以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
(無線通信システム10による処理の一例)
図1は、一実施形態に係る無線通信システム10による処理の第1例を示す図である。図1に示す無線通信システム10は、車載装置14とFOB16とを備える。
車載装置14は、車両12に搭載される。車載装置14は、車両12の解錠を制御する。本実施形態では、車両12がオートバイであることを想定しているが、これに限らない。例えば、車両12は、四輪自動車等であってもよい。FOB16は、「携帯端末」の一例である。FOB16は、車両12の解錠のために、車両12のユーザによって所持される。FOB16は、車載装置14との間で、2.4GHz帯の周波数帯域を使用するBluetooth(登録商標)による無線通信を行うことができる。なお、ユーザは、FOB16と同様の機能を有する、FOB16以外の他の端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット端末等)によっても、車両12を解除することが可能である。
図1Aに示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。また、車載装置14は、所定の処理頻度(例えば、30%)で、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。なお、本実施形態では、スキャン処理の処理頻度を、所定の単位時間におけるスキャン処理の実行時間の割合(単位=[%])で表している。
また、図1Aに示すように、FOB16は、所定の送信頻度(例えば、10回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。また、FOB16は、所定の処理頻度(例えば、10%)で、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。
そして、図1Bに示すように、FOB16が通信エリア内に進入し、車載装置14がFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信するか、または、車載装置14が車両12に対する所定の操作を検知すると、車載装置14は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
さらに、図1Cに示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立する。車載装置14は、FOB16とのBluetooth無線通信接続が確立すると、車両12のロックを解錠し、ユーザによる車両12の使用を可能にする。
図1に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、図1Aに示す待機中から、図1Cに示すようにBluetooth無線通信接続が確立するまでの間、FOB16のスキャン処理の処理頻度を低く低い状態で維持することができるため、FOB16の消費電力を抑制し、FOB16に内蔵されている電池の長寿命化を実現できる。
また、図1に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、図1Aに示す待機中において、車載装置14の第1のアドバタイズ信号の送信頻度を低くすることができるため、車載装置14の消費電力を抑制し、車載装置14が使用する電池(例えば、車両12に搭載されているバッテリ)の長寿命化を実現できる。
そして、図1に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、FOB16のスキャン処理の頻度が低い状態で維持される一方で、ユーザが車両12に近づいた場合、または、ユーザが車両12の所定の操作を行った場合に、車載装置14の第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができるため、Bluetooth無線通信接続のレスポンスを高めることができる。
(無線通信システム10の処理の他の一例)
図2は、一実施形態に係る無線通信システム10による処理の第2例を示す図である。
図2Aに示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。また、車載装置14は、所定の処理頻度(例えば、30%)で、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。
また、図2Aに示すように、FOB16は、所定の送信頻度(例えば、10回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。また、FOB16は、所定の処理頻度(例えば、10%)で、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。
そして、図2Bに示すように、FOB16が通信エリア内に進入し、ユーザがFOB16の解錠ボタン215を押下すると、FOB16は、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
その後、図2Cに示すように、車載装置14がFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
さらに、図2Dに示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立する。車載装置14は、FOB16とのBluetooth無線通信接続が確立すると、車両12のロックを解錠し、ユーザによる車両12の使用を可能にする。
図2に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、図2Aに示す待機中において、FOB16による第2のアドバタイズ信号の送信頻度を低くすることができるため、FOB16の消費電力を抑制し、FOB16に内蔵されている電池の長寿命化を実現できる。
また、図2に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、ユーザがFOB16の解錠ボタン215を押下した場合、FOB16による第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができるため、車載装置14による第2のアドバタイズ信号の受信レスポンスを高めることができる。
(車載装置14およびFOB16のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る車載装置14およびFOB16のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、車載装置14は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、および無線通信モジュール204を備える。各ハードウェアは、バス205を介して相互に接続されている。
