JP7280565B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法 - Google Patents

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本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法に関する。
リチウムイオン二次電池は高電圧・高容量であるため、高出力・小型化が求められるノートパソコン、携帯電話用の二次電池として、またハイブリット車や電気自動車などの車載用の電池として普及している。
リチウムイオン二次電池は例えば、正極、負極および電解質等からなり、正極の正極活物質(正極材料)としてはLiCoOやLiNiOなどが用いられている。中でもLiNiOはエネルギー密度が高く、Coに比べ安価であるなどの理由から、有望な材料である。
ただし、リチウムイオン二次電池に用いられている正極活物質は一般的に不安定であり、リチウムイオン二次電池のサイクル特性、すなわち繰り返し充放電を行った際の電池の容量の維持率が十分には高くはなく、サイクル特性を高めることが求められていた。
正極活物質の安定性を高め、該正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上する方法として、正極活物質の元素を他の元素により置換することが考えられる。
例えば特許文献1には、式1:LixNi1-y-z-v-wCoyAlz で表されるリチウム含有複合酸化物からなり、前記式1中の元素Mは、Mn、Ti、Y、Nb、MoおよびWよりなる群から選ばれた少なくとも1種であり、前記式1中の元素Mは、Mg、Ca、SrおよびBaよりなる群から選ばれた少なくとも2種であり、かつ、元素Mは、少なくともMgとCaとを含み、前記式1は、0.97≦x≦1.1、0.05≦y≦0.35、0.005≦z≦0.1、0.0001≦v≦0.05、および0.0001≦w≦0.05を満たし、前記複合酸化物は、一次粒子が集合して二次粒子を形成しており、前記複合酸化物の一次粒子の平均粒径は、0.1μm以上、3μm以下であり、前記複合酸化物の二次粒子の平均粒径は、8μm以上、20μm以下である、非水電解液二次電池用の正極活物質が開示されており、Niを他の元素で置換した例が示されている。
特開2006-310181号公報
Tsutomu Ohzuku et al.,"Electrochemistry and Structural Chemistry of LiNiO2 (R3m) for 4 Volt Secondary Lithium Cells", Journal of The Electrochemical Society, 1993, Vol.140, No.7, PP.1862-1870
しかしながら、リチウムイオン二次電池のサイクル特性の評価には数か月を要し、複数の候補の元素について、置換した正極活物質の合成、評価を実験的に繰り返し行うと、開発に膨大な時間・コストがかかる。このため、リチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素について、置換したリチウムイオン二次電池用正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響の程度を効率的に評価できるリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法が求められていた。
そこで上記従来技術が有する問題に鑑み本発明の一側面では、リチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素について、置換したリチウムイオン二次電池用正極活物質をリチウムイオン二次電池に用い、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を抑制できる置換元素を、サイクル特性を高める効果が高い置換元素として評価できるとした場合に、サイクル特性に与える影響の程度を効率的に評価できるリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
層状構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質の元素の一部を置換する候補の元素である候補元素を選択する選択工程と、
前記候補元素により元素の一部を置換した前記リチウムイオン二次電池用正極活物質において、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出する算出工程と、
前記選択工程と、前記算出工程とを、前記選択工程で選択する前記候補元素の種類を変更し、繰り返し実施する繰り返し工程と、
前記算出工程において算出した前記層間距離の変化が小さいものから順に前記算出工程に供した前記候補元素を配列し、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価する評価工程と、を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法を提供する。
本発明の一態様によれば、リチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素について、置換したリチウムイオン二次電池用正極活物質をリチウムイオン二次電池に用い、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を抑制できる置換元素を、サイクル特性を高める効果が高い置換元素として評価できるとした場合に、サイクル特性に与える影響の程度を効率的に評価できるリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法を提供することができる。

参考例1において算出した汎関数の違いによる、Liの脱離に伴う層間距離の変化の計算結果の違いを示す図。
以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法は以下の工程を有することができる。
層状構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質の元素の一部を置換する候補の元素である候補元素を選択する選択工程。
候補元素により元素の一部を置換したリチウムイオン二次電池用正極活物質において、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出する算出工程。
選択工程と、算出工程とを、選択工程で選択する候補元素の種類を変更し、繰り返し実施する繰り返し工程。
算出工程において算出した層間距離の変化が小さいものから順に算出工程に供した候補元素を配列し、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価する評価工程。
本発明の発明者らは、リチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」とも記載する)の置換元素について、置換した正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響の程度を効率的に評価できるリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法について鋭意検討を行った。
既述の様に実験的に置換元素を探索、評価するためには、膨大な時間と、コストを要する。そこで、正極活物質の置換元素について、置換した正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響を効率的に評価し、効率的に置換元素を探索する方法として、本発明の発明者らは、第一原理計算を用いる方法に着目した。
第一原理計算を用いて、置換元素がサイクル特性に与える影響を評価するためにはサイクル特性に影響を与える要因を把握する必要がある。しかし、従来は係る要因について十分な検討がなされていなかった。
本発明の発明者らの検討によれば、繰り返し充放電を行い、容量が低下したリチウムイオン二次電池に含まれる正極活物質は、その粒子に使用開始前にはなかったひび割れや亀裂が生じていることが確認できた。
層状構造を有する正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池おいては、層間に対してリチウムを挿入することと、層間から脱離させることとを繰り返し行うことで充放電を行っている。このため、上記正極活物質に生じたひび割れ等は、リチウムの挿入、脱離に伴う正極活物質の伸縮により生じたものと解される。そして、非特許文献1によれば、層状構造を有する正極活物質であるLi1-xNiOにおいて、充放電を行いxの値を変化させてリチウムの挿入、脱離を行うことで、層間距離が変化することが報告されている。
従って、上述の繰り返し充放電を行った後に正極活物質に生じていたひび割れ等は、充放電に伴い正極活物質の層間へのリチウムの挿入、脱離を繰り返し実施することによる層間距離の変化により生じたものと考えられる。
上記検討結果から、置換元素により置換した正極活物質について、リチウムを挿入、脱離させた際の、層間距離の変化を抑制できる置換元素をサイクル特性を高める効果が高い置換元素として評価できることを見出した。
しかし、従来から一般的に用いられている第一原理計算では、層状構造を有する正極活物質について、その層間距離を正確に評価することはできていなかった。
密度汎関数理論に基づく第一原理計算においては、一般化勾配近似による汎関数の一種であるPBE(Perdew-Burke-Ernzehof)汎関数が広く用いられている。これは、PBE汎関数は多くの場合、結晶構造を精度よく計算できるためである。
ところが、例えば層状構造を有する正極活物質について、Li(リチウム)を脱離させた状態では層状構造の周辺の電荷はほぼ0になっており、主にファンデルワールス力が層間に働いている。そして、PBE汎関数においてはファンデルワールス力を正しく取り入れられていない。このため、特にLiを脱離させた状態では正極活物質の層間の距離を正確に評価することはできなかった。
そこでさらに検討を行ったところ、層状構造を有する正極活物質に関する第一原理計算では従来は用いられていなかった、ファンデルワールス力を補正項として加えたファンデルワールス密度汎関数を用いて第一原理計算を行うことで、層状構造を有する正極活物質について、Liを挿入、脱離させた際の層間距離を正確に評価できることを見出した。そして、係るファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により、置換元素について、置換した正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響の程度を効率的に評価できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法について、工程毎に説明する。
(選択工程)
選択工程では、層状構造を有する正極活物質の元素の一部を置換する候補の元素である候補元素を選択することができる。
この際、選択する候補元素の種類等は特に限定されず、任意に選択することができる。
なお、置換の対象となる層状構造を有する正極活物質としては特に限定されず、層状構造を有し、層間にLiを挿入、脱離させることができる各種層状構造を有する正極活物質を用いることができる。例えば、正極活物質としては、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiNi1-tCo(0<t<1)、LiNi1-x-yCoAl、およびLiNi1/3Mn1/3Co1/3から選択された1種とすることができる。
(算出工程)
算出工程では、選択工程で選択した候補元素により元素の一部を置換した正極活物質において、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出することができる。
なお、候補元素により置換する正極活物質中の元素は特に限定されず、任意に選択することができる。正極活物質として、上述のようにLiNiOや、LiCoO、LiNi1-tCo、LiNi1-x-yCoAl、LiNi1/3Mn1/3Co1/3等を選択した場合には、遷移金属であるNiやCo等を置換する対象の元素とすることができる。置換の対象とする元素の置換の程度等についても特に限定されず、予め定めた任意の置換割合とすることができる。
そして、例えば候補元素により元素の一部を置換した正極活物質と、係る置換後の正極活物質のLiの少なくとも一部を脱離させた正極活物質について、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により層間の距離を計算することができる。得られた計算結果から、候補元素により元素の一部を置換した正極活物質について、層間にLiを挿入または脱離させた際の層間距離の変化を算出できる。
なお、計算の際にLiを挿入または脱離させる程度は特に限定されず、予め定めた任意の挿入量、脱離量とすることができる。ただし、層間距離の変化が十分に大きくなるようにLiを挿入または脱離させることが好ましく、Liを脱離させる際には、例えばLiを75%以上脱離させることが好ましい。なお、計算上Liは全て脱離させることもできることから、Liの脱離量は100%以下であることが好ましく、99%以下であることがより好ましい。
また、ここでいう層間とは、Liを挿入した際にLiが配置される部分を意味する。ファンデルワールス密度汎関数は、ファンデルワールス力を評価できるように一般化密度勾配近似によるエネルギー汎関数に補正項を追加した汎関数になる。
(繰り返し工程)
繰り返し工程では、選択工程と、算出工程とを、選択工程で選択する候補元素の種類を変更する点以外は既述の選択工程、算出工程と同様にして、繰り返し実施することができる。
すなわち、選択工程において既に計算に供した元素とは異なる候補元素を選択し、係る候補元素を用いて算出工程を実施することができる。
算出工程では、異なる候補元素を用いる点以外は先に実施した算出工程と同じ条件で計算を実施することが好ましい。
(評価工程)
評価工程では、算出工程において算出した層間距離の変化が小さいものから順に算出工程に供した候補元素を配列し、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価することができる。
既述の様に、本発明の発明者らの検討によれば、層間にLiを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を抑制できる置換元素をサイクル特性を高める効果が高い置換元素として評価することができる。このため、上述のように、算出工程において算出した層間距離の変化が小さいものから順に算出工程に供した候補元素を配列した場合、その順、つまり層間距離の変化が小さいものから順にサイクル特性を高める効果が高い元素と評価することができる。すなわち、上記候補元素の配列は、評価に供した正極活物質の置換元素について、置換した正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響の程度が大きい順に配列したものとなる。
なお、評価工程における評価方法は上述の方法に限定されない。例えば未置換の正極活物質について同じ条件で既述の算出工程を行い、係る未置換の正極活物質についてLiを挿入または脱離させた際の層間距離の変化よりも、層間距離の変化を抑制できる候補元素を全て、サイクル特性を高める効果が高い元素と評価することもできる。また、未置換の正極活物質についてLiを挿入または脱離させた際の層間距離の変化よりも、層間距離の変化を抑制できる候補元素のみを上述の評価工程で配列することもできる。
以上に説明した本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法によれば、正極活物質の置換元素について、置換した正極活物質をリチウムイオン二次電池に用いた場合のサイクル特性に与える影響の程度を第一原理計算により効率的に評価できる。
なお、本実施形態のリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法の評価結果に基づいて置換元素を選択した後、さらに係る置換元素による最適な置換量を選択することもできる。この場合も置換量選択用に上述の選択工程、算出工程、繰り返し工程、評価工程を実施し、最適な置換量を評価できる。
