発明者らは、ライトフィールドプリントを見ている人に3D情報を提示するために印刷機を使用してライトフィールドプリントを製造する技術を開発した。製造されたライトフィールドプリントは、文書セキュリティ、商標保護、および他の用途で使用され得る。これらの技術は、複数の特殊な計算済みパターンを基板(たとえば、少なくとも部分的に透明なフィルム)上に印刷することによってライトフィールドプリントを製造することを伴う。いくつかの実施形態において、計算済みパターンは、印刷機を使用して同じ基板のフロント面とバック面とに印刷され得る。他の実施形態において、計算済みパターンは、複数の異なる基板上に印刷されるものとしてよく、これらは積層され得る(たとえば、ラミネート、層化、接着など)。印刷されたパターンは、一緒になって、基板の表面から異なる方向に移動する光線の色および強度を修正する働きをし、次いで、印刷された基板それ自体の物理的厚さを超えて延在する深さの錯視を形成する。印刷されたパターンは、視野角の関数として変化する他の視覚的効果も発生し得る。このようにして、印刷されたパターンは、それらが印刷される基板に機能的に関係している-基板は、その上に印刷されるターゲットパターンの結果として、見たときに所望のライトフィールド像を生み出す。
発明者らは、ライトフィールド表現を意図した印刷パターンを製造するプロセスは、従来の2D印刷に対する印刷パターンを作成するのと比べて要求が厳しいことを認識している。たとえば、ライトフィールド印刷では、人間の目の視力に比べて十分に低い特徴は、結果として得られるライトフィールドプリントの目に見えるパフォーマンスを変える効果を生じ得る。たとえば、コンテンツにのみ基づき計算済みパターンを生成することは、印刷されるときにレンダリングを行い、低品質のライトフィールドプリントにおける印刷機の結果を使用してそのようなパターンを印刷するべきであり、これは、深さの錯視を生み出すことができない場合がある。これらの難題を解消するために、発明者らは、様々な種類の印刷機を標準的な媒体とともに使用して高品質のライトフィールドプリントを作成するための技術を開発してきた。本明細書において詳しく説明されているように、印刷機を使用して高品質のライトフィールドプリントを作成するために、いくつかの実施形態において、印刷機の1つまたは複数の特性が測定され(たとえば、1つまたは複数のキャリブレーションシートを使用して、もしくは他の任意の好適なやり方で)、これらの測定された特性は、ライトフィールドプリントを形成するために印刷されるパターンを生成するときに考慮される。
発明者らによって開発された技術は、印刷機を使用してライトフィールドプリントの大量印刷を達成することを可能にする。大量生産は、個別のライトフィールドプリントを生産するコストを引き下げ、延いては、セキュリティ印刷および商標保護のための従来の技術の代替えとしてライトフィールドプリントを経済的に実現可能なものにし(および他の何らかの形で改善する)これは下で説明される。
セキュリティ印刷および商標保護のための従来技術は、ホログラフィックフォイルを使用することを伴う。上で説明されているように、ホログラムが印刷物上で望ましいときに、印刷物をホログラフィックフォイルと組み合わせるために熱または圧力活性化接着剤が使用される。これは、ホログラフィック画像を伴う印刷商品を製造することに対していくつかの否定的な結果を有する。否定的な結果を有する。1つの結果は、2つの別々の材料の流れを組み合わせなければならず、フォイルを貼るための専用の段階を印刷機に設けることを必要とすることである。もう1つの結果は、印刷物生産者が、ホログラフィックフォイルベンダーからの材料商品をストックしておくコスト、サブライチェーンの複雑さ、および不確実性を負担しなければならない。ホログラフィックフォイルの費用はさておき、ホログラフィックフォイルを作成するための技術は広く知られており、高価な製品および文書に対して偽造される。対照的に、本明細書において説明されているライトフィールドプリントを生成するための技術は、ライトフィールドプリントを生成するために使用されてよく、これは簡単には偽造できず、ホログラフィックフォイルに比べて実質的に低コストで生成され得る。
プリント上にホログラフィック効果を生み出すための別の従来の技術は、専用の機械を使用して回折干渉縞を特別な放射線硬化性インクに移すことを伴う。しかしながら、そのような技術は、特定の認識可能な像を作成するには不十分な解像度でプリントを生成するので、セキュリティに関する強い利点をもたらさない。その代わりに、汎用のレインボー効果が作成される。対照的に、本明細書において説明されているライトフィールドプリントを製造するための技術は、ホログラフィ干渉縞をインプリントするために特別なインクまたはローラーを必要とせず、白色光および面光源の下で見える固有の非レインボー特徴を形成することができる。
ホログラフィのほかに、3D効果は、紙またはフィルムにパターンを形成し、それを一軸または二軸レンズアレイと結合することを伴う、レンチキュラー印刷を使用して作成され得る。レンチキュラー印刷は、厚いプラスチックレンズ、およびレンズを印刷済みバッキングと完全に結合するために印刷プロセスを伴う押出加工などのレンズ製造プロセスの慎重なキャリブレーションを必要とするので、パッケージングにおいて広く採用されているようには見えない。これらの理由から、ほとんどのパッケージング用途には費用がかかりすぎるか、または実用的でないと考えられる。それに加えて、民生用ハードウェアでレンチキュラープリントを少量生産するのは比較的容易であるので、レンチキュラー印刷は文書セキュリティにおいて使用するのには望ましくない。
レンチキュラーレンズシートのバックに直接印刷するためにUV硬化性インクが使用され得る。しかしながら、このプロセスには、印刷済みバッキングをレンズシートに結合する場合と同じ厚さ、コスト、およびアライメントの問題点がある。別の従来の技術は、レンチキュラープリントを製造するコストを低減する可能性のある、マイクロレンチキュラー印刷である。マイクロレンチキュラー印刷は、透明UV硬化性ポリマー系インクおよび専用プレス機器を使用して、非常に小さなレンズを印刷するために使用できる。マイクロレンズは、典型的には、印刷済みパターンの上に印刷される。しかしながら、レンズのサイズは印刷可能ドットに関して小さいので、再生像にサンプリング制約条件が課され、これは一般的に出力を小さな仮想深さまたは単純な幾何学的形状を有する繰り返しパターンに制限する。
大量デジタルおよびアナログ印刷機を使用してライトフィールドプリントを製造するために開発者らによって開発された技術は、従来の技術において問題になっていた費用およびセキュリティの上で説明されている問題を直接的に解消する。費用は、印刷物生産ラインから物理的物品(たとえば、ホログラフィックフォイル、レンズシート)、および保管、巻き取り、刻印、および廃棄物の処分などの、生産における関連付けられているステップをなくすことによって大幅に低減される。セキュリティは、より容易によく目立つ効果を作成すること、ライトフィールドプリントを文書のより広い領域内に統合すること、セキュリティ特徴を直接的に文書上に印刷することによって、またより広範な印刷済み文書上でパターンを経済的に使用することを可能にすることによって高められる。
したがって、いくつかの実施形態は、印刷機を使用して基板上にライトフィールドプリントを製造する方法を提供する。この方法は、(1)少なくとも一部は少なくとも1つのキャリブレーションパターンを印刷することによって(たとえば、印刷機またはその印刷機に類似する別のプレスを使用することによって)印刷機の少なくとも1つの特性を識別することと、(2)ライトフィールドプリントを使用してレンダリングされるべきコンテンツを取得することであって、コンテンツは複数のシーンビュー(たとえば、ライトフィールドプリンを見ている人の位置のそれぞれのセットに対応する)を含む、コンテンツを取得することと、(3)少なくとも一部はコンテンツおよび印刷機の少なくとも1つの特性に基づき、フロントターゲットパターンとバックターゲットパターンとを生成することと、(4)印刷機を使用して基板の第1の面にフロントターゲットパターンを印刷し、基板の第2の面にバックターゲットパターンを印刷することとを含む。いくつかの実施形態において、基板は、少なくとも部分的に(たとえば、完全に)透明であるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のキャリブレーションパターンは、印刷機によって印刷されてよく、その結果得られる印刷済みキャリブレーションパターンは1つまたは複数の印刷機特性を識別するために使用されてよく、この特性は、限定はしないが、基板に沿った少なくとも1つの方向で達成可能なレジスタリング精度(たとえば、基板に沿った、たとえば、印刷機内の基板の移動の方向および基板の移動の方向に直交する方向などの、2つの直交する方向に沿って)、印刷機のアライメントの程度、基板に沿った少なくとも1つの方向の最小線幅(たとえば、基板に沿った2つの直交する方向に沿った)、インクが載っていない状態の基板のスペクトル減衰、基板に載っているインクのスペクトル減衰、基板に載っているインクの組合せのスペクトル減衰(たとえば、基板の同じ面で互いの上に2つの異なる色のインクを印刷し、基板の一方の面に一方のインクを印刷し、同じ位置で基板の反対の面上に他方のインクを印刷する結果の組合せ)、および印刷機の1つまたは複数のチャネルの各々に対するドットゲインを含む。
いくつかの実施形態において、印刷機の1つまたは複数の特性はキャリブレーションパターンを印刷することによって取得され得るが、他の実施形態では、印刷機の1つまたは複数の特性はキャリブレーションパターンを使用することなく取得され得ることは理解されるべきである。たとえば、印刷機のいくつかの特性は、ドキュメンテーション(たとえば、マニュアル、プレス仕様書など)、または印刷機の操作者から取得され得る。そのような特性の非限定的な例は、印刷機の解像度、印刷機に関連付けられているプレートセッターの解像度、印刷のため印刷機によって使用される基板の厚さ、基板の屈折率、および印刷機に対するフレキソ印刷歪み率(時には「ディスプロ(dispro)」係数とも称される)を含む。いくつかの実施形態において、キャリブレーションパターンを使用することなく取得される1つまたは複数の特性(たとえば、基板の屈折率、フレキソ印刷歪み率、基板の厚さなど)の値は、キャリブレーションパターンを印刷することによって検証され得る。
印刷機の特性を測定するためにキャリブレーションパターンを使用することについての説明に戻ると、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャリブレーションパターンを印刷することによって印刷機の少なくとも1つの特性を識別することは、少なくとも1つのキャリブレーションパターンの印刷されたバージョンを使用して印刷機の少なくとも1つの色チャネルに対するドットゲインを示す1つまたは複数の値を識別することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャリブレーションパターンは印刷機の複数の異なる色チャネルの各々に対する配向されたライン掃引のセットを含み、印刷機の少なくとも1つの特性を識別することは、印刷機によって印刷された配向されたライン掃引のセットの印刷されたバージョンを使用して印刷機の色チャネルの各々に対するドットゲインを識別することを含む。
いくつかの実施形態において、配向されたライン掃引の各セットは、ラインの間の間隔がパッチ間で変化する、印刷機の1つまたは複数の(すべての)色チャネルの各々に対するラインの複数のパッチを含むものとしてよい。たとえば、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャリブレーションパターンは印刷機の第1の色チャネルに対する配向されたライン掃引の第1のセットを含み、配向されたライン掃引の第1のセットは、第1の間隔を有するラインの第1のパッチと、第1の間隔と異なる第2の間隔を有するラインの第2のパッチとを含む。少なくとも1つのキャリブレーションパターンは、印刷機の第2の色チャネルに対する配向されたライン掃引の第2のセットをさらに含むものとしてよく、配向されたライン掃引の第2のセットは、第1の間隔を有するラインの第3のパッチと、第2の間隔を有するラインの第4のパッチとを含む。
いくつかの実施形態において、配向されたライン掃引の第1のセットは、ウェブ方向に沿って配向されたラインの少なくとも1つのパッチと、ウェブ方向を横断する形で配向されたラインの少なくとも1つのパッチとを含む。
いくつかの実施形態において、キャリブレーションパターンは、印刷機がアライメントまたはミスアライメントされる程度を決定するために使用され得る。たとえば、キャリブレーションパターンを印刷することは、印刷機のフロント-バックアライメントおよび/または異なる印刷機ステーションの間のアライメントを決定するために使用され得る。適切な印刷機アライメントは、高品質のライトフィールドプリントを取得するために重要である。たとえば、フロントおよびバックターゲットパターンが互いに適切にアライメントされたときに、ターゲットパターンは、一緒に、ライトプリントの表面から異なる方向に進行する光線の色および強度を修正するものとしてよく、これは、次いで、深さの錯視を生み出す。他方で、フロントおよびバックターゲットパターンが互いに適切にアライメントされないときに、これらは知覚された深さを生じさせるのに失敗し得る。ターゲットパターンの各々が、複数の色チャネルからのインクを使用して印刷されるときに、印刷機のステーション間のアライメントも、指定された許容範囲内で達成するのに重要である。
したがって、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャリブレーションパターンを印刷することによって印刷機の少なくとも1つの特性を識別することは、印刷機によって印刷された少なくとも1つのキャリブレーションパターンの印刷されたバージョンを使用して印刷機のアライメントの程度を識別することを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのキャリブレーションパターンは、印刷されるときに印刷機のフロント-バックミスアライメントを指示するように設計された少なくとも1つのアライメントマークを含む。
いくつかの実施形態において、識別されたアライメントの程度は、手動で(たとえば、印刷済みアライメントマークを見た後に印刷機の操作者によって)または自動的に(たとえば、印刷機のアライメントを自動的に制御するように構成されている視覚的サーボシステムを使用して)印刷機のアライメントを行うために使用されてよい。
いくつかの実施形態において、印刷機は、フレキソ印刷機であってよく、そのような印刷機を使用してライトフィールドプリントを製造することは、印刷機に対するフレキソ印刷歪み率を(たとえば、印刷機の仕様から、または適切なキャリブレーションパターンを印刷することによって)決定することと、識別されたフレキソ印刷歪み率に基づきフロントおよびバックターゲットパターンを生成することとを伴い得る。
いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンを生成することは、少なくとも1つのボケ変換を指定する情報に基づき実行され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、生成することは、コンテンツ内の複数のシーンビューに対応する複数のディスプレイビューを取得することと、少なくとも1つのボケ変換を複数のディスプレイビューのうちの少なくとも1つおよび複数のシーンビューのうちの対応する少なくとも1つのシーンビューに適用することとを含み得る。
いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンは、繰り返し生成され得る。たとえば、生成することは、初期フロントおよびバックパターンを生成することと、初期フロントおよびバックパターンのうちの一方または両方を繰り返し更新してフロントおよびバックパターンを取得することとを含み得る。繰り返し更新することは、初期フロントおよびバックパターンを更新して更新されたフロントおよびバックパターンを取得することを、少なくとも一部は複数のシーンビューと少なくとも1つのボケ変換を指定する情報とに基づき行うことを含み得る。
いくつかの実施形態において、初期フロントおよびバックパターンを更新することは、(1)印刷機の少なくとも1つの特性と初期フロントおよびバックパターンとを使用して、初期フロントおよびバックパターンが印刷機を使用して印刷された場合に初期フロントおよびバックパターンを使用して形成されるライトフィールドプリントによって生成されるであろうディスプレイビューに対応するディスプレイビューの第1のセットを決定することと、(2)少なくとも1つのボケ変換を使用して、ディスプレイビューの第1のセットと複数のシーンビューとの間の誤差の尺度を決定することと、(3)ディスプレイビューの第1のセットと複数のシーンビューとの間の誤差の尺度に基づき初期フロントおよびバックパターンを更新することとを含み得る。いくつかの実施形態において、ディスプレイビューの第1のセットと複数のシーンビューとの間の誤差の尺度に基づき初期フロントおよびバックパターンを更新することは、フロントおよびバックパターン上の非負制約条件に従って初期フロントおよびバックターゲットパターンを乗法的に更新することを含む。
いくつかの実施形態において、印刷機の識別された1つまたは複数の特性は、フロントおよびバックターゲットパターンを生成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、これらの特性のうちの1つまたは複数は、ターゲットパターンが計算される1つまたは複数の繰り返しの各々間においてフロントおよびバックターゲットパターンを計算するために使用され得る。たとえば、フロントおよびバックターゲットパターンは、次の特性、すなわち、基板に沿った少なくとも1つの方向で達成可能なレジスタリング精度、印刷機のアライメントの程度、基板に沿った少なくとも1つの方向の最小線幅、インクが載っていない状態の基板のスペクトル減衰、基板に載っているインクのスペクトル減衰、基板に載っているインクの組合せのスペクトル減衰、ドットゲイン、印刷機の解像度、印刷機に関連付けられているプレートセッターの解像度、基板の厚さ、基板の屈折率、印刷機のフレキソ印刷歪み率のうちの1つまたは複数に対する値を使用して計算され得る。
いくつかの実施形態において、これらの特性のうちの1つまたは複数は、印刷機の様々な態様に対して繰り返し生成されるターゲットパターンを補償するために本明細書で説明されている繰り返しプロセスを使用して生成されるフロントおよびバックパターンを後処理するために使用され得る。たとえば、フロントおよびバックパターンは、印刷機に対する1つもしくは複数の色チャネルおよび/またはフレキソ印刷歪み率にわたって印刷機のドットゲインについて補償され得る。
したがって、いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンを生成することは、複数のシーンビューを使用して初期フロントおよびバックターゲットパターンを生成することと、少なくとも一部は識別された少なくとも1つの特性を使用して初期フロントおよびバックターゲットパターンを修正しドットゲインの効果を補償することによってフロントおよびバックターゲットパターンを取得することとを含む。いくつかの実施形態において、ドットゲインの効果について初期フロントパターンを補償することは、空間線形フィルタリングを初期フロントパターンに適用することを含む。フロントおよびバックターゲットパターンを生成する態様は、図5~図16を参照することを含めて本明細書においてさらに説明される。
いくつかの実施形態において、印刷機を使用してフロントおよびバックターゲットパターンを印刷することは、1ビットTIFFフォーマットを使用してフロントおよびバックターゲットパターンを印刷機に送信することを含む。いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンは、異なるフォーマットのコンテンツ(たとえば、アートワーク)と組み合わされてよく、パターンとコンテンツとの組合せは、デバイスCMYKフォーマットでPDFとして印刷機に送信され得る。
印刷機上でライトフィールドプリントを印刷することについて本明細書において説明されている技術は、任意の多数の種類の印刷機を使用してライトフィールドプリントを製造するために使用され得ることは理解されるべきである。たとえば、いくつかの実施形態において、印刷機は、たとえば、乾式トナーベースのプレス、インクジェットベースのプレス、または液体トナーベースのプレスなどのデジタルプレスであってもよい。別の例として、いくつかの実施形態において、印刷機は、たとえば、フレキソ印刷機またはオフセット印刷機などのアナログ印刷機であってもよい。いくつかの実施形態において、印刷機は、プレスを通る同じパスで基板の両面に印刷されるSIMULTANプレスまたは他の任意の印刷機であってよい。
いくつかの実施形態において、印刷機は、リバーシングステーションおよび/またはターンバーを有する両面プレスである。
いくつかの実施形態において、印刷機は、エネルギー硬化性インク、たとえば、ポリマーエネルギー硬化性インクを使用してフロントおよびバックパターンを印刷するように構成される。
上で導入され、以下でより詳しく説明されている技術は、多数のやり方のうちのどれかで実装されてよく、これらの技術は特定の実装様式に限定されないことは理解されるべきである。実装の詳細の例は、例示することのみを目的として本明細書において提供される。さらに、本明細書により開示されている技術は、個別に、または任意の好適な組合せで使用されてよく、本明細書において説明されている技術の態様は、特定の技術または技術の組合せの使用に限定されない。
前述の説明から理解され得るように、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントを製造するプロセスは、一般的に、次の4つの段階、すなわち、(1)印刷機を構成する段階と、(2)印刷機の態様を特徴付ける段階と、(3)ターゲットパターンを生成する段階と、(4)生成されたターゲットパターンを印刷機で印刷する段階とを伴う。
いくつかの実施形態において、第1の段階において、印刷機は、フロントインプレッション(front impression)およびバックインプレッション(back impression)が互いにアライメントされるように、また印刷機の各色ステーションが前の色ステーションとアライメントされるように両面印刷を実行するようにキャリブレーションされ得る。
いくつかの実施形態において、第2の段階において、印刷機によって使用される媒体およびインクを含む、印刷機の1つまたは複数の特性が、ライトフィールドプリントを印刷するために使用されるターゲットパターンを生成するために使用できるように識別され得る。いくつかの実施形態において、印刷機の特性は、本明細書において説明されているように、1つまたは複数の特殊化されたキャリブレーションパターンを印刷することによって決定され得る。決定されるべきプレスの特性は、限定はしないが、媒体上のドットゲイン、またはインク拡散、フロント-バックアライメント許容範囲、ならびにインクの光吸収およびスペクトルを含む。キャリブレーションパターンを使用して取得される印刷機のアライメントに関する情報は、印刷機のアライメントを調整するために使用されてよく、そのようなものとして、第1および第2の段階は、いくつかの実施形態において、必ずしも、互いに無関係に実行されるわけではないことに留意されたい。
いくつかの実施形態において、第3の段階において、フロントおよびバックターゲットパターンは、レンダリングされるべきコンテンツおよび印刷機の特徴付け段階において取得される情報を使用して制約付き最適化問題を解くことによって計算される。ターゲットパターンを計算するための最適化技術は、図5~図16を参照することを含めて本明細書において説明される。ターゲットパターンを計算するための最適化技術の態様は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2017年3月23日に出願した米国特許公開第2017/0085867号、名称「MULTI-VIEW DISPLAYS AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」において説明されている。媒体およびインクの特性を含む、印刷機の特性は、結果として得られるパターンが印刷機によって再現されたときに所望の視覚的効果を生成するように最適化の順問題で物理的にモデル化され得る。
いくつかの実施形態において、第4の段階において、生成されたフロントおよびバックターゲットパターンは印刷機に送信され媒体上にインプリントされる。印刷機は、フロントおよびバックパターンを同じ媒体(たとえば、プラスチックフィルム)の両面に印刷する。いくつかの実施形態において、ターゲットパターンは、追加のスクリーニング、ディザリング、または再サンプリングなしでドット毎に印刷されるように印刷機の「事前スクリーニング」データ(たとえば、1ビットTIFFフォーマットを使用して)に与えられる。
印刷機
いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントを製造するための本明細書において説明されている技術は、アナログ印刷機とともに使用され得る。パッケージング用途に使用される最も一般的なアナログ印刷機はフレキソグラフィック(「フレキソ」)印刷機であり、これは可撓性レリーフプレートを使用して、典型的にはウェブまたはロール上に蓄えられている材料をインプリントする。枚葉紙フレキソ印刷機を使用してライトフィールドプリントを生成することが可能であるが、プラスチックの連続ウェブによって給紙されるフレキソ印刷機が好ましい場合があり、ウェブを厳密な見当合わせ状態に保つ方が1枚の用紙に比べて容易である。
ライトフィールドプリントを製造するために使用され得る別の種類のアナログ印刷機は、いくつかの実施形態では、オフセット印刷機である。オフセット印刷機は、パッケージング、およびセキュリティ印刷などの多くのより高品質な印刷の分野において一般的に見られる。オフセット印刷プレートはレリーフプレートでもあるが、フレキソ印刷機のレリーフプレートと異なり可撓性を有しない。オフセットプレスプレートは、一般的に、小さな特徴を表し、それらをフレキソ印刷機に比べてより確実に基板上に印刷することができるが、多くのバリエーションがメーカー間に存在し、プレスの使用年数および状態によっても変わる。SIMULTANプレスとして知られている正確なフロント-バックアライメント済み印刷用に特に設計されたオフセット印刷機は、ライトフィールドパターンを印刷するのによく適合しており、厳密なフロント-バック見当合わせが確実に行える。
