JP7290401B2 - 吸着材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は吸着材の製造方法に関する。特に、本発明はリンを吸着する吸着材の製造方法に関する。
大気中の二酸化炭素の量を削減するために、二酸化炭素を人為的に回収し地中に貯留する技術が知られている。例えば、木質や農作物等のバイオマスを利用して大気中の二酸化炭素を吸収させ、当該二酸化炭素を有機炭素として固定することができる。しかし、これらバイオマスは有機物であることから、そのまま地中に貯留しても、腐敗や分解が起きるだけで、大気中に二酸化炭素を再放出することになる。一方、バイオマスは、酸素を遮断した状態で加熱すると、酸素原子や水素原子が脱離し、炭素分と灰分からなる炭化物を生成することができる。この炭化物は炭素の塊であることから、酸素の存在下において、高温で加熱しないかぎり燃焼されない。つまり、炭化物は環境中(地中)では非常に安定であり、ほとんど分解されることはない。このように、炭化させたバイオマスを農地等に埋めることで、二酸化炭素を炭素に変換して地中に隔離貯留することができる。つまり、バイオマスの炭化物を地中に埋めることは、大気中の二酸化炭素量の削減に繋がる。また、炭化物は土壌の土質を改善する効果を有する。しかしながら、炭化物の製造にかかるコストを考慮すると、単に炭化物を土壌の土質改善のためだけに利用することは、その製造コストに見合わない。
他方、炭化物は多孔質であるため、表面積が非常に大きいことが知られている。この表面積の大きさを利用して、炭化物は多様な物質の吸着材として用いられている。例えば、特許文献1では、カルシウムを担持した炭化物を用いたリン回収材が記載されている。このようなリン回収材を用いてリンを吸着させることで、リンが自然水域に排出されることによる水質汚染を抑制することができる。さらに、リンを吸着したリン回収材を農地に埋めると、農作物が根から放出する有機酸により当該リン回収材に吸着したリンが溶解される。すなわち、このリンは農作物の肥料として機能するため、リン回収材が埋められた農地の収量を向上させる、又は良質な農作物を成長させることができる。
このように、単に土壌の土質改善のためだけではなく、例えば、ある有害物質を吸着させることで、環境汚染を抑制することができる炭化物、又は、その有害物質を他の用途に適用することができる炭化物の需要が増加してきている。
特開2007-75706号公報
しかしながら、特許文献1のリン回収材では、籾殻又は珪藻土等のようにケイ素を多く含む材料を用いる必要がある。ケイ素を多く含む材料を用いる場合、リン回収材の製造量に限界がある。また、リンなどの物質を吸着することができる許容量に限界がある。
本発明の一実施形態は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、多様な材料を用いて吸着材を製造することができる吸着材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態にかかる多孔質材への粒子の導入方法は、鉄を含むナノ微粒子が入った液体を多孔質材の孔の中に染みこませ、前記液体を乾燥させる。
前記ナノ微粒子は、酸化鉄を含み、前記液体を乾燥した後に、前記酸化鉄を還元してもよい。酸化鉄は組成が異なるものが知られているが、二価でも三価の鉄でも構わない。つまり、酸化鉄(II)FeOや、酸化鉄(III)Feでも構わない。
前記多孔質材を前記液体に浸漬させた状態で減圧してもよい。
前記液体中の前記ナノ微粒子を、前記ナノ微粒子のサイズに基づいて分離し、相対的に小さいサイズの前記ナノ微粒子が分散された第1分散液を前記多孔質材の孔の中に染みこませ、続いて、相対的に大きいサイズの前記ナノ微粒子が分散された第2分散液を前記多孔質材の孔の中に染みこませてもよい。
本発明の一実施形態にかかる多孔質材への粒子の導入方法は、粉末状のナノ微粒子を多孔質材の孔の中に入れる
前記多孔質材を前記粉末状のナノ微粒子に沈めた状態で、前記多孔質材の外から前記孔に向かう気流を生じさせてもよい。
前記多孔質材は導電性を有してもよい。
前記多孔質材は炭化物であってもよい。
前記酸化鉄の還元は、水素、一酸化炭素、又は炭化水素を含むガスを用いて行われてもよい。
前記酸化鉄の還元は、一酸化炭素を含むガスを用いて500℃以上900℃以下の温度で行われてもよい。
前記酸化鉄の還元は、水素を含むガスを用いて100℃以上900℃以下の温度で行われてもよい。
