(1)概要
本実施形態の電子部品付きスイッチ(スイッチ)100は、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)等の外部の回路に接続して用いられる。そして、本実施形態のスイッチ100は、例えば車両のドアやボンネットの開閉を検知するために用いられる。もちろん、スイッチ100の用途を限定する趣旨ではなく、検知対象は車両のドアの開閉等に限定されない。
本実施形態のスイッチ100は、図1及び図2に示すように、ベース11と、端子20(本実施形態では、第1端子21及び/又は第2端子22)と、電子部品60(本実施形態では、第1抵抗素子61及び/又は第2抵抗素子62)と、を備える。ベース11は、スイッチ100のケース1の一部である。
端子20は、ベース11に取り付けられている。具体的には、端子20は、ベース11の厚さ方向に沿ってベース11を貫通した状態で、ベース11に取り付けられている。端子20は、操作子4(後述する)の移動に応じて開閉する接点部7(後述する固定接点片3及び作動子5)を含む電路の一部を形成する。
電子部品60は、例えば抵抗素子又はダイオードなどの部品であり、端子20に接合される。電子部品60は、端子20に接合することで端子20と電気的に接続される部品であればよい。
端子20は、接続片200と、繋ぎ片201と、分岐片202と、を有している。接続片200には、外部導体が電気的に接続される。本実施形態では、外部導体はリード線である。そして、接続片200には、はんだ付けによりリード線が接続される。繋ぎ片201は、接続片200と電子部品60とを繋ぐ。つまり、繋ぎ片201は、電子部品60が接合される部位を含んでいる。分岐片202は、繋ぎ片201から分岐している。
上述のように、本実施形態では、電子部品60が端子20に接合されている。このため、本実施形態では、電子部品を実装した基板をケースに取り付ける場合と比較して、小型化を図ることができる、という利点がある。また、本実施形態では、例えばリード線などの外部導体を接続片200に取り付けるときに接続片200に熱が加わった場合、接続片200に加わった熱の一部が分岐片202に逃げる。このため、本実施形態では、分岐片202が無い場合と比較して、電子部品60に熱が伝わりにくい、という利点がある。
(2)構成
以下、本実施形態のスイッチ100の構成について詳細に説明する。以下では、図4において、操作子4と復帰ばね8(後述する)とが並ぶ方向を第1方向(上下方向)とし、復帰ばね8から見て操作子4側を上方、その逆を下方として説明する。また、図4において、第1端子21と第2端子22とが並ぶ方向を第2方向(左右方向)とし、第2端子22から見て第1端子21側を左方、その逆を右方として説明する。更に、図4において、後述する一対の挟み片(第1挟み片51及び第2挟み片52)が並ぶ方向を第3方向(前後方向)とし、第2挟み片52から見て第1挟み片51側を前方、その逆を後方として説明する。
なお、図1~図5、及び図7には、これらの方向(上、下、左、右、前、後)を表す矢印を示すが、これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態のスイッチ100の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態のスイッチ100は、図1~図4に示すように、ベース11及びカバー12からなるケース1と、第1端子21と、第2端子22と、固定接点片3と、操作子4と、作動子5とを備えている。また、スイッチ100は、第1抵抗素子61と、第2抵抗素子62と、コイルばねからなる復帰ばね8とを備えている。第2抵抗素子62は、抵抗素子としての第1抵抗素子61とは異なる抵抗素子である。図1は、第1端子21、第2端子22、固定接点片3、第1抵抗素子61、及び第2抵抗素子62のみを表している。図2、図4は、カバー12を外した状態のスイッチ100を表している。
以下、第1端子21と第2端子22とを区別しない場合には、第1端子21及び第2端子22を「端子20」という。また、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62を区別しない場合には、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62を「電子部品60」という。
ケース1は、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂などの樹脂材料により形成されている。ケース1は、図3に示すように、一面(下面)に開口を有する箱状のカバー12と、カバー12の開口を塞ぐ扁平な直方体状のベース11とからなる。カバー12の一面(上面)には、円形状の開口部121が設けられている。この開口部121を通して、操作子4の一部(後述する押釦411)がケース1の外部に露出している。
ベース11の一面(上面)には、図4に示すように、上向きに突出する扁平な直方体状の台座111が設けられている。台座111の一面(上面)の中央には、上向きに突出する一対の突部112が設けられている。これら一対の突部112に復帰ばね8の第1端(下端)を嵌め合わせることで、復帰ばね8がベース11に位置決めされる(図2参照)。
ベース11の一面(上面)には、図2及び図4に示すように、左右方向において台座111と並ぶ形で、上向きに突出する起立部113が設けられている。起立部113は、台座111よりも上方に突出している。また、起立部113は、固定接点片3と併せて上下方向に長い板状となるような形状に形成されている。本実施形態では、起立部113は、電気絶縁性を有する材料により形成されている。このため、起立部113は、作動子5の一対の可動接点511,521(後述する)の間を電気的に絶縁する絶縁部として機能する。このため、以下では、「起立部113」は、「絶縁部113」ということもある。
本実施形態では、ベース11、台座111、一対の突部112、及び起立部113は、インサート成形により、樹脂成形品として一体に形成される。
第1端子21、第2端子22、及び固定接点片3は、いずれも銅合金などの金属材料により形成されている。金属材料としては、例えば黄銅、りん青銅、すず青銅、快削黄銅、又は快削りん青銅などが挙げられる。金属材料としては、りん青銅のように黄銅と比較して熱伝導率の低い材料であるのが好ましい。具体的には、黄銅の熱伝導率が120[W/(m・K)]であるのに対して、りん青銅の熱伝導率は60[W/(m・K)]である。本実施形態では、端子20(第1端子21及び第2端子22)及び固定接点片3は、いずれもりん青銅を含んでいる。
第1端子21及び第2端子22は、図2に示すように、それぞれベース11の厚さ方向(上下方向)に沿ってベース11を貫通するようにして設けられている。言い換えれば、第1端子21及び第2端子22がベース11を貫通する方向が、ベース11の厚さ方向となるように、第1端子21及び第2端子22が設けられている。また、第1端子21及び第2端子22は、左右方向に並んで設けられている。本実施形態では、第1端子21及び第2端子22は、いずれもインサート成形によりベース11と一体に構成されている。また、本実施形態では、第1端子21及び第2端子22は穴あきはんだ端子であるが、例えばフォーク端子などの他の端子であってもよい。
図1に示すように、第1端子21は、第1接続片210と、第1繋ぎ片211と、第1分岐片212と、第1接合片213と、第1延長片214と、を有している。第2端子22は、第2接続片220と、第2繋ぎ片221と、第2分岐片222と、第2接合片223と、第2延長片224と、取付片225と、を有している。以下、第1接続片210及び第2接続片220を区別しない場合には、第1接続片210及び第2接続片220を「接続片200」ともいう。また、第1繋ぎ片211及び第2繋ぎ片221を区別しない場合には、第1繋ぎ片211及び第2繋ぎ片221を「繋ぎ片201」ともいう。また、第1分岐片212及び第2分岐片222を区別しない場合には、第1分岐片212及び第2分岐片222を「分岐片202」ともいう。更に、第1延長片214及び第2延長片224を区別しない場合には、第1延長片214及び第2延長片224を「延長片203」ともいう。
第1接続片210は、第1端子21のうちベース11から露出している部位であり、外部導体が電気的に接続される。同様に、第2接続片220は、第2端子22のうちベース11から露出している部位であり、第1接続片210に接続される外部導体とは異なる外部導体が電気的に接続される。本実施形態では、第1接続片210及び第2接続片220には、それぞれはんだ付けによりリード線が電気的に接続される。このように第1接続片210及び第2接続片220の各々に外部導体が電気的に接続されることにより、第1端子21及び第2端子22の各々が外部導体を介して外部回路などに電気的に接続される。
第1接合片213及び第2接合片223は、いずれも電子部品60が電気的に接続される部位である。本実施形態では、第1接合片213には、はんだ付けにより、第2抵抗素子62の第1電極621が電気的に接続されている。また、第2接合片223には、はんだ付けにより、第1抵抗素子61の第1電極612が電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、電子部品60は、はんだにより端子20に接合されている。なお、はんだの種類は特に限定されないが、はんだは、いわゆる高融点はんだのように、融点が高い方が好ましい。
第1繋ぎ片211は、L字状であり、第1接続片210と第1接合片213とを繋ぐ部位である。第2繋ぎ片221は、逆L字状であり、第2接続片220と第2接合片223とを繋ぐ部位である。言い換えれば、繋ぎ片201は、接続片200と電子部品60とを繋いでいる。
第1分岐片212は、矩形状であり、第1接続片210の左上方に位置する第1繋ぎ片211から分岐して第1接続片210の上方に位置する。第2分岐片222は、矩形状であり、第2接続片220の右上方に位置する第2繋ぎ片221から分岐して第2接続片220の上方に位置する。つまり、分岐片202は、繋ぎ片201から分岐している。
本実施形態では、第1分岐片212を仮想線Y1にて切断したときの第1分岐片212の断面積は、第1繋ぎ片211を仮想線X1にて切断したときの第1繋ぎ片211の断面積よりも大きくなっている。同様に、第2分岐片222を仮想線Y2で切断したときの第2分岐片222の断面積は、第2繋ぎ片221を仮想線X2にて切断したときの第2繋ぎ片221の断面積よりも大きくなっている。つまり、分岐片202と繋ぎ片201とが繋がる部位から見て、分岐片202の断面積は、繋ぎ片201の断面積よりも大きくなっている。
本実施形態では、第1分岐片212及び第2分岐片222は、インサート成形により、ベース11に埋まっている(図2参照)。つまり、本実施形態では、分岐片202の少なくとも一部は、ベース11に埋まっている。また、本実施形態では、第1繋ぎ片211及び第2繋ぎ片221は、いずれもインサート成形によりベース11に埋まっているが、一部はベース11から露出している(図2参照)。つまり、本実施形態では、繋ぎ片201の少なくとも一部は、ベース11から露出している。
第1延長片214は、矩形状であり、第1接合片213から分岐して、第1接合片213の上方に位置する。第2延長片224は、矩形状であり、第2繋ぎ片221及び第2接合片223を介して第1抵抗素子61へ向かう部位から分岐して、第2接合片223の上方に位置する。つまり、端子20は、繋ぎ片201から更に分岐する延長片203を有している。
取付片225は、第2延長片224から上方に突出しており、ベース11の一対の突部112の間に挿入される。取付片225は、一対の突部112により位置決めされた復帰ばね8の第1端(下端)に接触することで、復帰ばね8と電気的に接続されている。つまり、第2端子22は、復帰ばね8と電気的に接続されている。
固定接点片3は、ベース11の厚さ方向(上下方向)に沿って第1端子21と並んで配置されている。固定接点片3は、インサート成形により起立部113と一体に構成されている。固定接点片3及び起立部113は、作動子5が移動する第1位置(後述する)と第2位置(後述する)との間において、ベース11の厚さ方向に並んでいる。固定接点片3は、作動子5の一対の可動接点511,521と接触することにより、作動子5と電気的に接続される。
操作子4は、ベース11と同様に、PBT樹脂などの樹脂材料により形成されている。操作子4は、図2及び図4に示すように、ベース11の厚さ方向(上下方向)に沿って第2端子22と並んで配置されている。言い換えれば、操作子4は、ベース11の幅方向(左右方向)の片側(ここでは、右側)に寄せて配置されている。
操作子4は、本体部41で構成されている。本体部41は、更に、押釦411と、筒体412と、取付台413とで構成されている。押釦411は、円柱状に形成されており、筒体412の第1端(上端)に設けられている。押釦411は、ケース1の外部に露出しており(図3参照)、外力が加わることでケース1の内側に向かって(つまり、下方に向かって)押し込まれるように構成されている。
筒体412は、上下方向に長い角筒状に形成されている。筒体412には、円筒状のキャップ42が被せられている。キャップ42の一面(上面)には、円形状の開口部421が設けられている。この開口部421を通して、押釦411がキャップ42の外部に露出している。
取付台413は、一面(下面)に開口を有する箱状であり、筒体412の第2端(下端)に一体に形成されている。取付台413の内側には、復帰ばね8の第2端(上端)が取り付けられている。つまり、操作子4は、復帰ばね8を介してベース11に支持されている。また、取付台413の内側には、一対の挟み片51,52を露出させた状態で作動子5が取り付けられている。
操作子4は、ベース11の厚さ方向(上下方向)に沿って移動するように構成されている。具体的には、操作子4は、押釦411が外力を加えられて押し込まれることにより、復帰ばね8の弾性力に抗って下方に移動する。操作子4が下方に移動すると、復帰ばね8は操作子4に押されて圧縮され、弾性変形する。また、操作子4は、押釦411に外力が作用しなくなると、復帰ばね8の弾性力により上方へと移動し、元の状態に復帰する。
作動子5は、銅合金などの金属材料により形成されている。作動子5は、図2及び図4に示すように、一対の挟み片51,52と、連結片53とで構成されている。一対の挟み片51,52は、いずれも左右方向に長い板状に形成されている。一対の挟み片51,52の各々の第1端(右端)は、平板状の連結片53に一体に形成されている。この連結片53が操作子4の取付台413の内側に取り付けられることで、作動子5が操作子4に取り付けられている。
ここで、連結片53は、復帰ばね8の第2端(上端)と接触しており、復帰ばね8と電気的に接続されている。また、復帰ばね8は、既に述べたように、第2端子22に電気的に接続されている。したがって、作動子5は、第2端子22に電気的に接続されている。
一対の挟み片51,52は、第1端(右端)を支点として前後方向に撓むように構成されている。一対の挟み片51,52は、第1端(右端)において最も間隔が広がっており、第1から第2端(左端)に向かうにつれて間隔が狭まるように構成されている。一対の挟み片51,52のうちの第1挟み片51の第2端(左端)には、第2挟み片52と対向する面(後面)から後ろ向きに突出する半球状の第1可動接点511が一体に形成されている。また、一対の挟み片51,52のうちの第2挟み片52の第2端(左端)には、第1挟み片51と対向する面(前面)から前向きに突出する半球状の第2可動接点521が一体に形成されている。
一対の挟み片51,52は、固定接点片3又は起立部113を厚さ方向(前後方向)の両側から挟んでいる。具体的には、一対の挟み片51,52は、第1挟み片51の第1可動接点511を固定接点片3又は起立部113の前面に、第2挟み片52の第2可動接点521を固定接点片3又は起立部113の後面に接触させて、固定接点片3又は起立部113を挟んでいる。
作動子5は、操作子4の移動に伴ってベース11の厚さ方向(上下方向)に沿って第1位置と第2位置との間で移動するように構成されている。第1位置は、作動子5が固定接点片3に接触する位置である。言い換えれば、第1位置は、一対の可動接点511,521によって固定接点片3を挟み込んでいる位置である(図5参照)。図5は、図2と同様に、カバー12を外した状態のスイッチ100を表している。第2位置は、作動子5が固定接点片3に接触しない位置である。言い換えれば、第2位置は、一対の可動接点511,521によって起立部(絶縁部)113を挟み込んでいる位置である。
そして、一対の可動接点511,521は、固定接点片3又は起立部113を挟み込みながら、第1位置と第2位置との間を擦りながら動くようになっている。ここで、作動子5が第1位置から第2位置へ移動するとき、一対の可動接点511,521が固定接点片3と絶縁部113との境界を超えると、一対の可動接点511,521は、固定接点片3を挟む状態から絶縁部113を挟む状態へと瞬時に切り替わる。同様に、作動子5が第2位置から第1位置へ移動するとき、作動子5が固定接点片3と絶縁部113との境界を超えると、一対の可動接点511,521は、絶縁部113を挟む状態から固定接点片3を挟む状態へと瞬時に切り替わる。つまり、本実施形態のスイッチ100は、いわゆる摺動接点方式である。
第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、いずれもチップ抵抗器である。第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62のサイズは、例えば1.6mm×0.8mm程度である。もちろん、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62のサイズを限定する趣旨ではなく、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62のサイズは、スイッチ100の要求される電力量(ワット数)に応じて適宜変更されてもよい。
第1抵抗素子61は、図1に示すように、一対の第1電極611,612のうちの一方の第1電極611が固定接点片3に設けられた第1接合片311に接合され、他方の第1電極612が第2端子22の第2接合片223に接合されている。第2抵抗素子62は、一対の第2電極621,622のうちの一方の第2電極621が第1端子21の第1接合片213に接合され、他方の第2電極622が固定接点片3に設けられた第2接合片312に接合されている。
本実施形態では、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、図2に示すように左右方向に並んだ状態で、インサート成形により、ベース11に埋まっている。具体的には、本実施形態では、第1端子21及び第2端子22に第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62を接合した後に、インサート成形することにより、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62をベース11に埋めている。つまり、本実施形態では、電子部品60は、ベース11に埋まっている。
(3)回路
ここで、本実施形態のスイッチ100の回路について図6Aを用いて説明する。図6Aに示す接点部7は、「(1)概要」で既に述べたように、固定接点片3と作動子5とからなる。作動子5が第2位置(図2参照)にあるとき、一対の可動接点511,521が絶縁部113を挟んでいることから、作動子5と固定接点片3とは導通していない。つまり、作動子5が第2位置にあるとき、接点部7はオフとなる。一方、作動子5が第1位置にあるとき(図5参照)、一対の可動接点511,521が固定接点片3を挟んでいることから、作動子5と固定接点片3とが導通する。つまり、作動子5が第1位置にあるとき、接点部7はオンとなる。
スイッチ100の回路は、第1回路C1と、第2回路C2とを有している。第1回路C1は、第1端子21、第2抵抗素子62、接点部7、第2端子22を電流が流れる回路である。より具体的には、第1回路C1は、第1端子21、第2抵抗素子62、固定接点片3、作動子5、復帰ばね8、第2端子22を電流が流れる回路である。第2回路C2は、第1端子21、第2抵抗素子62、第1抵抗素子61、第2端子22を電流が流れる回路である。より具体的には、第2回路C2は、第1端子21、第2抵抗素子62、固定接点片3、第1抵抗素子61、第2端子22を電流が流れる回路である。
第1抵抗素子61は、接点部7に並列に電気的に接続されている。第2抵抗素子62は、接点部7及び第1抵抗素子61の接続点と、第1端子21とに電気的に接続されている。そして、第1端子21と第2端子22との間に電流を流す場合、接点部7がオフであれば、第2回路C2に電流が流れ、第1回路C1には電流が流れない。一方、接点部7がオンであれば、第1回路C1に概ね電流が流れ、第2回路C2には殆ど電流が流れない。
(4)動作
以下、本実施形態のスイッチ100の動作について、車両のボンネットの開閉の検知にスイッチ100を適用した場合を一例として説明する。以下の説明では、第1端子21及び第2端子22は、例えばECUなどの外部の回路に電気的に接続されているとする。また、第1端子21には、第1端子21から第2端子22へと電流が流れるように、一定の大きさの電流が供給されているとする。
車両のボンネットが開いている状態では、操作子4の押釦411は、押されている状態にある。この状態では、押釦411に外力が加わることにより、操作子4及び作動子5が下方へと移動しているため、作動子5は第1位置にある。つまり、この状態では、接点部7はオンとなっている。車両のボンネットが閉じると、操作子4の押釦411が押されなくなるため、押釦411に作用していた外力がなくなる。そして、復帰ばね8の弾性力により、操作子4及び作動子5が上方へと移動するため、作動子5は第2位置に移動する。つまり、この状態では、接点部7はオフとなる。その後、車両のボンネットを開ければ、押釦411に再度外力が加わることにより、操作子4及び作動子5が下方へと移動し、作動子5は第1位置に移動する。つまり、この状態では、接点部7はオンとなる。
ここで、図6Aに示すように、第1端子21と第2端子22との間の電圧を「端子間電圧V0」とする。また、図6Bに示すように、時刻「0」において接点部7がオフであるとする。このとき、第1端子21と第2端子22との間に一定電流を流すと、第2回路C2に電流が流れるため、端子間電圧V0の電圧値は、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62の抵抗値により定まる「V1」となる。その後、時刻「t1」において接点部7がオンになると、第1回路C1に電流が流れるため、端子間電圧V0の電圧値は、第2抵抗素子62及び接点部7の接点抵抗の抵抗値により定まる「V2(<V1)」となる。そして、時刻「t2」において第1端子21及び第2端子22に接続されている電線が断線したとすると、第1端子21と第2端子22との間に電流が流れなくなることから、端子間電圧V0の電圧値は検出不可となる。
つまり、本実施形態のスイッチ100では、接点部7がオンの状態、接点部7がオフの状態、及び断線が発生している状態のそれぞれで端子間電圧V0の電圧値が異なる。したがって、本実施形態のスイッチ100を用いれば、端子間電圧V0の電圧値を監視することで、接点部7のオン/オフ、及び断線を検知することが可能である。
また、本実施形態のスイッチ100は、端子20に接続されるリード線等の短絡状態を検出することもできる。具体的には、リード線が短絡した場合、スイッチ100には電流が流れなくなるため、端子間電圧V0の電圧値は、上述の「V1」、「V2」、及び検出不可のいずれとも異なる電圧値となる。したがって、本実施形態のスイッチ100を用いれば、端子20に接続されるリード線等の短絡状態を検出することができる。
上述のように、本実施形態のスイッチ100では、電子部品60が端子20に接合されている。このため、本実施形態では、電子部品を実装した基板をケースに取り付ける場合と比較して、小型化を図ることができる、という利点がある。
以下、本実施形態のスイッチ100の更なる利点について、比較例のスイッチとの比較を交えて説明する。比較例のスイッチは、端子が分岐片及び延長片を有していない点で、本実施形態のスイッチ100と相違する。比較例のスイッチにおいて、端子の接続片に外部導体(ここでは、リード線)をはんだ付けにより接続する場合、はんだ付けにより接続片には熱が加えられる。接続片に加えられた熱は、端子を伝わり、端子における電子部品の接合部分、及び電子部品へと伝わる。このため、比較例のスイッチでは、例えば、はんだにより電子部品を端子に接合している場合、接合部分に伝わる熱によってはんだが溶融し、電子部品の端子に対する接合が不完全になる可能性がある。また、比較例のスイッチでは、例えば電子部品に熱が伝わることにより、電子部品が劣化する可能性がある。特に、接続片に対するはんだ付けを複数回、繰り返した場合、電子部品の耐熱性を上回る熱が電子部品に加わることで、電子部品が劣化する可能性がある。
一方、本実施形態のスイッチ100では、接続片200に加えられた熱が端子20を通して伝わる伝熱経路A1は、第1経路A11と、第2経路A12とに分岐する。第1経路A11は、接続片200から繋ぎ片201へと熱が伝わる経路である。第2経路A12は、接続片200から分岐片202へと熱が伝わる経路である。つまり、本実施形態では、接続片200に加えられた熱が、第1経路A11と第2経路A12とに分かれて伝わる。このため、本実施形態では、比較例のスイッチと比較して、電子部品60の接合部分(第1接合片213又は第2接合片223)、及び電子部品60へと伝わる熱が小さくなる。また、本実施形態では、接続片200に加えられた熱が分岐片202へと伝わることにより、比較例のスイッチと比較して、電子部品60の接合部分、及び電子部品60へと熱が伝わるまでに要する時間を長くすることができる。
つまり、本実施形態では、比較例のスイッチと比較して、電子部品60に熱が伝わりにくい、という利点がある。このため、本実施形態では、比較例のスイッチと比較して、電子部品60の接合部分のはんだが溶融しにくく、電子部品60の端子20に対する接合が不完全になりにくい、という利点がある。また、本実施形態では、比較例のスイッチと比較して、電子部品60に熱が伝わりにくいので、電子部品60が劣化しにくい、という利点がある。
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上述の実施形態において、第1分岐片212及び第2分岐片222は、図7に示すように、それぞれ第1窪み215及び第2窪み226を有していてもよい。第1窪み215及び第2窪み226は、それぞれ第1分岐片212及び第2分岐片222の長手方向(左右方向)に沿って長い(言い換えれば、第1分岐片212及び第2分岐片222の突出する向きと交差する向きに長い)溝であり、後向きに窪んでいる。この態様では、第1端子21及び第2端子22をインサート成形によりベース11と一体に構成すると、ベース11を構成する樹脂が、第1窪み215及び第2窪み226に入り込んだ状態で固まる。
この態様では、仮に第1端子21及び第2端子22にベース11から抜く向きの力が加わった場合でも、第1窪み215及び第2窪み226の内壁がベース11の一部(窪みに入り込んだ樹脂)に引っ掛かり、第1端子21及び第2端子22の移動が規制される。つまり、この態様では、分岐片202は、ベース11の一部に引っ掛かる引っ掛け構造204(第1窪み215及び第2窪み226)を有している。このため、この態様では、第1端子21及び第2端子22がベース11から抜けにくい、という利点がある。
上述の実施形態では、第1端子21及び第2端子22は、いずれもりん青銅を含んでいるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、第1端子21及び第2端子22の少なくとも一方は、りん青銅を含んでいなくてもよいし、第1端子21及び第2端子22の両方がりん青銅を含んでいなくてもよい。
上述の実施形態では、第1端子21及び第2端子22は、それぞれ1つの第1分岐片212及び第2分岐片222を有しているが、これに限定する趣旨ではない。つまり、端子20は、複数の分岐片202を有していてもよい。同様に、第1端子21及び第2端子22は、それぞれ1つの第1延長片214及び第2延長片224を有しているが、これに限定する趣旨ではない。つまり、端子20は、複数の延長片203を有していてもよい。
上述の実施形態では、分岐片202と繋ぎ片201とが繋がる部位から見て、分岐片202の断面積が繋ぎ片201の断面積よりも大きくなっているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、分岐片202の断面積は、繋ぎ片201の断面積よりも小さくてもよい。つまり、端子20は、繋ぎ片201から分岐する分岐片202を有していればよく、分岐片202の形状及び寸法は特に限定されない。
上述の実施形態では、分岐片202の一部がベース11に埋まっているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、分岐片202は、全体がベース11に埋まっていてもよいし、全体がベース11から露出していてもよい。
上述の実施形態では、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、いずれもベース11に埋まっているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62のうち少なくとも一方は、一部がベース11から露出していてもよい。また、例えば、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、いずれもベース11から完全に露出していてもよい。つまり、電子部品60がベース11に埋まっているか否かは任意である。
上述の実施形態では、繋ぎ片201の一部がベース11から露出しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、繋ぎ片201は、全体がベース11に埋まっていてもよいし、全体がベース11から露出していてもよい。
上述の実施形態では、スイッチ100は、ノーマリーオープン型であるが、ノーマリークローズ型であってもよい。ノーマリークローズ型であれば、スイッチ100は、例えば固定接点片3と絶縁部113とが互いに逆の位置関係となるように構成されていればよい。
上述の実施形態では、ベース11は扁平な直方体状であるが、ベース11の形状を限定する趣旨ではない。つまり、ベース11は、扁平な直方体状以外の形状であってもよい。
上述の実施形態では、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、第1端子21、第2端子22、及び固定接点片3の厚さ方向(前後方向)の一方の側(前側)だけに配置されているが、他の構成であってもよい。例えば、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、それぞれ第1端子21、第2端子22、及び固定接点片3の厚さ方向の両側に配置されていてもよい。その他、第1端子21、第2端子22、及び固定接点片3の厚さ方向の一方の側に第1抵抗素子61が配置され、他方の側に第2抵抗素子62が配置されていてもよい。
上述の実施形態では、第1端子21及び第2端子22は、ベース11の長手方向(左右方向)に並ぶように配置されているが、第1端子21及び第2端子22の配置を限定する趣旨ではない。例えば、第1端子21及び第2端子22は、ベース11の短手方向(前後方向)に並ぶように配置されていてもよい。
上述の実施形態では、第1抵抗素子61の一対の第1電極611,612、及び第2抵抗素子62の一対の第2電極621,622は、いずれもベース11の厚さ方向と直交する方向(左右方向)に並んで配置されている。つまり、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、いずれも横向きに配置されているが、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62の配置を限定する趣旨ではない。例えば、第1抵抗素子61及び第2抵抗素子62は、いずれも縦向きに配置されていてもよいし、互いに異なる向きに配置されていてもよい。
上述の実施形態のスイッチ100は、断線を検知することが可能な構成であるが、断線を検知する機能を用いるか否かは、ユーザの要望に応じて任意である。
上述の実施形態のスイッチ100では、固定接点片3を一対の可動接点511,521で挟まない位置に絶縁部113を設けているが、当該位置に絶縁部113を設けていなくてもよい。そして、当該位置には、絶縁部113の代わりに、空隙が設けられていてもよい。この場合、作動子5は、固定接点片3を一対の可動接点511,521で挟む位置と、一対の可動接点511,521が空隙を介して対向する位置(固定接点片3を一対の可動接点511,521で挟まない位置)との間で移動可能に構成されていればよい。
上述の実施形態では、操作子4及び復帰ばね8は、ベース11の長手方向の一端(右端)側に寄せて配置されているが、他の配置であってもよい。例えば、操作子4及び復帰ばね8は、ベース11の長手方向(左右方向)の中央に配置されていてもよい。
上述の実施形態では、スイッチ100は、2つの端子20(第1端子21及び第2端子22)を備えているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、スイッチ100は、3つ以上の端子20を備えていてもよいし、1つの端子20を備えていてもよい。また、スイッチ100が複数の端子20を備える場合、少なくとも1つの端子20が分岐片202を有していればよく、全ての端子20が分岐片202を有していなくてもよい。
(6)参考例
以下、参考例のスイッチについて説明する。参考例のスイッチは、2つの端子20(第1端子21及び第2端子22)の各々が分岐片202及び延長片203を有していない点で、上述の実施形態のスイッチ100と相違する。要するに、参考例のスイッチは、ベース11と、端子20と、電子部品60と、を備えている。端子20は、ベース11に取り付けられて、操作子4の移動に応じて開閉する接点部7を含む電路の一部を形成している。電子部品60は、ベース11に埋められた状態で、端子20に接合されている。このため、スイッチ100は、電子部品60をベース11の外に配置する場合と比較して、小型化を図ることができる、という利点がある。また、スイッチ100は、電子部品60がベース11に埋まっているので、電子部品60が端子20との接合部位からずれにくい、という利点がある。また、スイッチ100では、電子部品60がベース11に埋まっているので、電子部品60の接合部分の腐食を防ぎやすい、という利点がある。
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係るスイッチ(100)は、ベース(11)と、端子(20)と、電子部品(60)と、を備える。端子(20)は、ベース(11)に取り付けられて、操作子(4)の移動に応じて開閉する接点部(7)を含む電路の一部を形成する。電子部品(60)は、端子(20)に接合される。端子(20)は、接続片(200)と、繋ぎ片(201)と、分岐片(202)と、を有する。接続片(200)には、外部導体が電気的に接続される。繋ぎ片(201)は、接続片(200)と電子部品(60)とを繋ぐ。分岐片(202)は、繋ぎ片(201)から分岐する。
この態様によれば、電子部品を実装した基板をケースに取り付ける場合と比較して、小型化を図ることができる、という利点がある。また、この態様によれば、例えばリード線などの外部導体を接続片(200)に取り付けるときに接続片(200)に熱が加わった場合、電子部品(60)に熱が伝わりにくい、という利点がある。
第2の態様に係るスイッチ(100)では、第1の態様において、端子(20)は、りん青銅を含んでいる。
この態様によれば、例えば黄銅からなる端子(20)と比較して、端子(20)の熱伝導率が低くなることから、電子部品(60)に熱が伝わりにくい、という利点がある。
第3の態様に係るスイッチ(100)では、第1又は第2の態様において、分岐片(202)と繋ぎ片(201)とが繋がる部位から見て、分岐片(202)の断面積は、繋ぎ片(201)の断面積よりも大きい。
この態様によれば、繋ぎ片(201)よりも分岐片(202)の熱容量が大きいことから、接続片(200)に加わった熱が分岐片(202)に伝わりやすくなる。このため、繋ぎ片(201)を介して電子部品(60)に熱が伝わりにくい、という利点がある。
第4の態様に係るスイッチ(100)では、第1~第3のいずれかの態様において、分岐片(202)の少なくとも一部は、ベース(11)に埋まっている。
この態様によれば、分岐片(202)に伝わった熱がベース(11)を介して放熱しやすくなる。このため、分岐片(202)がベース(11)に埋まっていない場合と比較して、接続片(200)に加わった熱が分岐片(202)に伝わりやすくなり、繋ぎ片(201)を介して電子部品(60)に熱が伝わりにくい、という利点がある。
第5の態様に係るスイッチ(100)では、第4の態様において、分岐片(202)は、ベース(11)の一部に引っ掛かる引っ掛け構造(窪み)(204)を有する。
この態様によれば、端子(20)に応力が掛かった場合でも、引っ掛け構造(204)にベース(11)の一部が引っ掛かることで分岐片(202)の移動が規制されるので、端子(20)がベース(11)から抜けにくくなる、という利点がある。
第6の態様に係るスイッチ(100)では、第1~第5のいずれかの態様において、電子部品(60)は、ベース(11)に埋まっている。
この態様によれば、電子部品(60)がベース(11)に埋まっていない場合と比較して、小型化を図ることができる、という利点がある。また、この態様によれば、電子部品(60)がベース(11)に埋まっているため、電子部品(60)の位置がずれにくい、という利点がある。
第7の態様に係るスイッチ(100)では、第1~第6のいずれかの態様において、繋ぎ片(201)の少なくとも一部は、ベース(11)から露出している。
この態様によれば、繋ぎ片(201)全体がベース(11)に埋まっている場合と比較して、ベース(11)から露出していない部分、具体的には、ケース(1)の高さ寸法の小型化を図ることができる、という利点がある。
第8の態様に係るスイッチ(100)では、第1~第7のいずれかの態様において、端子(20)は、繋ぎ片(201)から更に分岐する延長片(203)を有する。
この態様によれば、接続片(200)から繋ぎ片(201)に伝わった熱が延長片(203)に伝わりやすくなるため、電子部品(60)に熱がより伝わりにくい、という利点がある。
第9の態様に係るスイッチ(100)では、第1~第8のいずれかの態様において、電子部品(60)は、はんだにより端子(20)に接合されている。
この態様によれば、導電性を有する接合材にて電子部品(60)を端子(20)に接合する場合と比較して、電子部品(60)に力が加わっても電子部品(60)が端子(20)から剥離しにくい、という利点がある。
第2~第9の態様に係る構成については、スイッチ(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
第10の態様に係るスイッチ(100)は、ベース(11)と、第1端子(21)と、第2端子(22)と、固定接点片(3)と、第1電子部品(第1抵抗素子)(61)と、第2電子部品(第2抵抗素子)(62)と、復帰ばね(8)と、操作子(4)と、作動子(5)と、を備える。第1端子(21)は、ベース(11)にベース(11)の下面を通して取り付けられ、上下方向に延伸する。第2端子(22)は、ベース(11)に、上下方向に垂直な左右方向において第1端子(21)と並ぶように取り付けられ、上下方向に延伸する。固定接点片(3)は、ベース(11)の左右方向における第1端子(21)と第2端子(22)との間に、ベース(11)の上面を通して取り付けられる。第1電子部品(61)は、第1端子(21)と固定接点片(3)とに接合される。第2電子部品(62)は、第2端子(22)と固定接点片(3)とに接合される。復帰ばね(8)は、第2端子(22)の上端部に、下端が接触するように位置決めされる。操作子(4)は、復帰ばね(8)を介してベース(11)に支持され、上下方向に移動可能である。作動子(5)は、操作子(4)に取り付けられ、左右方向に延伸する。操作子(4)の移動に伴って、作動子(5)に設けられた可動接点(511,521)に固定接点片(3)が接触することによって、第1端子(21)と第2端子(22)の間の電路が形成される。第1端子(21)は、外部導体が電気的に接続される第1接続片(210)と、第1接続片(210)の上端から上向きに延伸するL字状の第1繋ぎ片(211)と、第1繋ぎ片(211)から分岐し、上向きに突出する第1分岐片(212)と、第1繋ぎ片(211)の上端から上向きに延伸する第1接合片(213)と、を有する。第2端子(22)は、外部導体とは異なる外部導体が電気的に接続される第2接続片(220)と、第2接続片(220)の上端から上向きに延伸する逆L字状の第2繋ぎ片(221)と、第2繋ぎ片(221)から分岐し、上向きに突出する第2分岐片(222)と、第2繋ぎ片(221)の上端から上向きに延伸する第2接合片(223)と、を有する。第1電子部品(61)は、左右方向において第1接合片(213)と固定接点片(3)とを接続する。第2電子部品(62)は、左右方向において第2接合片(223)と固定接点片(3)とを接続する。
