するように、ＥＣＵの起動パラメータを設定する処理を含む。例えば、更新プログラムのアクティベートは、第２のプログラム記憶領域をプログラムの読み出し領域として有効化するとともに、第１のプログラム記憶領域をプログラムの読み出し領域として無効化する処理を含む。このように、「プログラム更新」は、更新プログラムをＥＣＵのプログラム記憶領域に書き込むことを指示することを含む概念である。また、「プログラム更新」は、プログラム記憶領域に書き込まれた更新プログラムをアクティベートすることを指示することを含む概念である。

シングルバンクメモリのＥＣＵのプログラム更新においては、更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込んでいる期間と、更新プログラムのアクティベートを行っている期間に、ＥＣＵが車両を制御できない可能性が生じる。したがって、車両の機能制限が発生する期間は、更新プログラムをプログラム記憶領域に書き込んでいる期間と、更新プログラムのアクティベートを行っている期間となる。一方、ダブルバンクメモリのＥＣＵのプログラム更新においては、更新プログラムを裏面のプログラム記憶領域に書き込んでいる期間は、ＥＣＵが車両の制御を行うことができる。したがって、ダブルバンクメモリのＥＣＵのプログラム更新において車両の機能制限が発生する期間は、更新プログラムのアクティベートを行っている期間となる。本実施形態では、更新対象となるＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６がダブルバンクメモリを備えるＥＣＵである場合を説明する。

図４は、車両２０に送信される更新パッケージ６２を生成する流れ模式的に示す。更新プログラム６０は、ソフトウエア作成者によって作成され、プログラム登録装置７４を通じて情報処理装置７２にアップロードされる。ソフトウエア作成者による更新プログラム６０の作成工程において、更新プログラム６０には、プログラム更新時に車両において制限される機能を示す識別情報が埋め込まれる。

情報処理装置７２において、更新プログラム取得部３１０は、プログラム登録装置７４から受信した更新プログラム６０を記憶部３８０に記憶する。プログラム管理者４９０は、更新プログラム６０用の説明文を情報処理装置７２に入力する。例えば、更新プログラム６０がＥＣＵ２０５用の更新プログラムである場合、更新プログラム６０によって追加される機能の説明文を入力する。説明文は、例えば「急速充電中に○○することができるようになります。」という文章を入力する。情報処理装置７２において、記憶部３８０は、更新プログラム６０に対応づけて説明文を記憶する。

情報処理装置７２において、識別情報取得部３２０は、更新プログラム６０から識別情報を読み出す。メッセージ生成部３３０は、更新プログラム６０から読み出した識別情報に基づいて固定のメッセージを生成する。例えば、記憶部３８０は、識別情報に対応づけて固定のメッセージを記憶している。例えば、記憶部３８０は、「充電機能」を示す識別情報に対応づけて「更新中は充電機能を使用することができなくなる場合があります。」というメッセージを記憶している。メッセージ生成部３３０は、更新プログラム６０から読み出した識別情報に対応づけて、記憶部３８０が記憶しているメッセージを生成する。

出力制御部３４０は、メッセージ生成部３３０が生成したメッセージを更新プログラム６０に付帯する。また、出力制御部３４０は、ＥＣＵの更新実行時に消費される電力量を示す消費電力量情報を更新プログラム６０に付帯する。例えば、記憶部３８０は、更新プログラム６０の識別情報に対応づけてＥＣＵの更新実行時に消費される消費電力量情報を記憶している。出力制御部３４０は、更新プログラム６０の識別情報に対応づけて記憶部３８０に記憶されている消費電力量情報を、更新プログラム６０に付帯する。図４の例では、ＥＣＵの更新実行時に消費される電力量が「ＸＸＡｈ」であることを示す消費電力量情報が更新プログラム６０に付帯される。

出力制御部３４０は、プログラム本体及び識別情報を含む更新プログラムと、説明文４１０、メッセージ４２０、及び電力量情報４３０とを含む更新パッケージ６２を生成する。出力制御部３４０は、生成した更新パッケージ６２を通信部３９０を通じて外部装置７０へ送信させる。

図５は、更新プログラムに付与される識別情報のデータ構造をテーブル形式で示す。図５には、ＥＣＵ２０５の更新プログラムの識別情報と、ＥＣＵ２０６の更新プログラムの識別情報のデータ構造を例示する。識別情報は、機能ＩＤと、車種情報と、ＥＣＵ情報とを含む。機能ＩＤは、プログラム更新時に車両において制限される機能を識別する情報である。

