JP2015091565A - セシウム吸着材とそれを用いた除染方法 - Google Patents

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土屋 豊
Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
尚史 成田
Hisashi Narita
尚史 成田
佐藤 義夫
Yoshio Sato
義夫 佐藤
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Abstract

【課題】セシウム及び他の物質を含む水溶液からセシウムを吸着除去できるとともに、セシウムを吸着させた後に焼却することによって減容が可能なセシウム吸着材の提供。【解決手段】多孔質の炭素質物質の細孔部内に形成された、ミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る細孔構造内に、プルシアンブルーと界面活性剤と硫酸第一鉄溶液とを含浸させ、乾燥処理することにより、プルシアンブルー粒子5がメソ孔内に坦持・固定され、さらに浸透性を有する酸化鉄皮膜4が形成された、セシウム吸着材。【選択図】図2

Description

本発明は、セシウム吸着材とそれを用いた除染方法に関し、放射性物質が他の物質と渾然一体となった水溶液からのセシウム除去を得意とし、焼却することによって減容処理されるセシウム吸着材に関するものである。
特許文献1には、水に難溶なフェロシアン化物を生成する金属の水溶性塩を活性炭に吸着させ、次いでこれを水溶性のフェロシアン化化合物の水溶液で処理することにより、または水溶性のフェロシアン化化合物を活性炭に吸着させ、次いでこれを前記金属塩の水溶液で処理することにより、水に難溶なフェロシアン化金属化合物が細孔内に沈着された活性炭による、可燃牲セシウム吸着材の製造方法が公開されている。この方法によると、活性炭の単位体積あたりのフェロシアン化金属化合物の担持量が少なく、セシウムの吸着処理の能力が低く、セシウムを含む溶液を処理すると沈着していた微細なフェロシアン化金属またはそのイオン化物が溶出する問題点がある。
特許文献2には、プルシアンブルー絶縁体、特にプルシアンブルーを担持した親水性繊維基材からなり、繊維の内部にプルシアンブルー類縁体が固定化された、放射性セシウム吸着材が公開されている。この方法によると、雨水や池の水のような水溶液に対するセシウム吸着処理の能力は非常に優れているが、放射性物質が他の物質と渾然一体となった水溶液からのセシウム除去には適さない。
特許文献3には、放射性物質類を液体中で捕捉する除染用磁性複合粒子と、液体中において、除染用磁性複合粒子を集積する磁力集積手段とを備え、除染用磁性複合粒子は、コア部に磁性ナノ粒子、表層に液体中の放射性物質類を捕捉する捕捉性化合物、及び、磁性ナノ粒子を直接被覆し、磁性ナノ粒子と捕捉性化合物の間に実質的に形成されている被覆層の多層構造からなる放射性物質類除染システムが公開されている。この方法によると、放射性物質が他の物質と渾然一体となった水溶液からのセシウム除去にも適応し、除染能力にも優れているが、減容率が低い問題点がある。
特開平02−207839号公報 国際公開2013/027652号 特開2012−237735号公報
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて発明されたもので、放射性物質が他の物質と渾然一体となった水溶液からのセシウム除去を得意とし、焼却することによって減容処理されるセシウム吸着材を提供することである。
本発明者らは、先に提案した特開2011−211930号公報の請求項5記載の硫酸鉄による鉄皮膜処理技術をベースに鋭意研究した結果、焼却することによって減容処理されるセシウム吸着材に利用できることを見いだし本発明を完成した。
上記の課題を達成するため、請求項1に記載したセシウム吸着材は、プルシアンブルー1〜30%と硫酸第一鉄5〜15%を加えた水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させると共に浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴としている。
この発明においては、プルシアンブルーを純水に分散させ充分に攪拌させた後、硫酸第一鉄5〜15%を加えた水溶液とすることで、活性炭細孔構造のミクロ孔(細孔直径;<2nm)、メソ孔(2〜50nm)、マクロ孔(>50nm)、それぞれの細孔径の特性を生かし、ミクロ孔を基点とした、容易に脱離しない硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を形成させ、酸化鉄皮膜内に分散したプルシアンブルーを坦持・固定させ、担持量(セシウムの処理能)の問題や吸着材からのイオン化物が溶出する問題点を解決している。
また、セシウム吸着材総量に対し硫酸第一鉄溶液5〜15質量%からなる鉄皮膜は、水和性のポーラスな酸化鉄皮膜となり、セシウム吸着材総量に対しプルシアンブルー1〜30質量%を坦持・固定させるのに充分な強度とセシウムが通過できる多孔性の小穴による透水性を確保でき、坦持・固定に対する強度と皮膜によるセシウムとの接触抵抗の増大という相反した問題点を高次元で解決している。