ただし、置換量を選択する場合、選択工程においては、層状構造を有する正極活物質の元素の一部を、選択した置換元素によって置換する置換量(置換割合)を任意に選択することができる。算出工程では、選択工程で選択した置換量で、置換元素により元素の一部を置換した正極活物質において、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出することができる。繰り返し工程では、上記選択工程と、算出工程とを、選択工程で選択する置換量を変更し、繰り返し実施することができる。そして、評価工程では、算出工程において算出した層間距離の変化が小さいものから順に置換割合を配列し、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価することができる。
なお、置換する元素を評価するための既述の工程と区別する場合には、置換量選択用選択工程、置換量選択用算出工程、置換量選択用繰り返し工程、置換量選択用評価工程の様に各工程を呼ぶこともできる。また、繰り返し工程で上記選択工程を繰り返し実施する場合には、置換量を一定割合で変化させることが、置換量を網羅的に評価する観点から好ましい。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
汎関数の違いによる層間距離の計算結果の違いを確認するため、LiNiOについて、PBE汎関数と、ファンデルワールス密度汎関数を用いた場合とについて、Liの脱離による層間距離dの変化を計算した。なお、層間距離dは、Liが挿入されていた層間の距離を意味している。
計算は、平面波基底第一原理計算ソフトであるVASP(Vienna Ab initio Simulation Package)を用いて、密度汎関数理論(DFT:Density Functional Theory)の範疇で、PBE汎関数、もしくはファンデルワールス密度汎関数を用いて行った。平面波基底のカットオフエネルギーは650eVとした。
計算結果を図1に示す。図1中、横軸がLiの脱離の程度を示しており、横軸の数値が大きくなるほど、Li1-xNiOのxが大きくなり、Liが脱離していることを意味している。
図1に示すように、ファンデルワールス密度汎関数を用いた場合、Liの脱離量が増加するのに伴い最初は層間距離が少し長くなるものの、さらにLiの脱離量が増えると、層間距離が大幅に短くなることを確認できた。この結果は非特許文献1の結果に合致していることが確認できた。
[実施例1]
以下の手順により、層状構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であるLiNi0.84Co0.16の置換元素の評価を行った。
(選択工程)
選択工程では、層状構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質であるLiNi0.84Co0.16のNi元素の一部を置換する候補の元素である候補元素を選択した。具体的にはMgを選択した。
(算出工程)
算出工程では、候補元素により元素の一部を置換した上記リチウムイオン二次電池用正極活物質において、層間からリチウムを脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出した。
なお、候補元素による置換後の一般式がLiNi0.75Co0.16Mg0.09となるようにNiの一部を候補元素で置換し、リチウム脱離量が0%の場合と、75%の場合とについて層間距離を算出した。
算出に当たっては、上記一般式で表される正極活物質について、ファンデルワールス密度汎関数を用いて計算を行った点以外は参考例1と同様にして計算を行った。
(繰り返し工程)
繰り返し工程では、選択工程で選択する候補元素をMgから、Co、Na、Al、Mnのいずれかに変更した点以外は同様にして、上述の選択工程、算出工程を実施した。
(評価工程)
上記算出工程により算出した層間距離の変化は、以下の表1に示した結果となった。
Figure 0007280565000001
上記算出工程において算出した層間距離の変化が小さいものから順に算出工程に供した候補元素を配列したところ、Mg、Co、Na、Al、Mnの順となり、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価することができた。

Claims (2)

  1. 層状構造を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質の元素の一部を置換する候補の元素である候補元素を選択する選択工程と、
    前記候補元素により元素の一部を置換した前記リチウムイオン二次電池用正極活物質において、層間にリチウムを挿入または脱離させた際の、層間距離の変化を、ファンデルワールス密度汎関数を用いた第一原理計算により算出する算出工程と、
    前記選択工程と、前記算出工程とを、前記選択工程で選択する前記候補元素の種類を変更し、繰り返し実施する繰り返し工程と、
    前記算出工程において算出した前記層間距離の変化が小さいものから順に前記算出工程に供した前記候補元素を配列し、その順にサイクル特性を高める効果が高いと評価する評価工程と、を有するリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法。
  2. 前記リチウムイオン二次電池用正極活物質が、LiNiO、LiCoO、LiNi1-tCo(0<t<1)、LiNi1-x-yCoAl、およびLiNi1/3Mn1/3Co1/3から選択された1種である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の置換元素の評価方法。
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