車両情報は、プログラム更新時に機能が制限される車種を示す情報である。「０」はプログラム更新時に機能が制限されないことを表し、「１」はプログラム更新時に機能が制限されることを表す。プログラム更新を行う場合、特定の車種にのみ機能制限が発生する場合がある。例えば、充電機能の制限は高圧バッテリ２９５を備える電気自動車にのみ発生し、高圧バッテリ２９５を備えないガソリン車のプログラム更新を行う場合は充電機能の制限は発生しない。車種情報により、どの車両で機能制限が発生するかが設定される。図５の例では、「車種１」の車両においてはプログラム更新時に機能が制限されず、「車種２」及び「車種３」の車両においてはプログラム更新時に機能が制限されることが示す。車両２０は、車両情報を参照して、ＥＣＵのプログラム更新時に機能が制限されるか否かを判定することができる。

ＥＣＵ情報は、プログラム更新時に機能制限が発生するＥＣＵの組み合わせを示す情報である。「０」はプログラム更新時に機能が制限されないことを表し、「１」はプログラム更新時に機能が制限されることを表す。複数のＥＣＵのプログラム更新を行う場合、特定のＥＣＵとの組み合わせでプログラム更新を行う場合にのみ、機能制限が発生する場合がある。ＥＣＵ情報により、どのＥＣＵとの組み合わせでプログラム更新を行う場合に機能制限が発生するかを否かが設定される。車両２０は、ＥＣＵ情報を参照して、プログラム更新時に機能が制限されるか否かを判定することができる。

図６は、ＩＶＩ２９９に表示されるユーザ通知情報６００の一例を示す。通知制御部２３０は、外部装置７０から更新パッケージ６２をダウンロードすると、ＥＣＵのプログラム記憶領域に更新プログラムを書き込む前に、ユーザ通知情報６００をＩＶＩ２９９に表示させる。ユーザ通知情報６００の情報６１０は、更新パッケージ６２に含まれる説明文である。ユーザ通知情報６００の情報６２０は、更新パッケージ６２に含まれるメッセージである。ユーザ通知情報６００により、プログラム更新によってユーザにどのような機能が追加されるかを通知することができる。また、更新プログラム６０のアクティベート時にどのような機能が制限されるかをユーザに事前に通知することができる。

ユーザは、ユーザ通知情報６００のＵＩボタン６３０をタッチすることで、車両のＩＧスイッチをオフした後にプログラム更新を開始することを指示することができる。ユーザがＵＩボタン６３０をタッチすると、更新制御部２２０は、更新プログラム６０をＥＣＵ２０５の裏面のプログラム記憶領域に書き込みを開始する。更新制御部２２０は、更新プログラム６０の裏面のプログラム記憶領域への書き込み完了後、車両２０のＩＧスイッチがオフされた後に、更新プログラム６０のアクティベートを実行する。

図７は、アクティベート実行前にＩＶＩ２９９に表示させるユーザ通知情報７００の一例を示す。通知制御部２３０は、車両２０のＩＧスイッチがオフされると、更新プログラム６０の裏面のプログラム記憶領域への書き込みが完了している場合に、アクティベートを行う前にユーザ通知情報７００をＩＶＩ２９９に表示させる。このとき、通知制御部２３０は、更新パッケージ６２に含まれる識別情報に対応する機能制限情報７２０をＩＶＩ２９９に表示させる。機能制限情報７２０は充電機能が制限されることを示すアイコンを含む。アイコン表示を行うことで、制限される機能をユーザが一目で分かるようにすることができる。通知制御部２３０は、機能制限情報７２０が表示面の最前面に表示されるようにＩＶＩ２９９を制御する。

このように、通知制御部２３０は、アクティベートを実行する前に機能制限情報７２０を表示させる。これにより、図６のユーザ通知情報６００を表示したときに充電機能が制限されることをユーザが十分に認識していなかった場合でも、充電機能が制限されることをユーザに認識させることができる。

