JP7291647B2 - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7291647B2
JP7291647B2 JP2020025016A JP2020025016A JP7291647B2 JP 7291647 B2 JP7291647 B2 JP 7291647B2 JP 2020025016 A JP2020025016 A JP 2020025016A JP 2020025016 A JP2020025016 A JP 2020025016A JP 7291647 B2 JP7291647 B2 JP 7291647B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
filter cloth
water
ice
cleaning method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020025016A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021130065A (ja
Inventor
勝利 藤崎
昇 坂田
淳一 川端
輝 吉田
道孝 岡本
一成 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2020025016A priority Critical patent/JP7291647B2/ja
Publication of JP2021130065A publication Critical patent/JP2021130065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7291647B2 publication Critical patent/JP7291647B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Filtration Of Liquid (AREA)

Description

本発明は、洗浄方法に関するものである。
従来、下記特許文献1に記載のように、フィルタプレス装置の濾布を洗浄する洗浄方法が知られている。この種のフィルタプレス装置は、微粒分が含まれた濁水を濾布に透過させることで、微粒分を水から分離除去するものである。そして、濾布の目詰まりを防止すべく、濾布に捕捉された微粒分を除去するための濾布の洗浄が行われる。この洗浄方法では、フィルタプレス装置の濾枠が開枠され、濾枠同士の間に配置された濾布に洗浄水が噴射されることで濾布が洗浄され、洗浄排水は濾布の下方に移動配置された受皿で受けられ排出される。
特許3161358号公報
しかしながら上記洗浄方法は、フィルタ材に捕捉された微粒分を洗浄水の噴射で除去するものであるので、微粒分が十分に除去されるように大量の洗浄水の噴射が必要になる可能性がある。そうすると、大量の使用済み洗浄水が新たな濁水として発生し、当該濁水の処理が改めて必要になってしまう。この問題に鑑み、本発明はフィルタ材の洗浄によって発生する濁水を低減する洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明の洗浄方法は、流体に混入した固体成分を流体から分離除去する分離装置に適用され、流体を透過させると共に固体成分の透過を阻止するフィルタ材を洗浄する洗浄方法であって、フィルタ材上に氷を発生させる着氷工程と、氷がフィルタ材から除去される除氷工程と、を備える。
この洗浄方法によれば、着氷工程では、フィルタ材上に氷が発生するときにフィルタ材に捕捉されていた固体成分が氷に取り込まれ、除氷工程においては氷と一緒にフィルタ材から固体成分が除去される。この洗浄方法で新たに発生する濁水は、ほぼ除氷工程で除去された氷に相当する分であるので、少なく抑えられる。
着氷工程では、水を含んだフィルタ材に冷風が接触して、フィルタ材上の水が凍結することとしてもよい。除氷工程では、フィルタ材に付与された外力によってフィルタ材から氷が脱落することとしてもよい。また、本発明の洗浄方法は、着氷工程の前に、着氷工程で凍結させるための水をフィルタ材に供給する給水工程を更に備えることとしてもよい。