CPU201は、ROM202に記憶されている各種プログラムを実行することにより、車載装置14の動作を制御する。ROM202は、不揮発性メモリである。例えば、ROM202は、CPU201により実行されるプログラム、CPU201がプログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。例えば、RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。無線通信モジュール204は、FOB16とのBluetooth無線通信を行う。無線通信モジュール204は、各種信号処理(例えば、増幅処理、符号化・復号化処理、A-D変換・D-A変換処理、変調・復調処理、フィルタ処理等)を行う信号処理回路、各種信号に対応する電波の送受信を行う通信アンテナ等を備えて構成されている。例えば、Bluetooth無線通信は、2.4GHz帯の周波数帯域を使用する。
一方、図3に示すように、FOB16は、CPU211、ROM212、RAM213、無線通信モジュール214、解錠ボタン215、およびバッテリ216を備える。各ハードウェアは、バス217を介して相互に接続されている。
CPU211は、ROM212に記憶されている各種プログラムを実行することにより、FOB16の動作を制御する。ROM212は、不揮発性メモリである。例えば、ROM212は、CPU211により実行されるプログラム、CPU211がプログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。RAM213は、DRAMやSRAM等の主記憶装置である。例えば、RAM213は、CPU211がプログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。無線通信モジュール214は、車載装置14とのBluetooth無線通信を行う。無線通信モジュール214は、各種信号処理(例えば、増幅処理、符号化・復号化処理、A-D変換・D-A変換処理、変調・復調処理、フィルタ処理等)を行う信号処理回路、各種信号に対応する電波の送受信を行う通信アンテナ等を備えて構成されている。
解錠ボタン215は、FOB16のケースから露出して設けられている。解錠ボタン215は、ユーザが車両12の解錠を能動的に行う際に、ユーザによって押下される。バッテリ216は、FOB16の各部へ電力を供給する。例えば、バッテリ216としては、コイン型の各種一次電池(例えば、マンガン電池、アルカリ電池、水銀電池等)が用いられる。
(車載装置14およびFOB16の機能構成)
図4は、一実施形態に係る車載装置14およびFOB16の機能構成を示す図である。
図4に示すように、車載装置14は、無線通信部301、アドバタイズ信号送信部302、スキャン処理部303、操作検知部304、第1の送信頻度制御部305、および電気錠制御装置306を備える。
無線通信部301は、FOB16とのBluetooth無線通信を行う。また、無線通信部301は、第1のアドバタイズ信号の送信および第2のアドバタイズ信号の受信を行う。無線通信部301は、図3に示す無線通信モジュール204によって実現される。
アドバタイズ信号送信部302は、所定の送信頻度で、無線通信部301を介して車両12の周囲に向けて第1のアドバタイズ信号を送信する。なお、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度は、第1の送信頻度制御部305によって変更され得る。
スキャン処理部303は、所定の処理頻度(例えば、30%)で、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を無線通信部301を介して受信するためのスキャン処理を行う。
操作検知部304は、車両12に対する所定の操作を検知する。所定の操作は、ユーザが車両12の運転を開始するため前に行う操作であることが好ましい。特に、所定の操作は、ユーザが車両12のエンジンを始動するために行う操作であることが好ましい。例えば、所定の操作としては、ブレーキレバー操作、クラッチレバー操作、ブレーキペダル操作、スロットル開き操作、スイッチ(例えば、メインスイッチ、セルボタン等)操作、スタンド格納操作等が挙げられる。
第1の送信頻度制御部305は、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度を制御する。例えば、第1の送信頻度制御部305は、スキャン処理部303によってFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号が受信された場合、または、操作検知部304によって車両12に対する所定の操作が検知された場合、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。一例として、第1の送信頻度制御部305は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を「5回/秒」から「50回/秒」に高める。
電気錠制御装置306は、無線通信部301によるFOB16とのBluetooth無線通信接続が確立した場合、車両12を解錠する。車両12は、電気錠制御装置306によって解錠されると、エンジンの始動、各種電装品の使用が可能となり、すなわち、走行可能な状態となる。尚、車両12が電動車両である場合、電気錠制御装置306が、モーターの使用可能と使用不可能を切り替えても良い。つまり、電気錠制御装置306の解錠によって、車両12を走行可能な状態に切り替えることができればよい。
なお、図4に示す車載装置14の各機能(アドバタイズ信号送信部302、スキャン処理部303、操作検知部304、第1の送信頻度制御部305、および電気錠制御装置306)は、例えば、車載装置14において、ROM202に記憶されたプログラムを、CPU201が実行することにより実現される。
また、図4に示すように、FOB16は、無線通信部311、アドバタイズ信号送信部312、スキャン処理部313、操作検知部314、第2の送信頻度制御部315、および無線通信接続制御部316を備える。
無線通信部311は、車載装置14とのBluetooth無線通信を行う。また、無線通信部311は、第2のアドバタイズ信号の送信および第1のアドバタイズ信号の受信を行う。無線通信部311は、図3に示す無線通信モジュール214によって実現される。
アドバタイズ信号送信部312は、所定の送信頻度で、無線通信部311を介してFOB16の周囲に向けて第2のアドバタイズ信号を送信する。なお、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度は、第2の送信頻度制御部315によって変更され得る。
スキャン処理部313は、所定の処理頻度(例えば、10%)で、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を無線通信部311を介して受信するためのスキャン処理を行う。
操作検知部314は、解錠ボタン215に対する押下操作を検知する。例えば、FOB16においては、解錠ボタン215の押下操作がなされたときに操作信号が発生する。操作検知部314は、この操作信号を検知することにより、解錠ボタン215に対する押下操作を検知する。
第2の送信頻度制御部315は、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度を制御する。例えば、第2の送信頻度制御部315は、操作検知部314によって解錠ボタン215に対する押下操作が検知された場合、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。一例として、第2の送信頻度制御部315は、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を「10回/秒」から「50回/秒」に高める。