本発明の一実施形態によれば、多様な材料を用いて吸着材を製造することができる吸着材の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る吸着材に用いられる多孔質材の孔形状を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示す図である。 本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法において、水溶液に浸漬した多孔質材を減圧する方法を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における吸着材及び吸着材の製造方法について説明する。但し、本発明の一実施形態における吸着材及び吸着材の製造方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下の実施形態では、吸着材に用いられる多孔質材として、有機物を炭化した炭化物について例示するが、この構成に限定されない。例えば、多孔質材は、炭化物以外の多孔質な部材であってもよい。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。
〈第1実施形態〉
[吸着材10の製造方法]
図1~図5を用いて、第1実施形態に係る吸着材10及び吸着材10の製造方法について説明する。本実施形態において、吸着材10(図5参照)に用いられる多孔質材100として、有機物が炭化された炭化物が用いられ、多孔質材100の孔の中に導入される金属ナノ微粒子として酸化鉄が用いられ、多孔質材100の孔の中に付着した酸化鉄が還元されることで、ゼロ価の鉄粒子が多孔質材100の孔の中に配置された構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示すフローチャートである。図2は、本発明の一実施形態に係る吸着材に用いられる多孔質材の孔形状を示す断面図である。図3~図5は、それぞれ本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法を示す図である。
図1に示すように、ステップS101で有機物が炭化される。本実施形態では、有機物として木材が用いられる。有機物の炭化は、大気雰囲気に比べて酸素比が小さい雰囲気での熱処理によって行われる。
炭化炉には主に二種類あり、炭化に必要な熱を外部から供給する炭化炉を外熱式と呼び、材料から熱を確保するものを内燃式と呼ぶ。外熱式は酸素を遮断して炭化し、内燃式は炭化に必要な最低限の熱量を確保するために必要な燃焼のための酸素を供給する。つまり、基本的には還元条件下、高温で加熱するプロセスを炭化と呼ぶ。有機物を還元条件下で加熱すると、昇温途中(例えば、約280℃)で有機物中の組成分解が始まり、有機物内の酸素、水素が、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、炭化水素などのガスとして揮発し、炭素分の多い無定形炭素に変化していく。さらに高温で加熱し続けることで、有機物内の酸素、水素がさらに減少し、純度の高い固定炭素および灰分から構成される炭化物を形成する。このような変化により、有機物は炭化物に変わる。有機物内の水分や構成成分が揮発性ガス等として脱離し、一定量の炭素が残存するため、有機物の炭化によって形成される炭化物には多数かつ大小様々な連続多孔が形成されることになる。炭化温度の上昇に伴い炭素化が進行して形成される炭化物は、耐熱性(耐火性)、吸着性、導電性の性質を有するようになる。有機物の炭化によって形成された炭化物は、多孔質材100の一例である。この場合、多孔質材100は導電性を有している。
ここで、図2を用いて、多孔質材100として炭化物が用いられた場合における、多孔質材100の孔形状について説明する。図2に示すように、多孔質材100は、マクロ孔200、メソ孔210、及びミクロ孔220を有する。マクロ孔200は、多孔質材100の表面に繋がる孔である。多孔質材100の内部において、マクロ孔200が細分化されてメソ孔210が形成されており、メソ孔210が細分化されてミクロ孔220が形成されている。マクロ孔200のサイズは、おおよそ50nm~40μmである。メソ孔210のサイズは、おおよそ2nm~50nmである。ミクロ孔220のサイズは、おおよそ0.5nm~2nmである。
図1に示すように、ステップS101の有機物の炭化とは別に、ステップS103でナノ微粒子110の分散が行われる。本実施形態では、ナノ微粒子110として酸化鉄の粒子が用いられる。ステップS103の分散は、液体中でナノ微粒子110を含む凝集体が分散処理され、一次粒子が形成されることで実現される。なお、粒子径が100nm以下のナノ微粒子110が一次粒子まで分散すると、ナノ微粒子110は可視光波長(約400~700nm)より小さいため、光を散乱せず、透明な分散液120を得ることができる。ただし、分散液120は、ナノ微粒子110が入った液体の一例に過ぎず、上記以外の液体を用いてもよい。
