JP7279272B1 - 繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法 - Google Patents

繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法 Download PDF

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Abstract

繊維強化シートを使用して、例えば、床版、橋脚、カルバートなどの構造物の補強に際して、構造物のコーナー部などの屈曲した箇所に適合する曲率を有した形状に、現場においても曲げ加工が可能な繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法を提供する。連続した強化繊維fを多数本収束した強化繊維束にマトリクス樹脂Rが含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材2を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに線材固定材にて固定した繊維強化シート1であって、構造物100の表面に接着材にて接着して一体化するための繊維強化シート1において、マトリクス樹脂Rは、ガラス転移点温度(Tg値)が50~150℃の範囲とされ、強化繊維束は、1m当たり5~100回の撚りが入っており、加熱により曲げ加工が可能とされる。

Description

本発明は、土木建築構造物であるコンクリート構造物或いは鋼構造物、更には、木製構造物、プラスチック製構造物、或いは、これらの複合構造物(本願明細書では、コンクリート構造物、鋼構造物、木製構造物、プラスチック製構造物、及び、これらの複合構造物を含めて単に「構造物」という。)を補修補強(以下、単に「補強」という。)する際に使用する曲げ加工可能な繊維強化シート及びその曲げ加工方法に関するものである。
近年、既存或いは新設の構造物の補強方法として、構造物の表面に、炭素繊維シートやアラミド繊維シートなどの強化繊維シートを貼り付けたり、巻き付けたりする炭素繊維シート接着工法やアラミド繊維シート接着工法などの連続繊維シート接着工法、或いは、未硬化のマトリクス樹脂を連続繊維束に含浸させたシートを接着後硬化させる工法、がある。
更には、現場樹脂含浸を省略するため工場生産した板厚1~2mm、幅5cm程度のFRP板をコンクリート表面にパテ状接着樹脂を用いて接着するFRP板接着補強工法も開発されている。
しかしながら、上記連続繊維シート接着工法は、マトリクス樹脂(含浸接着剤)を連続繊維シートに工事現場で含浸させながら補強構造物に接着するために、マトリクス樹脂の強化繊維束への含浸に手間を要し、マトリクス樹脂の含浸不良、連続繊維シートの膨れ、浮きの発生など現地施工による品質不良が生じ易いという欠点があった。
又、上記未硬化のマトリクス樹脂を連続繊維束に含浸させたシートを接着後硬化させる工法は、樹脂含浸された連続繊維シートが通気性がないため接着面のシート間の空気が抜けにくく連続繊維シートの膨れ、浮きの発生など現地施工による品質不良が生じやすいという欠点があった。
更に、板厚1~2mm、幅5cm程度のFRP板をコンクリート表面にパテ状接着樹脂を用いて接着するFRP板接着補強工法は、連続繊維シートの厚さ0.1mm~0.5mm程度に比べ板厚が厚いFRP板を帯状に部分的に接着するため、連続繊維シート接着工法に比べて接着面積が極端に小さく接着界面に作用する付着せん断応力の集中のため端部から剥離が発生し易い、という欠点があり、また、板幅が小さく構造物全面を覆って接着することが困難であり、床版などの面部材に適用することが困難であった。
そこで、特許文献1には、強化繊維にマトリクス樹脂が含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材、所謂、竹ひご状のストランドを複数本長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに線材固定材にて固定した繊維強化シート、所謂、ストランドシートが提案され、また、斯かるストランドシートを使用した構造物の補強が施工されている。斯かる構成のストランドシートは、補強現場で樹脂を繊維束の中まで含浸させる必要がないため、補強施工時間の短縮や含浸不良による施工不良の改善に大きく寄与するものである。
一方で、斯かるストランドシートは、硬化した繊維強化プラスチック線材で構成されるため、直線部分の補強には好適であっても、床版のハンチ部や橋脚の角部(コーナー部)など屈曲した箇所の補強には適さない。
そこで、特許文献1に記載の補強方法においては、例えば、床版、橋脚の下面凹状部やボックスカルバートのハンチ出隅部、入隅部などの構造物のコーナー部においては、予め構造物の屈曲に合わせて曲げ成型した繊維強化プラスチック線材をシート状にした繊維強化シートを接着剤で接着する方法が示されているが、曲げ成型した繊維強化プラスチック線材をシート化する方法は記載されていない。また、特許文献1に記載の補強方法では、現場での施工に先立って、工場にて予め構造物の屈曲に合わせて曲げ成型した繊維強化プラスチック線材をシート化して置くことが必要であり、曲げ加工されたストランドシート作製に要する煩雑さや、現場合わせで加工が出来ないなど作業性などの点で問題が有った。
一方、特許文献2には、例えば床版の下面などの構造物の凹状曲り部の補強施工において、ストランドシートをストランドシートの弾性力に抗して接着材が塗布された構造部の凹状部の表面へと押圧して弾性変形させ、この状態をLアングルなどの固定具を用いて仮固定し、接着材が硬化した後に固定具を撤去する構造物の補強方法が記載されている。
特許第5214864号公報 特許第5409259号公報
特許文献2に記載の構造物の補強方法は、特許文献1に記載の補強方法の問題点を解決することはできるが、特許文献2に記載の構造物の補強方法では、樹脂などの接着材を塗布して貼り付ける以外に、コンクリート躯体にアンカーを取付けるなど、樹脂塗布、貼付け以外の作業やボルト留めなどの別の工種が加わることと、樹脂材硬化後にLアングルの取り外しやアンカーボルトカットなど手間が掛かるといった問題が有った。
そこで、上記諸問題を解決するべく構造物の補強個所のコーナー部の屈曲部に合わせて、より作業性良く加工可能なストランドシートが希求されている。
つまり、本発明の目的は、繊維強化シートを使用して、例えば、床版、橋脚、カルバートなどの構造物の補強に際して、構造物のコーナー部などの屈曲した箇所に適合する曲率を有した形状に、現場においても曲げ加工が可能な繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法を提供することである。
