JP7285338B2 - ワタアカミムシの防除方法 - Google Patents
ワタアカミムシの防除方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7285338B2 JP7285338B2 JP2021565677A JP2021565677A JP7285338B2 JP 7285338 B2 JP7285338 B2 JP 7285338B2 JP 2021565677 A JP2021565677 A JP 2021565677A JP 2021565677 A JP2021565677 A JP 2021565677A JP 7285338 B2 JP7285338 B2 JP 7285338B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cotton
- generation
- adult
- earwig
- field
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N25/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01M—CATCHING, TRAPPING OR SCARING OF ANIMALS; APPARATUS FOR THE DESTRUCTION OF NOXIOUS ANIMALS OR NOXIOUS PLANTS
- A01M1/00—Stationary means for catching or killing insects
- A01M1/02—Stationary means for catching or killing insects with devices or substances, e.g. food, pheronones attracting the insects
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N31/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic oxygen or sulfur compounds
- A01N31/04—Oxygen or sulfur attached to an aliphatic side-chain of a carbocyclic ring system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N37/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic compounds containing a carbon atom having three bonds to hetero atoms with at the most two bonds to halogen, e.g. carboxylic acids
- A01N37/06—Unsaturated carboxylic acids or thio analogues thereof; Derivatives thereof
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01P—BIOCIDAL, PEST REPELLANT, PEST ATTRACTANT OR PLANT GROWTH REGULATORY ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR PREPARATIONS
- A01P19/00—Pest attractants
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Pest Control & Pesticides (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Dentistry (AREA)
- Agronomy & Crop Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Insects & Arthropods (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
Description
本発明は、綿の害虫であるワタアカミムシの防除方法に関する。
綿の主要害虫であるワタアカミムシ(学名:Pectinophora gossypiella、Pink bollworm、以下、「PBW」ともいう。)は、幼虫が孵化した直後に直ちに若芽、花、綿の若いボールの中に侵入するため、殺虫剤や天敵がその幼虫に接触することが困難であり、その防除は従来から困難であった。そのため、ワタアカミムシの防除方法については、種々の方法が検討されてきた。
例えば、雌成虫が分泌する性フェロモンを用いて、雌雄の交尾活動を撹乱する交信撹乱法としては、初期に交尾したワタアカミムシの雌の産卵場所が綿の花芽等であることを考慮して、初期の花芽等のできる前に性フェロモン製剤を設置することが提案されている(非特許文献1)。
また、殺虫微生物であるBacillus thuringiensisの遺伝子を綿の種子に組み込んだBtcottonによるワタアカミムシの防除も行われている。Btcottonは予め種子にBtの遺伝子を組み込んでいるため、ワタアカミムシの幼虫が綿の若いボールの中に侵入してBtを含んだ綿実を食べることにより、ボールの中で殺虫されてボールの被害を抑えることができる。
日本農薬学会誌25,456-461(2000)
しかし、非特許文献1のように初期の花芽等のできる前に性フェロモン製剤を設置しようとした場合、綿樹がまだ十分に成長していないため、大人が腰をかがめてフェロモン製剤を設置することになり、作業性に問題があった。また、従来から綿の害虫の防除は、綿のボールの被害をいかに少なくするかの観点で進められてきた関係から、ワタアカミムシの幼虫によるボールの被害を測定したために、実際には花芽の被害については調べられていなかった。
一方、殺虫微生物であるBacillus thuringiensisの遺伝子を綿の種子に組み込んだBtcottonを用いた場合には、ボールの被害はある程度抑えられるが、殺虫成分は非常に効果が弱いため、綿のボール中にしか存在しない殺虫成分のみでは、ボールの外のPBWの幼虫に対しては効果がない。
