JP7291012B2 - 吸着材の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、一般に着材の製造方法関し、詳細には化学物質を吸着できる着材の製造方法関する。
化学物質を吸着する吸着材は、例えば化学物質の濃度を濃縮する濃縮器、化学物質を検出する検出装置などに、適用されており、吸着材は、例えば酸化亜鉛などから作製される(特許文献1参照)。
国際公開第2017/047041号
吸着材を備える濃縮器で濃縮しうる化学物質の種類及び検出装置で検出しうる化学物質の種類は、吸着材の吸着特性に依存する。吸着材の吸着特性を改質することで新たな吸着特性を有する吸着材が得られれば、吸着材を利用した採取、濃縮、検出等の対象となりうる化学物質のバリエーションを増やすことができる。
本開示の課題は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有する着材の製造方法提供することである。
本開示の一態様に係る吸着材は、酸化亜鉛を含むナノワイヤを備える。前記ナノワイヤは、ワイヤ状のコア部と、前記コア部を覆う吸着部とを有し、前記吸着部は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む。
本開示の別の一態様に係る吸着材は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む吸着部を備える。前記吸着材は、前記吸着材をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の前記吸着材へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上であるという吸着特性を有する。
本開示の一態様に係る吸着材の製造方法は、前記吸着材の製造方法である。本方法では、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液中で、前記ナノワイヤを成長させる。前記ナノワイヤを成長させる時間は、前記吸着材をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の前記吸着材へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上になるように規定される。
本開示の別の一態様に係る吸着材の製造方法は、前記吸着材の製造方法である。本方法では、ワイヤ状の基部を、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液に浸漬することで、前記基部の表面上に生成物を析出させることにより、前記ナノワイヤを成長させることを含む。
本開示の一態様に係る吸着器は、前記吸着材を備える。
本開示の一態様に係る濃縮器は、濃縮室と、前記濃縮室内に配置されている前記吸着材とを備える。
本開示の一態様に係る検出装置は、前記吸着材と、前記吸着材が吸着した化学物質を検知して前記化学物質に応じた信号を出力するセンサ部とを備える。
本開示の一態様に係るガスセンサは、前記吸着材と、前記吸着材に電気的に接続する電極とを備える。
本開示の一態様に係るナノワイヤ集合体は、酸化亜鉛を含む複数のナノワイヤの集合体であり、前記ナノワイヤは、ワイヤ状のコア部と、前記コア部を覆う吸着部とを有する。前記吸着部は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む。
本開示によると、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有する着材の製造方法、提供できる。
図1は、本開示の一実施形態に係る吸着材のナノワイヤを示す概略の断面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係る吸着器を示す概略の斜視図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る濃縮器を示す概略の断面図である。 図4は、同上の濃縮器を示す概略の斜視図である。 図5は、同上の濃縮器の制御のための構成を示すブロック図である。 図6は、本開示の一実施形態に係る検出装置を示す概略の斜視図である。 図7は、本開示の一実施形態に係るガスセンサを示す概略の断面図である。 図8は、実施例におけるサンプル1~6の吸着量の測定結果を示すグラフである。 図9は、実施例におけるサンプル1~6のフォトルミネッセンススペクトルを示すグラフである。 図10は、実施例におけるサンプル1、サンプル4及び比較サンプルの吸着量の測定結果を示すグラフである。 図11Aはサンプル1におけるナノワイヤの透過電子顕微鏡画像であり、図11Bは図11Aよりも高倍率のサンプル1におけるナノワイヤの透過電子顕微鏡画像である。 図12Aはサンプル4におけるナノワイヤの透過電子顕微鏡画像であり、図12Bは図12Aよりも高倍率のサンプル4におけるナノワイヤの透過電子顕微鏡画像である。
本開示の第一の形態に係る吸着材10は、酸化亜鉛を含むナノワイヤ11を備える。ナノワイヤ11は、ワイヤ状のコア部112と、前記コア部112を覆う吸着部111とを有する。吸着部111は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む。なお、コア部112は窒素原子を含んでもよく、含まなくてもよい。
第一の形態において、吸着材10は、吸着材10をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材10へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値(以下、吸着比ともいう)が0.4以上である吸着特性を有することが好ましい。
本開示の第二の形態に係る吸着材10は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む吸着部111を備える。吸着材10は、吸着比が0.4以上である吸着特性を有する。
本開示に係る吸着材10は、酸化亜鉛を含むにもかかわらず、本来の酸化亜鉛とは異なる吸着特性を有することができる。具体的には、酸化亜鉛は本来はノナナールを吸着しやすく、ピロールを吸着しにくい吸着特性を有するが、本開示に係る吸着材10は、酸化亜鉛の本来の吸着特性と比べて、ノナナールを吸着しにくく、ピロールを吸着しやすいという吸着特性を有することができる。
以下、本開示の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る吸着材10は、図1に示すようなナノワイヤ11を備える。吸着材10は、例えば図2に示すような、複数のナノワイヤ11の集合体(以下、ナノワイヤ集合体5ともいう)である。より詳しくは、吸着材10は、例えばナノワイヤ11の束である。例えば複数本のナノワイヤ11が、ナノワイヤ11間に隙間があくように束ねられることで、ナノワイヤ集合体5からなる吸着材10が構成される。この場合、ナノワイヤ11間の隙間に化学物質が入り込んでナノワイヤ11に吸着しやすくなる。