ステップS105で、ステップS101で形成された炭化物を、ステップS103で形成された分散液120に浸漬する。このときの状態を図3に示す。図3に示すように、分散液120が多孔質材100に供給されると、分散液120が多孔質材100の孔(マクロ孔200、メソ孔210、及びミクロ孔220(図2参照))に侵入する(染みこむ)。これに伴い、分散液120中のナノ微粒子110も多孔質材100の孔に侵入する。つまり、多孔質材100を分散液120に浸漬することで、ナノ微粒子110を多孔質材100の孔の中に染みこませる。ここで、ナノ微粒子110は、その形態を維持したまま多孔質材100の外部から孔の中に移動させられる。
ここで、メソ孔210及びミクロ孔220は、マクロ孔200に比べてサイズが非常に小さく、その先端が多孔質材100の内部で行き止まりになっている。このため、分散液120が多孔質材100の孔の中に染みこんだときに、例えばミクロ孔220の先端に気泡130が生じてしまう場合がある。図3の例では、ミクロ孔220の先端にだけ気泡130が発生した状態を例示したが、気泡130はメソ孔210まで広がっている場合もあり、マクロ孔200まで広がっている場合もある。気泡130が存在する領域には分散液120が染みこむことができないため、この領域にナノ微粒子110を供給することができない。
このような現象を解消するために、図1のステップS107において、多孔質材100が分散液120中に浸漬した状態で、これらが配置された雰囲気を減圧する。このときの状態を図4に示す。図4に示すように、多孔質材100に分散液120が供給された状態で、これらが配置された雰囲気を減圧すると、図3に示すようなミクロ孔220の先端に存在していた気泡130が孔の外に拡散される。この処理を脱気という場合がある。図4に示すように気泡130が孔の外に拡散されると、図3で気泡130が存在していた位置に分散液120が侵入することができるため、気泡130が存在していた領域(この例では、ミクロ孔220)にナノ微粒子110を供給することができる。なお、上記のように孔の内部に気泡が生じない場合、又は孔の内部に気泡が生じる場合であっても、その気泡の存在が吸着材10の特性に悪影響を及ぼさない程度であれば、このステップS107及び次のステップS109は省略してもよい。
ステップS109で、ステップS107で減圧された雰囲気を大気圧に戻し、ステップS111の乾燥を行う。この乾燥によって分散液120に含まれる液体を除去して、ナノ微粒子110を多孔質材100の孔の中に付着させる。この乾燥は、多孔質材100を加熱しながら行われる。また、多孔質材100を乾燥する際に、多孔質材100が配置された環境の湿度を調整してもよい。
分散液120に浸漬した後の多孔質材100を乾燥した状態を図5に示す。図5に示すように、分散液120に含まれる液体を除去することで、分散液120に含まれていたナノ微粒子110が多孔質材100の孔の中及びその表面に付着する。具体的には、ナノ微粒子110はマクロ孔200、メソ孔210、及びミクロ孔220のうち少なくともいずれか一の孔の内壁に付着する。なお、図5では、ナノ微粒子110がこれら全ての孔の内壁に付着している。ステップS105~S109において、分散液120をメソ孔210及びミクロ孔220にも供給することができるため、ステップS111でナノ微粒子110をこれらの孔の内壁に付着させることができる。
図1のステップS113で、多孔質材100の孔の中に付着したナノ微粒子110の還元処理が行われる。言い換えると、ナノ微粒子110は、マクロ孔200、メソ孔210、及びミクロ孔220のうち少なくともいずれか一の孔の内壁に付着した状態で還元される。還元処理は、還元ガス雰囲気での熱処理によって行われる。この還元処理によって、ナノ微粒子110として用いられた酸化鉄(二価もしくは三価の鉄)が還元され、ゼロ価の鉄になる。このようにして、本実施形態に係る吸着材10が製造される。吸着材10に含まれるゼロ価の鉄が、リンやヒ素などを吸着する。
なお、ステップS101において用いられる有機物として、生立木(広葉樹、針葉樹、竹などの間伐材、林地廃材を含む)、製材工場又は木材加工工場の廃材(鋸屑、樹皮屑、チップ屑、端切材を含む)、植物性の殻、建築解体材又は家具材の木質系廃材を用いることができる。ステップS101で生成される炭化物は、例えば木炭又は竹炭である。木炭は、竹炭の他に、白炭、黒炭、オガ炭、ヤシ殻炭、モミ殻炭、粉炭を含んでもよい。
ステップS101における有機物の炭化温度は、400℃以上1200℃以下、500℃以上1100℃以下、600℃以上1000℃以下、又は700℃以上900℃以下である。有機物の炭化雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気、無酸素雰囲気、低酸素雰囲気、還元雰囲気、又は減圧雰囲気である。有機物の炭化を減圧雰囲気で行う場合、100Pa以上10Pa以下の低真空状態、0.1Pa以上100Pa以下の中真空状態、10-5Pa以上0.1Pa以下の高真空状態、又は10-5Pa以下の超高真空状態で行うことができる。また、有機物の炭化を低酸素雰囲気で行う場合、酸素濃度は0.01%以上3%以下、又は0.1%以上1%以下で行うことができる。有機物の炭化時間は10分以上10日以下、又は10分以上5時間以下である。有機物の炭化は、内燃式もしくは外熱式で、バッチ式の開放型や密閉型の炭窯炉、連続式のロータリーキルンや揺動式炭化炉、スクリュー炉、加熱チャンバ、蓋がされた耐熱容器(坩堝)を用いて行うことができる。