無線通信接続制御部316は、無線通信部311による車載装置14とのBluetooth無線通信接続を制御する。例えば、無線通信接続制御部316は、スキャン処理部313によって車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号が受信された場合、無線通信部311を介して車載装置14に無線通信接続要求を送信することにより、無線通信部311による車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立させる。
なお、図4に示すFOB16の各機能(アドバタイズ信号送信部312、スキャン処理部313、操作検知部314、第2の送信頻度制御部315、および無線通信接続制御部316)は、例えば、FOB16において、ROM212に記憶されたプログラムを、CPU211が実行することにより実現される。
(車載装置14による処理の手順)
図5は、一実施形態に係る車載装置14による処理の手順を示すフローチャートである。図5は、図1および図2に示す無線通信システム10による処理の第1例および第2例を実現するための、車載装置14による処理の手順を表している。
まず、スキャン処理部303が、自身が行うスキャン処理の処理頻度に「30%」を設定する(ステップS501)。
次に、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「5回/秒」を設定する(ステップS502)。
次に、操作検知部304が、車両12に対する所定の操作を検知したか否かを判断する(ステップS503)。
ステップS503において、車両12に対する所定の操作を検知したと判断された場合(ステップS503:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS504)。そして、車載装置14は、ステップS505へ処理を進める。
一方、ステップS503において、車両12に対する所定の操作を検知していないと判断された場合(ステップS503:No)、車載装置14は、ステップS505へ処理を進める。
ステップS505では、スキャン処理部303が、ステップS501で設定された処理頻度に基づくスキャン処理の時期が到来したか否かを判断する。
ステップS505において、スキャン処理の時期が到来したと判断された場合(ステップS505:Yes)、スキャン処理部303が、スキャン処理を実行する(ステップS506)。
そして、スキャン処理部303が、ステップS506のスキャン処理において、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信したか否かを判断する(ステップS507)。
ステップS507において、第2のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS507:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS508)。そして、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS507において、第2のアドバタイズ信号を受信していないと判断された場合(ステップS507:No)、スキャン処理部303が、ステップS506のスキャン処理において、FOB16から送信された無線通信接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS509)。
ステップS509において、無線通信接続要求を受信したと判断された場合(ステップS509:Yes)、無線通信部301が、FOB16とのBluetooth無線通信接続を確立するための無線通信接続処理を行う(ステップS513)。そして、車載装置14は、図5に示す一連の処理を終了する。
ステップS505において、スキャン処理の時期が到来していないと判断された場合(ステップS505:No)、または、ステップS509において、無線通信接続要求を受信していないと判断された場合(ステップS509:No)、アドバタイズ信号送信部302が、その時に設定されている処理頻度に基づく第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来したか否かを判断する(ステップS510)。
ステップS510において、第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来したと判断された場合(ステップS510:Yes)、アドバタイズ信号送信部302が、車両12の周囲に向けて第1のアドバタイズ信号を送信する(ステップS511)。そして、車載装置14は、ステップS512へ処理を進める。
一方、ステップS510において、第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来していないと判断された場合(ステップS510:No)、車載装置14は、ステップS512へ処理を進める。
ステップS512では、第1の送信頻度制御部305が、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。
ステップS512において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過したと判断された場合(ステップS512:Yes)、車載装置14は、ステップS502へ処理を戻す。
一方、ステップS512において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS512:No)、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
(FOB16による処理の手順)
図6は、一実施形態に係るFOB16による処理の手順を示すフローチャートである。図6は、図1および図2に示す無線通信システム10による処理の第1例および第2例を実現するための、FOB16による処理の手順を表している。
まず、スキャン処理部313が、自身が行うスキャン処理の処理頻度に「10%」を設定する(ステップS601)。
次に、第2の送信頻度制御部315が、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度に「10回/秒」を設定する(ステップS602)。
次に、操作検知部314が、解錠ボタン215に対する押下操作を検知したか否かを判断する(ステップS603)。
ステップS603において、解錠ボタン215に対する押下操作を検知したと判断された場合(ステップS603:Yes)、第2の送信頻度制御部315が、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS604)。そして、FOB16は、ステップS605へ処理を進める。
一方、ステップS603において、解錠ボタン215に対する押下操作を検知していないと判断された場合(ステップS603:No)、FOB16は、ステップS605へ処理を進める。
ステップS605では、スキャン処理部313が、ステップS601で設定された処理頻度に基づくスキャン処理の時期が到来したか否かを判断する。
ステップS605において、スキャン処理の時期が到来したと判断された場合(ステップS605:Yes)、スキャン処理部313が、スキャン処理を実行する(ステップS606)。