上記目的は本発明に係る繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、連続した強化繊維を多数本収束した強化繊維束にマトリクス樹脂が含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに線材固定材にて固定した繊維強化シートであって、構造物の表面に接着材にて接着して一体化するための繊維強化シートにおいて、
前記マトリクス樹脂は、ガラス転移点温度(Tg値)が70~90℃の範囲とされ、
前記強化繊維束は、1m当たり5~100回の撚りが入っており、
加熱により曲げ加工が可能であることを特徴とする繊維強化シートである。
本発明の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材の強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル、高強度ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用される。
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材のマトリクス樹脂は、常温硬化型或は加熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂;又は、フェノキシ樹脂(現場重合型も含む)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂である。
本発明の他の実施態様によると、前記繊維強化プラスチック線材は、直径が0.5~5mmの略円形断面形状である。
本発明の他の実施態様によると、前記各繊維強化プラスチック線材は、互いに0.05~10.0mmだけ離間している。
本発明の他の実施態様によると、前記線材固定材は、前記各繊維強化プラスチック線材の長手方向に対して直角方向に複数本の前記繊維強化プラスチック線材を編み付ける横糸である。
本発明の他の実施態様によると、前記横糸は、ガラス繊維或いは有機繊維から成る糸条であり、熱融着可能なホットメルト接着剤が被覆され、熱融着によって前記繊維強化プラスチック線材を固定して保形する。
第2の本発明は、上記いずれかの構成とされる繊維強化シートの曲げ加工方法であって、
(a)前記繊維強化シートの少なくとも屈曲部全体を55~100℃の熱水にて加熱する工程と、
(b)前記加熱された繊維強化シートを所定の曲率にて凸状に形成された上型と、前記上型と相補形状にて凹状に形成された下型とにて挟持する工程と、
(c)前記上型と前記下型とにて挟持された状態にて前記繊維強化シートを冷却する工程と、
(d)冷却された前記上型と前記下型とを分離して、前記繊維強化シートを取り出す工程と、
を有することを特徴とする繊維強化シートの曲げ加工方法である。
本発明の繊維強化シートは、例えば、床版、橋脚、カルバートなどの構造物の補強に際して、構造物のコーナー部などの屈曲した箇所に適合する曲率を有した形状に、現場においても容易に曲げ加工が可能であり、所定の曲げ形状に賦形することができ、極めて作業性が良い。また、本発明の繊維強化シートの曲げ加工方法は、使用する加工装置の構成を簡易なものとすることができ、補強の現場においても簡単に実施することができる。
図1(a)は、従来構成の繊維強化シートの一例を示す斜視図であり、図1(b)は、繊維強化プラスチック線材の断面図である。 図2(a)、(b)は、従来構成の繊維強化シートの他の例を示す斜視図である。 図3(a)、(b)は、従来構成の繊維強化シートの他の例を示す斜視図である。 図4は、本発明の繊維強化シートに使用されるマトリクス樹脂の一実施例について行った示差走査熱量測定(DSC測定)による測定結果を示す図である。 図5(a)、(b)は、本発明の繊維強化シートに使用されるマトリクス樹脂の比較例について行った示差走査熱量測定(DSC測定)による測定結果を示す図である。 図6(a)、(b)は、本発明の繊維強化シートの繊維強化プラスチック線材の実施例を示す斜視図である。 図7(a)は、本発明の繊維強化シートの一実施例を示す斜視図であり、図7(b)は、本発明の繊維強化シートの他の実施例を示す繊維強化シートの幅方向に取った断面図である。 図8は、本発明の繊維強化シートに曲げ加工を施す曲げ加工装置の一実施例を説明する概略構成図である。 図9(a)~(e)は、本発明の繊維強化シートに曲げ加工を施す作業手順の一実施例を説明する図である。 図10(a)、(b)は、本発明の繊維強化シートの曲げ加工装置に使用する加工型の一実施例を示す図で、図10(a)は平面図であり、図10(b)は側面図である。 図11(a)、(b)は、曲げ加工された本発明の繊維強化シートの一実施例を示す斜視図である。 図12(a)、(b)、(c)は、本発明の繊維強化シートの繊維強化プラスチック線材の引張試験を説明するための図で、図12(a)は、直線状の繊維強化プラスチック線材の試験片であり、図12(b)は、本発明に従って90°の曲げ加工された繊維強化プラスチック線材の試験片であり、図12(c)は、図12(b)に示す90°の曲げ加工された繊維強化プラスチック線材の試験片に対する90°曲げ引張試験の態様を説明する図である。 図13は、撚りを入れた直線状の繊維強化プラスチック線材(直線ストランド)、及び、90°の曲がり加工された、撚りを入れた繊維強化プラスチック線材(曲がりストランド)に対する引張試験の結果を示すグラフである。 図14(a)~(f)は、曲げ加工後の繊維強化プラスチック線材の屈曲部内面の状態を示す写真である。 図15は、本発明に従って曲げ加工された繊維強化シートの屈曲部内面の状態を示す写真である。 図16は、環境温度(測定温度)が23℃及び50℃における、繊維強化プラスチック線材のマトリクス樹脂のガラス転移点温度(Tg値)を変動させた場合の、直線状の繊維強化プラスチック線材の引張試験結果を示すグラフである。 図17(a)~(c)は、本発明に従って曲げ加工された繊維強化シートを使用した構造物のコーナー部の補強態様を説明する図である。
以下、本発明に係る繊維強化シート及び繊維強化シートの曲げ加工方法を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
(繊維強化シート)
従来、土木建築構造物であるコンクリート構造物など種々の構造物を補強するのに補強材として繊維強化シートが使用されているが、繊維強化シートの代表的な一例を図1(a)、(b)に示す。
繊維強化シート1は、連続した繊維強化プラスチック線材(即ち、ストランド)2を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、各線材2を互いに線材固定材3にて固定された繊維強化シート1、所謂、ストランドシートとされる。
