JP7291118B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は積層体に関する。
近年、電子及び電気機器の小型化及び高性能化が進行しており、電子部品の実装密度が高くなっている。このため、狭いスペースの中で電子部品から発生する熱を、如何に放熱するかが問題となっている。電子部品から発生した熱は、電子及び電気機器の信頼性に直結するので、発生した熱の効率的な放散が緊急の課題となっている。
上記の課題を解決する一つの手段としては、パワー半導体デバイス等を実装する放熱基板に、高い熱伝導性を有するセラミックス基板を用いる手段が挙げられる。このようなセラミックス基板としては、アルミナ基板及び窒化アルミニウム基板等が挙げられる。
しかしながら、上記セラミックス基板を用いる手段では、多層化が困難であり、加工性が悪く、コストが非常に高いという課題がある。さらに、セラミックス基板と銅回路との線膨張係数の差が大きいので、冷熱サイクル時に銅回路が剥がれやすいという課題もある。
そこで、線膨張係数が低い窒化ホウ素、特に六方晶窒化ホウ素を用いた樹脂組成物が、放熱材料として注目されている。六方晶窒化ホウ素の結晶構造は、グラファイトに類似した六角網目の層状構造であり、六方晶窒化ホウ素の粒子形状は、鱗片状である。このため、六方晶窒化ホウ素は、面方向の熱伝導率が厚さ方向の熱伝導率よりも高く、かつ熱伝導率に異方性があることが知られている。
六方晶窒化ホウ素の熱伝導率の異方性を低減し、厚さ方向の熱伝導率を向上させる方法として、六方晶窒化ホウ素の一次粒子を凝集させた二次凝集粒子(窒化ホウ素凝集粒子)を用いることが提案されている。例えば、特許文献1~3には、窒化ホウ素凝集粒子を用いた樹脂組成物が開示されている。
特許文献1には、熱硬化性樹脂中に、無機充填材を含有する熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記無機充填材は、平均長径が8μm以下の窒化ホウ素の一次粒子から構成される二次凝集体(A)と、平均長径が8μmを超え、20μm以下の窒化ホウ素の一次粒子から構成される二次凝集体(B)とを40:60~98:2の体積比で含む。上記無機充填材の含有量は、40体積%以上、80体積%以下である。
特許文献2には、異なる圧縮破壊強度をもつ2種のフィラー(ただし、2種のフィラーは同一物質である場合は除く)と、硬化性樹脂(C)とを含む硬化性放熱組成物が開示されている。上記2種のフィラーの圧縮破壊強度比(圧縮破壊強度が大きいフィラー(A)の圧縮破壊強度/圧縮破壊強度が小さいフィラー(B)の圧縮破壊強度)は、5以上、1500以下である。上記フィラー(B)は、六方晶窒化ホウ素凝集粒子である。
特許文献3には、熱硬化性樹脂及び無機充填剤を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。上記無機充填剤は、10以上、20以下のアスペクト比を有する窒化ホウ素の一次粒子から形成される二次粒子(A)と、2以上、9以下のアスペクト比を有する窒化ホウ素の一次粒子から形成される二次粒子(B)とを含む。
特開2011-6586号公報 WO2013/145961A1 WO2014/199650A1
特許文献1~3に記載のような従来の窒化ホウ素凝集粒子を用いた硬化性組成物では、窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導率の等方性を維持するために、シート成形等のプレス時に、プレスによって窒化ホウ素凝集粒子を崩壊等させない必要がある。このため、窒化ホウ素凝集粒子間に空隙が残存することがある。結果として、厚さ方向の熱伝導性を向上させることはできるものの、絶縁性が低下することがある。
以上から、本発明は、良好な熱伝導性を有しながら、高い絶縁性をも有する積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 金属ベース板と、エポキシ樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物層と、金属板とをこの順に有する積層体であって、前記樹脂組成物層の断面において、積層体の厚さ方向に対する長軸方向の角度が10°以上である空隙の頻度が95%以上である積層体。
[2] 前記無機充填材が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する板状無機粒子を含む[1]に記載の積層体。
[3] 前記無機充填材が、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bを含み、前記板状無機粒子、前記無機粒子A、及び前記無機粒子Bのいずれか1以上が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する[1]に記載の積層体。
[4] 前記無機粒子Aが、アスペクト比が2以下である[3]に記載の積層体。
[5] 前記無機充填材における前記板状無機粒子の含有量が1~100体積%である[2]~[4]のいずれかに記載の積層体。
[6] 前記板状無機粒子が窒化ホウ素である[2]~[5]のいずれかに記載の積層体。
[7] 前記板状無機粒子が凝集粒子である[2]~[6]のいずれかに記載の積層体。
[8] 前記無機粒子Bの20%圧縮時における圧縮強度が前記板状無機粒子よりも大きい[3]~[7]のいずれかに記載の積層体。