本発明の洗浄方法は、複数の濾枠と、当該濾枠同士の間に設置される濾布と、を備えるフィルタプレス装置の濾布を洗浄する洗浄方法であって、濾枠同士の間に位置し水を含んだ濾布に冷風を接触させて、濾布上の水を凍結させて濾布上に氷を発生させる、着氷工程と、着氷工程で濾布に付着した氷を脱落させる除氷工程と、を備える。
この洗浄方法によれば、着氷工程では、濾布上に氷が発生するときに濾布に捕捉されていた固体成分が氷に取り込まれ、除氷工程においては氷と一緒に濾布から固体成分が除去される。この洗浄方法で新たに発生する濁水は、ほぼ除氷工程で除去された氷に相当する分であるので、少なく抑えられる。
フィルタプレス装置は、互いに隣接する濾枠同士の間に形成される濾室に対して処理対象のスラッジを導入するスラッジ注入孔を備えており、着氷工程では、スラッジ注入孔を通じて濾室に冷風が吹き込まれることとしてもよい。
この場合、閉じた状態の濾室に冷風が吹き込むことができるので、濾室外に漏出する冷風の冷気が少なく抑えられ、濾布が効率的に冷却される。
フィルタプレス装置は、互いに隣接する濾枠同士の間に形成される濾室を外部に連通させる連通孔を備えており、着氷工程では、連通孔を通じて濾室に冷風が吹き込まれることとしてもよい。
この場合、閉じた状態の濾室に冷風が吹き込むことができるので、濾室外に漏出する冷風の冷気が少なく抑えられ、濾布が効率的に冷却される。
着氷工程では、隣接する濾枠の一方が他方に対して傾斜するように開枠された状態で、濾枠同士の間に形成される濾室に冷風が吹き込まれることとしてもよい。
除氷工程では、濾布が加振される、濾枠もしくは濾布が打撃される、または、濾布に風が吹付けられる、ことにより氷を脱落させるための外力が濾布に付与されることとしてもよい。
除氷工程では、前記フィルタ材の下方に、脱落した氷を受ける回収容器が設置されてもよい。除氷工程では、吸引装置によってフィルタ材から氷が吸引回収されてもよい。給水工程では、水に界面活性剤またはアルカリ性電解水が混入されていてもよい。
本発明によれば、フィルタ材の洗浄によって発生する濁水を低減する洗浄方法を提供することができる。
(a)~(c)は、第1実施形態に係る洗浄方法を順次示す断面図である。 (a)~(b)は、図1に続いて第1実施形態に係る洗浄方法を順次示す断面図である。 フィルタプレス装置の要部を示す断面図である。 (a)はフィルタプレス装置の濾枠ユニットの分解斜視図であり、(b)はその断面図である。 (a)~(c)は、フィルタプレス装置による分離処理を順次示す断面図である。 (a)~(c)は、濾布の洗浄方法を順次示す断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ着氷工程の変形例を示す断面図である。 (a),(b)は、それぞれ着氷工程の他の変形例を示す断面図である。 着氷工程の更に他の変形例を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明に係る洗浄方法の実施形態について詳細に説明する。図1に示されるフィルタ材101は、本実施形態の洗浄方法による洗浄対象である。フィルタ材101は、流体を透過させる一方で固体成分の透過を阻止する材料であり、所定の分離装置に適用されるものである。
当該分離装置は、流体に混入した固体成分をフィルタ材101によって分離除去する装置であり、気体(例えば空気)に混入した微粒分を分離除去するものであってもよく、液体(例えば水)に混入した微粒分を分離除去するものであってもよい。分離装置の運転に伴って、フィルタ材101の目には固体成分の微粒分が物理的に捕捉され、いわゆる目詰まりを生じて、容易に脱落しない状態になる。本実施形態の洗浄方法による洗浄は、例えばフィルタ材の目詰まりを抑制し分離処理速度を維持する等の目的で、フィルタ材101に捕捉された微粒分を除去するために実行される。
