JP7280298B2 - 表示システム - Google Patents
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Description
<表示システムの概要>
図1に示す本実施形態の表示システムSys1は、人物が携帯可能な携帯機器10を備える。本実施形態の表示システムSys1は、この携帯機器10の表示部25aに、当該携帯機器10を所持する人物(以下、「ユーザ」という場合がある。)の移動ルートと共に当該携帯機器10で検出した物理量を重ねあわせて表示させるシステムである。これにより、表示システムSys1は、表示部25aにおいて、携帯機器10で検出された物理量と、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動とを関連付けた分かり易い表示を実現するものである。
携帯機器10は、ユーザが携帯可能に構成された電子端末機器である。典型的には、携帯機器10のうち第1携帯機器20は、ネットワークNを介してサーバ40と相互に通信を行う主たる通信端末を構成する。一方、携帯機器10のうち第2携帯機器30は、近距離無線通信を介して第1携帯機器20と相互に通信を行う従たる通信端末を構成する。ネットワークNは、Wi-Fi(登録商標)、4G、5G等を用いた無線通信、通信線を用いた有線通信を問わず任意の通信網によって構成され、サーバ40と第1携帯機器20とを通信可能に接続する。近距離無線通信の方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)、W-LAN、Wi-Fi(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等である。ただし、第2携帯機器30は、近距離無線通信に限らずネットワークNを介してサーバ40、第1携帯機器20と相互に通信可能な構成であってもよい。
第1携帯機器20は、サーバ40と相互に通信し連携することで当該サーバ40から様々なサービスを受けることができる電子端末機器である。ここでは、第1携帯機器20は、上述したようにスマートフォンである。
第2携帯機器30は、第1携帯機器20と相互に通信し連携することで当該第1携帯機器20と共に様々なサービスを受けることができる電子端末機器である。ここでは、第2携帯機器30は、上述したように電子時計である。本実施形態の第2携帯機器30は、種々のペアリング操作に応じて、第1携帯機器20と通信可能にペアリングされる。図1に示す第2携帯機器30は、物理的な指針3(秒針3a、分針3b、時針3c)によって文字板のインデックス(目盛)を指し示すことで時刻を表示するアナログ電子時計(アナログクオーツ時計)である。なお、第2携帯機器30は、これに限らず、時刻をデジタル表示するデジタル電子時計(デジタルクオーツ時計)、アナログ指針表示と共に一部にデジタル表示を含むコンビネーション電子時計(コンビネーションクオーツ時計)等であってもよい。
サーバ40は、ネットワークN上に実装されるクラウドサービス機器(クラウドサーバ)を構成するものである。サーバ40は、CPU等の中央演算処理装置を含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路、半導体メモリ等の各種記憶装置等を含んで構成される。サーバ40は、既知のPCやワークステーションなどのコンピュータシステムに種々の処理を実現させるプログラムをインストールすることで構成することもできる。また、サーバ40は、単体の機器によって構成されてもよいし、複数の機器を相互通信可能に組み合わせることで構成されてもよい。サーバ40は、携帯機器10(ここでは、第1携帯機器20)との間で送受信する情報を記憶し、管理する。また、サーバ40は、表示システムSys1における様々なサービスに必要な種々の情報も記憶し、管理する。サーバ40は、ネットワークN等を介して必要に応じてこれらの情報が読み出される。
上記のように構成される表示システムSys1において、第1携帯機器20の処理部27は、表示部25aを制御して重ね表示処理を実行可能である。重ね表示処理とは、図4に示すように、表示部25aを制御し、移動ルート画像I1に、物理量画像I2を重ねて表示させる処理である。重ね表示処理で表示される移動ルート画像I1は、携帯機器10の位置検出部24aによって検出された携帯機器10の位置に応じて定まる当該携帯機器10の移動ルートを表す画像であり、例えば、地図画像等を含んで表示される。当該携帯機器10の移動ルートは、言い換えれば、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートに相当する。つまり、移動ルート画像I1は、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートを表す画像に相当する。