[9] 前記無機粒子Bが窒化ホウ素である[3]~[8]のいずれかに記載の積層体。
[10] 前記樹脂組成物層が少なくとも2層からなり、前記金属ベース板側から第1の樹脂組成物層及び第2の樹脂組成物層をこの順に有し、前記第1の樹脂組成物層が前記板状無機粒子を含み、前記第2の樹脂組成物層が前記無機粒子A及び前記無機粒子Bを含む[3]~[9]のいずれかに記載の積層体。
[11] 前記第1の樹脂組成物層がさらに無機粒子Aを含む[10]に記載の積層体。
[12] 金属ベース板と、エポキシ樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物層と、金属板とをこの順に有する積層体であって、前記樹脂組成物層の断面において、長軸方向の長さが10μm以上の空隙の頻度が5%以下である積層体。
本発明によれば、良好な熱伝導性を有しながら、高い絶縁性をも有する積層体を提供することができる。
積層体の厚さ方向に対する空隙の長軸方向の角度を説明する説明図である。 本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層体を模式的に示す断面図である。 実施例1で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 実施例2で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 実施例3で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 比較例1で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 実施例4で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 実施例5で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 実施例6で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 比較例2で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。 比較例3で作製した積層体の樹脂組成物層の断面写真である。
本発明の積層体は、金属ベース板と、エポキシ樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物層と、金属板とをこの順に有し、下記(A)又は(B)の要件を満たし、好ましくは(A)及び(B)の両方を満たす。
(A)樹脂組成物層の断面において、積層体の厚さ方向に対する長軸方向の角度が10°以上である空隙の頻度が95%以上となっている。
(B)樹脂組成物層の断面において、長軸方向の長さが10μm以上の空隙の頻度が5%以下となっている。
なお、(A)及び(B)は、樹脂組成物層の断面を画像解析して求める。
画像解析により空隙率の面積割合を求めるには、まず、SEM観察にて得られた樹脂組成物層の断面画像に対し、必要に応じて、例えば画像処理ソフトウェアを用いて正規化処理を行う。次に、例えばメディアンフィルター処理を行った上で256階調のうち閾値75以下の領域を空隙とみなす。
なお、閾値75以下の領域の割合を求めることで、空隙率の面積割合を求めることができる。画像処理のフィルタ選択については空隙部分とその他の部分のコントラストを明確に区別できれば良く、例えば移動平均フィルタ等既知のノイズ除去フィルタを用いることもできる。
次に、その空隙に対して楕円近似を行う。そして、図1に示すように、積層体の厚さ方向L10に対する長軸方向L12の角度θを求める。また、長軸方向L12の長さを長径として算出する。
なお、具体的な画像解析方法については実施例に記載のとおりである。
ここで、積層体の厚さ方向に対する長軸方向の角度が10°以上である空隙の頻度を95%としたり、長軸方向の長さが10μm以上の空隙の頻度を5%以下としたりするには、例えば、金属ベース板と樹脂組成物層と金属板とを積層した後に行うプレス処理において、ある程度高めの圧力(例えば、180~210℃で8~25MPa程度の圧力)を加えることが好ましい。
空隙は充填材とエポキシ樹脂との界面に沿って発生しやすいと考えられるが、このようなプレス処理により、樹脂組成物中に存在する無機充填材のうち、長軸の向きが厚み方向に平行な無機充填材から、厚み方向に垂直な無機充填材まで存在することから、空隙が発生した際の空隙の傾きが種々混在するようになり、熱伝導性とともに絶縁性が高くなると推察される。
また、長軸方向の長さが10μm以上の空隙の頻度が5%以下であるということは、空隙の成長が無機充填材により抑えられていることを示していると推察され、その結果熱伝導性とともに絶縁性が高くなると推察される。
さらに、樹脂組成物層の断面における空隙率は、面積割合で0.25%以下であることが好ましく、0.09%以下であることがより好ましく、0.08%以下がさらに好ましく、0.05%以下がよりさらに好ましい。0.09%以下であることで、高い熱伝導性を有しながら絶縁性をも高くすることができる。反りが発生した時に剥離しにくいという観点から、空隙率の面積割合は0.00001%以上が好ましい。
以下、本発明の積層体に係る樹脂組成物層、金属ベース板、及び金属板等について説明する。
