JP7282621B2 - 受信器、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、受信器、画像形成装置に関する。
0.03THz以上30THz以下の周波数の電波(電磁波)であるテラヘルツ波を使用した画像形成装置には、ボロメータなどの熱感知型のセンサが使われることがある。しかし、このような画像形成装置は、例えば1/f雑音などの低周波雑音の影響を受けやすく、さらに動画撮像におけるフレームレート高速化が難しいため低ノイズ化が困難であった。そこで、テラヘルツ波を受信するアンテナと半導体素子などの回路とを組み合わせた画像形成装置が考えられており、このような構成によれば、画像形成装置の処理の高速化、低ノイズ化が実現できる。
具体的には、チップの基板表面に設けられた個々のアンテナと、基板裏面側に設けられた信号処理などを行う回路とを、貫通電極によって接続して1つのデバイスとして構成した画像形成装置が提案されている。特許文献1では、基板表面に作製されたパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)と基板裏面に作製された回路とを、パッチアンテナの裏側に位置する箇所に設けられた貫通電極で相互に電気的に接続した裏面再配線層パッチアンテナが開示されている。特許文献2では、基板表面に作製されたパッチアンテナと基板裏面側に配置された半導体素子とが、パッチアンテナから引き出された配線パターン(マイクロストリップ線路)と貫通電極とを介して電気的に接続されている無線モジュールが開示されている。
このように、従来技術では、いずれも基板表面に作製されたパッチアンテナの裏側もしくはパッチアンテナから引き出された配線に、基板を貫通する貫通電極を接続して、基板裏面側の回路と基板を電気的な接続することによって1つのデバイスを構成している。また、テラヘルツ波の受信にパッチアンテナを使用する場合には、パッチアンテナ裏面の電界の乱れが、アンテナの放射方向に与える影響が小さいため、パッチアンテナと貫通電極との相対的な位置関係について、考察されなかった。
また、基板上に設けられたループアンテナやダイポールアンテナなどのアンテナは、パッチアンテナと比較的して設計の自由度が大きい。具体的には、アンテナ長の調整や反射板の追加、またはアンテナ周辺構造により、画像撮影を用途とする画像形成装置として使用するのに適したものにアンテナの指向性を調整することが可能である。つまり、ループアンテナやダイポールアンテナなどのアンテナをオンチップアンテナとして使用することにより、画像形成装置を好適なテラヘルツ波の受信器として利用することができる。
特許第6122508号公報 特許第5909707号公報
しかしながら、基板上に設けられたループアンテナやダイポールアンテナなどのアンテナは金属平板で構成されるパッチアンテナと異なり金属線で構成されるため、受信するテラヘルツ波が基板中を伝搬する割合がパッチアンテナと比較して大きい。このため、基板中に存在する貫通電極にもテラヘルツ波が伝搬してしまう。そして、この貫通電極への伝
搬が、テラヘルツ波の放射方向に大きな影響を与えてしまい、画像形成装置(受信器;素子)においてテラヘルツ波の受信感度が低下してしまうことがあった。
本発明は、上述の点に鑑み、アンテナと信号処理をおこなう回路とを貫通電極で接続するテラヘルツ波の受信器であって、当該テラヘルツ波の受信感度の低下を抑制する受信器の提供を目的とする。
本発明の1つの態様は、
基板の第一面側に入射するテラヘルツ波を検出する受信器であって、
前記基板の第一面に設けられる、前記テラヘルツ波を受信するアンテナと、
前記アンテナと電気的に接続されており、前記基板において前記第一面の反対の面である第二面と前記第一面とを貫通する貫通電極と、
を有し、
前記貫通電極は、共振波長の0.25倍以上の距離、前記アンテナから離れている、
ことを特徴とする受信器である。
本発明によれば、アンテナと信号処理をおこなう回路とを貫通電極で接続するテラヘルツ波の受信器であっても、当該テラヘルツ波の受信感度の低下を抑制することができる。
実施形態1に係る駆動回路の構成図 実施形態1に係るアンテナ基板と駆動回路基板との接続を示す鳥瞰図 実施形態1に係るアンテナ基板と駆動回路基板との接続を示す側面透視図 実施形態1に係る共振アンテナおよび周辺配線を示す図 実施形態1に係る共振アンテナおよび周辺配線を示す図 実施形態1に係る共振アンテナのアンテナゲインを示すグラフ 実施形態1に係る共振アンテナの放射パターンを示す図 実施形態1に係る反射板の配置の例を示す図 実施形態1に係る反射板の配置の例を示す図 変形例1に係る共振アンテナおよび周辺配線を示す図 変形例2に係る共振アンテナおよび周辺配線を示す図
<実施形態1>
実施形態1において、ループアンテナから出力される信号を制御する駆動回路とループアンテナとを接続する貫通電極を有するテラヘルツ波を検出する受信器であって、当該ループアンテナと貫通電極との距離を一定以上離した構成である受信器を説明する。このような構成によれば、ループアンテナの放射方向に貫通電極が与える影響を抑制することができるため、受信器におけるテラヘルツ波の受信感度の低下を抑制することができる。
[駆動回路の構成について]
本実施形態では、レンズを介して入射されるテラヘルツ波の検出をおこなう受信器(素子)を説明する。ここで、受信器は、テラヘルツ波を受信する複数のアンテナを有しており、当該複数のアンテナそれぞれから出力される信号を駆動回路が制御することによって、テラヘルツ波の受信をおこなう。
図1は、本実施形態に係る受信器が有する駆動回路の概略構成図を示す。本実施形態に係る駆動回路は、半導体からなる駆動回路基板11を有する。駆動回路基板11は、例え
