JP7287098B2 - ガス遮断器 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁性ガス中で電流の開閉を行うガス遮断器に関する。
ガス遮断器においては、固定側接点と可動側接点が開極する際、アーク接触子(固定アーク接触子及び可動アーク接触子)間にアーク放電が発生する。このように発生するアーク放電に対し、絶縁性ガスである消弧性ガスを吹き付けて消弧するパッファ形ガス遮断器が広く採用されている。
従来、このようなパッファ形ガス遮断器として、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1のガス遮断器では、大電流遮断時のアーク放電の発生によって消弧性ガスの温度が著しく上昇される。そして、かかる温度上昇によって熱パッファ室の圧力が著しく上昇され、アーク放電を消弧せしめる吹き付け圧力を得ている。
ところで、ガス遮断器における電流の遮断は、交流電力系統における電流零点で、各アーク接触子間の開極距離が絶縁距離以上となることが条件となる。電流零点は、例えば、50Hzの交流電力系統の場合は10ms間隔で生じる。この場合、各アーク接触子間の開極距離が絶縁距離以上に達した最初の電流零点でアーク放電を消弧しないと、更に約10ms後までアーク放電による通電状態が継続されることとなる。
特開2007-294358号公報
特許文献1記載のパッファ形ガス遮断器では、熱パッファ室の圧力上昇を利用して電流遮断を行う記載はあるが、各アーク接触子の開極距離が絶縁距離離れたタイミングに応じて消弧性ガスを吹き付ける点について開示がないものである。従って、特許文献1にあっては、上述した最初の電流零点より前段階での電流零点にて、パッファ室の消弧性ガスが消費されてしまう。このため、各アーク接触子間の開極距離が絶縁距離以上に達した最初の電流零点で、熱パッファ室の圧力が十分に上昇しなくなり、遮断に必要な消弧性ガスを吹き付けできずに電流遮断性能を低下させてしまう、という問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、良好な電流遮断性能を発揮することができるガス遮断器を提供することを目的とする。
本発明におけるガス遮断器は、消弧性ガスを充填した容器内で、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離間する際に発生するアークに前記消弧性ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器であって、前記アークに向かって前記消弧性ガスを吹き付ける吹付流路と、前記吹付流路に連通して前記消弧性ガスを蓄えるパッファ室と、前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子に対して所定の絶縁距離に応じた距離まで動作したときに、前記吹付流路を通じて前記消弧性ガスを前記アークに吹き付けて該アークを消弧可能な吹付制御機構とを備え、前記吹付制御機構は、前記パッファ室に蓄圧空間を形成可能な逆止弁を備え、前記逆止弁は、前記アークの発生によって圧力上昇した前記消弧性ガスが前記蓄圧空間へ流入することを許容しつつ、該蓄圧空間から前記吹付流路側への前記消弧性ガスの流れを規制することを特徴とする。
このような構成によれば、吹付制御機構によって、可動アーク接触子と固定アーク接触子との開極距離が絶縁距離に達するタイミングにおいて、アークの消弧に必要な消弧性ガスを吹き付けることができる。これにより、例えば、交流電力系統において本発明のガス遮断器を用いる場合、各アーク接触子間の開極距離が絶縁距離以上に達した最初の電流零点で、アークを消弧して電流を遮断できる。その結果、アークを迅速に消弧でき、良好な電流遮断性能を確保することができる。
本発明のガス遮断器によれば、可動アーク接触子が固定アーク接触子に対して絶縁距離に応じた距離まで動作したときにアークに消弧性ガスを吹き付けるので、良好な電流遮断性能を発揮することができる。
第1の実施の形態に係るガス遮断器の閉極状態の部分断面図である。 第1の実施の形態に係るガス遮断器の開極状態を示す図1と同様の断面図である。 第1の実施の形態に係る吹付制御機構の部分概略斜視図である。 第1の実施の形態の消弧作用を説明するための図1と同様の断面図である。 第1の実施の形態の消弧作用を説明するための図1と同様の断面図である。 第1の実施の形態の消弧作用を説明するための図1と同様の断面図である。 第2の実施の形態に係るガス遮断器の閉極状態の部分断面図である。 第2の実施の形態に係るガス遮断器の開極状態を示す図7と同様の断面図である。