(樹脂組成物層)
樹脂組成物層には、エポキシ樹脂及び無機充填材が含まれる。無機充填材は熱伝導性を有することが好ましい。
ここで、無機充填材としては、板状無機粒子を含むことが好ましく、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bを含むことがより好ましい。少なくとも板状無機粒子を含むことで、長軸の向きが厚み方向に平行な板状無機粒子と長軸の向きが厚み方向に垂直な板状無機粒子とがバランスよく混在するようになり、熱伝導性とともに絶縁性を高くすることができる。
無機充填材は、少なくとも1種が10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。例えば、板状無機粒子だけを含む場合は、当該板状無機粒子は10W/(m・K)以上の熱伝導率を有し、また、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bの3種類を含む場合は、これらのいずれか1種以上が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する。
上記のように、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bのいずれか1種以上が10W/(m・K)以上の熱伝導率を有することが好ましく、すべてが10W/(m・K)以上の熱伝導率を有することが好ましい。これにより、樹脂組成物層の熱伝導性を高めることができる。熱伝導率は、15W/(m・K)以上であることがより好ましく、20W/m・K(m・K)以上であることがさらに好ましい。熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率が300W/(m・K)程度の無機充填材は広く知られており、また熱伝導率200W/(m・K)程度の無機充填材については容易に入手できる。
なお、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bは、少なくとも組成、形状、及び圧縮強度のいずれか1以上が相違している。例えば、板状無機粒子及び無機粒子Bが窒化ホウ素の場合は、その形状として20%圧縮時における圧縮強度が相違していればよく、又は、一次粒子の平均長径が相違していればよい。
板状無機粒子としては、窒化ホウ素であることが好ましく、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ホウ素化合物とアンモニアとの還元窒化法により作製された窒化ホウ素、ホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とから作製された窒化ホウ素、及び、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムとから作製された窒化ホウ素等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記窒化ホウ素は、六方晶窒化ホウ素であることが好ましい。
絶縁性と熱伝導性とをより一層効果的に高める観点からは、板状無機粒子は、板状の窒化ホウ素凝集粒子であることが好ましい。窒化ホウ素凝集粒子とは、窒化ホウ素の一次粒子を凝集させた二次粒子である。
上記窒化ホウ素凝集粒子の製造方法としては特に限定されず、噴霧乾燥方法及び流動層造粒方法等が挙げられる。窒化ホウ素凝集粒子の製造方法は、噴霧乾燥(スプレードライとも呼ばれる)方法であることが好ましい。噴霧乾燥方法は、スプレー方式によって、二流体ノズル方式、ディスク方式(ロータリ方式とも呼ばれる)、及び超音波ノズル方式等に分類でき、これらのどの方式でも適用できる。全細孔容積をより一層容易に制御できる観点から、超音波ノズル方式が好ましい。
窒化ホウ素凝集粒子は、窒化ホウ素の一次粒子を材料として製造されることが好ましい。窒化ホウ素凝集粒子の材料となる窒化ホウ素としては特に限定されず、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ホウ素化合物とアンモニアとの還元窒化法により作製された窒化ホウ素、ホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とから作製された窒化ホウ素、及び、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムとから作製された窒化ホウ素等が挙げられる。窒化ホウ素凝集粒子の熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、窒化ホウ素凝集粒子の材料となる窒化ホウ素は、六方晶窒化ホウ素であることが好ましい。
また、窒化ホウ素凝集粒子の製造方法としては、必ずしも造粒工程は必要ではない。窒化ホウ素の結晶の成長に伴い、窒化ホウ素の一次粒子が自然に集結することで形成された窒化ホウ素凝集粒子であってもよい。また、窒化ホウ素凝集粒子の粒子径をそろえるために、粉砕した窒化ホウ素凝集粒子であってもよい。
板状無機粒子の20%の圧縮時における圧縮強度は、0.8~2.5N/mm以下であることが好ましく、1.0~2.0N/mmであることがより好ましい。0.8~2.5N/mmであることで、プレス時に容易に解砕させることができ形状が変形することによりフィラー界面に存在する空気を押し出すことができ、更に絶縁性を高めることができる。