一方、重ね表示処理で表示される物理量画像I2は、携帯機器10の物理量検出部36aによって検出された物理量を表す画像である。ここでは、物理量検出部36aによって検出される物理量は、上述したように第2携帯機器30において発電された電力の発電量である。つまり、物理量画像I2は、物理量検出部36aによって検出された物理量として、第2携帯機器30において発電された電力の発電量を表す画像に相当する。表示システムSys1は、処理部27がこの重ね表示処理を実行することで、携帯機器10で検出された物理量、ここでは、第2携帯機器30における発電量と、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動とを関連付けた分かり易い表示を実現する。
本実施形態の表示システムSys1は、例えば、図5に示すように、物理量検出処理(ステップS1)、情報送信処理(ステップS2)、情報蓄積処理(ステップS3)、情報読み出し処理(ステップS4)、移動ルート特定処理(ステップS5)、検出位置特定処理(ステップS6)、表示画像生成処理(ステップS7)、及び、重ね表示処理(ステップS8)を実行することで、図4で例示したような表示を実現する。処理部27、39は、記憶部26、38に記憶されているプログラムを実行することで、上記各処理を実行する。当該プログラムは、処理部27、39によって実行されることで、コンピュータとしての携帯機器10(第1携帯機器20、第2携帯機器30)に、上記各処理を実行させる。
まず、第2携帯機器30の処理部39は、物理量検出処理を実行する(ステップS1)。物理量検出処理とは、所定のサンプリング周期(例えば、5分)で、物理量検出部36aによって物理量を検出する処理である。ここでは、物理量検出部36aは、物理量として、第2携帯機器30の発電部31bにおいて発電された電力の発電量を検出する。
次に、処理部39は、通信部32を介して情報送信処理を実行する(ステップS2)。情報送信処理とは、通信部32を介して、物理量検出処理で検出された物理量に関する検出物理量情報を第1携帯機器20に送信する処理である。処理部39は、例えば、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが通信部22、32を介して近距離無線通信が可能となったタイミングで、未送信の検出物理量情報について情報送信処理を実行する。
次に、第1携帯機器20の処理部27は、通信部22を介して第2携帯機器30から検出物理量情報を受信すると、通信部22を介して情報蓄積処理を実行する(ステップS3)。情報蓄積処理とは、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報を、通信部22を介して、他の情報と共にサーバ40に送信する処理である。処理部27は、情報蓄積処理では、第2携帯機器30から受信した検出物理量情報を、位置検出部24aによって検出された位置に関する検出位置情報と共にサーバ40に送信する。この場合、処理部27は、検出物理量情報と、当該検出物理量情報の物理量が検出された時刻を表す検出時刻情報と、当該検出物理量情報の物理量が検出された位置を表す検出位置情報とを関連付け(紐付け)てサーバに格納し、蓄積させる。
次に、処理部27は、通信部22を介して、情報読み出し処理を実行する(ステップS4)。情報読み出し処理とは、通信部22を介して、相互に関連付けられた検出物理量情報と検出時刻情報と検出位置情報とを、サーバ40から読み出す処理である。この場合、処理部27は、例えば、重ね表示処理を行う対象期間内の検出物理量情報、検出時刻情報、検出位置情報の組み合わせをすべてサーバ40から読み出す。重ね表示処理を行う対象期間は、予め定められていてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。
次に、処理部27は、移動ルート特定処理を実行する(ステップS5)。移動ルート特定処理とは、サーバ40から読み出した対象期間の検出時刻情報、検出位置情報に基づいて、携帯機器10(第1携帯機器20、第2携帯機器30)の移動ルート(移動軌跡)を特定する処理である。移動ルート特定処理で特定される携帯機器10の移動ルートは、言い換えれば、携帯機器10を携帯するユーザの移動ルートに相当する。
次に、処理部27は、検出位置特定処理を実行する(ステップS6)。検出位置特定処理とは、サーバ40から読み出した対象期間の検出物理量情報、検出時刻情報、検出位置情報に基づいて、移動ルート特定処理で特定した移動ルートにおいて、各検出物理量情報の物理量が検出された位置を特定する処理である。