また、綿の花芽、蕾又は花に産み付けられたワタアカミムシの卵から孵化した幼虫により、初期の花芽、蕾又は花が被害を受けると、綿樹はボールを形成する意欲を失うか又は葉、茎等の生育にエネルギーを消費し、結果としてボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が減少してしまうベジテーション(Vegetation)という現象を起こすことも判明した。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、交信撹乱法によりワタアカミムシの交尾を撹乱してワタアカミムシを防除することにより、花芽、蕾又は花の被害及びボールの被害を抑えると共に、綿の収量が減少しないワタアカミムシの防除方法を提供することを目的とする。
一方、殺虫微生物であるBacillus thuringiensisの遺伝子を綿の種子に組み込んだBtcottonを用いた場合には、ボールの被害はある程度抑えられるが、殺虫成分は非常に効果が弱いため、綿のボール中にしか存在しない殺虫成分のみでは、ボールの外のPBWの幼虫に対しては効果がない。
また、綿の花芽、蕾又は花に産み付けられたワタアカミムシの卵から孵化した幼虫により、初期の花芽、蕾又は花が被害を受けると、綿樹はボールを形成する意欲を失うか又は葉、茎等の生育にエネルギーを消費し、結果としてボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が減少してしまうベジテーション(Vegetation)という現象を起こすことも判明した。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、交信撹乱法によりワタアカミムシの交尾を撹乱してワタアカミムシを防除することにより、花芽、蕾又は花の被害及びボールの被害を抑えると共に、綿の収量が減少しないワタアカミムシの防除方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、春先の気温が比較的高い地域においても十分な効果が得られるように、ワタアカミムシの成虫発生時期を基準にして、綿の苗の定植時期と徐放性フェロモン製剤の設置時期を選択することによって、ワタアカミムシによる花芽、蕾又は花の被害、及びボールの被害を抑えると共に、従来よりも綿の収量が増加するワタアカミムシの防除方法を見出し、本発明に至った。
本発明の一つの態様によれば、発生したワタアカミムシの成虫が第1世代である場合には前記成虫の発生日後21~41日以内に、第2世代以降である場合には前記成虫の発生日後1~21日以内に、圃場に綿の苗を定植するステップと、有効積算温度から導かれる前記発生したワタアカミムシの成虫の次の世代の成虫発生予想日前2~15日以内に、ワタアカミムシの性フェロモン物質であるZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートを少なくとも含む徐放性フェロモン製剤を前記圃場に設置して、前記徐放性フェロモン製剤中の性フェロモン物質を前記圃場に放出するステップとを少なくとも含むワタアカミムシの防除方法が提供される。
本発明の一つの態様によれば、発生したワタアカミムシの成虫が第1世代である場合には前記成虫の発生日後21~41日以内に、第2世代以降である場合には前記成虫の発生日後1~21日以内に、圃場に綿の苗を定植するステップと、有効積算温度から導かれる前記発生したワタアカミムシの成虫の次の世代の成虫発生予想日前2~15日以内に、ワタアカミムシの性フェロモン物質であるZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートを少なくとも含む徐放性フェロモン製剤を前記圃場に設置して、前記徐放性フェロモン製剤中の性フェロモン物質を前記圃場に放出するステップとを少なくとも含むワタアカミムシの防除方法が提供される。
本発明によれば、ワタアカミムシによる初期の花芽等の被害及び全期間に亘るボールの被害を抑えると共に、綿の収量が増加する。
ワタアカミムシの防除方法において圃場に綿の苗を定植する時期は、発生したワタアカミムシの成虫が第1世代であるか、第2世代以降であるかによって変わる。年に数回発生する害虫の世代の呼び方は、日本応用動物昆虫学会で規定されている方法に準ずるものであり、越冬世代の子孫で年内に出現する世代を第1世代、第2世代と序数詞をつけて呼ぶ。
防除対象となるワタアカミムシは、好ましくは第2世代以降、より好ましくは第3世代及び第4世代のワタアカミムシである。ワタアカミムシの第1世代は自殺世代と呼ばれていたことから、従来から防除対象となるワタアカミムシは、第2世代以降であった。また、春先の気温が高いインドやパキスタン等の南アジアの場合、第1世代のワタアカミムシの成虫が発生する時期に、降雨が少ないために農業用水が確保できず、綿の苗を定植できない場合も多い。したがって、第1世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とするのは難しい。
第2世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とする場合、第1世代のワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内、好ましくは25~35日以内に綿の苗を定植することになる。第1世代のワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内に定植することにより、通常、低温である第1世代であっても、第1世代のワタアカミムシの成虫が発生している期間に初期の花芽等が形成されないようにすることができる。また、第2世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とする場合、二毛作地帯では、貯水池がある地域が多いため、水不足の問題は解消できる。
このように、ワタアカミムシの成虫が第1世代である場合は、ワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内である。