発明者らは、オフセットまたはフレキソプレスがターゲットパターンを印刷するために使用されるいくつかの実施形態において、エネルギー硬化性インク(たとえば、UV硬化性インク、電子ビーム硬化性インク、および/またはエネルギー硬化性ポリマーインク)が、媒体上にパターンを印刷するために使用されるべきであることを認識している。ライトフィールドプリントは、一般的に、プラスチック基板を使用して印刷され、エネルギー硬化性インクはプラスチック基板に溶媒ベースのインクに比べてよく接着し、より小さな特徴サイズを維持するが、それは基板上にインクがあまり拡散しないからである。
また上で説明されているように、ライトフィールドプリントを製造するための本明細書において説明されている技術は、デジタル印刷機とともに使用され得る。実際、デジタル印刷プラットフォームは、多くの印刷用途においてアナログフレキソまたはオフセットプロセスを急激に追い出しつつある。ライトフィールドプリントを製造するためにデジタルプレスと連携することには多数の利点と欠点とがある。デジタルプレスを作動させるオーバーヘッドコストは、大半のアナログプレスより低く、このことは短期間の印刷ジョブにより適切であることを意味している。重要なことは、デジタルプレスで作成された文書上に可変データを印刷することが可能であることである。ライトフィールド印刷の場合、このことは、デジタルプレス上で作成された各個別文書上に固有のライトフィールドパターンを作成することが可能であり、セキュリティ用途にとって有利であることを意味する。
プレスの構成およびアライメント
本明細書において説明されているように、発明者らは、印刷機がライトフィールドプリントを製造するために正確にアライメントされるべきであることを認識している。特に、印刷機の印刷ステーションの間およびプレスが印刷している媒体のフロントとバックとの間の見当合わせを維持することが重要である。発明者らは、層の間の小さなミスアライメントを拡大するインジケータを作成するために両面印刷に再現できるアライメントマークを開発している。アライメントマークは、印刷されたときに、印刷機を仕様の範囲内にアライメントするために使用され得るインジケータを提供する。たとえば、アライメントマークは、同じ基板上で2つの印刷パターンを使用することによって生成されるものとしてよく、2つのパターンの間の相互作用の結果得られる画像は、2つのパターンがアライメントされるまで印刷機のセッティングを修正するように操作者または自動化された機械をガイドするために使用され得る。
いくつかの実施形態において、印刷されたアライメントマークは、印刷機を手動でアライメントするために使用され得る。たとえば、印刷されたアライメントマークは、アライメントマークの印刷されたバージョンにおいて拡大されたミスアライメントに基づき印刷機を手動で調整し得る印刷機の操作者によって視認され得る。
いくつかの実施形態において、印刷されたアライメントマークは、印刷機を自動的にアライメントするために使用され得る。プレスメーカーは、印刷ステーションの間および媒体のフロントとバックとの間の見当合わせを維持するための様々な機構を開発している。現代的なアナログプレスはサーボ制御され、各プレスステーションは前のステーションで印刷されたパターンに合わせてサーボ動作し見当合わせを保持する。サーボは、光学的フィードバックシステムによって制御される。したがって、いくつかの実施形態において、コンピュータビジョンシステムは、印刷されたアライメントマークを処理し、印刷されたアライメントマークに合わせてサーボ動作することによって印刷機の複数の印刷ステーションをアライメントするように構成され得る。
図1は例示的なアライメントマークを示しており、これは本明細書において説明されている技術のいくつかの実施形態により、ミスアライメントの存在を識別するために使用され得る。図1に示されているように、アライメントマークはフロントパターン101およびバックパターン102から形成されるものとしてよく、これらのパターンはそれぞれ層103および104上に印刷される。いくつかの実施形態において、層103および104は、2つの別々の層であってよく、これはその後結合されてアライメントマークのライトフィールドプリントを形成し得る。いくつかの実施形態において、層103および104は、フロントパターン101およびバックパターン102が同じ媒体の頂部側および底部側に印刷されるように同じ基板の2つの異なる側であってよい。
いくつかの実施形態において、アライメントマークの印刷されたパターンの間の相互作用は、ミスアライメントのある印刷機を正確に診断し、補正するために使用できる容易に視認できる形状を生成する。図3に示されているアライメントマーク301、302、303、および304に示されているように、パターンの間の相互作用は、粗アライメントセンター(十字形の位置)およびミスアライメントを補正するために必要な移動の方向の両方を示す。特に、中心の十字形がアライメントされるべきであり、頂部層は、バンデッドウェッジパターンが出現する方向に移動されるべきである。たとえば、図3に示されているように、アライメントマーク301は、ミスアライメントがないことを示している。別の例として、アライメントマーク302は、頂部マークが印刷される層が底部左方向に移動されるように印刷機が調整されるべきであることを示す。別の例として、アライメントマーク303は、頂部マークが印刷される層が頂部左方向に移動されるように印刷機が調整されるべきであることを示す。別の例として、アライメントマーク304は、頂部マークが印刷される層が下方に移動されるように印刷機が調整されるべきであることを示す。
図1および図3に示されている閉塞ベースのアライメントパターンは、様々なやり方で、マルチレイヤプリント内の層をアライメントする際に使用され得る。いくつかの実施形態において、様々なパターンがアライメントされるべき層画像内に埋め込まれ、次いで、リア層画像を印刷し、それを間隔材料に接着し、次いで、フロント層画像を印刷し、それをスペーサ材料の上に位置決めするものとしてよい。パターンの適切なアライメントがあれば、それによって、印刷されたフロント層画像は印刷されたリア層画像に関して意図されたとおりにアライメントされることが確実にされる。
様々なアライメントパターンを利用する別のやり方では、媒体の裏面の正確な位置に第2の画像を印刷することを目的として以前に印刷された画像の座標系をフラットベッドプリンタの座標系に合わせる。この場合、図1に示されているパターンに類似するアライメントパターンの第1のセットは、ベッドの表面に印刷することが可能であり、図1に示されているパターンに類似するアライメントパターンの第2のセットは、関連付けられている層画像と一緒に媒体の片面に反転印刷することが可能であり、媒体は、裏面にひっくり返され、様々なパターンがアライメントされることが可能である。
図1に示されているパターンに類似するアライメントパターンは、また、デジタルマルチレイヤディスプレイ、たとえば、メガネを使用しない3Dディスプレイを製造する際の層ミスアライメントに起因する幾何学的補正を実行する際にも使用され得る。この場合、操作者、自動化システム、エンドユーザ、または他の個人もしくはシステムがデジタル幾何学的補正パラメータを調整し得るが、その際に、パターンはマルチレイヤディスプレイの2つの層上に表示され、これもまた幾何学的補正変換に通されている。適切な補正パラメータが選択されたときに、パターンは、図3に示されているアライメントマーク301によって指示されるとおりに、適切にアライメントされているという見かけを有する。
それに加えて、媒体のフロントおよびバック上でアライメントされて印刷するように印刷機を構成することは有利なので、発明者らは、ミスアライメントを取り込んでしまう、または悪化させることを回避するために制御されたやり方で媒体をひっくり返すことが重要であることを認識している。たとえば、フレキソ印刷では、裏面が印刷できるように印刷実行中に媒体をひっくり返すためにターンバーが使用されることが多い。ウェブ上で非常に強い張力が使用されない限り、媒体はターンバー上でウェブを横切るようにずれる傾向があり、次いで、媒体の頂部と底部との間に望ましくないウェブ交差ミスアライメントを引き起こす。このような理由から、いくつかの実施形態において、ライトフィールドを印刷するために採用される印刷機は反転ステーションを使用し、これは標準プレスステーションと全く同様に給紙されるが、元の配向に戻る前にリア印刷されるべき位置に媒体を移動するために追加のローラーを使用する。
プレスキャリブレーション
本明細書において説明されているように、いくつかの実施形態において、印刷機の1つまたは複数の特性は、印刷機を使用して1つまたは複数のキャリブレーションパターンを印刷することによって測定され得る。次いで、識別された特性は、ライトフィールドプリントを形成するフロントおよびバックターゲットパターンを生成するときに使用され得る。キャリブレーションパターンは、数多くの種類の特性を測定するために使用されてよく、これらの特性は、限定はしないが、基板に沿った少なくとも1つの方向で達成可能なレジスタリング精度(たとえば、基板に沿った、たとえば、印刷機内の基板の移動の方向および基板の移動の方向に直交する方向などの、2つの直交する方向に沿って)、印刷機のアライメントの程度、基板に沿った少なくとも1つの方向の最小線幅(たとえば、基板に沿った2つの直交する方向に沿った)、インクが載っていない状態の基板のスペクトル減衰、基板に載っているインクのスペクトル減衰、基板に載っているインクの組合せのスペクトル減衰(たとえば、基板の同じ面で互いの上に2つの異なる色のインクを印刷し、基板の一方の面に一方のインクを印刷し、同じ位置で基板の反対の面上に他方のインクを印刷する結果の組合せ)、および印刷機の1つまたは複数のチャネルの各々に対するドットゲインを含む。いくつかの実施形態において、印刷されたキャリブレーションパターンは、比色計を使用して評価できる1つまたは複数のパッチを含み得る。
図2は、いくつかの実施形態による、キャリブレーションシートを印刷した印刷機の1つまたは複数の特性を測定するために使用されてよい複数のキャリブレーションパターンを含む例示的なキャリブレーションシートを示している。図2に示されているキャリブレーションシートは、水平ライン掃引201および垂直ライン掃引202を含む黒色チャネルにおける配向されたライン掃引と、ドット形状チェックパターン203と、黒色チャネルにおけるチェッカーボード掃引204と、黒色バー205、黄色バー206、マゼンタバー207、シアンバー208、白色バー209、青色バー210、緑色バー211、および赤色バー212を含む複数の色のバーとを含む。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のキャリブレーションパターンを含むキャリブレーションシート(たとえば、図2に例示されているキャリブレーションシート)は、デジタルファイルまたはデジタルファイルのセットとして表されてよく、デジタルファイル内の1つのピクセルはプレス内の単一色チャネルを表し、プレスにキャリブレーションされるべきプレスの最小指定スポットサイズのスポットを形成させる。いくつかの実施形態において、各デジタルキャリブレーションファイルは、事前スクリーニングされたデータに対して設計されたプレスプロセスに渡すのに適している1ビット2値フォーマットであるものとしてよい。いくつかの実施形態において、キャリブレーションファイルは、1ビットTagged Image File Format(TIFF)画像を含み得る。アナログプレスの場合(たとえば、オフセットまたはフレキソプレス)、キャリブレーションシートを表すファイルは、イメージセッターまたはプレートセッターに供給され、プレスプレートを形成し得る。次いで、プレスプレートは、プレスの生産構成を使用してインプリントされ、キャリブレーションシートを作成し得る。デジタルプレスの場合、キャリブレーションシートを表すファイルは媒体上に直接印刷されてよく、それによりキャリブレーションシートを直接作成し得る。
図2の例示的なキャリブレーションシートを見るとわかるように、いくつかの実施形態において、キャリブレーションシートは、ライトフィールドプリントを作成する上で注目するプレス媒体およびインクの異なる性質を測定するために独立した特徴のグループを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、キャリブレーションシートは、印刷機の色チャネルのうちの1つまたは複数の各々のドットゲインを評価するために配向されたライン掃引(たとえば、図2の配向されたライン掃引201および202)を含み得る。各配向されたライン掃引はパッチのストリップを含むものとしてよく、各パッチは注目する特定の方向に配向されたラインを含む(たとえば、プレス内のウェブ方向に沿って、およびプレス内のウェブ方向を横切って)。
いくつかの実施形態において、各パッチ内のラインの間隔は変化し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、配向されたライン掃引パターンの各パッチ内のラインのピッチはパッチ毎に倍になる。特定の一例として、配向されたライン掃引の第1のパッチは、印刷されたライン(インクが媒体上に堆積される)とクリアライン(インクが媒体上に堆積されていない)とを1ピクセルピッチで交互させるものとしてよい。パターン内の1つのピクセルはプレスの最小指定特徴サイズを表すことを思い起こされたい。配向されたライン掃引内の次のパッチは、パッチの領域にわたって交互する始めの2つの印刷されたラインおよび2つのクリアラインへピッチを2倍にする。その後のパッチは、各パッチの領域にわたって交互する印刷されたラインとクリアラインとの数を2倍にし続ける。いくつかの実施形態において、配向されたライン掃引は、5から15個の間(たとえば、10個)のそのようなパッチを含み得る。いくつかの実施形態において、10個より少ないパッチを使用して印刷機のドットゲイン特性を測定することが可能であるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、配向されたライン掃引パターンは、注目している各配向において色チャネル毎に1回再現されてよい。たとえば、媒体のバック上でプロセス色を、媒体のフロント上で黒色チャネルを使用する印刷機は、5つの色チャネル、すなわち、リアシアン、リアマゼンタ、リア黄色、リア黒色、およびフロント黒色を有する。このプレスに対する典型的なキャリブレーションパターンは、各色チャネルに対する1つのウェブを横切って配向されたライン掃引と、各色チャネルに対する1つのウェブに沿って配向されたライン掃引とを有する10個の配向されたライン掃引パターンを含む。
いくつかの実施形態において、印刷機のドットゲインをよりよく特徴付けるため、たとえば、図2の例示的なキャリブレーションシートに示されている周波数掃引204などの、色チャネル毎のチェッカーボードパターンを含む周波数掃引を印刷することも有利である。
プレスがドットゲインを有しない場合、ライン掃引またはチェッカーボード掃引パターンの各正方形の平均強度は、印刷されたときに、約50%となる。しかしながら、ドットゲインを条件とするプリントの存在下では、より小さい特徴を含む正方形の平均強度は低くなる。たとえば、小さな量のドットゲインを有するプレスでは、2つのピクセル特徴を含むライン掃引内の正方形の平均強度は30%であり得る。各望ましい平均強度レベルがより軽い、指令された強度レベルにマッピングされる、このだんだん暗くなる効果を発見的に推定するのは印刷における標準的な実践であるが、この発見的モデルは、本明細書において説明されているパターン形成に使用される順モデルに組み込むのには十分でない。発明者らは、このことを認識し、印刷されたキャリブレーションパターンから長円ドット形状のパラメータを推定することを求める線形畳み込みモデルを考案した。
一実施形態において、印刷された画像Ipは、Ip=I*kとして表されるものとしてよく、ここで、「*」は畳み込み演算子を表し、Iは印刷機に伝送される画像であり、kは印刷機によって作成されるドットの形状を表すカーネルである。ドットカーネルは、印刷されたキャリブレーションシートの水平および垂直にアライメントされた長軸および短軸を持つ長円であると仮定すると、水平および垂直軸で周波数掃引を印刷することでドットカーネル長円の2本の軸を独立して評価することが可能である。問題は、水平および垂直に対する2つの1次元問題Iph=Ih*khおよびIpv=Iv*kvに分離可能である。画像IphおよびIpvは、正確に、キャリブレーションパターンで印刷された画像である。1次元問題は、多数の方法、たとえば、疑似逆kh=Iph/Ihによってカーネルkについて解くことに従う。この実施形態において、ドットモデルにおける長円の水平軸についての推定は、khとして取得され、ドットモデルにおける長円の垂直軸についての推定は、kvとして取得される。
いくつかの実施形態において、長円ドットモデルに対するパラメータは、キャリブレーションパターンで印刷された配向されたライン周波数掃引の目視検査または計測器検査によって決定される。いくつかのそのような実施形態において、順線形畳み込みドットゲインモデルは、コンピュータプロセッサ上で様々なパラメータを使用して実行され、それらの結果は画面上に、またはプリントアウトによって表示される。モデルパラメータは、予測された出力が印刷されたキャリブレーションパターンからの出力とマッチするまで標準的な最適化方法を使用して人間参加または自動のいずれかの方式で繰り返し変更され得る。印刷されたキャリブレーションが、比色計または濃度計などの計測器によって読み取られる場合、キャリブレーションパターンの局所的高周波変動が一貫した測定を行うことに干渉しないようにパターンと計測器との間に拡散層を設けることが重要である。
いくつかの実施形態において、ドットモデルに対して可能性の高い値を推定することが可能であるときに、印刷機のドットゲインに対する様々な推計値を使用し、本明細書において説明されている方法を使用して複数のキャリブレーションパターンが事前補償され得る。いくつかの実施形態において、複数のキャリブレーションパターンがプレス上で印刷されるときに、周波数範囲にわたって一定の50%強度に最も近いラインおよびチェッカーボード周波数掃引を結果として生じるパターンを生成するために使用されるモデルパラメータは、それらがプレスに送られる前に生成されたパターンを補正するために使用され得る。いくつかの実施形態において、プレスをより正確にチューニングすることを助けるために異なる密度で周波数掃引を印刷することが有利である場合がある。
ドットゲインを使用してドットゲインを推定することに加えて、またはその代わりに、キャリブレーションパターンを印刷することも、印刷機アライメントを評価し、特に、フロント-バックおよびステーション間見当合わせ許容範囲を測定するために使用され得る。上で説明されているように、図1は、媒体の面毎に1つずつ印刷され得る、図3に示されているように、観察可能な効果をもたらす、アライメントパターンのセットを示しており、なおいっそう小さなサブピクセルまたは単一ピクセル偏差がフロントおよびバック印刷の位置にある。キャリブレーションパターンにおけるアライメントパターンのスケールは、位置測定の感度および範囲を決定する。いくつかの実施形態において、アライメントパターン(たとえば、図1に例示されているアライメントパターン)は、様々なサイズのミスアライメントを診断するためにキャリブレーションパターンにおいて複数のスケールで印刷され得る。いくつかの実施形態において、アライメントパターンの対は、プレスによって使用されるフロントおよびバックの色チャネルの各対について印刷され得る。プロセス色インクが媒体のバックで使用され、黒インクが媒体のフロントで使用される上の例では、キャリブレーションパターンは、48個のアライメントパターンの対(フロントとバック)を含み得る。12個のアライメントパターンの対の1つのクラスタがキャリブレーションパターンの各コーナーにおいて印刷され、それにより、プリントの異なる領域内のミスアライメントを診断する。アライメントパターンの各クラスタは、各フロントおよびバックの色チャネルに対するマークの対を含み、この場合、リア黒色対フロント黒色、リアシアン対フロント黒色、リアマゼンタ対フロント黒色、およびリア黄色対フロント黒色である。次いで、4つの対のこれらのセットの各々は、3つのスケール、すなわち、小、中、および大にわたって複製される。選択された最小のスケールは、プレスの物理的ドットサイズに依存する。たとえば、1/4インチのサイズのパターンは、2400dpiの最小スケールパターン対して適切である。次いで、中および大のスケールパターンは、最小スケールパターンのサイズを2倍および3倍にする。
いくつかの実施形態において、印刷機の各色チャネルに使用されるインク中の顔料を測定するために、キャリブレーションパターンは、ソリッドカラーのパッチ(たとえば、1/2インチパッチ)も含む。たとえば、図2のキャリブレーションシートは、ソリッドカラーパッチ205~212を含む。プレス構成でプリントの反対面上で黒色と異なる色を使用するライトフィールドプリントを作成することを必要とする場合、色の各対に対する重ね色パッチを印刷して色チャネルを組合せで測定することが有利である。キャリブレーションパターンが印刷された後、色値は、Xrite X1 Pro比色計などの標準比色計を使用して直接読み取ることができる。XYZ空間などの、知られている色空間内の色値は、パターン形成のための順モデルにおいて使用できる。
パターン生成
発明者らによって開発されたライトフィールドプリントに対するターゲットパターンを生成するための技術は、また、1つまたは複数のアクティブ光学層を有するディスプレイを含む他の種類のマルチビュー3Dディスプレイを制御する信号を生成するために使用され得る。3Dディスプレイが1つまたは複数のアクティブ光学層(たとえば、発光ダイオード(LED)、単層および多層LCDスクリーン、蛍光発光バックライト、有機LED(OLED)バックライト、OLED層、電子的に焦点を合わせることができるレンズを備える層、および多層偏光回転子を含む層)を備えるときに、信号は作動信号と称され得る。ライトフィールドプリントなどの、パッシブライトフィールドディスプレイの文脈において、印刷デバイスがライトフィールドプリントを作成するための作動信号を発生させるときに、われわれは、作動信号をターゲットパターン(たとえば、フロントおよびバックターゲットパターン)と称する。発明者らは、ターゲットパターン(パッシブ印刷の文脈における)および作動信号(アクティブ層の文脈における)を生成するために生成するための様々な生成技術を開発しており、これらの技術は以下で説明される。ターゲットパターンおよび作動信号を生成するための技術は、たとえば、図3~図18を参照しつつ説明されている技術のうちのどれかを含む本明細書において説明されている最適化技術を含む。
最適化されたライトフィールドディスプレイの目標は、本質的に、人間の観察者に対してライトフィールド画像を光学的に表現するために、表示されるべきデータの構造、ならびに人間の視覚系およびディスプレイの光学系の応答を含む外部要因の両方によって引き起こされる冗長性を活用することである。単純な線形解析を考察したときに、そのようなシステムは、一見したところでは、単純カウント引数に違反しているように見える-ライトフィールド合成の場合、ディスプレイは独立した画素がある以上に独立した光線を作成するように見える。
実際、そのようなディスプレイは、ディスプレイハードウェアと同じ自由度数を持つ出力を生み出す。出力の帯域幅または代数的な階数は、ディスプレイハードウェアの自由度によって制限される。これを見るための別のやり方は、ディスプレイシステム内の自由パラメータの数が画素の数に対応してスケールするが、ディスプレイシステムのパラメータ空間は、ピクセル状態(または同等なものとして、ピクセル状態を駆動する作動信号)と出力光線強度との間の好適な非線形マッピングが作成されたときに大きくなり得ることを観察することによるものである。
本明細書において説明されているように、最適化されたライトフィールドディスプレイ(たとえば、ライトフィールドプリント)は、少なくとも1つの最適化問題を(たとえば、反復最適化アルゴリズムまたは他の任意の種類の最適化問題を使用して)解くことによって得られるコンテンツを生成する任意のディスプレイであってよい。いくつかの実施形態において、画像がディスプレイから望まれているときに、ディスプレイの現在状態、見ている人の現在状態、および望ましいディスプレイ外観の現在の知識が与えられた場合に最適化問題が課されるものとしてよく、その最適化問題は、コンピュータまたは他の手段によって明示的もしくは暗示的のいずれかで解かれたときに、結果として、ディスプレイに画像を出力させるディスプレイ状態を生じ、この画像は望ましいディスプレイ外観の最適な近似であり得る。この場合、画像は多くの場合に4Dライトフィールドであるが、そうでなくてもよい。(望ましい出力画像は3Dライトフィールド、2D画像、5Dライトフィールド、視覚補正ライトフィールド、調節キューライトフィールド、または他の多くの望ましいディスプレイ機能であってよい)。
最適化されたディスプレイでは、本明細書で説明されているリアルタイムまたはオンラインコンテンツベースの最適化技術を採用し得る。予測可能な状況下で見られる事前記録された画像については、最適化問題が予め課されることが可能であり、最適化問題の解は、生成され(たとえば、反復勾配ベースの、または他の最適化アルゴリズムを使用して最適化問題を解くことによる計算)、後から検索し、表示できるように記憶され得る。そのようなディスプレイの出力は、最適化アルゴリズムの結果でもあるので、われわれは、このようにして機能するディスプレイを最適化されたディスプレイとみなす。対照的に、多くの素人は、「最適化された」という言い回しを、何らかの人間参加型方式またはオープンループ方法によって「チューニングされる」または「調整される」ことを意味する。たとえば、技術者は、実際に所定のガンマ補正ソフトウェアモジュール内のパラメータをサービスマニュアルで参照されている値に調整しているときに、顧客のためにテレビディスプレイのガンマ値を「最適化する」と言われ得る。これは、テレビがテレビの出力を生み出すために解決される最適化問題がないので、この言い回しが使用されるやり方という意味で最適化されたディスプレイであることを意味しない。別の例として、ディスプレイメーカーは、公式の最適化問題を解いて、色ルックアップテーブルの値、またはアルゴリズムのパラメータすらも、両方とも96ビットHigh Dynamic Range(HDR)画像をHDRディスプレイ上に示されるべき16ビットHDR画像に変換することを目的として決定し得る。そのようなHDRは、この言い回しが英本明細書において使用されているやり方という意味で最適化されたディスプレイではないが、それはディスプレイの出力が、最適化技術がディスプレイの機能をチューニングするために使用されたとしても、公式の最適化を通じてそれ自体決定されないからである。