ばシリコン基板である。また、駆動回路は、駆動回路基板11上に、画素制御領域13と周辺回路(集積回路)とを有する。なお、画素制御領域13には、別基板に設けられた画素を構成するアンテナと接続される電極パッド29および電極パッド35と、アンテナと駆動回路との接続を制御するCMOSスイッチ12と、が規則的な2次元アレイ状に配列されている。なお、後述にて図2、図3を用いて説明するが、駆動回路基板11の周辺回路を有する面は絶縁膜を有する配線構造20で覆われている。配線構造20の中には、駆動回路基板11の一部である行配線28、列配線32、信号線33、グランド配線34が配置される。
なお、本実施形態では、図1における電極パッド29の1つ1つにアンテナ1つ1つが対応しており、アンテナそれぞれが1つの画素に対応している。つまり、本実施形態における、テラヘルツ波の入射方向から受信器を透視した図である図8が示すように、受信器はアンテナ(共振アンテナ23)を複数有する。また、画素とは、本実施形態においては、図8において破線で囲まれている領域1つ1つである。
周辺回路(集積回路)は、制御回路14、シフトレジスタ16、電流供給回路17、出力回路18から構成される。本実施形態では、複数のアンテナに対して1つの周辺回路が存在する。
制御回路14は、受信器を駆動するクロックを入力端子15から受け取ってシフトレジスタ16へ受け渡す処理や、電流供給回路17が発生するアンテナ部分を駆動するための電流レベル決定用の電圧の発生などの処理を行う。
シフトレジスタ16は、アンテナ部分(画素)を駆動する行配線を順次選択し、CMOSスイッチ12のON/OFFを切り替えるためのパルス電圧を選択した行配線28に供給することによって、画素を行単位で駆動する。
電流供給回路17は、制御回路14から発せられた電流レベル決定用の電圧信号を基に、アンテナ部分を駆動する電流を発生する。具体的には、電流供給回路17は、列配線32、列配線32に接続される各アンテナ、およびグランド配線34を通じて電流を発生する。
出力回路18は、画素を構成するアンテナ部分で受信したテラヘルツ波の強度に応じて、信号線33を通じて供給される電気信号を増幅するなどして、出力端子19を介して受信器の外部へと出力する。なお、出力回路18は、画素制御領域13の外周領域に配置してもよいし、後述するアンテナ基板に配置することも可能である。特に増幅器などの回路はアンテナ基板に近接しておくことによってノイズ低減の効果がある。
[アンテナ基板と駆動回路基板との接続について]
次に、図2および図3に、本実施形態に係る駆動回路基板11とテラヘルツ波を受信するアンテナ基板21との接続に関する概略構成図を示す。ここで、受信器は、テラヘルツ波を受信するループアンテナを2次元アレイ状に配置したアンテナ基板21と、図1を使用して説明した駆動回路基板11とが、電気的に接続される。また、物理的には、受信器において、アンテナ基板21と駆動回路基板11とは、絶縁膜を有する配線構造20を挟んで接合される。なお、図2および図3では、1つの画素における2つの基板の接続を示しているが、上述のように、実際には複数の画素により受信器は構成されている。
図2が示すように、シリコンなどの半導体からなるアンテナ基板21は、共振アンテナ23と引出し線24と貫通電極25と整流素子26と反射板27を有する。
共振アンテナ23は、アンテナ基板21の第一面側に配置される、導電性を有する金属材料からなるループアンテナである。引出し線24は、共振アンテナ23に接続されている整流素子26へ駆動電流もしくは駆動電圧を供給する導電性を有する金属材料である。貫通電極25は、アンテナ基板21を貫通しており、アンテナ基板21の第一面と第二面とを貫通することによって、第一面と第二面とが電気的に接続する。整流素子26は、共振アンテナ23に接続されており非線形な電流電圧特性を有する。反射板27は、共振アンテナ23の指向性を調整するための金属平面である。なお、アンテナ基板21の第一面とは、アンテナ基板21に対してテラヘルツ波が入射される面であり、アンテナ基板21の第二面とは、第一面の反対の面であり、駆動回路基板11と接続される側の面である。各構成の詳細については後述において説明する。
図2における駆動回路基板11は、図1に示した駆動回路基板11の一部を図示しており、アンテナ基板21における1つの画素に当該一部が対応するものである。つまり、1つの画素に対して、図2において図示されている駆動回路基板11の部分が動作しているといえる。具体的には、図2における駆動回路基板11では、共振アンテナ23(画素)のON/OFFを制御するCMOSスイッチ12と、増幅器などからなる出力回路18と、電極パッド29とを主に図示している。また、配線構造20の中には、行配線28、列配線32、信号線33、グランド配線34が配置されており、これらの配線を用いることによって、貫通電極25からの電流を出力回路18へ送信することができる。
なお、電極パッド29は、アンテナ基板21の垂直方向から見た場合における位置を貫通電極25と同じくし、貫通電極25と電気的に接続される行配線28に設けられている。なお、アンテナ基板21の垂直方向とは、アンテナ基板21に対してテラヘルツ波が入射される方向であり、アンテナ基板21に対して駆動回路基板11が接続される方向と反対の方向を示すものとする。