図８、図９及び図１０は、更新プログラムのアクティベート時に実行する処理の流れを示す。図８は、車両２０が図５の「車種１」に該当する車両Ａである場合のプログラム更新を示す。図９は、車両２０が図５の「車種２」に該当する車両Ｂである場合のプログラム更新を示す。図１０は、車両２０が図５の「車種３」に該当する車両である場合のプログラム更新を示す。図８及び図９のケースでは、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６の裏面のプログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了しているものとする。図１０はＥＣＵ２０６のみのプログラム更新を行うケースであり、ＥＣＵ２０６の裏面のプログラム記憶領域への更新プログラムの書き込みが完了しているものとする。

図８において、時刻ｔ１でＩＧスイッチがオフされると、選択部２６０は、ＥＣＵ２０５の更新プログラム及びＥＣＵ２０６の更新プログラムの中からプログラム更新を行う更新プログラムを選択する。選択部２６０は、低圧バッテリ２９７の残存容量を取得し、低圧バッテリ２９７の残存容量から、プログラム更新に利用可能な電力量を算出する。選択部２６０は、ＥＣＵ２０５及びＥＣＵ２０６のそれぞれの更新パッケージ付帯されている消費電力量情報が示す電力量から、ＥＣＵ２０５のプログラム更新時の消費電力量及びＥＣＵ２０６のプログラム更新時の消費電力量を特定する。選択部２６０は、特定した消費電力量の合計値がプログラム更新に利用可能な電力量を超えないように、更新プログラムを選択する。

図８は、時刻ｔ１のＩＧオフ時にＥＣＵ２０６の更新プログラムが選択された場合を示す。図５に示されるように、「車種１」に該当する車両Ａは、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に施錠機能が制限される。そのため、特定部２４０は、車両２０自身の車種情報に基づいて、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に制限される機能として「施錠機能」を特定する。通知制御部２３０は、時刻ｔ２において、施錠機能が制限されることを示す機能制限情報８２０をＩＶＩ２９９に表示させる。その後、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０６の更新プログラムをアクティベートする処理を実行し、車両２０の電源状態をオフにする。

時刻ｔ３においてＩＧスイッチがオンされて車両２０が走行した後、時刻ｔ４においてＩＧスイッチがオフされる。ＩＧスイッチがオフされると、選択部２６０は、低圧バッテリ２９７の残存容量とＥＣＵ２０５のプログラム更新時の消費電力量とに基づいて、ＥＣＵ２０５のプログラム更新を実行可能と判断すると、プログラム更新を実行するＥＣＵとしてＥＣＵ２０５を選択する。図５に示されるように、「車種１」に該当する車両Ａは、ＥＣＵ２０５のプログラム更新を行う場合に充電機能は制限されない。そのため、通知制御部２３０は、機能制限情報をＩＶＩ２９９に表示させることなく、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０５の更新プログラムをアクティベートする処理を実行し、車両２０の電源状態をオフにする。

次に、図９を参照して、車両２０が図５の「車種２」に該当する車両Ｂである場合を説明する。ここでは、図８のケースと同様に、時刻ｔ１のＩＧオフ時にＥＣＵ２０６の更新プログラムが選択され、次のＩＧオフ時にＥＣＵ２０５の更新プログラムが選択されるものとする。

図５に示されるように、「車種２」に該当する車両Ｂは、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に施錠機能が制限される。そのため、特定部２４０は、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に制限される機能として「施錠機能」を特定する。通知制御部２３０は、時刻ｔ２において、施錠機能が制限されることを示す機能制限情報８２０をＩＶＩ２９９に表示させる。その後、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０６の更新プログラムをアクティベートする処理を実行し、車両２０の電源状態をオフにする。

時刻ｔ３においてＩＧスイッチがオンされて車両２０が走行した後、時刻ｔ４においてＩＧスイッチがオフされる。選択部２６０はプログラム更新を実行するＥＣＵとしてＥＣＵ２０５を選択する。図５に示されるように、「車種２」に該当する車両Ｂは、ＥＣＵ２０５のプログラム更新を行う場合に充電機能が制限される。そのため、通知制御部２３０は、充電機能が制限されることを示す機能制限情報７２０をＩＶＩ２９９に表示させる。その後、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０５の更新プログラムをアクティベートする処理を実行し、車両２０の電源状態をオフにする。

