JP7283308B2 - 連結確認システム及び連結確認方法 - Google Patents
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Description
これに対し、特許文献1には、サービスブレーキを操作するためのブレーキペダルで、サービスブレーキだけでなくトレーラブレーキも操作できるようにすることが提案されている。具体的には、ブレーキペダルが少しだけ踏み込まれた場合にトレーラブレーキのみを作動させ、ブレーキペダルが更に踏み込まれた場合にサービスブレーキを作動させることが提案されている。
一方で、連結確認用に被牽引車を制止する操作が、例えばスイッチを押圧するのみといった簡単な操作である場合は、誤操作が起こりやすくなる。このため、被牽引車が誤操作により無用に制止される虞がある。よって、牽引車及び被牽引車の連結確認をより適切に行えるようにする新たな技術が求められている。
(1)本適用例に係る連結確認システムは、牽引車及び前記牽引車に連結された被牽引車の双方に制動力を与える制動機構を作動させる制動部と、前記牽引車に設けられ、前記制動機構を作動させる作動位置と前記制動機構を作動させない解除位置とのいずれか一方に操作される第一操作部と、前記牽引車に設けられ、前記牽引車及び前記被牽引車の連結確認を行うために操作される第二操作部と、前記連結確認用に前記被牽引車の制止を行う制止部と、前記第二操作部が操作された状態で、前記第一操作部が前記作動位置から前記解除位置に切替操作された場合に、前記制止部を制御して前記制止を開始させる制御部と、を備えている。
このような構成であれば、例えば走行中に第二操作部が誤操作された場合に、被牽引車の制止が回避される。このため、牽引車及び被牽引車の走行安定性が確保される。
このような構成であれば、連結確認の完了後に第二操作部への操作を解除するだけで、被牽引車の制止が終了するため、牽引車及び被牽引車を容易に走行可能な状態に切り替えられる。
このような構成であれば、連結確認における第一操作部の切替操作が、駐車ブレーキの作動を解除する場合の操作と同様になるため、被牽引車の制止を容易に開始できる。また、牽引車に標準装備される駐車ブレーキ用の操作部が第一操作部として兼用されることで、装置構成が簡素化されると共に、コストが抑制される。
このような構成であれば、既存の制動部を変更することなく、被牽引車の制止が実現される。また、既存の牽引車及び被牽引車に対する後付けが可能となり、様々な牽引車及び被牽引車への適用が容易となる。
このような構成であれば、第二操作部が誤操作された場合に、ドライバがこの誤操作に気づきやすくなる。
このような構成であれば、連結確認用に被牽引車の制止が行われていることをドライバが認識しやすくなる。
本実施形態の連結確認システム10は、図1に示す牽引車(トラクタ)20及び被牽引車(トレーラ)30の連結確認を行うためのものであって、牽引車20に設けられている。牽引車20は、自走可能な原動力車であり、被牽引車30を連結可能な連結部25を後部に有する。一方、被牽引車30は、自走不能な付随車であり、例えば荷物を積載可能に構成される。牽引車20は、連結部25に被牽引車30が連結された状態では、被牽引車30を牽引可能となる。
なお、制動機構2としては、例えばディスクブレーキやドラムブレーキをはじめとする公知の機構を適用できる。また、第一制動機構22及び第二制動機構32の各個数は特に限定されず、例えば、牽引車20及び被牽引車30に設けられた車輪21,31の個数にそれぞれ応じて設定されてもよいし、車輪21,31の個数よりも少なく(車輪21,31の一部に)設定されてもよい。
図2に示すように、本実施形態の牽引車20及び被牽引車30には、制動機構2を作動させるための制動システム6と、牽引車20及び被牽引車30の連結確認用に第二制動機構32を作動させるための制止システム3とが設けられている。
制動モジュール4は、具体的には、第一制動機構22を作動させる第一制動バルブ4Aと、第二制動機構32を作動させる第二制動バルブ4Bとで構成されている。
一方、第二制動バルブ4Bは、第二タンク12から第二制動機構32まで延びる第二エア通路16上に配置されている。第二制動バルブ4Bは、第二タンク12から第二制動機構32に供給するエア圧を調整することで、第二制動機構32の作動状態を変更する。なお、第二タンク12は、第二制動機構32を作動させるための専用のエアタンクである。
