JP7284172B2 - ピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物の調製方法 - Google Patents

ピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物の調製方法 Download PDF

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    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • A61P25/16Anti-Parkinson drugs

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年12月20日に出願された米国仮出願第62/608,398号の優先権を主張する。当該仮出願は、参照することにより本明細書に組み込まれているものとする。
本開示は、ピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物及びそれらの中間体の作製方法に関する。該化合物は、LRRK2キナーゼの阻害剤であり、パーキンソン病等のLRRK2が媒介する疾患の治療に用いられる。
ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)は、複雑なシグナル伝達タンパク質であり、特にパーキンソン病(PD)の重要な治療標的である。遺伝学的及び生化学的証拠を組み合わせると、LRRK2キナーゼの機能は、散発型及び家族型のPDの病因に因果的に関与しているため、LRRK2キナーゼ阻害剤が治療に有用であり得るという仮説が裏付けられる(Christensen,K.V.(2017)Progress in medicinal chemistry 56:37-80)。LRRK2のキナーゼ活性の阻害は、パーキンソン病の考え得る治療法として研究段階にある(Fuji,R.N.et al(2015)Science Translational Medicine 7(273):ra15、Taymans,J.M.et al(2016)Current Neuropharmacology 14(3):214-225)。一群のLRRK2キナーゼ阻害剤が調べられた(Estrada,A.A.et al(2015)Jour.Med.Chem.58(17):6733-6746、Estrada,A.A.et al(2013)Jour.Med.Chem.57:921-936、Chen,H.et al(2012)Jour.Med.Chem.55:5536-5545、Estrada,A.A.et al(2015)Jour.Med.Chem.58:6733-6746、US8354420、US8569281、US8791130、US8796296、US8802674、US8809331、US8815882、US9145402、US9212173、US9212186、WO2011/151360、WO2012/062783、及びWO2013/079493。
米国特許第8,354,420号明細書 米国特許第8,569,281号明細書 米国特許第8,791,130号明細書 米国特許第8,796,296号明細書 米国特許第8,802,674号明細書 米国特許第8,809,331号明細書 米国特許第8,815,882号明細書 米国特許第9,145,402号明細書 米国特許第9,212,173号明細書 米国特許第9,212,186号明細書 国際公開第2011/151360号 国際公開第2012/062783号 国際公開第2013/079493号
Christensen,K.V.(2017)Progress in medicinal chemistry 56:37-80 Fuji,R.N.et al(2015)Science Translational Medicine 7(273):ra15 Taymans,J.M.et al(2016)Current Neuropharmacology 14(3):214-225 Estrada,A.A.et al(2015)Jour.Med.Chem.58(17):6733-6746 Estrada,A.A.et al(2013)Jour.Med.Chem.57:921-936 Chen,H.et al(2012)Jour.Med.Chem.55:5536-5545 Estrada,A.A.et al(2015)Jour.Med.Chem.58:6733-6746
本開示は、式I及びIVのピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物の作製方法に関する:
Figure 0007284172000001
置換基X、R、R、R、R、R、及び他は、該化合物を調製するために使用される試薬及び中間体とともに本明細書に記載される。
定義
本明細書で使用される、「アルキル」という用語は、1~12個の炭素原子(C-C12)の飽和直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルを指し、該アルキルラジカルは、任意に、下記の1つ以上の置換基で独立して置換されてもよい。別の実施形態では、アルキルラジカルは、1~8個の炭素原子(C-C)、または1~6個の炭素原子(C-C)である。アルキル基の例としては、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、1-へプチル、及び1-オクチルが挙げられるがこれらに限定されない。
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素-炭素sp二重結合を有する2~12個の炭素原子(C-C12)の直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルを指し、該アルケニルラジカルは、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されてもよく、「シス」及び「トランス」配置、または代替的に、「E」及び「Z」配置を有するラジカルを含む。例としては、エチレニルまたはビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)等が挙げられるがこれらに限定されない。
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素-炭素sp三重結合を有する2~12個の炭素原子(C-C12)の直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルを指し、該アルキニルラジカルは、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換されてもよい。例としては、エチニル(-C≡CH)及びプロピニル(プロパルギル、-CHC≡CH)が挙げられるがこれらに限定されない。
「シクロアルキル」、「カルボシクリル」、「炭素環式環」及び「炭素環」という用語は、単環式環として3~10個の炭素原子(C-C10)または二環式環として7~12個の炭素原子を有する一価非芳香族、飽和または部分不飽和環を指す。7~12個の原子を有する二環式シクロアルキルは、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系として配置される場合があり、9個または10個の環原子を有する二環式シクロアルキルは、ビシクロ[5,6]または[6,6]系として配置される場合もあれば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びビシクロ[3.2.2]ノナン等の架橋系として配置される場合もある。スピロシクロアルキル部分もまた、本定義の範囲に含まれる。スピロシクロアルキル部分の例としては、[2.2]ペンタニル、[2.3]ヘキサニル、及び[2.4]ヘプタニルが挙げられる。単環式シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル及びシクロドデシルが挙げられるがこれらに限定されない。シクロアルキル基は、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換される。