次に、図１０を参照して、車両２０が図５の「車種３」に該当する車両Ｃである場合を説明する。図８のケースと同様に、選択部２６０は、低圧バッテリ２９７の残存容量と消費電力量情報に基づいて、時刻ｔ１のＩＧオフ時にＥＣＵ２０６の更新プログラムを選択したとする。

図５に示されるように、「車種３」に該当する車両Ｂは、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に施錠機能が制限される。そのため、特定部２４０は、ＥＣＵ２０６のプログラム更新を行う場合に制限される機能として「施錠機能」を特定する。通知制御部２３０は、時刻ｔ２において、施錠機能が制限されることを示す機能制限情報８２０をＩＶＩ２９９に表示させる。その後、更新制御部２２０は、ＥＣＵ２０６の更新プログラムをアクティベートする処理を実行し、車両２０の電源状態をオフにする。その後、時刻ｔ３においてＩＧスイッチがオンされて車両２０が走行した後、時刻ｔ４においてＩＧスイッチがオフされる。プログラム更新の対象となるＥＣＵは存在しないため、時刻ｔ５において車両２０の電源状態はオフになる。

図８から図１０に関連して説明したように、更新システム１０によれば、車両毎にプログラム更新時に制限される機能を正しくユーザに通知することができる。

図１１は、制御システム２００が実行するプログラム更新に関する処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。図１１のフローチャートは、車両２０のＩＧスイッチがオフされた場合に開始される。Ｓ１００２において、選択部２６０は、低圧バッテリ２９７の残存容量を取得する。

Ｓ１００４において、選択部２６０は、ＥＣＵのプログラム更新を行うための更新プログラムを選択する。例えば、選択部２６０は、低圧バッテリ２９７の残存容量と、更新パッケージに付帯される消費電力量情報とに基づいて、ＥＣＵのプログラム更新を行うための更新プログラムを選択する。なお、選択部２６０は、プログラム更新の対象となるＥＣＵが有する空きメモリ容量に基づいて、更新プログラムを選択してもよい。例えば、選択部２６０は、ＥＣＵの空きメモリ容量がプログラム更新の処理を行うために必要な容量以上であることを条件として、ＥＣＵのプログラム更新を行うための更新プログラムを選択してよい。

Ｓ１００６において、特定部２４０は、Ｓ１００４で選択した更新プログラムによるプログラム更新時に制限される機能を特定する。特定部２４０は、車両２０の車種情報と、更新パッケージに含まれる識別情報とに基づいて、プログラム更新時に制限される機能を特定する。Ｓ１００８において、通知制御部２３０は、Ｓ１００６で特定された機能を示す情報をユーザに通知する。

続いて、Ｓ１０１０において、更新制御部２２０は、プログラム更新を開始する。なお、Ｓ１０１０において、更新制御部２２０は、ダブルバンクメモリを備えるＥＣＵのプログラム更新を行う場合は、ＥＣＵにアクティベートを行うよう指示する。一方、更新制御部２２０は、シングルバンクメモリを備えるＥＣＵのプログラム更新を行う場合は、更新プログラムをＥＣＵのプログラム記憶領域に書き込む指示を行うとともに、ＥＣＵにアクティベートを行うよう指示する。

Ｓ１０１２において、プログラム更新の処理が完了すると、車両２０の電源状態をオフにして、本フローチャートの処理を終了する。

以上に説明したように、本実施形態に係る更新システム１０によれば、情報処理装置７２は、更新プログラム６０に埋め込まれた識別情報に基づいて、更新プログラムによるプログラム更新を実行する前にユーザに通知されるメッセージを自動生成して、更新プログラムを含む更新パッケージに付帯する。これにより、ヒューマンエラー等によって機能制限に関するメッセージが更新パッケージに付与されないまま車両に送信される可能性を低減することができる。また、制御システム２００は、更新プログラムによるプログラム更新を行う前に、更新パッケージに含まれるメッセージを表示してユーザに通知する。また、制御システム２００は、更新プログラムに含まれる識別情報に基づいて、プログラム更新時に制限される機能をユーザに通知する。これにより、ユーザが更新パッケージに含まれるメッセージを見落としていた場合でも、プログラム更新による機能制限が発生する前に、制限される機能をユーザに明示することができる。