なお、制動システム6の構成要素(第一タンク11,第二タンク12,第一制動バルブ4A,第二制動バルブ4B等)の各個数は特に限定されない。例えば、第一タンク11及び第一制動バルブ4Aは、牽引車20の各車輪21に対して一つずつ設けられてもよいし、前輪用と後輪用とで別々に設けられてもよい。同様に、第二タンク12及び第二制動バルブ4Bは、例えば、被牽引車30の各車輪31に対して一つずつ設けられてもよい。
上記のように、制動システム6の制動モジュール4は制動機構2(第一制動機構22及び第二制動機構32の双方)を作動させるのに対し、制止システム3の制止バルブ5は第二制動機構32のみを作動させる。これにより、制止バルブ5は、被牽引車30のみの制止を行う。
制止バルブ5は、補助タンク13から第二エア通路16の中途まで延びる補助エア通路17上に配置されている。補助エア通路17は、詳細には、第二エア通路16のうち第二制動バルブ4Bよりも第二制動機構32側の部分に、ダブルチェックバルブ14を介して接続されている。
ダブルチェックバルブ14は、第二制動バルブ4Bと制止バルブ5とから一つを選択して第二制動機構32を作動させる機能をもつ。すなわち、ダブルチェックバルブ14は、第二タンク12及び補助タンク13のいずれか一方からのエアのみを第二制動機構32に供給する。
なお、上記の第二エア通路16のうち、ダブルチェックバルブ14と第二制動機構32との間に延びる架設部16aは、例えば柔軟性をもつホースで形成され、分割及び接続が可能に構成される。架設部16aは、牽引車20と被牽引車30とが連結されない場合には分割される。一方、架設部16aは、牽引車20と被牽引車30とが連結される場合には接続され、牽引車20と被牽引車30との間にわたって配置される。
本実施形態では、ECU1によって実施されるブレーキ制御及び制止制御について詳述する。
ブレーキ制御は、牽引車20のドライバによるレバー7への操作に応じて、牽引車20及び被牽引車30に駐車ブレーキを作用させるものである。ブレーキ制御では、レバー7の操作位置に応じて制動モジュール4が制御される。
ブレーキ制御部1Aは、レバー7の操作位置が作動位置である場合に、制動システム6が作動するように制動モジュール4を制御する。具体的には、ブレーキ制御部1Aは、レバー7から伝達される操作位置の情報に基づき、レバー7が作動位置に操作されたことを検出した場合に、第一制動バルブ4A及び第二制動バルブ4Bをそれぞれ開状態に制御する。これにより、ブレーキ制御部1Aは、第一タンク11及び第二タンク12から制動機構2にエアを供給して、制動システム6を作動させる。
制止制御部1Bは、下記の開始条件が成立する場合に、制止システム3が作動するように制止バルブ5を制御する。これにより制止制御部1Bは、開始条件が成立する場合に、制止バルブ5による被牽引車30の制止を開始させる。
=開始条件=
作動スイッチ8がオンされた状態で、レバー7が作動位置から解除位置に切替操作された。
制止制御部1Bは、具体的には、レバー7及び作動スイッチ8から伝達される各情報に基づき、作動スイッチ8への操作が検出された状態で、作動位置に操作されたレバー7が解除位置に切替操作されたことを検出した場合に、制止バルブ5を開状態に制御する。これにより、制止制御部1Bは、補助タンク13から第二制動機構32にエアを供給して、制止システム3を作動させる。
=終了条件=
制止バルブ5による被牽引車30の制止中に、作動スイッチ8がオフされた。
=禁止条件=
レバー7が解除位置に操作された状態で、作動スイッチ8がオンされた。
=点灯条件=
C1:レバー7の操作位置が作動位置であり、作動スイッチ8がオンされている。
C2:制止バルブ5による被牽引車30の制止中である。
図4及び図5は、ECU1で実施される制御の内容を例示したフローチャートである。詳細には、図4のフローがブレーキ制御部1Aで実施されるブレーキ制御の内容に対応し、図5のフローが制止制御部1Bで実施される制止制御の内容に対応する。これらのフローは、牽引車20の電源がオン状態である場合に、ECU1において所定の演算周期で繰り返し実施される。
図4に示すように、ブレーキ制御部1Aは、まず、レバー7の操作位置の情報を取得し(ステップA1)、次いでレバー7の操作位置が作動位置であるか否かを判定する(ステップA2)。