そして、スキャン処理部313が、ステップS606のスキャン処理において、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信したか否かを判断する(ステップS607)。
ステップS607において、第1のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS607:Yes)、無線通信接続制御部316が、無線通信部311を介して車載装置14に無線通信接続要求を送信する(ステップS608)。そして、無線通信部311が、車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立するための無線通信接続処理を行う(ステップS612)。その後、FOB16は、図6に示す一連の処理を終了する。
ステップS605において、スキャン処理の時期が到来していないと判断された場合(ステップS605:No)、または、ステップS607において、第1のアドバタイズ信号を受信していないと判断された場合(ステップS607:No)、アドバタイズ信号送信部312が、その時に設定されている処理頻度に基づく第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来したか否かを判断する(ステップS609)。
ステップS609において、第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来したと判断された場合(ステップS609:Yes)、アドバタイズ信号送信部312が、FOB16の周囲に向けて第2のアドバタイズ信号を送信する(ステップS610)。そして、FOB16は、ステップS611へ処理を進める。
一方、ステップS609において、第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来していないと判断された場合(ステップS609:No)、FOB16は、ステップS611へ処理を進める。
ステップS611では、第2の送信頻度制御部315が、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。
ステップS611において、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過したと判断された場合(ステップS611:Yes)、FOB16は、ステップS602へ処理を戻す。
一方、ステップS611において、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS611:No)、FOB16は、ステップS603へ処理を戻す。
(無線通信システム10による通信シーケンスの第1例)
図7は、一実施形態に係る無線通信システム10による通信シーケンスの第1例を示す図である。図7は、図1に示す無線通信システム10による処理の第1例に対応する通信シーケンスを表している。
図7に示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の低頻度な送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。
また、図7に示すように、FOB16は、所定の低頻度な送信頻度(例えば、10回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。
そして、図7に示すように、車載装置14がスキャン処理によってFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14は、所定の高頻度な送信頻度(例えば、50回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。これにより、車載装置14は、FOB16によって第1のアドバタイズ信号が受信される可能性を一時的に高めるようにする。
そして、図7に示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14に無線通信接続要求を送信する。この無線通信接続要求をトリガとして、FOB16と車載装置14とが、互いにBluetooth無線通信接続を確立する。
このように、本実施形態の無線通信システム10は、待機状態においては車載装置14の第1のアドバタイズ信号の送信頻度を低めておき、ユーザが車両12に近づいたときに、車載装置14による第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができる。このため、本実施形態の無線通信システム10は、車載装置14からFOB16に送信される第1のアドバタイズ信号の送信頻度を適切なタイミングで変更することができる。
(無線通信システム10による通信シーケンスの第2例)
図8は、一実施形態に係る無線通信システム10による通信シーケンスの第2例を示す図である。図8は、図2に示す無線通信システム10による処理の第2例に対応する通信シーケンスを表している。
図8に示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の低頻度な送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。
また、図8に示すように、FOB16は、所定の低頻度な送信頻度(例えば、10回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。
そして、図8に示すように、ユーザがFOB16の解錠ボタン215を押下すると、FOB16は、所定の高頻度な送信頻度(例えば、50回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。これにより、FOB16は、車載装置14によって第2のアドバタイズ信号が受信される可能性を一時的に高めるようにする。
そして、図8に示すように、車載装置14がスキャン処理によってFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14は、所定の高頻度な送信頻度(例えば、50回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。これにより、車載装置14は、FOB16によって第1のアドバタイズ信号が受信される可能性を一時的に高めるようにする。
そして、図8に示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14に無線通信接続要求を送信する。この無線通信接続要求をトリガとして、FOB16と車載装置14とが、互いにBluetooth無線通信接続を確立する。
このように、本実施形態の無線通信システム10は、ユーザが車両12を直ちに解錠するために解錠ボタン215を押下すると、FOB16による第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができる。これにより、車載装置14が第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めるタイミングを早めることができ、その結果、Bluetooth無線通信接続がなされるタイミングを早めることができる。
(車載装置14による処理の手順の第1変形例)