次に、処理部27は、表示画像生成処理を実行する(ステップS7)。表示画像生成処理とは、移動ルート特定処理で特定した移動ルートと、検出位置特定処理で特定した各検出物理量情報の物理量が検出された位置とに基づいて、表示部25aに表示させる表示画像を生成する処理である。処理部27は、表示画像生成処理において、移動ルート特定処理で特定した移動ルートを表す移動ルート画像I1に、各検出物理量情報の物理量を表す物理量画像I2を重ね合わせた表示画像(図4参照)を生成する。この場合、処理部27は、各検出物理量情報の物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1において各物理量が検出された位置に相当する位置にそれぞれ重ね合わせる。つまり、処理部27は、移動ルートの特定箇所において物理量検出部36aによって検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1の当該特定箇所に応じた位置に重ね合わせた表示画像を生成する。
そして、処理部27は、表示画像生成処理で生成された表示画像に基づいて表示部25aを制御し重ね表示処理を実行し(ステップS8)、一連の処理を終了する。処理部27は、重ね表示処理では、表示画像生成処理で生成された表示画像を表示部25aに表示させることで、図4に示すように、移動ルート画像I1に各物理量画像I2を重ねて表示させる。より詳細には、処理部27は、重ね表示処理では、移動ルートの特定箇所において検出された物理量を表す物理量画像I2を、移動ルート画像I1の特定箇所に応じた位置に重ねて表示させる。
上記のような重ね表示処理では、物理量画像I2を様々な表示態様で表示部25aに表示させることができる。典型的には、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2によって表現する物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の表示態様を可変とすることができる。
処理部27は、重ね表示処理では、例えば、図4に示すように、物理量画像I2が表す物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の大きさを可変とすることができる。処理部27は、例えば、図4に示すように、物理量画像I2を円形状に表示する場合、当該円形の直径(言い換えれば面積)を変更することで、物理量画像I2の大きさを変更することができる。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量画像I2の大きさを相対的に小さくして表示部25aに表示させる。一方、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量画像I2の大きさを相対的に大きくして表示部25aに表示させる。つまりこの場合、表示システムSys1は、物理量画像I2の大きさを相対的に小さくして表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に小さかったことを表すことができる。一方、表示システムSys1は、物理量画像I2の大きさを相対的に大きくして表示部25aに表示させることで、物理量画像I2が表示されている位置における第2携帯機器30の発電量(物理量)が相対的に大きかったことを表すことができる。
またこの場合、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量が相対的に小さな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的に大きくして表示部25aに表示させるようにしてもよい。そして、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が相対的に大きな値である場合、当該物理量の値の差に対する物理量画像I2の大きさの差を相対的小さくして表示部25aに表示させるようにしてもよい。これにより、表示システムSys1は、物理量画像I2が表す物理量の大小差を、当該物理量画像I2の大きさによって効果的に表すことが可能となる。
また、処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2の最大大きさ、及び、最小大きさを、表示部25aの表示領域25at(図4参照)の大きさを基準として所定割合内に制限するようにしてもよい。ここで、表示部25aの表示領域25atとは、表示部25aにおいて画像を表示することができる領域であり、図4の例では略矩形状の領域である。処理部27は、物理量画像I2の最大大きさを表示領域25at内に収まる大きさ、例えば、直径が表示領域25atの短辺方向の長さL(図4参照)の2分の1以下となる大きさに制限するようしにてもよい。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が最大大きさに相当する値よりも大きな値であっても、上記のように制限された最大大きさで物理量画像I2を表示することとなる。