一方、レバー7の操作位置が作動位置である(レバー7が作動位置に操作されたことを検出した)場合は、制動システム6が作動するように制動モジュール4を制御し(ステップA4)、このフローをリターンする。
作動スイッチ8がオフされている(作動スイッチ8への操作を検出しない)場合は、F=1であるか否かを判定する(ステップB3)。フローの開始時点ではF=0であるため、このまま(制止システム3を作動させることなく)フローをリターンする。
一方、ステップB8で上記のようなレバー7の切替操作があったと判定した(作動位置に操作されたレバー7が、解除位置に切替操作されたことを検出した)場合は、開始条件が成立する。よって、この場合には制止バルブ5を制御して制止システム3の作動を開始させる(ステップB10)。
次の演算周期でも、作動スイッチ8がオンされたままである場合は、ステップB2からステップB4を経てステップB5に進む。そして、今回の演算周期ではF=1に設定されているため、ステップB5からステップB12に進み、制止バルブ5による被牽引車30の制止を継続したまま、フローをリターンする。
図6は、ECU1の制御内容をまとめた模式図である。図6には、上記のブレーキ制御及び制止制御の手順(連結確認方法)を、「状況1」~「状況5」として示す。なお、図6では、制動モジュール4について、制動システム6を作動させることを「ON」と表記し、制動システム6を作動させないことを「OFF」と表記する。制止バルブ5についても同様に、制止システム3を作動させることを「ON」と表記し、制止システム3を作動させないことを「OFF」と表記する。また、作動ランプ23及びブレーキランプ33の各々については、点灯させることを「ON」と表記し、消灯させることを「OFF」と表記する。さらに、ブザー24を鳴らすことを「ON」と表記し、ブザー24を鳴らさないことを「OFF」と表記する。
次いで、ドライバは、作動スイッチ8をオンする(状況2)。これに応じて、制止制御部1Bは、作動スイッチ8がオンされたことを検出し(第二工程)、作動ランプ23及びブレーキランプ33を点灯させると共に、ブザー24を鳴らす。これにより、制止制御部1Bは、作動スイッチ8がオンされたことをドライバに報知する、
したがって、状況4では、ドライバが牽引車20を発進させることで、連結状態の牽引車20及び被牽引車30を適切に走行させることができる。また、制止制御部1Bは、状況4において、作動ランプ23及びブレーキランプ33をいずれも消灯させると共に、ブザー24を止める。
さらに、制止制御部1Bは、状況5において、作動スイッチ8がオンされているにもかかわらず作動ランプ23を点灯させないことで、作動スイッチ8がオンされているが被牽引車30の制止中ではないことを、ドライバに認識させる(状況3に対して状況5を区別しやすくする)。これによっても、ドライバは作動スイッチ8の誤操作に気づきやすくなる。
(1)上記の連結確認システム10及び連結確認方法によれば、作動スイッチ8がオンされた状態で、レバー7が作動位置から解除位置に切替操作された(上記の開始条件が成立した)場合に、被牽引車30の制止が開始される。このように、単に作動スイッチ8がオンされたことだけでなく、レバー7が上記のように切替操作されたことも開始条件に含ませることで、被牽引車30の制止をより適切な状況で開始できる。
したがって、誤操作による被牽引車30の制止を防止しながらも、ドライバからの連結確認の要求に応じて被牽引車30を制止できる。よって、牽引車20と被牽引車30との連結確認をより適切に行うことができる。
(7)制止バルブ5による被牽引車30の制止中、牽引車20のドライバに報知するため、連結確認用に被牽引車30の制止が行われていることをドライバが容易に認識できる。これにより、連結確認をより適切に実施できる。
(9)レバー7が解除位置に操作された状態で作動スイッチ8がオンされた場合には作動ランプ23が点灯しないため(図6中の状況5)、作動スイッチ8が誤操作された場合にドライバがこの誤操作に気づきやすくなる。このように、作動ランプ23を作動スイッチ8のオンオフに連動させるのではなく、レバー7及び作動スイッチ8への操作に応じて制御することで、作動スイッチ8の適切な操作をドライバに促すことができる。よって、連結確認をより適切に実施できる。
また、制止バルブ5による被牽引車30の制止中(上記の点灯条件C2が成立した場合)にブレーキランプ33が点灯するため、連結確認を行う状況であることを外部に報知できる。