図9は、一実施形態に係る車載装置14による処理の手順の第1変形例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートにおいて、図5に示すフローチャートと同じ処理ステップについては、図5と同じステップ番号が付されている。以下、図9に示すフローチャートについて、図5に示すフローチャートからの変更点について説明する。なお、図9に示すフローチャートは、ステップS508の代わりに、ステップS508-1~S508-4を有する点で、図5に示すフローチャートと異なる。また、図9に示すフローチャートに対応するように、FOB16は、車載装置14に送信する第2のアドバタイズ信号に、車載装置14のIDと、FOB16の機器の種類を識別可能な情報とを含める。
図9に示すフローチャートでは、ステップS507において、第2のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS507:Yes)、スキャン処理部303が、受信されたアドバタイズ信号に含まれているIDが、車載装置14に登録されている車載装置14のIDと合致するか否かを判断する(ステップS508-1)。
ステップS508-1において、IDが合致しないと判断された場合(ステップS508-1:No)、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS508-1において、IDが合致すると判断された場合(ステップS508-1:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、受信された第2のアドバタイズ信号の送信元がFOB16であるか否かを判断する(ステップS508-2)。
ステップS508-2において、第2のアドバタイズ信号の送信元がFOB16であると判断された場合(ステップS508-2:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「100回/秒」を設定する(ステップS508-3)。そして、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS508-2において、第2のアドバタイズ信号の送信元がFOB16ではないと判断された場合(ステップS508-2:No)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS508-4)。そして、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。なお、第2のアドバタイズ信号の送信元がFOB16ではない場合とは、例えば、第2のアドバタイズ信号の送信元がスマートフォンやタブレット端末等の場合である。
図9に示すフローチャートによれば、車載装置14は、第2のアドバタイズ信号の送信元の機器の種類に応じて、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の送信頻度を適切に設定することができる。
(車載装置14による処理の手順の第2変形例)
図10は、一実施形態に係る車載装置14による処理の手順の第2変形例を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートにおいて、図5に示すフローチャートと同じ処理ステップについては、図5と同じステップ番号が付されている。以下、図10に示すフローチャートについて、図5に示すフローチャートからの変更点について説明する。なお、図10に示すフローチャートは、ステップS508の代わりに、ステップS508-1~S508-4を有する点で、図5に示すフローチャートと異なる。また、図10に示すフローチャートに対応するように、FOB16は、車載装置14に送信する第2のアドバタイズ信号に、FOB16のIDを含める。FOB16のIDとしては、例えば、携帯電話番号、MACアドレス、本無線通信システム専用のID等が挙げられるが、FOB16を一意に識別可能なものであれば、これらに限らない。また、FOB16は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値を含めることができる。例えば、FOB16は、内蔵されているバッテリ216の残量に応じて、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値を決定してもよい。
図10に示すフローチャートでは、ステップS507において、第2のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS507:Yes)、スキャン処理部303が、受信されたアドバタイズ信号に含まれているIDが、車載装置14に登録されているFOB16のIDと合致するか否かを判断する(ステップS508-1)。
ステップS508-1において、IDが合致しないと判断された場合(ステップS508-1:No)、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS508-1において、IDが合致すると判断された場合(ステップS508-1:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、受信された第2のアドバタイズ信号に、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値が設定されているか否かを判断する(ステップS508-2)。
ステップS508-2において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値が設定されていると判断された場合(ステップS508-2:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に、当該要求値を設定する(ステップS508-3)。そして、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS508-2において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値が設定されていないと判断された場合(ステップS508-2:No)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS508-4)。そして、車載装置14は、ステップS503へ処理を戻す。
図10に示すフローチャートによれば、FOB16が、車載装置14に対して、第1のアドバタイズ信号の送信頻度として、任意の要求値(すなわち、FOB16自身にとって好適な送信頻度)を設定させることができる。
(無線通信システム10による処理の第2例)
図11は、一実施形態に係る無線通信システム10による処理の第3例を示す図である。
図11Aに示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。また、車載装置14は、所定の処理頻度(例えば、30%)で、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。
また、図11Aに示すように、FOB16は、第2のアドバタイズ信号を送信しない。また、FOB16は、所定の処理頻度(例えば、10%)で、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信するためのスキャン処理を行う。