ナノワイヤ11の線径は、例えば1nm以上1000nm以下である。ナノワイヤ11の長さは、例えば1μm以上150μm以下である。ナノワイヤ11がこのような寸法を有すると、ナノワイヤ11は、高い比表面積を有することで、高い吸着性能を有することができる。なお、前記のナノワイヤ11の長さの範囲にかかわらず、ナノワイヤ11の長さが、ナノワイヤ11の線径の10倍以上であってもよい。例えば、ナノワイヤ11の線径が1nmである場合に、ナノワイヤ11の長さが10nm以上でもよい。
ナノワイヤ11は、酸化亜鉛を含む。また、ナノワイヤ11は、ワイヤ状のコア部112と、コア部112を覆う吸着部111とを備える。本実施形態では、吸着部111は、ナノワイヤ11の最外層を構成し、すなわち吸着部111はナノワイヤ11の表面を形成する。なお、吸着部111が吸着部111による化学物質の吸着を阻害しにくい材料で覆われていてもよい。また、吸着部111はコア部112の全体を覆っていてもよく、コア部112を部分的に覆っていてもよい。また、吸着部111はコア部112に、直接接していてよく、コア部112と吸着部111との間にコア部112及び吸着部111とは異なる層が介在していてもよい。
本実施形態では、酸化亜鉛は、ナノワイヤ11の主成分であり、コア部112と吸着部111とのいずれにも含まれている。吸着部111は、酸化亜鉛に加えて、窒素原子も含む。窒素原子は、例えば吸着部111における酸化亜鉛の結晶にドープされている。コア部112は窒素原子を含んでもよく、含まなくてもよい。
吸着材10は、吸着比が0.4以上であるという吸着特性を有することが好ましい。このような吸着特性は、吸着材10が上記の吸着部111を備えることで実現されうる。この場合の吸着比は、0.44以上であればより好ましく、0.5以上であれば更に好ましく、1以上であれば特に好ましい。この場合、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは大きく異なる吸着特性を有する吸着材10が得られる。なお、吸着量を測定するための条件は、後述する実施例において詳細に説明する。
コア部112と吸着部111とは、互いに異なる結晶配列を有することが好ましい。具体的には、例えば吸着部111においては結晶の配向性がコア部112に比べて低く、コア部112内に結晶が互いに異なる方向を向く複数の部分が含まれていることが好ましい。「互いに異なる結晶配列を有する」ということには、吸着部111にアモルファスと微結晶とが含まれており、そのうちの微結晶に、結晶格子の方向がコア部112における結晶格子の方向と異なるものが含まれている場合を含む。吸着部111は、コア部112よりも原子配列の秩序性が低いということもできる。この場合、理由は解明されていないが、吸着材10がノナナールをより吸着しにくくなり、かつピロールをより吸着しやすくなる。
また、コア部112と吸着部111との各々を構成する結晶は、原子空孔を有してもよい。この場合、ナノワイヤ11の電気伝導性が高くなるため、吸着材10を電流により加熱することが容易となる。
吸着部111の、ナノワイヤ11の径方向に沿った厚みは、10nm以上30nm以下であることが好ましい。この場合、吸着材10において、本来の酸化亜鉛とは異なる吸着特性が実現されやすい。なお、この厚みは、一本のナノワイヤ11の透過型電子顕微鏡画像に現れる吸着部111の厚みを10箇所において測定した結果の平均値である。
吸着部111は、フォトルミネッセンススペクトルにおける波長300nmから750nmまでの範囲内での最大のピークトップが550nm以下にあるというフォトルミネッセンス特性を有することが好ましい。この場合も、理由は解明されていないが、吸着材10がノナナールをより吸着しにくくなり、かつピロールをより吸着しやすくなり、この傾向はピークトップの強度が高いほど顕著になる。これにより、吸着比が1以上であるという吸着特性が実現されやすくなる。なお、酸化亜鉛の結晶では本来は最大のピークトップは550nm超にあるため、吸着部111は酸化亜鉛の結晶の本来のフォトルミネッセンス特性とは大きく異なるフォトルミネッセンス特性を有する。フォトルミネッセンススペクトルを測定するための条件は、後述する実施例において詳細に説明する。
吸着部111における窒素原子の含有率は、5at%以上13at%以下であることが好ましい。この場合も、理由は解明されていないが、吸着材10がノナナールをより吸着しにくくなり、かつピロールをより吸着しやすくなり、この傾向は窒素原子の含有率が高くなるほど顕著になる。なお、窒素原子の含有率はXPS(X線光電子分光)で測定され、その詳細な条件は後述する実施例において詳細に説明する。
吸着材10は、ナノワイヤ11を複数備えることが好ましい。吸着材10は、ナノワイヤ集合体5であることも好ましい。このナノワイヤ集合体5においては、例えば複数のナノワイヤ11が、その長さ方向が互いに同方向であるように束ねられている。
吸着材10を備える吸着器1について説明する。図2に示す吸着器1は、基体13と、基体13に支持されている吸着材10とを備える。基体13の形状及び材質には、基体13がナノワイヤ11を支持できるのであれば、制限はない。吸着材10における複数のナノワイヤ11の各々の一端は基体13に固定され、他端は基体13とは反対側を向いている。すなわち、例えば複数のナノワイヤ11は、基体13から互いに同じ方向に突出し、かつ基体13の上で束ねられている。
吸着材10及び吸着器1の製造方法について説明する。
まず、製造方法の第一例について説明する。
第一例では、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液中で、ナノワイヤ11を成長させる。ナノワイヤ11を成長させる時間は、吸着材10をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材10へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上になるように規定されることが好ましい。
具体的には、例えばまず酸化亜鉛を含む基部113を用意する。基部113は、例えば基体13上に形成された酸化亜鉛膜である(図2参照)。上記のとおり基体13の形状及び材質に制限はないが、例えば基体13はシリコン、金属、SiO、電気絶縁性を有する合成樹脂などの材料から作製された基板である。基部113が酸化亜鉛膜である場合、基部113は例えば蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの適宜の方法で形成される。
