JP7287060B2 - セラミックスボール - Google Patents

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Description

本発明は、ベアリング等に用いられるセラミックスボール及びセラミックスボール断面の密度差の評価方法に関する。
セラミックスボールは、機械部品や電子部品のベアリング等に使用される。ベアリングではセラミックスボールは高速で回転するため、表面が平坦であること、真球に近いこと、ならびに強度が高いことが重要である。
通常、セラミックスボールは窒化珪素やジルコニアなどの各種セラミックス原料粉末を焼結助剤及び添加物と混合し、解砕し、スプレードライヤー等で造粒し、この造粒された粉末をプレス成形法や転動造粒法等で球形に成形し、さらにこの成形体を焼成し、必要に応じ表面加工を施して作製される。
プレス成形では半球状の2つの金型の間に粉体を投入し、金型間に圧力をかけて粉体をプレス成形することによって成形体を作製し、この成形体を焼成することによって得られる(例えば特許文献1)。しかしながら、金型間に隙間が生じるため断面が楕円形状になること、隙間部でバリが発生してしまうことなどの問題がある。また、金型の圧力では粉末間の空隙を完全に除去することは出来ず得られた焼結体は内部に欠陥を生じてしまうため強度が低くなってしまう。また球の中心部は圧力がかかりにくく中心部の密度は低くなり、強度の低下を招いてしまう。
また、冷間等方圧成形法(Cold Isostatic Pressing、CIPあるいはCIP成形法という)によってセラミックスボールを作製する方法がある(例えば特許文献2)。CIP成形は目的とする大きさ以上の粉末の塊をCIP装置で作製した後、機械加工で球形状に成形する方法である。しかしながら、金型プレスと同様に圧力を粉末塊の内部まで均一にかけることは困難であり、成形体内の空隙を除去出来ず得られた焼結体は内部にわずかな欠陥を生じ強度が低くなってしまう。
また熱プラズマ中にセラミックス原料を投入して溶融後、冷却固化してセラミックスボールを作製する方法がある(例えば特許文献3)。高電圧型の直流プラズマガンを用いた層流を形成した熱プラズマ中に予熱した原料粉末を投入し、原料粉末表面を溶融しながら熱プラズマを横切らせた後、冷却固化し、捕集容器で捕集することによってセラミックスボールを得る方法である。表面が平滑で、かつ、真円に近いセラミックスボールを得ることが出来る。しかしながら、直径が50μm以下の微小径セラミックスボールしか作製することができず、それ以上のボールを作製しようとすると異形が多くなってしまう。
また転動造粒法によってセラミックス球状成形体を作製し、焼結、研磨してセラミックスボールを作製する方法がある(例えば特許文献4)。転動造粒法では、ドラム内にセラミックス粉末と結合剤および水分を含む液体バインダーを交互に添加し球状の微粒を形成する。その後、回転の連動を微粒及び粉末に与えることで粒を成長させ、球状の成形体を作製する。
特開2011-1553071号公報 特開平6-15191号公報 国際公開第2010/067782号 特開2004-269348号公報
前述の通り、セラミックスボールは、表面が平滑で、真球であることが好ましい。また強度が高いことが好ましい。しかし、セラミックスボール内部に空隙があったり、また内部に緻密化が不十分な領域があったりすると強度の低下を招いてしまう。強度が低下するとベアリングの動作中に割れや欠けが生じ機械部品や電子部品が正常に機能しなくなる。
本発明者らは、緻密化が不十分な領域を極力少なくなるように成形加工することで強度が高いセラミックスボールを得るに至った。すなわち、本発明は、略中心を通る断面をデジタルマイクロスコープのハイダイナミックレンジモードで撮影した画像において、RGBカラーモデル各要素全ての値が断面全体の平均値に対して10以上低い低発色領域の面積が、前記断面の断面積の1/50以下であり、ジルコニアの比率が全成分の93wt.%以上であるセラミックスボールである。
本発明のセラミックスボールは強度が高く、使用中に割れや欠けを生じにくいため、ベアリングボール等に好ましく用いられる。また、本発明のセラミックスボールはベアリングボール以外にもボールミル等の粉砕・分散媒体としても好適に用いることが出来る。
本発明について以下詳細に説明する。
<セラミックスボール>
本発明のセラミックスボールは、略中心を通る断面をデジタルマイクロスコープのハイダイナミックレンジモードで撮影した画像において、RGBカラーモデル各要素全ての値が断面全体の平均値に対して10以上低い低発色領域の面積が、前記断面の断面積の1/50以下であるセラミックスボールである。ここで「ハイダイナミックレンジモード」とは、シャッタースピードを変化させるなどして異なる明るさの画像データを二以上取得し、一枚の画像に合成することで、ダイナミックレンジ(輝度の階調)を拡大する撮影モードをいう。