請求項2に記載したセシウム吸着材は、プルシアンブルー1〜30%水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させた後、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内に形成されたミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に、浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴としている。
この発明においては、プルシアンブルーと硫酸第一鉄を個別に処理し乾燥している点が請求項1と異なり、分散したプルシアンブルーがメソ孔内に安定的に坦持・固定される。
請求項3に記載したセシウム吸着材は、プルシアンブルー1〜30%水溶液を水酸化ナトリウム溶液によりpH値を9.0〜11.0に調整した水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸した後、塩酸溶液により水溶液のpH値を6.0に調整し
、活性炭を乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させた後、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内に形成されたミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に、浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴としている。
この発明においては、アルカリ性領域でプルシアンブルーの分解を誘導している点が請求項2と異なり、分散したプルシアンブルーの分解を誘導することにより、合成前のプルシアンブルー(小集団)にしてメソ孔内に浸入させ、酸溶液で中和処理することにより、プルシアンブルーに再合成している。
請求項4に記載したセシウム吸着材は、上記硫酸第一鉄5〜15%水溶液に対し、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を6〜7.5に調整した水溶液を用いることを特徴としている。
この発明においては、硫酸第一鉄水溶液による酸化鉄皮膜形成を中性域で行うための処理である。
請求項5に記載したセシウム吸着材は、上記プルシアンブルー1〜30%水溶液に対し
、界面活性剤1%を加え界面張力を調整した水溶液を用いることを特徴としている。
この発明においては、界面活性剤追加により、処理条件が悪い汚染水でもプルシアンブルーを強固に結着させ脱離を抑制する。
請求項6に記載したセシウム吸着材を用いた除染方法は、セシウム吸着材をカラム(充填塔)に充填して、放射性セシウムで汚染された汚染水を通水し、セシウム吸着材と接触させてセシウムを汚染水から分離吸着することを特徴としている。
この発明においては、セシウム吸着材をカラムに充填して通水するシンプルなシステムで、細孔を有する多孔質の炭素質物質からなる吸着材との相性がよく、微粒子が散逸しにくい構成としている。
以上説明したように請求項1〜請求項3の発明によれば、ミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に硫酸第一鉄溶液を含浸し、乾燥処理することにより、形成された酸化鉄皮膜がミクロ孔に入り込むため強固に坦持・固定された水和性のポーラスな酸化鉄皮膜を形成することになる、この酸化鉄皮膜内にプルシアンブルーを坦持・固定させることで、活性炭の単位体積あたりのプルシアンブルーの担持量が多く、セシウムを含む溶液を処理してもイオン化物を溶出させないセシウム吸着材とすることができ、坦持・固定に対する強度と皮膜によるセシウムとの接触抵抗の増大という相反した問題点を高次元で解決することができる。
また、プルシアンブルーを純水に分散させ充分に攪拌することで、プルシアンブルーの粒子径が小さくなり、分散したプルシアンブルーがメソ孔内に容易に浸入できる。
請求項2の発明によれば、プルシアンブルーと硫酸第一鉄を個別に処理し乾燥しているので、分散したプルシアンブルーがメソ孔内に安定的に坦持・固定される。
請求項3の発明によれば、フェロシアン化カリウムを使って活性炭上でプルシアンブルーを生成することなく、プルシアンブルーをアルカリ性領域で分解し、酸溶液で中和処理することにより、プルシアンブルーに再合成させるので、フェロシアン化カリウム等を用いてプルシアンブルーを生成する工程を省略できる。
請求項4の発明によれば、硫酸第一鉄水溶液による酸化鉄皮膜形成を中性域で行うことにより、ミクロ孔の深部まで酸化鉄皮膜が形成される。
請求項5の発明によれば、結着剤として界面活性剤による処理を追加したことにより、汚染水が強酸性、強アルカリ性、又は放射性物質濃度が高い悪条件でもプルシアンブルーの脱離を抑制することができる。
そして、請求項1〜請求項5の発明によれば、細孔を有する多孔質の炭素質物質を利用することにより、様々な粒径の吸着材が製造でき、固液の分離が容易で安価な、焼却によって減容可能なセシウム吸着材とすることができる。
請求項6の発明によれば、吸着材を充填したカラムに汚染水を通すことで除染が可能となり、システムがシンプルで、固液分離が容易で使用後の回収も容易で、微粒子が散逸しにくく二次汚染の心配が少ない構成とすることができる。
以下、本発明のセシウム吸着材とそれを用いた除染方法の実施形態を、実施例と比較例と図1〜図2を参照して詳細に説明する。図1は活性炭内の細孔構造を示す断面図、図2は本発明のプルシアンブルー粒子の坦持・固定を示す概念図である。
