JP7279249B1 - 無線電力伝送を行うシステム、基地局、方法及びプログラム - Google Patents

無線電力伝送を行うシステム、基地局、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】基地局において無線電力伝送用の信号を増幅する電力増幅器の効率化を図ることができるシステムを提供する。【解決手段】基地局は、複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成し、無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信する。端末装置は、基地局から送信された無線電力伝送用信号を含む送信信号を受信し、無線電力伝送用信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を出力する。無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である。【選択図】図2

Description

本発明は、無線電力伝送(WPT)を行うことができるシステム、基地局、方法及びプログラムに関するものである。
従来、無線フレームに設定された複数の無線リソースの少なくとも一部を用いて基地局と端末装置との間で通信を行う通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2017/164220号
従来の通信システムにおいて基地局に接続して通信する端末装置として、内蔵電池から供給される電力を主に利用する携帯型の端末装置がある。この端末装置では、内蔵電池の残量が少なくなったときに内蔵電池を充電する煩雑な作業が必要である。また、内蔵電池ではなく有線接続の電源ラインから供給される電力を利用する端末装置は、そのような電源ラインを利用可能な場所での使用に制限される。このように基地局に接続して通信を行う様々な端末装置への給電をまかなうことができるような給電インフラが未整備である。
第5世代及びその後の次世代の移動通信システムでは、基地局に接続して通信する端末装置(例えば、ユーザ装置、IoTデバイス等)が急増してくるのが予想され、膨大なトラフィックを捌く通信インフラの整備が進められている。しかしながら、上記通信を行う膨大な数の端末装置への給電をまかなうことができる給電インフラは未整備のままである。
上記端末装置へ給電する給電インフラとして、移動通信の基地局を用いて無線電力伝送(WPT)を行うシステムが検討されている。かかるシステムの課題の一つとして、無線電力伝送(WPT)用の信号を増幅するときの電力増幅器の高出力化及び高効率化を図ることがある。
本発明の一態様に係るシステムは、複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局を備え、前記基地局から端末装置に無線電力伝送を行うシステムである。前記基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信する無線処理部と、を有する。前記端末装置は、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有する。前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である。
前記システムにおいて、前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は前記通信信号の出力電力範囲よりも高く、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行ってもよい。
前記システムにおいて、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御してもよい。
本発明の他の態様に係るシステムは、複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局を備え、前記基地局から端末装置に無線電力伝送を行うシステムである。前記基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信する無線処理部と、を有する。前記端末装置は、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有する。前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う。
前記システムにおいて、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御してもよい。
前記システムにおいて、前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、前記無線処理部は、前記ドレイン電圧をフレーム単位で切り替えるように制御してもよい。
本発明の更に他の態様に係る基地局は、複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局である。この基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して端末装置に送信する無線処理部と、を備える。前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である。
前記基地局において、前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は前記通信信号の出力電力範囲よりも高く、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行ってもよい。
前記基地局において、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御してもよい。
本発明の更に他の態様に係る基地局は、複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局である。この基地局は、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して端末装置に送信する無線処理部と、を備え、前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う。
前記基地局において、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御してもよい。
前記基地局において、前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、前記無線処理部は、前記ドレイン電圧をフレーム単位で切り替えるように制御してもよい。
本発明の更に他の態様に係る方法は、基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法である。この方法は、前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信することと、前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、を含む。前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である。