ハードウェア設計の観点から最適化されたディスプレイを使用するやむを得ない理由の1つは、ディスプレイが従来の固定されたパイプライン設計に関して形態および機能の柔軟性を得られる点である。したがって、いくつかの実施形態において、最適化されたディスプレイは、多数の自由度を有するシステムとして取り扱われるものとしてよく、自由度は、高空間-角度解像度、広い視野角、高いディスプレイ輝度、高い時間的リフレッシュ速度、および良好な知覚的画質(または忠実度)などの、所望の特性を有する合成ライトフィールドを作成するために、最適化方法を通じて適用され得る。さらに、リアルタイム最適化によって駆動されるディスプレイは、観察条件が変化するときに変化する前記観察条件に適応することができる。ディスプレイを適応させたい条件の非限定的な例は、観察者位置、周辺光強度、周辺光方向、ディスプレイコンテンツ(リアルタイムライトフィールドビデオストリームなどの)を変更する観察者の数、観察者の視覚システムの欠陥、デバイス消費電力要件、デバイス配向、および観察者の目の間隔を含む。
最適化されたディスプレイ上に示される画像の品質に様々な要因が組み合わさって影響をどのように及ぼすかは複雑で予測しにくい。本明細書で説明されている最適化されたディスプレイの鍵となる利点のもう1つは、望み通りに、ディスプレイ品質に影響を及ぼす要因がディスプレイ品質の所望のレベルを維持するために互いにトレードオフの関係にあり得ることである。各種類のディスプレイハードウェアは、ディスプレイ品質に影響を及ぼす要因のそれ固有のセットを有するが、最適化された2層乗法的ライトフィールドディスプレイの場合が最適化されたディスプレイに典型的である。最適化された2層乗法的ライトフィールドディスプレイの場合、物理的ライトフィールド画像に対する表示された画質1に、次の要因、すなわち、視差、層位置決め(たとえば、ディスプレイ層の物理的配置への所望のシーンにおける仮想物体の近接度)、シーン輝度(たとえば、最大ディスプレイ輝度の数分の一で表示されているシーン全体がどれくらい明るいか)、計算時間(たとえば、ディスプレイ層パターンを決定するためにシーンをレンダリングした後に利用可能な時間)、および利用可能電力(たとえば、計算およびバックライトに利用可能なデバイス電力の量)が影響を及ぼし得る。(1物理的光伝搬と一致しない光線経路を表す、非物理的ライトフィールドは、品質影響要因の関係するセットを有する。)
視差は、ディスプレイの視野角(たとえば、見られることを意図されている画像が置かれる視錐体)、シーン奥行き(たとえば、シーン内の対象が観察者から離れてディスプレイ内に入る、またはディスプレイから出て観察者に向かう量)、および被写界深度(DOF)の影響を受け得る。ディスプレイで物理的シーン内に正しい視差をレンダリングできないことは空間的ボケとして現れ、これは画面の平面から遠ざかるシーンの領域内に出現する。これは、その効果がカメラシステム内の同じ名称の効果をまねるのでDOFと称される。すべてのオートマルチスコープディスプレイは、ある程度のDOFを有するが、ここで説明されている技術のいくつかの実施形態による最適化されたディスプレイは、従来のディスプレイに比べて所与の動作点に対してより良好なDOFを達成し得る。より近い角度間隔を有するビューをレンダリングすることは、DOFボケの知覚された品質を高める1つのやり方である。
多層ディスプレイを駆動する作動信号がどのように、またはそれと同等のことであるが、透明基板の反対面上に印刷された生成されたパターンがどのように、基板とともに、角度変化強度分布をもたらし、それによってマルチビューおよびライトフィールドディスプレイ用途を利用可能にすることによって基板の機能性を変化させるかの理解を促すことは有用である。ライトフィールドプリントの視野角によって支持される角錐内のライトフィールドプリントの両方の印刷されたターゲットパターンを通って進行する光線を考察すると、ライトフィールドプリントの第1のターゲットパターン上の各領域は前記光線のサブセットと相互作用し、ライトフィールドプリントの第2のターゲットパターンの各領域は前記光線のサブセットと相互作用する。第1のパターン上の1つの第1のそのような領域、および第2のパターン上の1つの第2のそのような領域を考察すると、そこでは、第1の領域および第2の領域は互いに空間的に近くに配置され、第1の領域および第2の領域の両方を通過する光線のサブセットがある。光線のこのサブセットの方向は、第1および第2の領域の相対的配置によって決定される。光線のこのサブセットの強度は、第1の領域および第2の領域の減衰値の積となる。第1および第2の領域の配置によって決定される方向に進行する光線の所望の強度を達成するために、第1および第2の領域の減衰値を値の任意の組合せに設定する必要があり、それらの数学的積が所望の光線強度であり、前記減衰値は印刷ライトフィールドディスプレイ上に印刷された生成済みパターンを通して、または多層ディスプレイ内の作動信号を使用するかいずれかで設定される。
多数の方向に関する強度を設定する問題は、第1および第2の領域によって決定される方向に進行する光線の強度を設定するためにライトフィールドプリントの第1および第2のターゲットパターン上の第1および第2の領域に対する減衰値セットの対も異なる方向に進行しディスプレイの第2のパターン上で第1の領域および第3の領域と交差する多数の光線、または異なる方向に進行し第1のパターン上で第2の領域および第4の領域と交差する多数の光線に影響を及ぼすという事実によって複雑になる。ライトフィールドプリントの1つの第1のターゲットパターン(たとえば、基板の一方の面上の)およびライトフィールドプリントの第2のターゲットパターン(たとえば、同じ基板の他方の面上の)上の1つの第2の領域を通過することによって決定される方向に進行する各光線がほぼ望み通りの強度を有するように第1および第2のディスプレイ層に対して、生成されたパターン内に符号化された(または作動信号によって指令される)、減衰値の一貫したセットを選択することが、本明細書で説明されている最適化フレームワークの仕事である。
2つの高解像度パターン化表面が近づけられたときに角度変化効果が見られるのが普通である。光学系において、これらの効果はモアレと呼ばれることが多い。最適化された作動信号または生成されたパターンを使用して角度変化効果をもたらすことが可能である理由を概念化する代替的やり方として、モアレ効果とのアナロジーを考察することが有用であり得る。この観点から、本明細書において説明されている方法は、プログラム可能なモアレ効果を生み出す。
プレスが本明細書において説明されているとおりに適切に特徴付けられた後、印刷パターンの光輸送機能がシミュレートされ、ライトフィールド印刷のためのパターンを形成するために使用される最適化問題におけるプレスの順モデルを形成することができる。
特定のプレス機は、この段階で特別な考慮を必要とすることがある。望ましいライトフィールド効果は、正確なドット配置を使用して達成されるので、この段階で形成されるパターンは、後から改変または再サンプリングされ得ない。したがって、印刷ワークフローのいくつかの態様は、いくつかの実施形態において、ライトフィールド印刷のこの特有の特徴に対応できるように変更される。フレキソ印刷機では、フレキソプレートを装着するために使用されるローラーの半径は、ウェブ方向に沿って小さな歪みを誘発し、これはディスプロ係数として知られている。プリントワークフローは、ディスプロ係数を補償するためにプレートセッターに送信されるデータを歪ませ得る。これはライトフィールド印刷では可能でないので、ディスプロ係数は、パターン形成の時点で識別され、入力設計に組み込まれるべきである。ディスプロ係数がウェブ方向に沿って1%である場合、入力設計は、パターン形成の前にウェブ方向に沿ってしかるべく収縮させられ得る。
発明者らは、ライトフィールドプリントを生産するのに必要なアルゴリズムに関する考慮事項の多くは、静的なオートマルチスコープ3Dディスプレイを生産することに一般化することが可能であることを認識している。パターン形成のための手順の次の説明では、一般的にプリントセッティングにおける生産を意図したものを含むすべてのオートマルチスコープ角度変化ディスプレイに対する手順を説明する。プリントの手順が一般的手順と異なるか、または一般的手順からの追加のステップを含む箇所では、そのようなものとして明記されている。
図4Aは、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、マルチビューディスプレイを制御する作動信号を生成し、生成された作動信号を使用してマルチビューディスプレイを制御するための例示的なシステム400を示している。図4Aに示されているように、コンピューティングデバイス404は、作動信号を生成し、生成された作動信号を電気光学的インターフェース回路409に供給するように構成され、これは供給された作動信号(時には「作動パターン」とも称される)を使用してディスプレイインターフェース信号を生成し、生成されたディスプレイインターフェース信号を使用してマルチビューディスプレイ411を駆動する。
図4Aの例示的な実施形態に示されているように、マルチビューディスプレイ411は、フロント層411aとバック層411bとを備える。いくつかの実施形態において、層411aおよび411bは両方ともアクティブ層であってよい。他の実施形態では、フロント層411aはアクティブ層であってよく、バック層411bはパッシブ層であってよいが、その逆もあり得る。アクティブ層の非限定的な例は、単層LCDスクリーン、多層LCDスクリーン、発光ダイオード(LED)を含む層、蛍光発光または有機LED(OLED)バックライト、OLED層、1つまたは複数の電子的に焦点を合わせることができるレンズを含む層、および多層偏光回転子を含む。アクティブ層は、電子的に制御され得る1つまたは複数のアクティブ光学素子を含み得る。そのようなアクティブ光学素子の非限定的な例は、ピクセル、トランジスタ、発光ダイオード、色フィルタ、液晶、かつ/あるいは光を放射するおよび/もしくは光を放射するのを助けるように構成されているか、または光を選択的に遮蔽するおよび/もしくは選択的に遮蔽するのを助けるように構成されている他の任意の電子的に作動するコンポーネントを含む。パッシブ層の非限定的な例は、偏光子、ディフューザ、輝度増強フィルム、コーティングを有する層、波長リターダ、色フィルタ、ホログラム層、視差バリア層、および小型レンズアレイを含む。フロント層411aおよびバック層411bは、光線空間の線形または非線形パラメータ化を形成する光学素子の他の任意の配置構成を含み得ることは理解されるべきである。層411aおよび411bがアクティブ層である実施形態において、層411aおよび411bは、本明細書において説明されている技術の態様はこの点に限定されないので、同じ数のアクティブ光学素子または異なる数のアクティブ光学素子を備えるものとしてよい。
図4Aに示されているように、コンピューティングデバイス404は、マルチビューディスプレイ411の層411aおよび411bの光学的挙動を制御するために使用される作動信号408aおよび408bを生成する。コンピューティングデバイス404は、作動信号408aを受信したことに応答して、フロント層411aを駆動するためのディスプレイインターフェース信号410aを生成する第1の電気光学的インターフェース回路409aに作動信号408aを供給する。ディスプレイインターフェース信号410aは、フロント層411a内の光学素子のうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)のうちの各々に対するディスプレイインターフェース信号を含み得る。作動信号408aは、フロント層411a内の光学素子のうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)のうちの各々に対する作動信号を含み得る。コンピューティングデバイス404は、また、作動信号408bを受信したことに応答して、バック層411bを駆動するためのディスプレイインターフェース信号410bを生成する第2の電気光学的インターフェース回路409bに作動信号408bを供給する。ディスプレイインターフェース信号410bは、バック層411b内の光学素子のうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)のうちの各々に対するディスプレイインターフェース信号を含み得る。作動信号408bは、フロント層411b内の光学素子のうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)のうちの各々に対する作動信号を含み得る。
マルチビューディスプレイは、本明細書において説明されている技術の態様はこの点に限定されないので、図4Aの例示的な実施形態において例示されているように、2つの層だけを含むことに限定されず、任意の好適な数のアクティブ層(たとえば、0、1、2、3、4、5個など)および/または任意の好適な数のパッシブ層(たとえば、0、1、2、3、4、5個など)を含む任意の好適な数の層としてよい。マルチビューディスプレイがN個のアクティブ層を含む実施形態において(ここで、Nは2より大きい整数である)、コンピューティングデバイス404は、作動信号のN個のセットを生成し、それらを、応答して、ディスプレイインターフェース信号のN個のセットを生成し、ディスプレイインターフェース信号の生成されたセットを使用してマルチビューディスプレイのN個のアクティブ層を駆動する電気光学的回路409に供給するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス404は、各々任意の好適な種類のものである1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。各コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のプロセッサを備え得る。各プロセッサは、中央演算処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、FPGA、ASIC、他の任意の種類のハードウェアプロセッサ、これらの任意の好適な組合せであってよい。コンピューティングデバイス404が、複数のコンピューティングデバイスを含むときに、それらの複数のコンピューティングデバイスは1つの物理的配置に配置され得るか、または異なる物理的配置の間に分散されてよい。複数のコンピューティングデバイスは、直接的にまたは間接的に互いに通信するように構成され得る。
図4Aに示されている例示的な実施形態を含む、いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス404は、作動信号(たとえば、作動信号408aおよび408b)を生成することを、(a)マルチビューディスプレイ411によって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報405、(b)1つまたは複数のボケ変換を指定する情報406、および(c)マルチビューディスプレイ411のモデルを指定する情報407に基づき行うように構成され得る。コンピューティングデバイス404は、1つまたは複数の最適化問題を解いてこれらの入力に基づき作動信号を取得するために1つまたは複数の最適化アルゴリズムを符号化するソフトウェア403を使用することによってこれらの入力に基づき作動信号を生成し得る。ソフトウェア403は、実行されたときに、上で説明されている入力に基づき最適化問題を解いて作動信号を取得するプロセッサ命令を備え得る。ソフトウェア403は、本明細書で説明されている技術の態様がこの点に限定されないので、任意の好適なプログラミング言語で書かれてよく、また任意の好適なフォーマットであってよい。
したがって、いくつかの実施形態において、作動信号408aおよび408bは、最適化問題の解として取得されるものとしてよく、この問題は、少なくとも一部は、(a)マルチビューディスプレイ411によって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報405、(b)1つまたは複数のボケ変換を指定する情報406、および(c)マルチビューディスプレイ411のモデルを指定する情報407を使用することによって定式化される。それらへの解を生成するためのそのような最適化問題および技術の例は、図5~図16を参照することを含めて本明細書において説明される。
したがって、いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411によって生成されるコンテンツは、少なくとも1つの最適化問題を解くことによって(たとえば、1つまたは複数の反復最適化アルゴリズムを含む、たとえば1つまたは複数の最適化アルゴリズムにより)取得され得る。そのようなものとして、マルチビューディスプレイ411は、「最適化ディスプレイ」と称され得る。最適化ディスプレイは、少なくとも1つの最適化問題を解くことによって取得されるコンテンツを生成する任意のディスプレイであってよい。
いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411によって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報405は、1つまたは複数のシーンビューを含み得る。シーンビューは、自然シーンまたは合成シーンであってよく、自然発生のライトフィールドまたは自然発生のライトフィールドとあまり類似点を有し得ないライトフィールドを表すものとしてよい。後者の場合は、例として、ただし限定はしないが、各ビュー内の本質的に独立している2次元コンテンツを示す複数の異なるビューを有するシーンに対応することが可能である。いくつかの実施形態において、各シーンビューは、マルチビューディスプレイ装置の観察者のそれぞれの位置に対応し得る。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のシーンビューを指定する情報405は、シーンビューのうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)の各々に対する画像(たとえば、PNGファイル、JPEGファイル、または画像の他の任意の好適な表現)を含み得る。画像は、カラー画像またはグレースケール画像であってよく、また任意の好適な解像度のものであってよい。いくつかの実施形態において、シーンビューの画像は、3D生成ソフトウェア(たとえば、AUTOCAD、3D STUDIO、SOLIDWORKS、など)によって生成され得る。シーンビューを指定する情報405は、本明細書で提供されている技術の態様が、この点に限定されないので、任意の好適な数のビュー(たとえば、少なくとも2、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、2から1000の間、10から800の間、またはこれらの範囲の任意の他の好適な組合せ)を指定するものとしてよい。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のボケ変換を指定する情報406は、ボケ変換を具現化する任意の好適なデータ(たとえば、数値)を含み得る。データは、任意の好適な種類の1つまたは複数のデータ構造体に記憶されるものとしてよく、そのデータ構造体は表現の一部であってよい。それに加えて、または代替的に、ボケ変換を指定する情報は、実行されたときに、ボケ変換を画像に(たとえば、画像を符号化するデータ構造体を操作することによって)適用するプロセッサ実行可能命令(たとえば、任意の好適なプログラミング言語におけるソフトウェアコード、1つもしくは複数のアプリケーションプログラミングインターフェースおよび/またはソフトウェアライブラリへの1つもしくは複数のファンクションコール、など)を含み得る。情報406は、本明細書で説明されている技術の態様がこの点に限定されないので、任意の好適なやり方で1つまたは複数のボケ変換を指定するものとしてよいことは理解されるべきである。情報406は、本明細書において説明されている種類のボケ変換のうちの任意のものを含む任意の好適な種類のボケ変換を指定し得る。
いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411のモデルを指定する情報407は、マルチビューディスプレイ411の1つまたは複数の物理的特性を特徴付ける情報を含み得る。情報407は、マルチビューディスプレイの画像の生成のやり方に影響を及ぼすマルチビューディスプレイ411の物理的特性に関する情報を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、情報407は、フロント層とバック層との間の距離、バック層に対するフロント層の相対的配置、フロント層の解像度、バック層の解像度、フロント層のサイズ、バック層のサイズ、フロント層および/もしくはバック層内の色フィルタの応答に関する情報、フロント層およびバック層の色チャネルの間のスペクトルクロストークの表現、ならびに/またはマルチビューディスプレイの1つまたは複数の物理的特性を特徴付ける任意の他の好適な情報を示す情報を含み得る。
いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411は、1つまたは複数の乗法的パネル層(たとえば、集積化された偏光子を備える1つまたは複数のLCDパネル、さらにはLiquid Crystal on Silicon(LCOS)およびデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)または他の電気機械的デバイス)を備えるものとしてよく、情報407は、マルチビューディスプレイ411の層を通過する光に対する乗法的パネル層の効果を示す情報を含み得る。いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411は、1つまたは複数の加法的パネル層(たとえば、光学的に組み合わされたLCD、OLED、およびLED素子)を備えるものとしてよく、情報407は、マルチビューディスプレイ411の層を通過する光に対する加法的パネル層の効果を示す情報を含み得る。いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411は、1つまたは複数の偏光回転層(たとえば、偏光子を持たないLCDパネル)を備えるものとしてよく、情報407は、マルチビューディスプレイ411の層を通過する光に対する偏光回転層の効果を示す情報を含み得る。
いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイ411の1つまたは複数の投影システム部分の効果を示す情報を含み得る。いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイ411の遠近法効果を示す情報を含むものとしてよく、これらの効果は軸上および軸外投影として表現可能であるものとしてよい。いくつかの実施形態において、情報407は、様々な層内で様々な色チャネルを再現することに関連付けられている、一般的に不均一なサブピクセルタイリングパターンの表現を含み得る。いくつかの実施形態において、情報407は、赤色、緑色、青色、または他の色チャネルの間のスペクトルクロストークの表現を含み得る。いくつかの実施形態において、情報407は、ディスプレイ要素によって達成可能な効果的な最小および最大の強度レベルの表現を含み得る。いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイ411内の任意の乗法的および/または加法的ディスプレイ要素の(もしあれば)非線形応答特性を特徴付ける情報を含み得る。いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイ411の1つまたは複数のコンポーネントの位置における摂動に関する情報を含み得る(たとえば、製造の結果として)。いくつかの実施形態において、情報407は、ディスプレイ要素の位置の物理的移動に関する情報を含み得る(たとえば、マルチビューディスプレイ411が1つまたは複数の電動要素を備えるとき)。いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイ411内の光学素子の時間領域ダイナミクスの表現を含み得る。一例として、限定はしないが、前記時間領域ダイナミクスは、ピクセル状態の立ち上がりおよび立ち下がり時間を特徴付けるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、情報407は、ディスプレイインターフェース信号に供給される作動信号を変換することに関連付けられている電気光学的インターフェース回路409内の制約の表現を含み得る。一例として、限定はしないが、表現される制約は、所与のクロックサイクルで更新され得るピクセル状態の許容可能なサブセットを反映するものとしてよい。一例として、限定はしないが、行および列のドライバのサブセットを使用することが可能であり、それにより、ピクセルのサブセットはディスプレイ要素の同等の完全リフレッシュフレームレートより高いレートで更新され得る。表現され得るディスプレイドライバ回路の制約のさらなる非限定的例は、特定の1つのピクセルまたはピクセルのセットに値が割り当てられ得る許容可能な精度を反映する制約を含む。一例として、限定はしないが、前記ピクセル状態は、ピクセル毎に色チャネル毎のビットのいくつかの数として指定されてよい。
いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイと411と関連付けられている1つまたは複数のパッシブな光学現象を特徴付ける情報を含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイ411は、1つまたは複数のパッシブ層(層411aおよび411bと異なる)を備えるものとしてよく、情報407は、マルチビューディスプレイ411の層を通過する光に対するパッシブ層の効果を特徴付ける情報を含み得る。そのようなパッシブ層は、1つまたは複数の光学ディフューザ、正反射および拡散反射素子を含む1つまたは複数の反射素子、1つまたは複数の光学膜、1つまたは複数の小型レンズアレイ、1つまたは複数のホログラム層(たとえば、回折ホログラフィックバックライト)を含み得る。そのようなパッシブ層は、マルチビューディスプレイ411内のアクティブ層の前に、そのうちの2つの層の間に、またはそのうちの任意の層の背後に配置されてよい。それに加えて、または代替的に、情報407は、たとえばピクセル開口パターンによる光学素子の間の回折効果、任意の光学膜の波長依存効果、波長リターダの波長依存効果(たとえば、1/2波長板)、たとえば角度依存輝度を含む角度依存強度応答、ならびにコントラストおよび/またはガンマ特性を特徴付ける情報を含み得る。