亜鉛イオン、アンモニア及びポリエチレンイミンを含む水溶液を用意する。上述のとおり、水溶液中のアンモニアの濃度は250mmol/L以上750mmol/L以下である。この濃度が250mmol/L以上であることで亜鉛イオンが錯イオン化し、イオン状態がエネルギー的により安定となることで、酸化亜鉛結晶の析出速度を抑制できるという利点があり、750mmol/L以下であることで酸化亜鉛結晶が全く析出しなくなることを防ぐことができるという利点がある。水溶液中のポリエチレンイミンの濃度は1mmol/L以上3mmol/L以下である。この濃度が1mmol/L以上であることでナノワイヤ11の直径方向の成長を抑制し、ナノワイヤ11にコア部112とは区別される吸着部111が形成されやすくなるという利点があり、この濃度が3mmol/L以下であることで酸化亜鉛結晶が全く析出しなくなることを防ぐことができるという利点がある。水溶液中の亜鉛イオンの濃度は、特に制限されないが、アスペクト比(長さ/直径)の大きなナノワイヤ11を得るためには10mmol/L以上50mmol/L以下であることが好ましい。水溶液には、亜鉛イオン源として、例えば硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛及び、リン酸亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種の化合物が配合される。
水溶液中でナノワイヤ11を成長させるに当たっては、例えば基部113を水溶液に浸漬する。このときの水溶液の温度は例えば80℃以上110℃以下である。そうすると、基部113からナノワイヤ11が成長することで、ナノワイヤ11と基部113とを備える吸着材10、並びにこの吸着材10と基体13とを備える吸着器1が、得られる。
ナノワイヤ11を成長させる際、基部113を水溶液に浸漬する時間、すなわちナノワイヤ11を成長させる時間を制御することで、吸着材10の吸着特性が調整され、すなわち吸着材10のノナナールとピロールとの吸着のし易さが制御される。ナノワイヤ11を成長させる時間が長くなるほど、吸着材10はノナナールを吸着しにくくなり、かつピロールを吸着しやすくなる傾向がある。これは、ナノワイヤ11を成長させる時間が長くなるほど、ナノワイヤ11にコア部112とは区別される吸着部111が形成されやすくなり、かつ吸着部111が本来の酸化亜鉛とは異なる結晶配列及びフォトルミネッセンス特性を有しやすくなるためであると、推察される。
ナノワイヤ11を成長させる時間は、吸着材10が所望の吸着特性を有するように規定される。この時間は、上述のとおり吸着比が0.4以上になるように規定されることが好ましい。この時間は、吸着比が0.44以上になるように規定されることがより好ましく、1以上になるように規定されることが更に好ましい。
ナノワイヤ11を成長させる時間の上限は特に規定されない。ただし、時間が長すぎるとナノワイヤ11が脆くなることがあるので、その点では、ナノワイヤ11を成長させる時間の上限は120時間以下であることが好ましく、80時間以下であればより好ましい。
ナノワイヤ11を成長させる時間は、10時間以上であることが好ましい。この場合、吸着比が0.4以上であることが実現されやすい。ナノワイヤ11を成長させる時間が、20時間以上であることも好ましく、40時間以上であることも好ましい。この時間が20時間以上であれば、吸着比が1以上であることが実現されやすく、40時間以上であればノナナールを殆ど吸着せず、かつピロールを非常に吸着させやすいという吸着特性が実現されやすい。
上記の説明では基部113は酸化亜鉛膜であり、この場合、例えば基体13に基部113である酸化亜鉛膜を設ければ、図1に示すような複数のナノワイヤ11が基体13に固定されて束ねられたナノワイヤ集合体5を得ることができる。ただし、基部113はナノワイヤ11の成長の起点になるのであれば、いかなる物であってもよい。また、ナノワイヤ集合体5は、複数のナノワイヤ11が集合することで構成されていれば、図1に示す構造に限られない。
例えば基部113は酸化亜鉛の粒子であってもよい。この場合、水溶液中の複数の酸化亜鉛の粒子を起点としてナノワイヤ11が成長しうる。この場合、複数のナノワイヤ11が水溶液中に分散した状態で生成する。また、基部113を使用せずに、水溶液の組成、温度などの条件を調整することで、水溶液中でナノワイヤ11を成長させてもよい。この場合、複数のナノワイヤ11が水溶液中に分散した状態で生成する。この複数のナノワイヤ11を、例えば束ねることなく集合させることで、ナノワイヤ集合体5を構成することができる。この場合、例えばナノワイヤ集合体5を、後述する図7に示す吸着材10に適用することができる。
次に、製造方法の第二例について説明する。
基部を用意する。第二例では、基部はワイヤ状であり、例えば基体13に支持されている。基部は例えば酸化亜鉛を含有し、具体的には例えば酸化亜鉛製のワイヤである。
亜鉛イオン、アンモニア及びポリエチレンイミンを含む水溶液を用意する。水溶液の組成は第一例と同じでよい。
基部を水溶液に浸漬する。このときの水溶液の温度は例えば第一例の場合と同じである。そうすると、基部の表面上に生成物が析出することで、基部に由来するコア部112と、析出物から形成される吸着部111とを備えるナノワイヤ11が形成され、このナノワイヤ11を備える吸着材10が得られる。なお、吸着部111は、析出物の一部で構成されてもよい。また、この吸着材10と基体13とを備える吸着器1が、得られる。第二例の場合も、第一例の場合と同様に、ナノワイヤ11を成長させる際、基部113を水溶液に浸漬する時間を制御することで、吸着材10の吸着特性が調整される。
吸着材10の構成は、上記のみには限られない。例えば上記の説明では吸着材10は複数のナノワイヤ11からなるナノワイヤ集合体5であるが、吸着材10はナノワイヤ11でなくてもよい。例えば吸着材10はネット状、不織布状などであってもよい。その場合、吸着材10は、ネット状、不織布状等の適宜の形態のコア部112と、コア部112を覆う吸着部111とを備えてもよい。また、吸着材10はコア部112を備えなくてもよく、その場合、吸着材10は吸着部111のみを備えてもよく、吸着部111を支持するコア部112以外の部材を備えてもよい。
吸着材10を備える濃縮器2について説明する。濃縮器2は、濃縮室21と、濃縮室21内に配置されている吸着材10とを備える。濃縮器2を使用する際は、例えば濃縮室21内に化学物質を含むガス(以下、試料ガスともいう)を供給しながら、吸着材10に試料ガス中の化学物質を吸着させる。続いて、吸着材10から化学物質を脱離させて濃縮室21内へ放出する。これにより、濃縮室21内に、化学物質の濃度が試料ガスよりも高められたガス(以下、調整ガスともいう)が生成しうる。試料ガスの例は、ヒト及び動物の呼気、並びに車及び工場の排気ガスである。化学物質の例は、ケトン類、アミン類、アルコール類、芳香族炭化水素類、アルデヒド類、エステル類、有機酸、メチルメルカプタン、ジスルフィドといった揮発性有機化合物、並びに硫化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素といった無機化合物を含む。