なお、この種のフィルタ材の目詰まり等の要因には、上記のようにフィルタ材の目に微粒分が物理的に捕捉されるような物理的な現象と、化学反応で生成されるカルシウム等がフィルタ材の目を塞ぐ化学的な現象と、があり得るが、本実施形態の洗浄方法は、前者の物理的な現象に基づき捕捉された微粒分を除去するものである。フィルタ材101の材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ビニロン(登録商標)、綿等である。本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得るフィルタ材101の目の粗さの範囲は、例えば、粒径0.075mm未満の微粒分を分離可能なものから、粒径0.005mm未満の微粒分を分離可能なものまでである。また、本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得るフィルタ材101の通気性は、例えば、0.3~35 cm3/cm2・secである。また、本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得るフィルタ材101の厚さの範囲は、例えば、0.5~20mmである。
以下、本実施形態の洗浄方法によるフィルタ材101の洗浄について説明する。図1及び図2に示されるように、フィルタ材101はシート状又は板状をなし、厚さに比べて比較的大きい濾過面積をもつものである。フィルタ材101は、例えば織布等の可撓性の材料からなる。図1及び図2にはフィルタ材101の断面図が示されており、図における左右方向がフィルタ材101の厚さ方向である。図1(a)に示されるように、洗浄前のフィルタ材101には、その内部に微粒分Pが入り込んでいる。本実施形態の洗浄方法は、次に説明する給水工程と、着氷工程と、除氷工程と、を備えている。
〔給水工程〕
給水工程では、フィルタ材101が水を含んだ状態(水に濡れた状態)にされる。具体的には、図1(b)に示されるように、給水ノズル103からフィルタ材101に水Wが供給される。供給される水量は、フィルタ材101が十分に水を含む程度で十分である。ここでは、フィルタ材101に対して給水ノズル103から水Wが吹付けられてもよく、水Wが霧状に噴霧されてもよい。これにより、フィルタ材101には水Wが浸透し、フィルタ材101の目に水Wが入り込んだ状態となる。
〔着氷工程〕
着氷工程では、フィルタ材101上に氷Sを発生させる。具体的には、給水工程の後、図1(c)に示されるように、送風ノズル105からフィルタ材101に向けて0℃以下の冷風Cを吹付ける。これにより、フィルタ材101に含まれていた水Wが凍結し、フィルタ材101に氷Sが付着した状態となる。なお、上記冷風Cを生成するためにドライアイス等が使用されてもよい。
〔除氷工程〕
除氷工程では、着氷工程の後、図2(a)に示されるように、フィルタ材101の下方に回収容器107を設置し、フィルタ材101に外力Fを付与することで、フィルタ材101に付着した氷Sを脱落させる。外力Fを付与する具体的な手法として、例えば、手動や所定の装置でフィルタ材101を加振する、手動や所定の装置でフィルタ材101の表面や氷Sを打撃する、所定の装置でフィルタ材101に強風を吹付ける等の処理を実行する。この外力Fにより、フィルタ材101に付着した氷Sが破砕されるなどして、図2(b)に示されるように、氷片Tとなってフィルタ材101から脱離し回収容器107に落下する。回収容器107に落下した氷片Tが回収され、フィルタ材101の洗浄が完了する。
続いて、上記洗浄方法による作用効果について説明する。上記洗浄方法における着氷工程では、フィルタ材101に含まれていた水Wが凍結するときに、フィルタ材101の目に捕捉されていた微粒分Pが取り込まれて氷Sが生成される。このように氷Sに微粒分Pが取り込まれる現象は、本発明者らの実験によって確認された。
本発明者らは、上記のように氷Sに微粒分Pが取り込まれる原理は次のようなものであると考えている。すなわち、フィルタ材101の表面近傍の水Wが冷風Cによって冷却されたときに、表面近傍に捕捉された微粒分Pを核として氷Sが生成される。そして、フィルタ材101の表面近傍で氷Sが成長するときに、フィルタ材101の内部の水Wが毛管現象によりフィルタ材101の表面側に移動するので、この水Wの移動に伴ってフィルタ材101の内部に捕捉されている微粒分Pも表面側に移動し氷Sに取り込まれ易い。そして、このような原理によれば、本実施形態の洗浄方法は、フィルタ材101に捕捉された微粒分Pを洗浄水の噴射で除去するといった洗浄方法に比較して、微粒分Pをフィルタ材101から引き離す能力が高いと考えられる。
そして、除氷工程では、図2(b)に示されるように、微粒分Pを取り込んだ氷Sがフィルタ材101から氷片Tとして脱落し、微粒分Pを含んだ状態でフィルタ材101から除去される。従って、この洗浄方法によれば、フィルタ材101の目に捕捉されていた微粒分Pがフィルタ材101から除去されることになる。