防除対象となるワタアカミムシは、好ましくは第2世代以降、より好ましくは第3世代及び第4世代のワタアカミムシである。ワタアカミムシの第1世代は自殺世代と呼ばれていたことから、従来から防除対象となるワタアカミムシは、第2世代以降であった。また、春先の気温が高いインドやパキスタン等の南アジアの場合、第1世代のワタアカミムシの成虫が発生する時期に、降雨が少ないために農業用水が確保できず、綿の苗を定植できない場合も多い。したがって、第1世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とするのは難しい。
第2世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とする場合、第1世代のワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内、好ましくは25~35日以内に綿の苗を定植することになる。第1世代のワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内に定植することにより、通常、低温である第1世代であっても、第1世代のワタアカミムシの成虫が発生している期間に初期の花芽等が形成されないようにすることができる。また、第2世代のワタアカミムシの成虫を防除対象とする場合、二毛作地帯では、貯水池がある地域が多いため、水不足の問題は解消できる。
このように、ワタアカミムシの成虫が第1世代である場合は、ワタアカミムシの成虫発生日後21~41日以内である。
第3世代以降のワタアカミムシを防除対象とする場合、すなわち、第2世代以降のワタアカミムシの成虫発生日後1~21日以内、好ましくは1~15日以内に綿の苗を定植することになる。綿の苗を定植する時期がワタアカミムシの成虫発生日後1日未満の場合、その世代のワタアカミムシが発生している期間に初期の花芽等が形成される場合があるため、花芽等の被害を受けることになる。一方、21日を過ぎる場合、綿樹がまだ小さいために、次世代のワタアカミムシの成虫発生前の徐放性フェロモン製剤の設置が困難である。このようにワタアカミムシの成虫の発生しない時期に、綿の初期の花芽が出るように綿の苗の定植時期を調整することにより、初期の花芽等の被害が抑えられ、その結果、綿樹はボールを形成する意欲を失わず、ボールの生育にエネルギーを使用して、ボールの数の減少、引いては綿の収量の減少を抑えることができる。
ワタアカミムシの成虫発生日は、ワタアカミムシの成虫がトラップに捕獲された日により特定される。具体的には、ワタアカミムシの成虫発生前に、綿の苗を定植する圃場にトラップを1~2基設置し、ワタアカミムシの成虫が捕獲された日をワタアカミムシの成虫発生日とする。トラップは、市販されているほとんどのものが使用可能であるが、安定性の観点から、デルタトラップが好ましい。また、トラップの設置位置は、綿樹の高さに応じて、地上から20~70cmの高さが好ましい。
徐放性フェロモン製剤の設置時期は、有効積算温度から導かれる前記ワタアカミムシの次の世代の成虫発生予想日前2~15日以内、好ましくは2~10日以内、より好ましくは2~5日以内である。例えば、発生したワタアカミムシの成虫が第1世代である場合は、発生日を予想する次の世代の成虫は第2世代となり、発生したワタアカミムシの成虫が第2世代である場合は、発生日を予想する次の世代の成虫は第3世代となる。ここで、徐放性フェロモン製剤の設置時期を次の世代の成虫発生予想日を基準にしたのは、ワタアカミムシが発生してからでは交尾してしまい、徐放性フェロモン製剤の効力を発揮できないためである。また、徐放性フェロモン製剤の設置時期がワタアカミムシの次の世代の成虫発生予想日前15日より早い時期の場合、綿樹が小さいため徐放性フェロモン製剤を設置することは困難となり、次の世代の成虫発生予想日前2日より遅い時期では、次世代の交尾を妨げることができず、ワタアカミムシを防除できない。
ワタアカミムシの次の世代の成虫発生予想日は、ワタアカミムシの有効積算温度(Accumulated degree days、以下、「ADD」ともいう。)から導かれる。例えば、米国の西部においては、ワタアカミムシの次の世代の成虫発生が予想される圃場において、2月1日から毎日の平均温度(oF)を測定し、その平均温度からワタアカミムシ発育に最低限必要な温度の限界点である発育零点57oFを引いた値をその日のADD用の基礎温度とし、毎日の基礎温度を積算する。この際、その日の平均温度が発育零点を下回る場合には、その日の基礎温度は0oFとする。そして、ADDが408oFになるとPBWの第1世代が発生し、918oFになるとピークを迎え、1825oFになると第1世代が終了し、第1世代の終了から次の世代の成虫の発生までのADDは800oFであり、次の世代の成虫発生から終了までのADDは886oFであると言われている(カルフォルニア大学出版 「Integrated Pest Management for Cotton in the Western Region of the United States Second edition」参照)。
そして、これらの情報又は、予め前年以前に実際に綿の栽培を行う地域におけるワタアカミムシの発生及び終了について測定して求めたADDをもとに、必要に応じて修正して、次の世代の成虫発生日を予想する。例えば、次のように米国西部での各世代のワタアカミムシの発生日を推定することができる。
ADDは、地方によっては1日の最低温度と最高温度によって左右されるため、徐放性フェロモン製剤を使用する地域でのADDを確認することが望ましい。
また、ワタアカミムシの成虫が発生すると予想される日の10日前からトラップを圃場に設置し、前年以前のADDとの誤差を予め調べることにより、ワタアカミムシの次世代の成虫の発生予想日をより精度よく推定することができる。
また、ワタアカミムシの成虫が発生すると予想される日の10日前からトラップを圃場に設置し、前年以前のADDとの誤差を予め調べることにより、ワタアカミムシの次世代の成虫の発生予想日をより精度よく推定することができる。
徐放性フェロモン製剤は、性フェロモン物質としてZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートを封入した高分子製の容器である。
性フェロモン物質としては、ワタアカミムシの性フェロモン物質であるZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートが挙げられる。
