JP7289727B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本実施形態においては、意匠性に寄与する物体表面の状態の1つである、ゆず肌の評価を行う。ゆず肌は、オレンジピールやガン肌とも呼ばれ、物体の表面に凹凸が生じている状態である。例えば、自動車のボディにスプレーガンなどを用いて塗料が均一で、表面に微細な凹凸のない塗装をする場合について考える。この場合、塗布された塗料がボディ表面において平滑になる前に固まってしまい、ボディの表面に微細な凹凸が生じてしまうことがある。この状態はゆず肌と呼ばれ、ボディの表面は意図していた滑らかな表面とは異なり、本来の自動車の意匠性を低下させてしまう。本実施形態においては、物体表面のゆず肌の度合いを評価し、評価によって得られた評価値をユーザに提示する。これにより、ゆず肌がどの程度発生しているかをユーザに知らせることができる。さらに、自動車のボディにおいては塗料の滑らかさが不均一であると、塗装ムラのように見えたり、質感が異なったりすることもある。そこで、本実施形態においては、物体表面の位置に応じてゆず肌の度合いがどの程度変動するかを表す変動量を導出し、ユーザに提示する。これにより、物体表面の位置に応じてゆず肌の度合いがどの程度変動するかをユーザに知らせることができる。
図1は、画像処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、CPU101、ROM102、RAM103を備える。また、画像処理装置1は、VC(ビデオカード)104、汎用I/F(インターフェース)105、SATA(シリアルATA)I/F106、NIC(ネットワークインターフェースカード)107を備える。CPU101は、RAM103をワークメモリとして、ROM102、HDD(ハードディスクドライブ)114などに格納されたOS(オペレーティングシステム)や各種プログラムを実行する。また、CPU101は、システムバス108を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートによる処理は、ROM102やHDD114などに格納されたプログラムコードがRAM103に展開され、CPU101によって実行される。VC104には、ディスプレイ116が接続される。汎用I/F105には、シリアルバス109を介して、マウスやキーボードなどの入力デバイス110や撮像装置111、移動装置112が接続される。SATAI/F106には、シリアルバス113を介して、HDD114や各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ115が接続される。NIC107は、外部装置との間で情報の入力及び出力を行う。CPU101は、HDD114や汎用ドライブ115にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。CPU101は、プログラムによって提供されるGUI(グラフィカルユーザインターフェース)をディスプレイ116に表示し、入力デバイス110を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
図2は、画像処理装置1の機能構成を示す図である。CPU101は、RAM103をワークメモリとして、ROM102又はHDD114に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、図2に示す機能構成として機能する。尚、以下に示す処理の全てがCPU101によって実行される必要はなく、処理の一部または全てがCPU101以外の一つまたは複数の処理回路によって行われるように画像処理装置1が構成されていてもよい。
図3は、画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図3を参照して画像処理装置1の処理の詳細を説明する。図3のフローチャートが示す処理は、ユーザによって入力デバイス110を介して指示が入力され、CPU101が入力された指示を受け付けることにより開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。
S306における、物体表面のゆず肌の度合いを評価する処理について説明する。図4は、物体表面のゆず肌の度合いを評価する処理を示すフローチャートである。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、光が照射された物体を単位領域ごとに撮像して得られる複数の画像データを取得する。複数の画像データに基づいて、単位領域ごとに、物体の表面の粗さを評価するための評価値を導出し、単位領域ごとの評価値の変動量を導出する。これにより、物体の表面の状態が位置に応じてどの程度変動するかを特定することができる。また、評価位置に応じた評価値がどのように変動するかを表示することにより、ユーザに物体表面の状態が評価位置に応じてどのように変動するかを知らせることができる。特に、評価対象の物体が塗装された物体である場合は、塗装のムラがどのように分布しているかを特定することができる。
第1実施形態においては、物体上の位置に応じたゆず肌評価値の変動量を導出した。本実施形態においては、物体上に生成する遮蔽板のエッジの影の角度を変化させ、その角度変化に応じたゆず肌評価値の変動量を導出する。尚、本実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。以下において、本実施形態と第1実施形態とで異なる部分を主に説明する。尚、画像処理装置1には、光源を回転させる回転装置が接続されているものとする。
図10は、画像処理装置1が実行する処理を示すフローチャートである。以下、図10を参照して、画像処理装置1の処理の詳細を説明する。尚、図10のフローチャートが示す処理は、CPU101がユーザにより入力デバイス110を介して入力された情報を受け付けることにより開始する。
S1006における、物体表面のゆず肌の度合いを評価する処理について説明する。図11は、物体表面のゆず肌の度合いを評価する処理を示すフローチャートである。尚、S1101からS1108の処理は、第1実施形態におけるS401からS408の処理と同じであるため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、物体上に影を生成するための光源の角度ごとにゆず肌評価値を導出し、ゆず肌評価値の変動量を導出する。これにより、物体の表面の状態が光源の角度に応じてどの程度変動するかを特定することができる。
物体上の評価対象範囲に互いに材質が異なる領域が含まれていると、ゆず肌評価値が大きく変動する場合がある。そこで、本実施形態においては、互いに材質が異なる領域間の境界を特定し、各材質に対応するゆず肌評価値の変動量を導出する。これにより、物体上の評価対象範囲に互いに材質が異なる領域が含まれていたとしても、物体の表面の状態が位置に応じてどの程度変動するかを材質ごとに特定することができる。尚、本実施形態における画像処理装置1のハードウェア構成及び機能構成は第1実施形態のものと同等であるため、説明を省略する。以下において、本実施形態と第1実施形態とで異なる部分を主に説明する。