また、この洗浄方法で新たに発生する濁水は、ほぼ、除氷工程でフィルタ材101から脱落した氷片Tに相当する分である。従って、フィルタ材101に捕捉された微粒分Pを洗浄水の噴射で除去するといった洗浄方法に比較して、本実施形態の洗浄方法では、新たに発生する濁水が低減される。
また、微粒分Pは氷片T内に取り込まれた状態で回収される。すなわち、微粒分Pの回収のためには、氷片Tが解凍される前に固形物である氷片Tを回収すればよいので、回収処理が容易である。更に、回収容器107の使用により、回収処理が容易になるとともに回収後の氷片Tが解凍されたときにも微粒分Pの逸散が抑制される。
(第2実施形態)
本実施形態の洗浄方法は、第1実施形態のフィルタ材101の洗浄方法を、フィルタプレス装置(分離装置)用の濾布(フィルタ材)の洗浄に適用するものである。このフィルタプレス装置は、建設工事等で発生する濁水(以下「工事濁水」)から、上記濾布によって土等の微粒分を分離除去するものである。この濾布は合成繊維等からなり、この合成繊維の材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ビニロン(登録商標)、綿等である。本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得る濾布の目の粗さの範囲は、例えば、粒径0.075mm未満の微粒分を分離可能なものから、粒径0.005mm未満の微粒分を分離可能なものまでである。また、本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得る濾布の通気性は、例えば、0.3~35 cm3/cm2・secである。また、本実施形態の洗浄方法が好適に適用され得る濾布の厚さの範囲は、例えば、0.5~20mmである。
工事濁水は、放流の前に、所定の濁水処理設備で適切に処理される。例えば、濁水処理設備では、工事濁水に炭酸ガス等による中和処理(pH処理)がされた後、凝集剤が添加され沈殿処理が施され上澄液が放流される。一方で、上記の上澄液を除いた泥状のスラッジ(主に水と微粒分との混合物)が上記のフィルタプレス装置によって脱水処理され減容化される。すなわち、フィルタプレス装置では、スラッジ中の搾り水が放流されると共に、脱水された微粒分は脱水ケーキと呼ばれる塊状物となる。脱水ケーキは、産業廃棄物として例えば埋立て処分される。なお、処分場への運搬中に脱水ケーキが泥流化しないように、脱水ケーキの含水率は約40%以下とされることが多い。
上記のようなフィルタプレス装置の一例について図3及び図4を参照しながら説明する。図3には、フィルタプレス装置1の要部が示されている。フィルタプレス装置1は、矩形板状をなす複数枚(例えば20~130枚程度)の濾枠3を備えている。濾枠3は例えば金属またはプラスチックからなり、例えば、一辺0.5~2.0m程度の正方形板状をなす。以下の説明では、濾枠3の面のうち図3,4における左側の面を表面3aとし、右側の面を裏面3bとし、下側の縁面を下縁面3cとする。図4に示されるように、濾枠3の表面3a及び裏面3bには、当該濾枠3の矩形輪郭よりもやや小さい矩形を呈する所定の深さの凹部5が設けられている。以下の説明では、濾枠3の表面3a側の凹部5を凹部5aと呼び、裏面3b側の凹部5を凹部5bと呼ぶ場合がある。
また濾枠3の中央部には円形のスラッジ注入孔7が形成されている。スラッジ注入孔7は、凹部5aの底面から凹部5bの底面まで、濾枠3を板厚方向に貫通している。また、図4(b)に示されるように、濾枠3の内部には、凹部5aの底面と下縁面3cとを接続すると共に凹部5bの底面と下縁面3cとを接続する濾液排出路3dが形成されている。なお、図4(a)においては濾液排出路3dの図示が省略されている。
フィルタプレス装置1は複数のシート状の濾布9を備えている。濾布9は、それぞれの濾枠3の表面3aと裏面3bとを覆うように、所定の取付手段(図示せず)で各濾枠3に取り付けられている。以下、濾布9のうち、濾枠3の表面3aに設置されるものを濾布9aとし、濾枠3の裏面3bに設置されるものを濾布9bとする。また、上記のように1つの濾枠3と、当該濾枠3に取り付けられた濾布9a,9bと、を合わせた物を、以下では「濾枠ユニット2」(図4参照)と呼ぶ。