また、ワタアカミムシが高密度に存在する場合の交信撹乱法の低下を防ぐ観点から、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートとZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールとの混合物を用いることが好ましい。Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートとZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールとの質量比は、好ましくは99.5:0.5から95.0:5.0、より好ましくは99.0:1.0から96.0:4.0、更に好ましくは98.5:1.5から96.5:3.5である。
また、ワタアカミムシが高密度に存在する場合の交信撹乱法の低下を防ぐ観点から、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートとZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールとの混合物を用いることが好ましい。Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートとZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールとの質量比は、好ましくは99.5:0.5から95.0:5.0、より好ましくは99.0:1.0から96.0:4.0、更に好ましくは98.5:1.5から96.5:3.5である。
徐放性フェロモン製剤は、性フェロモン物質の他に、性フェロモン物質の安定性の度合いによって適宜、抗酸化剤、紫外線吸収剤等の添加剤を含有することもできる。
抗酸化剤としては、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、プロトカテキュア酸エチル、没食子酸イソアミル、没食子酸プロピル等の合成酸化防止剤、NDGA(ノルジヒドログアヤレチン酸)、グアヤク脂等の天然酸化防止剤等の抗酸化剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸系、オキシベンゾン(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。
抗酸化剤及び紫外線吸収剤の各含有量は、好ましくは0.01~5質量%であり、その合計の含有量は、好ましくは0.02~10質量%である。
抗酸化剤としては、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、プロトカテキュア酸エチル、没食子酸イソアミル、没食子酸プロピル等の合成酸化防止剤、NDGA(ノルジヒドログアヤレチン酸)、グアヤク脂等の天然酸化防止剤等の抗酸化剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸系、オキシベンゾン(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体等が挙げられる。
抗酸化剤及び紫外線吸収剤の各含有量は、好ましくは0.01~5質量%であり、その合計の含有量は、好ましくは0.02~10質量%である。
高分子製の容器の材質は、ポリオレフィン系重合体が好ましい。これには、ポリエチレンやポリプロピレンに例示されるポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。これらの材質では、性フェロモン物質等が透過し、適度な速度で高分子膜の外に放出させることができる。また、生分解性のポリエステルや塩化ビニルも用いることができる。
高分子製の容器の形状は、チューブ又は袋状のものが挙げられるが、性フェロモン物質を放出する期間が長く、放出が均一である観点から、チューブが好ましい。その内径は、適度な速度での放出の観点から、好ましくは0.5~2.0mm、より好ましくは0.6~1.5mmであり、その肉厚は好ましくは0.3~0.8mm、より好ましくは0.4~0.6mmである。また、チューブの長さは、好ましくは10cm~1m、より好ましくは20~50cmである。
上記のような形状を有する高分子製の容器は、性フェロモン物質を封入する室が1つに限定されるものではなく、2室以上を備えてもよい。2室以上を備える場合は、その内径や肉厚は異なっていても良く、性フェロモン物質はその中の少なくとも1室以上に封入されていれば良い。
1室以上を備える容器において、各室への性フェロモン物質並びに添加剤を含む場合の性フェロモン物質及び添加剤の収納量は、放出期間、性フェロモン物質の揮発性及び容器の材質との親和性等によって異なるが、好ましくは50~500mgである。
1室以上を備える容器において、各室への性フェロモン物質並びに添加剤を含む場合の性フェロモン物質及び添加剤の収納量は、放出期間、性フェロモン物質の揮発性及び容器の材質との親和性等によって異なるが、好ましくは50~500mgである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
<徐放性フェロモン製剤の製造>
Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート及びZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールを97.8:2.2の質量比で混合し、これらの合計質量に対して2質量%のブチルヒドロキシトルエン及び2質量%の2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノンを各々酸化防止剤及び紫外線吸収剤として添加した。これら成分を内径0.9mm、肉厚0.6mmのポリエチレンよりなる20cmの細管に160mg充填したものを実施例の圃場に処理する徐放性フェロモン製剤とした。
<徐放性フェロモン製剤の製造>
Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート及びZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールを97.8:2.2の質量比で混合し、これらの合計質量に対して2質量%のブチルヒドロキシトルエン及び2質量%の2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノンを各々酸化防止剤及び紫外線吸収剤として添加した。これら成分を内径0.9mm、肉厚0.6mmのポリエチレンよりなる20cmの細管に160mg充填したものを実施例の圃場に処理する徐放性フェロモン製剤とした。