図3は、図2を用いて説明したアンテナ基板21と駆動回路基板11とを接合した図であり、図2中の矢印31方向からの透視図である。また、図3では、駆動回路基板11と配線構造20とが一体化したものとアンテナ基板21とが、接着剤30を介して接合されている。ここで、接着剤30による接合には様々な方法があり、ハンダによる接合や原子拡散接合などの方式もとることができる。これらのいずれかの接合方法によって、アンテナ基板21に設けられた貫通電極25と、駆動回路基板11に設けられた電極パッド29とが電気的に接続される。
このように受信器の各構成が配置されることによって、テラヘルツ波の検出が可能となる。具体的には、共振アンテナ23(ループアンテナ)が、アンテナ基板21の垂直方向(上面)から入射されるテラヘルツ波を受信する。そして、共振アンテナ23に接続された整流素子26の作用により、受信されたテラヘルツ波に応じた検波電流(電気信号)が発生する。発生した検波電流は、貫通電極25を介して駆動回路基板11に設けられた出力回路18に流れ込む。出力回路18は、受け取った電流を、電圧値に変換する処理や信号の増幅する処理などを行い出力端子19へ信号として出力する。
[共振アンテナ23と共振アンテナ23の周辺配線について]
次に、上述した共振アンテナ23と共振アンテナ23の周辺配線の詳細について説明する。図4は、アンテナ基板21の垂直方向から見た、実施形態1に係る共振アンテナ23と共振アンテナ23の周辺配線を示す平面図である。
共振アンテナ23は、導電性を有するアルミニウムなどの金属薄膜から成り、不図示のアンテナ基板21上に設けられている。ここで、共振アンテナ23とアンテナ基板21とは、電気的に接続しないようにSiOやSiNなどの絶縁膜を介して接している。なお
、共振アンテナ23には、整流素子26を駆動するために切れ込み42を設けており、2つの貫通電極25および引出し線24を介して駆動用の電圧もしくは電流を駆動回路基板11から整流素子26の両端に印加できる。なお、引出し線24は、本実施形態では、共振アンテナ23と同じ素材で形成されており、共振アンテナ23のループ部分の接線に対して垂直に延びている線である。
また、共振器長である共振アンテナ23の円周の長さは、共振アンテナ23の共振周波数(設計共振周波数;受信されるテラヘルツ波の周波数)によって決定することができる。具体的には、共振周波数として選択した周波数の電波の共振アンテナ23における波長λ(共振波長λ)に対して、共振アンテナ23の円周の長さは0.5λ、1.5λ、2.5λの様に(n+0.5)×λ(nは0または自然数)程度の長さとするとよい。つまり、共振アンテナ23の長さが、当該アンテナの共振波長λの0.5倍または1.5倍または2.5倍・・・であることによって、当該共振波長λに対応した周波数のテラヘルツ波を共振アンテナ23は受信することができる。
なお、ある物体の共振波長とは、受信器(共振アンテナ23)が受信するテラヘルツ波が当該物体を伝搬するときの波長を示す。具体的には、共振アンテナ23の共振波長とは、共振アンテナ23を伝搬する際の、共振アンテナ23が共振するテラヘルツ波の波長を示している。従って、空気中の共振波長と、共振アンテナ23の共振波長と、アンテナ基板21の共振波長とは、それぞれ異なる値である。なお、共振アンテナ23の共振波長は、共振アンテナ23を取り囲む大気、アンテナ基板21、共振アンテナ23とアンテナ基板21とを接合する絶縁膜などの比誘電率を合成した値で示すことができる。
本実施形態においては、共振アンテナ23の円周の長さは、共振アンテナ23の共振周波数(設計共振周波数)の波長λ(共振波長λ)に対して1.5λであるように調整されている。つまり、共振アンテナ23の半径41をrとすると共振波長λとは、2πr=1.5λの関係が成立する。なお、共振アンテナ23を小型化する際には、共振アンテナ23の円周の長さが0.5λであるように調整し、2πr=0.5λの関係が成立するようにしてもよい。一方、共振アンテナ23の受信面積を増やしたい場合には、共振アンテナ23の円周の長さを(n+0.5)×λであるように調整して、自然数nの値を増加させてもよい。ただし、共振アンテナ23の円周の長さの調整により、ループアンテナである共振アンテナ23のインピーダンスも変化するため、整流素子26とのインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)の調整を行う必要がある。
整流素子26は、本実施形態において、アンテナ基板21上に配置されている。また、整流素子26は、共振アンテナ23とアンテナ基板21とを絶縁している絶縁膜に開けられたコンタクトホールを介して、共振アンテナ23と電気的に接続されている。また、テラヘルツ波の周波数を検波するためには、整流素子26にはショットキーバリアダイオードのようなスイッチング特性が高速なものを使用することが望ましい。しかし、ショットキーバリアダイオードに限らず、pn接合を用いたダイオードなどの整流ダイオードを整流素子26に使用することも可能である。
また、本実施形態において、貫通電極25を配置するに好適な領域43の境界を、共振アンテナ23から所定の距離である領域距離44の位置とする。具体的には、本実施形態では、領域距離44は、受信器がテラヘルツ波の受信を効率的に行える条件における、共振アンテナ23と貫通電極25との距離45の最小値を示している。ここで、共振アンテナ23と貫通電極25との距離45は、共振アンテナ23のループ形状部分と貫通電極25との最短距離である。なお、本実施形態では、距離45は、引き出し線24の長さでもある。また、後述において詳細に説明するが、領域距離44は、共振アンテナ23の共振波長λに対して0.25λ以上(0.25倍以上)とすることが好ましい。具体的には、
距離45が0.25λより短くなるように貫通電極25を配置すると、共振アンテナ23の指向性が弱まり、さらに乱れてしまう。