以下、本発明の一実施の形態に係るガス遮断器について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に係るガス遮断器については、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るガス遮断器の閉極状態の部分断面図である。図1に示すように、ガス遮断器1は、SF6ガス等の絶縁性ガス(消弧性ガス)2を充填した不図示の金属容器(容器)を備えている。金属容器内は密閉空間として形成される。ガス遮断器1は、金属容器の内部において、相対的に上方に位置する固定接点部4と、下方に位置する可動接点部5とを備え、それら接点部4、5によって消弧室6を形成している。ガス遮断器1は、消弧室6内の電極間に発生するアークA(アーク放電、図2等参照)に対して消弧性ガス2を吹き付けて大電流の短絡電流を瞬時に遮断するものである。
固定接点部4は、固定サポート41と、固定主接触子42と、固定アーク接触子43とを備えている。固定サポート41は、上底部41a及び筒部41bを有する有底円筒形状を有し、下方側に開口している。固定主接触子42は、固定サポート41における筒部41bの下端部に設けられ、後述する可動主接触子53の外周面に摺接可能な寸法を有している。なお、本実施の形態では、固定主接触子42が筒部41bと一体に連なる構成として図示しているが、それらを別部材として接続する構成としてもよい。
固定アーク接触子43は、上底部41aから連結されて下方に延在する支持部材44を介して支持される棒状導体により構成される。固定アーク接触子43は、固定サポート41の中心軸位置に設けられ、図1に示す上下方向に延在して配置されている。これらの固定主接触子42及び固定アーク接触子43により固定接点(固定電極)が構成される。
可動接点部5は、可動サポート51と、パッファシリンダ52と、可動主接触子53と、ノズル54と、可動アーク接触子55と、操作ロッド57とを有する。可動サポート51は、概して円筒形状を有し、上方側に開口している。また、可動サポート51は、不図示の絶縁支持体を介して上述した金属容器に固定されている。パッファシリンダ52は、その下方部分が可動サポート51内に摺動可能に配置される。
パッファシリンダ52は、同心軸上に配置された内壁部52a及び外壁部52bを備えて二重となる筒状に形成されている。内壁部52aの下端側はフランジ状をなす連結体52cとして形成され、かかる連結体52cを介して内壁部52a及び外壁部52bが連結されている。パッファシリンダ52において、内壁部52a及び外壁部52bの間には、上下方向に延出するパッファ室52dが形成されている。パッファ室52dには消弧性ガス2が蓄えられる。
可動主接触子53は、パッファシリンダ52における外壁部52bの上端外周側に設けられている。可動主接触子53は、固定主接触子42の内周面に摺接可能な寸法を有している。なお、本実施の形態では、可動主接触子53が外壁部52bと一体に連なる構成として図示しているが、それらを別部材として接続する構成としてもよい。
ノズル54は、絶縁樹脂等によって形成され、その下端部が外壁部52bの上端側に挿入されて連結されている。ノズル54は、外壁部52bの上端内周側で接続されて上方側に突出する筒状部54aと、筒状部54aの上端内周側を中心軸方向に膨らませるように形成された縮径部54bとを備えている。また、ノズル54は、筒状部54a及び縮径部54bの上端から上方に延びる逆円錐状の先端部54cを備えている。ここで、本実施の形態では、筒状部54a、縮径部54b及び先端部54cに亘る内部空間に消弧室6が形成される。
可動アーク接触子55は、パッファシリンダ52における内壁部52aの上端側から更に上方に延出する概して円筒形状に設けられている。可動アーク接触子55の上端部には、固定アーク接触子43に摺接可能な孔が形成されている。可動アーク接触子55と可動主接触子53とにより可動接点(可動電極)が構成される。なお、本実施の形態では、可動アーク接触子55が筒状部54aと一体に連なる構成として図示しているが、それらを別部材として接続する構成としてもよい。