セラミックスボールの原料はアルミナ、ジルコニア、窒化珪素などが好ましく用いられ、これらは単独で用いてもよいし、用途に応じて適宜複合して用いても構わない。中でもジルコニアは強度に優れているため、主成分がジルコニアであることが好ましい。特に、ジルコニアの比率が全成分の93wt.%以上であれば、強度をより向上させることができる。
ジルコニアについては安定化剤の添加量により結晶構造が異なる。安定化剤の添加量が低いと単斜晶の結晶構造をとり、安定化剤の添加量が増えるに従い正方晶、立方晶の結晶構造比率が高くなる。ジルコニアは正方晶の比率が多い方が、強度がより高くなる。安定化剤の添加量を少なくすることにより、立方晶の比率が低く、正方晶の比率が高くなると、強度がより高くなるためにセラミックスボールの使用中に割れや欠けをより抑制することができる。また、安定化剤の添加量を多くすることにより、単斜晶の比率が低く、正方晶の比率が高くなると同様に強度がより高くなり、割れ・欠けをより抑制することができる。
このため正方晶の比率が高くなる安定化剤の添加量が好まれ、このような安定化剤としてはイットリアを用いることが好ましい。安定化剤としてイットリアを添加する場合の添加量は、酸化物成分の全重量に対して好ましくは4.5wt.%以上5.5wt.%以下、より好ましくは4.7wt.%以上5.4wt.%以下である。
また、結晶粒の成長を抑制するためにアルミナを微量添加しても構わない。
内部の欠陥や緻密化については断面を観察することで識別することができる。
本発明のセラミックスボールは、略中心を通る断面をデジタルマイクロスコープのハイダイナミックレンジモードで撮影した画像において、RGBカラーモデル各要素全ての値が断面全体の平均値に対して10以上低い低発色領域の面積が、前記断面の断面積の1/50以下である。以下、各構成について詳述する。
略中心を通る断面とは、セラミックスボールを研削機等でボール径の40%~60%まで研削した断面を意味する。断面観察用のサンプルは、セラミックスボールを研削機等でボール径の40%~60%まで研削した後、さらに粒径6μmのダイヤモンドスラリーで10分以上仕上げ研磨して作製する。
得られた断面をハイダイナミックレンジモードで撮影する。ハイダイナミックレンジモードで撮影することにより、通常の撮影画像と比較して輝度の差が小さくてもコントラストが明確となり、鮮明な画像を得ることができる。結果として、セラミックスボール内部の欠陥や緻密さにムラがある領域(密度差)を容易に認識することができる。
得られた画像はRGBカラーモデルで表される。画像をRGBカラーモデルで表すことにより、セラミックスボール内部の欠陥や緻密さにムラがある領域(密度差)を容易に認識することができる。具体的には、RGBカラーモデルで表された画像中、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる領域(低発色領域)を緻密化が不十分な領域と識別できる。
観察に用いるデジタルマイクロスコープとしては、VHXシリーズ(Keyence製)が好適に用いられ、VHX-2000が好ましい。VHX-2000を用いる場合、観察倍率はボール径によって異なるが10~200倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、得られた画像の画質は明るさ調整を20以上40以下、テクスチャ強調を70以上90以下、コントラストを20以上40以下、色彩調整を10以上30以下にすることが好ましく、緻密化が不十分な領域を識別しやすい。
本発明のセラミックスビーズは、低発色領域の面積が、断面積に対して1/50以下である。低発色領域の面積が1/50をこえると圧壊強度が低下するが、1/50以下であれば低発色領域が存在していても圧壊強度の低下はほぼない。しかし、低発色領域はより小さいことが好ましいため、より好ましくは断面積の1/70以下、さらに好ましくは1/100以下である。低発色領域の面積の小さいセラミックスビーズは、例えば、後述するとおり、セラミックス成形体乾燥時における水分減少率を規定の範囲に設定することにより得ることができる。
また、転動造粒法を用いてセラミックスボールを作製する場合、このような低発色領域は、造粒中の条件の変動に由来して生じるため、一般的には略円弧状に現れる。この場合、当該略円弧状の低発色領域の円弧の長さ(以下、「低発色領域の長さ」という)が、セラミックスボールの直径の1/10以下であることが好ましい。なお、円弧状の低発色領域が切れ目なく円周状に現れる場合は、円周長を低発色領域の長さとする。また、円弧状の低発色領域が複数現れる場合は、当該複数の円弧の長さの合計を低発色領域の長さとする。低発色領域の長さが直径の1/10以下であれば該領域が存在していても圧壊強度の低下はより抑制される。しかし、低発色領域の長さはより短いことが好ましいため、より好ましくは1/15以下であり、さらに好ましくは1/20以下である。低発色領域の長さの短いセラミックスビーズは、例えば、後述するとおり、セラミックス成形体乾燥時における水分減少率を規定の範囲に設定することにより得ることができる。