なお、板状無機粒子の圧縮強度は比較的小さいため、プレス処理によって崩壊して空隙が発生しやすくなるが、既述のとおり、ある程度高めの圧力でプレス処理することで空隙率を低く保ち、熱伝導性及び絶縁性を良好にすることができる。
本発明において圧縮強度は、以下のようにして測定できる。
まず、微小圧縮試験機を用いて、ダイヤモンド製の角柱を圧縮部材として、該圧縮部材の平滑端面を無機充填材に向かって降下させ、無機充填材を圧縮する。測定結果として圧縮荷重値と圧縮変位の関係が得られるが、圧縮荷重値を無機充填材の粒子径を用いて算出した平均断面積を用いて単位面積当たりの圧縮荷重値を算出し、これを圧縮強度とする。また、圧縮変位と無機充填材の粒子径とから、圧縮率を算出し、圧縮強度と圧縮率との関係を得る。測定する無機充填材は顕微鏡を用いて観察し、粒子径±10%の粒子径を有する無機充填材を選出して測定する。また、それぞれの圧縮率における圧縮強度は、20回の測定結果を平均した平均圧縮強度として算出する。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー・インストルメンツ社製「微小圧縮試験機 HM2000」等が用いられる。また、圧縮率は(圧縮率=圧縮変位÷平均粒子径×100)で算出できる。
板状無機粒子のアスペクト比は3以上であることが好ましく、4~6であることがより好ましい。3以上であることで、凝集窒化ホウ素の一次粒子の長径が長くなり、熱伝導性を維持することができる。
本発明において、アスペクト比は、長径/短径を意味する。本明細書において、アスペクト比は平均アスペクト比であり、具体的には、任意に選択された50個の粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各粒子の長径/短径の平均値を算出することにより求められる。
また、板状無機粒子の一次粒子において、その長径の平均である平均長径は、熱伝導率を好適に高めるという観点から、2.5~30.0μmであることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。なお、平均長径は、既述のアスペクト比の測定において求められる長径100個の平均をいう。
絶縁性と熱伝導性とをより一層効果的に高める観点からは、板状無機粒子の平均粒子径は、5~100μmであることが好ましく、20~80μmであることがより好ましい。
本発明において平均粒子径は、体積基準での粒子径を平均した平均粒子径であることが好ましい。平均粒子径は、堀場製作所社製「レーザー回折式粒度分布測定装置」を用いて測定することができる。平均粒子径の算出方法については、累積体積が50%であるときの無機充填材の粒子径(d50)を平均粒子径として採用することが好ましい。
無機粒子Aとしては、アルミナ、合成マグネサイト、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、マイカ、及びハイドロタルサイト等が挙げられる。なかでも、アルミナ(特に、球状アルミナ、破砕アルミナ)及び球状の窒化アルミニウムであることが好ましく、球状アルミナがより好ましい。これらの使用により、放熱性をより一層高めることができる。
無機粒子Aのアスペクト比は2以下であることが好ましく、0.1~1.9であることがより好ましい。アスペクト比が2以下であることで、塗工時に回転しやすくなり無機粒子B、板状無機粒子間の隙間に入り込むことができる。
絶縁性と熱伝導性とをより一層効果的に高める観点からは、無機粒子Aの平均粒子径は、0.1~20μmであることが好ましく、0.3~18μmであることがより好ましい。
無機粒子Bとしては、窒化ホウ素であることが好ましく、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、ホウ素化合物とアンモニアとの還元窒化法により作製された窒化ホウ素、ホウ素化合物とメラミン等の含窒素化合物とから作製された窒化ホウ素、及び、ホウ水素ナトリウムと塩化アンモニウムとから作製された窒化ホウ素等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、上記窒化ホウ素は、六方晶窒化ホウ素であることが好ましい。
絶縁性と熱伝導性とをより一層効果的に高める観点からは、無機粒子Bは、窒化ホウ素凝集粒子であることが好ましい。当該窒化ホウ素凝集粒子については、板状無機粒子と同様である。
無機粒子Bのアスペクト比は3以上であることが好ましく、4~10であることがより好ましい。3以上であることで、凝集窒化ホウ素の一次粒子の長径が長くなり、熱伝導性を維持することができる。
無機粒子Bの20%の圧縮時における圧縮強度は、2~15N/mmであることが好ましく、2.5~13N/mmであることがより好ましい。2~15N/mmであることで、プレス時に解砕せずに形状を維持することができ、熱伝導性を維持することができる。
また、無機粒子Bの一次粒子の平均長径は、充填性を向上させ、好適に熱伝導率を向上させるという観点から、0.5~15μmであることが好ましく、0.8~13μmであることがより好ましい。
絶縁性と熱伝導性とをより一層効果的に高める観点からは、無機粒子Bの平均粒子径は、20~90μmであることが好ましく、30~70μmであることがより好ましい。