濾布9は、濾枠3の矩形輪郭よりもやや大きい矩形を呈し、例えば織布等の可撓性の材料からなる。濾布9は、スラッジ中の水を透過させる一方でスラッジ中の微粒分の透過を阻止するフィルタ材である。フィルタプレス装置1の使用中においては、図4(b)に示されるように、凹部5の形状に沿った状態で、それぞれ濾枠3の表面3a及び裏面3bを覆う。濾布9の中央にはスラッジ注入孔7とほぼ同径の円形を呈する開口部11が形成されており、図4(b)に示されるように開口部11がスラッジ注入孔7に重なるように濾布9が設置される。
図3に示されるように、フィルタプレス装置1は、板厚方向に積層される複数の濾枠3と、当該濾枠3同士の間に設置される濾布9a,9bと、を備える。すなわち、フィルタプレス装置1では、上述したような濾枠ユニット2が濾枠3の板厚方向に複数(例えば20~130枚程度)積層されている。フィルタプレス装置1の運転時には、積層された複数の濾枠ユニット2が、その積層方向(濾枠3の板厚方向)に油圧シリンダで圧縮され濾枠ユニット2同士が密着される。
互いに隣接する濾枠ユニット2同士の間には、ほぼ凹部5aと凹部5bとを合わせた容積をもつ濾室15が形成される。そして、各濾室15同士が、スラッジ注入孔7及び開口部11を通じて互いに連通されている。濾室15の外周側においては、濾枠3の表面3aの外縁部と隣の濾枠3の裏面3bの外縁部との間に2枚の濾布9a,9bの外縁部が挟み込まれる。
上記のような構造のフィルタプレス装置1で行われるスラッジ脱水処理について、図5を参照し説明する。図5(a)に示されるように、まず、処理対象であるスラッジ51が、ポンプによって給液口(図示せず)からフィルタプレス装置1に導入され、各スラッジ注入孔7を通じて各濾室15に行き渡る。すべての濾室15にスラッジ51が充填された状態で、外部からポンプでスラッジ51が加圧される。そうすると、各濾室15内では、スラッジ51に含まれる水が、濾布9a,9bを透過し、濾液53として濾液排出路3dを介して下方に排出される。その一方で、スラッジ51に含まれる微粒分は、濾布9a,9bを透過せずに濾室15内に留まる。また、スラッジ51の加圧が継続されることで、濾液排出路3dから排出された濾液53に代えて新たなスラッジ51が濾室15内に継続的に供給される。
そして、濾室15内の微粒分の濃度が徐々に上昇し、最終的には、図5(b)に示されるように、濾室15内で微粒分が固まった脱水ケーキ55が形成される。また、各濾枠ユニット2のスラッジ注入孔7近傍には微粒分の濃度が比較的低い残渣が残るので、スラッジ51の加圧が停止された後、ブロア等で各スラッジ注入孔7の残渣が除去される。
その後、油圧シリンダによる濾枠3の圧縮が解除され、図5(c)に示されるように、各濾枠3が開枠されることで、濾室15内の脱水ケーキ55が下方に落下する。なお、濾枠3の開枠とは、隣接する濾枠ユニット2同士の移動により濾室15が外部に開放されることを言う。以上のようにして、スラッジ51を濾過して濾液53と脱水ケーキ55とに分離することができ、スラッジ51の減容化が図られる。なお、このようなスラッジ脱水処理は、所要時間60~90分程度のバッチ処理として実行される。
続いて、上記の濾布9の洗浄方法について説明する。上記のようなフィルタプレス装置1のスラッジ脱水処理の実行に伴って濾布9に微粒分が捕捉され、当該微粒分の蓄積により目詰まりが発生すると、濾布9による濾過速度が低下しスラッジ脱水処理の所要時間が増大する。スラッジ脱水処理の処理時間は濁水処理設備全体の稼働に及ぼす影響が大きいため、濾布9のメンテナンスが必要である。そこで、以下に説明するような洗浄方法による濾布9の洗浄が必要に応じて実行される。この洗浄方法は、次に説明する給水工程と、着氷工程と、除氷工程と、を備えている。
〔給水工程〕
給水工程では、濾枠3同士の間の濾布9a,9bが水Wを含んだ状態(水Wに濡れた状態)にされる。具体的には、図6(a)に示されるように、フィルタプレス装置1の濾枠3が開枠された状態で、濾枠3同士の間に給水ノズル21を挿入し、高圧洗浄装置や噴霧装置等を用いて濾室15の濾布9a,9bに水Wを吹付ける。濾布9a,9b上に脱水ケーキの小片が残存している場合には、当該小片が流れ落ちる程度の水量を吹付ける。また、濾布9a,9b上に脱水ケーキの小片がない場合には、濾布9a,9bが十分に水を含むといった程度の水量で十分であり、この場合、噴霧装置を用いて水Wが濾布9a,9bに向けて噴霧されてもよい。このような水Wの吹付け又は噴霧により、濾布9a,9bには水Wが浸透し、濾布9a,9bの繊維に水が入り込んだ状態となる。