そして、図11Bに示すように、FOB16が通信エリア内に進入し、ユーザがFOB16の解錠ボタン215を押下すると、FOB16は、FOB16の周囲に向けて、高い送信頻度(例えば、50回/秒)で、第2のアドバタイズ信号を送信する。
その後、図11Cに示すように、車載装置14がFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める(例えば、50回/秒)。
さらに、図11Dに示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立する。車載装置14は、FOB16とのBluetooth無線通信接続が確立すると、車両12のロックを解錠し、ユーザによる車両12の使用を可能にする。
図11に示すように、本実施形態の無線通信システム10によれば、図11Aに示す待機中において、FOB16による第2のアドバタイズ信号の送信を行わないため、FOB16の消費電力を抑制し、FOB16に内蔵されている電池の長寿命化を実現できる。
(車載装置14による処理の手順)
図12は、一実施形態に係る車載装置14による処理の手順を示すフローチャートである。図12は、図11に示す無線通信システム10による処理の第3例を実現するための、車載装置14による処理の手順を表している。
まず、スキャン処理部303が、自身が行うスキャン処理の処理頻度に「30%」を設定する(ステップS1201)。
次に、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「5回/秒」を設定する(ステップS1202)。
次に、スキャン処理部303が、ステップS1201で設定された処理頻度に基づくスキャン処理の時期が到来したか否かを判断する(ステップS1203)。
ステップS1203において、スキャン処理の時期が到来したと判断された場合(ステップS1203:Yes)、スキャン処理部303が、スキャン処理を実行する(ステップS1204)。
そして、スキャン処理部303が、ステップS1204のスキャン処理において、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信したか否かを判断する(ステップS1205)。
ステップS1205において、第2のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS1205:Yes)、第1の送信頻度制御部305が、アドバタイズ信号送信部302による第1のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS1206)。そして、車載装置14は、ステップS1203へ処理を戻す。
一方、ステップS1205において、第2のアドバタイズ信号を受信していないと判断された場合(ステップS1205:No)、スキャン処理部303が、ステップS1204のスキャン処理において、FOB16から送信された無線通信接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、無線通信接続要求を受信したと判断された場合(ステップS1207:Yes)、無線通信部301が、FOB16とのBluetooth無線通信接続を確立するための無線通信接続処理を行う(ステップS1211)。そして、車載装置14は、図12に示す一連の処理を終了する。
ステップS1203において、スキャン処理の時期が到来していないと判断された場合(ステップS1203:No)、または、ステップS1207において、無線通信接続要求を受信していないと判断された場合(ステップS1207:No)、アドバタイズ信号送信部302が、その時に設定されている処理頻度に基づく第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来したか否かを判断する(ステップS1208)。
ステップS1208において、第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来したと判断された場合(ステップS1208:Yes)、アドバタイズ信号送信部302が、車両12の周囲に向けて第1のアドバタイズ信号を送信する(ステップS1209)。そして、車載装置14は、ステップS1210へ処理を進める。
一方、ステップS1208において、第1のアドバタイズ信号の送信時期が到来していないと判断された場合(ステップS1208:No)、車載装置14は、ステップS1210へ処理を進める。
ステップS1210では、第1の送信頻度制御部305が、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。
ステップS1210において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過したと判断された場合(ステップS1210:Yes)、車載装置14は、ステップS1202へ処理を戻す。
一方、ステップS1210において、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めてから所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS1210:No)、車載装置14は、ステップS1203へ処理を戻す。
(FOB16による処理の手順)
図13は、一実施形態に係るFOB16による処理の手順を示すフローチャートである。図13は、図11に示す無線通信システム10による処理の第3例を実現するための、FOB16による処理の手順を表している。
まず、スキャン処理部313が、自身が行うスキャン処理の処理頻度に「10%」を設定する(ステップS1301)。
次に、操作検知部314が、解錠ボタン215に対する押下操作を検知したか否かを判断する(ステップS1302)。
ステップS1302において、解錠ボタン215に対する押下操作を検知したと判断された場合(ステップS1302:Yes)、第2の送信頻度制御部315が、アドバタイズ信号送信部312による第2のアドバタイズ信号の送信頻度に「50回/秒」を設定する(ステップS1303)。また、第2の送信頻度制御部315が、送信フラグに「ON」を設定する(ステップS1304)。その後、FOB16は、ステップS1305へ処理を進める。
一方、ステップS1302において、解錠ボタン215に対する押下操作を検知していないと判断された場合(ステップS1302:No)、FOB16は、ステップS1305へ処理を進める。
ステップS1305では、スキャン処理部313が、ステップS1301で設定された処理頻度に基づくスキャン処理の時期が到来したか否かを判断する。
ステップS1305において、スキャン処理の時期が到来したと判断された場合(ステップS1305:Yes)、スキャン処理部313が、スキャン処理を実行する(ステップS1306)。
そして、スキャン処理部313が、ステップS1306のスキャン処理において、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信したか否かを判断する(ステップS1307)。
ステップS1307において、第1のアドバタイズ信号を受信したと判断された場合(ステップS1307:Yes)、無線通信接続制御部316が、無線通信部311を介して車載装置14に無線通信接続要求を送信する(ステップS1308)。そして、無線通信部311が、車載装置14とのBluetooth無線通信接続を確立するための無線通信接続処理を行う(ステップS1314)。その後、FOB16は、図13に示す一連の処理を終了する。