無機充填材における板状無機粒子の含有量は1~100体積%であることが好ましい。1~100体積%であることで、効率的に熱伝導率を高めることができる。板状無機粒子の含有量は3体積%以上であることがより好ましく、30体積%以上であることがさらに好ましく、また、90体積%以下であることがより好ましい。
また、無機充填材における無機粒子Aの含有量は1~50体積%であることが好ましく、3~45体積%であることがより好ましい。さらに、無機充填材における無機粒子Bの含有量は1~90体積%であることが好ましく、3~85体積%であることがより好ましい。
また、樹脂組成物層における無機充填材の含有量は、20~90体積%であることが好ましく、30~80体積%であることがより好ましい。
無機粒子Bの20%圧縮時における圧縮強度は板状無機粒子の20%圧縮時における圧縮強度よりも大きいことが好ましく、1.5N/mm以上大きいことがより好ましい。
エポキシ樹脂は、エポキシ化合物と熱硬化剤とを反応させて得られる。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物は、ビスフェノールA型エポキシ化合物であることが好ましい。
熱硬化剤としては、上記エポキシ化合物のエポキシ基と反応可能な官能基を有していれば特に限定されず、シアネートエステル化合物(シアネートエステル硬化剤)、フェノール化合物(フェノール熱硬化剤)、アミン化合物(アミン熱硬化剤)、チオール化合物(チオール熱硬化剤)、イミダゾール化合物、ホスフィン化合物、酸無水物、活性エステル化合物及びジシアンジアミド等が挙げられる。
シアネートエステル化合物としては、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂、並びにこれらが一部三量化されたプレポリマー等が挙げられる。上記ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂及びアルキルフェノール型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネートエステル樹脂としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂及びテトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
シアネートエステル化合物の市販品としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製「PT-30」及び「PT-60」)、及びビスフェノール型シアネートエステル樹脂が三量化されたプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA-230S」、「BA-3000S」、「BTP-1000S」及び「BTP-6020S」)等が挙げられる。
フェノール化合物としては、ノボラック型フェノール、ビフェノール型フェノール、ナフタレン型フェノール、ジシクロペンタジエン型フェノール、アラルキル型フェノール及びジシクロペンタジエン型フェノール等が挙げられる。
フェノール化合物の市販品としては、ノボラック型フェノール(DIC社製「TD-2091」)、ビフェニルノボラック型フェノール(明和化成社製「MEHC-7851」)、アラルキル型フェノール化合物(明和化成社製「MEH-7800」)、並びにアミノトリアジン骨格を有するフェノール(DIC社製「LA1356」及び「LA3018-50P」)等が挙げられる。
エポキシ化合物と反応させるための熱硬化剤の配合量は適宜選択されるが、エポキシ化合物100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは質重量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。
エポキシ化合物と熱硬化剤とを反応させて得られるエポキシ樹脂は、樹脂組成物層中5~80体積%含有されていることが好ましく、10~70体積%含有されていることが好ましい。5~80体積%含有されていることで、接着性と絶縁性を一層効果的に高めることができる。
樹脂組成物層は、上述した成分の他に、分散剤、キレート剤、酸化防止剤等の他の成分を含んでいてもよい。
また、樹脂組成物層は、既述の無機充填材、エポキシ化合物、熱硬化剤等を含む樹脂組成物を半硬化若しくは硬化させて形成される。この樹脂組成物は、その粘度を調整する観点から、溶剤を含有することができる。溶剤としては、特に限定されることはなく、例えば、トルエンやメチルエチルケトン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(金属ベース板、金属板)
金属ベース板及び金属板はそれぞれ熱伝導体としての機能を発揮するため、その熱伝導率は、好ましくは10W/(m・K)以上であることが好ましい。これらに用いる材料としては、アルミニウム、銅、金、銀、及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性をより一層効果的に高める観点からは、アルミニウム、銅、又は金であることが好ましく、アルミニウム又は銅であることがより好ましい。
金属ベース板の厚みは、0.1~5mmであることが好ましく、金属板の厚みは、10~900μmであることが好ましい。なお、金属板としては、銅板のような板や銅箔のような箔の場合も含む。