1.プルシアンブルー30%と硫酸第一鉄10%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
3.1の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
実施例1のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度103ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、約9ml/mim流量で通水した結果、55.5mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から1.43mg Cs/gの吸着能という結果を得た。
1.プルシアンブルー30%と界面活性剤1%と硫酸第一鉄10%を加えた水溶液を作 成。
2.1の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
3.1の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
実施例2のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度103ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、約9ml/mim流量で通水した結果、125.9mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から3.24mg Cs/gの吸着能という結果を得た。実施例1との違いは、界面活性剤の添加だけであり界面活性剤による効果と判断できる。
1.プルシアンブルー20%と界面活性剤1%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
3.1の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥。
4.硫酸第一鉄10%を加えた水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を7に調 整した水溶液を作成。
5.4の水溶液に、3で温風乾燥したバガス活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
6.4の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
実施例3のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度103ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、約8ml/mim流量で通水した結果、139.0mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から3.58mg Cs/gの吸着能という結果を得た。実施例2との違いは、プルシアンブルー(20%に変更)の量と硫酸第一鉄のpH調整及び処理の分離であるが、それぞれの作用効果と判断できる。
1.プルシアンブルー3%と界面活性剤1%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を10に調整。
3.2の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
4.pH値が10に調整された水溶液を、塩酸溶液によりpH値を6に調整。
5.4の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥。
6.硫酸第一鉄5%を加えた水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を7に調整 した水溶液を作成。
7.6の水溶液に、5で温風乾燥したバガス活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
8.6の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
実施例4のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度501ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、6.2ml/mim流量で通水した結果、58.8mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から7.36mg Cs/gの吸着能という結果を得た。実施例3との違いは、プルシアンブルー(3%に変更)の量とアルカリ性領域でプルシアンブルーの分解を誘導し酸溶液で中和処理することであるが、アルカリ・酸処理の作用効果が大きいと判断できる。
比較例1
1.ゼオライト微粉末20%と界面活性剤1%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
3.1の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥。
4.硫酸第一鉄10%を加えた水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を7に調 整した水溶液を作成。
5.4の水溶液に、3で温風乾燥したバガス活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