本実施形態では、ステップS101において有機物を炭化することで多孔質材100を得る方法を例示したが、多孔質材100として市販された炭化物を用いてもよい。
ステップS103で用いられるナノ微粒子110のサイズは、1nm以上100nm以下、2nm以上50nm以下、又は3nm以上30nm以下である。ナノ微粒子110として酸化鉄が用いられる場合、ナノ微粒子110は、例えばウスタイト(FeO)、ヘマタイト(Fe)の粒子又はマグネタイト(Fe)の粒子を含む。ナノ微粒子110として、鉄又は酸化鉄以外の鉄化合物が用いられてもよい。また、ナノ微粒子110として、鉄以外に、アルミニウム、セリウム、チタン、亜鉛、ジルコニア、ケイ素、クロム、バナジウム、銅、ニッケル、コバルト、これらの酸化物、及びこれらの合金が用いられてもよい。
ステップS103で用いられる分散液120の液体として、水、エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、トルエン、キシレン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、酢酸ブチル、PEGMA(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、DMA(ジメチルアセトアミド)、ターピネオール、又はブチルカルビトールが用いられる。
ステップS103におけるナノ微粒子110の分散方法として、例えば、微小球形セラミックス球の充填層を高速に攪拌するビーズミル法、超音波ホモジナイザー法、又は液体ジェットミル法が用いられる。なお、本実施形態では、ステップS103において分散液120を作製する方法を例示したが、分散液120は市販品のものを用いてもよい。
また、分散液120に、ナノ微粒子110の分散を促進する分散剤を追加してもよい。当該分散剤として、例えば界面活性剤を用いることができる。界面活性剤として、陰イオン(アニオン)界面活性剤、陽イオン(カチオン)界面活性剤、両性(双性)界面活性剤、非イオン(ノニオン)界面活性剤、及び高分子界面活性剤を用いることができる。陰イオン界面活性剤として、脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸トリエタノールアミン、及びアルキルベンゼンスルホン酸塩を用いることができる。陽イオン界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジウムクロリド、及びアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩を用いることができる。両性界面活性剤として、アルキルジメチルアミンオキシド及びアルキルカルボキシベタインを用いることができる。非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、オクチルフェノールエトキシレート、及びアルキルモノグリセリルエーテルを用いることができる。高分子界面活性剤として、ポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリビニルアルコール、及びポリエチレンイミンを用いることができる。分散剤の濃度は、0.01%以上20%以下、または0.01%以上1%以下である。なお、炭化物は高温で炭化しないと疎水性(非親水性)を有するため、水が内部に入りにくい。このため、分散液120に界面活性剤を含ませることにより、分散液120を多孔質材100の内部に浸透しやすくさせることができる。
ステップS105において、多孔質材100を分散液120に浸漬する前に、多孔質材100に上記の界面活性剤を供給してもいい。界面活性剤の供給は、多孔質材100の上面に塗布することで行われてもよく、界面活性剤を含む液体に多孔質材100を浸漬することで行われてもよい。また、ステップS107と同様に、界面活性剤を多孔質材100に供給した状態で脱気を行ってもよい。
また、多孔質材100は分散液120に浸漬しなくてもよい。例えば、多孔質材100の表面に分散液120を塗布することで、分散液120を多孔質材100の孔の中に染みこませてもよい。
ステップS107において、より効率的に気泡130を孔の外に拡散させるために、脱気の際に振動を与えてもよい。この振動は超音波振動であってもよい。また、脱気の際に多孔質材100を加熱してもよい。また、脱気の際に、多孔質材100を分散液120中で傾ける又は回転させてもよい。脱気の際の圧力は通常大気圧をゼロとしたゲージ圧で-0.101MPa以上-0.03MPa以下で、脱気時間は10秒以上1時間以下、または30秒以上10分以下である。