〔着氷工程〕
着氷工程では、濾枠3同士の間の、水Wを含んだ濾布9a,9bに冷風Cを接触させて、濾布9a,9b上の水Wを凍結させる。具体的には、給水工程の後、図6(b)に示されるように、濾枠3同士の間に送風ノズル23を挿入し濾室15内に0℃以下の冷風Cを吹き込む。或いは、濾布9a,9bに向けて0℃以下の冷風Cを吹付けてもよい。濾布9a,9bが0℃以下の冷風Cに接触することにより、濾布9a,9bに含まれていた水Wが凍結し、濾布9a,9bに氷が付着した状態となる。
〔除氷工程〕
除氷工程では、着氷工程の後、図6(c)に示されるように、濾室15の下方に集積パレット27が設置された状態で、濾布9a,9bに外力Fを付与することで、濾布9a,9bに付着した氷を集積パレット27上に脱落させる。外力Fを付与する具体的な手法として、例えば、手動や所定の装置で濾布9a,9bを加振する、手動や所定の装置で濾布9a,9bの表面や氷Sを打撃する、手動や所定の装置で濾枠3を打撃する、所定の装置で濾布9a,9bに強風を吹付ける等の処理を実行する。また、上記の加振、打撃、風の吹付け、の処理の複数を組み合わせて実行してもよい。この外力Fにより、濾布9a,9bに付着した氷が破砕されるなどして、氷片Tとなって濾布9a,9bから脱離し集積パレット27に落下する。集積パレット27に落下した氷片Tが回収され、濾布9a,9bの洗浄が完了する。
上記のような濾布9の洗浄方法によっても、第1実施形態と同様の原理によって同様の作用効果が得られる。すなわち、濾布9の目に捕捉されていた微粒分は氷片Tに伴って濾布9から除去され、洗浄によって新たに発生する濁水も少なく抑えられる。また、集積パレット27の使用により微粒分の回収が容易であり、微粒分の逸散も抑制される。
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
例えば、第1及び第2実施形態において、フィルタ材101または濾布9(以下、「濾布9等」という)が既に十分に水を含んでいる場合には、給水工程が省略されてもよい。このような場合としては、例えば、脱水ケーキ55の排出の直後に濾布9の洗浄が実行される場合などがあり得る。また、除氷工程において、濾布9等に外力を付与することなく氷片が落下する場合には、外力を付与する処理を省略してもよい。このような場合としては、例えば、濾布9等に付着した氷の一部が時間の経過で解けることで氷と濾布9等との付着力が低下して氷が自然に脱落する場合などがあり得る。
また、第2実施形態における着氷工程では、図6(b)に示されるように、隣接する濾枠ユニット2同士を平行に離間させるように開枠して濾枠ユニット2同士の間に冷風Cが吹き込まれているが、この態様には限定されない。例えば、隣接する濾枠ユニット2の一方が他方に対して傾斜するように開枠された状態で、濾枠ユニット2同士の間隔が拡がった側から狭い側に向けて、濾枠ユニット2同士の間に冷風Cが吹き込まれてもよい。このような形態の具体例として、図7(a)に示されるように、濾枠ユニット2同士の上端側のみを離間させて、隣接する濾枠ユニット2同士が相対的に傾斜するようにしてもよい。この場合、V字状に開かれた濾室15に対して上方から冷風Cを吹き込むようにしてもよい。この形態によれば、濾室15の上方から吹き込んだ冷風Cが濾室15の下方側に漏れることが抑制され、濾室15の濾布9が効率よく冷却される。
また、同様の他の具体例として、図7(b)に示されるように、濾枠ユニット2同士の下端側のみを離間させ、逆V字状に開かれた濾室15に対して下方から冷風Cを吹き込むようにしてもよい。更に同様の他の具体例として、図7(c)に示されるように、複数の濾枠ユニット2が交互に反対方向に傾斜するようにしてもよい。この場合、図7(a)と同様のV字状に開かれた濾室15と、図7(b)と同様の逆V字状に開かれた濾室15とが交互に現われる。従って、各濾室15には、濾室15が開かれた方向に応じて、図7(a),(b)の形態に倣って上方から又は下方から冷風Cを吹き込めばよい。