繊維強化プラスチック線材2は、一方向に配向された連続した強化繊維fを多数本収束した強化繊維束にマトリクス樹脂Rが含浸され硬化された、直径(d)が0.5~5mmの略円形断面形状の竹ひご状とされる細長形状(細径)のものであり、弾性を有している。
繊維強化プラスチック線材2の強化繊維fとしては、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル、高強度ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
繊維強化プラスチック線材2に含浸されるマトリクス樹脂Rは、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、常温硬化型或は加熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などが好適に使用され、又、熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂(現場重合型も含む)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが好適に使用可能である。又、樹脂含浸量は、30~70重量%、好ましくは、40~60重量%とされる。
又、各線材2を線材固定材3にて固定する方法としては、図1(a)に示すように、例えば、線材固定材3として横糸を使用し、一方向にスダレ状に配列された複数本の線材2から成るシート形態とされる線材、即ち、連続した線材シートを、線材の長手方向に対して直角方向に一定の間隔(P)にて打ち込み、編み付ける方法を採用し得る。横糸3の打ち込み間隔(P)は、特に制限されないが、作製された繊維強化シート1の取り扱い性を考慮して、通常10~100mm間隔の範囲で選定される。
このとき、横糸3は、例えば直径2~50μmのガラス繊維或いは有機繊維を複数本束ねた糸条とされる。又、有機繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステルなどが好適に使用される。
各線材2をスダレ状に固定する他の方法としては、図2(a)に示すように、線材固定材3としてメッシュ状支持体シートを使用することができる。
つまり、シート形態を成すスダレ状に引き揃えた複数本の線材2、即ち、線材シートの片側面、又は、両面を、例えば直径2~50μmのガラス繊維或いは有機繊維にて作製したメッシュ状の支持体シート3により支持した構成とすることもできる。
この場合には、例えば、2軸構成とされるメッシュ状支持体シート3を構成する縦糸4及び横糸5の表面に低融点タイプの熱可塑性樹脂を予め含浸させておき、メッシュ状支持体シート3をスダレ状線材シートの両面に積層して加熱加圧し、メッシュ状支持体シート3の縦糸4及び横糸5の部分をスダレ状線材シートに溶着する。
メッシュ状支持体シート3は、2軸構成のほかに、ガラス繊維を3軸に配向して形成したり、或いは、ガラス繊維を線材2に対して直交する横糸5のみを配置した、所謂、1軸に配向して形成して前記シート状に引き揃えた複数本の線材2に接着することもできる。
又、上記線材固定材3の糸条としては、例えばガラス繊維を芯部に有し、低融点の熱融着性ポリエステルやポリアミドなどをその周囲に配したような二重構造の複合繊維も又好ましく用いられる。
更に、各線材2をスダレ状に固定する他の方法としては、図2(b)に示すように、線材固定材3として、例えば、粘着テープ又は接着テープなどとされる可撓性帯材を使用することができる。可撓性帯材3は、シート形態を成すスダレ状に引き揃えた各繊維強化プラスチック線材2の長手方向に対して直角方向に、複数本の繊維強化プラスチック線材2の片側面、又は、両面を貼り付けて固定する。
つまり、可撓性帯材3として、幅(w1)2~30mm程度の、塩化ビニルテープ、紙テープ、布テープ、不織布テープなどの粘着テープ又は接着テープが使用される。これらテープ3を、通常、10~100mm間隔(P)で各繊維強化プラスチック線材2の長手方向に対して直角方向に貼り付ける。
更に、可撓性帯材3としては、ナイロン、EVA樹脂などの熱可塑性樹脂を帯状に、線材2の長手方向に対して直角方向に片側面、又は、両面に熱融着させることによっても達成される。
更には、織機方式による織成繊維強化シートとすることもできる。
つまり、図3(a)に示すように、
(a)縦糸として、連続した繊維強化プラスチック線材2を複数本、互いに所定のg空隙を持たせて平行に配列し、且つ、補助縦糸6を、平行に配列された繊維強化プラスチック線材2の間に所定の間隔P0にて平行に配列し、両側縁部に沿って耳部feを配置し、
(b)平行に配列された複数本の繊維強化プラスチック線材2にて形成されるシート状の繊維強化プラスチック線材2のいずれかの側に位置するように、繊維強化プラスチック線材2の長手方向に沿って所定間隔Pにて横糸3を配置し、且つ、横糸3は、縦糸(繊維強化プラスチック線材)2及び補助縦糸6に織り込まれることによって、平行に配列された複数本の繊維強化プラスチック線材2をシート状に固定する、
ことによって作製される。
更には、図3(b)に示すように、
(a)縦糸として、連続した繊維強化プラスチック線材2を複数本、互いに所定の空隙gを持たせて平行に配列し、両側縁部に沿って耳部feを配置し、
(b)互いに平行に配列された複数本の繊維強化プラスチック線材2に対して、繊維強化プラスチック線材2の長手方向に沿って所定間隔にて横糸3を織り込み、シート状の織物を製織する、
ことによって作製される。
ここで、本発明の繊維強化シート1の特徴は、上記従来の繊維強化シート1にて、使用する繊維強化プラスチック線材2が、次に記載の構成(A)、(B)とされたことにある。
つまり、本発明の繊維強化シート1の特徴の一つは、
(A)繊維強化プラスチック線材2のマトリクス樹脂Rとしては、上述した従来の繊維強化シートと同様の熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができるが、ガラス転移点温度(Tg値)が50~150℃の範囲とされる。好ましくは70~90℃の範囲とされる。これにより、後述するように、繊維強化シート1の屈曲加工時に55~165℃に均一に加熱し、所定屈曲加工された上型(雄型)と下型(雌型)によって挟み込むことにより、屈曲形状の賦形を行い、その状態で冷却することで屈曲に賦形された状態を保ち、曲げ加工が完了する。なお、Tg値に加えてビカット軟化点が50~150℃であることがより好ましい。