多孔質材100として炭化物が用いられる場合、炭化物は疎水性であるため、多孔質材100の孔の中にナノ微粒子110を含んだ分散液120が染みこみ難い場合がある。このような場合、多孔質材100の孔(マクロ孔200、メソ孔210、ミクロ孔220)に存在する空気によって、多孔質材100の多くは液面に浮いてしまう。このような状態であっても、減圧することで、上記の孔に存在する空気を多孔質材100の外に引き出し、分散液120の外に排出することができる。これにより、多孔質材100の孔において、気泡130が存在していた領域に、ナノ微粒子110を含む分散液120を充填させることができる。
なお、上記のように減圧すると、多孔質材100内の気泡130が大きくなり、多孔質材100の浮力が上昇し、多孔質材100が液面上に浮いてしまう場合がある。この現象を抑制するために、分散液120を入れた容器に、多孔質材100よりも小さな網目状の浮上防止板を設置してもよい。多孔質材100が液面上まで浮上してしまうと、液面上における気泡130と分散液120との置換効率が悪くなり、また大気圧に戻す際に、分散液120ではなく空気が多孔質材100内に入ってしまう可能性がある。しかし、上記のように浮上防止板を設置することで、このような現象を抑制することができる。
上記のステップS105~S111の工程は、複数回繰り返し行われてもよい。また、ステップS107及びS109の工程が、複数回繰り返し行われてもよい。上記のステップを複数回繰り返すことで、多孔質材100に付着するナノ微粒子110の量を増やすことができる。また、ステップS109の大気圧に戻す工程を経ずに、減圧された状態のままステップS111の乾燥を行ってもよい。その場合、当該乾燥の後に大気圧に戻してもよく、減圧のままステップS113の還元を行ってもよい。また、上記の乾燥及び還元を同一工程で行ってもよい。
ステップS113におけるナノ微粒子110の還元温度は、500℃以上1200℃以下、500℃以上1000℃以下、500℃以上900℃以下、又は700℃以上900℃以下である。ナノ微粒子110の還元処理に用いられる還元ガスは、一酸化炭素ガス、水素ガス、硫化水素ガス、二酸化硫黄ガス、又は炭化水素ガスである。また、一酸化炭素と水素を混ぜるなど、還元ガスを混合しても構わない。さらに還元ガスは爆発性や可燃性の観点から取り扱いが難しいガスも多いため、これらを不活性ガスで希釈しても構わない。例えば、一酸化炭素の濃度が1%~20%になるように、窒素ガスで希釈することができる(つまり、窒素の濃度が99%~80%である)。還元時間は1分以上10時間以下、10分以上2時間以下である。当該還元は、バッチ式、連続式のどちらでも構わなく、加熱及び還元ガス(不活性ガスとの混合でも構わない)を導入することができる構造であれば、管状炉、箱型炉を適宜用いることができる。還元性ガスとして一酸化炭素ガスを用いる場合、還元温度は500℃以上1200℃以下、500℃以上1000℃以下、500℃以上900℃以下、又は700℃以上900℃以下とすることができる。また、還元性ガスとして水素ガスが用いられる場合、還元温度は100℃以上1200℃以下、100℃以上900℃以下、又は700℃以上900℃以下とすることができる。
なお、ナノ微粒子110を還元する際に、還元ガスに加えて、二酸化炭素ガス、酸素ガス、水蒸気を加え、賦活することで、還元と同時に多孔質材100に微細な孔を増やす(活性炭化する)ことができる。多孔質材100を活性炭化することで、多孔質材100の表面積をより大きくすることができる。
なお、ナノ微粒子110として、ゼロ価の鉄など、還元する必要がない材料を用いた場合、ステップS113の還元処理を省略することができる。
従来、炭化物の内部に金属結晶を形成する場合は、炭化する前の乾燥した有機物を、当該金属化合物が溶解した溶液中に浸漬し、乾燥した後に、炭化を行っていた。上記のマクロ孔200は、木の仮道管孔に起因する孔であるため、マクロ孔200の内壁には金属結晶が析出すると考えられる。また、生木等の乾燥前の生の有機物を、当該金属化合物を溶解した溶液中に浸漬した場合、拡散浸透により、バイオマスの内部にまで金属化合物を浸漬することができるが、炭化後の炭化物の孔表面に金属結晶が十分に析出していない可能性がある。
それに対して、本実施形態では、多孔質材100にメソ孔210及びミクロ孔220が形成された後に、ナノ微粒子110を含む分散液120を多孔質材100の孔の中に染みこませ、乾燥させるため、ナノ微粒子110をこれらの孔の内壁に付着させることができる。
また、従来は、有機物を炭化する熱処理で、炭化の際に発生する一酸化炭素や水素を利用して上記の酸化金属粒子の還元を行っていた。したがって、炭化の条件と還元処理の条件とを個別に制御することができなかった。例えば、酸化金属粒子の還元に必要な還元性ガスの量を調整することが難しかった。