ステップS1305において、スキャン処理の時期が到来していないと判断された場合(ステップS1305:No)、または、ステップS1307において、第1のアドバタイズ信号を受信していないと判断された場合(ステップS1307:No)、アドバタイズ信号送信部312が、送信フラグに「ON」が設定されているか否かを判断する(ステップS1309)。
ステップS1309において、送信フラグに「ON」が設定されていないと判断された場合(ステップS1309:No)、FOB16は、ステップS1302へ処理を戻す。
一方、ステップS1309において、送信フラグに「ON」が設定されていると判断された場合(ステップS1309:Yes)、アドバタイズ信号送信部312が、その時に設定されている処理頻度に基づく第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来したか否かを判断する(ステップS1310)。
ステップS1310において、第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来したと判断された場合(ステップS1310:Yes)、アドバタイズ信号送信部312が、FOB16の周囲に向けて第2のアドバタイズ信号を送信する(ステップS1311)。そして、FOB16は、ステップS1312へ処理を進める。
一方、ステップS1310において、第2のアドバタイズ信号の送信時期が到来していないと判断された場合(ステップS1310:No)、FOB16は、ステップS1312へ処理を進める。
ステップS1312では、第2の送信頻度制御部315が、送信フラグに「ON」が設定されてから所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。
ステップS1312において、送信フラグに「ON」が設定されてから所定時間が経過したと判断された場合(ステップS1312:Yes)、第2の送信頻度制御部315が、送信フラグに「OFF」を設定する(ステップS1313)。そして、FOB16は、ステップS1302へ処理を戻す。
一方、ステップS1312において、送信フラグに「ON」が設定されてから所定時間が経過していないと判断された場合(ステップS1312:No)、FOB16は、ステップS1305へ処理を戻す。
(無線通信システム10による通信シーケンスの第3例)
図14は、一実施形態に係る無線通信システム10による通信シーケンスの第3例を示す図である。図14は、図11に示す無線通信システム10による処理の第3例に対応する通信シーケンスを表している。
図14に示すように、車載装置14は、待機状態において、所定の低頻度な送信頻度(例えば、5回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。一方、図14に示すように、FOB16は、第2のアドバタイズ信号を送信しない。
そして、図14に示すように、ユーザがFOB16の解錠ボタン215を押下すると、FOB16は、第2のアドバタイズ信号を送信していない状態から、所定の高頻度な送信頻度(例えば、50回/秒)で、FOB16の周囲に向けて、第2のアドバタイズ信号を送信する。これにより、FOB16は、車載装置14によって受信される可能性が高い第2のアドバタイズ信号を、一定時間の間送信するようにする。
そして、図14に示すように、車載装置14がスキャン処理によってFOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14は、所定の高頻度な送信頻度(例えば、50回/秒)で、車両12の周囲に向けて、第1のアドバタイズ信号を送信する。これにより、車載装置14は、FOB16によって第1のアドバタイズ信号が受信される可能性を一時的に高めるようにする。
そして、図14に示すように、FOB16が、車載装置14から送信された第1のアドバタイズ信号を受信すると、車載装置14に無線通信接続要求を送信する。この無線通信接続要求をトリガとして、FOB16と車載装置14とが、互いにBluetooth無線通信接続を確立する。
このように、本実施形態の無線通信システム10は、ユーザが解錠ボタン215を押下するまでの待機状態において、FOB16から第2のアドバタイズ信号を送信しないようにすることができる。これにより、本実施形態の無線通信システム10は、ユーザが解錠ボタン215を押下するまでの待機状態において、FOB16の消費電力を抑制することができる。
以上説明したとおり、一実施形態に係る無線通信システム10において、FOB16は、第2のアドバタイズ信号を送信するアドバタイズ信号送信部312を備え、車載装置14は、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号を受信すると、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める第1の送信頻度制御部305を備える。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザが車両12に近づいたときに、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めて、FOB16によって第1のアドバタイズ信号が受信される可能性を高めることができる。このため、一実施形態に係る無線通信システム10は、車載装置14からFOB16に送信される第1のアドバタイズ信号の送信頻度を適切なタイミングで変更することができる。すなわち、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザが車両12から離れているときは、第1のアドバタイズ信号の送信頻度が低く、バッテリの残量低下を抑制できる。一方、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザが車両12の近くにいるときは、第1のアドバタイズ信号の送信頻度が高く、ユーザが車両12の操作を開始する前に、車両12の操作が可能な状態にしておくことができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第1の送信頻度制御部305は、車両12に対する所定のユーザ操作がなされた場合、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、車両12に対する所定のユーザ操作が行われたときに、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めて、FOB16によって第1のアドバタイズ信号が受信される可能性を高めることができる。このため、一実施形態に係る無線通信システム10は、車載装置14からFOB16に送信される第1のアドバタイズ信号の送信頻度を適切なタイミングで変更することができる。すなわち、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザが車両12に近づいても、車両12が施錠された状態が継続している場合において、ユーザが車両12を操作すれば、速やかに電気錠制御装置306によって車両12が解錠される。