本発明の積層体は、樹脂組成物層が1層の構成でも、第1の樹脂層及び第2の樹脂層のように、樹脂組成物層が少なくとも2層からなる構成でもよい。樹脂組成物層が1層の構成としては図1に示すように、金属板12と金属ベース板16との間に1層の樹脂組成物層14を含む構成が挙げられる。
この場合、樹脂組成物層の厚みは、30~550μmであることが好ましく、50~500μmであることがより好ましい。
また、樹脂組成物層が2層の構成としては図2に示すように、金属板22と金属ベース板26との間に金属ベース板26側から樹脂組成物層24A(第1の樹脂層)及び樹脂組成物層24B(第2の樹脂層)をこの順に有する樹脂組成物層24を含む構成が挙げられる。少なくとも2層の構成とすることで、各層に用途に応じた機能を付与することができる。
樹脂組成物層が2層の構成となっている場合、樹脂組成物層24Aが板状無機粒子を含み、樹脂組成物層24Bが無機粒子A及び無機粒子Bを含んでいてよく、又は、樹脂組成物層24Aが無機粒子A及び無機粒子Bを含み、樹脂組成物層24Bが板状無機粒子を含んでいてもよい。
好ましくは、樹脂組成物層24Aに板状無機粒子を含有する構成が挙げられ、より好ましくは、樹脂組成物層24Aに板状無機粒子を含有させ、樹脂組成物層24Bに無機粒子A及び無機粒子Bを含有させた構成が挙げられる。
そして、板状無機粒子及び無機粒子Bを窒化ホウ素凝集粒子とし、無機粒子Aをアルミナ粒子とし、板状無機粒子の20%圧縮強度が無機粒子Bの20%圧縮強度より低くすると、熱伝導率及び絶縁性をより良好としながら、金属板22と樹脂組成物層24Bとの密着性を向上させることができる。
樹脂組成物層24Aに板状無機粒子を含有させ、樹脂組成物層24Bに無機粒子A及び無機粒子Bを含有させた構成の場合、樹脂組成物層24A中の板状無機粒子の含有量は、3~90体積%であることが好ましく、5~85体積%であることが好ましい。このとき、エポキシ樹脂は、5~60体積%であることが好ましく、10~50体積%であることが好ましい。
また、樹脂組成物層24B中の無機粒子Aの含有量は、1~60体積%であることが好ましく、3~50体積%であることが好ましい。無機粒子Bの含有量は、1~90体積%であることが好ましく、3~85体積%であることが好ましい。このとき、エポキシ樹脂は、5~60体積%であることが好ましく、10~50体積%であることが好ましい。
さらに、樹脂組成物層24Aに板状無機粒子を含有させる構成では、さらに無機粒子Aを含有させることが好ましい。樹脂組成物層24Aに板状無機粒子と無機粒子Aとが共存することで、板状無機粒子と板状無機粒子との間から発生した空隙(クラック)の進行が無機粒子Aで止まり、結果として空隙率をより低くしたり、空隙の長軸方向の長さをより短くしたりすることができる。
このときの板状無機粒子と無機粒子Aとの体積比は、板状無機粒子/無機粒子Aで算出した時に、1~30であることが好ましく、2~25であることがより好ましい。
なお、樹脂組成物層が2層の構成となっている場合でも、板状無機粒子、無機粒子A、無機粒子Bを含む無機充填材の各層における合計含有量、エポキシ樹脂の各層における合計含有量は、樹脂組成物層が1層の場合と同様である。
樹脂組成物層が2層の構成となっている場合の金属ベース板側にある樹脂組成物層24Aの厚みは20~400μmであることが好ましく、50~350μmであることがより好ましい。金属板側にある樹脂組成物層24Bの厚みは10~150μmであることが好ましく、20~130μmであることがより好ましい。
なお、樹脂組成物層が2層の構成となっている場合のそれぞれの層の厚みの合計は、30~550μmであることが好ましく、50~500μmであることがより好ましい。
樹脂組成物層が1層の構成の場合、当該積層体は、例えば、金属ベース板上に樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させた後、金属板を貼り合わせ、ある程度高めの圧力(例えば、180~210℃で8~25MPa程度の圧力)を加えるプレス処理を行って製造することができる。また、樹脂組成物からなるシートの両面を金属ベース板と金属板とでそれぞれ挟み、上記プレス処理を行って製造することもできる。
また、樹脂組成物層が2層の構成の場合、当該積層体は、例えば、金属ベース板上に第1の樹脂組成物層となる樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させた後、さらにその上に、第2の樹脂組成物層となる樹脂組成物を塗布して、必要に応じて半硬化させる。その後、金属板を貼り合わせ、上記プレス処理を行って製造することができる。また、第1の樹脂組成物層となる樹脂組成物からなるシートと第2の樹脂組成物層となる樹脂組成物からなるシートとの積層シートの両面を金属ベース板と金属板とでそれぞれ挟み、上記プレス処理を行って製造することもできる。
以上のような本発明の積層体は、例えば、電子機器において、発熱部品と放熱部品との間に配置され、CPUとフィンとの間に設置される放熱体、又は電気自動車のインバーター等で利用されるパワーカードの放熱体として用いられる。また、本発明の積層体の金属板をエッチング等の手法により回路形成することで、絶縁回路基板として用いることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(樹脂組成物の作製)