また、処理部27は、物理量画像I2の最小大きさをユーザが容易に目視可能な大きさ、例えば、直径が表示領域25atの短辺方向の長さL(図4参照)の20分の1以上となる大きさに制限するようしにてもよい。この場合、処理部27は、物理量画像I2が表す物理量が最小大きさに相当する値よりも小さな値であっても、上記のように制限された最小大きさで物理量画像I2を表示することとなる。また、処理部27は、例えば、タッチパネル23aに対するユーザの拡大/縮小操作(ピンチアウト/ピンチイン操作)に伴って、物理量画像I2を含む表示画面全体を拡大/縮小する際にも、上記のように物理量画像I2の最大大きさ、最小大きさを制限するようにしてもよい。これにより、表示システムSys1は、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、適正な見易さを確保することが可能となる。
処理部27は、重ね表示処理では、物理量画像I2が表す物理量の大小に応じて当該物理量画像I2の表示色、又は、透過率を可変とすることができる。処理部27は、例えば、色の三属性である色相、彩度、明度を変えることで、当該物理量画像I2の表示色を変えることができる。ここで、色相とは、色の種類を表す属性であり、赤、黄、緑、青、紫といった色の様相の相違を表す。彩度とは、色の鮮やかさの度合いを表す。明度とは、色の明るさ度合いを表す。また、物理量画像I2の透過率とは、物理量画像I2の背後の画像を透過させる度合を表す指標であり、低い値であるほど物理量画像I2の背後の画像を透過させないことを表し、高い値であるほど物理量画像I2の背後の画像を透過させることを表す。
処理部27は、重ね表示処理では、予め定められた単位時間ごとの複数の物理量画像I2を重ねて区別して表示可能である(図4、図7の物理量画像I2A参照)。ここで、予め定められた単位時間は、物理量検出部36aによる物理量のサンプリング周期等に応じて予め定められてもよいし、入力部23等を介してユーザの任意で設定されてもよい。処理部27は、複数の物理量画像I2を重ねて表示する場合、例えば、複数の物理量画像I2の相互間で表示色や透過率を変えることで、当該複数の物理量画像I2を区別して表示部25aに表示させるようにしてもよい。この場合、処理部27は、例えば、図7に例示するように、直近の物理量画像I2を相対的に濃い色で表示部25aに表示させ、現時点からさかのぼるほど物理量画像I2を相対的に薄い色で表示部25aに表示させるようにしてもよい。また、処理部27は、例えば、図7に例示するように、重ね表示処理では、重なり合う複数の物理量画像I2に対する入力部23等を介した選択操作(タップ操作)に応じて、吹き出し表示により当該複数の物理量画像I2が表す物理量の詳細を表示部25aに表示させるようにしてもよい。また、処理部27は、例えば、重ね表示処理では、重なり合う複数の物理量画像I2に対する入力部23等を介した選択操作(タップ操作)に応じて、当該複数の物理量画像I2がそれぞれ表す物理量を順次、表示部25aに表示させるようにしてもよい。
処理部27は、例えば、上述した検出位置特定処理(ステップS6)において、携帯機器10の移動速度に基づいて、後段の重ね表示処理(ステップS8)で表示させる物理量の集計方法を可変とすることができる。これにより、表示システムSys1は、状況に応じたより適正な物理量集計を実現することが可能となる。ここでは、処理部27は、例えば、携帯機器10の移動速度に基づいて、下記で説明する第1の集計方法と、第2の集計方法とを使い分けて各地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)での物理量集計を行うことができる。
第1の集計方法は、携帯機器10の移動距離に基づく集計方法である。処理部27は、第1の集計方法では、携帯機器10の移動距離に応じて物理量の集計を行う。第1の集計方法では、処理部27は、例えば、位置検出部24aによって検出された位置に基づいて所定の移動距離(例えば、300m)毎に移動地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)を特定する。この処理は、言い換えれば、移動ルートの各特定箇所を所定距離(例えば、300m)毎に区切ることに相当する。そして、処理部27は、各移動地点への移動を行っている期間に物理量検出部36aによって検出された物理量(発電量)を集計、積算しこれをそれぞれの移動地点での物理量とする。例えば、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが地点Aから300m離れた位置まで移動した場合に地点Aから地点Bに移動したものと特定する。そして、処理部27は、地点Aから地点Bに移動する間に、物理量検出部36aによって検出された発電量(物理量)を集計、積算し、積算結果を地点Aにおける発電量とする。次に、処理部27は、携帯機器10を携帯するユーザが地点Bから300m離れた位置まで移動した場合に地点Bから地点Cに移動したものと特定する。そして、処理部27は、地点Bから地点Cに移動する間に、物理量検出部36aによって検出された発電量(物理量)を集計、積算し、積算結果を地点Bにおける発電量とする。以下同様である。
