JP7287332B2 - ロボットハンド - Google Patents
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Description
そのときの基板100枚の重ね合わせパーティクルマップを図15に示す。ここで、パーティクルの位置は◆で示されている。図面中、基板の右端側の丸で囲った2つの範囲が2つの支持体122と接触する位置(表面側)であり、その周辺で局所的なパーティクルの密集がある。一方で、同じ基板上の支持体121と接触する側(図面中、左端側)にはパーティクル密集は確認されていない。これは、支持体121側(左端側)では基板が支持体121を覆う方向に動いているが、支持体122側(右端側)では、図14に示したように支持体122が露出する方向に基板が動いているため回り込みが発生しているものと推測できる。この現象は上記特許文献1、2および3の対策では不十分であり、追加の対策が必要である。
前記基板が載置される第1支持体および突起を有する第2支持体と、前記第2支持体が固定配置されているハンドベースと、前記載置された基板を外周側面から押し込むための基板押さえ部材と、前記ハンドベース上の前記第2支持体に対して前記第1支持体および前記基板押さえ部材を前後にスライド可能なスライド機構とを有しており、
前記スライド機構は、
前記基板押さえ部材を前記第2支持体に向かってスライドさせて、前記載置された基板を前記第2支持体に向かって押し込んで移動させて前記基板押さえ部材と前記第2支持体の前記突起との間に挟んで把持するものであり、かつ、前記第1支持体を前記第2支持体に向かって、平面視において前記把持された基板に隠れる方向にスライドさせるものであることを特徴とするロボットハンドを提供する。
これにより、パーティクル起因のリーク電流などのデバイス不良を効果的に防止することができる。
前記スライド機構は、前記ハンドベースの開口部内に、前記第1支持体および前記基板押さえ部材を有するスライドベースを有しており、前記ハンドベース上の前記第2支持体に対して前記スライドベースを前後にスライド可能なものとすることができる。
そこで本発明者がロボットハンドについて鋭意研究を行ったところ、基板が載置される第1支持体と第2支持体(突起あり)と、第2支持体が固定配置されているハンドベースと、載置された基板を外周側面から押し込むための基板押さえ部材と、ハンドベース上の第2支持体に対して第1支持体と基板押さえ部材を前後にスライド可能なスライド機構とを有しているロボットハンドにおいて、上記スライド機構が、基板押さえ部材を第2支持体に向かってスライドさせて、載置された基板を第2支持体に向かって押し込んで移動させて基板押さえ部材と第2支持体の突起との間に挟んで把持するものであり、かつ、第1支持体を第2支持体に向かって、平面視において把持された基板に隠れる方向にスライドさせるものであれば、基板を安定して把持して搬送ができるとともに、第1支持体と基板が擦れるときに発生するパーティクルの基板表面への付着を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
先ず、図1を用いて本発明に係る基板搬送に用いられるロボットハンドの好適な一例について説明する。例えば半導体基板等の製造もしくは検査を目的に薄板状製品を搬送する工程において用いられるものとすることができる。
図1は、本発明のロボットハンドの一例であり、図10に示した従来のロボットハンドの一部(特に支持体関連)を大きく変更改良したものである。上側が上面図、下側が側面図である。なお、ここでは枚葉式のものを例に挙げて説明するが、これに限定されず、複数枚の基板を搬送するタイプのものとすることも可能である。
ここで第2支持体21の載置面21Aはハンドベース11の先端側の位置において基板Wを支持する面であるのに対し、第1支持体22の載置面22Aはハンドベース11の根元側の位置(なお、実際に位置するのは上記のようにスライドベース33)において基板Wを支持する面である。
また、基板押さえ部材31は、基板Wを把持するときに、その外周側面に当接して第2支持体21に向かって押し込むための部品である。
しかしながら、このような連動タイプの形態に限定されず、基板押さえ部材31と第1支持体22とが互いに独立してスライド可能な形態であっても良い。例えば、スライドベース33が2つの第1支持体22と基板押さえ部材31とで別々に分割されており(つまり3つに分かれており)、その3つの各々に対して別個独立してアクチュエータ等が設けられており、独自にスライド可能になっているものとすることも可能である。
傾斜面の場合、第1支持体22が基板Wの裏面に入り込むように動作すると、基板Wのエッジが第1支持体22の傾斜面を上るようになる。このときの基板Wのエッジと支持体22の載置面との間での摩擦を、傾斜面ではなく平坦なものとすることでより効果的に防ぐことができる。また、その結果として、第1支持体22の載置面22Aに凹みができたり、そこからのパーティクルの発生や、摩耗の進みによる基板エッジの第1支持体22の載置面22Aへの引っかかりや、クランプの動作不良の引き起こしが生じるのを防ぐのに極めて有効であるため、平坦なものが好ましい。