なお、アンテナ基板21の形状を変えることによって、テラヘルツ波の受信効率を向上させてもよい。図5Aは、図4を用いて説明したアンテナ基板21に対して、領域43に含まれない領域をエッチングして基板除去領域46を設けたものある。つまり、図5Aでは、共振アンテナ23から領域距離44以内であるアンテナ基板21の領域に対して、当該アンテナ基板21の厚さを薄くする処理が施されている。また、図5Bは、図5A中のα-α’断面を示す。
ここで、アンテナ基板21上にアンテナを作製する場合には、アンテナ基板21内にテラヘルツ波が伝搬してロスする(損失する)ことが知られている。具体的には、アンテナ基板21の厚さが厚くなるとテラヘルツ波が伝搬するモードの数が増加し、受信できるテラヘルツ波のパワーロスにつながる。従って、図5Bが示すように、部分的にアンテナ基板21を薄くし、テラヘルツ波の基板内伝搬モードを減少させることにより、受信パワーロスの低減を実現することができる。
[アンテナゲインと距離45との関係について]
図6は、共振アンテナ23におけるアンテナ基板21の垂直方向のアンテナゲインと距離45との関係を示すグラフである。
縦軸は、アンテナ基板21の垂直方向に有する共振アンテナ23のアンテナゲインを示しており、値が大きいほどアンテナ基板21の垂直方向に対して共振アンテナ23の指向性が強いことを示すものである。つまり、縦軸の値が大きいほど、受信器は、アンテナ基板21の垂直方向から照射されるテラヘルツ波を感度よく受信することができる。横軸は、共振アンテナ23の共振波長λを使用して、共振アンテナ23と貫通電極25との距離である距離45を示したものである。
ここで、パッチアンテナのような金属平板で構成されるアンテナと異なり、ループアンテナである共振アンテナ23は線状の金属であり、アンテナ基板21を広く被覆することができないため、テラヘルツ波がアンテナ基板21内に伝搬しやすい。従って、ループアンテナである共振アンテナ23を使用する場合には、テラヘルツ波がアンテナ基板21内に伝搬して、アンテナ基板21内に存在する貫通電極25によるテラヘルツ波の受信、再放射などによって共振アンテナ23の指向性が乱れてしまう。これに対して、共振アンテナ23を貫通電極25と離すことによって、貫通電極25のテラヘルツ波の受信や再放射の影響を抑制することができ、垂直方向における共振アンテナ23のアンテナゲインを大きくすることができている。
また、図6が示すように、距離45が0.25λであるときに、距離45が0.75λ以上である場合における飽和値(最大値)から3dB程度、垂直方向におけるアンテナゲインが低下する。つまり、距離45が0.25λであるときには、アンテナゲインが最大値の1/2程度に減少する。さらに距離45を0.25λよりも短くすると急激にアンテナゲインが低下してしまい、パッチアンテナと比較したときの指向性のメリットが減少する。このことから、貫通電極25を配置する位置に関して、距離45を0.25λ以上とすることが望ましい。なお、距離45が0.75λである場合に、垂直方向のアンテナゲインが飽和値であるため、距離45を0.25λ以上0.75λ以下(共振アンテナ23の共振波長λの0.25倍以上、かつ0.75倍以下)の数値としてもよい。また、距離45を0.25λとすることによれば、アンテナゲインの低下を抑制しながらも、1つ1つの画素の大きさも抑制できるため、アンテナ基板21に多くの共振アンテナ23を積載することができる。
図7A~図7Cは、本実施形態の共振アンテナ23の放射パターンと距離45との関係を示す図である。図7A~図7Cに示す放射パターンは、電磁界シミュレータ(ANSYS社製「HFSS」)を使用して解析した結果である。この放射パターンからは、アンテナ基板21の位置を基準とする、テラヘルツ波の入射方向と共振アンテナ23のアンテナゲイン(受信感度)との関係が分かる。なお、放射パターンなどの基本的なアンテナ特性は、共振アンテナ23を送信、受信のいずれに使用する場合でも同じであるため、共振アンテナ23の放射パターンから、共振アンテナ23の受信感度と方角との関係が分かる。具体的には、図7A~図7CのそれぞれにおけるZ軸は、共振アンテナ23に対して垂直方向のアンテナゲインの大きさを示すものであり、X軸およびZ軸は共振アンテナ23に対して水平方向のアンテナゲインの大きさを示している。つまり、図7A~図7Cにおける放射パターンがZ軸の正方向に対して大きく伸びているほど、共振アンテナ23の垂直方向のアンテナゲインが大きい。
図7Aは、距離45が0.19λである場合の、共振アンテナ23の放射パターンを示している。距離45が0.19λである場合は、アンテナ基板21に対して水平な方向にアンテナゲインの最大値を有する。一方、Z軸の正方向におけるアンテナゲインは小さいため、アンテナ基板21の垂直方向から入射したテラヘルツ波に対しての感度は小さい。さらに、放射パターンがアンテナ基板21の垂直方向に集中していないため、レンズから直接画素(共振アンテナ23)に到達するテラヘルツ波以外の反射波や散乱波を共振アンテナ23が受信してしまい、受信電波においてノイズが大きくなる。
図7Bは、距離45が0.23λである場合の、共振アンテナ23の放射パターンを示している。この場合には、アンテナ基板21に対して垂直な方向にアンテナゲインが最大値を有する。つまり、距離45が0.19λである場合と比較して、貫通電極25が共振アンテナ23の放射方向に及ぼす影響が低減したことを示す。