<花の被害>
第1世代の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後6週間目から10週間目にかけて1週間ごとに、第2世代以降の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後5週間目から9週間目にかけて1週間ごとに、各区における100個の花について観察を行った。そして、ワタアカミムシの幼虫を含んでいる場合又は花の色が濃くなり萎んだ場合を「被害あり」とし、黄白色又は桃色の場合は「被害なし」として、被害があった花の数の平均値を求めた。
第1世代の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後6週間目から10週間目にかけて1週間ごとに、第2世代以降の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後5週間目から9週間目にかけて1週間ごとに、各区における100個の花について観察を行った。そして、ワタアカミムシの幼虫を含んでいる場合又は花の色が濃くなり萎んだ場合を「被害あり」とし、黄白色又は桃色の場合は「被害なし」として、被害があった花の数の平均値を求めた。
<ボールの被害>
綿の苗の定植後11週間目から15週間目にかけて、1週間ごとに若いボールを50個採取し、30℃、湿度70%の飼育箱で2週間保育した後、ボールを割って赤色に変化したPBWの幼虫がいる場合を「被害あり」とした。
綿の苗の定植後11週間目から15週間目にかけて、1週間ごとに若いボールを50個採取し、30℃、湿度70%の飼育箱で2週間保育した後、ボールを割って赤色に変化したPBWの幼虫がいる場合を「被害あり」とした。
<良品率>
第1世代の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後15週間後、20週間後、26週間後に、第2世代以降の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には綿の苗の定植後14週間後、19週間後、25週間後に、各区の圃場から50樹の開実している綿実を採取し、綿が着色せず白い場合を「良品」、綿が黒色から黄色に着色した場合を「不良品」に分け、採取した綿実全体に対する良品の割合として求めた。
第1世代の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には、綿の苗の定植後15週間後、20週間後、26週間後に、第2世代以降の成虫発生日後に綿の苗を定植する場合には綿の苗の定植後14週間後、19週間後、25週間後に、各区の圃場から50樹の開実している綿実を採取し、綿が着色せず白い場合を「良品」、綿が黒色から黄色に着色した場合を「不良品」に分け、採取した綿実全体に対する良品の割合として求めた。
実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3及び比較例1
縦250m、横1000mの圃場を横に(南北に)5分割して、南側からA1区(実施例1-1)、B1区(実施例1-2)、C1区(実施例1-3)、D1区(比較例1-1)及びE1区(比較例1-2)のそれぞれ5haの圃場を設けた。A1区には第2世代のPBWの発生日後5日目に、B1区には第2世代のPBWが発生後10日目に、C1区には第2世代のPBWが発生後15日目にBtcottonの苗を定植した。また、D1区及びE1区には、有効積算温度から導かれるPBWの第2世代の成虫発生予想日より5日前に綿の苗を定植したが、実際の成虫の発生は前記予定日から2日遅れ、第2世代のPBWの成虫発生日の7日前に定植したことになった。
その後、前記A1区、B1区、C1区及びD1区の各圃場における有効積算温度から導かれる第3世代のPBWの成虫発生予想日の4日前に徐放性フェロモン製剤を400本/haとなるように設置し、E1区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間後と10週間後の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間後1回散布した。
各圃場における花の被害、綿の収量及び良品率を求めた。その結果を表2に示す。
縦250m、横1000mの圃場を横に(南北に)5分割して、南側からA1区(実施例1-1)、B1区(実施例1-2)、C1区(実施例1-3)、D1区(比較例1-1)及びE1区(比較例1-2)のそれぞれ5haの圃場を設けた。A1区には第2世代のPBWの発生日後5日目に、B1区には第2世代のPBWが発生後10日目に、C1区には第2世代のPBWが発生後15日目にBtcottonの苗を定植した。また、D1区及びE1区には、有効積算温度から導かれるPBWの第2世代の成虫発生予想日より5日前に綿の苗を定植したが、実際の成虫の発生は前記予定日から2日遅れ、第2世代のPBWの成虫発生日の7日前に定植したことになった。
その後、前記A1区、B1区、C1区及びD1区の各圃場における有効積算温度から導かれる第3世代のPBWの成虫発生予想日の4日前に徐放性フェロモン製剤を400本/haとなるように設置し、E1区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間後と10週間後の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間後1回散布した。
各圃場における花の被害、綿の収量及び良品率を求めた。その結果を表2に示す。
実施例における圃場は、第2世代のPBWが発生している期間は花芽が成長していなかったため、初期の花芽の被害はほとんどなかった。このため、綿の収量も比較例の圃場に比べていずれも綿の収量が高い上に、良品率が高かった。また、B1区の圃場は両サイドに徐放性フェロモン製剤を設置した圃場に挟まれているため、綿の収量及び良品率が最も高かった。
一方、D1区では、徐放性フェロモン製剤を設置しなかったE1区の圃場に比べて花の被害が少なく、かつ綿の収量及び良品率が高かったが、綿の苗の定植時期が早かったため、初期の花芽の時期までに第2世代のPBWが生存し、ベジテーションにより綿の収量が低下した。