まず、基板Wがロボットハンドの各支持体(第1支持体22、第2支持体21)に載っただけの状態を図6のスライド初期状態とし、そこから矢印で示した方向に、スライド機構32によって、基板押さえ部材31が基板側(第2支持体21側)にスライドする。このとき、第1支持体22はスライドベース33を介してスライド機構32と連結しているため、第1支持体22も矢印の方向に同時に連動してスライド移動する。すなわち、第1支持体22は基板Wの裏面側に入り込む方向(平面視において基板Wに隠れる方向)に移動する。基板押さえ部材31が基板Wと接触する位置まで移動すると、そのまま基板Wを押しながら移動し、ロボットハンド1の先端側にある第2支持体21の鉤形状壁(突起21B)に基板Wの外周側面が接触する。これにより基板Wが第2支持体21の突起21Bと基板押さえ部材31との間に挟まれて把持されることになる。スライド機構32のアクチュエータにはバネがあり、接触して把持後は基板押さえ部材31および基板Wは動かず図7のスライド完了状態(クランプ動作完了状態)となる。
表面に付着した局所パーティクルはデバイス不良の原因となる。近年のデバイスは微細化が進んでおり、微小なパーティクルが基板表面に存在するだけであっても、そのパーティクルを起点としてリークなどが発生し、デバイスの動作に致命的なエラーをもたらすことがある。本発明であればこれらの問題の発生を効果的に防ぐことができる。
図1の本発明の枚葉式のロボットハンドを有する搬送装置を用いて基板の搬送作業を行った。搬送作業において、載置した基板のクランプ動作時、スライド機構32によってスライドベース33をスライドして、基板押さえ部材31により基板を第2支持体21に向かって押し込むと同時に、第1支持体22を基板裏面側に隠れるようにスライドさせた。クランプ完了時、第1支持体22では、その載置面22Aの大部分が基板裏面側に隠れていた。
この場合における基板100枚の重ね合わせパーティクルマップを図8に示す。図面中の右端側の丸で囲った範囲が第1支持体22の接触する位置(表面側)であり、ここに局在するパーティクルは無かった。
図10に示した従来技術のロボットハンド(すなわち、いずれの支持体も固定配置)を有する搬送装置を用いて基板の搬送作業を行った。基板のクランプ完了時、根元側の支持体122(載置面全体の面積は、実施例における第1支持体22の載置面全体の面積と同じ)では、載置面の大部分が露出しており、基板裏面側に隠れている領域は実施例よりも大幅に少なかった。
この場合における重ね合わせパーティクルマップは図15にすでに示している。ここで、この比較例の図15において丸で囲った右端側の位置範囲は、実施例の図8と同じ位置範囲を示している。図15では、支持体122の接触位置周辺にパーティクル密集があることが確認できる。
21…第2支持体、 21A…第2支持体の載置面、 21B…突起、
22…第1支持体、 22A…第1支持体の載置面、 22B…テーパ、
22C…溝、 30…開口部、 31…基板押さえ部材、 32…スライド機構、
33…スライドベース、 W…基板。
Claims (8)
- 搬送する基板を載置して把持するロボットハンドであって、
前記基板が載置される第1支持体および突起を有する第2支持体と、前記第2支持体が固定配置されているハンドベースと、前記載置された基板を外周側面から押し込むための基板押さえ部材と、前記ハンドベース上の前記第2支持体に対して前記第1支持体および前記基板押さえ部材を前後にスライド可能なスライド機構とを有しており、
前記スライド機構は、
前記基板押さえ部材を前記第2支持体に向かってスライドさせて、前記載置された基板を前記第2支持体に向かって押し込んで移動させて前記基板押さえ部材と前記第2支持体の前記突起との間に挟んで把持するものであり、かつ、前記第1支持体を前記第2支持体に向かって、平面視において前記把持された基板に隠れる方向にスライドさせるものであり、
前記ハンドベースは開口部を有しており、
前記スライド機構は、前記ハンドベースの開口部内に、前記第1支持体および前記基板押さえ部材を有するとともに平面視において前記開口部内におさまっているスライドベースを有しており、前記ハンドベース上の前記第2支持体に対して前記スライドベースを前後にスライド可能なものであることを特徴とするロボットハンド。 - 前記スライド機構は、前記第1支持体および前記基板押さえ部材を互いに連動してスライド可能なものであることを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
- 前記スライド機構は、前記第1支持体および前記基板押さえ部材を互いに独立してスライド可能なものであることを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
- 前記スライド機構は、アクチュエータを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のロボットハンド。
- 前記第1支持体は、前記基板が載置される載置面のエッジにテーパを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載もロボットハンド。
- 前記第1支持体は、前記基板が載置される載置面が平坦であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のロボットハンド。
- 前記第1支持体は、前記基板が載置される載置面に溝を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロボットハンド。
- 前記ロボットハンドは、枚葉式のものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のロボットハンド。
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