いくつかの実施形態において、情報407は、マルチビューディスプレイを駆動するために使用される作動信号の間のマッピングと、作動信号に応答してマルチビューディスプレイによって生成されるディスプレイビューとを含み得る。マッピングは、情報407の一部であるものとして上で説明されている情報のうちのどれかを、使用して生成され(およびそのようなものとして、表現し、および/もしくは反映し)得る。たとえば、このマッピングは、マルチビューディスプレイ411の1つもしくは複数の物理的特性を特徴付ける情報、フロント層とバック層との間の距離、バック層に対するフロント層の相対的配置、フロント層の解像度、バック層の解像度、フロント層のサイズ、バック層のサイズ、フロント層および/もしくはバック層内の色フィルタの応答に関する情報、フロント層およびバック層の色チャネルの間のスペクトルクロストークの表現を示す情報、マルチビューディスプレイ411の層を通過する光に対する乗法的、加法的、および/もしくは偏光回転パネル層の効果を示す情報、マルチビューディスプレイ411の1つもしくは複数の投影システム部分の効果を示す情報、マルチビューディスプレイ411の遠近法効果を示す情報、様々な層内の様々な色チャネルを再現することに関連付けられている、一般的に不均一なサブピクセルタイリングパターンの表現、赤色、緑色、青色、もしくは他の色チャネルの間のスペクトルクロストークの表現、ディスプレイ要素によって達成可能な効果的な最小および最大の強度レベルの表現、マルチビューディスプレイ411内の任意の乗法的および/もしくは加法的ディスプレイ要素の非線形応答特性を特徴付ける情報、マルチビューディスプレイ411の1つもしくは複数のコンポーネントの位置における摂動に関する情報、ディスプレイ要素の位置の物理的移動に関する情報(たとえば、マルチビューディスプレイ411が1つもしくは複数の電動要素を備えるとき)、マルチビューディスプレイ411内の光学素子の時間領域ダイナミクスの表現、供給された作動信号をディスプレイインターフェース信号に変換することに関連付けられている電気光学的インターフェース回路409内の制約、マルチビューディスプレイ411に関連付けられている1つもしくは複数のパッシブな光学現象を特徴付ける情報、光学素子の間の回折効果を特徴付ける情報、ならびに/またはマルチビューディスプレイの画像の生成のやり方に影響を及ぼすマルチビューディスプレイ411の物理的特性に関する任意の情報を使用して生成され得る。
いくつかの実施形態において、マルチビューディスプレイを駆動するために使用される作動信号とディスプレイによって生成されるディスプレイビューとの間のマッピングは、生成され(たとえば、計算され)、その後使用するために記憶され、使用される時期が来たらアクセスされ得る。そのような実施形態において、本明細書において説明されている技術の態様が、この点に限定されないので、マッピングは任意の好適なフォーマットおよび/またはデータ構造体に記憶されるものとしてよい。いくつかの実施形態において、マッピングは生成されて、記憶されることなくすぐに使用されてよい。
いくつかの実施形態において、マッピングは、1つまたは複数のソフトウェアパッケージを使用して生成され得る。ソフトウェアパッケージは、入力および/またはパラメータとして、上で説明されている情報407のどれかを取り、作動信号からディスプレイビューを生成し得る。たとえば、いくつかの実施形態において、マッピングは、注目している特定のビュー配置からビューを取得するためにカメラ投影を使用して、作動信号の使用に対応する状態におけるディスプレイのモデルをレンダリングする際に、レンダリングパッケージまたはフレームワーク(たとえば、3D Studio、Blender、Unity、three.js、NVIDIA Optix、POVRay、またはカスタムもしくは他のパッケージ。これらはOpenGL、OpenGL ES、WebGL、Direct3D、CUDA、または汎用CPUライブラリなどの様々なグラフィックスフレームワークを利用してよい)を使用して生成され得る。投影は、透視投影、軸外投影、または正投影であってよい。
作動信号の結果として光がリア層から選択的に放射され、光はフロント層内で選択的に減衰される実施形態において、リア層は、第1の作動信号でテクスチャ化された平面としてレンダリングされるものとしてよく、その後、第2の作動信号でテクスチャ化された平面としてのフロント層のレンダリングが続き、乗法的ブレンディングを使用してリア層のレンダリングによりブレンドされる。そのような実施形態において、視点がディスプレイ視点の所望の配置と一致するカメラ投影を使用してシーンのレンダリングを実行する結果、関連付けられているディスプレイビューの計算が行われ得る。ディスプレイモデルがより複雑ないくつかの実施形態において(たとえば、反射層、拡散層、色チャネルの間のスペクトルクロストーク、回折効果、または層の間の内部反射のモデルを伴う)、作動信号からディスプレイビューへのマッピングは、光学系のモデリングルーチンまたはソフトウェア(たとえば、NVIDIA Optix、Maxwell、またはカスタム作成ソフトウェア)を使用して生成され得る。
図4Bは、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントの層上に印刷されるべきパターンを生成し、ライトフィールドプリントの層上に生成されたパターンを印刷するための例示的なシステム410を示す図である。図4Bに示されているように、コンピューティングデバイス413は、作動信号を生成し、生成された作動信号を、ライトフィールドプリント420などの層化パッシブディスプレイ配置構成に配置構成されている層印刷媒体上に供給される作動信号(時には「作動パターン」または「ターゲットパターン」と称される)を印刷する印刷システム418に供給するように構成される。
図4Bの例示的な実施形態に示されているように、ライトフィールドプリント420は、フロント層420aとバック層420bとを備える。これらの層の各々は、生成されたターゲットパターンが印刷システム418によって印刷され得る1つもしくは複数の透明フィルムおよび/または他の透明材料を含み得る。それに加えて、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリント420は、限定はしないが、1つもしくは複数の光学的スペーサ、1つもしくは複数のディフューザ、1つもしくは複数の小型レンズアレイ、1つもしくは複数のホログラフィック層、1つもしくは複数の色フィルタ、および/または1つもしくは複数のアクティブバックライトを含む1つもしくは複数の他の層を備え得る。
図4Bに示されているように、コンピューティングデバイス413は、層420aおよび420b上に堆積するためのターゲットパターン417aおよび417bを生成する。コンピューティングデバイス413は、生成されたターゲットパターンを印刷システム418に供給し、このシステムはターゲットパターンを層420aおよび420b上に印刷する。印刷システム418は、本明細書において説明されている種類のうちのどれかを含む任意の好適な種類の印刷機であってよい。いくつかの実施形態において、印刷システム418は、レーザートナーベースの印刷システム、レーザードラムベースの印刷システム、インクジェット印刷システム、発色現像方式または他の写真印刷システム、デジタル印刷機、アナログ印刷機、デジタルオフセット印刷システム、および/またはライトフィールドプリントを組み立てるために使用される1つまたは複数の層上にターゲットパターンを印刷するために使用され得る任意の他の種類の印刷システムであってよい。
ライトフィールドプリントは、図4Bの例示的な実施形態において示されているような、2つの層のみを有することに限定されず、本明細書において説明されている技術の態様がこの点に限定されないので、任意の好適な数の層(たとえば、1、2、3、4、5、6、7など)を含むものとしてよい。ライトフィールドプリントがN個の層(ここで、Nは2より大きい整数である)を含む実施形態において、コンピューティングデバイス413はN個のターゲットパターンを生成し、それらを印刷システム418に供給し、これが生成されたターゲットパターンをN個の層上に印刷し、それらの層はライトフィールドプリントにその後組み立てられ得る、ように構成され得る。いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントは複数の独立して印刷される層から組み立てられるか、または単一の透明基板の反対面上に印刷され得るか、または両方の層が基板の上に印刷され、任意選択の透明ワニス層がそれらの間に印刷されるものとしてよいか、または上記の任意の組合せとしてよい。
いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス413は、各々任意の好適な種類のものである1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。各コンピューティングデバイスは、1つまたは複数のプロセッサを備え得る。各プロセッサは、中央演算処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、FPGA、ASIC、他の任意の種類のハードウェアプロセッサ、これらの任意の好適な組合せであってよい。コンピューティングデバイス413が、複数のコンピューティングデバイスを含むときに、それらの複数のコンピューティングデバイスは1つの物理的配置に配置され得るか、または異なる物理的配置の間に分散されてよい。複数のコンピューティングデバイスは、直接的にまたは間接的に互いに通信するように構成され得る。
図4Bに示されている例示的な実施形態を含む、いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイス413は、ターゲットパターン(たとえば、ターゲットパターン417aおよび417b)を生成することを、(a)ライトフィールドプリント420によって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報415、(b)1つまたは複数のボケ変換を指定する情報414、および(c)印刷システム418によって実行される印刷プロセスのモデルを指定する情報416に基づき行うように構成され得る。コンピューティングデバイス413は、1つまたは複数の最適化問題を解いてこれらの入力に基づきターゲットパターンを取得するために1つまたは複数の最適化アルゴリズムを符号化するソフトウェア412を使用することによってこれらの入力に基づきターゲットパターンを生成し得る。ソフトウェア412は、実行されたときに、上で説明されている入力に基づき最適化問題を解いてターゲットパターンを取得するプロセッサ命令を備え得る。ソフトウェア412は、本明細書で説明されている技術の態様がこの点に限定されないので、任意の好適なプログラミング言語で書かれてよく、また任意の好適なフォーマットであってよい。
したがって、いくつかの実施形態において、ターゲットパターン417aおよび417bは、最適化問題の解として取得されるものとしてよく、この問題は、少なくとも一部は、(a)ライトフィールドプリント420によって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報415、(b)1つまたは複数のボケ変換を指定する情報414、および(c)印刷システム418によって実行される印刷プロセスのモデルを指定する情報416を使用することによって定式化される。それらへの解を生成するためのそのような最適化問題および技術の例は、以下で図5~図18を参照することを含めて本明細書において説明される。
いくつかの実施形態において、ライトプリントフィールドによって再現されるべき所望のライトフィールドを指定する情報415は、1つまたは複数のシーンビューを含むものとしてよく、たとえば、図4Aの情報405に関連して上で説明されている情報のどれかを含み得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のボケ変換を指定する情報414は、図4Aの情報406に関連して上で説明されている情報のどれかを含み得る。
いくつかの実施形態において、印刷システム418によって実行される印刷プロセスのモデルを指定する情報416は、印刷プロセスを特徴付ける情報を含むものとしてよく、これは、限定はしないが、層幾何学的形状情報、色モデル情報、印刷解像度情報、使用される印刷システムの種類を指定する情報、印刷プロセスの結果どれだけのインク滲みが生じるかを特徴付ける情報、印刷プロセスの結果どれだけのドットゲインが得られるかを特徴付ける情報、印刷媒体の最大許容可能インク密度を示す情報、印刷プロセスによって生成されるプリントのドットピッチを示す情報を含む。いくつかの実施形態において、情報416は印刷機の1つまたは複数の特性を含むものとしてよく、それの例およびそれを得るための技術は、本明細書において説明されている。
本明細書において説明されているように、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントに対するターゲットパターンを生成するために1つまたは複数のボケ変換が使用され得る。いくつかの実施形態において、ボケ変換を画像(たとえば、シーンビュー、ディスプレイビュー、誤差ビュー、または他の任意の好適な画像)に適用することは、その画像を空間領域内で帯域制限変換と畳み込むか、または帯域制限変換の2Dフーリエ変換(または他の周波数変換)を画像の対応する変換に乗算することを含み得る。
いくつかの実施形態において、ボケ変換は、帯域制限関数を備え得る。帯域制限関数は2D関数であってよい。いくつかの実施形態において、帯域制限変換は、大きさが平均してまたは漸近的に空間周波数が高くなるにつれ減少し得る2Dフーリエ変換を有し得る。
いくつかの実施形態において、ボケ変換は、画像に適用されたときに、画像中の高周波成分および/または細部の量を減らす線形もしくは非線形関数であってよい。
いくつかの実施形態において、ボケ変換は、人間の視覚システムのモデルを画像に適用する任意の関数であってよい。たとえば、ボケ変換は、人間の視力のモデルを画像に適用する任意の関数であってよい。別の例として、ボケ変換は、人間のコントラスト感度のモデルを画像に適用する任意の関数であってよい。
いくつかの実施形態において、ボケ変換は、人間の視覚システムの帯域制限挙動の近似を表す空間的および/または時間的帯域制限関数を含み得る。たとえば、ボケ変換は、特定の個人の長期的視覚特性(たとえば、個人の特定の視覚欠陥)に合わせて手直しされた帯域制限関数を備え得る。別の例として、ボケ変換は、個別の観察者の短期的視覚特性に合わせて手直しされた帯域制限関数を備え得る(たとえば、観察者の特定の観察位置または瞬間的調節焦点距離を考慮して)。
いくつかの実施形態において、ボケ変換を画像に適用することは、別の関数と画像を空間的に畳み込む(または、たとえばフーリエ領域における乗算などの空間または他の領域内で同等の計算を実行する)ことを含む。
たとえば、ボケ変換を画像に適用することは、画像を光学系の点広がり関数と空間的に畳み込むことを含み得る(たとえば、カメラ、人間の目の光学系、光を非常に小さなホームに通して送る光学的効果、ピクセルのサイズ)。特定の例として、ボケ変換を画像に適用することは、画像を開口の形状を表すカーネルまたは開口の形状の周波数領域表現と空間的に畳み込むことを含み得る。別の例として、ボケ変換を画像に適用することは、画像を2次元空間的離散点広がり応答と空間的に畳み込むことを含むものとしてよく、それに対してすべての離散エントリにわたって取った応答の総和は、すべての離散エントリにわたって取った応答のl2ノルム以上である。さらに別の例として、ボケ変換を画像に適用することは、画像を2次元ガウス関数と空間的に畳み込むことを含み得る。
いくつかの実施形態において、ボケ変換を画像に適用することは、2値形態変換(たとえば、腐食、膨張、形態的開放、および形態的閉鎖)を画像に適用することを含み得る。いくつかの実施形態において、ボケ変換を画像に適用することは、ランクフィルタ(たとえば、メディアンフィルタ、大多数フィルタ、など)を画像に適用することを含み得る。
いくつかの実施形態において、ボケ変換は、ライトフィールドプリントの層の間の回折相互作用による効果および/または1つもしくは複数の光学ディフューザもしくは他のパッシブ層による効果を表し得る。ボケ変換の追加の態様は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2017年3月23日に出願した米国特許公開第2017/0085867号、名称「MULTI-VIEW DISPLAYS AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」において説明されている。
本明細書において説明されているように、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントを製造するためのターゲットパターンを生成するために最適化ベースのアプローチが使用され得る。いくつかの実施形態において、最適化ベースのアプローチは反復的であってよい。
いくつかの実施形態において、このアプローチは次のとおりであってよい。最初に、初期化段階において、ターゲットパターンの第1のセットが生成される。ターゲットパターンのこのセットは、新しく、または1つもしくは複数の以前に取得されたターゲットパターンを使用することに基づき生成され得る。次いで、ターゲットパターンの第1のセットは、ターゲットパターンが印刷されライトフィールドプリントを形成した場合にライトフィールドプリントによって生成されるであろうディスプレイビューの第1のセットを決定するために使用され、ディスプレイビューはシーンビュー(ライトフィールドプリントによって生成されるべき所望のライトフィールドを指定する)と比較され、誤差ビューを生成する。ディスプレイビューは、各シーンビューについて生成され得る。ディスプレイビューは、少なくとも一部は印刷デバイス(たとえば、印刷機)の物理的特性に関する情報(たとえば、図4Bを参照しつつ説明されている情報416)を使用することによって決定され得る。
いくつかの実施形態において、誤差ビューは、さらに1つまたは複数のボケ変換を使用することに基づき生成され得る。いくつかの実施形態において、比較され誤差ビューを生成する前に、ディスプレイビューおよびシーンビューの各々は、好適なボケ変換(たとえば、図5に示されているような)によって変換され得る。いくつかの実施形態において、ディスプレイビューおよびシーンビューに適用されたボケ変換が同一であり、線形であるときに、ボケ変換は、ディスプレイビューおよびシーンビューに適用される代わりに誤差ビューに適用され得る。
次いで、誤差ビューは、どのようにしてターゲットパターンの第1のセットの値を更新してターゲットパターンの第2のセットを取得するかを決定するために使用され得る(ディスプレイビューとシーンビューとの間の誤差を小さくするため)。次いで、ターゲットパターンの第2のセットは、ターゲットパターンの第2のセットを使用して製造された場合にライトフィールドプリントによって生成されるであろうディスプレイビューの第2のセットを決定するために使用され、誤差ビューの第2のセットは、ディスプレイビューの第2のセットをシーンビューと比較することによって生成される。次いで、誤差ビューの第2のセットは、どのようにしてターゲットパターンの第2のセットの値を更新してターゲットパターンの第3のセットを取得するかを決定しディスプレイビューとシーンビューとの間の誤差をさらに小さくするために使用され得る。この反復プロセスは、ディスプレイビューとシーンビューとの間の誤差が所定の閾値を下回るか、閾値回数の反復が実行されるか、時間の閾値長さが経過するか、または他の任意の好適な停止条件が満たされるまで繰り返され得る。
上記の例示的な反復最適化技術は、ライトフィールドプリントを印刷するためにターゲットパターンを生成すること関して説明されたが、アクティブディスプレイを制御するための作動信号を生成するために類似の技術が使用され得ることは理解されるべきである。同様に、以下の説明において、図5~図17を参照しつつ説明されている最適化技術は、ライトフィールドプリントを製造するためのターゲットパターンを生成することだけでなく、アクティブディスプレイに対する作動信号を生成することにも適用され得る。
図5は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントに対するターゲットパターンを生成するために実行される処理の例示的なブロック図500である。特に、図5は、ディスプレイビューがdk(k=1,...,N)で表され、Nはビューの数を表している、層501aおよび501bを有するライトフィールドプリント501のディスプレイビュー502のセットと、仮想シーン503の、sk(k=1,...,N)で表されている、対応するシーンビュー204のセットとの間の比較に基づきターゲットパターンのセットを識別するための反復最適化技術のステップを例示している。シーンビューは、本明細書で説明されている種類を含む任意の好適な種類であってよい。たとえば、シーンビューは、自然シーンまたは合成シーンであってよく、自然発生のライトフィールドまたは自然発生のライトフィールドとあまり類似点を有し得ないライトフィールドを表すものとしてよい。後者の場合は、例として、ただし限定はしないが、各ビュー内の本質的に独立している2次元コンテンツを示す複数の異なるビューを有するシーンに対応することが可能である。
いくつかの実施形態において、ディスプレイビューとシーンビューとの間に一対一対応関係があり得る。他の実施形態では、そのような一対一対応関係はなくてもよい。たとえば、シーンビューは、水平方向にのみ移動しているときのディスプレイビューに対応するものとしてよいが、垂直方向に移動しているときには、ディスプレイビューのアンサンブルが単一のシーンビューに対応し得る。別の例として、水平方向に移動することによってシーンビューとディスプレイビューとを比較するときに、シーンビュー配置は、ディスプレイビュー配置の率の数分の1(たとえば、半分)の率で前進し得る。
図5に示されているように、ボケ変換508は、ディスプレイビュー502およびシーンビュー504に適用されてよく、その結果得られるボケディスプレイビューおよびボケシーンビューが比較され、ek(k=1,…,N)で表される、誤差ビュー512を生成し得る。いくつかの実施形態において、同じボケ変換は、すべてのディスプレイビューおよびすべてのシーンビューに適用され得る。他の実施形態では、1つのボケ変換Tiはディスプレイビューdiおよび対応するシーンビューsiに適用されるものとしてよく、異なるボケ変換Tjは別のディスプレイビューdjおよびその対応するシーンビューsjに適用されるものとしてよい。ボケ変換508は、本明細書において説明されている種類のボケ変換のどれかを含み得る。
ディスプレイビューは、xk(k=1,...,M)で表され、Mはターゲットパターンの数を示す、ターゲットパターン505のセットを使用して生成され得る。ディスプレイビューは、少なくとも一部は、インクと媒体とを含む、印刷機を特徴付ける情報を使用することによって生成されるものとしてよく、その情報の例は本明細書において提供されている。
いくつかの実施形態において、図5からわかるように、最適化アルゴリズムの反復毎に、ゴールは、誤差ビュー512に基づきターゲットパターン505を更新することであってよく、それによりディスプレイビューのボケバージョンとシーンビューのボケバージョンとの間の全誤差量を低減し得る。このことは、非ボケディスプレイビューは、ボケ変換508の適用を介して取り除かれる、大量の高周波数成分を有することができる(実際には有する)。別の言い方をすると、低周波数成分に、より著しく加重する誤差関数は、ライトフィールドプリントが高周波数成分を生成することをターゲットパターンが引き起こすことを促すものとしてよいが、それは、高周波数成分は誤差関数に著しくは考慮されないからである。いくつかの実施形態において、ボケ変換508は、誤差ペナルティがより低い周波数ではより高くなるように、また誤差ペナルティがより高い周波数ではより小さくなるように低周波数成分に加重することによってこのことを促すものとしてよい。
ライトフィールドプリントを製造するためのターゲットパターンを生成するために使用され得る最適化技術の追加の態様は、図6~図16を参照しつつ以下で説明される。
図6は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントの1つまたは複数の層上に印刷するためのパターンを生成することの一部として解かれ得る例示的な最適化問題600を示している。
図6に示されているように、最適化問題600は、ターゲットパターンxkを、ターゲットパターン上で上限ukおよび下限lkを含む、リストされている制約を条件として費用関数g(e1,...,eN)を(厳密または近似的に)最小化することによって、決定するために使用され得る。そのような制約は、要素毎に強制される。最適化問題300において、関数fk(…)、k=1,…,Nは、ターゲットパターンxkから図2に示されているビュー誤差信号などのビュー誤差信号ekへのマッピングを表す。この意味で、関数fk(...)は、一般的に、たとえば、(1)ターゲットパターンxkからディスプレイビューdkへの陰的マッピング、(2)所望のシーンビューskの値、および(3)図5に示されているボケ変換および差分関数を組み込む。
いくつかの実施形態において、最適化問題600は、図7に概略が示されているように、反復勾配ベースの技術を使用してターゲットパターンxkを取得することで解かれるものとしてよい。例示されているように、勾配技術は、関数fk(...)の勾配を使用し、更新規則を使用してターゲットパターンの値を繰り返し更新することを含む。
図8は、いくつかの実施形態において図7の勾配ベースの技術の一部として使用され得る更新規則804の一例を示している。ターゲットパターンxkを制約する、図6に示されている上限ukおよび下限lkは、更新規則804によって、制約条件を満たすことが知られている変数xk801のセットから始め、結果として状態発展が常にこれらの制約条件を満たすことになる値α802およびβ803の動的な選択を行うことで強制され得る。
図9は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントの1つまたは複数の層上に印刷するためのパターンを生成することの一部として解かれ得る別の最適化問題900を示している。最適化問題900は、費用関数の中のペナルティ項によって最適化問題600における上限および下限を置き換えることによって取得され得る。ペナルティ項は、状態が発展するか、またはシステムが定常状態に達するときに制約条件が満たされるように選択される。例示的な最適化問題900において、ペナルティ項は、ペナルティ関数pk(xk)である。
いくつかの実施形態において、最適化問題900は、図10に例示されている勾配ベースの反復技術によって解かれ得る。図10に示されているように、この技術では、更新規則1001を使用し、ペナルティ項の勾配を組み込む。更新規則1001は任意の好適な更新規則であってよく、たとえば、図8に示されている更新規則804であってよい。
さらに図10を参照して、次のように関数fj,k(...)に対するわれわれの表記を定義する。
fj,k(xj)=fk(...,xj,...)