「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」及び「ヘテロ環式環」という用語は、本明細書では同義で使用され、少なくとも1つの環原子が、窒素、酸素、リン及び硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCである、3~約20個の環原子の飽和または部分不飽和(すなわち、環内に1つ以上の二重結合及び/または三重結合を有する)炭素環式ラジカルを指し、1つ以上の環原子は、任意に、下記の1つ以上の置換基で独立して置換される。ヘテロ環は、3~7個の環員(2~6個の炭素原子及びN、O、P、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子)を有する単環である場合もあれば、7~10個の環員(4~9個の炭素原子及びN、O、P、及びSから選択される1~6個のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系である場合もある。ヘテロ環は、Paquette,Leo A.;“Principles of Modern Heterocyclic Chemistry”(W.A.Benjamin,New York,1968)、特にチャプター1、3、4、6、7、及び9、“TheChemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs”(John Wiley&Sons,New York,1950 to present)、特に、第13、14、16、19、及び28巻、ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載されている。「ヘテロシクリル」はまた、ヘテロ環ラジカルが飽和、部分不飽和環、または芳香族炭素環式もしくはヘテロ環式環と縮合したラジカルも含む。ヘテロ環式環の例としては、モルホリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、ピペラジニル、ピペラジン-4-イル-2-オン、ピペラジン-4-イル-3-オン、ピロリジン-1-イル、チオモルホリン-4-イル、S-ジオキソチオモルホリン-4-イル、アゾカン-1-イル、アゼチジン-1-イル、オクタヒドロピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル、[1,4]ジアゼパン-1-イル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H-インドリルキノリジニル及びN-ピリジル尿素が挙げられるがこれらに限定されない。スピロヘテロシクリル部分もまた、本定義の範囲に含まれる。スピロヘテロシクリル部分の例としては、アザスピロ[2.5]オクタニル及びアザスピロ[2.4]ヘプタニルが挙げられる。2個の環原子がオキソ(=O)部分で置換されたヘテロ環式基の例は、ピリミジノニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルである。本明細書におけるヘテロ環基は、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換される。
「アリール」とは、親芳香環系の単一の炭素原子から1つの水素原子を除去することにより誘導される、6~20個の炭素原子(C-C20)の一価芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリール基は、例示的な構造において、「Ar」として表される。アリールには、飽和、部分不飽和環、または芳香族炭素環式環に縮合した芳香環を含む二環式ラジカルが含まれる。典型的なアリール基としては、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、インデニル、インダニル、1,2-ジヒドロナフタレン及び1,2,3,4-テトラヒドロナフチルから誘導されるラジカルが挙げられるがこれらに限定されない。アリール基は、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換される。
「ヘテロアリール」という用語は、5、6、または7員環の一価芳香族ラジカルを指し、該用語には、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5~20個の原子の縮合環系(そのうちの少なくとも1つが芳香族である)が含まれる。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば、2-ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4-ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、及びフロピリジニルである。ヘテロアリール基は、任意に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で独立して置換される。
「キラル」という用語は、重ね合わせることができない性質の鏡像の相手を有する分子を指し、「アキラル」という用語は、鏡像の相手と重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同一の化学組成を有するが、空間での原子または基の配置に関しては異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラリティーの中心を備えた立体異性体を指し、その分子は互いに鏡像ではない。ジアステレオマーは、異なる物性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動及びクロマトグラフィー等の高分解能分析手順で分離され得る。
「エナンチオマー」とは、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。
本明細書で使用される立体化学の定義及び伝統的表現法は、概して、S.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York、及びEliel,E.and Wilen,S.,“Stereochemistry of Organic Compounds”,John Wiley&Sons,Inc.,New York,1994に倣っている。本開示の化合物は、不斉またはキラル中心(立体中心)を含む場合があり、それ故、様々な立体異性体で存在する。ジアステレオマー、エナンチオマー及びアトロプ異性体が挙げられるがこれらに限定されない本開示の化合物のすべての立体異性体、ならびにそれらの混合物、例えば、ラセミ混合物は、本開示の一部を形成することが意図される。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは、平面偏光面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記載する際、接頭語D及びL、またはR及びSを使用して、当該分子のキラル中心(複数可)の周りの該分子の絶対配置を示す。接頭語d及びlまたは(+)及び(-)は、該化合物による平面偏光の回転の兆候を示すために使用され、(-)またはlは、該化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdで始まる化合物は右旋性である。所与の化学構造に関しては、これらの立体異性体は、それらが互いに鏡像であること以外は同一である。特定の立体異性体はエナンチオマーとも呼ばれることがあり、かかる異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。50:50のエナンチオマーの混合物は、ラセミ混合物またはラセミ化合物と呼ばれ、化学反応またはプロセスで立体選択または立体特異性がない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ化合物」という用語は、光学活性を欠いた2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指す。
「脱離基」という用語は、求核試薬との反応により置換され得る電子求引基を指す。脱離基の例としては、ハロ、ニトロ(NO)、スルホン、及びスルフェート(例えば、アルキル、アリール、またはヘテロアリールで置換されたトリフレートまたはスルホンまたはスルフェート、この場合、各アルキル、アリール、またはヘテロアリールは、任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C-C)アルコキシ)から選択される1つ以上の基で置換される)が挙げられる。脱離基の例としてはまた、アリールオキシ(-OAr)例えば、フェノキシ、及びアルコキシ(-O-アルキル)、例えば、-O-(C-C)アルキルも挙げられ、この場合、各アリール及びアルキルは、任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C-C)アルコキシ)から選択される1つ以上の基で置換される。
「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互転換性である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)は、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化等、プロトンの転位を介した相互転換を含む。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互転換を含む。
ピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物の調製
本開示は、式I及びIVのピリミジニル-4-アミノピラゾール化合物の合成のためのプロセス、方法、試薬、及び中間体を含む:
Figure 0007284172000002
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式II及びIIIの化合物から調製され、式Iの位置選択的形成をもたらす。かかる実施形態では、式IIとIIIとの間のカップリングは、式IIIのX基の置換よりL基の置換が優先される。
Figure 0007284172000003
本開示の1つの態様は、式Iの化合物:
Figure 0007284172000004
またはその塩の調製方法である。式中、
Xは、ハロ、NO、SO、SO、-OAr及び-O-(C-C)アルキルから選択され、
は、ハロ、シアノ、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、Rの各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意に及び独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
は、ハロ、シアノ、C1-12アルキル、-C(O)R、-C(O)OR及び-C(O)N(R)(R)から選択され、Rのアルキルは、任意に、1つ以上のハロまたはC1-3アルコキシで置換され、
は、水素、-CN、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-(C1-12アルキル)-C(O)NR、-S(O)0-2、-S(O)0-2NR、-(C1-12アルキル)-S(O)0-2NR、-(C1-12アルキル)-CN、-(C1-12アルキル)-C(O)R、-(C1-12アルキル)-C(O)OR、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、Rの各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
各R及びRは、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、RもしくはRの各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成し、
は、C1-12アルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、各々は任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C-C)アルコキシから選択される1つ以上の基で置換され、
該方法は、
式IIの化合物:
Figure 0007284172000005
またはその塩を、式IIIの化合物
Figure 0007284172000006
またはその塩、ただしLは脱離基である、と、
式Iの化合物またはその塩を形成するのに十分な条件下で接触させること、及び任意に、
(b)式Iの化合物またはその塩を精製することを含む。
例示的な実施形態では、Xはハロであり、Lはハロである。
例示的な実施形態では、Xはクロロであり、Lはクロロである。
例示的な実施形態では、Xは-OArであり、Lはハロである。
例示的な実施形態では、Xは-OArまたは-O-(C-C)アルキルであり、Lは-OArまたは-O-(C-C)アルキルである。
例示的な実施形態では、Rは、任意に置換されるC1-12アルキルである。
例示的な実施形態では、RはCHである。
例示的な実施形態では、Rは、任意に置換されるメチルである。
例示的な実施形態では、RはCFである。
例示的な実施形態では、式IのRは、-(C1-12アルキル)-C(O)NRである。
例示的な実施形態では、式IのRは、-C(CHC(O)NHである。
該方法は、さらに、式IIの化合物及び式IIIの化合物を、ZnCl、CuI/BF エーテレート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)、TiCl、BiCl、InCl、BCl、EtZn、及びZnBrから選択されるルイス酸と接触させることを含み得る。
例示的な実施形態では、該ルイス酸は塩化亜鉛である。
例示的な実施形態では、式IIの化合物及び塩化亜鉛を溶媒中で混合し、該混合物を式IIIの化合物に加える。
該方法は、さらに、式Iの化合物を、式NHRの化合物またはその塩と接触させ、式IVの化合物:
Figure 0007284172000007
またはその塩を形成することを含み得る。式中、
、R、及びRは、式Iに関して先に定義した通りであり、
各R及びRは、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、RもしくはRの各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成する。
例示的な実施形態では、R及びRは、独立して、水素であるか、またはオキソ、ハロ、アミノもしくはヒドロキシルで任意に置換されるC1-12アルキルである。
例示的な実施形態では、Rはメチルまたはエチルであり、Rは水素である。
例示的な実施形態では、式IのRは、-(C1-12アルキル)-C(O)NRである。
例示的な実施形態では、式IのRは、-C(CHC(O)NHである。
該方法は、さらに、式IVの化合物を脱水剤と接触させ、Rが-C(CHCNである式IVの化合物またはその塩を形成することを含み得る。
例示的な実施形態では、該脱水剤は、三塩化ホスホリル(POCl)、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、五酸化リン(P)、または無水トリフルオロ酢酸((CFCO)O)である。
該方法は、さらに、形成された化合物またはその塩を精製することを含み得る。
該方法は、さらに、該化合物を賦形剤と接触させること、及び得られた組成物をカプセルまたは錠剤に加工することを含み得る。
例示的な実施形態では、Xはハロであり、Rはメチルであり、Rはトリフルオロメチルであり、Rは-C(CHC(O)NHであり、Lはハロである。
例示的な実施形態では、X及びLはクロロである。
別の態様では、式Vの化合物:
Figure 0007284172000008
またはその塩、立体異性体、互変異性体もしくは重水素アナログを提供する。式中、
Xは、ハロ、NO、SO、SO、-OAr及び-O-(C-C)アルキルから選択され、
は、ハロ、シアノ、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、Rの各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意に及び独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
は、ハロ、シアノ、C1-12アルキル、-C(O)R、-C(O)OR及び-C(O)N(R)(R)から選択され、Rのアルキルは、任意に、1つ以上のハロまたはC1-3アルコキシで置換され、
各R及びRは、独立して、水素、C1-12アルキル、C2-12アルケニル、C2-12アルキニル、C1-12アルコキシ、C3-10シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、RもしくはRの各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びRは、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成し、
は、C1-12アルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、各々は任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C-C)アルコキシから選択される1つ以上の基で置換され、
及びR10は、独立して、水素であるか、またはハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C-C)アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で任意に置換されるC1-12アルキルである。
例示的な実施形態では、Xはハロである。
例示的な実施形態では、Xはクロロである。
例示的な実施形態では、Xはクロロであり、RはC1-12アルキルであり、Rは、1つ以上のFで置換されたC1-12アルキルであり、R及びR10は、独立して、任意に置換されるアルキルである。
例示的な実施形態では、R及びR10はアルキルである。
例示的な実施形態では、Xはクロロであり、RはCHであり、RはCFであり、R及びR10はCHである。
例示的な実施形態では、XはOArまたはO-(C-C)アルキルである。
式Vの化合物は、LRRK2阻害剤の合成における中間体として有用である。
本開示の化合物は、不斉またはキラル中心を含む場合があり、それ故、様々な立体異性体で存在する。ジアステレオマー、エナンチオマー及びアトロプ異性体が挙げられるがこれらに限定されない本開示の化合物のすべての立体異性体、ならびにそれらの混合物、例えば、ラセミ混合物、ジアステレオマー混合物、またはエナンチオマー濃縮混合物は、本開示の一部を形成することが意図される。さらに、本開示は、すべての幾何異性体及び位置異性体を包含する。本明細書に示される構造において、特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合、すべての立体異性体が本開示の化合物として企図され、含まれる。立体化学が、特定の立体配置を表す中実のくさびまたは破線で指定されている場合、その立体異性体はそのように指定及び定義される。
本開示の化合物は、非溶媒和形態で存在する場合もあれば、水、エタノール等の医薬的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在する場合もあり、本開示は、溶媒和及び非溶媒和の両形態を含むことが意図される。
本開示の化合物はまた、様々な互変異性型で存在する場合があり、かかるすべての型が本開示の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互転換性である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られる)は、ケト-エノール及びイミン-エナミン異性化等、プロトンの転位を介した相互転換を含む。原子価互変異性体は、結合電子のいくつかの再編成による相互転換を含む。
本開示の化合物はまた、1つ以上の原子が自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられるという事実を別にすれば、本明細書に列挙されるものと同一である、同位体標識化合物も包む。特定された任意の特定の原子または元素のすべての同位体が、本開示の化合物及びそれらの使用の範囲内で企図される。本開示の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素の同位体、例えば、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123I及び125Iが挙げられる。本開示のある特定の同位体標識化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、化合物及び/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(H)及び炭素-14(14C)同位体は、調製の容易さ及び可検出性のために有用である。さらに、重水素(すなわち、H)等の重同位体での置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の延長または必要用量の低減)に由来するある特定の治療上の利点をもたらす可能性があり、従って、状況次第で好ましい場合がある。陽電子放出同位体、例えば、15O、13N、11C及び18Fは、基質の受容体占有を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用である。本開示の同位体標識化合物は一般に、非同位体標識試薬を同位体標識試薬に置き換えることにより、以下の本明細書における実施例に開示されるものと類似の手順に従って調製することができる。
LRKK2活性を有する化合物は、既知のアッセイ、例えば、WO2011/151360、WO2012/062783、及びWO2013/079493に開示のアッセイに従って容易に特定することができる。
本開示の化合物の調製用の出発物質及び試薬は、概して商業的供給源から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を用いて容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1-19,Wiley,N.Y.(1967-1999 ed.)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin,including supplements(Beilsteinオンラインデータベース経由でも入手可能)に一般的に記載されている方法で調製される)。
以下のスキーム1~4は、本開示の化合物、ならびにある特定の中間体及び試薬の合成のための化学反応、プロセス、方法を説明する。
スキーム1:
Figure 0007284172000009
スキーム1は、3-置換-4-ニトロ-1H-ピラゾール化合物1のN-1置換及びニトロ基還元を示す。1のアルキル化またはアシル化により、R基及びアルキル化/アシル化試薬R-Xに応じたN-1置換生成物2とともに、いくらかのN-2置換位置異性体が得られる。2のニトロ基の水素化を、プロトン性溶媒中で水素ガス及びパラジウム炭素等の触媒を用いて行い、1,3-二置換-4-アミノ-1H-ピラゾール化合物IIを得ることができる。
スキーム2:
Figure 0007284172000010
スキーム2は、3-置換-4-ニトロ-1H-ピラゾール化合物1のアルキル化剤2.1によるN-1アルキル化を示し、ここで、LはハロまたはOHであり、QはOH、NH、NH(C1-6アルキル)、NH(C1-6アルキル)(C1-6アルキル)、またはC1-6アルコキシであり、該C1-6アルキル及びC1-6アルコキシは、任意に、1つ以上のハロで置換される。1つの実施形態では、化合物2.1は、メチル2-ブロモ-2-メチルプロパノエート(L=Br、Q=OCH)であり、これを炭酸セシウムまたは炭酸カリウムなどの塩基の存在下で化合物1と反応させ、R基に応じたN-1置換生成物3とともに、いくらかのN-2置換位置異性体を得る。3のメチルエステルのアンモノリシスにより、アミド4が得られる。アンモノリシスは、ガス状のNH等のアンモニアを使用して、あるいはメタノールもしくは水等のプロトン性溶媒または非プロトン性溶媒中で行うことができる。4のニトロ基の水素化を、プロトン性溶媒中で水素ガス及びパラジウム炭素等の触媒を用いて行い、1,3-二置換-4-アミノ-1H-ピラゾール化合物5を得ることができる。
スキーム3:
Figure 0007284172000011
スキーム3は、Iを得るための4-アミノピラゾール中間体IIと2,4-二置換ピリミジン中間体IIIとのカップリングを示す。特定の機構に限定されるものではないが、この反応は位置選択的なSAr芳香族求核置換反応機構によって進行し得る(March’s Advanced Organic Chemistry,6th Ed.(2007),John Wiley&Sons)。IのX(ハロ)をアミンHNRで置換することにより、IVが得られる。
スキーム4:
Figure 0007284172000012
スキーム4は、スキーム3のプロセスのより具体的な例を示す。2-(4-アミノ-3-置換-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド5と2,4-ジクロロ-5-置換ピリミジン6とのカップリング及び塩化亜鉛等のルイス酸により、2-(4-((4-クロロ-5-置換ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-置換-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド中間体7が、位置選択的SAr反応で得られる。メチルアンモニウムクロリドまたはメチルアミンの遊離塩基による塩化物の置換により、2-(4-((5-置換-4-(メチルアミノ)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-置換-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド8が得られる。かかる置換は、過剰のメチルアミンを使用して、または有機もしくは無機塩基の存在下で行うことができる。いくつかの実施形態では、該置換は、テトラヒドロフラン中、過剰のメチルアミン遊離塩基を用いて行われる。他の実施形態では、該置換は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中、メチルアミン塩酸塩とともに有機アミン塩基、例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミンを用いて行われる。三塩化ホスホリル(POCl)またはプロパンホスホン酸無水物(T3P)等の脱水剤による8のアミドの脱水により、ニトリル化合物9が形成される。別の方法として、脱水は、無水メタンスルホン酸とピリジン等の塩基(Org.Process Res.Dev.2016,20,140-177)、またはLarock,R.C.&Yao,T.“Interconversion of nitriles,carboxylic acids and derivatives”in a Guide to Functional Group Preparations,Comprehensive organic Transformations,Wiley-VCH Publishers,(2018)に記載の代替的な方法を用いて行うことができる。
スキーム5:
Figure 0007284172000013
スキーム5は、スキーム3のプロセスの別の具体例を示す。QがC1-6アルコキシである3のニトロ基の接触水素化による還元で10が形成される。10と2,4-ジクロロ-5-置換ピリミジン6とのカップリングにより、エステル11が位置選択的なSAr反応で得られる。このカップリングは、塩化亜鉛等のルイス酸の存在下で行うことができる。中間体11を、スキーム及び実施例に従ってさらに変化させ、式IV及びVの化合物を形成することができる。
化合物を特徴付け、構造をNMRで確認した。NMR分析用のサンプルは、適量の材料を重水素化溶媒(DMSO-d、CDCN、またはCDCl)に完全に溶解して調製した。H NMRスペクトルは、Varian ATBプローブを備えたVarian INOVA 400MHz NMR分光計またはVarian 5mm H{C13/N15}三重共鳴コールドプローブを備えたVarian INOVA 600MHz NMR分光計のいずれかを使用し、25℃で記録した。
実施例1 2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド5aの調製
Figure 0007284172000014
ジメチルホルムアミド(4.5L)を含む20Lの反応器に、5-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール1a(1.5kg、1.0当量)を投入した。この溶液を0℃に冷却し、細かく粉砕したKCO(2.45kg、1.5当量)を約1時間にわたり、3回に分けて投入した。メチル2-ブロモ-2-メチルプロパノエート(3.2kg、1.5当量)をこの混合物に滴下し、次いで約25℃に加温した。この反応混合物を16時間維持し、次いで水(15L)でクエンチし、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、次いでブラインで洗浄した。この有機層を、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮して、淡黄色固体を得た。この粗生成物を石油エーテル(15L)での結晶化により精製し、濾過し、乾燥して、メチル2-メチル-2-(3-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパノエート3a(2.25kg、HPLCによる純度>99%、収率84%)をオフホワイト固体として得た。HNMR (400 MHz, CDCl) 8.28 (s, 1H), 3.74 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 1.85 (s,6H).