一方、D1区では、徐放性フェロモン製剤を設置しなかったE1区の圃場に比べて花の被害が少なく、かつ綿の収量及び良品率が高かったが、綿の苗の定植時期が早かったため、初期の花芽の時期までに第2世代のPBWが生存し、ベジテーションにより綿の収量が低下した。
実施例2-1、実施例2-2及び比較例2
縦300m、横600mの圃場を横に(東北から西南に)3分割して、東北側からA2区(実施例2-1)、B2区(実施例2-2)及びD2区(比較例2)のそれぞれ6haの圃場を設けた。いずれの圃場にも、第3世代のPBWの発生日後7日後に綿の苗を定植したが、A2区には遺伝子組み換えを行っていない通常の綿の苗を、B2区及びD2区にはBtcottonの苗を定植した。
その後、B2区圃場のみについて、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート及びZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールを99.6:0.4の質量比で混合した以外は実施例1-1~1-3と同様にして、前記A2区及びB2区の各圃場における有効積算温度から導かれる第3世代のPBWの成虫発生予想日の8日前に徐放性フェロモン製剤を400本/haとなるように設置して、D2区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間後と10週間後の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間後1回散布した。
各圃場における花の被害、ボールの被害、綿の収量及び良品率を求めた。その結果を表3に示す。
縦300m、横600mの圃場を横に(東北から西南に)3分割して、東北側からA2区(実施例2-1)、B2区(実施例2-2)及びD2区(比較例2)のそれぞれ6haの圃場を設けた。いずれの圃場にも、第3世代のPBWの発生日後7日後に綿の苗を定植したが、A2区には遺伝子組み換えを行っていない通常の綿の苗を、B2区及びD2区にはBtcottonの苗を定植した。
その後、B2区圃場のみについて、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテート及びZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールを99.6:0.4の質量比で混合した以外は実施例1-1~1-3と同様にして、前記A2区及びB2区の各圃場における有効積算温度から導かれる第3世代のPBWの成虫発生予想日の8日前に徐放性フェロモン製剤を400本/haとなるように設置して、D2区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間後と10週間後の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間後1回散布した。
各圃場における花の被害、ボールの被害、綿の収量及び良品率を求めた。その結果を表3に示す。
徐放性フェロモン製剤を設置した実施例における圃場は、比較例の圃場に比べて花の被害及びボールの被害が低く、かつ綿の収量が高い上に、良品率が高かった。特にA2区は風下であるため、成績が良かった。また、PBWの密度が高い場合には、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールの割合を高くすることにより、遺伝子組み換えを行っていない通常の綿の苗であっても、十分な効果が得られた。
なお、実施例1-1~1-3と比べて花の被害は全般的にやや高かったのは、周辺の農地での収穫により、餌がなくなったABWが綿の圃場に飛来したためだと考えられ、これに伴って綿の収量もやや低くなった。
一方、比較例2はBtcottonの苗を定植したため、ボールの被害はある程度抑えられたが、花の被害が大きかった。その結果、ベジテーション(Vegetation)が起こり、ボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が減少した。
なお、実施例1-1~1-3と比べて花の被害は全般的にやや高かったのは、周辺の農地での収穫により、餌がなくなったABWが綿の圃場に飛来したためだと考えられ、これに伴って綿の収量もやや低くなった。
一方、比較例2はBtcottonの苗を定植したため、ボールの被害はある程度抑えられたが、花の被害が大きかった。その結果、ベジテーション(Vegetation)が起こり、ボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が減少した。
実施例3-1、実施例3-2、実施例3-3及び比較例3
北西から南東に1600m、南西から北東に300mの圃場を北西から南東に4分割して、北西側からA3区(実施例3-1)、B3区(実施例3-2)、C3区(実施例3-3)及びD3区(比較例3)のそれぞれ12haの圃場を設けた。A3区には第1世代のPBWの発生日後21日目に、B3区には第1世代のPBWの発生日後28日目に、C3区には第1世代のPBWの発生日後35日目にBtcottonの苗を定植した。また、D3区には、有効積算温度から導かれるPBWの第1世代の成虫発生予想日の28日に後定植した。
その後、前記A3区、B3区及びC3区の各圃場における有効積算温度から導かれる第2世代のPBWの成虫発生予想日の7日前に徐放性フェロモン製剤を500本/haとなるように設置し、D3区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間目と10週間目の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間目の1回散布した。更に、B3の圃場には、BT剤ゼンターリ(住友化学社製)を第2世代のPBWの発生後、1週間目と2週間目の2回散布した。
北西から南東に1600m、南西から北東に300mの圃場を北西から南東に4分割して、北西側からA3区(実施例3-1)、B3区(実施例3-2)、C3区(実施例3-3)及びD3区(比較例3)のそれぞれ12haの圃場を設けた。A3区には第1世代のPBWの発生日後21日目に、B3区には第1世代のPBWの発生日後28日目に、C3区には第1世代のPBWの発生日後35日目にBtcottonの苗を定植した。また、D3区には、有効積算温度から導かれるPBWの第1世代の成虫発生予想日の28日に後定植した。