6.4の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
比較例1のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度501ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、6.3ml/mim流量で通水した結果、48.5mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から6.07mg Cs/gの吸着能という結果を得た。これは実施例4との比較であり、ゼオライト微粉末坦時バガス活性炭による最良値との比較である。
比較例2
1.プルシアンブルー3%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、バガス活性炭(250μm以下)を投入し水溶液を含浸させる。
3.1の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥。
4.硫酸第一鉄5%を加えた水溶液を作成。
5.4の水溶液に、3で温風乾燥したバガス活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
6.4の水溶液を液切り後、バガス活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
比較例2のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度101ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、6.3ml/mim流量で通水した結果、225.0mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から5.70mg Cs/gの吸着能という結果を得た。これは実施例4との比較であり、アルカリ・酸処理なしバガス活性炭による最良値との比較である。
比較例3
1.プルシアンブルー3%と界面活性剤1%を加えた水溶液を作成。
2.1の水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を10に調整。
3.2の水溶液に、ヤシガラ活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
4.pH値が10に調整された水溶液を、塩酸溶液によりpH値を6に調整。
5.4の水溶液を液切り後、ヤシガラ活性炭を温風乾燥。
6.硫酸第一鉄5%を加えた水溶液に、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を7に調整 した水溶液を作成。
7.6の水溶液に、5で温風乾燥したヤシガラ活性炭を投入し水溶液を含浸させる。
8.6の水溶液を液切り後、ヤシガラ活性炭を温風乾燥し、セシウム吸着材を得た。
比較例3のセシウム吸着材4gをカラム(充填塔)に充填して、非放射性セシウム(133Cs)濃度501ppm(mg/L)溶液を塩化セシウムの形で、6.7ml/mim流量で通水した結果、10.2mlまでは確実にカラムに保持されたが、それ以降では次第に流出した。この通水試験から1.28mg Cs/gの吸着能という結果を得た。これは実施例4との比較であり、ヤシガラ活性炭による最良値との比較である。この通水試験から、バガス活性炭に比べてヤシガラ活性炭の方が粒径が大きいためカラムに充填したときの隙間が極めて大きく、結果的に溶液とヤシガラ活性炭との接触時間が短くなったことが原因といえる。やはり吸着能を重視すると、比表面積の大きいバガス活性炭の方が有利である。
図1は活性炭内の細孔構造を示す断面図で、活性炭のミクロ孔1(細孔直径;<2nm)は大きな表面積を提供し強力な吸着作用を示す。メソ孔2(2〜50nm)は触媒などを担持や添着するために利用でき、それぞれの触媒によって異なる機能が期待でき、マクロ孔3(>50nm)内の外壁全てに酸化鉄皮膜4を生成し、酸化鉄皮膜4内にプルシアンブルー粒子5や界面活性剤皮膜6と結合したプルシアンブルー粒子5を坦持・固定させることにより、無機の炭素材料が多くの機能を発揮するようになる。
図2は本発明のプルシアンブルー粒子5の坦持・固定を示す概念図で、Aは孔内に硫酸第一鉄溶液を含浸し乾燥処理することにより形成された、酸化鉄皮膜4によるプルシアンブルー粒子5の坦持・固定を示し、Bはプルシアンブルー粒子5を界面活性剤6を用い含浸し乾燥処理した後、硫酸第一鉄溶液に含浸し乾燥処理することにより、プルシアンブルー粒子5が界面活性剤6と酸化鉄皮膜4により強固に坦持・固定され、放射性セシウムを土壌から分離する等の処理条件が悪い汚染水でもプルシアンブルーナノ粒子5が強固に結着する構成としている。
本発明においては、プルシアンブルーを純水に分散させ充分に攪拌させた水溶液とすることでプルシアンブルーの粒子径が小さくなり、メソ孔2内にプルシアンブルー粒子5を坦持・固定させることを可能にし、硫酸第一鉄による容易に脱離しない酸化鉄皮膜4がミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に形成され、担持量(セシウムの処理能)の問題や吸着材からのイオン化物が溶出する問題点を解決している。