なお、車両２０は、輸送機器の一例としての車両である。車両は、内燃機関を備える自動車、電気自動車、燃料電池自動車（ＦＣＶ）等の自動車であってよい。自動車は、バス、トラック、二輪自動車等を含む。車両は、鞍乗型車両等であってよく、バイクであってよい。輸送機器としては、車両の他に、無人航空機を含む航空機、船舶等の機器を含む。輸送機器は、人又は物品を輸送する任意の機器であってよい。輸送機器は移動体の一例である。移動体は、輸送機器に限らず、移動可能な任意の機器であってよい。

図１２は、本発明の複数の実施形態が全体的又は部分的に具現化され得るコンピュータ２０００の例を示す。コンピュータ２０００にインストールされたプログラムは、コンピュータ２０００を、実施形態に係る制御システム等のシステム又はシステムの各部、もしくは情報処理装置等の装置又は当該装置の各部として機能させる、当該システム又はシステムの各部もしくは当該装置又は当該装置の各部に関連付けられるオペレーションを実行させる、及び／又は、実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ２０００に、本明細書に記載の処理手順及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、ＣＰＵ２０１２によって実行されてよい。

本実施形態によるコンピュータ２０００は、ＣＰＵ２０１２、及びＲＡＭ２０１４を含み、それらはホストコントローラ２０１０によって相互に接続されている。コンピュータ２０００はまた、ＲＯＭ２０２６、フラッシュメモリ２０２４、通信インタフェース２０２２、及び入力／出力チップ２０４０を含む。ＲＯＭ２０２６、フラッシュメモリ２０２４、通信インタフェース２０２２、及び入力／出力チップ２０４０は、入力／出力コントローラ２０２０を介してホストコントローラ２０１０に接続されている。

ＣＰＵ２０１２は、ＲＯＭ２０２６及びＲＡＭ２０１４内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。

通信インタフェース２０２２は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。フラッシュメモリ２０２４は、コンピュータ２０００内のＣＰＵ２０１２によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ＲＯＭ２０２６は、アクティブ化時にコンピュータ２０００によって実行されるブートプログラム等、及び／又はコンピュータ２０００のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入力／出力チップ２０４０はまた、キーボード、マウス及びモニタ等の様々な入力／出力ユニットをシリアルポート、パラレルポート、キーボードポート、マウスポート、モニタポート、ＵＳＢポート、ＨＤＭＩ（登録商標）ポート等の入力／出力ポートを介して、入力／出力コントローラ２０２０に接続してよい。

プログラムは、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ－ＲＯＭ、又はメモリカードのようなコンピュータ可読記憶媒体又はネットワークを介して提供される。ＲＡＭ２０１４、ＲＯＭ２０２６、又はフラッシュメモリ２０２４は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。プログラムは、フラッシュメモリ２０２４、ＲＡＭ２０１４、又はＲＯＭ２０２６にインストールされ、ＣＰＵ２０１２によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ２０００に読み取られ、プログラムと上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ２０００の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。

例えば、コンピュータ２０００及び外部デバイス間で通信が実行される場合、ＣＰＵ２０１２は、ＲＡＭ２０１４にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース２０２２に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース２０２２は、ＣＰＵ２０１２の制御下、ＲＡＭ２０１４及びフラッシュメモリ２０２４のような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取った送信データをネットワークに送信し、ネットワークから受信された受信データを、記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。

また、ＣＰＵ２０１２は、フラッシュメモリ２０２４等のような記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がＲＡＭ２０１４に読み取られるようにし、ＲＡＭ２０１４上のデータに対し様々な種類の処理を実行してよい。ＣＰＵ２０１２は次に、処理されたデータを記録媒体にライトバックする。

様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理にかけられてよい。ＣＰＵ２０１２は、ＲＡＭ２０１４から読み取られたデータに対し、本明細書に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々な種類のオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索／置換等を含む、様々な種類の処理を実行してよく、結果をＲＡＭ２０１４にライトバックする。また、ＣＰＵ２０１２は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第２の属性の属性値に関連付けられた第１の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、ＣＰＵ２０１２は、第１の属性の属性値が指定されている、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第２の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第１の属性に関連付けられた第２の属性の属性値を取得してよい。

上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ２０００上又はコンピュータ２０００近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はＲＡＭのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能である。コンピュータ可読記憶媒体に格納されたプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ２０００に提供してよい。