(1)樹脂組成物A:
凝集窒化ホウ素粒子(UHP-G1H、昭和電工社製)38.3体積%、アルミナ粒子(AS50、昭和電工社製)24.9体積%、エポキシ化合物(YD127、新日鉄住金社製)33.2体積%、硬化剤(2P4MZ、四国化成社製)2.0体積%、分散剤(KBM403、信越シリコーン社製)1.6体積%となるよう混合し、樹脂組成物Aを得た。なお、上記凝集窒化ホウ素粒子の20%圧縮強度は4.2N/mmであった。上記アルミナ粒子のアスペクト比は2であった。
(2)樹脂組成物B:
凝集窒化ホウ素粒子(HP-40、水島合金属社製、20%圧縮強度1.7N/mm)67.5体積%、エポキシ化合物(YD127、新日鉄住金社製社製)29.3体積%、硬化剤(2P4MZ、四国化成社製社製)2.0体積%、分散剤(KBM403、信越シリコーン社製)1.2体積%となるように混合し、樹脂組成物Bを得た。
(3)樹脂組成物C:
凝集窒化ホウ素粒子(HP-40、水島合金属社製)64.7体積%、アルミナ(AS50、昭和電工社製)5.0体積%、エポキシ化合物(YD127、新日鉄住金社製社製)27.2体積%、分散材(KBM403、信越シリコーン社製)1.4体積%、硬化剤(2P4MZ、四国化成社製社製)1.7体積%となるよう混合し、樹脂組成物Cを得た。
[実施例1]
樹脂組成物Aを離型PETシート(厚み40μm)上に、厚み80μmになるように塗布した。また、樹脂組成物Bを離型PETシート(厚み40μm)上に、厚み300μmになるように塗布した。これらを50℃のオーブン内で10分間乾燥させて仮硬化させた。次に、仮硬化した上記シートを離型PETシートが外側となるように積層してから離型PETシートを剥がして、その両面を銅箔(厚み40μm)とアルミニウム板(厚み1.0mm)とでそれぞれ挟み、温度110℃で30分加熱し仮硬化させ、硬化前シートを得た。なお、銅箔側には樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Bを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
得られた硬化前シートを、温度195℃、圧力を8MPaの条件で60分間真空プレスすることにより、積層体(熱伝導シート)を得た。
[実施例2]
樹脂組成物Bの代わりに樹脂組成物Cを使用した以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。なお、当該積層体は、銅箔側に樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Cを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
[実施例3]
樹脂組成物Bの代わりに樹脂組成物Cを使用し、圧力を13Mpaの条件でプレスしたこと以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。なお、当該積層体は、銅箔側に樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Cを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
[実施例4]
樹脂組成物Bの代わりに樹脂組成物Cを使用し、圧力を15Mpaの条件でプレスしたこと以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。なお、当該積層体は、銅箔側に樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Cを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
[実施例5]
樹脂組成物Bの代わりに樹脂組成物Cを使用し、圧力を20Mpaの条件でプレスしたこと以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。なお、当該積層体は、銅箔側に樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Cを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
[実施例6]
樹脂組成物Bの代わりに樹脂組成物Cを使用し、圧力を25Mpaの条件でプレスしたこと以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。なお、当該積層体は、銅箔側に樹脂組成物Aを含む層(第2の樹脂組成物層)が形成され、アルミニウム板側には樹脂組成物Cを含む層(第1の樹脂組成物層)が形成されている。
[比較例1]
真空プレスの際の圧力を8MPaから4MPaに変更した以外は実施例1と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。
[比較例2]
真空プレスの際の圧力を8MPaから5MPaに変更した以外は実施例2と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。
[比較例3]
真空プレスの際の圧力を8MPaから6MPaに変更した以外は実施例2と同様にして積層体(熱伝導シート)を得た。
(断面観察:空隙率、空隙の傾斜角度、空隙の長軸方向の長さ)