濃縮器2は、吸着材10を備える吸着器1を備えてもよい。吸着器1は、吸着材10を加熱するヒータを備えてもよい。吸着器1は、吸着材10を冷却するクーラ25を更に備えてもよい。吸着器1がヒータを備えると、化学物質を吸着した吸着材10をヒータで加熱することで吸着材10から化学物質を容易に脱離させることができる。なお、吸着材10がヒータを備えず、吸着材10に電流を流すことでジュール熱により吸着材10を加熱して、吸着材10から化学物質を脱離させてもよい。さらに、吸着器1がクーラ25を備えると、加熱された吸着材10をクーラ25で冷却することで、吸着材10を速やかに化学物質を吸着可能な状態に復帰させることができる。さらに、化学物質を吸着材10に吸着させる際に吸着材10をクーラ25で冷却することで、吸着材10に対する化学物質の総吸着量を増加させることができる。
以下、吸着器1が第一電極221及び第二電極222並びにクーラ25を備える場合の、濃縮器2の具体的な構成の例を、図3及び図4を参照して説明する。
濃縮器2は、筐体23を有し、かつ筐体23内に濃縮室21を有する。筐体23は、濃縮室21に面する配置面24を備える。吸着材10は濃縮室21内の配置面24上に配置されている。筐体23には、互いに離間している第一電極221及び第二電極222が設けられている。第一電極221及び第二電極222の各々は、吸着材10に接触していることで吸着材10と電気的に接続されている。筐体23の配置面24の近傍には、クーラ25が設けられている。
より具体的には、筐体23は、例えば樹脂製である。筐体23は、第一基板231と第二基板232とで構成されている。第二基板232は溝を有する。第二基板232の溝がある面に第一基板231が重ねられていることで、溝内の空間が濃縮室21を構成する。筐体23は、濃縮室21内と濃縮室21の外とを通じさせる取入口26と、濃縮室21内と濃縮室21の外とを通じさせ、取入口26とは異なる取出口27とを備える。取入口26と取出口27とは、濃縮室21を挟んで対向している。配置面24は、第二基板232における溝の底面で構成される。
濃縮室21は、ガスが供給されるように構成される。濃縮室21は、例えばガスが通過しうる流路である。ガスは、濃縮室21の外から取入口26を通じて濃縮室21内に流入し、濃縮室21を通過してから、取出口27を通じて濃縮室21の外に流出しうる。濃縮室21内におけるガスが流通する方向、すなわち取入口26から取出口27へ向かう方向を、以下、流通方向ともいう。
第一電極221及び第二電極222の各々の少なくとも一部は、配置面24と吸着器1との間に介在する。第一電極221及び第二電極222の各々の材料は、例えば、金、銅、白金又はカーボンである。
吸着材10は濃縮室21内の配置面24上に配置されている。このため、第二基板232が、吸着器1における基体13に相当する。吸着器1における吸着材10の一部は第一電極221に接触しており、吸着材10の別の一部は第二電極222に接触している。このため、吸着材10は、第一電極221及び第二電極222と電気的に接続されている。
なお、ここで説明している吸着器1の構成は一例であり、吸着器1は種々の構成を有しうる。
図5に示すように、第一電極221及び第二電極222には、第一電極221と第二電極222との間に電圧を印加することで吸着材10に電流を供給する電流供給回路29が接続されている。また、電流供給回路29を制御することで吸着材10に流れる電流を制御するコントローラ28が、電流供給回路29に接続されている。
コントローラ28は、例えば1以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、コントローラ28は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムがコントローラ28として機能する。プログラムは、コントローラ28の各々のメモリにあらかじめ記録されていてもよく、インターネット等の電子通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
クーラ25は、第二基板232における、配置面24とは反対側を向く外面に重ねて設けられている。クーラ25は、例えば、ペルチェ素子で構成される。図5に示すように、コントローラ28は、クーラ25にも接続されている。コントローラ28は、クーラ25の動作も制御することで、吸着材10の冷却を制御する。
なお、クーラ25の位置は、吸着材10を冷却可能であれば、どこであってもよい。例えば、クーラ25が、第一電極221上又は第二電極222上に設けられていてもよい。
濃縮器2を用いて化学物質を濃縮する方法について説明する。試料ガスを濃縮室21内へ送る。そのためには、例えば試料ガスが濃縮室21の外から取入口26を通じて濃縮室21内に流入し、更に濃縮室21内から取出口27を通じて濃縮室21の外へ流出するように、濃縮室21内に気流を生じさせる。気流は、ポンプ、ファンなどの適宜の気流発生機36を用いて生じさせることができる。気流が生じていると、吸着器1は試料ガスに曝露され、吸着器1における吸着材10が、試料ガス中の化学物質を吸着する。気流によって濃縮室21内の試料ガスが順次更新されるため、吸着材10は、試料ガスに曝露されている時間に応じた量の化学物質を吸着できる。すなわち吸着材10は、濃縮室21の容積と同じ体積を有する試料ガス中における化学物質の量よりも多い化学物質を、吸着できる。続いて、吸着材10を加熱する。例えば、電流供給回路29が第一電極221と第二電極222との間に電圧を印加することで、吸着材10を発熱させる。なお、濃縮器2がヒータを備える場合には、ヒータが吸着材10を加熱してもよい。吸着材10を加熱すると、吸着材10に吸着していた化学物質が、吸着材10から脱離して、濃縮室21内に放出される。それにより、濃縮室21内における化学物質の濃度は、試料ガスにおける濃度よりも高くなりうる。これにより、濃縮室21内に、化学物質の濃度が試料ガスよりも高められた調整ガスを生成させることができる。この調整ガスを、濃縮室21の外へ送る。濃縮室21に気流が生じたままの状態であれば、気流によって調整ガスを、取出口27を通じて、濃縮室21の外へ送ることができる。調整ガスを濃縮室21の外へ送った後、必要に応じてクーラ25で吸着材10を冷却すると、吸着材10を、化学物質が吸着可能な状態へ速やかに復帰させることができる。
なお、濃縮器2は、複数の濃縮室21と、各濃縮室21に配置されている吸着器1とを備えてもよい。この場合、濃縮器2は、複数の濃縮室21を備える一つの筐体23を備えてもよく、一つの濃縮室21を各々備える複数の筐体23を備えてもよい。濃縮器2が複数の吸着器1を備える場合、濃縮器2は、複数の吸着器1の各々に対応する第一電極221及び第二電極222を備え、又は複数の吸着器1の各々に対応するヒータを備えることができる。さらに、濃縮器2は、複数の吸着器1の各々に対応するクーラ25を備えてもよい。