それに対して、本実施形態では、還元を炭化とは別の熱処理で行うため、還元に適した条件を適宜選択することができる。例えば、炭化と還元処理とを異なる装置で行うことができる。又は、炭化温度と還元温度とを異なる温度や時間で処理することができる。又は、炭化と還元処理とを異なる雰囲気で行うことができる。
なお、本実施形態では、有機物を炭化した炭化物を多孔質材100として用いる構成を例示したが、多孔質材100として、炭化物以外の材料を用いてもよい。また、有機物として木材を炭化することで多孔質材100を得る構成を例示したが、木材以外の有機物を炭化してもよい。
多孔質材100が炭化物の場合、炭化物は導電性が高いため、炭化物とその孔の中に付着したゼロ価の鉄の結晶粒子との間で電子交換が速やかに行われる。したがって、ゼロ価の鉄の結晶粒子を含む炭化物を水中に入れると、多孔質体表面でゼロ価の金属鉄が速やかにイオン化し、オキシ水酸化鉄(FeOOH)などの水酸化物を生成し、水中に存在するリン酸イオンと反応し、リン酸鉄を形成して炭化物に吸着固定することができる。上記と同様に、多孔質材100として、導電性を有する材料を用いることで、効率よくリンを吸着することができる。
〈第2実施形態〉
[吸着材10Aの製造方法]
図6を用いて、第2実施形態に係る吸着材10Aの製造方法について説明する。吸着材10Aの製造方法は、図1に示す第1実施形態に係る吸着材10の製造方法と類似しているが、分散液120Aに分散させたナノ微粒子110Aをサイズ別に分離し、分離されたサイズに応じて異なる工程でナノ微粒子110Aを多孔質材100Aの孔の中に付着させる点において、第1実施形態の吸着材10の製造方法と相違する。以下の図6の説明において、図1と共通する部分については説明を省略し、主に図1と異なる点について説明する。なお、本実施形態に係る吸着材10Aの構成は、第1実施形態に係る吸着材10の構成と同様なので、ここでは図示を省略する。以下の説明において、吸着材10Aの構成の中で、吸着材10と同様の構成については、吸着材10で用いられる符号と同一の符号の後にアルファベット「A」を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、ステップS103Aにおいてナノ微粒子110Aが分散した分散液120Aを形成した後に、ステップS115Aでナノ微粒子110Aのサイズに基づいた分離が行われる。具体的には、分散液120A中のナノ微粒子110Aの沈降速度に基づいて、ナノ微粒子110Aのサイズ別の分離が行われる。ここでは、遠心力を用いた遠心沈降法を用いて、ナノ微粒子110Aの分離を行うことができる。この分離によって、分散液120Aは、相対的にサイズが小さいナノ微粒子110Aが分散された第1分散液と、相対的にサイズが大きいナノ微粒子110Aが分散された第2分散液とに分けられる。
第1分散液に分散されたナノ微粒子110Aは第1粒度分布を有し、第2分散液に分散されたナノ微粒子110Aは第2の粒度分布を有する。第1粒度分布と第2粒度分布とは、互いにサイズが重ならない分布であってもよく、ある粒子径で互いの一部が、重なる分布であってもよい。つまり、第1分散液に含まれるナノ微粒子110Aのサイズと第2分散液に含まれるナノ微粒子110Aのサイズとは、完全に異なっていてもよく、第1分散液及び第2分散液に、共通するサイズのナノ微粒子110Aが含まれていてもよい。
ステップS117Aで、ステップS101Aで炭化された多孔質材100Aを、ステップS115Aで形成された第1分散液に浸漬する。つまり、上記の相対的にサイズが小さいナノ微粒子110Aを含む第1分散液を多孔質材100Aの孔の中に染みこませる。その後、図1のステップS107~S111と同様に、脱気、乾燥を行うことで、上記のナノ微粒子110Aを多孔質材100Aの孔の中に付着させる(ステップS107A-1、S109A-1、S111A-1)。
次に、ステップS119Aで、相対的にサイズが小さいナノ微粒子110Aが孔の中に付着した多孔質材100Aを、ステップS115Aで形成された第2分散液に浸漬する。つまり、相対的にサイズが大きいナノ微粒子110Aを含む第2分散液を多孔質材100Aの孔の中に染みこませる。その後、図1のステップS107~S111と同様に、脱気、乾燥を行うことで、既にステップS111A-1で相対的にサイズが小さいナノ微粒子110Aが付着した多孔質材100Aの孔の中に、相対的にサイズが大きいナノ微粒子110Aを付着させる(ステップS107A-2、S109A-2、S111A-2)。
さまざまなサイズのナノ微粒子110Aを含む分散液を多孔質材100Aの孔の中に染みこませる場合、相対的に大きいナノ微粒子110Aがメソ孔210Aを塞いでしまうと、ナノ微粒子110Aは、そのメソ孔210Aのさらに先端側に存在するミクロ孔220Aに入り込むことができない。しかし、上記のように、先に相対的に小さいナノ微粒子110Aを多孔質材100Aの孔の中に付着させることで、このような不具合を抑制することができる。