その後、前記A3区、B3区及びC3区の各圃場における有効積算温度から導かれる第2世代のPBWの成虫発生予想日の7日前に徐放性フェロモン製剤を500本/haとなるように設置し、D3区の圃場には徐放性フェロモン製剤を設置しなかった。
また、各圃場には、サッキングペスト(Sucking pests)防除用に殺虫剤ウララ DF(石原バイオサイエンス社製)を綿の苗の定植後6週間目と10週間目の2回、モスピラン(日本曹達社製)を綿の苗の定植後8週間目の1回散布した。更に、B3の圃場には、BT剤ゼンターリ(住友化学社製)を第2世代のPBWの発生後、1週間目と2週間目の2回散布した。
実施例における圃場は、第1世代のPBWが発生している期間は花芽が成長していなかったため、初期の花芽の被害はほとんどなかった。このため、綿の収量も比較例の圃場に比べていずれも綿の収量が高い上に、良品率が高かった。
なお、C3区の圃場において、花の被害が低いにも拘わらず良品率が他の実施例の圃場と比べて低かったのは、綿の苗の定植時期が他の実施例の圃場よりも遅かったため、綿木の生育が悪く、一部の徐放性フェロモン製剤が後半に綿の下葉と共に落下し、圃場内の性フェロモン濃度が低下して、十分に交信撹乱できなかったためと考えられる。
一方、比較例における圃場ではBtcottonを用いたことから、ボールの被害はある程度抑えられるが、殺虫成分であるBtは非常に効果が弱いため、Bt剤を散布してもボールの外のPBWの幼虫に対しては効果がなかった。このため、初期の花芽の被害はひどく、その結果、ベジテーション(Vegetation)が起こり、ボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が大幅に減少した。
なお、C3区の圃場において、花の被害が低いにも拘わらず良品率が他の実施例の圃場と比べて低かったのは、綿の苗の定植時期が他の実施例の圃場よりも遅かったため、綿木の生育が悪く、一部の徐放性フェロモン製剤が後半に綿の下葉と共に落下し、圃場内の性フェロモン濃度が低下して、十分に交信撹乱できなかったためと考えられる。
一方、比較例における圃場ではBtcottonを用いたことから、ボールの被害はある程度抑えられるが、殺虫成分であるBtは非常に効果が弱いため、Bt剤を散布してもボールの外のPBWの幼虫に対しては効果がなかった。このため、初期の花芽の被害はひどく、その結果、ベジテーション(Vegetation)が起こり、ボールを作る能力が低下し、ボールの数が減少して、綿の収量が大幅に減少した。
Claims (4)
- 発生したワタアカミムシの成虫が、第1世代である場合には前記成虫の発生日後21~41日以内に、第2世代以降である場合には前記成虫の発生日後1~21日以内に、圃場に綿の苗を定植するステップと、
有効積算温度から導かれる前記発生したワタアカミムシの成虫の次の世代の成虫発生予想日前2~15日以内に、ワタアカミムシの性フェロモン物質であるZ,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートを少なくとも含む徐放性フェロモン製剤を前記圃場に設置して、前記徐放性フェロモン製剤中の性フェロモン物質を前記圃場に放出するステップと
を少なくとも含むワタアカミムシの防除方法。 - 前記発生したワタアカミムシの成虫が、第2世代である請求項1に記載のワタアカミムシの防除方法。
- 前記発生したワタアカミムシの成虫が、第3世代である請求項1に記載のワタアカミムシの防除方法。
- 前記徐放性フェロモン製剤が、Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールを更に含み、前記Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエニルアセテートと前記Z,Z/Z,E-7,11-ヘキサデカジエノールとの質量比が、99.5:0.5から95.0:5.0の混合物である請求項1~3のいずれか1項に記載のワタアカミムシの防除方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019230461 | 2019-12-20 | ||
JP2019230461 | 2019-12-20 | ||
PCT/JP2020/047438 WO2021125323A1 (ja) | 2019-12-20 | 2020-12-18 | ワタアカミムシの防除方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2021125323A1 JPWO2021125323A1 (ja) | 2021-06-24 |
JP7285338B2 true JP7285338B2 (ja) | 2023-06-01 |
Family
ID=76478323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021565677A Active JP7285338B2 (ja) | 2019-12-20 | 2020-12-18 | ワタアカミムシの防除方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20230014675A1 (ja) |
JP (1) | JP7285338B2 (ja) |
WO (1) | WO2021125323A1 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0732661B2 (ja) * | 1991-06-28 | 1995-04-12 | 信越化学工業株式会社 | 合成性フェロモン剤による害虫の交信撹乱防除方法 |
JPH0665007A (ja) * | 1992-08-19 | 1994-03-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 交信攪乱によるワタアカミムシの防除方法 |
ES2753533T3 (es) * | 2011-06-09 | 2020-04-13 | Shinetsu Chemical Co | Procedimiento de interrupción del apareamiento utilizando un interruptor de apareamiento que contiene acetato |
-
2020
- 2020-12-18 JP JP2021565677A patent/JP7285338B2/ja active Active