第2の集計方法は、経過時間に基づく集計方法である。処理部27は、第2の集計方法では、経過時間に応じて物理量の集計を行う。第2の集計方法では、処理部27は、例えば、所定の経過時間毎に物理量の集計を行う。この場合、処理部27は、例えば、位置検出部24aによって検出された位置に基づいて、所定の経過時間が経過した点での地点を、物理量の集計を行う地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)として特定する。この処理は、言い換えれば、移動ルートの各特定箇所を所定の経過時間毎に区切ることに相当する。そして、処理部27は、当該所定の経過時間内に物理量検出部36aによって検出された物理量(発電量)を集計、積算しこれをそれぞれの地点での物理量とする。
処理部27は、集計方法の使い分けの一例として、例えば、携帯機器10の移動速度が相対的に遅い場合、第1の集計方法で物理量の集計を行い、携帯機器10の移動速度が相対的に速い場合、第2の集計方法で物理量の集計を行うようにしてもよい。つまり、処理部27は、携帯機器10の移動速度が相対的に遅い場合、携帯機器10の移動距離に応じて物理量の集計を行い、携帯機器10の移動速度が相対的に速い場合、経過時間に応じて物理量の集計を行うようにしてもよい。この場合、表示システムSys1は、携帯機器10の移動速度が遅い場合に第1の集計方法を適用することで、例えば、ユーザがほぼ同じ地点に滞在している際に当該ほぼ同じ地点で集計地点の特定、及び、物理量の集計が連続的に行われてしまうことを抑制することができる。一方、表示システムSys1は、携帯機器10の移動速度が速い場合に第2の集計方法を適用することで、例えば、ユーザが高速で移動している際に集計地点の特定、及び、物理量の集計が短時間で連続的に行われてしまうことを抑制することができる。
処理部27は、重ね表示処理では、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動したことを検出した場合、持ち忘れ対応処理を実行することができる。持ち忘れ対応処理とは、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間における物理量画像I2の表示を、当該期間外におけるに物理量画像I2の表示と異ならせる処理である。表示システムSys1は、例えば、第1携帯機器20、又は、第2携帯機器30の一方の所持を忘れて他方のみを携帯してユーザが移動した場合、物理量の集計地点と、ユーザの移動ルートとの整合性がとれないおそれがある。このような場合に、処理部27は、持ち忘れ対応処理を行うことで、物理量の集計地点と、ユーザの移動ルートとの整合性がとれていないまま物理量画像I2の表示が行われることを抑制することができる。
例えば、処理部39は、情報送信処理(ステップS2)で検出物理量情報と共に検出部36によって検出した他の情報も第1携帯機器20に送信し、処理部27は、受信したこれらの情報に基づいて第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出する。処理部27は、例えば、検出部36を構成する加速度センサの信号が検出されない場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36がさらに傾斜センサを含んで構成される場合には、傾斜センサがON(作動)でかつ加速度センサがOFF(非作動)である場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36が温度センサを含んで構成される場合には、事前に第2携帯機器30の装着時と非装着時との温度差に基づいて温度閾値を設定し、実際に検出された温度が当該温度閾値以下である場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部27は、例えば、検出部36が心拍センサを含んで構成される場合には、心拍が測定されていない場合に、当該第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。処理部27は、その他、第2携帯機器30に検出部36として搭載される種々の活動計に基づいて、第2携帯機器30がユーザに装着されていないことを検出することができる。また、処理部39は、第2携帯機器30側で上記と同様の判定を行い、装着の有無の検出結果を表す情報を第1携帯機器20に送信するようにしてもよい。