よって、一実施形態に係る無線通信システム10によれば、ユーザが車両12の運転を開始するまでに、車両12の運転が可能な状態にしておくことができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、所定のユーザ操作は、ユーザが車両12の運転を開始する前に行う操作である。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザに特別な操作を行わせることなく、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、所定のユーザ操作は、ユーザが車両12のエンジンを始動するために行う操作である。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、ユーザに特別な操作を行わせることなく、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることができる。また、一実施形態に係る無線通信システム10は、車両12がエンジンを始動することでバッテリが充電されるため、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高めた場合であっても、バッテリの残量低下を抑制することができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、FOB16は、当該FOB16に対する所定のユーザ操作がなされた場合、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高める第2の送信頻度制御部315を備える。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、FOB16に対する所定のユーザ操作がなされた場合に、第2のアドバタイズ信号の送信頻度を高めることによって、車載装置14によって第2のアドバタイズ信号が受信される可能性を高めることができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第1の送信頻度制御部305は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を、FOB16から送信された第2のアドバタイズ信号に設定されている情報に応じた送信頻度に高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、車載装置14が、第2のアドバタイズ信号の送信元の機器に応じて、適切な送信頻度で第1のアドバタイズ信号を送信することができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第2のアドバタイズ信号は、当該第2のアドバタイズ信号の送信元の機器の種類を示す情報を含み、第1の送信頻度制御部305は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を、FOB16の種類に応じた送信頻度に高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、車載装置14が、第2のアドバタイズ信号の送信元の機器の種類に応じて、適切な送信頻度で第1のアドバタイズ信号を送信することができる。すなわち、一実施形態に係る無線通信システム10は、バッテリ容量が小さく、スキャン頻度の低いFOB16に対しては、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を極めて高くすることで、速やかに車両12の操作が可能な状態にすることができる。一方、一実施形態に係る無線通信システム10は、バッテリ容量が大きく、スキャン頻度の高いFOB16に対しては、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を中程度にすることで、電気錠制御装置の解錠が遅れる可能性を低くしながら、車両12のバッテリ消費の抑制をバランスよく行うことができる。なお、一実施形態に係る無線通信システム10では、ユーザが車両12を運転する迄に、電気錠制御装置306を解錠できれば良い。このため、一実施形態に係る無線通信システム10は、Bluetooth無線通信接続が確立するまでの時間を極端に短くする必要が無い。よって、一実施形態に係る無線通信システム10は、Bluetooth無線通信接続が確立するまでの時間の短縮と、バッテリ消費の抑制をバランスよく行うことが好ましい。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第2のアドバタイズ信号は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度の要求値を含み、第1の送信頻度制御部305は、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を、要求値に高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、車載装置14が、第2のアドバタイズ信号の送信元の機器からの要求に応じて、適切な送信頻度で第1のアドバタイズ信号を送信することができる。すなわち、一実施形態に係る無線通信システム10は、FOB16のスキャン頻度に応じて、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を変えることで、レスポンスの低下抑制と、車両12のバッテリ消費の抑制とを、バランスよく行うことができる。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第2のアドバタイズ信号は、車載装置14の識別情報を含み、第1の送信頻度制御部305は、第2のアドバタイズ信号に含まれている車載装置14の識別情報が、当該車載装置14に記憶されている識別情報に合致した場合、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、正規のFOB16から第2のアドバタイズ信号を受信した場合に、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
また、一実施形態に係る無線通信システム10において、第2のアドバタイズ信号は、FOB16の識別情報を含み、第1の送信頻度制御部305は、第2のアドバタイズ信号に含まれているFOB16の識別情報が、当該車載装置14に記憶されている識別情報に合致した場合、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。
これにより、一実施形態に係る無線通信システム10は、正規のFOB16から第2のアドバタイズ信号を受信した場合に、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を高める。逆に言えば、一実施形態に係る無線通信システム10は、別の車両用(図示せず)のFOB(図示せず)が、ユーザの車両12に近づいても、第1のアドバタイズ信号の送信頻度を低く保つので、消費電力を小さくできる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
本国際出願は、2020年2月14日に出願した日本国特許出願第2020-023032号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全内容を本国際出願に援用する。