また、第2実施形態における着氷工程では、例えば、図8(a),(b)に示されるように、濾枠3が開枠されない状態で濾室15内に冷風Cが吹き込まれてもよい。この場合、閉じた状態の濾室15に冷風Cが吹き込まれるので、濾室15外に漏出する冷風Cの冷気が少なく抑えられ、濾布9が効率的に冷却される。図8(a)の態様では、スラッジ注入孔7とは別に、濾室15を濾枠3の上方外部に連通させる連通孔29が濾枠3の上部に設けられている。そして、外部から送風ノズル23を連通孔29に挿通させて濾室15内に冷風Cを吹き込む。送風ノズル23が除去された状態で濾室15から冷風Cの冷気を漏出させないために、連通孔29には逆止弁が設けられてもよい。また、図8(b)の態様では、例えばフィルタプレス装置1の給液口(図示せず)を通じて送風ノズル23が挿入され、各濾枠ユニット2のスラッジ注入孔7を介して送風ノズル23が串刺し状に濾枠3の板厚方向に移動可能である。送風ノズル23が上記のように移動しながら各濾室15に対して冷風Cを吹き込む。
また、給水工程では、濾布9等の内部まで十分に水Wを浸透させるために、供給する水Wに界面活性剤またはアルカリ性電解水が混入されてもよい。また、給水工程では、濾布9等に水Wを吹付けることに代えて、濾布9等に水Wを塗布して含ませてもよい。また、着氷工程では、冷風Cに霧状の水を混合させて濾布9等に接触させてもよい。この場合、濾布9等の表面近傍で霧状の水が凍結するときに、濾布9等の表面近傍に捕捉された微粒分Pを核として氷Sが生成されるので、微粒分Pが好適に氷Sに取り込まれる。
また、第2実施形態における着氷工程では、濾室15内に冷風Cを吹き込むことに代えて、送風ノズル23を濾布9に向けて冷風Cを直接濾布9に吹付けてもよい。また、着氷工程では、図9に示されるように、送風ノズル23の先端に例えば半球状のカバー24を設けて冷風Cが濾布9等に集中的に接触し易いようにしてもよい。また、除氷工程では、吸引装置によって濾布9等から直接氷片Tを吸引回収してもよい。
1…フィルタプレス装置(分離装置)、3…濾枠、7…スラッジ注入孔、9,9a,9b…濾布(フィルタ材)、15…濾室、29…連通孔、51…スラッジ(流体)。101…フィルタ材、P…微粒分(固体成分)、C…冷風、S…氷、W…水、F…外力。

Claims (9)

  1. 流体に混入した固体成分を前記流体から分離除去する分離装置に適用され、前記流体を透過させると共に前記固体成分の透過を阻止するフィルタ材を洗浄する洗浄方法であって、
    前記分離装置は、複数の濾枠と、当該濾枠同士の間に設置され前記フィルタ材である濾布と、を備えるフィルタプレス装置であり、
    前記濾布上に氷を発生させる着氷工程と、
    前記氷が氷片として前記濾布から除去される除氷工程と、を備える洗浄方法。
  2. 前記着氷工程の前に、前記着氷工程で凍結させるためのを前記濾布に供給する給水工程を更に備える、請求項記載の洗浄方法。
  3. 前記着氷工程では、
    水を含んだ前記濾布に冷風が接触して、前記濾布上の前記水が凍結する、請求項1又は2に記載の洗浄方法。
  4. 前記除氷工程では、
    前記濾布に付与された外力によって前記濾布から前記氷が脱落する、請求項1又は2に記載の洗浄方法。
  5. 前記着氷工程では、
    前記濾枠同士の間に位置し水を含んだ前記濾布に冷風を接触させて、前記濾布上の前記水を凍結させて前記濾布上に氷を発生させる、請求項1に記載の洗浄方法。
  6. 前記フィルタプレス装置は、互いに隣接する前記濾枠同士の間に形成される濾室に対して処理対象のスラッジを導入するスラッジ注入孔を備えており、
    前記着氷工程では、前記スラッジ注入孔を通じて前記濾室に前記冷風が吹き込まれる、請求項5に記載の洗浄方法。
  7. 前記フィルタプレス装置は、互いに隣接する前記濾枠同士の間に形成される濾室を外部に連通させる連通孔を備えており、
    前記着氷工程では、前記連通孔を通じて前記濾室に前記冷風が吹き込まれる、請求項5に記載の洗浄方法。
  8. 前記着氷工程では、隣接する前記濾枠の一方が他方に対して傾斜するように開枠された状態で、前記濾枠同士の間に形成される濾室に前記冷風が吹き込まれる、請求項5に記載の洗浄方法。
  9. 前記外力は、
    前記濾布が加振される、前記濾枠もしくは前記濾布が打撃される、または、前記濾布に風が吹付けられる、ことにより前記濾布に付与される、請求項に記載の洗浄方法。