本発明におけるガラス転移点温度(Tg値)は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter:DSC)によりJIS K7121 プラスチックの転移温度測定方法に基づいて求めた値である。測定装置としては、株式会社日立ハイテクサイエンス製(商品名:DSC7020)を使用した。
マトリクス樹脂RのTg値が50℃を下回る場合は、補強後に夏場の直射日光などで構造物の補強部の温度が50℃を超えて上昇した場合に補強効果が低下するといった懸念がある。また、マトリクス樹脂RのTg値が150℃を超える場合は、曲げ加工時の加熱温度が高温になることによる作業上の困難性が高まると同時に、横糸3の収縮や熱融着材の溶融によりシート形状が乱れるといった問題が生じる。
繊維強化シートを均一に加熱する方法としては、均一に加熱できる方法であればどのような方法も適用可能であり、例えば、繊維強化プラスチック線材2のマトリクス樹脂RのTg値を水の沸点以下に調整した繊維強化シート1を用いた場合、加熱方法として、55~100℃の熱水(熱湯)を用いることができ、施工現場であっても加工が容易で、極めて作業性が良いといった利点を有している。
更に、本発明の繊維強化シート1の特徴の他の一つは、次の通りである。
(B)上述のように、従来においては、繊維強化プラスチック線材2は、一方向に配向された連続した強化繊維fを多数本収束した樹脂未含浸の強化繊維束にマトリクス樹脂を含浸し、硬化した構成とされた。これに対して、本発明においては、繊維強化プラスチック線材2は、多数本の連続した強化繊維fを収束し、マトリクス樹脂を含浸させて、硬化前に強化繊維束に対して1m当たり5~100回(即ち、5~100ターン/m)の撚りを入れ、その後に樹脂を硬化することにより作製される。詳しくは、後述するように、5ターン/m未満の撚りでは、繊維強化プラスチック線材2の屈曲加工時に屈曲の内側に強化繊維自体の座屈が生じ、結果的に強度が低下することとなり、また、100ターン/mを超える撚りを施した場合には、繊維強化プラスチック線材2の引張強度が低下することとなり、補強効果が低下する、
といった問題が生じる。
なお、所望により、繊維強化プラスチック線材2は、多数本の連続した強化繊維fを収束した樹脂未含浸の強化繊維束に対して所定数の撚りを入れた後に、マトリクス樹脂を含浸し、その後に樹脂を硬化することによっても作製することができる。
本発明の上記特徴構成(A)、(B)について、更に説明する。
特徴構成(A)について
本発明によれば、繊維強化プラスチック線材2の強化繊維fとしては、従来と同様に、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;更には、アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル、高強度ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用することができる。
一方、本発明では、上述したように、繊維強化プラスチック線材2のマトリクス樹脂Rとしては、ガラス転移点温度(Tg値)が50~150℃の範囲とされる樹脂が使用される。
つまり、繊維強化プラスチック線材2のマトリクス樹脂Rとしては、従来使用されていた上記熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を使用することができるが、硬化時においてガラス転移点温度(Tg値)が50~150℃の範囲とされる必要がある。斯かる樹脂としては、特に、熱硬化性樹脂は、常温硬化型或いは加熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などが、その成分の調整によって適用可能とされ、又は、熱可塑性樹脂はフェノキシ樹脂(現場重合型も含む)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが好適に使用される。樹脂含浸量は、30~70重量%、好ましくは、40~60重量%である。
本発明では、上述したように、構造物が50℃を上回ることがある我が国においては、耐候性上、繊維強化シート1のマトリクス樹脂Rは、Tg値が少なくとも50℃以上が必要とされ、また、曲げ加工時の作業上の問題、また、横糸3の収縮や熱融着材の溶融によりシート形状が乱れるといった問題を回避する必要があることから、マトリクス樹脂RのTg値は150℃以下とされる必要がある。
また、上述したように、繊維強化シート1の屈曲加工時の加熱媒体として、55~100℃の熱水(熱湯)を用いることが好ましいが、この場合には、硬化時のガラス転移点温度(Tg値)が50~95℃、好ましくは70~90℃の範囲に入ることが必要である。
本発明者の研究実験の結果、現場重合型フェノキシ樹脂や、主鎖や架橋構造への脂肪族骨格の導入や高分子量エポキシ樹脂の配合によって架橋密度を適度に低下させたエポキシ樹脂がマトリクス樹脂Rとして好ましく、特に、下記配合割合(phr:重量部)にて混合して調製した熱硬化性のエポキシ樹脂が好ましいことが分かった。つまり、斯かるエポキシ樹脂の好ましい一実施例としては、
(1)エポキシ樹脂主剤(100phr)として、ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(液状と固形の組み合わせ)(60~100phr)と反応性希釈剤1-6ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル(0~40phr)を配合し、
(2)硬化剤としてジシアン・ジアミド(Dicy)(2~8phr)、
(3)尿素誘導体、イミダゾール化合物、アミンアダクト等の硬化促進剤(2~8phr)、
を含有した組成を有したエポキシ樹脂組成物を挙げることができ、硬化時においてガラス転移点温度(Tg値)が50~150℃の範囲に入ることが分かった。更に、具体的に、好ましいとされる一例を示せば、次の通りである。
(具体例1)
熱硬化性のエポキシ樹脂は、
(1)エポキシ主剤
・液状ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル(株)製:商品名「YD-128」)(以下「YD-128」と記載する。):32.5phr
・固形ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル(株)製:商品名「YD-011」)(以下「YD-011」と記載する。):40.0phr
・反応性希釈剤1-6ヘキサンジオール・ジグリシジルエーテル(四日市合成(株)製:商品名「エポゴーセイHD)(以下「1-6H」と記載する。):27.5phr
(2)硬化剤
・ジシアン・ジアミド(以下「Dicy」と記載する。):4.0phr
(3)硬化促進剤