この態様によれば、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)がそれぞれ第1端子(21)及び第2端子(22)に接合されているので、電子部品が実装された基板をスイッチのケースに取り付ける場合に比べて、スイッチ(100)を小型化することができる、という利点がある。
さらに、第1分岐片(212)及び第2分岐片(222)を設けることで、第1分岐片(212)及び第2分岐片(222)に熱が逃がされることにより、第1繋ぎ片(211)及び第2繋ぎ片(221)のそれぞれに伝わる熱が小さくなる。また、第1接続片(210)と第2接続片(220)にそれぞれ外部導体をはんだ付けにより接続する場合、第1分岐片(212)及び第2分岐片(222)に熱が逃がされることにより、第1繋ぎ片(211)及び第2繋ぎ片(221)のそれぞれに伝わる熱が小さくなる。そのため、第1端子(21)と第1電子部品(61)を接合しているはんだ、及び第2端子(22)と第2電子部品(62)とを接合しているはんだが、いずれも溶解するリスクを減らすことでき、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)がいずれも劣化しにくい、という利点がある。
第11の態様に係るスイッチ(100)では、第10の態様において、第1分岐片(212)と、第1接合片(213)とは接しておらず、第2分岐片(222)と、第2接合片(223)とは接していない。
この態様によれば、第1接続片(210)及び第2接続片(220)にそれぞれ外部導体をはんだ付けにより接続する場合に、第1繋ぎ片(211)及び第2繋ぎ片(221)のそれぞれに伝わる熱をより小さくすることができる、という利点がある。
第12の態様に係るスイッチ(100)では、第10又は第11の態様において、第1分岐片(212)及び第2分岐片(222)は、それぞれ左右方向において、第1接合片(213)と第2接合片(223)と、の間に設けられている。
この態様によれば、スイッチ(100)を小型化することができる、という利点がある。
第13の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第12のいずれかの態様において、第1端子(21)及び第2端子(22)は、それぞれりん青銅を含んでいる。
この態様によれば、例えば第1端子(21)及び第2端子(22)がそれぞれ黄銅を含んでいる場合に比べて、熱電率を低くすることができる。そのため、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)にそれぞれ伝わる熱をより小さくすることができる、という利点がある。
第14の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第13のいずれかの態様において、第1分岐片(212)の突出する方向に垂直な断面の断面積は、第1繋ぎ片(211)が延伸する方向に垂直な断面の断面積より大きい。第2分岐片(222)の突出する方向に垂直な断面の断面積は、第2繋ぎ片(221)が延伸する方向に垂直な断面の断面積より大きい。
この態様によれば、第1分岐片(212)の熱容量を第1繋ぎ片(211)の熱容量よりも大きくすることができ、第1分岐片(212)に伝わる熱を多くして、第1繋ぎ片(211)に伝わる熱を少なくすることができる、という利点がある。また、第2分岐片(222)の熱容量を第2繋ぎ片(221)の熱容量よりも大きくすることができ、第2分岐片(222)に伝わる熱を多くして、第2繋ぎ片(221)に伝わる熱を少なくすることができる、という利点がある。
第15の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第14のいずれかの態様において、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)は、それぞれベース(11)に埋まっている。
この態様によれば、スイッチ(100)を小型化することができる、という利点がある。
第16の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第15のいずれかの態様において、第1端子(21)の一部は、ベース(11)の上面から露出しており、第2端子(22)の一部は、ベース(11)の上面から露出している。
この態様によれば、第1接続片(210)及び第2接続片(220)の熱がそれぞれ第1繋ぎ片(211)及び第2繋ぎ片(221)を通して露出した部分へ伝わりやすくなり、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)それぞれに伝わる熱を少なくすることができる、という利点がある。
第17の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第16のいずれかの態様において、第1電子部品(61)は、はんだにより、第1端子(21)に接合されている。第2電子部品(62)は、はんだにより、第2端子(22)に接合されている。
この態様によれば、第1電子部品(61)と第2電子部品(62)とに力が加わった場合でも、それぞれ第1端子(21)と第2端子(22)とから剥離しにくい、という利点がある。
第18の態様に係るスイッチ(100)では、第10~第17のいずれかの態様において、第1電子部品(61)及び第2電子部品(62)は、それぞれ抵抗素子である。
この態様によれば、第1端子(21)と第2端子(22)との間の抵抗値が異なるため、接点のオン/オフ、及び第1端子(21)と第2端子(22)に接続されるリード線等の断線/短絡状態を検出することができる、という利点がある。
第11~第18の態様に係る構成については、スイッチ(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。