図7Cは、距離45が0.25λである場合の、共振アンテナ23の放射パターンを示している。この場合には、放射パターンがアンテナ基板21に対してほぼ垂直方向に集中している。つまり、当該放射パターンは、全方位に対して平均的にアンテナゲインを有するパッチアンテナの放射パターンと比較して、アンテナ基板21に対して垂直方向の感度が高く、隣接画素の信号を拾うことによるクロストークが発生しづらいことを示している。従って、距離45が0.25λである本実施形態の共振アンテナ23(ループアンテナ)を画像形成装置などに適用することによって、取得画像のボケが生じにくい、つまり解像度がパッチアンテナと比較して向上する。また、直接画素に到達するテラヘルツ波以外の反射波、散乱波も受信しにくいことから、受信電波におけるノイズが低減できる。
[反射板について]
また、図2が示すように、アンテナ基板21の駆動回路基板11と対向する側に、金属膜からなる反射板27を設けることで、共振アンテナ23の指向性をさらに向上させることができる。以下では、反射板27についての詳細について説明する。図8は、アンテナ基板21を垂直方向から見た透視図であり、共振アンテナ23がアレイ配置されており、アンテナ基板21裏面に設けた反射板27が示されている。
上述したように、アンテナの放射パターンを調整するための1つの手段として、アンテナ基板21の裏面、もしくは駆動回路基板11の表面、もしくはアンテナ基板21と駆動回路基板11との間に、反射板27を備えるとよい。つまり、共振アンテナ23と駆動回路基板11との間に反射板27を備えるとよい。なお、反射板27による指向性向上などの効果を得るために、共振アンテナ23と反射板27との距離は、アンテナ基板21の共振波長の0.5倍程度にすることで、テラヘルツ波の受信感度を劣化させることなく放射
パターンを調整できる。
また、共振アンテナ23の指向性を調整する役割を反射板27にもたせるためには、図8が示すように、共振アンテナ23より大きい範囲を反射板27が被覆していることが望ましい。より望ましくは、共振アンテナ23からの距離が0.25λ以内の範囲を被覆していることがよい。これにより、アンテナ基板21中に伝搬したテラヘルツ波の大部分が散乱などの影響を受けることなく反射板27により反射され、大気中に再放射されるため、放射パターンをアンテナ基板21に対して垂直方向に集中させることができる。
なお、画素間で反射板27が電気的に接続された状態であると、導電性の金属で構成される反射板27をテラヘルツ波が伝搬して、受信したテラヘルツ波を隣接画素間で共有してしまうことがある。そのため、画素間のクロストークを防止し、ノイズの混入を防止するために、反射板27は他の部材および他画素の反射板27とから電気的に絶縁されている、つまり電気的にフローティングの状態であることが望ましい。
また、反射板27において反射されなかったテラヘルツ波は、アンテナ基板21と張り合わされた駆動回路基板11のグランド配線34などを伝搬して、さらにアンテナ基板21側に再放射されることによって、画素間のクロストーク信号になる場合がある。そのため、図9が示すように、貫通電極25と反射板27とが電気的に接触しないように、隣接画素間で電気的に導通しない程度まで反射板27を被覆させてもよい。これによれば、アンテナ基板21に入射したテラヘルツ波が、駆動回路基板11に到達して発生するクロストークを低減することができる。
[効果]
従って、平面視において、共振アンテナ23と貫通電極25との距離45を0.25λ以上離す本実施形態によれば、撮像装置などに適した放射方向を有し、感度および解像度が高く、ノイズが少ない受信器を得ることができる。また、1つの共振アンテナ23自体の指向性がよいため、受信器における画素面積が増大せず高精細化を図ることができる。さらには、反射板27によって、受信器における共振アンテナ23の放射パターンを整えることにより、テラヘルツ波の受信感度を向上させることができる。
(変形例1)
実施形態1では、共振アンテナ23は、円形状のループアンテナであるとして説明したが、本変形例では図10が示すように長方形状のループアンテナであるとして説明する。なお、本変形例では、共振アンテナ23を長方形とするが、多角形形状とすることも可能である。共振アンテナ23を円形ではなく、多角形形状にすることで設計の自由度が増え、受信器の画素として2次元アレイ配列をする際に、配列に適した形状にすることが可能である。
なお、共振アンテナ23の共振周波数によって共振アンテナ23の辺の長さの合計を決定することができる。具体的には、共振周波数として選択した周波数の電波としての波長λ(共振波長λ)に対して、共振アンテナ23の辺の長さの合計を0.5λ、1.5λ、2.5λのように(n+0.5)×λ(nは0または自然数)程度の長さにする。ここで共振アンテナ23の共振波長λは、共振アンテナ23を取り囲む大気、アンテナ基板21、絶縁膜などの比誘電率を合成した値で示すことができる。これは、共振アンテナ23が多角形である場合にも同様である。そして、本変形例においても、実施形態1と同様に貫通電極25と共振アンテナ23との距離45を0.25λ以上にすることによって、貫通電極25による共振アンテナ23の放射パターンへの影響を抑制することができる。
本変形例においては、先に述べたように、共振アンテナ23を多角形形状とすることで
、種々の設計の自由度が向上する。例えば、画素アレイ配列に適した形状にすることなどができる。なお、受信感度は共振アンテナ23の開口面積に影響されるため、極端に細長い形状や折りたたまれた形状は、開口面積が減少し受信感度の低下につながるため好ましくない。
つまり、本変形例によれば、受信器の設定の自由度が向上するため、さらに画素アレイ配列に適し、撮像装置などに適した放射方向を有し、感度および解像度が高く、ノイズが少ない受信器にすることができる。
(変形例2)
実施形態1では、共振アンテナ23は、円形状のループアンテナであるとして説明したが、本変形例では図11が示すようにダイポールアンテナ50であるとして説明する。
ここで、ダイポールアンテナ50の共振周波数によってダイポールアンテナ50の長さを決定することができる。具体的には、共振周波数として選択した周波数の電波としての波長λ(共振波長λ)に対して、ダイポールアンテナ50の長さを0.5λ程度にすることが一般的である。ここでダイポールアンテナ50の長さを決定する際に扱う電波の波長は、ダイポールアンテナ50を取り囲む大気、アンテナ基板21、絶縁膜などの比誘電率を合成した値で計算される。
また、図11では、ダイポールアンテナ50は整流素子26を挟んだ2つの長さが対称であるが、当該2つの長さの合計を一定にしつつ、当該2つの長さのそれぞれを異なる長さにすることでダイポールアンテナ50のインピーダンスを調整することもできる。つまり、ダイポールアンテナ50の非対称性の調整により、整流素子26とのインピーダンスマッチング(インピーダンス整合)を行うことが可能である。また、本変形例に係るダイポールアンテナ50の指向性を向上させるために、アンテナ基板21と駆動回路基板11との間に、金属膜からなる反射板27を設けている。
また、本変形例においても、実施形態1と同様に貫通電極25とダイポールアンテナ50との距離45を0.25λ以上にすることによって、貫通電極25によるダイポールアンテナ50の放射パターンへの影響を抑制することができる。
本変形例において示したダイポールアンテナ50によって、さらにアレイ配列の自由度を向上させることができる。つまり、本変形例によれば、さらに画素アレイ配列に適し、撮像装置に適した放射方向を有し、感度および解像度が高く、ノイズが少ない受信器を得ることができる。
<実施例1>
本実施例では、実施形態1に係る受信器のより詳細な構成について図2、図4を用いて説明する。具体的には、以下では、実施形態1に係る受信器のアンテナ基板21の構成を主に説明する。上述のように、シリコンなどの半導体材料から構成されるアンテナ基板21は、共振アンテナ23、引出し線24、貫通電極25、整流素子26、反射板27を有する。なお、本実施例において、受信器は、周波数1THz、空気中での波長300μmのテラヘルツ波を受信するものとして説明する。
共振アンテナ23は、アンテナ基板21上に設けられている。共振アンテナ23は、導電性を有するアルミニウムなどの金属薄膜から構成される。なお、金属薄膜の導電率はアンテナインピーダンスに関係するため、金属薄膜の導電率を変更することによって、整流素子26とのインピーダンスマッチングに関わる調整を行うことが可能である。本実施例では、スパッタ法によって、アルミニウムが200nmの厚さに成膜され、フォトレジス
トを使用したエッチングによって共振アンテナ23の形状が形成される。
また、共振アンテナ23の円周の長さは、共振アンテナ23の共振周波数によって決定することができる。共振アンテナ23の円周の長さ(共振器長)を決定する際に扱う電波の波長(共振波長)は、共振アンテナ23を取り囲む大気、アンテナ基板21、絶縁膜などの比誘電率を合成した値で計算される。本実施例では、共振アンテナ23の共振周波数を1THzとするために、共振アンテナ23の共振器長は、共振アンテナ23の共振波長150μmの1.5倍であり、共振アンテナ23の直径は70μmである。ここで、共振アンテナ23の共振波長は、共振アンテナ23がアンテナ基板21と空気との2つの物体に接しているため、空気とアンテナ基板21との誘電率の平均に大きく依存する。従って、本実施例では、共振アンテナ23の共振波長は、空気中の共振波長300μmの約半分である150μmであるとしている。
なお、共振アンテナ23には、整流素子26を駆動するために切れ込み42を設けている。切れ込み42は、引出し線24から供給される電流もしくは電圧が整流素子26にすべて印加できるようにするが、受信する1THzの周波数のテラヘルツ波に対しては、容量結合によるACカップリングされることが望ましい。つまり、切れ込み42の幅は広すぎては共振アンテナ23の機能が低下するため、本実施例では切れ込みの幅を1μmとする。なお、引出し線24は共振アンテナ23と同材料で同時に形成される。
貫通電極25は、以下の手順によって作製(生成)される。まず、アンテナ基板21と駆動回路基板11とが接合される。そして、ドライエッチングなどの方法によって貫通電極25を設ける箇所に、電極パッド29に到達するまでアンテナ基板21に穴開けが行われる。さらに、貫通電極25とアンテナ基板21とが電気的に導通しないように、SiOが1μmの厚さで当該穴の側壁に成膜される。その後、当該穴に、スパッタ成膜やメッキ法で金属膜を作製することで貫通電極25が作製される。なお、貫通電極25は、導電率の大きい金属から形成されることが望ましく、本実施例では、銅をメッキ成長することで形成されている。このようにすることによって、2つの貫通電極25、および引出し線24を介して、駆動回路基板11から発せられた駆動用の電圧もしくは電流が整流素子26の両端に印加できる。
整流素子26として、本実施例では、テラヘルツ波の周波数を検波するために、ショットキーバリアダイオードが作製される。詳細は省略するが、シリコンからなるアンテナ基板21上に、ショットキー接触を作製するために、アンテナ基板21のシリコン表面の不純物濃度が、おおよそ1×1018[個/cm]以下にされる。表面の不純物濃度の制御には、エピタキシー成長で所望の不純物濃度を有するシリコン結晶薄膜を直接成長する方法、もしくはイオンインプランテーションなどの手法により不純物原子をシリコンに直接注入する方法がある。本実施例では、シリコン基板であるアンテナ基板21の表面に、不純物濃度2×1016[個/cm]を有するn型シリコンを200nm程度エピタキシー成長したものが使用される。なお、ショットキーバリアダイオードの特性は、シリコンと金属の仕事関数により決定されるため、電極として使用する金属材料の種類によって特性が大きく変化する。本実施例では、ショットキーバリアダイオードにおける電極に、厚さ50nmのコバルトを使用する。なお、共振アンテナ23とアンテナ基板21とを絶縁している絶縁膜に開けられたコンタクトホールを介して、整流素子26と共振アンテナ23とが電気的に接続される。
反射板27は、アンテナ基板21において共振アンテナ23と反対側の面には、設けられている。なお、この反射板27によって共振アンテナ23の指向性向上などの効果を効率的に得るために、アンテナ基板21の厚さは、アンテナ基板21の共振波長の0.5倍程度の厚さにすることが望ましい。本実施例においては、周波数1THz、空気中での波
長300μmのテラヘルツ波を受信するために、シリコンの比誘電率11.9を鑑みて、アンテナ基板21は(300μm/11.9)×0.5≒13μm程度の厚さが望ましい。なお、テラヘルツ波の周波数が1THz程度である場合における、シリコンの誘電率は正確に知られてはいないため、当該厚さは、実際には生成しながら調整(整合)する作業が必要である。なお、共振アンテナ23とアンテナ基板21との間には、絶縁膜として厚さ1.5μmのSiOが存在しており、具体的にはアンテナ基板21上にCVD(Chemical Vapor Deposition)法にて成膜されている。
また、金属薄膜から成る反射板27がアンテナ基板21と電気的に接触しないように、アンテナ基板21と反射板27とは、絶縁膜を介して接合(作製)される。本実施例では、絶縁膜としてSiNを200nm成膜した上に、アルミニウムを200nm成膜して、反射板27が作製されている。
そして、本実施例においては、貫通電極25を配置するに好適な領域43の境界を、共振アンテナ23から、共振アンテナ23の共振波長150μmの0.25倍である37μm以上(37.5μm以上)に位置するようにするとよい。また、本実施例では、貫通電極25は、共振アンテナ23から43μm離れた位置に配置されている。これによって、センサの感度が高く、さらには、隣接画素の信号も拾うことによるクロストークが発生しづらく解像度がよく、ノイズが低減された受信器の提供を可能とした。
このように、本実施例では、1THzのテラヘルツ波の受信を目的にして設計を行ったため距離45を37μm以上とした。しかし、0.1THzのテラヘルツ波の受信を目的とする設計では、1THzのテラヘルツ波を受信する場合の約10倍の共振アンテナ23の共振波長であるので、距離45を375μm以上(370μm以上)とすればよい。また、10THzの電波の受信を目的とする設計では、1THzのテラヘルツ波を受信する場合の約1/10倍の共振アンテナ23の共振波長であるので、距離45を3.7μm以上とすればよい。
なお、1THzのテラヘルツ波を受信することを目的とする場合には、距離45が共振波長の0.75倍である場合に、垂直方向のアンテナゲインが飽和値であるため、距離45は、150μm×0.75=112.5≒112μm以下であってもよい。また、本実施例では、ループアンテナである共振アンテナ23の長さは、共振アンテナ23の共振波長150μmの1.5倍であるとしている。しかし、これに限らず、共振アンテナの長さは、共振波長の0.5倍、1.5倍、2.5倍のいずれであってもよいため、75μm、225μm、375μmのいずれであってもよい。また、共振アンテナ23がダイポールアンテナである場合には、ダイポールアンテナの長さは、共振波長の0.5倍である75μmであるとよい。
一方、0.1THzのテラヘルツ波を受信することを目的とする場合には、共振アンテナ23の共振波長は1500μmである。このため、距離45が共振波長の0.75倍である場合に、垂直方向のアンテナゲインが飽和値であるため、距離45は、1500μm×0.75=1125μm以下であってもよい。また、ループアンテナである共振アンテナ23の長さは、共振波長の0.5倍、1.5倍、2.5倍のいずれであってもよいため、750μm、2250μm、3750μmであってもよい。また、共振アンテナ23がダイポールアンテナである場合には、ダイポールアンテナの長さは、共振波長の0.5倍である750μmであるとよい。
また、例えば、0.4THzのテラヘルツ波を受信することを目的とする場合には、共振アンテナ23の共振波長は、375μmである。このため、距離45は、375μm×0.25=93.75≒93μm以上、375μm×0.75=281.25≒281μ
m以下であってもよい。また、ループアンテナである共振アンテナ23の長さは、共振波長の0.5倍、1.5倍、2.5倍のいずれであってもよいため、187μm、562μm、937μmであってもよい。また、共振アンテナ23がダイポールアンテナである場合には、ダイポールアンテナの長さは、共振波長の0.5倍である187μmであるとよい。
本発明の実施形態および実施例に係る受信器は、種々の用途に対して適用可能である。例えば、本発明の実施形態および実施例に係る受信器は、画像形成装置(撮影装置;カメラ)に好適に適用することができる。具体的には、まず、画像形成装置の外部の発振器により、撮影する対象物に対してテラヘルツ波が照射される。次に、画像形成装置は、当該対象物に反射することで入射されるテラヘルツ波を受信する。そして、画像形成装置における出力回路18から出力端子19を介して出力される電気信号を画像処理部が取得して、当該画像処理部が電気信号に基づいて画像を形成する。ここで、当該電気信号は、上述の実施形態および実施例に係る受信器が受信(検出)したテラヘルツ波に基づいたものであるため、ノイズが少なく、感度の高い情報を有している。従って、画像形成装置は、ノイズが少なく、感度の高い画像を形成(撮影)することができる。
21:アンテナ基板,23:共振アンテナ,25:貫通電極,45:距離

Claims (19)

  1. 基板の第一面側に入射するテラヘルツ波を検出する受信器であって、
    前記基板の第一面に設けられる、前記テラヘルツ波を受信するアンテナと、
    前記アンテナと電気的に接続されており、前記基板において前記第一面の反対の面である第二面と前記第一面とを貫通する貫通電極と、
    を有し、
    前記貫通電極は、共振波長の0.25倍以上の距離、前記アンテナから離れている、
    ことを特徴とする受信器。
  2. 前記貫通電極は、前記共振波長の0.25倍以上であり、かつ前記共振波長の0.75倍以下である距離、前記アンテナから離れている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信器。
  3. 前記アンテナは、ループアンテナであり、
    前記ループアンテナの長さは、前記共振波長の0.5倍または1.5倍または2.5倍である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信器。
  4. 前記アンテナは、ダイポールアンテナであり、
    前記ダイポールアンテナの長さは、前記共振波長の0.5倍である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の受信器。
  5. 基板の第一面側に入射するテラヘルツ波を検出する受信器であって、
    前記基板の第一面に設けられる、前記テラヘルツ波を受信するアンテナと、
    前記アンテナと電気的に接続されており、前記基板において前記第一面の反対の面である第二面と前記第一面とを貫通する貫通電極と、
    を有し、
    前記貫通電極から前記アンテナまでの距離は、37μm以上である、
    ことを特徴とする受信器。
  6. 前記貫通電極から前記アンテナまでの距離は、112μm以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の受信器。
  7. 前記貫通電極から前記アンテナまでの距離は、375μm以上である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の受信器。
  8. 前記貫通電極から前記アンテナまでの距離は、1125μm以下である、
    ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の受信器。
  9. 前記アンテナは、ループアンテナであり、
    前記ループアンテナの長さは、75μm、225μm、375μm、750μm、2250μm、3750μmのうちいずれかである、
    ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の受信器。
  10. 前記アンテナは、ダイポールアンテナであり、
    前記ダイポールアンテナの長さは、75μmまたは750μmである、
    ことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の受信器。
  11. 前記アンテナと電気的に接続され、前記テラヘルツ波の検波電流を発生する整流素子を
    、前記基板の前記第一面にさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の受信器。
  12. 前記整流素子は、ショットキーバリアダイオードである、
    ことを特徴とする請求項11に記載の受信器。
  13. 前記貫通電極は、前記基板とは異なる第二基板が有する集積回路と電気的に接続されており、
    前記基板の前記第二面と前記第二基板とが接合されている、
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の受信器。
  14. 前記アンテナと前記第二基板との間に、金属膜から構成される反射板を有する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の受信器。
  15. 前記反射板は電気的にフローティングである、
    ことを特徴とする請求項14に記載の受信器。
  16. 前記アンテナはループアンテナまたはダイポールアンテナである、
    ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の受信器。
  17. 前記テラヘルツ波の周波数は、0.03THz以上30THz以下である、
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の受信器。
  18. 前記テラヘルツ波に基づいた電気信号を外部に出力する出力回路をさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の受信器。
  19. 請求項18に記載の受信器と、
    前記電気信号に基づいて画像を形成する画像処理部と、
    を有する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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