また、セシウム吸着材総量に対し硫酸第一鉄溶液5〜15質量%からなる鉄皮膜は、水和性のポーラスな酸化鉄皮膜4となり、セシウム吸着材総量に対しプルシアンブルー1〜30質量%を坦持・固定させるのに充分な強度とセシウムが通過できる多孔性の小穴による透水性を確保でき、坦持・固定に対する強度と皮膜によるセシウムとの接触抵抗の増大という相反した問題点を高次元で解決している。
また、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に対し、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を6〜7.5に調整した水溶液を用いることにより、酸化鉄皮膜4形成を中性域で行うため、pH調整を行わない場合と比較して、ミクロ孔の深部まで酸化鉄皮膜4が形成され酸化鉄皮膜4がしっかりした膜となる。
そして、プルシアンブルー1〜30%水溶液に対し、界面活性剤1%を加え界面張力を調整した水溶液を用いることにより、界面活性剤を添加しない場合と比較して、処理条件が悪い汚染水でもプルシアンブルーを強固に結着させ脱離を抑制する。
実施例には記載していませんが、アルカリ処理から酸処理に至る工程(実施例4)を、プルシアンブルー1〜30%水溶液に対し、pH4以下の酸性領域でプルシアンブルーの分解を誘導した水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸した後、アルカリ溶液で中和処理と乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させた後、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に含浸し乾燥処理する方法に変更することも可能である。
上記発明においては、アルカリ性領域又は酸性領域でプルシアンブルーの分解を誘導し
、純水に分散させ充分に攪拌させたプルシアンブルーの分解を誘導することにより、合成前のプルシアンブルー(小集団)にしてメソ孔内に浸入させ、酸又はアルカリ溶液で中和処理することにより、プルシアンブルーに再合成している。
上記によれば、フェロシアン化カリウムを使って活性炭上でプルシアンブルーを生成することなく、プルシアンブルーをアルカリ性領域又は酸性領域で分解し、酸又はアルカリ溶液で中和処理することにより、プルシアンブルーに再合成させるので、フェロシアン化カリウム等を用いてプルシアンブルーを生成する工程を省略できる。
そして、本発明によれば、細孔を有する多孔質の炭素質物質を利用することにより、様々な粒径の吸着材が製造でき、固液の分離が容易で安価な、焼却によって減容可能なセシウム吸着材とすることができる。
活性炭内の細孔構造を示す断面図である。 本発明のプルシアンブルーの坦持・固定を示す概念図である。
1 ミクロ孔
2 メソ孔
3 マクロ孔
4 酸化鉄皮膜
5 プルシアンブルー粒子
6 界面活性剤皮膜

Claims (6)

  1. プルシアンブルー1〜30%と硫酸第一鉄5〜15%を加えた水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させると共に浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴とするセシウム吸着材。
  2. プルシアンブルー1〜30%水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させた後、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内に形成されたミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に、浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴とするセシウム吸着材。
  3. プルシアンブルー1〜30%水溶液を水酸化ナトリウム溶液によりpH値を9.0〜11.0に調整した水溶液に、活性炭(細孔を有する多孔質の炭素質物質)を含浸した後、塩酸溶液により水溶液のpH値を6.0に調整し、活性炭を乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内にプルシアンブルーを坦持・固定させた後、硫酸第一鉄5〜15%水溶液に含浸し乾燥処理することにより、活性炭の細孔部内に形成されたミクロ孔〜メソ孔を経由してマクロ孔に至る全ての孔内に、浸透性を有する酸化鉄皮膜を形成させ、硫酸第一鉄による酸化鉄皮膜を活性炭とプルシアンブルーとのバインダーとして用いることを特徴とするセシウム吸着材。
  4. 上記硫酸第一鉄5〜15%水溶液に対し、水酸化ナトリウム溶液を加えpH値を6〜7
    .5に調整した水溶液を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のセシウム吸着材。
  5. 上記プルシアンブルー1〜30%水溶液に対し、界面活性剤1%を加え界面張力を調整した水溶液を用いることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のセシウム吸着材。
  6. セシウム吸着材をカラム(充填塔)に充填して、放射性セシウムで汚染された汚染水を通水し、セシウム吸着材と接触させてセシウムを汚染水から分離吸着することを特徴とする請求項1〜請求項5に記載のセシウム吸着材を用いた除染方法。
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