レバー7を例に挙げて説明した第一操作部は、牽引車20に設けられて上記の作動位置と解除位置とのいずれか一方に操作されるものであればよく、その構造は特に限定されない。第一操作部としては、レバーに限らず、スイッチやボタンが適用されてもよい。また、第一操作部は、駐車ブレーキ用の操作部でなくてもよい。例えば、第一操作部として、サービスブレーキ用のブレーキペダルが適用されてもよい。
また、制止制御でドライバに報知する手段は、作動ランプ23及びブザー24に限定されない。なお、連結確認システム10及び連結確認方法では、報知に関する制御が省略されてもよい。
上記の制動システム6及び制止システム3の各構成は一例である。制動システム6及び制止システム3は、エア圧に限らず、例えば油圧(あるいはエア圧及び油圧の双方)に応じて制御されてもよい。
上記のECU1の構成は一例である。ECU1には、少なくとも制止制御部1Bが設けられればよい。
また、上記の実施形態では、制止バルブ5などを制御する制御部としてECU1を例示したが、制御部の構成はこれに限られず、例えば、アナログの電気回路が採用されてもよい。
2 制動機構
4 制動モジュール(制動部)
5 制止バルブ(制止部)
7 レバー(第一操作部)
8 作動スイッチ(第二操作部)
10 連結確認システム
20 牽引車
30 被牽引車
Claims (8)
- 牽引車及び前記牽引車に連結された被牽引車の双方に制動力を与える制動機構を作動させる制動部と、
前記牽引車に設けられ、前記制動機構を作動させる作動位置と前記制動機構を作動させない解除位置とのいずれか一方に操作される第一操作部と、
前記牽引車に設けられ、前記牽引車及び前記被牽引車の連結確認を行うために操作される第二操作部と、
前記連結確認用に前記被牽引車の制止を行う制止部と、
前記第二操作部が操作された状態で、前記第一操作部が前記作動位置から前記解除位置に切替操作された場合に、前記制止部を制御して前記制止を開始させる制御部と、を備えている
ことを特徴とする、連結確認システム。 - 前記制御部は、前記第一操作部が前記解除位置に操作された状態で、前記第二操作部が操作された場合には、前記制止を禁止する
ことを特徴とする、請求項1に記載の連結確認システム。 - 前記制御部は、前記制止の実施中に前記第二操作部への操作が解除された場合に、前記制止を終了させる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の連結確認システム。 - 前記第一操作部は、前記牽引車に設けられた駐車ブレーキ用の操作部である
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の連結確認システム。 - 前記制止部は、前記制動部とは別の系統から前記被牽引車に制動力を与えることで、前記制止を行う
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の連結確認システム。 - 前記制御部は、前記第二操作部が操作された状態である場合に、前記牽引車のドライバに報知する
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の連結確認システム。 - 前記制御部は、前記制止の実施中、前記牽引車のドライバに報知する
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の連結確認システム。 - 牽引車及び前記牽引車に連結された被牽引車の双方に制動力を与える制動機構を作動させる作動位置と前記制動機構を作動させない解除位置とのいずれか一方に操作される第一操作部が、前記作動位置に操作されたことを検出する第一工程と、
前記牽引車及び前記被牽引車の連結確認を行うために操作される第二操作部が操作されたことを検出する第二工程と、
前記第二工程により前記第二操作部への操作が検出された状態で、前記第一工程で前記作動位置に操作された前記第一操作部が、前記解除位置に切替操作されたことを検出する第三工程と、
前記第三工程の後、前記連結確認用に前記被牽引車の制止を開始する第四工程と、を備えている
ことを特徴とする、連結確認方法。
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