- 2020-12-18 US US17/785,110 patent/US20230014675A1/en active Pending
- 2020-12-18 WO PCT/JP2020/047438 patent/WO2021125323A1/ja active Application Filing
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
BOGUSLAWSKI C. V. et al.,Studies in cotton fields in Egypt on the effects of pheromone mating disruption on Pectinophora goss,Journal of Applied Entomology,2001年,Vol.125 No.6,p.327-331 |
LYKOURESSIS, D. et al.,Management of the pink bollworm Pectinophora gossypiella (Saunders) (Lepidoptera: Gelechiidae) by ma,Crop Protection,2005年,Vol.24, No.2,p.177-183 |
小川欽也,海外におけるフェロモンによる害虫防除の動向と問題点,農業および園芸,2001年,Vol.76 No.1,p.176-182 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2021125323A1 (ja) | 2021-06-24 |
WO2021125323A1 (ja) | 2021-06-24 |
US20230014675A1 (en) | 2023-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6440406B1 (en) | Attractant for monitoring and control of adult scarabs | |
Lykouressis et al. | Management of the pink bollworm Pectinophora gossypiella (Saunders)(Lepidoptera: Gelechiidae) by mating disruption in cotton fields | |
EP2532231B1 (en) | Mating Disruption method using acetate-containing mating disruptant | |
EP1708570B1 (de) | Zusammensetzung und deren Verwendung als Attraktans für Gartenlaublaubkäfer (Phyllopertha horticola) | |
CA2989074C (en) | Composition and system for attracting lepidopterous insects | |
JP7285338B2 (ja) | ワタアカミムシの防除方法 | |
US20050147640A1 (en) | Noctuid attractant composition | |
Fisher et al. | Snail against snail | |
JP7285339B2 (ja) | ワタアカミムシ及びオオタバコガ類の同時防除方法 | |
IL262468A (en) | The composition for attracting bees and calming bees and using it in agriculture, horticulture and eclipse | |
JP5324554B2 (ja) | Tutaabsolutaの交信撹乱方法 | |
EP0333747A1 (en) | IMPROVED PHEROMON FORMULATION. | |
Wakamura et al. | Communication disruption for control of the beet armyworm, Spodoptera exigua (Hübner), with synthetic sex pheromone | |
Lykouressis et al. | Mating disruption of the pink bollworm Pectinophora gossypiella (Saund.)(Lepidoptera: Gelechiidae) using gossyplure PB-rope dispensers in cotton fields | |
Flint et al. | Pink bollworm (Lepidoptera: Gelechiidae): Further tests with (Z, Z)-isomer of gossyplure | |
CN112753669A (zh) | 一种用于防治韭蛆成虫的驱蚊装置及其使用方法 | |
Reddy et al. | or DAonDEAck vor IN coLE cRoPs | |
Tingle et al. | Disruption of pheromone communication of the Tobacco Budworm in tobacco fields treated with pheromone components | |
CN111345310A (zh) | 一种杀虫杀菌组合物、制剂及其用途 | |
JPS6336716A (ja) | 雌雄同株系統キユウリ果実の増収法 | |
JPS5867607A (ja) | 殺線虫組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220628 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230426 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230522 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7285338 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |