JP7283717B2 - 放射能濃度評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力施設で発生した資機材および廃棄物の放射能濃度評価装置に関する。
従来、原子力施設で発生した資機材および廃棄物(以下、これらを総称して「放射性廃棄物」という)は、廃棄処理される前に放射能濃度が既定値以下か否かを確認する必要がある。そして、放射能濃度が規定値以下の低レベル放射性廃棄物は所定の方法によって廃棄処分されている。放射性廃棄物の廃棄処分に関し、クリアランス制度という制度がある。クリアランス制度は、放射性廃棄物のうち、放射性物質の放射能濃度が低く、人の健康への影響を考慮する必要がないものについて、放射能濃度の測定・評価方法及び測定・評価結果それぞれに国の認可及び確認を得て、一般の廃棄物として処分または再利用できる制度である。クリアランス制度を適用して放射性廃棄物を処分するためには、放射性廃棄物の放射能濃度が、一般の廃棄物と同じように処分や再利用ができるクリアランスレベル以下であることを確認する必要がある。クリアランスレベルは、自然界の放射線レベルと比較して十分小さく、安全上放射性物質として扱う必要のない放射線の量である。クリアランスレベルは、放射能濃度すなわち単位重量当たりの放射能(ベクレル/グラム:Bq/g)で表されており、放射能濃度の測定・評価方法として国の認可を得たクリアランス測定装置を用いて、測定した放射線から放射能を評価し、測定した重量で除して放射能濃度(Bq/g)を評価する。
放射性廃棄物の放射能濃度を評価する場合、容器内に放射性廃棄物を収納し、容器の外から放射性廃棄物が発する放射線を測定する方法がある。例えば、この種の先行技術として、外部照射用放射線源から放射性物質を含む被測定物が充填された容器にガンマ線を照射する放射性物質の密度測定方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法では、外部照射用放射線源に起因するガンマ線と被測定物に起因するガンマ線との和を測定した第1検出値と、被測定物自身から発するガンマ線のみを測定した第2検出値とから、被測定物の放射性物質の密度を測定している。
また、他の先行技術として、放射性廃棄物を容器に入れ、容器内の放射性廃棄物の重量または密度を測定し、容器内の放射性廃棄物から発せられるガンマ線および中性子の少なくとも一方を計測するようにした放射性廃棄物の放射能測定装置がある(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62-91879号公報 特開2003-75540号公報
ところで、国の審査基準では、放射性廃棄物をクリアランス可能とするためには、測定・評価した放射能濃度(Bq/g)とその結果がもつ不確かさを含めて、核種毎に定められたクリアランスレベルを下回ることを求めている。測定結果の不確かさが大きい場合は、クリアランス可能と想定した物量のうち、一部がクリアランスできなくなり、低レベル放射性廃棄物として処分することとなり、管理コストの増加をもたらす。
このため、原子力施設で発生した放射性廃棄物のクリアランスレベルの放射能濃度評価では、放射性廃棄物を所定の鉄箱等の容器に均一になるように収納、または金属メッシュのトレイの上に高さ制限を守りつつ、重なり合わないように並べて不確かさを小さく抑え、容器全体で測定した放射線計数を放射能に換算する係数の設定を安全側にして放射能濃度を大きく評価するようにしている。
しかし、放射性廃棄物を所定の鉄箱等の容器に均一に収納するためには、放射性廃棄物を板状や細かく切断するなど多くの前処理作業が必要となり、この前処理作業に多くの時間と労力を必要とする。
仮に、前処理作業に要する時間と労力を削減するために、容器内に放射性廃棄物を無作為(無作為とは、放射性廃棄物を均一に並べるような前処理作業をしないことをいう)に収納した場合、例えば一部の放射性廃棄物に偏って放射性物質が付着している場合など、測定結果の不確かさが大きくなる。
なお、上記特許文献1および特許文献2は、いずれも容器内に充填された被測定物全体のガンマ線を検出するため、放射性廃棄物を容器内に充填する作業に時間と労力を必要とする。
そこで、本発明は、容器内に無作為に収納した放射性廃棄物の放射能濃度を測定・評価できる放射能濃度評価装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る放射能濃度評価装置は、放射性廃棄物の放射能濃度評価装置であって、前記放射性廃棄物を収納する容器と、前記容器を仮想的に分割した複数の分割領域ごとに放射線を照射し、該放射線の透過量から内部の前記放射性廃棄物の重量または密度を測定する重量分布計測ユニットと、前記分割領域ごとに前記放射性廃棄物から発せられる放射線量の計数と放射線放出核種を測定する放射線測定ユニットと、前記容器を、前記複数の分割領域が前記放射線の照射位置となるように順次配置変更する配置変更装置と、前記分割領域ごとに前記放射性廃棄物の前記重量または密度と前記放射線量と核種組成とから該分割領域ごとにおける前記放射性廃棄物の放射能濃度を評価するデータ処理部と、を備えている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「放射線」は、X線、放射光またはガンマ線などを含む。
この構成により、容器内に収納した放射性廃棄物を、仮想的に分割した複数の分割領域ごとに重量または密度の測定と放射線量の計数と放射線放出核種の測定とを行い、それらのデータから放射性廃棄物の放射能濃度を評価するので、容器内に放射性廃棄物が無作為に収納されていても、その放射性廃棄物の放射能濃度を適切に評価することができる。よって、放射性廃棄物を容器に入れるための時間と労力を削減できる。
また、前記重量分布計測ユニットは、前記容器内の前記放射性廃棄物の重量または密度の測定を行う密度測定器を備え、前記密度測定器は、前記容器の前記分割領域ごとに放射線を照射する放射線照射部を有し、該放射線照射部から照射した放射線の透過量から該分割領域ごとに前記放射性廃棄物の重量または密度を測定するように構成されていてもよい。
このように構成すれば、密度測定器の放射線照射部から照射した放射線の透過量に基づいて、分割領域ごとに放射性廃棄物の重量または密度を適切に測定することができる。
また、前記放射線測定ユニットは、前記容器内の前記放射性廃棄物の前記放射線量を測定する放射線量測定器と、放射線放出核種分析器と、を備え、前記放射線量測定器と前記放射線放出核種分析器は、前記容器の分割領域ごとに前記放射線量と前記放射線放出核種を測定するように構成されていてもよい。
このように構成すれば、放射線測定器で分割領域ごとに放射線量と放射線放出核種を適切に測定することができる。
また、前記容器を、前記複数の分割領域が前記放射線量測定器と前記放射線放出核種分析器の位置となるように順次配置変更する配置変更装置を備えていてもよい。
このように構成すれば、配置変更装置によって放射線量測定器と放射線放出核種分析器の位置に容器の分割領域を配置変更することで、放射線量測定器と放射線放出核種分析器を定位置に配置した状態で複数の分割領域における放射線量と放射線放出核種を適切に測定することができる。
本発明によれば、容器内に無作為に収納した放射性廃棄物の放射能濃度を測定・評価することができる放射能濃度評価装置を提供することが可能となる。よって、放射性廃棄物を容器に収納する時間と労力を大幅に削減することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る放射能濃度評価装置で評価する放射性廃棄物を容器に収納する状態を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す容器を仮想的に分割した分割領域の一例を示す平面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る放射能濃度評価装置を示す側面図である。 図4は、図3に示す放射能濃度評価装置を示す平面図である。 図5は、図3に示す放射能濃度評価装置における制御ブロック図である。 図6は、図3に示す重量分布計測ユニットにおけるX線の透過量から放射性廃棄物の重量・密度を評価するデータを示す図であり、(a)は濃度データを示す一例のグラフであり、(b)は透過画像の濃度を模式的に示す一例である。 図7は、図3に示す放射線検出器と放射線放出核種分析器の配置例を模式的に示す斜視図である。 図8(a)~(d)は、図2に示す容器の分割領域ごとに放射線量を測定する例を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、容器10(例えば、鉄箱)を一方から他方へ直線的に送る放射能濃度評価装置1を例に説明する。また、以下の実施形態の容器10は、内部空間を平面視で仮想的に4分割した複数の分割領域A~Dを有する構成を例に説明する。また、放射線としてX線を例に説明する。この明細書および特許請求の範囲の書類中における上下左右方向の概念は、図1に示す放射能濃度評価装置1における容器10の移動方向を左右方向とする上下左右方向の概念と一致するものとする。
(容器10)
図1は、一実施形態に係る放射能濃度評価装置1で評価する放射性廃棄物100を容器10に収納する状態を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す容器10を仮想的に分割した分割領域A~Dの一例を示す平面図である。
図1に示すように、容器10は、例えば、平面視における縦横の寸法が100cm~150cmで、高さが50cm程度の大きさの鉄箱を用いることができる。このような容器10の本体11内に放射性廃棄物100を無作為に収納し、蓋12で閉じる。容器10に放射性廃棄物100を無作為に収納した場合、例えば、容器10の全体容積に対して25%~30%程度の収容率で収容することができる。
図2に示すように、この実施形態では、容器10の内部を平面視で仮想的に4等分した4つの分割領域A~Dに分けている。分割領域A~Dは、容器10を平面視した状態で、中心点を通る90°の仮想線15で区切られ、周方向に分割された領域となっている。例えば、容器10の縦横の寸法が100cmの場合、各分割領域A~Dは、平面視において縦横の寸法が50cmとなる。この分割例は、一例である。
このような容器10の各分割領域A~Dに対して、後述するように、重量分布計測ユニット30により外部からX線を透過させて、得られたX線の透過量から各分割領域A~Dにおける内部の放射性廃棄物100の重量・密度を測定する。X線の透過量から放射性廃棄物100の重量・密度を測定する方法については、後述する。
この重量分布計測ユニット30による放射性廃棄物100の重量・密度の測定により、容器10の内部に放射性廃棄物100が無作為に収納されることで生じる、各分割領域A~Dにおける充填密度の違いを測定することができる。
また、このような容器10の各分割領域A~Dに対して、後述するように、放射線測定ユニット50のプラスチックシンチレータ55による放射線量の測定と、Ge半導体検出器56による核種組成の測定とが行われる。そして、それらの測定データから、各分割領域A~Dにおける内部の放射性廃棄物100の放射線量と核種組成とを推定する。放射性廃棄物100の放射線量と核種組成とを推定する方法については、後述する。
(放射能濃度評価装置1)
図3は、一実施形態に係る放射能濃度評価装置1を示す側面図である。図4は、図3に示す放射能濃度評価装置1を示す平面図である。なお、これらの図では、容器10が左方向から右方向に送られるため、左方向を上流方向、右方向を下流方向ともいう。また、これらの図では複数の容器10が同時に流れている例を示しているが、放射能濃度評価装置1内で同時に流れる容器10の数はこの例に限定されない。
図示するように、この実施形態の放射能濃度評価装置1は、重量計測ユニット20と、重量分布計測ユニット30と、容器回転ユニット40と、放射線測定ユニット50と、を備えている。容器10は、重量計測ユニット20に載せられ、重量分布計測ユニット30、容器回転ユニット40、放射線測定ユニット50へと送られる。この実施形態では、容器10の内部空間を仮想的に4分割し(図2)、その各分割領域A~Dごとに重量分布の測定と放射線の測定を行うようになっている。すなわち、上記重量分布計測ユニット30および放射線測定ユニット50は、後述するように、この実施形態では、容器回転ユニット40にて容器10を90°ずつ回転させ、容器10の1/4の各分割領域A~Dごとに測定するようになっている。このため、1つの容器10に対してそれぞれ4回の測定が行われるので、容器10は、重量分布計測ユニット30と容器回転ユニット40との間と、放射線測定ユニット50と容器回転ユニット40との間で、複数回往復移送される。容器10を90°ずつ回転させる流れは、後述する図8に示す。
これらの重量計測ユニット20、重量分布計測ユニット30、容器回転ユニット40および放射線測定ユニット50の各動作は、制御装置60によってそれぞれ制御される。
以下、各ユニット20,30,40,50について説明する。
[重量計測ユニット20]
重量計測ユニット20は、架台21の上部に容器搬送部22が設けられている。この実施形態の容器搬送部22は、複数のローラが送り方向に設けられたローラチェーン搬送部23となっている。容器10は、ローラチェーン搬送部23によって下流方向(右方向)へ送られる。ローラチェーン搬送部23は、駆動機構を備えていても、備えていなくてもよい。この実施形態では、重量計測ユニット20が容器受入ユニットを兼ねている。
この実施形態の重量計測ユニット20には、容器搬送部22に載せられた容器10の重量を測定する重量計測器25が設けられている。重量計測器25は、架台21に設けられたダンパ26で支持されている。重量計測器25は、例えば、ロードセル方式を用いることができ、最大計測容量として1500kgf~2500kgfを計測できるものを用いることができる。容器10の重量を計測する機能は、容器回転ユニット40に備えさせることもできる。
[重量分布計測ユニット30]
重量分布計測ユニット30は、架台31の上部に容器搬送部32が設けられている。この容器搬送部32も、複数のローラが送り方向に設けられたローラチェーン搬送部33となっている。この実施形態の重量分布計測ユニット30は、容器10を下流方向の容器回転ユニット40に送り、また容器回転ユニット40から戻すように往復移送させるため、ローラチェーン搬送部33は正転反転駆動が可能となっている。
重量分布計測ユニット30には、容器10を仮想的に4分割した各分割領域A~Dごとに重量または密度(以下、「重量・密度」ともいう)を測定するための密度測定器を有している。密度測定器として、この実施形態ではX線測定器が用いられている。X線測定器のX線照射部35は、容器10の上方から分割領域A~Dの1つに向けてX線を照射するように配置されている。X線照射部35が配置された位置の容器10の下方には、容器10を透過したX線の透過量画像を得るX線検出部36が設けられている。X線検出部36で得られたX線の透過量から、制御装置60において容器10内の放射性廃棄物100の重量・密度が測定(把握)される。放射性廃棄物100の重量・密度の測定方法についての詳細は、後述する。
X線照射部35としては、例えば、最大100mm厚までの鉄系金属を評価できるものを用いることができる。X線照射部35の管電圧、管電流の定格値等については、容器10の厚み、放射性廃棄物100の材質などに応じて設定すればよい。
重量分布計測ユニット30は、放射線(X線)を用いるため、外部から遮蔽する遮蔽壁37によって覆われている。
[容器回転ユニット40]
容器回転ユニット40は、架台41の上部に容器搬送部42が設けられている。この容器搬送部42も、複数のローラが送り方向に設けられたローラチェーン搬送部43となっている。この実施形態の容器回転ユニット40は、容器10を重量分布計測ユニット30との間と、放射線測定ユニット50との間で往復移送させる。このため、ローラチェーン搬送部43は正転反転駆動が可能となっている。
容器回転ユニット40には、容器10をローラチェーン搬送部43から持上げて回転させる配置変更装置45が設けられている。配置変更装置45は、容器10の下面に接する当接部46と、当接部46を昇降させるジャッキ部47を有している。ジャッキ部47は、当接部46を90°ごとの角度で回転させる機能を有している。ジャッキ部47は、回転の都度、当接部46の位置をロックする機能を有している。この実施形態では、容器10を周方向に4分割した各分割領域A~Dの位置を順次変更するため、90°で回転させる構成であるが、容器10が2分割の分割領域となっている場合は、180°で回転させる構成とすればよい。配置変更装置45は、容器10の内部空間を仮想的に分割した数に応じた角度で容器10を回転させればよい。
[放射線測定ユニット50]
放射線測定ユニット50は、架台51の上部に容器搬送部52が設けられている。この容器搬送部52も、複数のローラが送り方向に設けられたローラチェーン搬送部53となっている。放射線測定ユニット50も、容器10を容器回転ユニット40との間と、下流方向への移送ができるように、ローラチェーン搬送部53は正転反転駆動が可能となっている。
放射線測定ユニット50には、容器10内の放射性廃棄物100の放射線量を測定するプラスチックシンチレータ55と、放射性廃棄物100の放射線放出核種の組成(以下、単に「核種組成」ともいう)を測定するGe半導体検出器56と、が備えられている。プラスチックシンチレータ55は放射線量測定器であり、Ge半導体検出器56は放射線放出核種分析器である。
プラスチックシンチレータ55は、この実施形態では、容器10を仮想的に4分割した各分割領域A~Dごとに放射線量を測定するようになっている。プラスチックシンチレータ55は、容器10の上方と下方に設けられた一対の構成となっている。プラスチックシンチレータ55は、公知の技術を採用することができる。
Ge半導体検出器56は、この実施形態では、プラスチックシンチレータ55が配置された分割領域A~Dとは異なる分割領域A~Dごとに、放射線放出核種を測定するように配置されている。この実施形態では、プラスチックシンチレータ55と対角位置の分割領域の位置にGe半導体検出器56が配置されている。Ge半導体検出器56は、公知の技術を採用することができる。このように、プラスチックシンチレータ55とGe半導体検出器56は、各分割領域ごとに測定するようになっている。
放射線測定ユニット50は、放射線が外部に漏れないように、外部から遮断する遮蔽壁57によって覆われている。なお、放射線測定ユニット50の下流方向に容器払出ユニット(図示省略)を備えさせてもよい。
(放射能濃度評価装置1の制御)
図5は、図3に示す放射能濃度評価装置1における制御ブロック図である。この図では、制御装置60とデータ処理部61とを別ブロックで示しているが、これらは一体的な構成とすることができる。制御装置60(データ処理部61)は、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリおよびI/Oインターフェース等を有する。データ処理部61は、不揮発性メモリに保存されたプログラムに基づいてプロセッサが揮発性メモリを用いて演算処理することで実現される。
上記放射能濃度評価装置1によれば、各ユニット20、30、40、50と制御装置60(データ処理部61を含む)との間で、以下のような送受信が行われる。図3~4に示す構成を参照し、その動作などを含めて説明する。
重量計測ユニット20は、制御装置60との間で容器10が定位置に配置されたか否かの送受信が行われる。容器10の定位置配置は、容器10の位置をセンサで検知するようにすればよい。容器10が定位置に配置されると、制御装置60からの信号で重量計測が開始される。重量計測が完了すると、容器10がローラチェーン搬送部23によって重量分布計測ユニット30の方向に送られる。重量計測ユニット20における重量計測のデータは、データ処理部61に送られ、記憶部(ROM、RAM等)に記憶される。データがデータ処理部61に記憶されると、データ処理部61から制御装置60に信号が送られ、制御装置60から容器10を重量分布計測ユニット30へ送る信号が出される。
重量分布計測ユニット30は、制御装置60との間で容器10が定位置に配置されたか否かの送受信が行われる。容器10の定位置配置は、容器10の位置をセンサで検知するようにすればよい。容器10が定位置に配置されると、X線照射部35の位置に配置された分割領域A~Dの測定面(仮想的に区切られた面)が認識される。この例では、分割領域Aから順に認識される。分割領域Aが認識されると、制御装置60からの信号で計測が開始される。これにより、分割領域AにX線照射部35からX線が照射され、X線検出部36で透過量が得られる。X線検出部36で得られた透過量は、データ処理部61に送られる。データがデータ処理部61に記憶されると、データ処理部61から制御装置60に信号が送られる。このように、重量分布計測ユニット30で容器10の分割領域Aの計測が完了すると、制御装置60からローラチェーン搬送部33に正転指示が出され、容器10が容器回転ユニット40へと送られる。
容器回転ユニット40では、容器10が定位置まで送られると、制御装置60から90°回転の指示が出され、配置変更装置45によって容器10が持上げられた後、90°回転させられる。容器回転ユニット40で容器10が90°回転させられると、制御装置60からローラチェーン搬送部43に反転指示が出され、容器10は上流方向の重量分布計測ユニット30へと戻される。重量分布計測ユニット30に戻された容器10は、分割領域BがX線照射部35の位置に配置されたことが認識され、分割領域BにX線照射部35からX線が照射される。そして、X線検出部36で得られた透過量がデータ処理部61に送られる。
このように、重量分布計測ユニット30で容器10の分割領域Bの計測が完了すると、制御装置60からローラチェーン搬送部33に正転指示が出され、容器10が容器回転ユニット40へと送られる。その後、容器回転ユニット40で容器10が90°回転させられた後、上記分割領域Bにおける測定と同様に、分割領域C、分割領域Dについて重量分布計測ユニット30で重量・密度の測定が順に行われる。なお、各分割領域A~Dにおける重量・密度の測定は、後述する図8(a)~(d)と同様であるため、詳しい説明は省略する。
そして、全ての分割領域A~Dについて重量・密度の測定が終了すると、制御装置からの信号でローラチェーン搬送部33が正転駆動されて容器10は容器回転ユニット40に送られる。この実施形態では、容器回転ユニット40に送られた容器10は、90°回転させられて分割領域Aが最初の位置に戻された後、容器回転ユニット40から下流方向の放射線測定ユニット50へと送られる。
放射線測定ユニット50に送られた容器10は、制御装置60との間で容器10が定位置に配置されたか否かの送受信が行われる。容器10の定位置配置は、容器10の位置をセンサで検知するようにすればよい。容器10が定位置に配置されると、仮想的に4分割された分割領域Aがプラスチックシンチレータ55の位置に配置されていることが認識される。分割領域Aが認識されると、プラスチックシンチレータ55によって分割領域Aにおける放射線量の測定が開始される。また、この状態では、分割領域CがGe半導体検出器56の位置に配置されており、Ge半導体検出器56によって分割領域Cにおける放射線放出核種が検出される。分割領域Aにおいて測定された放射線量の測定値と、分割領域Cにおいて検出された放射線放出核種の検出値は、データ処理部61に送られて記録される。
そして、この実施形態では分割領域Aにおける放射線量の測定と、分割領域Cにおける放射線放出核種の検出とが終了すると、制御装置60からローラチェーン搬送部53に反転指示が出され、容器10が容器回転ユニット40へと送られる。容器回転ユニット40に送られた容器10は、配置変更装置45によって90°回転させられる。容器10が容器回転ユニット40で90°回転させられると、制御装置60からローラチェーン搬送部43に正転指示が出され、容器10は放射線測定ユニット50へと送られる。
その後、容器10の分割領域Bがプラスチックシンチレータ55の位置に配置されていることが認識されると、プラスチックシンチレータ55によって分割領域Bにおける放射線量の測定が開始される。また、この状態では、分割領域DがGe半導体検出器56の位置に配置されており、Ge半導体検出器56によって分割領域Dにおける放射線放出核種の検出も行われる。分割領域Bにおいて測定された放射線量の測定値と、分割領域Dにおいて検出された放射線放出核種の検出値は、データ処理部61に送られて記録される。
そして、分割領域Bにおける放射線量の測定と、分割領域Dにおける核種組成の検出とが終了すると、容器10は制御装置60からの信号によって容器回転ユニット40へと送られて、容器回転ユニット40の配置変更装置45によって90°回転させられる。容器回転ユニット40で90°回転させられた容器10は、放射線測定ユニット50へと送られて、次の分割領域Cにおける放射線量の測定と、分割領域Aにおける放射線放出核種の検出とが同様に行われる。その後、分割領域Dについての放射線量と、分割領域Bについての放射線放出核種の検出とが同様に行われる。
この放射能濃度評価装置1によれば、放射性廃棄物100の放射能を評価するために、分割領域ごとにガンマ線のエネルギースペクトルを測定できる放射線放出核種分析器であるGe半導体検出器56による測定を付加することにより、測定・評価対象核種の存在比を求め、全ガンマ線測定で得られた計数値を核種毎に配分することができる。
(重量分布計測ユニット30による重量分布の評価)
図6は、図3に示す重量分布計測ユニット30におけるX線の透過量から放射性廃棄物100の重量・密度を評価するデータを示す図であり、(a)は濃度データを示す一例のグラフであり、(b)は透過画像の濃度(グレースケール)を模式的に示す一例である。図6(a)は、放射性廃棄物100の板厚の変化と、グレースケールの濃度の変化を示している。
重量分布計測ユニット30では、X線照射部35から容器10に向けてX線を照射し、X線検出部36で得られたX線の透過量から、容器10内の放射性廃棄物100の重量・密度の分布を測定(把握)している。図6では、X線照射部35からX線を照射したときの管電圧と、容器10に収納した放射性廃棄物100の密度(板厚)に応じて変化する透過量によって生じるグレースケールの濃度の関係を示している。
すなわち、X線照射部35から所定の管電圧でX線を照射し、そのときの放射性廃棄物100の板厚と透過量(透過画像の濃度変化で表すことができる)の関係性を予め試験により求め、これらの関係性から、X線の透過量における板厚のマップを作成する。なお、X線の透過量によって変化する透過画像は、(a)のグラフから、放射性廃棄物100の板厚が薄い場合は濃度が淡く、板厚が厚い場合は濃度が濃くなることがわかる。つまり、透過画像は、(b)に模式的に示すように、板厚が薄い場合の透過画像は図の左側に示すように淡く、板厚が厚い場合の透過画像は図の右側に示すように濃くなる。図示するグラフは、管電圧220kVで鉄系金属の放射性廃棄物100を測定した場合の例を示すものである。このような関係性から作成するマップは、管電圧を変化させた場合の複数のマップや、ある特定の板厚の範囲(例えば、30mm-50mm、50mm-100mm)について精度よく試験を行って作成することもできる。例えば、この試験結果の関係性を基に、管電圧とX線の透過量のデータをインプット側として、金属厚分布(=重量密度分布)の評価としてアウトプットとしてマップを作成することができる。
そして、これらの試験結果に基づいて、X線を照射した際の管電圧と透過量から作成したマップに基づいて、重量密度分布に変換できる計算システム(プログラム)を作成することができる。この計算システムにより、重量分布計測ユニット30のX線検出部36で検出されたX線の透過量から得られたデータを基に重量密度分布に変換し、重量・密度を測定(把握)することができる。
また、この計算システムを含む計測装置に、X線照射部35から照射するX線と、放射性廃棄物100によるX線の吸収とから、分割領域A~Dごとの重量分布を測定(推定)する機能を備えさせてもよい。すなわち、放射性廃棄物100の分割領域A~Dごとの重量測定結果を基に、放射性廃棄物100から放出される放射線の自己吸収による減衰を評価し、この減衰を放射線の計数における検出効率の算定に反映してもよい。
なお、先に重量計測ユニット20で計測した容器10の総重量に基づいて、重量分布計測ユニット30で得られた重量・密度のデータを各分割領域A~Dの重量を割り振るようにしてもよい。また、放射性廃棄物100の充填密度の違いにより一定線量では透過線量が飽和、または計測不可となるため、各分割領域A~Dごとに数パターン管電圧を変化させて、適正な透過線量を得ることで正確な重量・密度を算出するようにしてもよい。
また、X線の透過量によって放射性廃棄物100の重量・密度を推定する方法は、この実施形態に限定されるものではない。例えば、図6に示すような関係性を求め、この関係性から以下のような数式を導き出すようにしてもよい。
G=f(V)×g(d)
但し、Gはグレースケール、f(V)は管電圧についての関数、g(d)は密度についての関数である。
このような重量分布計測ユニット30によれば、容器10を仮想的に4分割した各分割領域A~Dに対してX線を照射することで得られたX線の透過量により、各分割領域A~Dの内部の重量・密度を把握することができる。よって、放射性廃棄物100を前処理せず、無作為に容器10へ収納した場合には容器10の各分割領域A~Dにて充填密度の違いが発生するが、放射性廃棄物100にX線を照射してX線検出部36で得られた透過量に基づく重量分布測定によって、4つの分割領域A~Dにおける重量・密度を適切に把握することができる。
(放射線測定ユニット50による測定)
図7は、図3に示す放射線検出器(プラスチックシンチレータ55)と放射線放出核種分析器(Ge半導体検出器56)の配置例を模式的に示す斜視図である。図8(a)~(d)は、図2に示す容器10の分割領域A~Dごとに放射線量を測定する例を示す平面図である。
図7に示すように、この実施形態における放射線測定ユニット50は、容器10の分割領域A~Dの1つに対してプラスチックシンチレータ55で放射線量を測定(放射線の計数)し、分割領域A~Dの他の1つに対してGe半導体検出器56で放射線放出核種を検出するようになっている。これにより、プラスチックシンチレータ55による放射線量測定と、Ge半導体検出器56による放射線放出核種の測定とを効率良く行えるようにしている。
以下、図8(a)~(d)に基づいて、放射線測定ユニット50による放射線量の測定と放射線放出核種の計測について説明する。
図8(a)に示すように、放射線測定ユニット50の所定位置に配置された容器10に対し、分割領域Aでは、容器10の上下方向に配置されたプラスチックシンチレータ55によって分割領域Aにおける放射線量が測定される。また、分割領域Cでは、容器10の上方に配置されたGe半導体検出器56によって分割領域Cにおける放射線放出核種の検出が行われる。分割領域Aにおける放射線量の測定と、分割領域Cにおける放射線放出核種の検出とが行われると、容器10は容器回転ユニット40に送られて90°回転させられた後、放射線測定ユニット50に戻される。
次に、図8(b)に示すように、分割領域Bでは、容器10の上下方向に配置されたプラスチックシンチレータ55によって分割領域Bにおける放射線量が測定される。また、分割領域Dでは、容器10の上方に配置されたGe半導体検出器56によって分割領域Dにおける放射線放出核種の検出が行われる。分割領域Bにおける放射線量の測定と、分割領域Dにおける放射線放出核種の検出とが行われると、容器10は容器回転ユニット40に送られて90°回転させられた後、放射線測定ユニット50に戻される。
この実施形態では、容器10を仮想的に4つの分割領域A~Dに分割しているため、次に、図8(c)に示すように、分割領域Cにおける放射線量の測定と、分割領域Aにおける放射線放出核種の検出とが行われる。その後、上記したように90°回転させられ、次に図8(d)に示すように、分割領域Dにおける放射線量の測定と、分割領域Bにおける放射線放出核種の検出とが行われる。
このように、各分割領域A~Dの全てに対して、それぞれ放射線量の測定と放射線放出核種の検出とが行われる。
(評価方法の一例)
[放射能濃度換算係数の作成]
分割した各分割領域A~Dに対して、放射線量の測定結果(cps)から放射性廃棄物100の放射能濃度(Bq/g)を評価(推定)するための放射能濃度換算係数を作成する。放射能濃度換算係数は、模擬試験実機スケールを想定したモデルに対するQAD(点減衰核積分法解析コード)等の理論計算に基づく詳細評価を基に設定する。
放射能濃度換算係数は、各分割領域A~Dごとに測定した放射線量の計数値と重量・密度の測定結果に基づいて推定した透過厚さを主要パラメータとして、これらの関数として求める。放射能濃度換算係数は、放射性廃棄物100に付着した放射性物質の位置、分布および放射能の推定と、自己吸収による減衰を放射線の計数における検出効率の算定に反映し、分割領域A~Dごとに求めることができる。この放射能濃度換算係数は、実際の放射能濃度よりも評価結果が下回る確率が十分低くなるようにしながら、過度な保守性をできるだけ排除したものであることが望ましい。
放射線量の計数値(絶対値)は、プラスチックシンチレータ55の値を用い、評価システムに組み込んだ放射能濃度換算係数により、各分割領域A~Dの内部における放射能濃度を評価することができる。
設定した放射能濃度換算係数については、模擬試験やMCNP(Monte Carlo N-Particle Transport Code)等によるシミュレーション試験で妥当性を確認することができる。
また、プラスチックシンチレータ55で得られた放射線計数値と、Ge半導体検出器56の放射線放出核種分析結果とから放射性核種ごとの計数を求め、放射性核種の存在比を基に、放射線計数値を割りつけて放射能濃度を評価することもできる。
[評価モデル式の作成]
MCNP等の詳細評価によって、合理的な範囲で保守性を有した評価モデル式およびクリアランス判定基準値に対する安全率を作成することができる。合理的な範囲とは、実際の放射能濃度よりも評価結果が下回る確率が十分低くなるようにしながら、過度な保守性を排除した範囲をいう。
評価モデル式は、放射線放出核種分析器(Ge半導体検出器56)からの入力値(測定位置のcps、g/cm2)を入力とする式として、制御装置60に組み込まれる。
放射性廃棄物100の放射能濃度レベルは、クリアランス判定基準値(クリアランスレベル)の1/10程度を見込み、検出限界濃度上限値として、例えば、評価対象核種のうち寄与が大きいと推定されるCo-60について、クリアランスレベルの1/10となる0.01Bq/gとすることができる。
[放射能濃度の評価]
上記した放射能濃度評価装置1によれば、容器10の内部空間を平面視で仮想的に4分割にした分割領域A~Dごとに、放射線の計数値と放射線放出核種の分析結果とから放射性廃棄物に含まれる評価対象核種の放射能濃度を適切に評価することが可能となる。このような放射能濃度評価装置1によれば、容器10に放射性廃棄物100を無作為に収納したとしても、複数の分割領域A~Dごとに放射性廃棄物100の放射能濃度を精度よく測定することができる。よって、容器10内に放射性廃棄物100を無作為に収納することで、放射性廃棄物100を容器10に収納する時間と労力を大幅に削減することが可能となる。
また、放射能濃度の評価は、放射性核種の存在比を基に、放射線計数値を割りつけて放射能濃度を評価することもできる。さらに、放射性廃棄物100に含まれる評価対象核種の放射能濃度の評価を、分割領域A~Dごとに行うこともできる。
そして、放射性廃棄物100の放射能濃度を適切に評価することで、全ての分割領域A~Dにおける放射性廃棄物100の放射能濃度がクリアランスレベル以下である場合には、その容器10内の放射性廃棄物100を一般の廃棄物と同じように処分や再利用することができる。よって、管理コストの削減が可能となる。
また、分割領域A~Dの一部において放射能濃度がクリアランスレベルを越えている場合、クリアランスレベルを越えている分割領域A~Dの放射性廃棄物100を個別に低レベル放射性廃棄物100として処分するか、その容器10内の放射性廃棄物100全体の評価を基に適切に処分するなどの対処ができる。
(その他の変形例)
上記した実施形態の放射能濃度評価装置1は、容器10の内部空間を平面視で仮想的に4分割にした例を説明したが、容器10の内部空間を仮想的に分割する数は4つに限定されない。容器10の内部空間を仮想的に分割する数は、容器10の大きさ、密度測定器で測定できる大きさなどに応じて設定すればよい。
また、上記した実施形態の放射能濃度評価装置1は、各ユニット20,30,40,50を直線状に配置した例としているが、各ユニット20,30,40,50の配置は直線状に限られず、この実施形態に限定されない。例えば、重量分布計測ユニット30と放射線測定ユニット50とを並設し、それらの間に容器回転ユニット40を配置することもできる。
また、上記した実施形態における各構成の組み合わせは一例であり、一部の構成が2つの構成を兼ねるようにしてもよい。例えば、容器回転ユニット40に重量計測ユニット20の機能を備えさせて、これらのユニットを1つで構成することもできる。また、この実施形態の放射能濃度評価装置1は、重量計測ユニット20を有する構成で説明したが、容器10の重量計測は、放射能濃度評価装置1の外部で行うこともできる。例えば、公知のロードセル重量計を使用して重量計測を行うことができる。このように、各構成の組み合わせは上記した実施形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能である。例えば、重量分布計測ユニット30の上流方向に容器受入ユニット(図示省略)を設け、放射線測定ユニット50の下流方向に容器排出ユニット(図示省略)を設けた構成でもよく、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
(総括)
上記した放射能濃度評価装置1によれば、容器10の内部空間を仮想的に分割した分割領域A~Dごとに重量または密度の分布を測定できる重量分布計測ユニット30を備えさせることで、容器10内に無作為に収納した放射性廃棄物100の重量・密度を適切に把握して放射能濃度を適切に評価することが可能となる。すなわち、単位重量当たりの放射能(ベクレル/グラム:Bq/g)で表されており、放射能濃度の測定・評価方法として国の認可を得たクリアランス測定装置を用いて、測定した放射線から放射能を評価し、測定した重量で除して放射能濃度(Bq/g)を評価することが可能となる。
よって、容器10に放射性廃棄物100を無作為に収納することで、放射性廃棄物100の切断や均一に敷き詰めるなどの前処理作業を大幅に削減でき、放射性廃棄物100を容器10に収納する作業に要する時間と労力を大幅に削減することが可能となる。
そして、放射線測定ユニット50で測定した各分割領域A~Dにおける放射線量と核種組成から、容器10の内部に無作為に収納された放射性廃棄物100の放射能濃度(Bq/g)が、クリアランスレベルに対する所定の設定値(例えば、クリアランスレベルの1/10程度)を越えるか否かを適切に評価することが可能となる。この評価の結果、放射性廃棄物100が安全上放射性物質として扱う必要のないクリアランスレベル以下であれば、一般の廃棄物として適切に処分することができ、管理コストなどを削減することが可能となる。
1 放射能濃度評価装置
10 容器
15 仮想線
20 重量計測ユニット
25 重量計測器
30 重量分布計測ユニット
35 X線照射部(密度測定器)
36 X線検出部(密度測定器)
37 遮蔽壁
40 容器回転ユニット
45 配置変更装置
50 放射線測定ユニット
55 プラスチックシンチレータ(放射線量測定器)
56 Ge半導体検出器(放射線放出核種分析器)
57 遮蔽壁
60 制御装置
61 データ処理部
100 放射性廃棄物
A~D 分割領域

Claims (4)

  1. 放射性廃棄物の放射能濃度評価装置であって、
    前記放射性廃棄物を収納する容器と、
    前記容器を仮想的に分割した複数の分割領域ごとに放射線を照射し、該放射線の透過量から内部の前記放射性廃棄物の密度を測定する重量分布計測ユニットと、
    前記分割領域ごとに前記放射性廃棄物から発せられる放射線量の計数を行う放射線量測定器と放射線放出核種を分析する放射線放出核種分析器とを有する放射線測定ユニットと、
    前記容器を、前記複数の分割領域が前記放射線の照射位置となるように順次配置変更する配置変更装置と、
    前記分割領域ごとに前記放射性廃棄物の前記密度と前記放射線量と核種組成とから該分割領域ごとにおける前記放射性廃棄物の放射能濃度を評価するデータ処理部と、を備えている、
    ことを特徴とする放射能濃度評価装置。
  2. 前記重量分布計測ユニットは、前記容器内の前記放射性廃棄物の密度の測定を行う密度測定器を備え、
    前記密度測定器は、前記容器の前記分割領域ごとに放射線を照射する放射線照射部を有し、該放射線照射部から照射した放射線の透過量から該分割領域ごとに前記放射性廃棄物の密度を測定するように構成されている、
    請求項1に記載の放射能濃度評価装置。
  3. 記放射線量測定器と前記放射線放出核種分析器は、前記容器の分割領域ごとに前記放射線量と前記放射線放出核種を測定するように構成されている、
    請求項1に記載の放射能濃度評価装置。
  4. 前記容器を、前記複数の分割領域が前記放射線量測定器と前記放射線放出核種分析器の位置となるように順次配置変更する配置変更装置を備えている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の放射能濃度評価装置。
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