処理部27は、例えば、検出部24を構成する位置検出部24aによって検出された位置に基づいて、当該第1携帯機器20がユーザに携帯されていないことを検出することができる。処理部27は、例えば、第1携帯機器20が移動せず、かつ、第2携帯機器30がユーザに装着されていることを検出している期間を、第1携帯機器20を持ち忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動した期間であるものと検出する。処理部27は、第1携帯機器20を持ち忘れて第2携帯機器30のみを携帯してユーザが移動した期間であるものと検出した場合、持ち忘れ対応処理として、例えば、図13のような表示画面を表示させてもよい。すなわちこの場合、処理部27は、図13に例示するように、第1携帯機器20と第2携帯機器30とが分離して相対移動した期間に検出された全物理量を、当該第1携帯機器20を持ち忘れた場所で検出された物理量であるものとして物理量画像I2を表示させる。この場合、処理部27は、図10に例示した場合と同様に、物理量画像I2を、ユーザが第1携帯機器20と第2携帯機器30との双方を携帯して移動した正常期間での物理量画像I2に対して表示色や形状を変えて表示させるようにしてもよい。またこの場合、変形例として、処理部27は、重ね表示処理を中止し、物理量画像I2自体を表示させないようにしてもよい。
以上で説明した表示システムSys1、及び、プログラムは、位置検出部24a、物理量検出部36a、表示部25a、及び、処理部27を有する携帯機器10の当該処理部27によって、重ね表示処理を実行することができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10の表示部25aにおいて、当該携帯機器10の移動ルートを表す移動ルート画像I1に、携帯機器10で検出された物理量を表す物理量画像I2を重ねて表示させることができる。したがって、表示システムSys1、及び、プログラムは、携帯機器10で検出した物理量を、当該携帯機器10を携帯するユーザの活動と関連付けて分かり易く表示することができる。これにより、表示システムSys1、及び、プログラムは、例えば、検出された物理量とユーザの行動範囲との因果関係を把握させ易くすることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、携帯機器10、及び、ウェアラブル機器としての第2携帯機器30は、検出した物理量を適正に表示することができる。
以上の説明では、処理部27は、物理量の集計方法として、携帯機器10の移動距離に基づく第1の集計方法、経過時間に基づく第2の集計方法、あるいは、携帯機器10の移動速度に基づいてこれらを使い分ける方法等を例として説明したがこれに限らない。処理部27は、例えば、携帯機器10の移動距離、及び、経過時間の双方が予め定められた閾値を満たすことを条件として各地点(上述した移動ルートの各特定箇所に相当)での物理量集計を行うようにしてもよい。
以上で説明した処理部27は、複数の特定箇所で検出された物理量を併合(マージ)して1つの物理量画像I2として表示することができる。具体的には、処理部27は、重ね表示処理では、予め設定される併合表示基準距離に応じて定まる併合表示範囲内の複数の特定箇所において物理量検出部36aによって検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示部25aに表示することができる。ここで、併合表示範囲とは、複数の特定箇所において検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示する範囲を規定するものであり、併合表示基準距離に応じて定まる。併合表示基準距離は、予め任意に設定される距離であり、検出された物理量を併合して1つの物理量画像I2として表示したい範囲に応じて設定される。
図17を参照して物理量画像I2の併合表示の一例を説明する。図17は、予め設定される併合表示基準距離THDを900mとした場合を例として表している。図17に示す例では、処理部27は、特定された特定箇所の位置に応じて順次更新される基準位置を基に併合表示範囲を定める。なお、図17は、携帯機器10を携帯するユーザの移動に伴って特定された特定箇所間の実際の移動軌跡を点線で図示する一方、基準位置を通る仮想的な移動軌跡を実線で図示している。
図18を参照して物理量画像I2の併合表示の他の一例を説明する。図18も、図17と同様に、予め設定される併合表示基準距離THDを900mとした場合を例として表している。図18に示す例では、処理部27は、基準位置を用いずに、併合表示範囲内の起点となる特定箇所を基に併合表示範囲を定める。なお、図18は、携帯機器10を携帯するユーザの移動に伴って特定された特定箇所間の実際の移動軌跡を実線で図示している。
なお、処理部27は、重ね表示処理では、表示部25aの表示領域25atの表示倍率に応じて併合表示基準距離、及び、これに応じて定まる併合表示範囲の大きさを変えてもよい。処理部27は、例えば、表示部25aの表示領域25atの表示倍率が相対的に高いほど(すなわち、拡大表示であるほど)、併合表示基準距離を相対的に短く設定し、併合表示範囲を相対的に小さくする。一方、処理部27は、例えば、表示部25aの表示領域25atの表示倍率が相対的に低いほど(すなわち、縮小表示であるほど)、併合表示基準距離を相対的に長く設定し、併合表示範囲を相対的に大きくする。これにより、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、重ね表示処理による表示部25aでの表示において、表示倍率にあわせてより適正な見易さを確保することができる。
以上で説明した重ね表示処理では、物理量画像I2を様々な表示態様で表示部25aに表示させることができるものとして説明したが、上述した<バリエーション1;大小可変>、<バリエーション2;色パラメータ可変>等に限らない。処理部27は、重ね表示処理では、例えば、1人のユーザが複数の第2携帯機器30を所有している場合等、それぞれに物理量を検出した異なる複数の第2携帯機器30に応じて物理量画像I2の表示態様を変更することもできる。
また、処理部27は、重ね表示処理では、表示部25aに表示させる物理量画像I2をユーザの任意で選択することもできる。
以上で説明した表示システムSys1は、第1携帯機器20からサーバ40に送信し、当該サーバ40に格納、蓄積させた検出物理量情報を、他のユーザと共有させることもできる。この場合、表示システムSys1は、例えば、第1携帯機器20のタッチパネル23a等を介して、検出物理量情報を提示する側のユーザによって、共有可能とする対象ユーザ、対象期間、対象エリア、対象物理量等を規定するフィルタ情報を設定させる。そして、表示システムSys1は、設定されたフィルタ情報に基づいて、他のユーザの第1携帯機器20等に共有する検出物理量情報を制限し、制限された内容の範囲内で物理量画像I2を表示部25a等に表示させることができる。この結果、表示システムSys1、プログラム、及び、携帯機器10は、検出した物理量をより有効に活用にすることができる。
上述した表示システムSys1は、状況に応じて第1携帯機器20と第2携帯機器30との定期的な相互通信の間隔を可変とすることができる。
10 携帯機器
20 第1携帯機器
21、31 電源部
21a、31a 二次電池
22、32 通信部
23 入力部
23a タッチパネル
23b 音声入力装置
24、36 検出部
24a 位置検出部
25、37 出力部
25a 表示部
25at 表示領域
26、38 記憶部
27、39 処理部
30 第2携帯機器
31b 発電部
33 計時部
34 駆動部
34a モータ
35 操作部
35a リューズ
35b プッシュボタン
36a 物理量検出部
40 サーバ
C1~C6 基準位置
I1 移動ルート画像
I2、I2A、I2B、I2C、I2D、I2E、I2F、I2G 物理量画像
P1~P13 特定箇所
PC 図心位置
R1、R2 併合表示範囲
Sys1 表示システム
THD 併合表示基準距離
Claims (2)
- 第1携帯機器と、1人のユーザが所有し前記第1携帯機器と相互に通信可能な異なる複数の第2携帯機器とを含み、
前記第2携帯機器は、物理量を検出する物理量検出部を有し、当該物理量検出部によって検出された物理量に関する検出物理量情報を前記第1携帯機器に送信し、
前記第1携帯機器は、位置を検出する位置検出部、画像を表示する表示部、及び、前記表示部を制御し画像を表示させる処理を実行可能である処理部を有し、
前記処理部は、前記第2携帯機器から受信した前記検出物理量情報に基づいて、前記表示部を制御し、前記位置検出部によって検出された位置に応じて定まる前記ユーザの移動ルートを地図画像上に表した移動ルート画像に、前記物理量検出部によって検出された物理量を表す物理量画像を重ねて表示させる重ね表示処理を実行する際に、前記異なる複数の第2携帯機器ごとの前記物理量画像を重ねて表示させるものであり、前記重ね表示処理では、前記位置検出部によって検出された位置に基づいて所定の移動距離毎に移動地点を特定し、当該各移動地点への移動を行っている期間に前記物理量検出部によって検出された前記物理量を積算しそれぞれの前記移動地点での前記物理量とし前記物理量画像を表示し、
1人の前記ユーザが前記複数の第2携帯機器を所有している場合に、前記異なる複数の第2携帯機器ごとの前記物理量画像を重ねて表示させる際は、前記複数の異なる第2携帯機器ごとに前記物理量画像の色又はハッチを区別して表示することで、前記異なる複数の第2携帯機器ごとに表示態様を変えることを特徴とする、
表示システム。 - 前記異なる複数の第2携帯機器は、1人の前記ユーザの人体に装着可能なウェアラブル機器である、
請求項1に記載の表示システム。
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