・ジクロロフェニル・ジメチル・尿素(以下「DCMU」と記載する。):4.0phr
を配合し、硬化条件は150℃×60分で、Tg値≒80℃の樹脂を得ることができた。
図4に、示差走査熱量測定(DSC測定)によるJIS K7121 プラスチックの転移温度測定方法に基づいた測定結果を示す。測定装置としては、上述したように、株式会社日立ハイテクサイエンス製(商品名:DSC7020)を使用した。
上記具体例1のエポキシ樹脂の比較例として、ガラス転移点温度(Tg値)が50℃を下回る樹脂を、上記具体例1と同様の材料を用い、基本的に反応性希釈剤を増加した配合で、以下の2処方(比較例1、2)を得た。得られた樹脂は、具体例1と同様の測定装置を用いてガラス転移点温度(Tg値)を測定した。
(比較例1)
(1)エポキシ主剤
・YD-128:10.0phr
・YD-011:40.0phr
・1-6H:50.0phr
(2)硬化剤
・Dicy:4.0phr
(3)硬化促進剤
・DCMU:4.0phr
を配合し、硬化条件は150℃×60分で硬化した樹脂のガラス転移点温度(Tg値)は略41℃であった(図5(a)参照)。
(比較例2)
(1)エポキシ主剤
・YD-128:10.0phr
・YD-011:35.0phr
・1-6H:55.0phr
(2)硬化剤
・Dicy:4.0phr
(3)硬化促進剤
・DCMU:4.0phr
を配合し、硬化条件は150℃×60分で硬化した樹脂のガラス転移点温度(Tg値)は略34℃であった(図5(b)参照)。
なお、具体例1、比較例1、2の樹脂配合と硬化物のガラス転移点温度(Tg値)の一覧を表1に示した。
Figure 0007279272000001
特徴構成(B)について
上述のように、繊維強化プラスチック線材2は、従来においては、例えば、強化繊維fとして炭素繊維を使用した場合には、例えば平均径7μmの単繊維(炭素繊維モノフィラメント)fを一方向に平行に引き揃えて6000~24000本収束した樹脂未含浸の強化繊維束にマトリクス樹脂を含浸し、硬化した構成とされた。
これに対して、本発明においては、図6(a)に示すように、繊維強化プラスチック線材2は、一方向に配向された連続した強化繊維fを多数本収束した強化繊維束Fに対してエポキシ樹脂を含浸させて、樹脂硬化前に、この樹脂含浸強化繊維束に対して1m当たり5~100回(即ち、5~100ターン/m)の撚りを入れ、その後、樹脂を硬化して作製することができる。勿論、図6(b)に示すように、強化繊維束Fは、多数本、例えば3本の連続した小径の強化繊維束Faを撚って形成することもできる。この場合は、樹脂未含浸の小径の3本の強化繊維束Faにマトリクス樹脂を含浸させて、この樹脂含浸の強化繊維束Faが硬化する前に、3本の樹脂含浸強化繊維束Faに撚りを入れた後に、樹脂を硬化することによって繊維強化プラスチック線材2が作製される。
なお、所望により、繊維強化プラスチック線材2は、多数本の連続した強化繊維fを収束した樹脂未含浸の強化繊維束Fに対して所定数の撚りを入れた後に、マトリクス樹脂を含浸し、その後に樹脂を硬化することによっても作製し得ることは上述の通りである。また、図6(b)に示す強化繊維束Fにおいても、樹脂未含浸の小径の3本の強化繊維束Faに撚りを入れて強化繊維束Fを作製した後、マトリクス樹脂を含浸させて、樹脂を硬化することによっても繊維強化プラスチック線材2を作製することができる。
5~100ターン/mの撚りが掛かった繊維強化プラスチック線材2は、従来と同様に、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)、図3(a)、(b)に示すように、複数本を、長手方向にスダレ状に引き揃え、各繊維強化プラスチック線材2を互いに線材固定材3にて固定することにより繊維強化シート1が作製される。繊維強化シート1の作製方法は、従来と同様とし得るので、上記記載を援用し、再度の説明は省略する。
繊維強化シート1を製造するに際して、繊維強化プラスチック線材2は、繊維強化シート1の長手方向の反り、捻じれ等を最小限とするために、撚りを時計回りにした「Z撚り」と、撚りを反時計回りにした「S撚り」とすることができ、例えば、図7(a)に示すように、「S撚り」繊維強化プラスチック線材2Sと、「Z撚り」繊維強化プラスチック線材2Zとを交互に配列した構成とすることもできる。なお、「S撚り」繊維強化プラスチック線材2Sと、「Z撚り」繊維強化プラスチック線材2Zとの配列態様は、これに限定されるものではなく、例えば、図7(b)に示すように、2本置きに配列することもでき、その他、図示してはいないが、3本、4本、といった複数本置きに配列して作製することもできる。
ここで、一方向に引き揃えスダレ状とされた繊維強化シート1は、図7(a)に示すように、従来と同様に、各線材2は、互いに空隙(g)=0.05~10.0mmだけ近接離間して、線材固定材3にて固定される。また、このようにして形成された繊維強化シート1の長さ(L)及び幅(W)は、補強される構造物の寸法、形状に応じて適宜決定されるが、取扱い上の問題から、一般に、全幅(W)は、100~1000mmとされる。又、長さ(L)は、0.3~5m程度の短冊状のもの、或いは、100m以上、例えば、600m程度のものをも製造し得る。通常は、直径3m以上のロール状に長尺のまま巻き取られて長尺まま保管される。このようにして作製された繊維強化シート1は、使用時においては、補強工事の仕様に合わせて所望の形状寸法に適宜切断して使用される。通常、長さ(L)は、1.0~3.0mの長さに切断して使用される。
(繊維強化シートの曲げ加工方法及び装置)
次に、図8、図9(a)~(e)、図10(a)、(b)を参照して、上述の構成とされる本発明の繊維強化シート1に対する曲げ加工を実施するための曲げ加工方法、及び、そのための加工装置の一実施例を説明する。
本実施例によると、曲げ加工装置200は、図8を参照すると理解されるように、熱水槽201と曲げ加工型202とを備えている。曲げ加工型202は、上型(雄型)202aと下型(雌型)202bとを有している。図9(b)をも参照すると、上型202aと下型202bとは、それぞれ、上型202aと下型202bとにて繊維強化シート1を挟持して、繊維強化シート1に所定の曲げ加工を施すことができるように、相補形状とされる押圧面、即ち、凸面202a1と凹面202b1を有している。押圧面202a1、202b1の曲面形成角度θ202a、θ202bは、所望される繊維強化シート1の曲げ形状に応じて、直角、鈍角、鋭角などとされ、通常、90~175°とされる。また、曲げ部の曲率半径R202a、R202bは、30~150mmとされ、本実施例では、後述するように、50mmとした。
次に、繊維強化シート1の曲げ加工方法について説明する。図9(a)に示すように、繊維強化シート1は、上型202aと下型202bとにて挟持する前に、繊維強化シート1の少なくとも屈曲部全体を、繊維強化シート1の線材2のTg値よりも5~15℃程度高い温度、例えば、85~95℃の範囲の温度にて均一に加熱する。繊維強化シート1を均一に加熱する方法は、限定されるものではなく、均一な加熱が出来ればどのような方法でもよい。図示してはいないが、例えば、ラバーヒーターのようなフレキシブルな面状発熱体に挟み込んで加熱する方法や、熱風を吹き付けて加熱する方法などが適用可能である。また、上述したように、マトリクス樹脂のTg値との兼ね合いで、熱水を用いて加熱する方法も好適に用いられる。熱水を用いる場合には、繊維強化シート1は、図9(a)に示す加熱工程を実施することなく、図9(b)に示すように、繊維強化シート1を熱水槽201にセットして、上型202aにて繊維強化シート1を熱水中に曲げ加工範囲が浸る程度に押し込むことで加熱することも可能である。
本実施例では90℃前後に熱した熱水(熱湯)を用いる場合について説明する。本実施例では、図9(b)、(c)、(d)に示すように、例えば電気ヒータなどとされる加熱手段211にて所定温度に、本実施例では略90℃に温度調節された熱水210中に取り出し可能な状態で下型202bが仮固定されており、この下型202b上に繊維強化シート1を渡して繊維強化シート1を熱湯210に浸漬して均一に加熱し、更に、上型202aを用いて下型202bへと押し込むことで繊維強化シート1を熱水中に十分に浸漬させて加熱する。この状態を所定時間、通常、30秒~1分程度維持する。これにより、繊維強化シート1は加熱され、繊維強化プラスチック線材2の含浸樹脂Rが軟化して、繊維強化シート1は、上下型202a、202bの曲率、即ち、所望の曲げ形状にて曲げ加工がなされる。
次いで、図9(d)に示すように、上型202aと下型202bにて繊維強化シート1を挟持した状態で、上型202a、下型202b、繊維強化シート1を熱水槽201から取り出し、上型202a、下型202b、繊維強化シート1ごと冷却水槽220に漬けて水冷する。
なお、本実施例では、上型202aと下型202bとしては、詳しくは図10(a)、(b)を参照して後述するように、多数の孔が形成された厚さ(T202)が0.3~2.0mmの薄板にて形成される上型202aと下型202bが使用され、また、上述のように、加熱媒体としては、熱水210が使用されるので、熱水210中で曲率加工された孔空きの上型202aと下型202bに挟み込まれて曲げられた状態の繊維強化シート1は、そのまま冷却用の水槽220にてマトリクス樹脂RのTg以下の温度に冷却され、樹脂がゴム状からガラス状に変化して曲げられた形状を保った状態を維持できる。これにより、繊維強化シート1は所定の曲率半径形状部を備えた所定形状に賦形される。上型202aと下型202bとを分離することにより、図9(e)、図11(a)、(b)に示すような、所定の曲率半径の曲がり形状部を備えた繊維強化シート1(1A、1B)が作製される。
本実施例では、図10(a)、(b)に図示するように、上型202aと下型202bは、熱水210が直接繊維強化シート1に接触し、加熱処理を効率よく実施するために、熱水210の通過を可能とするべく、多数の孔204が形成されたステンレス、アルミニウムなどの金属製の薄板(打抜き金網)、所謂、パンチングメタル、又は、樹脂等の他の材料で作製された網状物などの薄板にて作製することが好ましい。好ましくは、熱伝導性が良く、強度が大であるといった理由から、金属製の、所謂、パンチングメタルが好ましい。孔形状は、丸穴、角孔、楕円、長孔など種々の形状とすることができる。ただ、材質、孔寸法形状などは限定されるものではない。本実施例では、厚さT202が0.6mmのステンレス板に、直径d204が6mmの丸孔が、縦ピッチP204aが7.8mm、横ピッチP204bが9mmにて、且つ、隣り合った上下列は、横ピッチP204bの半分(1/2)のだけズレるようにして形成されたパンチングメタルを使用した。また、パンチングメタルの全体寸法形状は、限定されるものではないが、曲げ加工を施す繊維強化シート1の曲げ加工部分の寸法によって決定される。本実施例では、曲げ加工半径50mmに対する曲げ加工部分の長さ80mmとされ、パンチングメタルの長さL202が300mm、幅W202が200mmの長方形状板材とした。なお、熱水によって加熱された繊維強化シート1は、人手による押し込みで容易に曲げ加工が可能で、数秒の保持時間で上型202aと下型202bにて挟持可能となり、挟持されたまま人手で持ち上げて熱水から取り出し、冷却水の入った水槽にて冷却が可能であった。
上記構成の曲げ加工装置200は、その構造が簡易であり、比較的軽量で、補強現場への搬送も容易であり、好便である。ただ、上型202aと下型202bは、上記構成に限定されるものではなく、熱水中に浸漬された繊維強化シート1に所定の曲げ加工を施すことができる構造で、搬送性に優れたものであれば良い。また、上記構成の曲げ加工装置200は、上述したように、加熱媒体として加熱水(熱湯)を利用することができ、その取扱いが容易である。
次に、(1)繊維強化プラスチック線材の撚り数と強度との関係、及び、(2)繊維強化プラスチック線材の強度とマトリクス樹脂のガラス転移点温度(Tg値)との関係について更に詳しく説明する。
(1)繊維強化プラスチック線材の撚り数と強度との関係
上述にて理解されるように、本発明においては、繊維強化プラスチック線材2は、多数本の連続した強化繊維fを多数本収束した強化繊維束にはマトリクス樹脂が含浸されて硬化され、且つ、強化繊維束に対しては1m当たり5~100回(即ち、5~100ターン/m)の撚りを施すことにより作製される。そこで、本発明に従った繊維強化プラスチック線材2の最適な撚り数を決定するために、以下の実験を行った。つまり、
(1)撚り数に関しては曲率半径50mmで90°の角度で曲げ加工を施した繊維強化プラスチック線材2を用いて、曲率半径50mmで90°角度での曲げ引張試験を実施した時の引張強度と、
(2)曲げ加工を施さない繊維強化プラスチック線材2を用いて直線引張試験を実施した時の引張強度と、
を求め、その結果から最適な撚り数を選定した。
本実験では、強化繊維fとしては、平均径7μmの単繊維(炭素繊維モノフィラメント)fを、収束本数24000本収束した強化繊維束(PAN系炭素繊維(東レ(株)製:商品名「T700SC-240000-60E」)を使用し、エポキシ樹脂を含浸し、樹脂含浸後の未硬化の樹脂含浸強化繊維束に対して、撚りの回数を種々に変えて、即ち、撚り回数5、10、15、20、25、30、35、40、100、及び、120ターン/mの撚りを掛けて、硬化した(図6(a)参照)。エポキシ樹脂としては、上述の好ましいとされる上記具体例1の熱硬化性のエポキシ樹脂、即ち、
(1)エポキシ主剤
・YD-128:32.5phr
・YD-011:40.0phr
・1-6H:27.5phr
(2)硬化剤
・Dicy:4.0phr
(3)硬化促進剤
・DCMU:4.0phr
を配合したエポキシ樹脂組成物を使用した。上述したように、硬化条件が150℃×60分で、Tg値≒80℃であった。樹脂含浸量は、60重量%であった。
このようにして作製した繊維強化プラスチック線材2に対して、上記図8、図9(a)~(e)、図10(a)、(b)を参照して説明した曲げ加工装置200を使用して、曲率半径50mmで90°の角度で曲げ加工を施した繊維強化プラスチック線材2を作製した。
図12(a)、(b)に示すように、試験片2Tとして、両端に実験のためのタブ230を固着した、曲げ加工を施さない繊維強化プラスチック線材(直線ストランド)2(図12(a))と、曲げ加工を施した繊維強化プラスチック線材(曲がりストランド)2(図12(b))とを作製した。直線ストランド2には直線引張試験を行い、曲がりストランド2には、図12(c)に示すような治具曲率半径R300の曲げ治具300を用いて、曲率半径50mmで90°角度での曲げ引張試験を行い、曲率半径50mmで90°角度での曲げ引張試験を実施した時の引張強度と直線引張試験の結果から最適な撚り数を選定した。結果を、表2及び図13に示す。試験片2Tの繊維強化プラスチック線材2の実質的本体の長さL2Tは、380mm、線材直径d2Tは2.1mmであった。
Figure 0007279272000002
図13は、試験片(繊維強化プラスチック線材)2Tに対する縦軸に曲率半径50mmでの曲げ引張と、直線引張との強度を、横軸に撚り数を変数としてプロットした図である。この結果、本実験では、曲率半径50mmでの曲率加工の場合は、35ターン/mの撚り数が最適であることが分かった。最適とされる撚り数35ターン/mから120ターン/mまで撚り数を増加させると、撚り数の増大と共に直線引張、曲げ引張ともに強度低下していることが分かった。
図14(a)~(f)は、本実験にて使用した曲げ加工された繊維強化プラスチック線材(曲がりストランド)2の内側の状態を示す写真であるが、25ターン/mを下回ると、撚り数20、15、10、5ターン/mの曲がりストランド2においては既に、屈曲加工の際に、曲がりストランド2の内側に炭素繊維の座屈が生じていることが観察された。また、5ターン/mにおいては、上述のように、曲げ加工時に座屈が発生し、曲げ引張強度は、直線引張に比較して、極端に低下することが分かった。一方で、100ターン/mにおいては、座屈のないきれいな曲げ加工はできたが、撚り数が多すぎることにより、ストランド自体の強度が低下して、結果として直線引張も曲げ引張も同程度の提供となった。
なお、用いる強化繊維のフィラメントの太さやフィラメント数の多さによって最適な撚り数が異なり、今回の実施例では35ターン/mが最適であったが、フィラメント径が小さくなるほど、フィラメント数が少なくなるほど、また、必要とされる曲げ加工の曲率半径が大きくなるほど、最適な撚り数は小さくなることが分かっている。一方で、一般的に構造部材の補強に用いる強化繊維のフィラメント径やフィラメント数では、即ち、例えば、炭素繊維に関して言えば、上述したように、強化繊維のフィラメント径が7μm、フィラメント数が6000~24000本では、曲がりストランド2の場合、上述したように、撚り数が25ターン/mを下回ると20ターン/mにて既に屈曲加工の際に曲がりストランド2の内側に炭素繊維自体の座屈が生じてしまい、特に、撚り数が5ターン/mを下回ると、図13から理解されるように、曲がりストランド2の引張強度が、最適とされる撚り数が35ターン/mの場合の強度(略4200N/mm)から略2180N/mm以下へと、つまり、略40~50%以上の強度低下をもたらすこととなり、補強効果が低下することが懸念される。同様に、撚り数が100ターン/mを上回ると、図13から理解されるように、繊維強化プラスチック線材(ストランド)2は、直線ストランド及び曲がりストランド共に、引張強度が、最適とされる撚り数が35ターン/mの場合の強度(略4400~4200N/mm)から略3300N/mm以下へと、つまり、略20~30%以上の強度低下をもたらすこととなり、補強効果が低下する、といった問題が生じることが分かった。
上記本実験による結果を勘案して、本発明に従った繊維強化シート1を、図7(a)に示すように、「S撚り」及び「Z撚り」にて35ターン/mの繊維強化プラスチック線材2を作製し、それらを交互に配列し、固定材3として熱融着接着剤がコーティングされたポリエステル繊維を用いて、75mm間隔で熱融着固定して作製した。
このようにして作製した繊維強化シート1に対しても、上記曲げ加工装置200を使用して同様の曲率加工を施した。その結果、図15に示すように、曲げ加工された繊維強化シート1は、屈曲内面において繊維座屈は発生せず、良好な屈曲加工が可能であることが分かった。
(2)繊維強化プラスチック線材の強度とマトリクス樹脂のガラス転移点温度(Tg値)との関係
ここで、繊維強化プラスチック線材(ストランド)の強度と、マトリクス樹脂のガラス転移点温度(Tg値)との関係に関して、上記表1に示した具体例1(樹脂SS-12)、比較例1(樹脂SS-14)及び比較例2(樹脂SS-15)の樹脂を用い、同一の炭素繊維(PAN系炭素繊維(東レ(株)製:商品名「T700SC-240000-60E」)を使用した評価を実施した。炭素繊維の撚り数は35ターン/m、150℃×60分の硬化条件でストランドを作製し、室温(23℃)環境と50℃環境での引張試験を実施した。
結果は、表3及び図16に示した通りで、横軸がマトリクス樹脂のガラス転移点温度(Tg値)を示し、縦軸に直線引張の引張強度を示した。ガラス転移点温度(Tg値)が50℃未満のマトリクス樹脂を使用したストランドの場合は、室温(23℃)環境では良好な引張強度を示したものの、50℃の温度環境では強度の低下が著しく、構造物の補強に用いた場合には、夏場の直射日光等で構造物温度が上がった場合の補強効果が懸念される結果となった。ガラス転移点温度(Tg値)が80℃のマトリクス樹脂を使用したストランドの場合は、50℃の温度環境においても強度の低下が小さいことが確認された。
Figure 0007279272000003
(構造物の補強方法)
上述にて理解されるように、本発明に従った構成の繊維強化シート1は、強化繊維fにマトリクス樹脂Rが含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材2を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材2を互いに線材固定材3にて固定した構成とされ、しかも、現場での曲げ加工が可能な繊維強化シート1とされる。