したがって、各fj,k(...)は、fk(...)から始め、位置jの引数以外のすべてを固定することによって得られる関数であると定義される。位置jにない変数の特定の固定値は、大域的問題範囲内の別のところで定義されているように、それらの変数の以前に定義された値を保持する。この定義は一般性を失うことなく使用され、次の節の説明を円滑にする。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の最適化問題を解くことによって(たとえば、厳密または近似的解を見つけることによって)ターゲットパターンの値を決定するために必要な処理が、複数のコンピューティングデバイスによって分散方式で実行され得る。以下で説明されるのは発明者らによって開発された技術であり、発明者らによって開発された最適化アルゴリズムは、いくつかの実施形態において分散型であるものとしてよい。分散型ハードウェアおよびソフトウェアのトポロジは、これらの説明によって暗示される。
いくつかの実施形態において、最適化問題(たとえば、最適化問題600および900など)は、ターゲットパターンxkのサブセットを一定に保ち、ターゲットパターンの残りのサブセットの値を最適化することに対して反復を数回実行することによって「分割」され得る(すなわち、最適化問題を解くための技術は分散環境においてその実装を円滑にするように設計され得る)。この時点の後、ターゲットパターンxkの異なるサブセットが選択され得、プロセスは、ターゲットパターンに対する所望の値が得られるまで繰り返される。
図11は、最適化問題600を解くための勾配ベースの反復最適化技術の分散実装を円滑にするように定式化された最適化問題1100を例示している。いくつかの実施形態において、最適化問題600の解(厳密または近似-大域的または局所的最小値を見つける)は、Table 1(表1)に示されているような減衰信号の各々を順次更新することによって取得され得る。
いくつかの実施形態において、図11に示されている最適化問題1100の局所的または大域的最小値を見つけるために使用できる、または代替的に、そのような解へ有限回数の反復ステップを実行する際に使用できる反復勾配ベースの最適化アルゴリズムの概略が図12に示されている。
いくつかの実施形態において、計算をさらに分割し、分散させるために、最適化問題1100の定式化において追加の数学的構造が利用され得る。たとえば、図11を参照して、関数fj,k(xj)を
fj,k(xj)=Lk(hj,k(xj)-sk)
として選択すると、各関数hj,k(...)およびLk(...)を線形マップとすれば、図13に概略的に示されているように、最適化アルゴリズムのさらなる分解が得られる。
図13において、上付文字のアスタリスクは随伴行列マップを表し、行列の場合には、行列転置となる。この定式化において、変数sk1301はシーンビューを表すものとしてよく、関数hj,k(...)1302はターゲットパターンxj1303からディスプレイビューdk1304へのマッピングを表すものとしてよく、関数Lk(...)1305はボケ変換を実装する線形マップを表すものとしてよい(いくつかの実施形態では、ボケカーネルとの畳み込みと明示的に実現されてよい)ことに留意されたい。
図13に示されているように、関数gj,k(ek)(1306)は図11の最適化問題1100にリストされているように個別に足して費用項全体になるように取られる。ここで、
g(e1,...,eN)=gj,1(e1)+...+gj,N(eN)
この意味で、個別の関数gj,k(ek)は、線形または非線形ペナルティ関数であってよく、その勾配は図13に示されているように計算される。たとえば、
を選択すると、結果として、局所的最小値
が取得されるアルゴリズムが得られ、||...||γはγノルムを示すことを示すのがわかりやすい。
いくつかの実施形態において、ペナルティ二次関数gj,k(ek)が採用されるものとしてよい。関数
が二次(たとえば、γ=2)であるときに、また非負性に対応するターゲットパターンxjに下限を強制することが意図されている場合、いくつかの実施形態では乗法的更新規則が使用され得る。
図14および図15は、ターゲットパターンxjの非負性を強制する乗法的更新規則を利用して、図11に示されている最適化問題1100の局所的または大域的最小値を見つける(またはそのような解への1つまたは複数のステップを実行する)ための、いくつかの実施形態において使用され得る、2つの技術を例示している。図14に示されているように、様々な部分計算の結果得られる分子1401項および分母1402項は加法的に組み合わされ、個別の和が除算される。図15に示されているように、各部分計算1501において、様々な信号の間の除算1503は最初に実行され、個別の部分計算1505の結果の凸結合1504が取られ、例として、限定することなく、非負であり、足し合わせて1になる重みで加重された平均に対応する。図14および図15で利用される乗法的更新規則1403および1502の一般形式は、それぞれ、図16に概略として示されている。
図5~図16の追加の態様は、そこで使用されているいくつかの図の表記の次のさらなる説明を通して理解され得る。矢印は、時間とともに変わる信号の流れの方向を表し得る。信号の流れは、変数の同期または非同期の受け渡しに対応するものとしてよく、これは一般的に、スカラー値、またはたとえば画像データの流れまたは画像データの集合体を表すベクトル値を取り得る。円で囲んだ+の記号は、一般的に、入力信号のベクトル加法または減法を示す(たとえば、図5に示されているように)。入力のところに負の符号が書かれた円で囲んだ+の記号への任意の入力について、これらの入力信号は否定される。可能な否定演算の後、すべての信号は総和されて出力信号を形成する。信号線上のドットは、信号複製を示す(たとえば、図8の「状態記憶」の出力の後に示されているような)。記号∇は、関数の勾配を表す(たとえば、図13において、この記号を含む正方形のブロックは、そのブロックへの入力である、信号ekに関数gj,k(...)の勾配の負を適用することを指す)。図14および図15において、円で囲んだ÷の記号は、一般的にベクトル値を取る信号の要素毎の除算を示し、ボックスで囲まれた記号は、ラベル付き線形マップを関連付けられている入力信号に適用することを含む。図16において、円で囲んだ×の記号は、一般的にベクトル値を取る信号の要素毎の乗算を示す。
Table 2(表2)は、いくつかの実施形態による、ターゲットパターンに対する値を生成するために最適化問題への局所的もしくは大域的解を取得するために使用され得る反復的勾配ベースの最適化技術の態様を説明する疑似コードを示している。
図17は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、マルチビューディスプレイによって生成されるシミュレートされたビューを例示する。画像1701は、15枚のビューを含むマルチビューライトフィールド画像のうちの2つのビューを示しており、15枚のビューはすべての比較された方法への入力として指定されている。画像1702は、非負行列因数分解(NMF)を利用する当業者にすでに知られている方法、または2つの層の場合にはNMFに帰着する方法を実行した結果を示す。画像1703および1704は、本明細書において説明されている技術を使用する何らかによって達成されるパフォーマンスを示しており、これは有限ビュー帯域幅を利用する知覚的にインスパイアされる費用関数を利用する。1703および1704に示されているのは、237cmの観察者距離のところで、1.44cmの層分離距離を有する47cm×30cmのシミュレートされた2層ディスプレイ上に提示される、10度の水平FOVを有する3×5(15ビュー)ライトフィールドの水平視差方向に沿った2つの極端なビューのシミュレーションである。画像1703および1704は、シーン輝度が変化するときの開示されている方法の一実施形態のパフォーマンスを比較したものである。ライトフィールドデータおよびディスプレイ構成は、[G. Wetzstein. Synthetic Light Field Archive. http://web.media.mit.edu/~gordonw/SyntheticLightFields/. Accessed August 12, 2015.]から取得された。各アプローチ1702~1704について、ディスプレイバックライトの輝度の必要な増大がリストされており、これは、従来のバリアベースの視差ディスプレイに比べてバックライト効率の大幅な増大が達成され得ることを示している。すべての提示されている結果は、すでに実証されている時分割作業とは対照的に、単一フレーム非時分割ディスプレイに対するパフォーマンスを示していることに留意されたい。示されている結果は、拡大された詳細ビュー1705を除き、人間の視覚システムによる観察をシミュレートするようにフィルタ処理されている。
ライトフィールドプリントの文脈において、上記の比較は、非負行列因数分解技術を使用してライトフィールドプリントを生成するためにはより厚い基板が必要になるが、ターゲットパターンを生成することについて本明細書において説明されている技術は既存の産業用プリンタによって使用されるより薄い基板を使用してライトフィールドプリントを製造することを可能にすることを示している。実際、本明細書で説明されている技術の改善されたパフォーマンスは、ライトフィールド印刷の分野における実現可能な革新技術である。すでに公開されている方法で許容可能な視覚的品質を達成するために必要な基板の厚さは、大量生産の産業印刷には全く向いていない。より薄い基板でより高い視覚的品質を達成することによって、経済的にも技術的にも有利である、産業用プリンタの既存の設置基盤を使用してライトフィールドプリントを形成することが可能になる。
図18は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態によるマルチビューディスプレイ装置の光学的挙動を制御する作動信号を生成するための例示的なプロセス1800を示すフローチャートである。プロセス1800は、任意の好適なデバイスによって実行され得る。たとえば、プロセス1800は、マルチビューディスプレイに結合されている1つまたは複数のコンピューティングデバイスおよび/またはマルチビューディスプレイの一部によって実行されてよい。たとえば、プロセス1800は、図4Aを参照しつつ説明されているコンピューティングデバイス404によって実行され得る。本明細書において説明されているように、電子ディスプレイに対する作動信号を生成するための技術は、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントを製造することを目的としてフロントおよびバックターゲットパターンを生成するために採用され得る。
プロセス1800は活動1802から始まり、そこで、複数のシーンビューが取得され得る。複数のシーンビューの各々は、マルチビューディスプレイの観察者の配置に対応し得る。シーンビューは、マルチビューディスプレイによって生成されるべき所望のライトフィールドを指定し得る。本明細書で説明されているように、シーンビューは、自然または合成シーンであってよい。各シーンビューは、シーンビューのうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)の各々に対する任意の好適な解像度のグレースケールおよび/またはカラー画像を含み得る。本明細書で提供されている技術の態様は、この点に限定されないので、任意の好適な数のシーンビュー(たとえば、少なくとも2、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、2から1000の間、10から800の間、またはこれらの範囲の任意の他の好適な組合せ)が活動1802において取得されるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、シーンビューは、少なくとも1つの画像ソースから1つまたは複数の画像にアクセスするおよび/または画像を受信する(たとえば、記憶されている画像にアクセスする、別のアプリケーションプログラムもしくはリモートコンピューティングデバイスから画像を受信する)ことによって取得され得る。いくつかの実施形態において、シーンビューは、最初に3Dシーン(たとえば、シーンの3Dモデル)の記述を取得し、次いで、プロセス1800の一部として、3Dシーンの取得された記述に基づきシーンビューを生成することによって取得され得る。
次に、プロセス1800は活動1804に進み、そこで、マルチビューディスプレイのモデルを指定する情報が取得され得る。この情報は、マルチビューディスプレイの画像の生成のやり方に影響を及ぼし得る、マルチビューディスプレイ装置の任意の物理的特性に関する情報を含み得る。活動1804において取得された情報は、たとえば、図4Aを参照しつつ説明されている情報407のうちのどれをも含み得る。
いくつかの実施形態において、活動1804で取得された情報は、マルチビューディスプレイの物理的特性を数値的に指定するデータを含むものとしてよく(たとえば、任意の好適な種類の1つまたは複数のデータ構造体に記憶されている1つまたは複数の値を使用して)、それによりこれらのデータは、作動信号(たとえば、図5~図16を参照しつつ説明されているような)を識別するための反復的最適化技術の一部として作動信号のセットに基づきディスプレイビューを生成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、活動1804で取得された情報は、ソフトウェアコードに符号化され得る。ソフトウェアコードは、また、作動信号を識別するための反復的最適化技術の一部として作動信号のセットに基づきディスプレイビューを生成するためにも使用されてよい。いくつかの実施形態において、そのようなソフトウェアコードが実行されたときに、これはソフトウェアコードで具現化されている物理的特性に基づきパラメータ(たとえば、作動信号、ディスプレイビューまたは他の画像、他の変数)を変換するために使用されてよい。
次に、プロセス1800は活動1806に進み、そこで、少なくとも1つのボケ変換を指定する情報が取得され得る。少なくとも1つのボケ変換を指定する情報は、1つまたは複数のボケ変換を指定してよく、たとえば、図4Aを参照しつつ説明されている情報406のうちのどれかを含む任意の好適な種類の情報を含み得る。
次に、プロセス1800は活動1808に進み、そこで、複数の作動信号が、活動1802において取得された複数のシーンビュー、活動1804において取得されたマルチビューディスプレイ装置のモデルを指定する情報、および活動1806において取得された少なくとも1つのボケ変換を指定する情報に基づき生成され得る。これは、本明細書において説明されているやり方のどれかで、またたとえば、図5~図16を参照しつつ説明されている反復的最適化技術を使用することによって行われ得る。
次に、プロセス1800は活動1810に進み、そこで、活動1808において生成された作動信号は、マルチビューディスプレイを制御するために使用され得る。これは、任意の好適なやり方で行われ得る。たとえば、いくつかの実施形態において、生成された作動信号は、電気光学的インターフェース回路(たとえば、図4Aを参照しつつ説明されている回路409)に供給されてよく、この電気光学的インターフェース回路は、供給される作動信号に基づきマルチビューディスプレイを駆動し得る。活動1810の後に、プロセス1800は完了する。
ボケ変換を使用する本明細書において説明されている技術は、ボケ変換が視覚的効果(たとえば、人間の視覚システムの効果)に関係せず、むしろ、ディスプレイから出力された光または他の電磁波を受け取る媒体における何らかの帯域制限効果に関係する用途で使用され得ることは理解されるべきである。そのような用途では、ディスプレイから放射される光または電磁波は、人間の目によって消費されるようには設計されず、むしろ、別の物理的媒体または生体組織によって消費されるように設計され得る。そのような用途の非限定的な例は、次のとおりである。
・ 3D印刷におけるフォトリソグラフィおよびステレオリソグラフィに対する最適化されたディスプレイの帯域制限の使用(たとえば、最適化されたディスプレイは、感光性樹脂内に放射するために使用され得る場合)。ここで、帯域制限は、樹脂中に解決可能なドットサイズに対する下限を具現化するであろう。
・ 2次元材料を写真露光させるための最適化されたディスプレイの帯域制限の使用(たとえば、写真向きの印刷プロセスまたは他の写真印刷デバイスによって使用される)。ここで、帯域制限は、写真媒体上の解決可能なドットサイズに対する下限を具現化するであろう。
ドットゲイン補償
いくつかの実施形態において、印刷機の測定されたドットゲイン特性は、基板上に印刷するパターンを生成しライトフィールドプリントを形成するために使用され得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、測定されたドットゲイン特性は、形成された後にパターンを後処理するために使用されてもよい。これは、ドットゲイン補償と称される。
いくつかの実施形態において、キャリブレーションの節で説明されている線形畳み込みモデルを仮定すると、ドットゲイン補償は、(1)後処理されるべきデータのボケ表現を作成することと、(2)ボケ表現を使用して後処理済みのターゲットパターンを作成することとによって実行されてよい。いくつかの実施形態において、ボケ表現は、Ib=I*kbに従って作成されるものとしてよく、Iは後処理されるべきライトフィールドプリントの1つの層を表す画像であり、kbは幅bのボケカーネルであり、Ibは畳み込みの後に結果として得られるボケ画像である。いくつかの実施形態において、ボケカーネル幅は、本明細書において説明されているように、1つまたは複数のキャリブレーションパターンを印刷することによって推定され得る。いくつかの実施形態において、後処理済みターゲットパターンは、Ip=Tα(Ib)を使用して形成され、ここで、Tα(x)={x>αの場合に1,それ以外の場合には0}、ここで、Ipは後処理済みターゲットパターンである。
印刷
いくつかの実施形態において、印刷機は、フロントおよびバックターゲットパターンを、生成後に印刷するために使用され得る。いくつかの実施形態において、パターンは、プレス上で「ドット単位」で印刷され得る。多くの印刷機は、事前スクリーニングされたデータ、または印刷機に合わせた適切な解像度ですでに2値化されているデータを印刷することを意図されているモードで印刷するように構成される。いくつかの実施形態において、生成されたターゲットパターンは、1ビットTIFFフォーマットを使用して印刷機に配信され、事前スクリーニングされたデータを印刷機に配信する機能を利用するものとしてよい。このフォーマットでは、標準ラスターイメージプロセッサ(RIP)を使用してプレスに対してスクリーニングされた従来のプリントデータを、ライトフィールド最適化アルゴリズムを使用して効果的にスクリーニングされたライトフィールドプリントデータと組み合わせることが可能である。この革新技術により、ライトフィールド印刷が印刷業界ですでに使用されているワークフロー内に容易に統合され得る。
他の実施形態において、PDFなどの既存の文書標準は再度目的を持たせられ得るか、または新しい文書標準が、ライトフィールド印刷に必要なデータをアナログもしくはデジタル印刷機またはプリンタに配信することに特有のカプセル化されたデータフォーマットを作成するために定義され得る。そのような標準は、ライトフィールド認識フォーマットと考えられる。いくつかの実施形態において、印刷機またはプレートセッター用のラスターイメージプロセッサは、ライトフィールドパターンを含むライトフィールド認識文書フォーマットを処理することができる特定のモードで製造され得る。前記モードでは、ライトフィールド認識文書フォーマットを処理するラスターイメージプロセッサは、ライトフィールドプリントを表現することを意図されているパターンを含む文書の一部で追加のディザリングまたは色管理ステップを実行しない。そのようなフォーマットは、有利には、ライトフィールドデータのデータ完全性を検証し、たとえば、それが2値データであり、連続階調画像でないことを確実にする。
今日一般に使用されているいくつかの印刷機またはプレートセッターは、ライトフィールド認識文書フォーマットを処理することはできないが、Device CMYKおよび/またはスポットカラー指定でPDFファイルを処理することができ、それにより、文書内に表現されている少なくともいくつかの色は、ラスターイメージプロセッサによって実行される通常の色処理をバイパスする。発明者らは、従来の片面または両面印刷コンテンツを同じ文書内の計算されたライトフィールドパターンと組み合わせることが望ましく、有利であることを評価して、前記PDF文書を使用してこの効果をもたらすことが可能であることを認識した。これは、今日現在使用されているワークフローが現在使用されているプレスまたは処理機器にソフトウェアまたはハードウェアの変更を加える必要なくライトフィールドプリントを作成するように再度目的を持たせられることを可能にする。
したがって、いくつかの実施形態において、2D印刷コンテンツおよびライトフィールドプリントパターンは組み合わされて印刷機に送信され得る。これは、いくつかの実施形態において、(1)本明細書において説明されている技術に従って印刷のために印刷機のキャリブレーションを行うこと、(2)本明細書において説明されている技術に従ってターゲットパターンを生成すること、(3)文書上の印刷されるべき追加の2Dコンテンツを取得すること、(4)適切な色管理により印刷されるべき前記2Dコンテンツのディザリングを行うこと、および(5)ディザリングされた2Dコンテンツと、1つまたは複数のDevice CMYK PDFファイル内のライトファイルコンテンツとを組み合わせることで達成され得る。
いくつかの実施形態において、Device CMYK PDFファイルフォーマット以外のデータフォーマットは、データが、印刷プロセスの色管理または他の処理部分(たとえば、印刷機または他の印刷デバイス用の)をバイパスすべきであることをラスターイメージプロセッサに指示するために使用され得る。いくつかの実施形態において、既存のラスターイメージプロセッサが2次元(2D)および/または他の非角度変化コンテンツを表すデータのいくつかの領域上で色管理を実行することが望ましい場合がある。この場合、ライトフィールドコンテンツを表す色チャネルは、PDFを含む任意の数の文書フォーマットにおいてスポットカラーとして指定されてよく、ラスターイメージプロセッサによって色管理されるべきデータは、同じ文書内で連続階調画像として指定され得る。
層化ライトフィールドディスプレイ配置構成のさらなる説明
ライトフィールドプリントのロバストな製造を高速かつ正確に行うための技術のさらなる態様についてこの節で説明する。
図19に示されている例では、観察者1901は、いくつかの実施形態に従って実装されるライトフィールドプリント1904を観察しているものとしてよい。図の実施形態において、単一の視錐台1902(視錐体とも記述される)は、観察者が3Dシーンを見ているものとしてよい角度領域を表す。
図20は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントの層上に印刷されるべきパターンを生成し、ライトフィールドプリントの層上に生成されたパターンを印刷するための例示的なシステム2000を示す図である。図20では、ラインはシステムを通るデータの経路を示し、記憶域はデータが記憶され得る前記データ経路の一部を示す。いくつかの実施形態において、記憶場所は、バイパスされてもよい。
図20に示されているシステムへの入力は、フォーマットのうちのいずれか1つを含み得る。一実施形態において、入力2001は、いくつかの場合においてライトフィールドと称される、3Dシーンの複数の2Dビューを含むものとしてよい。いくつかの実施形態において、入力2001は、限定はしないが、幾何学的形状またはテクスチャ情報を含むシーン記述を含む。シーン記述が入力を含む実施形態において、入力は、記述されているシーン2003のビューを表す複数の画像を含む、ライトフィールド表現に変換され得る(2002)。入力がすでにシーンビュー2004を表す複数の画像であるときに、変換ステップ2002はバイパスされてよい。ブロック2006において、所望のライトフィールド表現2005は、本明細書において説明されている技術のうちのどれかを使用してライトフィールドプリントに組み立てられるべき層上に印刷するためにターゲットパターン2007を計算するために使用され得る。
いくつかの実施形態において、幾何学的形状、色モデル、および解像度情報2008は、ターゲットパターン2007の計算に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、印刷機の特性のうちの1つまたは複数は、ターゲットパターン2007の計算に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、ターゲットパターン2007は、活動2009において処理され、印刷プロセスの性質を補償するものとしてよい。そのような性質は、たとえば、媒体の物理的性質、印刷プロセスの物理的性質、印刷プロセスの動的性質、およびプリンタインクの流体力学的性質、および/またはプリンタトナーの物理的性質を含み得る。いくつかの実施形態において、処理2009は、補償(2010)されるべき性質の物理的モデルを組み込む。いくつかの実施形態において、計算ブロック2009および2002は、統一計算システムまたは方法2012に組み合わされ得る。補償されたパターン2011は、印刷機、プリンタ、もしくはプリントスプーラに送信されるか、またはプリントに他の何らかの形で再現され得る。
いくつかの実施形態において、計算ブロック2002は、シーン記述からライトフィールドの表現を生成し、シーン記述は、たとえば、CADファイル、深度マップ、OBJファイルフォーマット、Colladaファイルフォーマット、3D Studioファイルフォーマット、three.js JSONファイルフォーマットとして表される3Dシーン、またはPOV-RayシーンもしくはNvidia Optixプログラムなどのレイトレーシング用のシーンを含み得る。その結果得られる所望のライトフィールド2003は、多数のレンダリング技術のうちのどれかを使用して生成され得る。たとえば、前記レンダリング技術は、異なる視点から複数の軸外画像をレンダリングするための仮想マルチカメラレンダリングリグ、GPUシェーダーベースのレンダリング技術、および/またはレイトレーシング技術を含み得る。
2002で生成されたライトフィールドは、様々なフォーマットで符号化され得る。たとえば、ライトフィールドは、シーンの様々な所望のビューに対応する画像のアンサンブルとして符号化されてよい。この表現では、各ピクセル値は特定の配置から、およびディスプレイ表面上の特定の角度で、放射されるべき光線の所望の色および/または強度に対応する。特定の光線の重要度も符号化され得る。いくつかの実施形態において、前記符号化は、下流処理2006で使用される誤差関数に加重するために使用され得る。