本実施形態における画像処理装置1が実行する処理は、第1実施形態における画像処理装置1が実行する処理とS306が異なるため、以下にS306の処理の詳細を説明する。図13は、物体表面のゆず肌の度合いを評価する処理を示すフローチャートである。尚、S1301からS1308の処理は、第1実施形態におけるS401からS408の処理と同じであるため説明を省略する。
ここでは、本実施形態における評価結果の表示例を示す。図14は、評価対象範囲内において材質が変動する物体に対する評価結果の一例である。グラフ1401は、縦軸がゆず肌評価値E、横軸が評価位置のグラフであり、ゆず肌評価値Eの分布を示している。グラフ1401における点1405は、ゆず肌評価値Eが大きく変動している位置を示している。グラフ1402は、縦軸が材質変動評価値Q、横軸が評価位置のグラフである。ここで、グラフ1402において点Uの位置で評価値Qが大きく変動していることがわかる。図14のように、グラフ1401とグラフ1402とを同時に表示することにより、ゆず肌評価値Eの大きな変動が材質の変動によるものであったことを視覚的に示すことができる。領域1403と領域1404とは、材質が大きく変動した位置U付近のデータを除き、位置U前後の変動量Pをそれぞれ示す領域である。材質変動が生じた位置を除いて変動量Pを表示することにより、材質変動によるゆず肌評価値の変動と塗装ムラによるゆず肌評価値の変動とを分離してユーザに提示することができる。
以上説明したように、本実施形態における画像処理装置は、評価対象範囲内において材質が変動しているか否かを評価する値を導出し、導出した材質変動評価値とゆず肌評価値の変動量とを併せてユーザに提示する。これにより、ゆず肌評価値の変動が材質変動によるものか、塗装ムラによるものかを特定することができる。
上述した実施形態においては近似直線とエッジ点との距離に基づいてゆず肌評価値を導出したが、図15(a)に示すパターン光1501が投影された物体を撮像して得られる画像に基づいてゆず肌評価値を導出してもよい。まず、図15(a)に示すパターン光が投影された物体を撮像して得られる画像を、評価位置に対する輝度値に変換する。図15(b)に示すグラフ1502は評価位置と輝度値との関係を示している。変換により得られる輝度値のうち最大値aと最小値bとを用いて、式(4)に従い、ゆず肌評価値としてコントラスト比Cを導出する。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
201 画像取得部
203 評価値導出部
204 変動量導出部
Claims (16)
- 光源からの光が照射されることによって表面にエッジが生じた物体を、単位領域ごとに撮像して得られる複数の画像データを取得する取得手段と、
前記複数の画像データそれぞれが表す画像において前記エッジを検出する検出手段と、
画像データごとに、前記検出されたエッジを構成する点を、線を表す関数で近似することによって、関数を導出する第1導出手段と、
前記単位領域ごとに、前記検出されたエッジを構成する点と、前記導出された関数が表す線との距離を導出し、導出した前記距離に基づいて、前記物体の表面の粗さを評価するための評価値を導出する第2導出手段と、
前記単位領域ごとの評価値の変動量を導出する第3導出手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。 - 前記物体上の位置と前記評価値との対応関係を表す情報と、前記変動量と、を併せて表示するように、表示手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記物体上の位置と前記評価値との対応関係を表す情報は、前記物体上の位置と前記評価値とをそれぞれ軸としたグラフであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 制御手段は、さらに前記単位領域ごとの評価値の平均値を併せて表示するように、前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記単位領域ごとの評価値の平均値と前記変動量との対応関係が予め指定された範囲に含まれるか否かを表す情報を表示するように、表示手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記予め指定された範囲は、前記単位領域ごとの評価値の平均値が低く、かつ、前記変動量が低い範囲であることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
- 前記変動量に応じた前記物体の表面の検査結果を表示するように、表示手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記第3導出手段は、前記評価値の最大値と最小値との差を、前記変動量として導出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記第3導出手段は、前記評価値の標準偏差を、前記変動量として導出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記複数の画像データを得る撮像の際に、前記物体を移動させる移動手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記複数の画像データを得る撮像の際に、前記物体に光を照射する光源を回転させる回転手段を制御する制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記導出された関数が表す線は直線であって、
前記第3導出手段は、さらに、前記単位領域ごとの前記直線の傾きに基づいて、前記物体上の位置に応じて材質が変動しているか否かを評価する値を導出することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記第3導出手段は、隣接する領域間における前記直線の傾きの差を、前記物体上の位置に応じて材質が変動しているか否かを評価する値として導出することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
- 前記表面の粗さは、前記物体の表面におけるゆず肌の度合いであることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- コンピュータを請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
- 光源からの光が照射されることによって表面にエッジが生じた物体を、単位領域ごとに撮像して得られる複数の画像データを取得する取得ステップと、
前記複数の画像データそれぞれが表す画像において前記エッジを検出する検出ステップと、
画像データごとに、前記検出されたエッジを構成する点を、線を表す関数で近似することによって、関数を導出する第1導出ステップと、
前記単位領域ごとに、前記検出されたエッジを構成する点と、前記導出された関数が表す線との距離を導出し、導出した前記距離に基づいて、前記物体の表面の粗さを評価するための評価値を導出する第2導出ステップと、
前記単位領域ごとの評価値の変動量を導出する第3導出ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
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