上記のステップS117A~S111A-1の工程は、複数回繰り返し行われてもよい。また、上記のステップS119A~S111A-2の工程は、複数回繰り返し行われてもよい。
以上のように、本実施形態に係る吸着材10Aの製造方法によると、ナノ微粒子110Aをミクロ孔220Aのような細部にまで付着させることができる。その結果、リンなどの物質の吸着効率が高い吸着材10Aを製造することができる。
〈第3実施形態〉
[吸着材10Bの製造方法]
図7及び図8を用いて、第3実施形態に係る吸着材10Bの製造方法について説明する。吸着材10Bの製造方法は、図1に示す第1実施形態に係る吸着材10の製造方法と類似しているが、ナノ微粒子110Bを液体中に分散させるのではなく、粉末状ナノ微粒子190Bを多孔質材100Bの孔の中に入れる、という点において、第1実施形態の吸着材10の製造方法と相違する。以下の図7の説明において、図1と共通する部分については説明を省略し、主に図1と異なる点について説明する。なお、本実施形態に係る吸着材10Bの構成は、第1実施形態に係る吸着材10の構成と同様なので、ここでは図示を省略する。以下の説明において、吸着材10Bの構成の中で、吸着材10と同様の構成については、吸着材10で用いられる符号と同一の符号の後にアルファベット「B」を付し、その説明は省略する。
図7に示すように、ステップS101Bで炭化された多孔質材100Bを、ステップS121Bで粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈める。このときの状態を図8に示す。図8に示すように、容器300Bの中に粉末状ナノ微粒子190Bを入れて、粉末状ナノ微粒子190Bの中に多孔質材100Bを沈める。図8では、多孔質材100Bが完全に粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈んだ構成を例示したが、この構成に限定されない。粉末状ナノ微粒子190Bは少なくとも多孔質材100Bに設けられたマクロ孔200Bの開口端付近に存在していればよい。
上記のように多孔質材100Bが粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈んだ状態で、これらが配置された雰囲気を減圧すると(ステップS107B)、マクロ孔200B、メソ孔210B、及びミクロ孔220Bに存在していた空気又はガスがこれらの孔の外に拡散する。そして、雰囲気を大気圧に戻すと(ステップS109B)、多孔質材100Bの外から上記の孔に向かう気流(空気又はガスの流れ)が生じ、その気流に伴い、マクロ孔200Bの開口端付近の粉末状ナノ微粒子190Bが上記の孔の中に向かって移動する。このようにして、粉末状ナノ微粒子190Bを上記の孔に入れることができる。
なお、上記では、多孔質材100Bが粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈んだ状態で、その雰囲気を減圧する方法を例示したが、この方法に限定されない。例えば、減圧雰囲気下で多孔質材100Bを粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈め、その状態で大気圧に戻してもよい。また、多孔質材100Bに向かって粉末状ナノ微粒子190Bを含むガスを吹き付けてもよい。又は、多孔質材100Bの外から上記の孔に向かう気流を生じさせなくても、多孔質材100Bを粉末状ナノ微粒子190Bの中に沈めた状態で振動を加えることで、粉末状ナノ微粒子190Bを上記の孔の中に移動させてもよい。
上記のステップS107B~S111Bの工程は、複数回繰り返し行われてもよい。このとき、ステップS107Bの減圧の際に、粉末状ナノ微粒子190Bが上記の孔から外に出てしまうことを抑制しつつ、ステップS109Bの大気圧に戻す際に、多孔質材100Bの外の粉末状ナノ微粒子190Bが上記の孔に入り込みやすくするために、減圧速度に対して大気圧に戻す速度を早くしてもよい。又は、ステップS109Bの際に、大気圧よりも高い圧力に加圧してもよい。
以上のように、本実施形態に係る吸着材10Bの製造方法によると、第1実施形態及び第2実施形態のように分散液を用いなくても、粉末状ナノ微粒子190Bを多孔質材100Bの孔の中に入れることができる。
上記の実施形態において、多孔質材100(又は100A、100B)を、分散液120(又は120A)に浸漬した状態、若しくは粉末状ナノ微粒子190Bに沈めた状態で、これらを減圧する具体的な方法について、図9を用いて説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る吸着材の製造方法において、水溶液に浸漬した多孔質材を減圧する方法を説明する図である。