印刷のためにターゲットパターンを計算するのにいくつかの方法が使用され得る(2006)。いくつかの実施形態において、ターゲットパターンは、モノクロである一方の印刷層およびカラーである第2のプリンタ層について計算される。いくつかの実施形態において、各インクチャネルにおいて2値であるターゲットパターンが計算され得る。たとえば、パターンは、2値シアン、2値マゼンタ、2値黄色、2値黒色(CMYK)チャネルを含み得る。他の色組合せおよびインクセットについても同様の考察がなされてよく、これは、限定はしないが、明るい黒色、明るいシアン、および明るいマゼンタ、スポットカラーインク、およびプリンタの色域を拡張することを意図されているインクなどの明るいインクを含む。2値パターンの計算は、たとえば、本明細書で開示されている本明細書において説明されている技術(たとえば、図5~図16で説明されている技術を使用する)に従ってターゲットパターンを計算するために使用される計算方法に適切な正則化を導入することによって行われ得る。いくつかの実施形態において、パターンは、ターゲットパターンのサブブロックを操作し、前記サブブロックを組み合わせてターゲットパターンを取得することによって計算され得る。いくつかの実施形態において、前記サブブロックは、ターゲットライトフィールドの関連付けられているパーティションを使用するものとしてよい。たとえば、ブロック処理は、計算を実行するための反復的方法の各反復で実行されてよい。
いくつかの実施形態は、印刷マルチビューディスプレイに対するパターンを印刷する際にプリントおよび媒体ダイナミクスを補償するための技術を含み得る。前記補償のゴールはターゲットパターンから補償済みパターンを取得することであり、そこで、前記補償済みパターンはプリントおよび媒体ダイナミクスについて補正されている。たとえば、補償済みパターンは、印刷媒体のインク滲み、ドットゲイン、および最大許容可能インク密度のうちのいずれか1つまたは複数(たとえば、すべて)について補正され得る。
ライトフィールドプリントを作成する際にドットゲインを補償するための技術は、たとえば、ガウスブラーフィルタリングなどのターゲットパターンの線形空間フィルタリングと、その後に続く、強度閾値演算および/または形態処理方法の使用を含む。これらの技術を採用する前に、ターゲットパターンは空間的アップサンプリングされ得る。ライトフィールドプリントを作成する際に使用されるドットゲイン補償方法は、個別の色チャネルに、または複数のチャネルに一緒に適用され得る。ドットゲイン補償処理によって生成される出力パターンは、中間パターンと称されてよい。
ライトフィールドプリント作成する際のインク密度補償の技術は、限定はしないが、構造化パターンを中間パターンに適用することを含み、それによって、選択された数の個別のピクセルが排除され、それによりインク、トナー、色素、または他の媒体が排除されたピクセルの位置の媒体上に堆積されない。いくつかの実施形態において、排除するピクセルの選択は、処理の上流にあるパターンに依存し得る。他の実施形態では、その選択は、処理の上流にあるパターンから独立しているものとしてよい。インク密度補償の結果は、中間パターンを処理することによって得られるいくつかの実施形態において、印刷の下流で利用される補償済みパターンとなる。
図21Aおよび図21Bは、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態により製造される、ライトフィールドプリントの説明に役立つ実例を示している。図21Aのライトフィールドプリントは、リア印刷層2102のすぐ上に、接触するように、置かれているフロント印刷層2101を備える。これらの層は、限定することなくLED2103および光導波路2104を含む、ランプを備えるバックライトユニットによって照らされる。
図21Bは、透明スペーサ2106によってリア印刷層2107から分離される、フロント印刷層2105を備えるライトフィールドプリントを例示している。この実施形態も、ランプ2108および光導波路2109を含む、図21Aに例示されているものと構造上同一であるバックライトによって照らされるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、インクまたはエマルジョンは、印刷層2101、2102、2105、および2107のフロントに面する表面上にあってよい。いくつかの実施形態において、インクまたはエマルジョンは、層のリアに面する表面上にあってよい。いくつかの実施形態において、層全体は、層の体積全体にわたって選択的に透明な減衰体であってよい。いくつかの実施形態において、減衰の特定のモード(たとえば、頂、底、または体積)は、層2101と2102との間で異なるものとしてよい。減衰の適切なモードを選択することによって、パターンが印刷される透明材料の厚さは、透明スペーサとして使用されてよい。
LED2103および光導波路2104は、側面照射型バックライトモジュールを例示している。バックライトモジュールの代替的な種類は、他の実施形態において使用され得る。バックライトモジュールは、側面照射型、前面照射型、または裏面照射型構成で編成された電界発光、蛍光発光、またはLED素子に基づくものとしてよい。同じ考察が2108、2019にも適用される。
図22は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態により製造される、ライトフィールドプリントの説明に役立つ別の実例を示している。前記ライトフィールドプリントは、放出および減衰層の積層物を含む。前記層は、個別の層を順次組み立てて印刷層の積層物を形成する本明細書で開示されている関連付けられている方法に対応し得る。印刷パターン2202は、ランプ2203および光導波路2204を含む、バックライトの表面上に印刷される。照明光源2203は、例として、限定はしないが、LEDであってよい。フラストレーテッド内部全反射の結果、インクがバックライト媒体2204の表面上に堆積される(2202)任意の配置で照射領域が出現する。次いで、減衰層2201がリア放出層に固定される。いくつかの実施形態において、減衰層2201は、放出層2204に直接固定されてよい。いくつかの実施形態において、減衰層2201は、間隔層によって分離される。層2201およびインク層2202上のターゲットおよび補償済みパターンは、本明細書において説明されている技術に従って計算され得る。
図23は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、自己アライメント印刷方法を使用して製造されるライトフィールドプリントの説明に役立つ実例を示している。例示されているのは、リアパターン2303が印刷される透明層2304である。透明セパレータ2302は、印刷パターン2303の上に固定される。いくつかの実施形態において、セパレータは、光学的接着剤を使用して固定され得る。次いで、フロントパターン2301が透明セパレータ2302上に印刷される。いくつかの実施形態において、スペーサ2302は、透明層2304の空間的配置に影響を及ぼすことなく固定される。これは、プリントベッドまたは円盤上で直接組み立てを実行することと、複数の層に対する繰り返し印刷パスを実行することとを含み得る。いくつかの実施形態において、UV硬化フラットベッドインクジェットプリンタが使用されてよい。このようにして、層の間および各層とプリントヘッドとの間のアライメントが保存され得る。いくつかの実施形態において、材料2301~2304の積層物は、エッジライト照明光源(edge-lit illumination source)2305および光導波路2306を備えるバックライト上に置かれるものとしてよい。
図24は、本明細書で説明されている技術のいくつかの実施形態による、ライトフィールドプリントを製造するための例示的なプロセス2400のフローチャートである。プロセス2400は、たとえば、システム410またはシステム2000を含む任意の好適なシステムによって実行されてよい。
プロセス2400は活動2402から始まり、そこで、複数のシーンビューが取得されてよく、そのシーンビューはプロセス2400を介して製造されるライトフィールドプリントを使用してレンダリングされる。複数のシーンビューの各々は、ライトフィールドプリントの観察者の配置に対応し得る。本明細書で説明されているように、シーンビューは、自然または合成シーンであってよい。各シーンビューは、シーンビューのうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)の各々に対する任意の好適な解像度のグレースケールおよび/またはカラー画像を含み得る。本明細書で提供されている技術の態様は、この点に限定されないので、任意の好適な数のシーンビュー(たとえば、少なくとも2、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、2から1000の間、10から800の間、またはこれらの範囲の任意の他の好適な組合せ)が活動1802において取得されるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、シーンビューは、少なくとも1つの画像ソースから1つまたは複数の画像にアクセスするおよび/または画像を受信する(たとえば、記憶されている画像にアクセスする、別のアプリケーションプログラムもしくはリモートコンピューティングデバイスから画像を受信する)ことによって取得され得る。いくつかの実施形態において、シーンビューは、最初に3Dシーン(たとえば、シーンの3Dモデル)の記述を取得し、次いで、プロセス2400の一部として、3Dシーンの取得された記述に基づきシーンビューを生成することによって取得され得る。
次に、プロセス2400は活動2404に進み、そこで、印刷プロセス情報が取得され得る。印刷プロセス情報は、図4Bを参照しつつ説明されている情報416のうちのどれかを含むものとしてよく、たとえば、層幾何学的形状情報、色モデル情報、印刷解像度情報、および/または印刷ダイナミクス(たとえば、活動2410における)に対するターゲットパターンを補償するために使用され得る任意の情報を含み得る。いくつかの実施形態において、層幾何学的形状情報は、組み立てられるべきライトフィールドプリント内での互いに関する層のサイズ、形状、および位置を記述する情報を含んでいてもよい。たとえば、層幾何学的形状情報は、層の各々が平面で、幅11インチおよび高さ17インチであること、ならびに層は組み立てられるべきライトフィールドプリント内で0.045インチ隔てられ得ることを指示し得る。別の例として、層は、組み立てられるべきライトフィールドプリント内で法線方向の表面に関して0.06インチの変位で隔てられるべきである湾曲した形状を取り得る。層幾何学的形状情報は、ソフトウェアパッケージ(たとえば、AUTOCAD)内の幾何学的モデルとして、またはファイル(たとえば、OBJファイル)として表現されてよい。
いくつかの実施形態において、色モデル情報は、利用可能な色チャネル(たとえば、利用可能なインクチャネルおよびプリントヘッドのセット内のインクセット)を表す色モデルおよび/またはインクセットの光学的性質(たとえば、スペクトル性質、1つの色のインクが別の色のインク上に重ね刷りされたときに色同士が互いにどのように相互作用するかに関する情報)を指定し得る。それに加えて、または代替的に、色モデルは、プリンタプロファイル(たとえば、ICCデバイスプロファイル)内に埋め込まれた任意の情報を含むものとしてよく、デバイス色空間(たとえば、PostScript、DeviceN、またはDeviceCMYK空間の用語で)を標準色空間(たとえば、sRGB)にどのようにマッピングするかに関する情報を含み得る。色モデルは、インク色の光学的性質を記述するものとしてよく、その非限定的な例は、シアン、マゼンタ、黄色、黒色、明るいシアン、明るいマゼンタ、オレンジ色、緑色、赤色、紫色、明るい黒色、ライトライトブラック、つや消しの黒色、光沢黒色、クリアインク、放射インク、グロスオプティマイザ、およびPantone色などの特定の標準化された色を含む。
いくつかの実施形態において、印刷解像度情報は、水平寸法および垂直寸法の両方(たとえば、水平および垂直DPI)における、1インチ当たりのアドレッシング可能なドット中心の数を含み得る。印刷解像度情報は、それに加えて、または代替的に、印刷システムによって生成可能な(たとえば、インチ単位でまたはその分数単位で測定される)ドットピッチまたはドットピッチの選択(ドット半径またはドット半径の選択)を含み得る。例示的なドットピッチは1/800インチであるものとしてよい。
次に、プロセス2400は活動2406に進み、そこで、少なくとも1つのボケ変換を指定する情報が取得され得る。少なくとも1つのボケ変換を指定する情報は、1つまたは複数のボケ変換を指定してよく、たとえば、図4Bを参照しつつ説明されている情報414のうちのどれかを含む任意の好適な種類の情報を含み得る。
次に、プロセス2400は活動2408に進み、そこで、ターゲットパターンが、活動2402において取得された複数のシーンビュー、活動2404において取得された印刷プロセス情報、および活動2406において取得された少なくとも1つのボケ変換を指定する情報に基づき生成され得る。これは、本明細書において説明されているやり方のどれかで、およびたとえば、図5~図16を参照しつつ本明細書において説明されている最適化技術のどれかを使用することによって行われ得る。
次に、プロセス2400は活動2410に進み、そこで、活動2408で生成されたターゲットパターンは、印刷および/または媒体ダイナミクスについて補償され、補償済みの(たとえば、ドットゲインの効果、印刷材料滲みの効果、および最大許容可能印刷材料密度の効果について補償された)ターゲットパターンを取得し得る。この補償は、本明細書において説明されているやり方のどれかで、または他の任意の好適なやり方で実行され得る。
次に、プロセス2400は活動2412に進み、そこで、補償済みターゲットパターンは、本明細書において説明されている種類のどれかを含む任意の好適な種類のプリンタまたは補償済みターゲットパターンを層上に堆積するための他の任意の技術を使用してフロントおよびバック透明層上に印刷される。ターゲットパターンが層上に印刷された後、それらの層は活動2414で組み立てられ、ライトフィールドプリントを作成する。層をライトフィールドプリントに組み立てることは、たとえば、プリントをアライメントし、それらを互いに接着する(たとえば、接着剤または他の任意の好適な手段を使用して)ことを含み得る。活動2414の後に、プロセス2400は完了する。プロセス2400は例示的であり、変更があることは理解されるべきである。たとえば、いくつかの実施形態において、活動2406および/または2410のうちの1つまたは複数は省略されてよい。
ライトフィールドプリントを製造するための別のプロセスは、図26を参照しつつ説明されており、この図は例示的なプロセス2600が本明細書において説明されている技術のいくつかの実施形態に従って印刷機を使用してライトフィールドプリントを製造するフローチャートである。プロセス2600は、たとえば、図27Aを参照しつつ説明されているコンピュータシステム2700および印刷機2715、または図27Bを参照しつつ説明されているコンピュータシステム2705および印刷機2730を含む任意の好適なシステムによって実行されてよい。
プロセス2600は活動2602から始まり、そこで、印刷機の少なくとも1つの特性が、その印刷機(またはその印刷機と同じ種類の別の印刷機)を使用して少なくとも一部は少なくとも1つのキャリブレーションパターンを印刷することによって識別される。キャリブレーションパターンの例が、本明細書において説明されている。キャリブレーションパターンを使用して測定され得る例示的な印刷機特性は、限定はしないが、基板に沿った少なくとも1つの方向で達成可能なレジスタリング精度(たとえば、基板に沿った、たとえば、印刷機内の基板の移動の方向および基板の移動の方向に直交する方向などの、2つの直交する方向に沿って)、印刷機のアライメントの程度、基板に沿った少なくとも1つの方向の最小線幅(たとえば、基板に沿った2つの直交する方向に沿った)、インクが載っていない状態の基板のスペクトル減衰、基板に載っているインクのスペクトル減衰、基板に載っているインクの組合せのスペクトル減衰(たとえば、基板の同じ面で互いの上に2つの異なる色のインクを印刷し、基板の一方の面に一方のインクを印刷し、同じ位置で基板の反対の面上に他方のインクを印刷する結果の組合せ)、および印刷機の1つまたは複数のチャネルの各々に対するドットゲインを含む。
それに加えて、活動2602において、印刷機の1つまたは複数の特性は、キャリブレーションパターンを使用することなく取得され得る。たとえば、印刷機のいくつかの特性は、ドキュメンテーション(たとえば、マニュアル、プレス仕様書など)、または印刷機の操作者から取得され得る。そのような特性の非限定的な例は、印刷機の解像度、印刷機に関連付けられているプレートセッターの解像度、印刷のため印刷機によって使用される基板の厚さ、基板の屈折率、および印刷機に対するフレキソ印刷歪み率(時には「ディスプロ(dispro)」係数とも称される)を含む。いくつかの実施形態において、キャリブレーションパターンを使用することなく取得される1つまたは複数の特性(たとえば、基板の屈折率、フレキソ印刷歪み率、基板の厚さなど)の値は、キャリブレーションパターンを印刷することによって検証され得る。
次に、活動2604において、複数のシーンビューを含むコンテンツが取得され得る。シーンビューは、プロセス2400を介して製造されるライトフィールドプリントを使用してレンダリングされるシーンビューである。複数のシーンビューの各々は、ライトフィールドプリントの観察者の配置に対応し得る。本明細書で説明されているように、シーンビューは、自然または合成シーンであってよい。各シーンビューは、シーンビューのうちの1つまたは複数(たとえば、すべて)の各々に対する任意の好適な解像度のグレースケールおよび/またはカラー画像を含み得る。本明細書で提供されている技術の態様は、この点に限定されないので、任意の好適な数のシーンビュー(たとえば、少なくとも2、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、2から1000の間、10から800の間、またはこれらの範囲の任意の他の好適な組合せ)が活動1802において取得されるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、シーンビューは、少なくとも1つの画像ソースから1つまたは複数の画像にアクセスするおよび/または画像を受信する(たとえば、記憶されている画像にアクセスする、別のアプリケーションプログラムもしくはリモートコンピューティングデバイスから画像を受信する)ことによって取得され得る。いくつかの実施形態において、シーンビューは、最初に3Dシーン(たとえば、シーンの3Dモデル)の記述を取得し、次いで、プロセス2600の一部として、3Dシーンの取得された記述に基づきシーンビューを生成することによって取得され得る。
次に、プロセス2600は活動2606に進み、そこで、フロントおよびバックターゲットパターンが、少なくとも一部は、活動2604で取得されたコンテンツ、および活動2602で識別された印刷機の少なくとも1つの特性に基づき生成される。フロントおよびバックターゲットパターンを生成するための最適化技術は、図4A~図16を参照することを含めて本明細書において説明される。
次に、プロセス2600は活動2608および2610に進み、そこで、フロントおよびバックターゲットパターンは、それぞれ、基板の第1の面および第2の面上に印刷機を使用して印刷される。デジタル印刷機が使用されるいくつかの実施形態において、印刷機を使用してターゲットパターンを印刷することは、(1)フロントおよびバックターゲットパターンを印刷機に送信することと、(2)印刷機に、フロントおよびバックターゲットパターンを印刷させること(たとえば、電子コマンドを印刷機に供給すること、印刷機の操作者に、ターゲットパターンを印刷することを開始するよう促すこと、などによって)とを含み得る。アナログ印刷機が使用されるいくつかの実施形態において、印刷機を使用してターゲットパターンを印刷することは、フロントおよびバックターゲットパターンをイメージセッターまたはプレートセッターに送信してプレスプレートを作成することを含み得る。次いで、作成されたプレスプレートは、印刷するプレスの生産構成を使用して基板上にインプリントされ得る。
いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンを印刷機(またはイメージセッターもしくはプレートセッター)に送信することは、ターゲットパターンを印刷機に、印刷機(および/またはそれに関連付けられている任意のコンピューティングデバイス)がいかなる色管理、ディザリング、または他の処理をも実行しない特定のフォーマットで送信することを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンは、生成されるパターンが印刷機上でドット単位で印刷されるように1ビットTIFFフォーマットを使用して事前スクリーニングされた2値化データ(連続階調データではなく)として印刷機に送信され得る。
しかしながら、他の実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンは、印刷されるべき他の2Dコンテンツと組み合わされ得る。いくつかのそのような実施形態において、追加の2Dコンテンツは、適切な色管理ソフトウェアで処理され(たとえば、ディザリングされ)、その後印刷機に送信される、1つまたは複数のDevice CMYK PDFファイル内のフロントおよびバックターゲットパターンと組み合わされ得る。
プロセス2600は例示的であり、変更があることは理解されるべきである。たとえば、図26の例示的な実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンは、同じ基板の2つの異なる面上で印刷される。しかしながら、他の実施形態では、フロントおよびバックターゲットパターンは、印刷プロセスが完了した後にアライメントされ接着され得る異なる基板上で印刷され得る。そのような実施形態の例が、本明細書において説明されている。
図27Aおよび図27Bは、本明細書において説明されている技術のいくつかの実施形態による、基板の2つの面上にパターンをインプリントすることによってライトフィールドプリントを作成するために、それぞれ、使用される、デジタル印刷機システムおよびアナログ印刷機システムを例示している。図27Aは、コンピュータシステム2700に(たとえば、有線、ワイヤレス、および/またはネットワーク接続を介して)通信可能に結合されている例示的なデジタル両面印刷機2715を例示している。いくつかの実施形態において、印刷機2715は、Xeikon両面印刷機または他の任意の好適な種類の両面印刷機であってよい。コンピュータシステム2700は、好適な任意の種類のものであってよく、1つまたは複数のコンピュータハードウェアプロセッサを備え得る。
図27Aに示されているように、印刷機2715は、たとえば、透明フィルムであってよい、印刷基板2702のロール2701を備え得る。印刷機2715は、印刷基板2702の少なくとも一部をフロント面インプリント機構2703およびバック面インプリント機構2704に、それぞれ通すように構成され得る。フロント面インプリント機構およびバック面インプリント機構は、ブランケット印刷機構、トナー印刷機構、写真平版印刷機構、および/または不透明パターンを透明材料上にインプリントするための他の任意の好適な機構の構成要素となり得る。印刷機2715は、フロント面インプリント機構2703およびバック面インプリント機構2704を備える単一印刷ステーションを有するものとして図示されているが、これは、説明をわかりやすくするためであり、制限するためではなく、デジタル印刷機は任意の好適な数の印刷ステーション(たとえば、異なる色で印刷するための複数の印刷ステーション)を有し得る。いくつかの実施形態において、印刷機2715は、印刷機をアライメントする(たとえば、フロント-バックアライメントおよび/またはステーション間アライメントを実行することによって)ように構成されている視覚的サーボ動作システム(図示せず)を備え得る。
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2700は、デジタルデータをデジタル印刷機2715に送信して、印刷基板2702をロール2701からそれぞれフロント面インプリント機構2703およびバック面インプリント機構2704に供給することを行わせるものとしてよい。次いで、デジタル印刷機2715は、基板2702のいずれかの側でアライメントされた、ライトフィールドターゲットパターンでパターン化された透明基板を形成し、それによって1つまたは複数のライトフィールドプリントを製造するものとしてよい。
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2700は、本明細書において説明されているプロセス2600の1つまたは複数の活動を実行するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2700は、デジタル印刷機2715の1つまたは複数の特性を識別するために使用され得る。そのような特性の例が、本明細書において提供されている。たとえば、コンピュータシステム2700は、印刷機2715に、1つまたは複数のキャリブレーションパターンを印刷させるものとしてよく、次いで、これらのパターンは、本明細書で説明されているような印刷の1つまたは複数の特性を識別するために使用され得る。別の例として、コンピュータシステム2700は、1つまたは複数の識別された特性の値およびライトフィールドプリントを使用してレンダリングされるべきコンテンツに基づきフロントおよびバックターゲットパターンを計算し得る。フロントおよびバックターゲットパターンを生成するための計算技術は、本明細書において説明されている。
コンピュータシステム2700がターゲットパターンを生成するか、別のソースからターゲットパターンを取得するかに関係なく、いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2700は、ライトフィールドプリントを製造するためにターゲットパターンを印刷機2715に送信し得る。ターゲットパターンは、1ビットTIFFフォーマット、Device CMYKフォーマット、または他の任意の好適なフォーマットを使用して印刷機に送信され得る。
図27Bは、コンピュータシステム2705に(たとえば、有線、ワイヤレス、および/またはネットワーク接続を介して)通信可能に結合されているアナログ両面印刷機2730を示している。図27Bの例示的な実施形態において、印刷機2730はウェブオフセット印刷機である。しかしながら、他の実施形態では、印刷機2730は、凹版印刷機、フレキソ印刷機、枚葉給紙印刷機、および/または他の任意の好適な種類のアナログ印刷機であってよい。コンピュータシステム2705は、好適な任意の種類のものであってよく、1つまたは複数のコンピュータハードウェアプロセッサを備え得る。印刷機2730は、プレスプレート2707を作成するように構成されているプレートセッター2706、印刷基板2708のロール、プレートシリンダー2710、水ローラー2709、インクローラー2711、インプレッションシリンダー2713、およびリバーシングステージ2714を備える。