コンピュータ２０００にインストールされ、コンピュータ２０００を制御システム２００として機能させるプログラムは、ＣＰＵ２０１２等に働きかけて、コンピュータ２０００を、制御システム２００の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ２０００に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である制御システム２００の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ２０００の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の制御システム２００が構築される。

コンピュータ２０００にインストールされ、コンピュータ２０００を情報処理装置７２として機能させるプログラムは、ＣＰＵ２０１２等に働きかけて、コンピュータ２０００を、情報処理装置７２の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ２０００に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報処理装置７２の各部として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ２０００の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置７２が構築される。

様々な実施形態が、ブロック図等を参照して説明された。ブロック図において各ブロックは、（１）オペレーションが実行されるプロセスの段階又は（２）オペレーションを実行する役割を持つ装置の各部を表わしてよい。特定の段階及び各部が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び／又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び／又はアナログハードウエア回路を含んでよく、集積回路（ＩＣ）及び／又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理ＡＮＤ、論理ＯＲ、論理ＸＯＲ、論理ＮＡＮＤ、論理ＮＯＲ、及び他の論理オペレーション、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ（ＦＰＧＡ）、プログラマブルロジックアレイ（ＰＬＡ）等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウエア回路を含んでよい。

コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく実行され得る命令を含む製品の少なくとも一部を構成する。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー（登録商標）ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、リードオンリメモリ（ＲＯＭ）、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ（ＥＰＲＯＭ又はフラッシュメモリ）、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ（ＥＥＰＲＯＭ）、静的ランダムアクセスメモリ（ＳＲＡＭ）、コンパクトディスクリードオンリメモリ（ＣＤ－ＲＯＭ）、デジタル多用途ディスク（ＤＶＤ）、ブルーレイ（ＲＴＭ）ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。

コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ（ＩＳＡ）命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はＳｍａｌｌｔａｌｋ（登録商標）、ＪＡＶＡ（登録商標）、Ｃ＋＋等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「Ｃ」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、１又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。

コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク（ＷＡＮ）を介して提供され、説明された処理手順又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段をもたらすべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。

以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。

特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。

１０ 更新システム
２０ 車両
６０ 更新プログラム
６２ 更新パッケージ
７０ 外部装置
７２ 情報処理装置
７４ プログラム登録装置
９０ 通信ネットワーク
２００ 制御システム
２０１ ＴＣＵ
２０２ ＥＣＵ
２０４ ＥＣＵ
２０５ ＥＣＵ
２０６ ＥＣＵ
２２０ 更新制御部
２３０ 通知制御部
２４０ 特定部
２６０ 選択部
２８０ 車内通信回線
２９４ ＦＩ
２９５ 高圧バッテリ
２９６ 施錠装置
２９７ 低圧バッテリ
２９８ ＭＩＤ
２９９ ＩＶＩ
３００ 処理部
３１０ 更新プログラム取得部
３２０ 識別情報取得部
３３０ メッセージ生成部
３４０ 出力制御部
３８０ 記憶部
３９０ 通信部
４１０ 説明文
４２０ メッセージ
４３０ 電力量情報
４９０ プログラム管理者
６００ ユーザ通知情報
６１０ 情報
６２０ 情報
６３０ ＵＩボタン
７００ ユーザ通知情報
７２０ 機能制限情報
８２０ 機能制限情報
２０００ コンピュータ
２０１０ ホストコントローラ
２０１２ ＣＰＵ
２０１４ ＲＡＭ
２０２０ 入力／出力コントローラ
２０２２ 通信インタフェース
２０２４ フラッシュメモリ
２０２６ ＲＯＭ
２０４０ 入力／出力チップ

Claims (12)