吸着材10を備える検出装置4について説明する。
検出装置4は、吸着材10と、吸着器1が吸着した化学物質を検知して化学物質に応じた信号を出力するセンサ部31とを備える。検出装置4は、上記の濃縮器2を備えることで、吸着材10を備えてもよい。検出装置4が濃縮器2を備えると、センサ部31は、化学物質の濃度が高められた調整ガス中の化学物質を検出することができる。この場合、検出装置4による化学物質の検出精度を高めることができ、例えば試料ガス中に微量しか含まれない化学物質を精度良く検出することも可能となる。
図6に、検出装置4の例を示す。この検出装置4は、検出器3と濃縮器2とを備える。検出器3はセンサ部31を備える。濃縮器2は吸着器1を備える。濃縮器2の構成は、図3及び図4と同じである。図3及び図4と共通する構成については、図6に同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
検出器3は、筐体33を有し、かつ筐体33内に検出室32を有する。筐体33は、例えば樹脂製である。筐体33は、検出室32内と検出室32の外とを通じさせる通口34を備える。検出器3の筐体33と、濃縮器2の筐体23とは、検出器3の筐体33における通口34が濃縮器2の筐体23における取出口27に通じるように、連結している。すなわち、濃縮室21と検出室32とは、濃縮器2の取出口27及び検出器3の通口34を介して、通じている。なお、本実施形態では検出器3の筐体33と濃縮器2の筐体23とは別個の部材であるが、検出器3の筐体23と濃縮器2の筐体23とが一体化して一つの部材を構成してもよい。
検出器3は、検出室32内のガスを検出室32から排出するための排出口35を備えることが好ましい。本実施形態では、排出口35に、気流発生機36であるポンプが接続されている。ポンプは、検出室32内のガスを排出口35を通じて吸引するように動作する。このため、気流発生機36は、気流を発生させうる。この気流は、濃縮室21の外から濃縮器2の取入口26を通じて濃縮室21内に流入し、濃縮室21内から濃縮器2の取出口27及び検出器3の通口34を通じて検出室32内に流入し、更に排出口35を通じて検出室32外へ流出する。気流を発生できるのであれば、気流発生機36はポンプに限らず、例えば送風ファンでもよい。
検出装置4を用いてガス中の化学物質を検出する場合には、例えばまず濃縮器2の取入口26を濃縮室21の外にある試料ガス内に配置する。この状態で気流発生機36を作動させることで、検出装置4内に気流を発生させる。この気流によって、試料ガスが、濃縮室21の外から濃縮器2の取入口26を通じて濃縮室21内に流入し、濃縮室21内から濃縮器2の取出口27及び検出器3の通口34を通じて検出室32内に流入し、更に排出口35を通じて検出室32外へ排出される。
この状態で、濃縮器2が上記に説明したとおり動作することで、濃縮室21内で調整ガスが生成され、この調整ガスが気流によって検出室32に流入する。センサ部31は、検出室32に流入した調整ガス中の化学物質を検知して、この化学物質に応じた信号を出力することができる。この場合、調整ガス中の化学物質の濃度を、試料ガス中よりも高くできるので、この試料ガス中の化学物質をセンサ部31で検知することにより、化学物質の検知精度が向上する。
吸着材10の用途は、上記の吸着器1、濃縮器2及び検出装置4への適用には限られない。また、吸着材10の用途は、化学物質の捕集にも限られない。例えば吸着材10を、化学物質を検出するためのセンサ素子として利用することもできる。
吸着材10をセンサ素子として利用する場合の、吸着材10を備えるガスセンサ6について説明する。ガスセンサ6は、吸着材10と、吸着材10に電気的に接続する電極7とを備える。このガスセンサ6を用いると、吸着材10が化学物質を含むガスに曝露された場合に、吸着材10が化学物質を吸着することで、吸着材10の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化に基づいて、化学物質を検出できる。
本実施形態では、吸着材10は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有する。このため、吸着材10が化学物質を含むガスに曝露された場合、例えばピロールを含むガスに曝露された場合に、吸着材10の電気抵抗は、本来の酸化亜鉛の場合とは異なる変化を起こしうる。このため、特異な検出特性を有するガスセンサ6を実現できる。例えばピロールを選択的に検出するガスセンサ6を実現できる。
ガスセンサ6の一具体例を、図7を参照して説明する。ガスセンサ6は、吸着材10及び電極7を備える。電極7は、第一電極71及び第二電極72を含む。ガスセンサ6は、更に基材8を備える。
基材8は電気絶縁性を有する。基材8は一つの面(以下、支持面81という)を有し、支持面81上に、第一電極71、第二電極72及び吸着材10が配置されている。基材8は、例えば、支持面81と直交する方向の厚みを有する板の形状を有する。第一電極71及び第二電極72は、支持面81の向く方向と直交する一方向に間隔をあけて配置されている。
吸着材10は、基材8の支持面81上に配置され、かつ第一電極71及び第二電極72を覆っている。これにより、吸着材10と第一電極71及び第二電極72の各々とが接触している。なお、吸着材10と第一電極71及び第二電極72の各々との電気的接続は、いかなる構造によって達成されてもよい。例えば吸着材10は、第一電極71の全体に接触していてもよく、一部に接触していてもよい。また吸着材10は、第二電極72の全体に接触していてもよく、一部に接触していてもよい。
吸着材10は、例えばナノワイヤ集合体5である。このナノワイヤ集合体5は、複数のナノワイヤ11が束ねられることなく集合して互いに電気的に接続されることで、構成されている。
ナノワイヤ集合体5は、導電材料を含んでいてもよい。導電材料は、例えばカーボン粒子、カーボンナノチューブ、金属酸化物、及び導電性高分子などからなる群から選択される少なくとも一種の材料を含有する。この場合、ナノワイヤ集合体5は、例えば複数のナノワイヤ11と導電材料とが、ナノワイヤ11が束ねられることなく集合して、ナノワイヤ11同士が直接又は導電材料を介して電気的に接続されることで、構成されている。
ナノワイヤ集合体5は、樹脂などからなる適宜のバインダを含んでいてもよい。この場合、バインダによってナノワイヤ11が固定される。ナノワイヤ集合体5が更に導電材料を含む場合には、バインダによってナノワイヤ11及び導電材料が固定される。
ナノワイヤ集合体5である吸着材10を作製する場合、例えば複数のナノワイヤ11と溶剤とを含有する組成物を用意する。吸着材10が導電材料を含む場合には、前述の組成物に導電材料も含有させる。吸着材10がバインダを含む場合には、前述の組成物にバインダも含有させる。この組成物をインクジェット法で成形して塗膜を作製し、この塗膜から溶剤を揮発させることで、ナノワイヤ集合体5を作製できる。