実施例及び比較例の各積層体を285℃で5分保持した後、10×10mmにカットし、得られたサンプルの断面を研磨紙にて表面平滑化し、クロスセクションポリッシャ(日本電子株式会社制「IB-19520CCP」)にて観察面を作製した。このとき、10×10mmの面に対して垂直な面を断面とし、観察面を作製した。その後、断面をPtイオンスパッタ―(E-1045、日立ハイテクノロジーズ製)にてスパッタして得られた観察面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いてシート全体が入るように500倍及びPixelSize198.4に調整し、断面画像を得た。実施例1、2、3、4、5、6、比較例1、2、3のそれぞれの断面写真を図3~12に示す。なお、いずれの断面写真においても、上側が銅箔側であり、下側がアルミニウム板側であり、アルミニウム板側にある第1の樹脂組成物層中には空隙が確認された。
この画像に対して画像処理及び解析を行った。「Avizo9.2」(Thermo Fisher Scientific社製)によりメディアンフィルター処理(1pixel)を行った上で256階調のうち閾値75以下の領域をクラックとみなし、閾値75以下の領域の割合を求めることで、空隙の面積率(空隙率)を求めた。結果を下記表1、表2に示す。
そして、この空隙全てに対して「Avizo9.2」上で楕円近似を行い、積層体の厚さ方向に対する長軸方向の角度(傾斜角度:θ)を求め、傾斜角度が10°以上の空隙の頻度(割合)を求めた。
また、上記空隙100個に対して長軸方向の長さも長径として算出し、長径が10μm以上の空隙の頻度(割合)を求めた。結果を下記表1、表2に示す。
[評価]
(熱伝導率の測定)
実施例及び比較例の各積層体を1cm角にカットした後に、両面にカーボンブラックをスプレーした測定サンプルを用いて、レーザーフラッシュ法により熱伝導率の測定の測定を行った。結果を下記表1、表2に示す。
(BDV測定)
実施例及び比較例の各積層体を100×100mmの大きさに切りだしてサンプルを得た。得られたサンプルをエッチングし、銅箔側にパターン電極を作製の後、50℃オーブンにて60分間保持して、テストサンプルを得た。285℃で5分間保持した後、耐電圧試験器(EXTECH Electronics社製「MODEL7473」)を用いて、テストサンプル間に0.5kV/minの速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。テストサンプルが破壊した電圧を絶縁破壊電圧(BDV)とした。結果を下記表1、表2に示す。
Figure 0007291118000001

Figure 0007291118000002

12 金属板
16 金属ベース板
14 樹脂組成物層

Claims (9)

  1. 金属ベース板と、エポキシ樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物層と、金属板とをこの順に有する積層体であって、
    前記樹脂組成物層の断面において、積層体の厚さ方向に対する長軸方向の角度が10°以上である空隙の頻度が95%以上であり、
    前記樹脂組成物層の断面において、長軸方向の長さが10μm以上の空隙の頻度が5%以下であり、
    前記無機充填材が、板状無機粒子、無機粒子A、及び無機粒子Bを含み、前記板状無機粒子、前記無機粒子A、及び前記無機粒子Bのいずれか1以上が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有し、
    前記無機粒子Aがアルミナ又は球状の窒化アルミニウムであり、
    前記無機充填材における無機粒子Aの含有量が1~50体積%である積層体。
  2. 前記無機粒子Aが、アスペクト比が2以下である請求項に記載の積層体。
  3. 前記板状無機粒子が窒化ホウ素である請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記板状無機粒子が凝集粒子である請求項のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記無機粒子Bの20%圧縮時における圧縮強度が前記板状無機粒子よりも大きい請求項のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記無機粒子Bが窒化ホウ素である請求項のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記樹脂組成物層が少なくとも2層からなり、前記金属ベース板側から第1の樹脂組成物層及び第2の樹脂組成物層をこの順に有し、
    前記第1の樹脂組成物層が前記板状無機粒子を含み、
    前記第2の樹脂組成物層が前記無機粒子A及び前記無機粒子Bを含む請求項のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記第1の樹脂組成物層がさらに無機粒子Aを含む請求項に記載の積層体。
  9. 前記板状無機粒子のアスペクト比が3以上であり、かつ、無機粒子Bのアスペクト比が3以上である請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体。
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