また、本発明のセラミックスボールは、表面粗さRaが0.30μm以下であることが好ましい。表面粗さRaが0.30μm以下であるとベアリング動作中の摩擦を抑制することができる。表面粗さRaの小さいセラミックスビーズは、例えば、後述するとおり、セラミックス焼結体の表面研磨により得ることができる。
なお、本明細書において、セラミックスボール表面の算術平均粗さRaはJIS B0601-1994に準拠して測定した数値である。具体的には、セラミックスボール表面の粗さ曲線からその平均の方向に基準粗さ(l)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、X軸と直交する方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したときに下記式(1)によって求められる値である。
Figure 0007287060000001
本発明で得られるセラミックスボールは機械部品や電子部品の軸受の可動部品間に球を使って分離する軸受けのベアリングボール等に好適に使用される。ただしベアリングボール等に限らず、例えばボールミル等の粉砕・分散媒体としても好適に使用することである。
<セラミックスボールの製造方法>
本発明のセラミックスボールは、例えば転動造粒法によりセラミックス成形体を作製し、かかるセラミックス成形体から水分を除去した後に脱脂・焼結し、表面を研磨することにより製造することができる。
転動造粒法においては、傾斜した円柱状を有するドラムを回転させておき、このドラム内にセラミックス粉末と結合剤および水分を含む液体バインダーを交互に添加することにより粉末と粉末の間に液体バインダーの架橋を形成し、球状の微粒を形成する。その後、回転の連動を微粒及びセラミックス粉末に与えることにより粒の成長を促進させ、球状の成形体を作製する。
ここで成形体内に空隙を生じると焼結後に空隙や緻密化が不十分な領域を生じることとなる。このため粉末は液体バインダー添加後に十分に流動される必要があり、そのためにはセラミックス粉末の粒径が小さく、かさ密度が低いことが望ましい。
具体的には粉末の50%粒径が70μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。ここで50%粒径とは、粉末を粒径の大小順に配列し、その配列上にて小粒径側から度数を計数したときに、着目している粒径までの累積度数をNc、評価対象となる粉末の総度数をN0として(Nc/N0)×100=50%となる粒径である。
また、セラミックス粉末のかさ密度は1.2g/cm以下であることが好ましい。かさ密度は径の小さい粉末の分布量が増えるほど値が小さくなる。径の小さい粒子が増えるほど液体バインダー添加後に流動されやすい。このためより好ましくは1.1g/cm以下である。
液体バインダーは、水分の他に架橋剤およびジルコニアの分散剤を含むことが好ましい。架橋剤はポリビニルアルコール、分散剤はカルボン酸系分散剤やアクリル系分散剤が例として挙げられる。
このように得られたセラミックス成形体は水分を含んでいるが、後述する焼結を施す前にセラミックス成形体を乾燥させることにより、セラミックス成形体内部の水分が徐々に蒸発し、欠陥や緻密さにムラがある領域(密度差)が生じにくく、上述した低発色領域の面積をより低下させることができる。そのため、セラミックス成形体は、焼結を施す前に、乾燥機等を用いてセラミックス成形体内部の水分を徐々に減少させる乾燥工程に供されることが好ましい。
本発明者らの知見によると、乾燥工程におけるセラミックス成形体内の水分の減少速度が小さいと、セラミックス成形体内部の水分が徐々に蒸発し、欠陥や緻密さにムラがある領域(密度差)が生じにくく、上述した低発色領域の面積をより低下させることができる。そのため、本発明においては、当該セラミックス成形体の乾燥前の重量を100重量%として1.5重量%/h以下の水分減少率で乾燥させることが好ましい。乾燥工程における水分減少率は1.2重量%/h以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1.0重量%/h以下である。なお、乾燥工程は成形体を複数層積層した状態で乾燥するため、最下層の成形体の水分を効率的に除去する観点から、乾燥工程における水分の減少速度は0.01重量%/h以上であることが好ましい。