なお、ガスセンサ6における吸着材10の作製方法は、前記のみには制限されない。また、ガスセンサ6における吸着材10が、図1に示すような構造を有していてもよい。
ガスセンサ6の第一電極71と第二電極72との間に電圧が印加されると、吸着材10に、電圧及び吸着材10の電気抵抗に応じた電流が流れる。このため、吸着材10の電気抵抗を測定できる。この電気抵抗の値から化学物質を検出できる。なお、第一電極71と第二電極72との間に定電圧を印加した状態での第一電極71と第二電極72との間に流れる電流の値から化学物質を検出してもよい。吸着材10に定電流を流した状態での第一電極71と第二電極72との間の電圧変化量から化学物質を検出してもよい。すなわち、吸着材10の電気抵抗の変化に応じて変化する指標に基づいて化学物質を検出すればよい。
1.吸着材の作製
(1)サンプル1
基体13として直径10.16cm(4インチ)の寸法の酸化膜を有するシリコンウェハを用意した。酸化膜の厚さは、300nmであった。この基体13の表面上に、高周波(RF)スパッタリング装置を用いて、厚み30nmの基部113(酸化亜鉛膜)を形成した。
また、Zn(NO・6HO濃度が25mmol/L、ヘキサメチレンテトラミン濃度が25mmol/L、ポリエチレンイミン濃度が2.5mmol/L、アンモニア(水酸化アンモニウム:NH4OH)濃度が500mmol/Lである水溶液を用意した。用いたポリエチレンイミンの分子量は1800であった。
水溶液の温度を95℃に保った状態で、基部113を水溶液中に5時間浸漬することで、基部113からナノワイヤ11を成長させることで、吸着材10を作製した。吸着材10の作製後、直径10.16cm(4インチ)のシリコンウェハを2mm×20mmの短冊状にカットした。これにより、基体13及び吸着材10を備える吸着器1を得た。
(2)サンプル2~6
基部113を水溶液中に浸漬する時間を、サンプル2の作製時には10時間、サンプル3の作製時には20時間、サンプル4の作製時には40時間、サンプル5の作製時には60時間、サンプル6の作製時には80時間とした。それ以外は、サンプル1の場合と同じ方法及び条件で、吸着材10を作製し、2mm×20mmの短冊状にカットすることにより基体13及び吸着材10を備える吸着器1を得た。
2.吸着試験
サンプル1~6の各々を、400℃で30分間加熱することで、不純物を除去してから、室温まで冷却させた。続いて、各サンプルをポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂によって形成された筐体内に配置した状態で、筐体内に、ノナナール、ベンズアルデヒド及びピロールを1体積ppmずつ含む試料ガスを、100mL/分の流量で、1分間流通させた。
続いて、島津製作所製のガスクロマトグラフ質量分析計であるGCMS-TQ8040の注入口にサンプルを配置した。注入口には、島津製作所製の多機能注入口であるOPTIC-4を用いた。注入口内の温度を20℃/秒の速度で40℃から250℃まで昇温し、サンプルを250℃で5分間加熱することでサンプルから化学物質を脱離させ、更に化学物質をガスクロマトグラフ質量分析計に注入して、クロマトグラムを得た。
測定にあたって、カラムとしてはシグマアルドリッチ製のSLB-IL60を用いた。カラムの昇温条件は、まず40℃で5分間保持し、続いて10℃/分の昇温速度で240℃まで昇温し、続いて240℃で5分間維持するものとした。
上記の結果から、各サンプルが吸着したノナナール、ベンズアルデヒド及びピロールの量(吸着量)を導出した。その結果を図8に示す。なお、この結果は、各サンプルについて10回試験を行った場合の平均値である。図中のA、B及びCはそれぞれノナナール、ベンズアルデヒド及びピロールの吸着量を示す。
この結果に示されるように、浸漬時間が5時間であるサンプル1ではノナナールの吸着量に対してピロールの吸着量は非常に少ないが、浸漬時間が10時間以上であるサンプル2~6ではピロールの吸着量が多くなって、サンプル3では吸着量の比の値が1以上となり、サンプル4~6ではピロールの吸着量に対してノナナールの吸着量は非常に低い値であった。なお、ベンズアルデヒドの吸着量の変化は小さかった。
また、サンプル2についての、10回の試験結果の詳細を下記表に示す。これに示されるように、浸漬時間が10時間であるサンプル2では、吸着量の比の値が0.44以上であり、吸着量の比の値の平均は0.573であった。
Figure 0007291012000001
3.フォトルミネッセンス特性
サンプル1~6の各々を、400℃で30分間加熱することで、不純物を除去してから、室温まで冷却させた。続いて、各サンプルの、波長300nmから750nmまでのフォトルミネッセンススペクトルを測定した。測定にあたっては、2mm×20mmのサンプルを2枚用意し、日本分光製のFP-8500を用いて、励起光波長256nm、走査速度10nm/minで測定した。その結果を図9に示す。図9中のA、B、C、D、E及びFは、それぞれサンプル1、2、3、4、5及び6についての結果を示す。
図9によれば、製造時の浸漬時間が5時間から20時間までのサンプル1~3では大きなピークは認められず、最大のピークトップのある波長が550nmよりも大きかった。これに対し、浸漬時間が40時間から80時間までのサンプル4~6では、最大のピークトップのある波長が550nm以下であり、かつ浸漬時間が長くなるほどピークトップの強度が高くなった。この結果と吸着特性の結果とを総合すると、フォトルミネッセンススペクトルにおける300nmから550nmまでにあるピークが吸着特性と相関することが確認できた。
4.窒素含有率と吸着特性との関連例の確認
サンプル1~4の、各々におけるナノワイヤ11の、表層部分における亜鉛と窒素の含有率を、X線光電子分光(XPS)測定の結果から求めた。XPS測定にあたっては、島津製作所/KRATOS製のAXIS-165を用いた。測定条件は下記の通りである。
単色化X線源:AlKα線、半値幅0.2~0.3eV
測定元素:Zn2p、O1s、C1s、N1s
分析深さ領域:最表面から3nm
その結果を下記表2に示す。
Figure 0007291012000002
この結果と、図8に示される各サンプルの吸着特性とを比較すると、窒素含有率は吸着特性と相関し、特にピロール吸着量との相関性が高いことが確認できた。一方、ノナナール吸着量は、サンプル3とサンプル4とでは大きく異なっているため、この結果からは、ノナナール吸着量には窒素含有量以外の要因が強い影響を与えていると推察される。
また、サンプル4にプラズマ処理を施すことで、サンプル4中の窒素原子を除去する処理を行うことで、比較サンプルを得た。この比較サンプルの窒素含有量は、1.84atm%であり、サンプル1と同程度であった。この比較サンプルについても、上記のサンプル1~6の場合と同じ吸着試験を行い、ノナナール、ベンズアルデヒド及びピロールの吸着特性を調査した。