ここで、可動アーク接触子55とノズル54の間には、パッファ室52dに連通する吹付流路7が形成される。吹付流路7は、パッファ室52dの上部に連通してノズル54における筒状部54aの内周面と可動アーク接触子55の外周面との間で上方に延びてから、縮径部54bの下端面によって各アーク接触子43、55の中心軸方向に向かって屈曲した形状をなす。かかる吹付流路7の形状によって、パッファ室52d内の消弧性ガス2がアークA(図2参照)に向う流れが作り出される。
操作ロッド57は、上端(一端)がパッファシリンダ52の下端部に接続される一方、下端(他端)が不図示の昇降機構に接続される。操作ロッド57は、昇降機構の駆動力を受けてパッファシリンダ52を可動サポート51の上端にて進退するように上下移動させる。パッファシリンダ52の上下移動に伴い、パッファシリンダ52に設けられる可動主接触子53、ノズル54及び可動アーク接触子55が一体的に移動可能に構成される。
ここで、本実施の形態に係るガス遮断器1における開極動作について、図1に加えて図2を参照して説明する。図2は、第1の実施の形態に係るガス遮断器の開極状態の部分断面図である。
図1に示す閉極状態においては、操作ロッド57によりパッファシリンダ52が押し上げられている。かかる押し上げに伴い、可動主接触子53、ノズル54及び可動アーク接触子55も押し上げられている。この状態で、固定主接触子42は、可動主接触子53の外周面に接触している。また、固定アーク接触子43は、可動アーク接触子55の孔に挿入されて接触している。パッファ室52d内には、パッファ室52dの外部と同圧の消弧性ガス2が充填された状態となっている。
図1に示す閉極状態から図2に示す開極状態に移行する場合には、操作ロッド57によりパッファシリンダ52が引き下げられる。パッファシリンダ52の下方移動中に、可動主接触子53、ノズル54及び可動アーク接触子55も引き下げられる。パッファシリンダ52の下方移動の過程において、可動主接触子53は、可動アーク接触子55に先立って固定主接触子42から離間する。すなわち、可動アーク接触子55は、固定主接触子42に対する可動主接触子53の離間よりも遅いタイミングで固定アーク接触子43から離間する。このため、固定アーク接触子43から可動アーク接触子55が離間する際、これらのアーク接触子43、55間でアークAが発生する。
ガス遮断器1においては、アークAの発生によって消弧室6内で圧力上昇した消弧性ガス2が吹付流路7を通じてパッファ室52dに一時的に蓄えられる。そして、消弧室6におけるガス圧力がパッファ室52dの圧力より低下すると、パッファ室52dから吹付流路7を通じて消弧性ガス2が流出し、アークAに向かって消弧性ガス2を吹き付け可能となる。
ここで、本実施の形態のガス遮断器1は、アークAの消弧性能を高めるべく、アークAに向かって吹き付ける消弧性ガス2を調整可能な吹付制御機構8を備えている。以下、本実施の形態に係るガス遮断器1が有する吹付制御機構8の構成について、図1及び図2に加えて図3を参照して説明する。図3は、第1の実施の形態に係る吹付制御機構の部分概略斜視図である。
図1に示すように、吹付制御機構8は、パッファ室52d内に設けられた仕切部81と、パッファ室52dの径方向(図1中左右方向)に仕切部81を移動可能な移動部82とを備えて構成されている。
仕切部81は、パッファ室52d内の上下方向における概略中央部に設けられている。仕切部81は、外壁部52bの内周面から突出して周方向に延びる上下一対の突出壁52eの間に挟まれて配置されている。突出壁52eの先端は、内壁部52aから所定距離離間する位置に形成される。図1の閉極状態にて、仕切部81における外壁部52b側は突出壁52eに挟まれ、内壁部52a側の端部は該内壁部52a側に接触した状態とされる。従って、仕切部81と一対の突出壁52eとによって、パッファ室52dを上下に2つの空間に仕切ることとなる。該2つの空間のうち、吹付流路7と反対側(下方側)の空間が蓄圧空間52fとされ、吹付流路7側(上方側)の空間が、蓄圧空間52fと吹付流路7とを接続する接続空間52gとされる。
仕切部81は、上下方向に開通する開口81aと、該開口81aに設けられた逆止弁81bとを備えている。逆止弁81bは、蓄圧空間52fより接続空間52gの圧力が高くなると、開口81aから離れて接続空間52gの消弧性ガス2が蓄圧空間52fへ流入することを許容する(図4参照)。一方、逆止弁81bは、蓄圧空間52fから吹付流路7側となる接続空間52gへの消弧性ガス2の流れを規制する(図5参照)。従って、逆止弁81bによってパッファ室52dに蓄圧空間52fが形成されるようになる。