1. 制御システムであって、
   移動体を制御する移動体制御部と、
   前記移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御し、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する更新制御部と、
   前記移動体制御部の更新中に生じる前記移動体において制限される機能情報をユーザへ通知させる通知制御部と
   を備え、
   前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
   前記制御システムは、
   前記更新プログラムに付与された前記識別情報及び前記移動体特定情報に基づいて、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を特定する特定部
   をさらに備え、
   前記通知制御部は、前記特定部によって特定された機能に基づいて、前記制限される機能情報の前記ユーザへの通知を制御する
   制御システム。
2. 前記更新制御部は前記外部装置から複数の前記更新プログラムを受信制御し、
   複数の前記更新プログラムのうち、前記移動体制御部の更新を行うための更新プログラムを選択する選択部
   をさらに備え、
   前記特定部は、複数の前記更新プログラム毎に付与された前記識別情報及び前記移動体特定情報に基づいて、前記選択部によって選択された前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を特定する
   請求項１に記載の制御システム。
3. 前記通知制御部は、前記選択部によって選択された前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新が開始する前に、前記特定部によって特定された機能を前記ユーザへ通知させる
   請求項２に記載の制御システム。
4. 前記選択部は、前記移動体が備えるバッテリの残量に基づいて、前記複数の更新プログラムのうち前記移動体制御部の更新を行うための１つの更新プログラムを選択する
   請求項２又は３に記載の制御システム。
5. 前記選択部は、前記複数の更新プログラムのそれぞれにより前記更新の対象となる前記移動体制御部を更新する場合に消費される電力量と、前記バッテリの残量とに基づいて、前記移動体制御部の更新を行うための１つの更新プログラムを選択する
   請求項４に記載の制御システム。
6. 請求項１から５のいずれか一項に記載の制御システム
   を備える移動体。
7. 前記移動体は車両である
   請求項６に記載の移動体。
8. 移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に前記移動体において制限される機能に関するメッセージを前記更新プログラムに付帯する情報処理装置であって、
   前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
   前記情報処理装置は、
   前記更新プログラムを取得する更新プログラム取得部と、
   前記更新プログラムに付与された前記識別情報を取得する識別情報取得部と、
   前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記更新プログラムにより前記移動体制御部が更新される場合に出力される前記メッセージを生成するメッセージ生成部と、
   前記メッセージ生成部が生成した前記メッセージを前記更新プログラムに付帯する出力制御部と
   を備える情報処理装置。
9. 制御方法であって、
   移動体を制御する移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御する段階
   を備え、
   前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
   前記制御方法は、
   前記更新プログラムに付与された前記識別情報及び前記移動体特定情報に基づいて、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を特定する段階と、
   前記特定する段階において特定された機能に基づいて、前記移動体制御部の更新中に生じる前記移動体において制限される機能情報のユーザへの通知を制御する段階と、
   前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する段階と
   を備える制御方法。
10. プログラムであって、コンピュータを、
    移動体を制御する移動体制御部、
    前記移動体制御部の更新プログラムの外部装置からの受信を制御し、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新を制御する更新制御部、及び
    前記移動体制御部の更新中に生じる前記移動体において制限される機能情報をユーザへ通知させる通知制御部
    として機能させ、
    前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
    前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記更新プログラムに付与された前記識別情報及び前記移動体特定情報に基づいて、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を特定する特定部
    としてさらに機能させ、
    前記プログラムにより、前記通知制御部は、前記特定部によって特定された機能に基づいて、前記制限される機能情報の前記ユーザへの通知を制御する
    プログラム。
11. 移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に前記移動体において制限される機能に関するメッセージを前記更新プログラムに付帯するための情報処理方法であって、
    前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
    前記情報処理方法は、
    前記更新プログラムを取得する段階と、
    前記更新プログラムに付与された前記識別情報を取得する段階と、
    前記識別情報に基づいて、前記更新プログラムにより前記移動体制御部が更新される場合に出力される前記メッセージを生成する段階と、
    前記メッセージを前記更新プログラムに付帯する段階と
    を備える情報処理方法。
12. プログラムであって、コンピュータを、移動体が備える移動体制御部を更新プログラムにより更新中に前記移動体において制限される機能に関するメッセージを前記更新プログラムに付帯する情報処理装置として機能させ、
    前記更新プログラムには、前記更新プログラムによる前記移動体制御部の更新中に前記移動体において制限される機能を識別する識別情報と、前記機能の制限が生じる移動体を特定するための移動体特定情報とが付与されており、
    前記プログラムは、前記コンピュータを、
    前記更新プログラムを取得する更新プログラム取得部、
    前記更新プログラムに付与された前記識別情報を取得する識別情報取得部、
    前記識別情報取得部が取得した前記識別情報に基づいて、前記更新プログラムにより前記移動体制御部が更新される場合に出力される前記メッセージを生成するメッセージ生成部、及び
    前記メッセージ生成部が生成した前記メッセージを前記更新プログラムに付帯する出力制御部
    として機能させるためのプログラム。

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