サンプル1、サンプル4及び比較サンプルの吸着特性を、図10にまとめて示す。図10において、A、B、及びCは、それぞれサンプル1、サンプル4及び比較サンプルについての結果を示す。
図10によると、既に確認したとおり、サンプル1はノナナールの吸着量が多く、ピロールの吸着量は少ないのに対し、サンプル4はノナナールの吸着量が少なく、ピロールの吸着量は多かった。これに対し、サンプル4から窒素を除去した比較サンプルでは、サンプル1と同様にノナナールの吸着量が多く、ピロールの吸着量は少なかった。
この結果によると、プラズマ処理によりサンプル4から窒素を除去すると、ピロール吸着量だけでなくノナナール吸着量も、吸着部111が認められないサンプル1と同様の結果となった。この結果を鑑みると、窒素含有量は、ピロール吸着量とノナナール吸着量との両方に影響を与えている。
以上の結果によると、ノナナールの吸着量に影響を与える要因は、十分には解明できていないものの、窒素含有量とそれ以外とを含む複合的なものであると推察される。
5.透過型電子顕微鏡(TEM)画像
サンプル1と、サンプル4の、各々におけるナノワイヤ11の、透過型電子顕微鏡画像を撮影した。サンプル1についての画像を図11A及び図11Bに、サンプル4についての画像を図12A及び図12Bに、示す。この結果によると、サンプル1の場合はナノワイヤ11にコア部112と吸着部111との区別が認められなかった。一方、サンプル4の場合は、ナノワイヤ11に、ワイヤ状のコア部112と、コア部112を覆う吸着部111とが、明確に認められた。さらに、サンプル4では、コア部112は均質性が高く、コア部112を構成する結晶は配向性が高いと認められるのに対して、吸着部111は均質性が低く、吸着部を構成する結晶の配向性はコア部112よりも低いと認められる。これにより、吸着部を構成する結晶の配向性が吸着特性と相関することが確認できた。
上記の実施形態及び実施例から明らかなように、本開示の第1の態様に係る吸着材(10)は、酸化亜鉛を含むナノワイヤ(11)を備え、ナノワイヤ(11)は、ワイヤ状のコア部(112)と、コア部(112)を覆う吸着部(111)とを有し、吸着部(111)は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む。
第1の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第2の態様に係る吸着材(10)は、第1の態様において、複数のナノワイヤ(11)の集合体である。
第2の態様によれば、吸着材(10)による化学物質の吸着性能が高められうる。
本開示の第3の態様に係る吸着材10は、第1又は第2の態様において、吸着材(10)をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材(10)へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上であるという吸着特性を有する。
第3の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第4の態様に係る吸着材(10)では、第1から第3のいずれか一の態様において、吸着部(111)の、ナノワイヤ(11)の径方向に沿った厚みは、10nm以上30nm以下である。
第4の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有しやすい。
本開示の第5の態様に係る吸着材(10)では、第1から第4のいずれか一の態様において、コア部(112)と吸着部(111)とは、互いに異なる結晶配列を有する。
第5の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有しやすい。
本開示の第6の態様に係る吸着材(10)は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む吸着部(111)を備える。吸着材(10)は、吸着材(10)をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材(10)へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上であるという吸着特性を有する。
第6の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第7の態様に係る吸着材(10)は,第1から第6のいずれか一の態様において、吸着材(10)をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材10へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が1以上であるという吸着特性を有する。
第7の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第8の態様に係る吸着材(10)では、第1から第7のいずれか一の態様において、吸着部(111)は、フォトルミネッセンススペクトルにおける波長300nmから750nmまでの範囲内での最大のピークトップが550nm以下にあるというフォトルミネッセンス特性を有する。
第8の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有しやすい。
本開示の第9の態様に係る吸着材(10)は、第1から第8のいずれか一の態様において、吸着部(111)における窒素原子の含有率は、5at%以上13at%以下である。
第9の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有しやすい。
本開示の第10の態様に係る吸着材(10)の製造方法は、第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)の製造方法である。本方法では、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液中で、ナノワイヤ(11)を成長させる。ナノワイヤ(11)を成長させる時間は、吸着材(10)をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材(10)へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上になるように規定される。
第10の態様によれば、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有する吸着材10を製造できる。
本開示の第11の態様に係る吸着材(10)の製造方法では、第10の態様において、ナノワイヤ(11)を成長させる時間は、10時間以上である。
第11の態様によれば、吸着材(10)は、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有しやすい。
本開示の第12の態様に係る吸着材(10)の製造方法は、第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)の製造方法である。本方法は、ワイヤ状の基部(113)を、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液に浸漬することで、基部(113)の表面上に生成物を析出させることにより、ナノワイヤ(11)を成長させることを含む。
第12の態様によれば、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有する吸着材(10)を製造できる。
本開示の第13の態様に係る吸着材(10)の製造方法は、第10から第12のいずれか一の態様において、ナノワイヤ(11)を成長させる時間は、吸着材(10)をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の吸着材(10)へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が1以上になるように規定される。
第13の態様によれば、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有する吸着材(10)を製造できる。
本開示の第14の態様に係る吸着器(1)は、第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)を備える。
第14の態様によれば、吸着器(1)における吸着材(10)が、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第15の態様に係る濃縮器(2)は、濃縮室(21)と、濃縮室(21)内に配置されている第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)とを備える。
第15の態様によれば、濃縮器(2)における吸着材(10)が、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第16の態様に係る検出装置(4)は、第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)と、吸着材(10)が吸着した化学物質を検知して化学物質に応じた信号を出力するセンサ部(31)とを備える。
第16の態様によれば、検出装置(4)における吸着材(10)が、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは顕著に異なる吸着特性を有することができる。
本開示の第17の態様に係るガスセンサ(6)は、第1から第9のいずれか一の態様に係る吸着材(10)と、吸着材(10)に電気的に接続する電極(7)とを備える。
第17の態様によると、吸着材(10)をセンサ素子として利用したガスセンサ(6)を実現でき、かつガスセンサ(6)は、通常の酸化亜鉛をセンサ素子として利用した場合とは異なる検出特性を実現できる。
本開示の第18の態様に係るナノワイヤ集合体(5)は、酸化亜鉛を含む複数のナノワイヤ(11)の集合体であり、ナノワイヤ(11)は、ワイヤ状のコア部(112)と、コア部(112)を覆う吸着部(111)とを有する。吸着部(111)は、酸化亜鉛と窒素原子とを含む。
第18の態様によると、本来の酸化亜鉛の吸着特性とは異なる吸着特性を有するナノワイヤ集合体(5)が得られる。
1 吸着器
10 吸着材
11 ナノワイヤ
111 吸着部
112 コア部
113 基部
2 濃縮器
21 濃縮室
31 センサ部
4 検出装置
5 ナノワイヤ集合体
6 ガスセンサ
7 電極

Claims (8)

  1. 吸着材の製造方法であり、
    前記吸着材は、酸化亜鉛を含むナノワイヤを備え、
    前記ナノワイヤは、ワイヤ状のコア部と、前記コア部を覆う吸着部とを有し、
    前記吸着部は、酸化亜鉛と窒素原子とを含み、
    亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液中で、前記ナノワイヤを成長させ、
    前記ナノワイヤを成長させる時間は、前記吸着材をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の前記吸着材へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上になるように規定される、
    吸着材の製造方法。
  2. 前記ナノワイヤを成長させる前記時間は、10時間以上である、
    請求項1に記載の吸着材の製造方法。
  3. 吸着材の製造方法であり、
    前記吸着材は、酸化亜鉛を含むナノワイヤを備え、
    前記ナノワイヤは、ワイヤ状のコア部と、前記コア部を覆う吸着部とを有し、
    前記吸着部は、酸化亜鉛と窒素原子とを含み、
    ワイヤ状の基部を、亜鉛イオン、250mmol/L以上750mmol/L以下のアンモニア及び1mmol/L以上3mmol/L以下のポリエチレンイミンを含む水溶液に浸漬することで、前記基部の表面上に生成物を析出させることにより、前記ナノワイヤを成長させることを含む、
    吸着材の製造方法。
  4. 前記ナノワイヤを成長させる時間は、前記吸着材をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の前記吸着材へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が1以上になるように規定される、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の吸着材の製造方法。
  5. 前記吸着材は、複数の前記ナノワイヤの集合体である、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸着材の製造方法
  6. 前記吸着材は、前記吸着材をノナナールとピロールとを1体積ppmずつ含む試料ガスに1分間暴露した場合の前記吸着材へのノナナールの吸着量に対するピロールの吸着量の比の値が0.4以上であるという吸着特性を有する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の吸着材の製造方法
  7. 前記吸着部の、前記ナノワイヤの径方向に沿った厚みは、10nm以上30nm以下である、
    請求項1からのいずれか一項に記載の吸着材の製造方法
  8. 前記コア部と前記吸着部とは、互いに異なる結晶配列を有する、
    請求項1からのいずれか一項に記載の吸着材の製造方法
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