図9に示すように、減圧容器400は容器部401及び蓋部403を有する。容器部401は、分散液120(又は粉末状ナノ微粒子190B)を貯めることが可能な形状を有する。蓋部403は、容器部401の上部に脱着可能に設けられる。蓋部403には、排気口405及び給気口407が設けられている。排気口405は第1バルブ410に接続されている。第1バルブ410は真空ポンプ430に接続されている。給気口407は第2バルブ420に接続されている。第2バルブ420は、外部から減圧容器400内に空気又は所望のガスを供給する配管435に接続されている。また、減圧容器400には真空圧力計440が接続されている。真空圧力計440は、減圧容器400内の圧力を測定することができる。なお、真空ポンプ430の代わりにアスピレータが用いられてもよい。
また、図9に示すように、減圧容器400に分散液120(又は粉末状ナノ微粒子190B)が供給されており、その分散液120の中に多孔質材100が浸漬している。なお、内部に多孔質材100を格納したケース500が分散液120に沈められている。ケース500は、その内部空間を囲む形状であり、当該内部空間に多孔質材100が格納された状態で分散液120に沈められている。つまり、ケース500は、多孔質材100が浮き上がって分散液120の液面より上に出ることを抑制し、ケース500を減圧容器400から取り出す際に多孔質材100を持ち上げることができる。
ケース500には、分散液120が通過可能な大きさ、かつ、多孔質材100が通過できない大きさの開口が設けられている。当該開口のサイズは、例えば0.1mm以上50mm以下である。ケース500として、例えばステンレスなどの金属製又は硬質プラスチックなどの樹脂製の網状の籠を用いることができる。なお、ここではケース500が多孔質材100の上下左右を囲んだ構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、ケース500は、多孔質材100が上方に浮き上がることを抑制するように多孔質材100の上方を覆い、下方が抜かれた形状であってもよい。又は、ケース500が多孔質材100の上方、かつ、ケース500を減圧容器400から取り出す際に多孔質材100を持ち上げることができるように、多孔質材100の下方に設けられた形状であってもよい。
第1バルブ410を開いた状態、かつ、第2バルブ420を閉じた状態で真空ポンプ430を動作させることで、減圧容器400の中が減圧される。その後、第1バルブ410を閉じた状態、かつ、第2バルブ420を開いた状態で配管435に空気又は所望のガスを供給することで、減圧容器400の中を大気圧に戻すことができる。
上記の処理が終了した後に、蓋部403を開けて、多孔質材100ごとケース500を取り出す。このとき、多孔質材100の下方に相当するケース500の一部に上記の開口が設けられていることで、過剰な分散液120を減圧容器400内に落としながら多孔質材100を取り出すことができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の吸着材を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
10:吸着材、 100:多孔質材、 110:ナノ微粒子、 120:分散液、 130:気泡、 190B:粉末状ナノ微粒子、 200:マクロ孔、 210:メソ孔、 220:ミクロ孔、 300B:容器、 400:減圧容器、 410:容器部、 403:蓋部、 405:排気口、 407:給気口、 410:第1バルブ、 420:第2バルブ、 430:真空ポンプ、 435:配管、 440:真空圧力計、 500:ケース

Claims (7)

  1. ナノ微粒子として酸化鉄を含む第1分散液を多孔質材の孔の中に染みこませ、
    続いて、ナノ微粒子として酸化鉄を含む第2分散液を前記多孔質材の孔の中に染みこませ、
    前記第1分散液及び第2分散液が染みこんだ前記多孔質材を乾燥させ、
    前記第1分散液に含まれる前記ナノ微粒子のサイズは、前記第2分散液に含まれる前記ナノ微粒子のサイズよりも、相対的に小さい、吸着材の製造方法。
  2. 前記多孔質材を乾燥させた後に、前記多孔質材に付着した前記酸化鉄を還元する、請求項に記載の吸着材の製造方法。
  3. 前記酸化鉄の還元は、水素、一酸化炭素、又は炭化水素を含むガスを用いて行われる、請求項に記載の吸着材の製造方法。
  4. 前記酸化鉄の還元は、一酸化炭素を含むガスを用いて500℃以上900℃以下の温度で行われる、請求項に記載の吸着材の製造方法。
  5. 前記酸化鉄の還元は、水素を含むガスを用いて100℃以上900℃以下の温度で行われる、請求項に記載の吸着材の製造方法。
  6. 前記多孔質材は導電性を有する、請求項1乃至のいずれか一に記載の吸着材の製造方法。
  7. 前記多孔質材は炭化物である、請求項1乃至のいずれか一に記載の吸着材の製造方法。
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