メタノール(23L)及び2-メチル-2-(3-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパノエート3a(2.25kg、1.0当量)を50Lの反応器に投入し、約-20℃に冷却した。アンモニアガスを5時間かけてパージした後、この反応混合物を25℃に加温した。16時間後、この反応混合物を減圧下(約50℃)濃縮し、粗生成物を得た。酢酸エチル(23L)を投入し、その溶液を炭(0.1w/w)及びCelite(登録商標)(0.1w/w)の存在下、45℃で攪拌した。この混合物を濾過し、減圧下濃縮し、次いでその固体をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、11.3L)に室温で2時間スラリー化した。約45℃での濾過及び乾燥により、2-メチル-2-(3-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミド4aを得た(1.94kg、HPLCによる純度>99%、収率92%)。
メタノール(5L)及び2-メチル-2-(3-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミド4a(0.5kg)を窒素雰囲気下、10Lのオートクレーブに投入し、続いてゆっくりと10%(50%湿潤)Pd/C(50g)を加えた。水素を投入し(圧力8.0kg/113psi)、その反応混合物を完了まで25℃で撹拌した。その混合物を濾過し、減圧下濃縮し、次いで25℃で2時間、MTBE(2.5L)にスラリー化した。減圧下(45℃)での濾過及び乾燥により、2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド5aを得た(0.43kg、HPLCによる純度>99%、収率99%)。
実施例2 2-(4-((4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド7aの調製
Figure 0007284172000015
第一の反応器に、t-BuOH(または2-プロパノール)(15.5vol)及び2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド5a(15kg)に続いて塩化亜鉛(13.5kg、1.2当量)を室温で投入し、その懸濁液を約2時間攪拌した。第二の反応器に、ジクロロメタン(DCM、26.6vol)及び2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン6a(19.6kg、1.1当量)を投入し、次いで0℃に冷却した。第一の反応器からの内容物を、第二の反応器に少しずつ加えた。添加後、反応混合物を0℃で約1時間攪拌し、その後、EtN(9.2kg、1.1当量)をゆっくりと投入した。1時間撹拌した後、温度を25℃に上げ、出発物質の消費を観察した。この反応混合物を5%NaHCO水溶液でクエンチし、次いでCelite(登録商標)を通して濾過した。DCM層を除去し、水層をDCMで逆抽出した(3x)。合わせた有機物を水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。メタノール(2.5vol)を投入し、その溶液を1時間加熱還流し、次いで0℃に冷却した。1時間後、固体を濾過し、減圧下乾燥して、2-(4-((4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド7aを得た(31.2kg(湿重量))。HNMR (600 MHz, DMSO-d) 10.05 (br. s., 1H), 8.71 (d, J = 11 Hz, 1H), 7.95(app. d, 1H), 7.18 (br. s., 1H), 6.78 (br. s., 1H), 2.14 (s, 3H), 1.67 (s, 6H).
実施例3 2-メチル-2-(3-メチル-4-((4-(メチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミド8aの調製
Figure 0007284172000016
反応器に、無水テトラヒドロフラン(THF、10vol)及び2-(4-((4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパンアミド7a(21kg)を室温で攪拌しながら投入した。2MメチルアミンのTHF(3.6vol)溶液をこの反応器に25℃でゆっくりと投入し、約3時間維持した。この反応混合物を、0.5w/wの重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し(10w/w)、酢酸エチル(EtOAc、4.5w/w)で抽出した。その水層をEtOAcで抽出し(4x)、その有機物を合わせ、その後HOで洗浄した(7w/w)。この有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下濃縮した。n-ヘプタン(3w/v)をその残渣に加え、攪拌し、濾過し、減圧下乾燥して、2-メチル-2-(3-メチル-4-((4-(メチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミド8aを得た(19.15kg、収率93%)。HNMR (600 MHz, DMSO-d) 8.85 (m, 1H), 8.10 (s, 1H), 8.00 (m, 1H), 7.16(br. s., 1H), 6.94 (m, 1H), 6.61 (br. s., 1H), 2.90 (d, J = 4.3 Hz, 3H), 2.18 (br.s., 3H), 1.65 (s, 6H).
実施例4 2-メチル-2-(3-メチル-4-((4-(メチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル9aの調製
Figure 0007284172000017
反応器に、2-メチル-2-(3-メチル-4-((4-(メチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンアミド8a(15kg、1当量)を室温で投入し、続いてEtOAc(2vol)及び6.7volのT3P(EtOAc中50%w/w)を投入した。この反応混合物を1時間かけて75℃に加熱し、その後出発物質が消費されるまで16時間撹拌した。この反応混合物を-10~-15℃に冷却し、その後5NのNaOH水溶液(7vol)を滴下し、pH8~9にした。層を分離し、水層をEtOAcで逆抽出した(2x4vol)。合わせた有機抽出物を5%NaHCO水溶液で洗浄し、次いで蒸留して水を共沸除去した。その有機物をさらに濃縮し、n-ヘプタン(2vol)を投入し、室温で1時間撹拌した。固体を濾過し、n-ヘプタン(0.5vol)ですすぎ、その後真空下乾燥した(<50℃)。乾燥した固体を55℃でEtOAc(1.5vol)に溶解し、その後n-ヘプタン(3vol)をゆっくりと加え、続いて5~10%の9aシードを加えた。その混合物に、55℃でn-ヘプタン(7vol)をゆっくりと加え、1時間撹拌し、室温に冷却し、その後16時間維持した。この懸濁液をさらに0~5℃に冷却し、1時間攪拌し、濾過した後、そのフィルターを、冷却した1:6.5EtOAc/n-ヘプタン(1vol)ですすいだ。その生成物を50℃で真空下乾燥し、2-メチル-2-(3-メチル-4-((4-(メチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-1H-ピラゾール-1-イル)プロパンニトリル9aを得た(9.5kg、第一の産物)、収率67%)。HNMR (600 MHz, DMSO-d) 8.14 (s, 1H), 8.13 (br. s., 1H), 7.12 (br. s.,1H), 5.72 (br. s, 1H), 3.00 (d, J = 4.6 Hz, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.96 (s, 3H).
実施例5 メチル2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパノエート10aの調製
Figure 0007284172000018
実施例1の手順に従って、メタノール及びメチル2-メチル-2-(3-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-1-イル)プロパノエート3a(0.5kg)の混合物を、窒素雰囲気下オートクレーブに投入し、続いて10%(50%湿潤)Pd/Cをゆっくりと加えた。水素を加圧下で投入し、その反応混合物を25℃で完了まで撹拌した。その混合物を濾過し、減圧下濃縮し、次いで25℃で2時間、MTBEにスラリー化した。減圧下での濾過及び乾燥により、メチル2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパノエート10aを得た(LC-MS、M+1=198)。
実施例6 メチル2-(4-((4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパノエート11aの調製
Figure 0007284172000019
実施例2の手順に従い、メチル2-(4-アミノ-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパノエート10aとDIPEA(1.2当量)の混合物のt-BuOH溶液を80℃に加温した。次に、2,4-ジクロロ-5-トリフルオロメチルピリミジン6aのt-BuOH溶液を80℃でゆっくりと滴下した。15分後、LCMSは、反応が完了したこと、すなわち、後に溶出した59.9%の生成物エステル11a、先に溶出した31.8%の望ましくない位置異性体(エステル)が含まれ、出発物質10aは含まれなかったことを示した。反応終了後、この混合物を室温まで冷却したところ、固体が沈殿した。この固体沈殿物を濾過し、乾燥して、メチル2-(4-((4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル)アミノ)-3-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)-2-メチルプロパノエート11aを得た(LC-MS、M+1=378)。
上記は、明確な理解のための実例及び例としてある程度詳細に記載したが、これらの説明及び例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。従って、すべての適切な修正及び均等物は、以下の特許請求の範囲により定義される本開示の範囲内にあると見なされ得る。本明細書で引用されるすべての特許及び科学文献の開示は、参照することにより全体として明示的に組み込まれる。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
式Iの化合物:
Figure 0007284172000020
またはその塩の調製方法であって、式中、
Xは、ハロ、NO 、SO 、SO 、-OAr及び-O-(C -C )アルキルから選択され、
は、ハロ、シアノ、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R の各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意に及び独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
は、ハロ、シアノ、C 1-12 アルキル、-C(O)R 、-C(O)OR 及び-C(O)N(R )(R )から選択され、R の前記アルキルは、任意に、1つ以上のハロまたはC 1-3 アルコキシで置換され、
は、水素、-CN、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)NR 、-(C 1-12 アルキル)-C(O)NR 、-S(O) 0-2 、-S(O) 0-2 NR 、-(C 1-12 アルキル)-S(O) 0-2 NR 、-(C 1-12 アルキル)-CN、-(C 1-12 アルキル)-C(O)R 、-(C 1-12 アルキル)-C(O)OR 、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
各R 及びR は、独立して、水素、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R もしくはR の各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びR は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成し、
は、C 1-12 アルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、各々は任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C -C )アルコキシから選択される1つ以上の基で置換される前記方法であり、
式IIの化合物:
Figure 0007284172000021
またはその塩を、式IIIの化合物:
Figure 0007284172000022
またはその塩、ただしLは脱離基である、と、
式Iの化合物またはその塩を形成するのに十分な条件下で接触させること、及び任意に、(b)式Iの前記化合物またはその塩を精製することを含む、前記方法。
(項2)
Xがハロであり、Lがハロである、上記項1に記載の方法。
(項3)
Xがクロロであり、Lがクロロである、上記項1または2に記載の方法。
(項4)
Xが-OArであり、Lがハロである、上記項1に記載の方法。
(項5)
Xが-OArまたは-O-(C -C )アルキルであり、LがOArまたはO-(C -C )アルキルである、上記項1に記載の方法。
(項6)
が、任意に置換されるC 1-12 アルキルである、上記項1~5のいずれか1項に記載の方法。
(項7)
がCH である、上記項6に記載の方法。
(項8)
が、任意に置換されるメチルである、上記項1~7のいずれか1項に記載の方法。
(項9)
がCF である、上記項8に記載の方法。
(項10)
式IのR が、-(C 1-12 アルキル)-C(O)NR である、上記項1~9のいずれか1項に記載の方法。
(項11)
式IのR が、-C(CH C(O)NH である、上記項10に記載の方法。
(項12)
さらに、式IIの化合物及び式IIIの化合物を、ZnCl 、CuI/BF エーテレート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)、TiCl 、BiCl 、InCl 、BCl 、Et Zn、及びZnBr から選択されるルイス酸と接触させることを含む、上記項1~11のいずれか1項に記載の方法。
(項13)
前記ルイス酸が塩化亜鉛である、上記項12に記載の方法。
(項14)
前記式IIの化合物及び塩化亜鉛を溶媒中で混合し、前記混合物を前記式IIIの化合物に加える、上記項12に記載の方法。
(項15)
さらに、式Iの化合物を、前記式NHR の化合物またはその塩と接触させ、式IVの化合物:
Figure 0007284172000023

またはその塩を形成することを含む、上記項1~14のいずれか1項に記載の方法であって、式中、
各R 及びR は、独立して、水素、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R もしくはR の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びR は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成する、前記方法。
(項16)