セラミックス成形体の焼結は、用いる原料粉末の種類によって様々であるが十分に緻密化が出来る温度であればよい。ただし、部分安定化ジルコニアについては温度が高すぎると安定化剤に用いた原子の偏析が生じるため、偏析が生じない程度に温度を調整することが好ましい。例えばアルミナであれば1550~1650℃、部分安定化ジルコニアであれば1350~1500℃で焼結することが出来る。
セラミックス焼結体の表面研磨は、例えばバレル研摩等で研磨材を用いて研磨することができる。研磨材はSiC研磨材やAl研磨材が好適に用いられ、これらは単独で用いても混合して用いても構わない。表面粗さの大きさに応じて研磨材を段階的に変化させてもよく、研磨工程の最終段階においては研磨材を用いない共摺りによる研磨を行ってもよい。
<セラミックスボール断面の密度差を評価する方法>
本発明のセラミックスボール断面の密度差の評価方法は、デジタルマイクロスコープのハイダイナミックレンジモードでセラミックスボールの略中心を通る断面を撮影した画像に対して、RGBカラーモデル各要素の値を算出し、その値の差によって密度差を評価するものである。本評価方法により、上述した通り、セラミックスボール内部の欠陥や緻密さにムラがある領域(密度差)を容易に認識することができ、セラミックスボール断面の密度差を定量的に評価することができる。結果として、空隙がなく緻密化が十分な圧壊強度の高い良品と、空隙があったり緻密化が不十分であったりすることにより圧壊強度の低い不良品とを容易に判別することができる。
セラミックスボールの原料は、例えば、前述した原料が挙げられ、特に圧壊強度が高い一方で、空隙や緻密さのムラの影響を受けやすいジルコニアにおいても、密度差を容易に評価することができることから、ジルコニアを用いたセラミックスボールの評価に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[測定例1]表面粗さRa
セラミックスボールの表面をレーザー顕微鏡VK-X100(Keyence製)を用いて表面観察を行った。解析は解析アプリケーションソフトVK-H1Wを用い、カットオフ値は0.25μmとした。セラミックスボール試料をテープ状に固定し、ボールの頂点を含む部分を測定し、この頂点の中央部分において、球状の傾きや湾曲を取り除く処理を行った上で粗さを算出した。該ソフトにおいて、100μmの長さを指定して表面粗さRaを求めた。測定は3回行い、平均値を表面粗さRaとした。
[測定例2]セラミックスボールの圧壊強度
セラミックスボールを直径20mmのジルコニア製の円柱状冶具で挟み、電子式万能試験機CATY-2000YD(米倉製作所製)で0.5mm/minの速度で圧縮荷重をセラミックスボールにかけ、破壊したときの荷重値を測定した。1水準につき30回測定し、得られた値の平均値を圧壊強度とした。圧壊強度はボール径に依存するためボール断面積で除した値を評価した。
[実施例1]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :4.78wt.%
Alの含有量 :0.38wt.%
Feの含有量 :0.0002 wt.%
TiOの含有量 :0.001 wt.%
NaOの含有量 :0.0011 wt.%
比表面積 :9.8m/g
50%粒径 :42μm
かさ密度 :1.01g/cm
次に上記粉末を用いて転動造粒法で造粒を行った。液体バインダーの調製は水分の他に架橋剤としてポリビニルアルコール、分散剤としてアクリル系分散剤を用い、目的径が5.0mmとなるように造粒し成形球体を得た。得られた成形球体を篩い分けした後、水分の減少速度0.8重量%/hで乾燥させ、その後、大気中にて1380℃で2時間焼結した。
得られた焼結体をバレル研磨した。研磨はSiC研磨材による粗研磨を4時間、Al研磨材とSiC研磨材による本研磨を4時間、研磨材を用いない共摺りによる研磨を4時間とした。このようにして平均径5.0mmのセラミックスボールを得た。
このセラミックスボールの表面粗さRaは0.24μmであった。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で2.5mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整30、テクスチャ強調80、コントラスト30、色彩調整15に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる低発色領域は観察されなかった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均62.4kgf/mm(612N/mm)であった。
[実施例2]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :4.81wt.%
Alの含有量 :0.37wt.%
Feの含有量 :0.0002 wt.%
TiOの含有量 :0.001 wt.%
NaOの含有量 :0.0010 wt.%
比表面積 :9.6m/g
50%粒径 :45μm
かさ密度 :1.06g/cm
次に上記粉末を用いて転動造粒法で造粒を行い、目的径が4.0mmとなるように造粒し成形球体を得た。焼結・バレル研磨は実施例1と同条件を用い、平均径4.0mmのセラミックスボールを得た。このセラミックスボールの表面粗さRaは0.28μmであった。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で2.0mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整29、テクスチャ強調75、コントラスト28、色彩調整16に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、円弧状の低発色領域が観察された。この低発色領域は、円弧の長さが0.45mmのものが1つあり、領域面積の割合は1.8%であった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均60.6kgf/mm(594N/mm)であった。
[実施例3]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :4.83wt.%
Alの含有量 :0.39wt.%
Feの含有量 :0.0001 wt.%
TiOの含有量 :0.0009 wt.%
NaOの含有量 :0.0011 wt.%
比表面積 :9.9m/g
50%粒径 :68μm
かさ密度 :1.14g/cm
次に上記粉末を用いて転動造粒法で造粒を行い、目的径が12.0mmとなるように造粒し成形球体を得た。焼結・バレル研磨は実施例1と同条件を用い、平均径12.0mmのセラミックスボールを得た。このセラミックスボールの表面粗さRaは0.22μmであった。得られたセラミックスボールを20個樹脂に貼付け、研削機で6.0mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率10倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整29、テクスチャ強調75、コントラスト28、色彩調整16に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる低発色領域が観察された。この領域の長さは0.65mmのものが1つあり、領域面積の割合は0.8%であった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均48.6kgf/mm(476N/mm)であった。
[実施例4]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :4.77wt.%
Alの含有量 :0.377wt.%
Feの含有量 :0.0003 wt.%
TiOの含有量 :0.001 wt.%
NaOの含有量 :0.0011 wt.%
比表面積 :9.1m/g
50%粒径 :45μm
かさ密度 :1.02g/cm
次に上記粉末を用いて転動造粒法で造粒を行い、目的径が4.0mmとなるように成形球体を得た。焼結・バレル研磨は実施例1と同条件を用い、平均径4.0mmのセラミックスボールを得た。このセラミックスボールの表面粗さRaは0.38μmであった。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で2.0mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整29、テクスチャ強調75、コントラスト28、色彩調整16に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、低発色領域は観察されなかった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均55.6kgf/mm(545N/mm)であった。
[実施例6]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :5.78wt.%
Alの含有量 :0.40wt.%
Feの含有量 :0.0002 wt.%
TiOの含有量 :0.001 wt.%
NaOの含有量 :0.0011 wt.%
SOの含有量 :0.006 wt.%
比表面積 :11.8m/g
50%粒径 :44μm
かさ密度 :1.442g/cm
得られたジルコニア粉末を用い転動造粒法で造粒を行った。液体バインダーの調製は水分の他に架橋剤としてポリビニルアルコール、分散剤としてアクリル系分散剤を用い、目的径が2.0mmとなるように造粒し成形球体を得た。焼結・バレル研磨は実施例1と同条件を用い、平均径2.0mmのセラミックスボールを得た。このセラミックスボールの表面粗さRaは0.28μmであった。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で1.0mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率100倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整34、テクスチャ強調81、コントラスト28、色彩調整16に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる低発色領域は観察されなかった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均42.6kgf/mm(417N/mm)であった。
[実施例7]
オキシ塩化ジルコニウムに塩化イットリウムを加えて共沈法でジルコニア粉末を作製した。得られた粉末の諸元は以下の通りであった。
の含有量 :4.76wt.%
Alの含有量 :0.41wt.%
Feの含有量 :0.0004 wt.%
TiOの含有量 :0.0010 wt.%
NaOの含有量 :0.0014 wt.%
比表面積 :10.9m/g
50%粒径 :91μm
かさ密度 :1.41g/cm
次に上記粉末を用いて転動造粒法で造粒を行い、目的径が5.0mmとなるように造粒し成形球体を得た。焼結・バレル研磨は実施例1と同条件を用い、平均径5.0mmのセラミックスボールを得た。このセラミックスボールの表面粗さRaは0.28μmであった。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で2.5mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整29、テクスチャ強調75、コントラスト28、色彩調整16に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる低発色領域が観察された。この領域の長さは2.5mmのものが1つあり、領域面積の割合は4.8%であった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均25.6kgf/mm(251N/mm)であった。
[実施例8]
実施例2で作製した試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジをOFFにした状態で観察し、得られた画像を確認したところ、円弧状の低発色領域が観察されなかったものの、圧壊強度は実施例1よりも低かった。
[比較例1]
実施例1において、篩い分けした後の成形球体を、水分の減少速度4.4重量%/hで乾燥させたこと以外は同様の方法により平均径5.0mmのセラミックスボールを得た。得られたセラミックスボールを100個樹脂に貼付け、研削機で2.5mm研磨し、その後ダイヤモンドスラリーで仕上げ研磨することで断面観察用の試料を得た。試料をデジタルマイクロスコープ顕微鏡VHX-2000(Keyence製)を用いて倍率30倍、照明方法は拡散照明アダプタOP-74985を用い、観察モードはハイダイナミックレンジ観察で観察し、得られた画像を明るさ調整30、テクスチャ強調80、コントラスト30、色彩調整15に画質調整した。調整後の画像をRGBカラーモデルで表したところ、赤・青・緑の各要素全てが断面全体の平均値より10以上低くなる低発色領域が観察された。この低発色領域は、円周の長さが3.1mmのものが1つあり、領域面積の割合は6.0%であった。またこの圧壊荷重を測定したところ圧壊強度は平均20.3kgf/mm(199N/mm)であった。
実施例1~4、6、7、比較例1で作製したセラミックスボールの製造方法の概略と各種測定結果を表1に示す。
Figure 0007287060000002

Claims (4)

  1. 略中心を通る断面をデジタルマイクロスコープのハイダイナミックレンジモードで撮影した画像において、RGBカラーモデル各要素全ての値が断面全体の平均値に対して10以上低い低発色領域の面積が、前記断面の断面積の1/50以下であり、ジルコニアの比率が全成分の93wt.%以上であるセラミックスボール。
  2. 前記低発色領域の長さがボール直径の1/10以下である、請求項1に記載のセラミックスボール。
  3. 表面粗さRaが0.30μm以下である、請求項1または2に記載のセラミックスボール。
  4. イットリアを含有し、イットリアの比率が4.5wt.%以上5.5wt.%以下である、請求項1~3のいずれかに記載のセラミックスボール。
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