JP2020025016A 2020-02-18 2020-02-18 洗浄方法 Active JP7291647B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020025016A JP7291647B2 (ja) 2020-02-18 2020-02-18 洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020025016A JP7291647B2 (ja) 2020-02-18 2020-02-18 洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021130065A JP2021130065A (ja) 2021-09-09
JP7291647B2 true JP7291647B2 (ja) 2023-06-15

Family

ID=77551731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020025016A Active JP7291647B2 (ja) 2020-02-18 2020-02-18 洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7291647B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001269554A (ja) 2000-03-27 2001-10-02 Japan Organo Co Ltd 金属膜ろ過装置および水処理方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001269554A (ja) 2000-03-27 2001-10-02 Japan Organo Co Ltd 金属膜ろ過装置および水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021130065A (ja) 2021-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8357292B2 (en) Water treatment system for surface cleaning apparatus
KR102289956B1 (ko) 폐가스 정화능력이 향상된 습식 세정탑
KR20060110982A (ko) 야채 세척기
CN112955241B (zh) 压滤机的滤布清洗方法
JP7291647B2 (ja) 洗浄方法
JPH07303882A (ja) スカム除去・処理設備
JPH09825A (ja) 液体処理装置
CN214516334U (zh) 茶叶水洗生产线
JP4906936B2 (ja) 濾材の洗浄システム及び濾材の洗浄方法
JP2000279715A (ja) 固液分離装置
JP6054779B2 (ja) ベルトプレス型脱水装置
KR200194148Y1 (ko) 벨트 프레스
JP7129626B2 (ja) フィルタープレスのろ布洗浄方法
JP2001000808A (ja) 濾過脱水装置
JP3997411B2 (ja) 排水性舗装の機能回復装置
JP4267773B2 (ja) 汚泥の濾過脱水器
KR100913157B1 (ko) 탈지설비의 탈지용액 내 이물질 제거장치
JP2012192369A (ja) フィルタ洗浄装置
CN112827921A (zh) 茶叶水洗生产线及其水洗方法
JPH0871551A (ja) スカム除去装置およびスカム除去・処理設備
KR102450001B1 (ko) 다양한 종류의 물을 열교환용수로 사용하는 필터의 이물질 제거구조
JP7152064B1 (ja) 洗濯方法
KR102472879B1 (ko) 벨트컨베이어의 습식 벨트세정장치
JPH1094706A (ja) 濾過装置
JPH07927A (ja) 洗浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7291647

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150