及びR が、独立して、水素であるか、またはオキソ、ハロ、アミノもしくはヒドロキシルで任意に置換されるC 1-12 アルキルである、上記項15に記載の方法。
(項17)
がメチルまたはエチルであり、R が水素である、上記項16に記載の方法。
(項18)
式IのR が、-(C 1-12 アルキル)-C(O)NR である、上記項1~17のいずれか1項に記載の方法。
(項19)
式IのR が、-C(CH C(O)NH である、上記項18に記載の方法。
(項20)
さらに、式IVの化合物を脱水剤と接触させ、R が-C(CH CNである式IVの化合物またはその塩を形成することを含む、上記項15に記載の方法。
(項21)
前記脱水剤が、三塩化ホスホリル(POCl )、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、五酸化リン(P )、または無水トリフルオロ酢酸((CF CO) O)である、上記項20に記載の方法。
(項22)
さらに、形成された前記化合物またはその塩を精製することを含む、上記項1~21のいずれか1項に記載の方法。
(項23)
さらに、前記化合物を賦形剤と接触させること、及び得られた組成物をカプセルまたは錠剤に加工することを含む、上記項1~22のいずれか1項に記載の方法。
(項24)
Xがハロであり、R がメチルであり、R がトリフルオロメチルであり、R が-C(CH C(O)NH であり、Lがハロである、上記項1に記載の方法。
(項25)
X及びLがクロロである、上記項1または24に記載の方法。
(項26)
式Vの化合物:
Figure 0007284172000024

またはその塩、立体異性体、互変異性体もしくは重水素アナログであって、式中、
Xは、ハロ、NO 、SO 、SO 、-OAr及び-O-(C -C )アルキルから選択され、
は、ハロ、シアノ、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R の各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意に及び独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換され、
は、ハロ、シアノ、C 1-12 アルキル、-C(O)R 、-C(O)OR 及び-C(O)N(R )(R )から選択され、R の前記アルキルは、任意に、1つ以上のハロまたはC 1-3 アルコキシで置換され、
各R 及びR は、独立して、水素、C 1-12 アルキル、C 2-12 アルケニル、C 2-12 アルキニル、C 1-12 アルコキシ、C 3-10 シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから選択され、R もしくはR の各アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、独立して及び任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で置換されるか、または、
及びR は、それらが結合する原子と一緒になって、任意に置換されるヘテロシクリルを形成し、
は、C 1-12 アルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、各々は任意に、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、及び(C -C )アルコキシから選択される1つ以上の基で置換され、
及びR 10 は、独立して、水素であるか、またはハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、(C -C )アルコキシ、及びオキソ(=O)から選択される1つ以上の基で任意に置換されるC 1-12 アルキルである、前記化合物、またはその塩、立体異性体、互変異性体もしくは重水素アナログ。
(項27)
Xがハロである、上記項26に記載の化合物。
(項28)
Xがクロロである、上記項26に記載の化合物。
(項29)
Xがクロロであり、R がC 1-12 アルキルであり、R が、1つ以上のFで置換されたC 1-12 アルキルであり、R 及びR 10 が、独立して、任意に置換されるアルキルである、上記項26に記載の化合物。
(項30)
Xがクロロであり、R がCH であり、R がCF であり、R 及びR 10 がCH である、上記項29に記載の化合物。

Claims (11)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 0007284172000025
    またはその塩の調製方法であって、式中、
    Xは、クロロであり
    は、CH であり
    は、CF であり
    は、C(CH C(O)NH であり、
    式IIの化合物:
    Figure 0007284172000026
    またはその塩を、式IIIの化合物:
    Figure 0007284172000027
    またはその塩、ただしLはクロロである、と、
    式Iの化合物またはその塩を形成するのに十分な条件下で接触させること、及び任意に、
    Iの前記化合物またはその塩を精製すること
    を含む、前記方法。
  2. 前記方法が、前記式Iの化合物またはその塩を精製することを含み、ここで、前記式Iの化合物がメタノール中で還流され、冷却され、そして濾過される、請求項1に記載の方法。
  3. さらに、式IIの化合物及び式IIIの化合物を、ZnCl、CuI/BF エーテレート、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(TMSOTf)、TiCl、BiCl、InCl、BCl、EtZn、及びZnBrから選択されるルイス酸と接触させることを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ルイス酸が塩化亜鉛である、請求項に記載の方法。
  5. 前記式IIの化合物及び塩化亜鉛を溶媒中で混合し、前記混合物を前記式IIIの化合物に加える、請求項に記載の方法。
  6. さらに、式Iの化合物を、前記式NHRの化合物またはその塩と接触させ、式IVの化合物:
    Figure 0007284172000028
    またはその塩を形成することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法であって、式中、 は、メチルまたはエチルであり、そして水素である、前記方法。
  7. さらに、式IVの化合物を脱水剤と接触させ、Rが-C(CHCNである式IVの化合物またはその塩を形成することを含む、請求項に記載の方法。
  8. 前記脱水剤が、三塩化ホスホリル(POCl)、プロパンホスホン酸無水物(T3P)、五酸化リン(P)、または無水トリフルオロ酢酸((CFCO)O)である、請求項に記載の方法。
  9. さらに、形成された前記化合物またはその塩を精製することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  10. さらに、前記化合物を賦形剤と接触させること、及び得られた組成物をカプセルまたは錠剤に加工することを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
  11. 式Vの化合物:
    Figure 0007284172000029
    またはその塩、立体異性体、互変異性体もしくは重水素アナログであって、式中、
    Xは、クロロであり
    は、CH であり
    は、CF であり
    及びR10は、CH である、
    前記化合物、またはその塩、立体異性体、互変異性体もしくは重水素アナログ。
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