図3の斜視図は、仕切部81を中心軸位置にて断面視したものである。図3に示すように、仕切部81は、パッファ室52d(図1参照)の形成方向となる円周方向に沿って配置される。仕切部81は、円周方向にて複数に分割して形成され、分割された各部に開口81a及び逆止弁81bを備えて構成される。また、仕切部81における分割された各部の間には、突出壁52eに形成される不図示の隔壁が配置され、仕切部81の円周方向への位置ずれが規制される。
図1に戻り、移動部82は、第1磁石82aと、第2磁石82bと、維持部82cとを備えている。第1磁石82a及び第2磁石82bは、永久磁石によって構成されている。
第1磁石82aは、仕切部81の外壁部52b側の端部に埋設されている。一方、第2磁石82bは、パッファ室52dの外部となる可動サポート51の内周側に設けられている。図1の閉極状態では、第1磁石82aは第2磁石82bから上下方向に大きく離れており、それらの間で磁気的な吸引力は殆ど作用しない。一方、図2の開極状態となるまでパッファシリンダ52を下方に移動し、径方向(図中左右方向)に第1磁石82a及び第2磁石82bが並んで接近すると、第1磁石82aと第2磁石82bとの磁力が作用するようになる。これにより、第1磁石82a及び第2磁石82bの磁気的な吸引力によって、第1磁石82aを含む仕切部81が第2磁石82bに接近する方向に移動して外壁部52bの内周面に仕切部81が接するようになる。なお、第2磁石82bの上下方向の位置の詳細については、後述する。
維持部82cは、無負荷状態で図1に示すように鋭角に屈曲した形態をなす弾性変形可能なばね部材等によって構成される。維持部82cは、一端が内壁部52aに形成された凹部の底側に連結され、他端が該凹部に対向する仕切部81の端部に連結されている。従って、維持部82cは、上記の磁力によって仕切部81が外壁部52b寄りに移動すると、該磁力に抗して屈曲角度が大きくなるよう弾性変形する。また、この状態から上記の磁力が作用しなくなると、維持部82cは、鋭角に屈曲した形態に復元し、仕切部81を内壁部52a側に移動して図1に示す位置に維持する。
ここで、本実施の形態の吹付制御機構8においては、パッファ室52d内にて、仕切部81が図1に示す内壁部52aに接する閉塞位置と、図2に示す内壁部52aから離れる開放位置との間で移動可能とされる。図1に示す閉塞位置では、蓄圧空間52fから接続空間52g及び吹付流路7への消弧性ガス2の流れが遮断される。また、閉塞位置では、逆止弁81bが閉弁した仕切部81と突出壁52eとにより、蓄圧空間52fと接続空間52gとの連通が遮断され、ひいては、蓄圧空間52fと接続空間52gを介した吹付流路7との連通が遮断される。
一方、図2に示す開放位置では、一対の突出壁52eの間に仕切部81が入り込み、突出壁52eと内壁部52aとの間が開通されるので、上述の仕切部81による遮断が解除される。従って、仕切部81が閉塞位置から開放位置に移動した場合、接続空間52gより蓄圧空間52fの圧力が高くなると、蓄圧空間52fから接続空間52gを経て吹付流路7に消弧性ガス2が流れるようになる。なお、図2では、突出壁52eと内壁部52aとの間が維持部82cで閉塞されるように見えるが、維持部82cは、図3に示すように帯状或いは短冊状等の細い形状となって、それらの間を殆ど遮らないように位置する。
ここで、本実施の形態の吹付制御機構8を用いたガス遮断器1における消弧作用について、図2に加え、図4ないし図6を参照して説明する。図4ないし図6は、第1の実施の形態の消弧作用を説明するための図1と同様の断面図である。本実施の形態では、ガス遮断器1の開極動作にて、図1、図4、図5、図6、図2の順に変位するものである。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「絶縁距離」とは、ガス遮断器1の使用条件下で、固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との間にアークAが発生不能となるまで離間した距離を意味する。
ここでは、一例として、ガス遮断器1が50Hzの交流電力系統の電流遮断を実施する場合について説明する。従って、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離D以下の場合、アークAは、周波数50Hzの周期の1/2となる10ms間隔で発生及び消弧を繰り返す。
また、以下の説明において、ガス遮断器1を流れる電流等の各種条件において、図2に示す開極状態での固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との開極距離が絶縁距離D以上となっているものとする。一方、図4ないし図6に示す開極状態での固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との開極距離は絶縁距離D未満となっている。そして、図6は、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dになる直前でアークAが発生した瞬間を示し、図4は、その瞬間の10ms前の瞬間を示す。
図1に示す閉極状態から上述した開極動作によって図4に示す開極状態に移行すると、固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との間でアークAが発生する。このアークAの発生によって高温となることで、消弧室6内で圧力上昇した消弧性ガス2が吹付流路7を通じてパッファ室52dの接続空間52gに流れ込む。そして、接続空間52gの圧力が蓄圧空間52fより高くなると、逆止弁81bが開弁して接続空間52gの消弧性ガス2が蓄圧空間52fへ流入することを許容するようになる。
図4に示す状態から時間が経過すると、図5に示すように、アークAが小さく(細く)なって消弧室6内の温度及び圧力が低下する。すると、消弧室6より接続空間52gの方が相対的に高圧となり、接続空間52g内の消弧性ガス2が吹付流路7を通じて消弧室6に吹き出す。この吹き出しによって、接続空間52g内の圧力が低下するが、逆止弁81bを含む仕切部81によって蓄圧空間52fから吹付流路7側となる接続空間52gへの消弧性ガス2の流れが規制される。よって、蓄圧空間52f内にて消弧性ガス2を高圧として蓄圧することができる。
なお、図5の状態では、アークAに消弧性ガス2が吹き付けられるものの、アークAを消弧できなくてもよい。
図4の状態から10ms経過した図6に示す開極状態に移行すると、固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との間でアークAが再度発生する。この状態においても、上述と同様に、消弧性ガス2が吹付流路7を通じてパッファ室52dの接続空間52gに流れ込む。そして、先の蓄圧にて高圧となった蓄圧空間52fより接続空間52gの圧力が高くなると、逆止弁81bが開弁して接続空間52gの消弧性ガス2が蓄圧空間52fへ流入することを許容する。従って、蓄圧空間52f内の圧力をより高圧化することができる。
図6に示す状態から可動アーク接触子55が下方に更に移動すると、図2に示すように、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離D以上になる。このとき、移動部82にて、仕切部81に設けられた第1磁石82aと、可動サポート51の内周側に設けられた第2磁石82bとが近接することとなる。言い換えると、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dに達したときに、第1磁石82aに近接する位置に第2磁石82bが設けられる。第1磁石82a及び第2磁石82bが近接すると、その磁力によって、第1磁石82aを含む仕切部81が第2磁石82bに接近する方向(外壁部52b側方向)に移動し、仕切部81が図2に示す開放位置に配置される。この結果、仕切部81による遮断が解除され、高圧となった蓄圧空間52f内の消弧性ガス2を吹付流路7を通じてアークAに吹き付けて消弧することが可能となる。
なお、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dより小さくなる図1の閉塞位置や、図4ないし図6に示す位置では、維持部82cによって仕切部81が閉塞位置に維持される。
上記第1の実施の形態によれば、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dに達する前では、図4ないし図6に示すように、アークAの熱によって高圧となった消弧性ガス2を蓄圧空間52fに逆止弁81bを介して蓄えることができる。そして、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dに達した最初の電流零点で、第1磁石82a及び第2磁石82bの磁力によって仕切部81が移動され、高圧となった蓄圧空間52fと吹付流路7とを連通させることができる。これにより、絶縁距離Dに達した最初の電流零点で、高圧な消弧性ガス2をアークAに向かって確実に吹き付けることができ、その後のアークAの発生を回避して消弧性能、電流遮断性能を良好に発揮することができる。