次に、図17(a)~(c)を参照して、本発明に従って構成される繊維強化シート1を用いた構造物100の補強について説明する。
構造物100の補強に際し、角柱部材の周方向に繊維強化シート1を配置する場合や、ハンチ入隅部に繊維強化シート1を配置する場合などのように、構造物のコーナー部には、繊維強化プラスチック線材2が直線状の繊維強化シート1では出隅部、入隅部で繊維強化プラスチック線材2の曲げ破壊が生じる可能性がある。
そこで、曲げ加工された繊維強化シート1を、つまり、図11(a)、(b)に示す本発明に従って曲げ加工された繊維強化シート1(1A、1B)を被補強構造物のコーナー部に配置し、一般部には直線状の繊維強化シート1Cを配置して繊維強化シート1A、1B、1Cを重ね継手で接合することにより、角柱部材の周方向に連続して繊維強化シート1を巻きたてたり、入隅を有するハンチ部分を連続して補強することができる。
図17(a)に示すように、断面矩形の角柱状構造物100に対して、曲げ加工された繊維強化シート1Aを角部に配置し、平面部に配置された直線状の繊維強化シート1Cと組み合わせて重ね継手で接続することにより角柱部材100の周方向に繊維強化プラスチック線材2を配向させて閉合して補強することができる。
また、図17(b)、(c)の実施例に示すように、ハンチ入隅部及び出隅部、カルバートのハンチ部の凹状部に曲げ加工された繊維強化シート1Bを配置し、平面部に配置された直線状の繊維強化シート1Cと組み合わせて重ね継手で接続することによりハンチ形状のある構造物100を補強することができる。
従来、上述したように、例えば、床版、橋脚の下面凹状部やボックスカルバートのハンチ出隅部、入隅部などの構造物100のコーナー部においては、予め構造物100の屈曲に合わせて曲げ成型した繊維強化シートを接着材で接着している。斯かる補強方法では、現場での施工に先立って、予め構造物100の屈曲に合わせた繊維強化シートを曲げ成型にて作製して置くことが必要であり、繊維強化シート作製に要する煩雑さ、作業性などの点で問題が有った。
これに対して、本発明に従った繊維強化シート1は、予め工場などで作製しておく必要がなく、上記図8、図9(a)~(e)、図10(a)、(b)を参照して説明した簡易な曲げ加工装置200を使用して、加熱媒体としての熱水にて補強現場での曲げ加工が可能であり、極めて好便である。
また、曲げ加工された繊維強化シート1は適当な形状(曲率)をもって曲げ加工されているため、特に、コンクリート躯体(被補強構造物)100を切削したり不陸修正して滑らかな曲面としなくても、接着材をコーナー部(角部)に十分な厚さに塗布した後に曲げ加工された繊維強化シート1を押し付けて接着することで隙間無く良好にコンクリート構造物の角部に一体化することができ、工事期間の短縮、粉塵発生の抑制、コスト削減が図れる。
1 繊維強化シート(ストランドシート)
2 繊維強化プラスチック線材(ストランド)
3 線材固定材(横糸、メッシュ支持体シート、可撓性帯材)
100 構造物
200 繊維強化シート曲げ加工装置
201 熱水槽
202a 上型
202b 下型
220 冷却水槽

Claims (8)

  1. 連続した強化繊維を多数本収束した強化繊維束にマトリクス樹脂が含浸され、硬化された連続した繊維強化プラスチック線材を複数本、長手方向にスダレ状に引き揃え、線材を互いに線材固定材にて固定した繊維強化シートであって、構造物の表面に接着材にて接着して一体化するための繊維強化シートにおいて、
    前記マトリクス樹脂は、ガラス転移点温度(Tg値)が70~90℃の範囲とされ、
    前記強化繊維束は、1m当たり5~100回の撚りが入っており、
    加熱により曲げ加工が可能であることを特徴とする繊維強化シート。
  2. 前記繊維強化プラスチック線材の強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、バサルト繊維などの無機繊維;ボロン繊維、チタン繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール)、ポリアミド、ポリアリレート、ポリエステル、高強度ポリエステルなどの有機繊維;が単独で、又は、複数種混入してハイブリッドにて使用されることを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  3. 前記繊維強化プラスチック線材のマトリクス樹脂は、常温硬化型或は加熱硬化型のエポキシ樹脂、ビニールエステル樹脂、MMA樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、又はフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、又は、フェノキシ樹脂(現場重合型も含む)、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  4. 前記繊維強化プラスチック線材は、直径が0.5~5mmの略円形断面形状であることを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  5. 前記各繊維強化プラスチック線材は、互いに0.05~10.0mmだけ離間していることを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  6. 前記線材固定材は、前記各繊維強化プラスチック線材の長手方向に対して直角方向に複数本の前記繊維強化プラスチック線材を編み付ける横糸であることを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  7. 前記横糸は、ガラス繊維或いは有機繊維から成る糸条であり、熱融着可能なホットメルト接着剤が被覆され、熱融着によって前記繊維強化プラスチック線材を固定して保形することを特徴とする請求項に記載の繊維強化シート。
  8. 請求項に記載の繊維強化シートの曲げ加工方法であって、
    (a)前記繊維強化シートの少なくとも屈曲部全体を55~100℃の熱水にて加熱する工程と、
    (b)前記加熱された繊維強化シートを所定の曲率にて凸状に形成された上型と、前記上型と相補形状にて凹状に形成された下型とにて挟持する工程と、
    (c)前記上型と前記下型とにて挟持された状態にて前記繊維強化シートを冷却する工程と、
    (d)冷却された前記上型と前記下型とを分離して、前記繊維強化シートを取り出す工程と、
    を有することを特徴とする繊維強化シートの曲げ加工方法。
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