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2705は、所望のライトフィールドプリントの各面についてプレスで使用するのに適しているプレスプレート2707を作成するようにプレートセッター2706に指令を送る。プレスプレート2707は、ライトフィールドプリントの第1の面について生成されたパターンを表す第1のプレートと、ライトフィールドプリントの第2の面について生成されたパターンを表す第2のプレートとを備え得る。プレス操作者は、第1のプレート2707をプレートシリンダー2710上に装填する。プレス操作者は、プレスに、透明基板材料をロール2708からプレスに通して供給することを行わせる。基板は、シリンダー2712およびインプレッションシリンダー2713をインプリントすることによってインプリントされる。水ローラー2709およびインクローラー2711は、オフセットプレス上で2Dコンテンツを印刷するときと同じプロセスに従って、プレートシリンダーを準備し、インクを付けるように図示されている。第2のプレートは、対応するやり方でリバーシングステージ2714内に装填され、基板の第2の面をインプリントする。リバーシングステーション2714は簡単のため反転されたステーションとして図示されているが、基板をひっくり返すことなく基板のバック面をインプリントするためにより複雑な媒体経路を採用し得る。代替的に、いくつかの実施形態においてターンバーが使用され得るか、または基板がプレスの終わりに再スプールされ、第2のパスで反転されて通されて供給され得る。枚葉給紙プレスでは、用紙は、両面枚葉給紙プレスが利用可能でない場合には2回目にひっくり返され通され得る。1つまたは複数の追加のステーションが、追加の色チャネルをインプリントするために使用され得る。いくつかの実施形態において、印刷機2730は、印刷機をアライメントする(たとえば、フロント-バックアライメントおよび/またはステーション間アライメントを実行することによって)ように構成されている視覚的サーボ動作システム(図示せず)を備え得る。図示されているアナログ印刷機システムの出力は、透明基板の両面にパターンを生成するライトフィールドを備えるライトフィールドプリントとなる。
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2705は、ターゲットパターンをプレートセッター2706に送信して、プレートセッター2706に、透明基板をロール2708上にインプリントするために使用されるべき印刷プレート2707を生成させ、それによって、1つまたは複数のライトフィールドプリントを製造し得る。
いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2705は、本明細書において説明されているプロセス2600の1つまたは複数の活動を実行するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2705は、アナログ印刷機2730の1つまたは複数の特性を識別するために使用され得る。そのような特性の例が、本明細書において提供されている。たとえば、コンピュータシステム2705は、プレートセッター2706に、1つまたは複数のキャリブレーションパターンを印刷するためのプレートを生成させるものとしてよく、次いで、これらのパターンは、本明細書で説明されているような印刷の1つまたは複数の特性を識別するために使用され得る。別の例として、コンピュータシステム2705は、1つまたは複数の識別された特性の値およびライトフィールドプリントを使用してレンダリングされるべきコンテンツに基づきフロントおよびバックターゲットパターンを計算し得る。フロントおよびバックターゲットパターンを生成するための計算技術は、本明細書において説明されている。
コンピュータシステム2705がターゲットパターンを生成するか、別のソースからターゲットパターンを取得するかに関係なく、いくつかの実施形態において、コンピュータシステム2705は、ライトフィールドプリントを印刷するための印刷プレートを製造するためにターゲットパターンをプレートセッター2706に送信し得る。ターゲットパターンは、1ビットTIFFフォーマット、Device CMYKフォーマット、または他の任意の好適なフォーマットを使用して印刷機に送信され得る。
セキュリティおよび真正性の用途-ライトフィールド印刷を使用してセキュリティ特徴を作成する
本明細書で説明されている技術に従って製造されるライトフィールドプリントは、限定はしないが、パスポート、身分証明書(ID)カード、納税印紙、および紙幣を含む高セキュリティ文書の作成に使用され得る。以下で説明されている用途において、印刷生産および仕上げのための有利な、または例示的な構成が提示される。これらは、非限定的な説明であり、発明者らは、本明細書において説明されている方法のうちの多くが広く応用されることを認識している。ライトフィールドパターンが1パスで、または最適化後補償を条件として、最適化される図24および図26に示されている方法は、両方とも以下の用途に適用可能である。
開封防止シール
いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている技術は、開封防止シールを製造するために使用されてよい。開封防止シールの目標は、製品パッケージまたはケースが開かれたときに、または真正性デカールが移動された、取り外された、または交換されたときにそのことを明らかにすることである。これらの目的のために、開封防止シールは、再生すること困難であり、訓練を受けていない人でも容易に認識可能であり、シールを取り外す利用可能な機械的または化学的手段を用いると取り返しが付かないほどに破壊してしまう十分な脆弱性を有するものであるべきである。開封防止シールを作成する従来のアプローチでは、典型的には、裏面に粘着剤を塗った箔およびフィルムを採用し、取り外すと箔またはフィルムが破れるか、または薄い層に裂け、フィルムを破壊し、および/または製品上に目に見える残留物を残す。
発明者らは、開封防止シールの役割を果たし得る多層ライトフィールドプリントを作成するやり方を開発しており、これはシールを取り外す、交換する、または他の何らかの形で改竄する作業を明白にするものであり、上記の条件を満たす。
いくつかの実施形態において、開封防止シールは、2つの接着剤層によって裏当てされた2つのパターン化層を備える。たとえば、図28は、パターン化層2801を示しており、透明接着剤裏当て2802、パターン化層2803、拡散層2804、および透明接着剤裏当て2805が製品表面2806の上に配置されている。層2801から2805はセキュリティシールを備え、理想的には、製品表面2806とは別に製造される。パターン化層2803および拡散層2804は単一のパターン化拡散層に組み合わされ得るか、または一緒に追加の接着剤層(図示せず)と接着され得る。層の間隔は、縮尺通りでない。層2801と2803との間の分離距離は、ライトフィールド再現にとって重要である。所望の間隔を達成するために説明されている実施形態には多くのオプションがある。2801および2803はフロントプリントまたはバックプリントのいずれかであってよく、材料厚さは、所望の間隔を達成するように調整され得る。代替的に、別の間隔層(図示せず)が2802と2803との間の積層物内に配置され、適切な接着剤層が加えられるものとしてよい。
いくつかの実施形態において、開封防止シールを作成することは、製品表面2806から取り外しにくいリアパターン化層2803/2804を作成することを伴い、化学分解に耐え、機械的応力の下で形状剛性を保つ。他方では、頂部パターン化層2801は、その下の層に軽く接着された柔らかい、変形可能な、溶解しやすい材料を使用して作成され得る。パターン化層2803を、製品表面2806から取り外しにくいものにするために、接着剤2805は、パターン化層2803および拡散層2804の引き裂き抵抗に比べて強い結合強度を有するべきである。パターン化層2803は、高ヤング率を有する透明材料から作られるべきであり、このことは、伸縮性を有せず、応力の下で形状を保つことを意味する。アクリル、ポリカーボネート、またはポリエステルなどの材料はこれに適しているが、開封防止シールを異なるコストで、または異なる材料もしくは化学特性により作成するために置き換えられ得る当業者に知られている多くの代替的材料がある。
いくつかの実施形態において、頂部パターン化層2801は、容易に変形されるように、低いヤング率を有する透明材料から作られる。透明ビニールおよび類似の材料は1つのそのような一例である。したがって、機械的改竄は、層2801が変形するので明らかになる。本出願において説明されている方法によって作成されるパターンは小さなミスアライメントに対して敏感である、すなわち、2803に関する層2801の小さな変形は明らかになる。いくつかの実施形態において、層2801は、水を含む、普通の溶媒中に可溶性である材料からも作られ、それにより、開封防止ラベルの化学的処理は最上層2801を変形または破壊することになる。最上層2801が変形または破壊されると、開封防止シールはライトフィールド画像を形成する能力を失う、すなわち、観察者には浮かぶ画像が見えず、何らかの形態の改竄が生じたことを示す。
いくつかの実施形態において、接着剤層2802は、層2801の歪みまたは除去を妨げないように弾性、またはゴム状の、接着剤から作られるものとしてよいが、接着剤層2805は、層2803および2804を製品2806から無傷で取り除くことを妨げる強い剛体接着剤から作られるべきである。
真正性シールまたはバッジ
いくつかの実施形態において、本明細書において説明されている技術は、真正性シールを製造するために使用されてよい。真正性シールまたはバッジは、開封防止シールに類似しており、再生するのが困難であることを意図されている。しかしながら、真正性シールまたはバッジは、開封防止シールよりも耐久性があるべきである。これは、製品を真正であるとして、または信頼できるソースに由来するものとして識別することを意味している。この状況において、マークの耐久性があることが望ましい。
いくつかの実施形態により作成される、例示されている真正性シールは、図29に示されている。図29の真正性シールを製造するためのプロセスは、図28に例示されている開封防止シールを製造するプロセスと比較して簡素化されている。図29に示されているように、多層ライトフィールドプリントのパターン化層は、顔料2902および2904が各面にパターン化されている、オフセット印刷機上で印刷された単一の両面フィルム2903を備える。ラミネート層2901は積層物の上に固定され、損傷から保護するように追加の層を提供する。接着剤層2905は、光学的積層物を製品表面2906に接着するために使用される。代替的実施形態において、顔料層2902および2904は、独立した層(図示せず)上に置かれ、たとえば、本明細書において説明されているアライメントマークを使用して組み立て時にアライメントされることも可能である。
いくつかの実施形態において、製品表面2906は、透明または拡散半透明であり、周辺光、もしくはアクティブ光源によって背後から照らされるものとしてよい。他の実施形態において、パターンは反射するように設計され、製品表面2906は拡散散乱表面であってよい。
検証可能なパターン
いくつかの状況において、2つの一意的な文書を作成することが有利であり得、それにより一方の文書は、他方の文書の真正性を検証するために使用できる。いくつかの実施形態において、文書の一方のセットは一方の検証パターンにより印刷されてよく、文書の第2のセットは第2の検証パターンにより印刷され得る。第1および第2の検証パターンがアライメントされたときに、これらは、文書の第2のセットの真正性が検証されたならば、文書の第1のセットの真正性を観察者が視覚的に確認することを可能にする画像を公開するものとしてよい。このアプローチは、チケット、身元確認文書、および他の資格証明書の真正性を検証するために使用されてよい。
本明細書において説明されている技術は、公開される画像が浮かぶホログラム風の3D画像であるように観察者から見える、ライトフィールド画像であるようにそのような検証可能なパターンを作成するために使用され得る。一対の検証可能なパターンは、本明細書において開示されている方法を使用して作成された多層ライトフィールドプリントの2つの層であってよい。
1つの例示的な実施形態が図30に示されており、これは検証可能なパターン3002の上に置かれた検証可能なパターン3001を示しており、前記パターン3001および3002は、本明細書において説明されているライトフィールドプリント技術を使用して生成された一対のパターンである。これらのパターンは透明プラスチックフィルム上に再生され、照明源3003およびアライメントピン3004を備えるビュワー装置内に置かれ、これはパターン3001および3002を含むプラスチックフィルム内の物理的孔の中に摺動して入る。次いで、人間の観察者(またはカメラシステム)3005は、知られているライトフィールド画像の存在を観察することによって未知の文書の真正性を検証することができる。
パターンの配置構成およびビュワーデバイスの合成への変更も可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、自然光が光源に使用できるか、またはピンアライメントはエッジアライメントについて交換され得る。いくつかの実施形態において、パターンは、間隔層(図示せず)によって隔てて並ぶものとしてよい。
製品パッケージ、外側
人目を引く3D画像を消費者包装商品の外側に提示することで、販売に強い影響力を有することができる。そのような視覚的効果は、本明細書において説明されているライトフィールド技術を使用して達成され得る。不透明パッケージングでは、本明細書において開示されている方法を使用して生成される、印刷パターンの1つは、紙または白色プラスチックなどの、パッケージに直接パッケージの拡散表面上に印刷することができる。第2のパターン化層はアライメントされ、第1の層の上にラミネートされ、それにより、所望のライトフィールド効果を達成するものとしてよい。
図31は、いくつかの実施形態による、パターン3102が片面に印刷されている不透明製品パッケージボックス3101を例示している。第2の印刷パターンを有する透明プラスチック3103のシートはアライメントされ、パターン3102の上にラミネートされる。前記印刷パターンは、本明細書において開示されている方法に従って作成され、それにより、前記印刷パターンは反射多層ライトフィールドディスプレイを作成するように設計される。観察者3104は、軸外配置からパッケージを見ているものとしてよい(たとえば、パッケージは特定の棚に置かれるように設計される)。層3102および3103上のパターンは、パターンによって生成されたライトフィールドイメージを予想される観察者の配置3104の方へ最適な形で向けるように作成され得る。他の実施形態において、両面印刷フィルムの単一シートがパッケージ表面にラミネートされ得る。
製品パッケージング、透明、片面
消費者包装商品が透明パッケージングにパッケージされる場合、透過光および半透明または透明ラベリングを、本明細書において開示されている方法と組み合わせて使用することでライトフィールドイメージを作成することが可能である。図32は、いくつかの実施形態による、透明製品パッケージングに対するライトフィールドプリントの作成を例示している。製品パッケージ3201は、パッケージの領域が透明または半透明になるように製作され、両面印刷フィルム3203で覆われ、フィルムの片面は、第1のターゲットパターン3202で印刷されており、フィルムの他面は、第2のターゲットパターン3204で印刷されている。アライメントされたパターン3202および3204は、プラスチック層3203の厚さだけ隔てられ、観察者の配置3205にライトフィールド画像を形成する。任意選択で、パッケージを表示する棚載せユニット内に組み込まれている照明源3206は追加の照明をもたらし、ライトフィールド画像をより見やすくする。
図32の例示的な実施形態は、多数のやり方のうちのいずれかで修正され得る。プラスチックの複数の層が印刷パターンで印刷され、アライメントされ、パッケージにラミネートされ得る。または、一方の印刷パターンがパッケージング材料上に直接印刷されてよく、他方の印刷パターンは、第1の印刷パターンの上にラミネートされたシート上に印刷される。代替的に、両方の印刷パターンが、透明パッケージング材料のいずれかの側に一方が来るように、製品パッケージング上に印刷され得る。別の有利な実施形態は、ジュース、アルコール、油、または水などの澄んだ、または透明な製品を含む透明パッケージの前に1つのパターンを印刷することを含む。第2のパターンはバックに印刷され、それにより、適切な角度から見たときにライトフィールドを形成することができる。たとえば、見かけの3D画像が、この方法を使用してパッケージの内側に浮き上がるようにすることができる。前述のすべてのパターンは、開示されている方法に従って生成され得る。いくつかの実施形態は、コロナ処理を使用して、所望の程度のインク付着を達成してパターン化層を形成するものとしてよい。
発券および通貨の用途
発券および通貨の用途では、偽造者になろうとする者にフラストレーションを起こさせることを意図した固有のマークを有することが有利である。発明者らによって開発され、本明細書において説明されているライトフィールド印刷技術は、そのような固有のマークを提供し、チケットまたは紙幣における透明窓として使用され得る。
1つの例示的な実施形態が図33に示されており、これはパターン化された顔料層3302および3304を有する、単一の両面プリント3303を含む多層ライトフィールドプリントを示している。前記パターン化された顔料層は、いくつかの実施形態においてオフセット印刷機または類似の印刷機によって作成され得る。チケット、通貨、および類似の文書の場合、他のセキュリティ特徴と潜在的に組み合わされる、不透明文書内の開口内に透明セキュリティ特徴を出現させることが望ましいことが多い。図33において、この状況が示されている。不透明層3301および3305は、文書のフロントおよびバックで開口3307および3308を含み、これにより、ライトフィールドプリントが開口領域内で見えるようにできる。層3301、3303、および3305は、1パスで、または印刷機のその後の複数のパスで組み立てられ得る。
いくつかの実施形態において、パターン3302および3304は、プリントが透過性ディスプレイではなく、反射性のディスプレイに適しているように準備されるものとしてよい。そのような場合、開口3307および3308は、不要である。たとえば、ハイブリッド設計も可能であり、裏当て層3305は半透明であり、開口3308は取り除かれ、フロント不透明層3301は存在していない。光が遮られずにフロントパターン化層3302を通過することを論理的に可能にするほとんどのそのような組合せは、文書内に固有の浮いているホログラム風の画像を形成することができ、これは複製が難しいことを実証する。他の実施形態において、コロナ処理プラスチック材料は、チケットおよび紙幣に使用され得る。
紙幣
いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントを作成するために使用されるターゲットパターンは、透明フィルムのいずれかの面に印刷される。多くの紙幣は、2軸配向ポリプロピレン(BOPP)上に印刷され、高解像度プレスで印刷され、紙幣のフロントおよびバックと紙幣の色チャネルの各々との間の厳しいレジスタリング精度で印刷されるので、ライトフィールド印刷と紙幣生産との間に優れた技術的アライメントがある。
いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントパターンは複数のプレートに供給され、SIMULTANプレスにおいて使用され、正確なフロント-バックレジストレーションで紙幣を印刷するように設計される。プレスは、プレス特徴付けに関して本明細書の節において説明されているように特徴付けられるべきである。いくつかの実施形態において、フロントおよびバックターゲットパターンを生成するために使用されるパターン生成プロセスは、1200から15000DPIの間の印字解像度を使用して、厚さ50から100ミクロン(μm)である基板上に所望の効果を形成するようにチューニングされ得る。
しかしながら、ライトフィールド生成パターンの直接印刷に向いている透明基板上に印刷される紙幣もあるが、世界のほとんどの国では不透明基板による紙幣を使用している。これらの紙幣と親和性の高い印刷可能なライトフィールド特徴を作成するために、発明者らは、以下で説明されている多数のオプションを開発した。
いくつかの実施形態において、印刷ライトフィールドイメージは、不透明紙幣基板内に透明窓を一体化することによって不透明基板を使用する紙幣と一体化され得る。使用できる透明窓は数種類ある。いくつかの実施形態において、窓は、オフセットプレスまたはフレキソプレス上で本明細書において概要が述べられているステップにより最適化されたライトフィールドパターンを最初に印刷され、次いで、ダイス切断または他の好適な機械を使用して可能なときに、切断され、その後、製造時に紙または他の不透明基板内に組み込まれる、「糸」または幅の狭い帯状の透明材料を形成する。
他の実施形態において、紙の製造時に紙基板内に窓を組み込むのではなく、紙に孔をレーザーカットまたはダイカットで開け、次いで、ライトフィールドパターンを印刷された透明フィルムがその孔の中に型押しされるものとしてよい。これらの用途のための透明窓材料は、厚さ50から100ミクロンをターゲットとしており、この用途の印字解像度は1200から15000DPIの範囲内である。
今日では紙または他の不透明材料でコーティングされた透明基板を使用して生産されている紙幣もある。本明細書において説明されている技術のいくつかの実施形態において、紙コーティングは、紙幣の領域上の両面で省かれ、ライトフィールド生成パターンが印刷され得る透明窓が使用できる。
不透明基板を使用して印刷ライトフィールド画像を紙幣と一体化するための別の技術は、いくつかの実施形態において、不透明基板の上にラミネートされるように設計されている反射モードライトフィールドプリント、または透明基板の上にラミネートされるように設計されている透過モードライトフィールドプリントを作成することである。いずれかの場合において、別の基板の上にラミネートされるように設計されている印刷フィルムを作成するときに、非常に薄い、いくつかの実施形態では25ミクロン(μm)ほどの薄さの基板を作成することが望ましい場合がある。ライトフィールド効果を作成し得るこの厚さのパターン化材料を作成することも、高解像度で印刷することを必要とする。上記の25ミクロン(μm)フィルムについて、フィールド効果を作成するために必要な最小パターン化解像度は、4000DPIである。最大15000DPIまでのより高い解像度でフィルムをパターン化することで、より劇的な効果を生じさせることができる。
別の基板の上にラミネートする上で十分に薄いパターン化されたフィルムを作成するために、ナノファブリケーション技術を採用することは有利である。いくつかの実施形態において、たとえば、NANOSCRIBEは、透明ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、またはポリエステルフィルムなどの透明な25ミクロン(μm)フィルム上にインプリントされ得る非常に小さな特徴によるレリーフプレートを作成するために使用され得る。他の実施形態では、NANOOPSナノファブリケーションプリンタが、シリコン基板上にパターン化されたフィルムを作成するために使用される。SU-8フォトレジストなどの透明材料からの透明犠牲層が、最初に、シリコン基板上に堆積され、次いで、金属層が堆積されてプリントの不透明領域を形成し、金属層はSU-8フォトレジストなどの透明材料の層によって分離される。
いくつかの実施形態において、ライトフィールドの底層を含む特徴が透明基板の上に印刷され得る。次いで、パターンは、印刷プロセスにおける後の段階で透明ワニス層で刷り重ねられるものとしてよい。その後のステップは、所望の厚さのワニスを固着させて印刷ライトフィールドパターンの層の間に所望の間隔を形成し、次いで第3の後の段階で、ライトフィールドパターンの最上層からの特徴をワニス層の上に印刷することを含む。
いくつかの実施形態において、ライトフィールドパターンが、図34に例示されているように、UV照射の下でのみ見えるように不透明または透明基板(3403)の上に作成され得る。この目的のために、いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリント(3402)の第1の層は、例示的な発光スペクトル3405を有する可視スペクトルで光を放射する例示的な吸収スペクトル3406によりUV吸収リン光体を使用してパターン化されるものとしてよい。ライトフィールドプリント(3401)の第2の層は、図34に示されているように、例示的な吸収ノッチ3404を有するリア層を含むリン光体の蛍光発光波長にマッチする吸収ノッチを有する透明インクを使用してパターン化され得る。上記の実施形態は、ライトフィールドプリントを形成するために利用可能な加工方法のうちのどれかを使用して達成され得る。特に、透明基板の場合、第1および第2の層は、基板のいずれかの面に印刷され得るが、不透明基板の場合、この実施形態では、有利には、第1および第2の層が互いの上に印刷されることを可能にし、任意選択の透明ワニス層が基板の単一の面上でそれらを分離する。
いくつかの実施形態において、最適化されたライトフィールドプリントは、2色性特徴を形成するために使用され得る。そのような特徴は、光がフロントから反射されたときに一方の色、および光がバックからプリントを透過したときに異なる色のものとして見える。たとえば、白色光源を使用してフロント側から反射的に照射され、キャリブレーションされたカメラによって測定されたときに、測定された色度値は、同じ光源を使用して、バックから同じ印刷透過性で照射することによって得られる測定値と異なる。2色性特徴は、公に利用可能である紙幣見本上で実証されており、たとえば、印紙、個人ID文書、ラベル、パッケージング、および他のセキュア文書などの他のセキュア文書上で使用されてよい。
ライトフィールドプリントが最適化されれば、2色性効果を実現する1つのやり方は、最上層がプリントの反射色度に影響を及ぼす黒色インク材料の代わりに不透明な反射材料によりパターン化され、透過色度が媒体それ自体の色度を修正することによる、およびそれに加えて、または代替的に、印刷される色インクの層をプリントのいずれかの側の反射材料の下に施すことによる影響を受ける、そのようなプリントを生産することである。たとえば、最上層は、反射的金属銀インクにより、または金属銀層を選択的に堆積することによって印刷され得、この最上層は、透明な青色基板の上に生産され得る。代替的に、最上層は、これらの方法を使用して、たとえば、透明基板の上に印刷または堆積することによって生産されることが可能であり、リア印刷層は、プリントを透過モードで青色に視覚的に着色する透明青色「フラッドフィル」インクを含む。いくつかの実施形態において、リア層は、標準インクを使用して他のすべての層の下に印刷されるか、または代替的に、不透明金属インクを使用して印刷されることも可能である。これらの特定の例は、反射モードで銀色を、透過モードで青色を生み出す最適化されたプリントに関連しており、色度の他のセットは、他の色度を有する代替的材料、たとえば、紫色透明基板のフロント層上で金金属インク、または透明基板のフロント層上で金金属インク、および透過モードでプリントを紫色に着色するために施される紫色リア「フラッドフィル」インクを使用することによって実現され得る。
それに加えて、2色性プリントに対して最適化された特定なパターンは、フロント層、または各個別の層が、ボケ変換を層パターンに適用した後に一定の平均値を有するように計算により設計され得る。たとえば、設計プロセスにおいて、フロント層画像は、空間的平均化の後に一定値を有するように設計され得る。これは、反射的に照射されたときに、フロント金属層が最小の見える構造を有するであろう2色性プリントの外観を形成する。そのような実施形態において、3D画像、アニメーション、または色変化効果などの、ライトフィールドプリントの可視コンテンツは、透過モードでのみ見える。