ここで、比較構造として、本実施の形態の吹付制御機構8を省略した構成について以下に検討する。比較構造において、図4に対応する状態では、本実施の形態と同様にアークAの発生によって消弧性ガス2が吹付流路7を通じてパッファ室52dに流れ込む。但し、比較構造では蓄圧空間52fが形成されないので、図5に対応する状態では、パッファ室52dの消弧性ガス2をアークAに吹き付けることで、パッファ室52d全体が低圧となり、アークAの発生により高圧となった状態が維持できなくなる。
その後、比較構造にて図6に対応する状態では、再度のアークAの発生によって消弧性ガス2がパッファ室52dに流れ込む。ところが、上記のように図5に対応する状態でパッファ室52d全体が低圧になったので、比較構造でのパッファ室52dの圧力は、第1の実施の形態の蓄圧空間52fに比べて低圧になる。このため、図2に対応する状態で、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離D以上になったときに、アークAへの消弧性ガス2の吹き付けが圧力不足になり、電流を遮断できなくなる。
これに対し、第1の実施の形態では、図2の状態で高圧となった蓄圧空間52f内の消弧性ガス2を吹き付けできるので、各アーク接触子43、55が絶縁距離Dに達した直後のアークAを確実に消弧でき、比較構造よりも電流遮断性能を向上することができる。
また、上記第1の実施の形態では、仕切部81をパッファ室52d内で閉塞位置と開放位置とに移動可能とし、仕切部81をパッファ室52d内に収めることができる。これにより、蓄圧空間52fを形成するための仕切構造をパッファシリンダ52の外部に設ける必要がなくなり、装置全体としての省スペース化を図ることができる。
また、上記第1の実施の形態では、仕切部81を動作させる第1磁石82a及び維持部82cをパッファ室52d内に配置し、第2磁石82bを可動サポート51に埋め込むように設けている。従って、仕切部81を動作させるための構造もパッファシリンダ52の外部に設ける必要がなくなり、装置全体としての省スペース化を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いる場合があり、説明を省略若しくは簡略にする場合がある。図7は、第2の実施の形態に係るガス遮断器の閉極状態の部分断面図である。図7に示すように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、吹付制御機構8の位置を変更した構成としている。
第2の実施の形態では、吹付制御機構8及びこれを挟む一対の突出壁52eがパッファ室52d内の吹付流路7側(上方側)に設けられている。従って、第2の実施の形態では、第1の実施の形態に比べ、接続空間52gが縮小し、蓄圧空間52fが拡大するようになる。
また、第2の実施の形態では、移動部82が磁性体82dを備えて構成される。磁性体82dは、パッファシリンダ52における外壁部52bの厚み内に設けられている。磁性体82dは、固定アーク接触子43と可動アーク接触子55とが閉極した状態、つまり、図7の状態で第1磁石82aの近傍から第2磁石82b側(下方側)に向かって延在している。そして、磁性体82dの下端は、図7の状態で第2磁石82bから所定距離離れて配設されている。従って、図7に示す状態では、磁性体82dに対して第2磁石82bの磁力は作用しない或いは殆ど作用しなくなる。
図8は、第2の実施の形態に係るガス遮断器の開極状態を示す図7と同様の断面図である。ここで、図8に示すように、固定アーク接触子43と可動アーク接触子55との開極距離が絶縁距離D以上になると、磁性体82dの下端が第2磁石82bに近接することとなる。言い換えると、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dに達したときに、第2磁石82bに近接するように磁性体82dの下端が配設される。
磁性体82dの下端に第2磁石82bが近接すると、第2磁石82bの磁力が磁性体82dの上端側まで作用し、第1磁石82aを含む仕切部81が磁性体82dに接近する方向(外壁部52b側方向)に移動して仕切部81が図8に示す開放位置に達する。これにより、仕切部81による遮断が解除されて蓄圧空間52fと吹付流路7とが連通し、高圧となった蓄圧空間52f内の消弧性ガス2が吹付流路7を通じて吹き付けられる。
なお、第2の実施の形態においても、各アーク接触子43、55との開極距離が絶縁距離Dに達する前は、第1の実施の形態の図4ないし図6で示した要領にて吹付制御機構8によって蓄圧空間52f内が高圧となるように蓄圧することができる。第2の実施の形態では、磁性体82dを設けることで吹付制御機構8をパッファ室52dの上方側に配置し、第1の実施の形態に比べ、蓄圧空間52fの容積を拡大することができる。これにより、図8の状態にて吹付流路7からアークAに吹き付ける消弧性ガス2の流量を増大することができ、高圧な消弧性ガス2の吹き付け時間を長くして消弧性能、電流遮断性能を更に向上することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
例えば、上記各実施の形態と同様の作用を得る限りにおいて、吹付制御機構8によりアークAへ消弧性ガス2を吹き付ける開始時期は、各アーク接触子43、55の開極距離が絶縁距離Dに応じた距離として、該絶縁距離Dに達する前後で調整してもよい。
また、仕切部81の形状や構成は、パッファ室52dに蓄圧空間52fを形成し、移動部82によって移動可能とされる限りにおいて変更してもよい。更に、維持部82cの形状や構成等においても、仕切部81を閉塞位置に維持可能であれば設計変更してもよい。
また、上記各実施の形態における移動部82は、仕切部81を移動するため、第1磁石82a及び第2磁石82bの磁力の引力を利用したが、磁力の斥力を利用して仕切部81を移動する構成に変更してもよい。
1 ガス遮断器
2 消弧性ガス
43 固定アーク接触子
52d パッファ室
52f 蓄圧空間
55 可動アーク接触子
7 吹付流路
8 吹付制御機構
81 仕切部
81b 逆止弁
82 移動部
82a 第1磁石
82b 第2磁石
82c 維持部
82d 磁性体
A アーク

Claims (6)

  1. 消弧性ガスを充填した容器内で、可動アーク接触子が固定アーク接触子から離間する際に発生するアークに前記消弧性ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器であって、
    前記アークに向かって前記消弧性ガスを吹き付ける吹付流路と、
    前記吹付流路に連通して前記消弧性ガスを蓄えるパッファ室と、
    前記可動アーク接触子が前記固定アーク接触子に対して所定の絶縁距離に応じた距離まで動作したときに、前記吹付流路を通じて前記消弧性ガスを前記アークに吹き付けて該アークを消弧可能な吹付制御機構とを備え
    前記吹付制御機構は、前記パッファ室に蓄圧空間を形成可能な逆止弁を備え、
    前記逆止弁は、前記アークの発生によって圧力上昇した前記消弧性ガスが前記蓄圧空間へ流入することを許容しつつ、該蓄圧空間から前記吹付流路側への前記消弧性ガスの流れを規制することを特徴とするガス遮断器。
  2. 前記吹付制御機構は、前記逆止弁を含んで前記パッファ室に前記蓄圧空間を形成可能な仕切部と、
    前記蓄圧空間から前記吹付流路への前記消弧性ガスの流れを遮断する閉塞位置と、該遮断を解除する開放位置との間で前記仕切部を移動可能な移動部とを備えていることを特徴とする請求項に記載のガス遮断器。
  3. 前記仕切部は、前記パッファ室内にて前記閉塞位置と前記開放位置とに移動可能とされることを特徴とする請求項に記載のガス遮断器。
  4. 前記パッファ室は、前記可動アーク接触子と共に移動され、
    前記移動部は、前記仕切部に設けられた第1磁石と、前記パッファ室の外部に沿う位置に設けられた第2磁石とを備え、前記可動アーク接触子と前記固定アーク接触子との開極距離が前記絶縁距離以上のときに、前記第1磁石と前記第2磁石との磁力によって前記閉塞位置から前記開放位置に前記仕切部を移動することを特徴とする請求項または請求項に記載のガス遮断器。
  5. 前記移動部は、前記可動アーク接触子と前記固定アーク接触子とが閉極した状態で、前記第1磁石の近傍から前記第2磁石に向かって延在し、該第2磁石から所定距離離れて配設される磁性体を備えている請求項に記載のガス遮断器。
  6. 前記移動部は、前記可動アーク接触子と前記固定アーク接触子との開極距離が前記絶縁距離より小さいときに、前記仕切部を前記閉塞位置に維持する維持部を備えていることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のガス遮断器。
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