身元確認文書
身元確認文書は、高いセキュリティと可変印刷とが交差する領域である。発明者らは、最適化されたライトフィールドプリントは、この応用分野では変換性を有し、デジタルプレス上で任意のライトフィールドを印刷することができるため、変化するホログラム風の画像を文書毎に印刷することが可能であることを認識している。
身元確認カードは、多くの場合に、専用のスタンドアロンプリンタを使用して印刷される。いくつかの実施形態において、IDカードまたは文書の基板の一部は透明のままであり、カスタムIDカードプリンタは、高精度両面プリンタとなるように適合される。このプリンタは、プリンタに対してカスタマイズされたターゲットパターンをサーブするネットワークアクセス可能なAPIと通信する機能を備える。
他の実施形態では、IDを印刷するために使用されるカード基板は、カスタマイズされたライトフィールドパターンを事前印刷され、IDカードプリンタ内に挿入される。いくつかの実施形態において、カードは、IDカードプリンタが印刷されているIDカードブランクに特有のパターンを作成することを可能にする埋め込みコードを有する。
運転免許証およびパスポートなどの政府発行IDも、印刷ライトフィールドセキュリティ特徴の重要な用途である。紙幣およびIDカードに対する上で説明されている技術は、一般的に、パスポートおよび免許証にも同様に適用される。これらの文書は、ライトフィールドプリントを帯びた透明窓を有し得るか、全体的に透明であり得るか、またはそれらの上に直接印刷されるか、またはラミネートされるかのいずれかの反射プリントを有し得る。
製品パッケージング用の商標保護特徴
発明者らは、ライトフィールドプリントが、見る人の注意を引き、一方の商標を他方の商標から区別できる明白なマークを備えることによく適している新規性のある魅力的なパターンを形成できることを理解している。そのような商標保護の用途は、多くの純粋なセキュリティの用途とも重なるものであり、消費者が一般的な、または偽造の製品に対して真正の製品を識別することを可能にする。現在透明基板上に印刷され、したがって印刷ライトフィールド画像を作成することに適する一般的なラベルおよびパッケージング特徴の非網羅的なリストは、衣類および他の繊維製品用の下げ札、ギフトカードおよび他のストアドバリューカード、クレジットカード、ボトルおよびジャー、ブランド非売品などのおもちゃおよびノベルティ品である。
いくつかの実施形態において、ライトフィールド生成パターンは、図35に例示されているように、偽造のためラベルを切り離してライトフィールド特徴を取り外すことが難しいか、または不可能であるように他の印刷されたコンテンツと絡み合っているものとしてよい。印刷セキュリティラベル3500は、領域3501内に含まれるライトフィールド生成パターンを含む。しかしながら、これは、また、2Dテキスト3502およびグラフィックス3504と混ぜられた、ラベル全体にわたるライトフィールド生成パターン(3503)も含む。
いくつかの実施形態において、製品パッケージングは、特定の角度からのみQRコードを示すライトフィールドプリントを含む。QRコードは、好ましい角度から見たときに、携帯電話のカメラまたは他のコードリーダーで見ると矩形であるように事前に歪まされる。
多くの場合、市販の印刷システムは、高セキュリティ印刷機の解像度が利用可能でないか、またはプリントの色ステーションまたはサイドの間のアライメント精度が全範囲のライトフィールド効果を達成するのに十分でない制約された生産環境となっている。発明者らは、解像度およびアライメントの制約のある有用な特徴を作成するための様々な技術を開発している。3D、3D反復、および色シフトのような種類の特徴は、正確な印刷およびレジストレーションの必要性の減じる順序でリストされて、最適化されたライトフィールドソルバー(light field solver)に指定することができる。
プレスが小さな特徴を作成することができるが、プリントの層は3D効果を達成するために十分な精度で確実にアライメントされ得ないシナリオにおいて、反復3Dパターンをより広い領域にわたって作成することで、大きな層ミスアライメントの許容範囲を考慮できる。
説明に役立つ実例において、2つの印刷機を考察する。プレスAおよびプレスBは両方とも、透明4ミル媒体上に2400DPIのパターンをインプリントすることができる。各プレスによって作成される特徴のサイズは1/2400インチである。しかしながら、プレスAは、高精度プレスを考慮し、1/1200インチの範囲内でフロントインプレッションおよびバックインプレッションの見当合わせをすることができるが、プレスBは、サーボ制御リバーシングステーションを有さず、その代わりに、1/200インチの範囲内に層をアライメントすることのみができる。さらなる洞察がないと、プレスBが高品質ライトフィールドプリントを作成する高解像度印刷能力を使用することは可能でない。200から400DPIの範囲内の有効解像度で印刷する必要があり、これは達成可能なポップアウト/被写界深度を大幅に減少させ、結果として得られる画像の見かけのボケ具合を高める。
図36は、空間と角度の両方における反復パターンを形成するように設計されているライトフィールドプリントの一例を提供している。いくつかの実施形態において、結果として3Dパターンの反復を生じる最適化されたライトフィールドパターンを作成することが可能であり、ミスアライメント層は中心ビューに視覚的に類似するように見えるビューを作成する。ミスアライメントを管理するのに有用である異なるトレードオフの関係は、図37に示されており、以下で説明される。反復ビューを作成することは、ミスアライメントを管理するための有利な方法として発明者らによって認識されている。アライメントが正確に制御され得る場合であっても、反復ビューを使用して、層の物理的間隔またはボケサイズを変えることなくプリントの視野角を拡大することは有利であり得る。行われるトレードオフは、冗長性の1つである-反復3Dシーンは、正しく表現された場合に、バリアとともに作られる2層ライトフィールドプリントのフォーマットで容易に表せる冗長性を生み出すことができる。印刷ライトフィールドディスプレイによって表現されているデータが高度に冗長性を有するように最適化されたライトフィールドソルバーに対してビューを指定する際の重要な洞察は、反復画像がシーンの反復の間の小さなシフトを除き循環することである。これは、図36に示されており、3Dパターン3601は、パターン形成が本明細書で説明されている帯域制限最適化技術を使用したときに、空間的に反復し、パターン形成で使用されるボケサイズに等しいシフトで、反復しオフセットされることの両方がなされる。3602および3603は、3Dパターンの隣接する角度反復の中心ビューを表す。空間的シフトは、中心ビュー3601、3602、および3603の間で、中心線3604に関して生じることに留意されたい。空間的シフトは、教育的目的から拡大されており、図示されているほどには視覚的に重要でない。帯域制限最適化を使用しないときに、画像シフトは、ピンホールベースのディスプレイ内のピンホールの間隔などの、角度の基本サンプル周期に等しいものとしてよい。
図37は、ライトフィールドプリントを作成する様々な方法のパターン化層ミスアライメントへの許容範囲を例示している。上で述べたように、層ミスアライメントへの許容範囲を高めるために、複数のアプローチが可能である。これらの方法は、3D画像をオリジナル画像に比べてフラットに見えるようにさせる(3700)効果を有する、同じボケサイズを維持しながらパターン化層の間の間隔を減少させること(3702)と、上で説明されているような反復3D画像を作成すること(3704)を行う図に示す方法を含む。図37は、パターン化層間隔に比例してボケサイズを調整すること(3701)がプリントのミスアライメント許容範囲を変えないことを実証している。
光学的積層および用途
一般形式
この節で開示されている多層ライトフィールドディスプレイの一般形式は、互いの上に置かれ、小さな距離だけオフセットされた2つのパターン化層を含む。パターン化層は、本明細書で説明されている方法に従って選択的に透明にされ、それにより、特定のアライメントおよび奥行きオフセットがシーンの複数のビューを視覚的に再現し、シーンは3次元構造を有し、プリントの物理的平面の前または背後に浮かぶように見えるものとしてよい。
前記パターン化層に対して特定の構成が多数あり、また様々な用途で採用されたときに様々な利点をもたらす任意選択の追加の層がある。以下の節では、特定の用途に適用されるような多層ライトフィールドプリントおよびディスプレイに対する少数の特に有利な構成を列挙する。そのような用途は、美観に関わるディスプレイから、情報的なディスプレイ、機能的なディスプレイにいたる意図されたユースケースによりいくつかのカテゴリに広い意味で分けられる。しかしながら、これは、一方のカテゴリにリストされている層構成および用途が他の目的にのみ有用であること、または二次的目的を有しないことを意味しない。たとえば、本明細書において開示されている方法に従って製造されるセキュリティプリントは、製品の真正性を確認する一次的な機能目的を有する。しかしながら、これらには、プリントによって形成されるライトフィールド画像を見て美しく感じさせる性質による商業上の用途もあり得る。
装飾的および情報的な用途
外装ガラス、新規
建築設備では、占有者の楽しみのために建物内に魅力的な視覚的特徴を作成し、製品またはサービスを販売またはプロモートすることが望ましいことが多い。そのようなメッセージは、芸術的、情報的、プロモーションであり得るか、または他の目的に使用されてもよい。新しい建物の場合、ガラス窓、ドア、または壁に装着された備品は、設置前に取り扱われるものとしてよく、本明細書において説明されている技術のいくつかの実施形態では、使用者がライトフィールド画像を大きなサイズで設けるために通路、窓、または他の建築設備内に設置できる大型ライトフィールドイメージを作成することを可能にする。図38に示されている、1つのそのような例示的な実施形態は、建築用ガラス3802のセクションのいずれかの側に本明細書において開示されている方法によって生成される印刷パターン3801および3803を伴う。建物の外側からの周囲照明は、占有者に前記照明がパターン3803および3801を通過するときにライトフィールド画像を観察させる。例示されている実施形態において、パターンは、Direct-To-Substrate UV硬化性インクジェットプリンタを使用してガラス上に作成され得る。他の実施形態では、事前処理される建築的要素も含めて、ガラスまたは他の透明媒体上にパターンを堆積する他の方法が類似の効果を達成するために使用され得る。さらに他の実施形態において、ガラスにパターンを形成する代わりに、金属または他の不透明シート内に開口を機械加工することによって類似の効果を達成することも可能であり、それにより2つのパターン化層が形成される。
外装ガラス、後付
ガラス窓などの建築用要素がすでに設置されている場合、ライトフィールド画像がガラスを通して観察され得るように後付設備を作成することが可能である。図39に例示されている、そのような一実施形態において、本明細書において開示されている方法によって作成されるパターンは、建物から取り外さずにガラス上に直接印刷することはできない。その代わりに、この場合、パターン3903および3905は、接着剤層3902を使用して窓3901に接着される、透明シート材料3904のいずれかの面に直接印刷される。
外装ガラス、後付、一時的
図40に例示されている別の実施形態において、本明細書において説明されている技術を使用して作成されるパターン4001および4003は、溶媒プリンタまたは類似の方法を使用して静電気で張り付くビニール材料上に印刷される。ビニール材料は、窓ガラス4002のいずれかの面にアライメントされ接着される。この配置構成は、層は容易に伸びて変形し得るので、ビニール張り付き層を手作業で慎重にアライメントする必要がある。本文書において説明されているようにアライメントマークを使用することは、この実施形態では特に有利である。アライメントマークは、設置後に切り離せる滲み領域内に置かれるものとしてよい。
内装分割ガラス
図38~図40に例示された、上で説明されている外装設置は、会議室およびオープンプラン式オフィス内によくあるような内装分割ガラスにも等しく適用できることは理解されるべきである。
窓吊り
いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントは、周辺外部光によって照らされたときに内部からライトフィールド画像を提供するように窓内に吊り下げられるものとしてよい。例示的な実施形態が図41に示されており、これは次の項目を含む。窓4101には吊り下げ備品4102が取り付けられ、ライトフィールドプリントが備品4102から吊り下げられ、外部光源4106によって照らされる。ライトフィールドプリントは、基板4104のいずれかの面に固定された2つのパターン化層4103および4105を備える。前記層は、従来の水性インクジェットプリンタ上で印刷され、感圧式接着剤を使用してプラスチック基板4104に固定され得る。代替的実施形態は、Direct To Substrateプリンタを使用し、ガラスなどの、基板4104に代替的材料を使用して、パターン4103および4105を基板4104上に直接印刷することを含む。
バックライト付き看板またはアートプリント
いくつかの実施形態において、開示されている方法を使用して生成されるパターンは、バックライト付き看板の用途において使用されるライトフィールド画像を作成するために使用され得る。図42は、バックライト付き看板の用途を示している。バックライト4201は、バックライト付き看板ボックス(図示せず)の内側に見つかる。ライトフィールドプリントは、PET、PETG、アクリル、または別の種類の透明プラスチックであってよい、透明プラスチック基板4203と、パターン化プラスチック層4202および4204とを備える。層4202および4204上に印刷されるパターンは、Epson SureColor P9000などの、水性インクジェットプリンタを使用して作成され得る。スナップレールであってよい、保持クリップ4205および4206はライトフィールドプリントをバックライト4201に押し付けたままにする。代替的実施形態は、Canon Oce ArizonaなどのDirect To Substrateプリンタを使用して、パターン4202および4204をプラスチック層4203に直接印刷することを含む。
そのような用途において、ライトフィールドプリントは、接着剤または他の留め具を使用してバックライトの上に永久的にまたは半永久的に設置され得る。すべての例において、パターン4202および4204は、本明細書において開示されている方法を使用して生成される。
バックライト付き机装飾品
いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントは、机または他の平坦な表面上に表示され得る。この用途では、オフィスの職員が自分の家族のライトフィールド写真を表示することを可能にし得る。図43に示されている例示的な実施形態において、スタンド4305に吊り下げられているバックライト4301は、基板4303、ならびにパターン化層4302および4304を含むライトフィールドプリントを表示する。パターン化層は、水性インクジェットプリンタ上で印刷され、アライメントされ、透明基板4303にラミネートされ得る。他のシナリオのように、追加の実施形態が、革新性を基本的に変えることなく、材料、スタンドの構成、またはパターン化方法を変更し得る。パターン4302および4304は、本明細書において開示されている方法に従って作成される。パターンは、代替的に、バックライト4301の必要がないようなやり方で生成されてもよい。
ハンドヘルド写真プリント
いくつかの実施形態では、ハンドヘルドライトフィールドプリントの作成を可能にする。ハンドヘルドライトフィールドプリントの説明に役立つ実例は図44に示されている。ライトフィールドプリントは、半透明、透明、または不透明であってよい。使用者は、プリントを自分の手4401で持つ。ライトフィールドプリントは、透明基板4403を備え、パターン化層4402および4404はいずれかの面にアライメントされラミネートされる。他の実施形態では、様々な方法が、パターン4402および4404をプラスチック基板4403上にパターン化するために使用され得る。前記パターンは、本明細書で開示されている方法に従って作成され、様々なディスプレイ条件に合わせて、たとえば、明るいリア照明源による条件に合わせてチューニングされるものとしてよく、観察者はプリントを光源まで持ち上げるか、または周囲照明を使用し、ライトフィールドプリントは反射モードで動作する。
写真プリント仕上げ
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の仕上げは、ライトフィールドプリント上にプロフェッショナルな仕上り外観を形成するためにライトフィールドプリントに適用され得る。たとえば、図45の例示的な実施形態において、仮想フレーム4502がプリント4501に加えられる。仮想フレーム4502は、ライトフィールドとして再現されたときに、奥行きのあるフレームの錯視をもたらすフレームの3Dデジタル表現を含み得る。仮想フレーム4502を作成するために使用されるパターンは、本明細書において開示されている方法に従って生成される。いくつかの実施形態において、フラット黒色フレーム4504は、ライトフィールドプリント4503を囲むために使用され得る。いくつかの実施形態において、フレームは何であれ使用されず、見て美しく感じさせる効果をもたらし得る。
発明者らは、ライトフィールドプリントのエッジ品質が観察者にとって魅力的なパッケージを提供するうえで重要であることを理解している。いくつかの実施形態において、ライトフィールドプリントのエッジは、ミルビットを使用して仕上げされ得る-たとえば、プリント4506のエッジは、ミルビット4505を使用する仕上げパスにおいて示されている。代替的に、ライトフィールドプリントのエッジは、ナイフ、レーザー、ジェット水流、切断、または他のコンピュータ数値制御(CNC)ツールで切断され得る。エッジ4508は、劣化を防ぐために接着剤シール4507で処理され得る。ガラスなどの材料がライトフィールドプリント用の基板として使用される場合、特定の材料を取り扱う当業者に知られているように、特別な取り扱い方法が必要になり得る。たとえば、ガラスは、ガラス切りで切り込み線を付け、切断後に研磨される必要があり得る。
追加の実装詳細
図25に示されている実施形態において、コンピュータ2500は、1つまたは複数のプロセッサとたとえば揮発性および/または不揮発性メモリを含み得る非一時的コンピュータ可読記憶媒体2502とを有する処理ユニット2501を備える。メモリ2502は、本明細書において説明されている機能のうちのどれかを実行するように処理ユニット2501をプログラムする1つまたは複数の命令を記憶し得る。コンピュータ2500は、システムメモリ2502に加えて記憶装置2505(たとえば、1つまたは複数のディスクドライブ)などの他の種類の非一時的コンピュータ可読媒体も備え得る。記憶装置2505は、また、メモリ2502にロードされ得る、1つまたは複数のアプリケーションプログラムおよび/またはアプリケーションプログラムによって使用されるリソース(たとえば、ソフトウェアライブラリ)も記憶し得る。
コンピュータ2500は、図25に例示されているデバイス2506および2507などの、1つもしくは複数の入力デバイスおよび/または出力デバイスを有し得る。これらのデバイスは、ほかにもあるがとりわけ、ユーザインターフェースを提示するために使用され得る。ユーザインターフェースを提供するために使用できる出力デバイスの例は、出力を視覚的に提示するためのプリンタまたはディスプレイ画面、および出力を聴覚的に提示するためのスピーカーまたは他の音生成デバイスを含む。ユーザインターフェースに使用できる入力デバイスの例は、キーボードおよびマウス、タッチパッド、およびディジタイジングタブレットなどのポインティングデバイスを含む。別の例として、入力デバイス2507は、音声信号をキャプチャするためのマイクロホンを含むものとしてよく、出力デバイス2506は、視覚的レンダリングのためのディスプレイ画面、および/または音声レンダリング、音声認識テキストのためのスピーカーを含み得る。
図25に示されているように、コンピュータ2500は、様々なネットワーク(たとえば、ネットワーク2510)を介して通信を可能にするための1つまたは複数のネットワークインターフェース(たとえば、ネットワークインターフェース2508)も備え得る。ネットワークの例は、ローカルエリアネットワークまたはエンタープライズネットワークもしくはインターネットなどのワイドエリアネットワークを含む。そのようなネットワークは、任意の好適な技術に基づくものとしてよく、任意の好適なプロトコルに従って動作するものとしてよく、ワイヤレスネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバーネットワークを含み得る。
いくつかの実施形態のいくつかの態様についてこうして説明してきたが、様々な変更形態、修正形態、および改善は、当業者であれば容易に思い付くことは理解されるであろう。そのような変更形態、修正形態、および改善は、本開示の精神および範囲内にあることが意図されている。したがって、前述の説明および図面は、例にすぎない。
本開示の上で説明されている実施形態は、いく通りもの仕方で実装され得る。たとえば、これらの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せを使用して実装され得る。ソフトウェアで実装されるときに、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータで提供されようと複数のコンピュータに分散されようと、好適なプロセッサまたはプロセッサの集合体上で実行され得る。
また、本明細書において概要が説明されている様々な方法またはプロセスは、様々なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのうちのどれか1つを採用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコーディングされ得る。それに加えて、そのようなソフトウェアは、多数の好適なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプティングツールのうちのどれかを使用して書かれてよく、実行可能機械語コードまたはフレームワークもしくは仮想マシン上で実行される中間コードとしてコンパイルされ得る。
この点に関して、本明細書において開示されている概念は、1つもしくは複数のコンピュータまたは他のプロセッサ上で実行されたときに、上で説明されている本開示の様々な実施形態を実装する方法を実行する1つまたは複数のプログラムで符号化された非一時的コンピュータ可読媒体(または複数のコンピュータ可読媒体)(たとえば、コンピュータメモリ、1つもしくは複数のフロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイまたは他の半導体デバイス内の回路構成、または他の非一時的、有形のコンピュータ記憶媒体)として具現化され得る。コンピュータ可読媒体は、可搬型であってよく、そこに記憶される1つまたは複数のプログラムは1つまたは複数の異なるコンピュータまたは他のプロセッサにロードされ、上で説明されているような本開示の様々な態様を実装することができる。
「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書において、上で説明されているような本開示の様々な態様を実装するようにコンピュータまたは他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意の種類のコンピュータコードまたは任意の一組のコンピュータ実行可能命令を指すために使用される。それに加えて、この実施形態の一態様によれば、実行されたときに本開示の方法を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムは、単一のコンピュータまたはプロセッサ上に常駐する必要はなく、本開示の様々な態様を実装するために多数の異なるコンピュータまたはプロセッサ間にモジュール形式で分散されてよいことは理解されるべきである。
コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータまたは他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどの多数の形態を取り得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれているように組み合わされるか、または分散され得る。
また、データ構造体は、任意の好適な形式でコンピュータ可読媒体内に記憶され得る。図解を簡単にするために、データ構造体は、データ構造体内の配置を通じて関係するフィールドを有するように示され得る。そのような関係は、同様に、フィールド間の関係を伝えるコンピュータ可読媒体内の配置をフィールドに対する記憶域に割り当てることによって達成され得る。しかしながら、任意の好適な機構が、ポインタ、タグ、またはデータ要素間の関係を確立する他の機構の使用を通じてなどを含む、データ構造体のフィールド内の情報間の関係を確立するために使用され得る。
本開示の様々な特徴および態様は、単独で、2つもしくはそれ以上の任意の組合せで、または前記で説明されている実施形態では特には説明されていなかった様々な配置構成で使用されてよく、したがって、前記の説明において述べられている、または図面に例示されているコンポーネントの詳細および配置構成への適用に限定されない。たとえば、一実施形態において説明されている態様は、他の実施形態において説明されている態様といかなる形でも組み合わされ得る。
また、本明細書で開示されている概念は方法として具現化されてよく、その一例が提供されている。方法の一部として実行される活動は、好適なやり方で順序付けされてよい。したがって、例示されているのと異なる順序で活動が実行される実施形態が構成されてもよく、これは例示的な実施形態において順次的活動として示されているとしても、いくつかの活動を同時に実行することを含み得る。
請求要素を修正するための請求項中の「第1の」、「第2の」、「第3の」などの序数詞の使用は、それ自体、一方の請求要素の優先度、先行、または順序が他方の要素より上であること、または方法の活動が実行されるが、特定の名称を有する一方の請求要素を、請求要素を区別するために同じ名称(ただし序数詞の使用のため)を有する別の要素から区別するためのラベルとしてのみ使用される時間的順序を暗示しない。
また、本明細書で使用されている語法および術語は、説明を目的とするものであり、限定するものとしてみなされるべきでない。「含む、備える(including)」、「からなる、備える、含む(comprising)」、「有する(having)」、「収容する、含む(containing)」、「伴う(involving)」、および本明細書におけるそれらの変形は、それ以降にリストされる項目および同等の項目、さらには追加項目を包含することを意味する。