本発明の更に他の態様に係る方法は、基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法である。この方法は、前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信することと、前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、を含む。前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高い。また、この方法は、前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行うことを、更に含む。
前記方法において、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御することを、含んでもよい。
前記方法において、前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、前記基地局が、前記電力増幅器の効率特性をフレーム単位で切り替えるように制御することを更に含んでもよい。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含む。前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含む。前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高い。このプログラムは、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行うためのプログラムコードを、更に含む。
前記プログラムにおいて、前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御するためのプログラムコードを、含んでもよい。
前記プログラムにおいて、前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、前記電力増幅器の効率特性をフレーム単位で切り替えるように制御するためのプログラムコードを更に含んでもよい。
前記プログラムは、機械学習に用いられる学習済モデルを含む。
本発明によれば、基地局において無線電力伝送用の信号を増幅するときの電力増幅器の高出力化及び高効率化を図ることができる。
実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す説明図。 実施形態に係るシステムを構成する基地局及び端末装置の構成の一例を示すブロック図。 (a)は、実施形態に係る基地局から送信されるWPT用ダミー信号を含む送信信号の無線リソース(リソースブロック)におけるWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。(b)は、実施形態に係る基地局から送信される送信信号のOFDM方式の二次変調における周波数軸上のスペクトルの一例を示す説明図である。 本実施形態に係る基地局の電力増幅器の入出力電力特性及び効率特性の一例を示すグラフ。 (a)は、実施形態に係る基地局から送信される通信信号のQAM方式の一次変調におけるシンボル点の配置の一例を示す説明図である。(b)は、同基地局から送信されるWPT用ダミー信号の変調におけるシンボル点の配置の一例を示す説明図である。 実施形態に係る基地局から送信される通信信号及びWPT用ダミー信号の相補累積分布関数(CCDF)曲線の一例を示すグラフ。 実施形態に係る基地局から送信される通信信号及びWPT用ダミー信号のそれぞれを増幅するときの電力増幅器の効率特性の一例を示すグラフ。 実施形態に係る基地局の電力増幅器のドレイン電圧の制御の一例を示すタイムチャート。 実施形態に係る基地局から複数の端末装置へのビームフォーミングによる端末装置毎の給電の一例を示す説明図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本書に記載された実施形態に係るシステムは、移動通信の基地局から給電対象の端末装置(例えば、移動通信のUE(移動局)やIoTデバイス)に対して無線電力伝送(WPT)することができるシステムである。実施形態のシステムは、例えば、UEなどの端末装置への下りリンクの無線フレームに設定された複数の無線リソース(リソースブロック)のうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソース(リソースブロック)を端末装置への無線電力伝送(WPT)に有効活用したシステムである。実施形態のシステムは、基地局から端末装置への無線電力伝送(WPT)機能を有する、基地局と端末装置との間の無線通信システムであってもよい。また、実施形態のシステムは、基地局と端末装置との間の無線通信機能を有する、基地局から端末装置への無線電力伝送(WPT)システムであってもよい。
特に、本実施形態のシステムでは、無線電力伝送(WPT)用の信号としてPAPR(ピーク電力対平均電力比)が通信信号よりも低い変調信号を用い、FETからなる電力増幅器(送信アンプ)で無線電力伝送(WPT)用の信号を増幅するときのドレイン電圧を通信信号の場合よりも高めに制御することにより、基地局において無線電力伝送(WPT)用の信号を増幅するときの電力増幅器の高出力化及び高効率化を図っている。
図1は、本実施形態に係るシステムの概略構成の一例を示す説明図である。本実施形態のシステムは、通信エリア(セル)10Aを形成するセルラー方式の基地局10と、通信エリア10Aに在圏しているときに基地局10に接続して基地局10と無線通信可能な給電対象の端末装置(以下「UE」(ユーザ装置)ともいう。)20と、を有する。
UE20は、移動通信システムの移動局でもよいし、通信装置(例えば移動通信モジュール)と各種デバイスとを組み合わせたものであってもよい。UE20は、例えば複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナを備える。UE20はIoTデバイス(「IoT機器」ともいう。)であってもよい。
図1において、基地局10は、多数のアンテナ素子を有する複数のアレーアンテナ110を備え、複数のUE20との間でmassive MIMO(以下「mMIMO」ともいう。)伝送方式の通信を行うことができる。mMIMOは、アレーアンテナ110を用いてデータ送受信を行うことにより大容量・高速通信を実現する無線伝送技術である。また、複数のUE20のそれぞれに対して時分割で又は同時にビーム10Bを形成するビームフォーミングを行うMU(Multi User)-MIMO伝送方式で通信を行うことができる。多素子のアレーアンテナを用いてMU-MIMO伝送を行うことにより、各UE20の通信環境に応じてUE20ごとに適切なビームを向けて通信できるため、セル全体の通信品質を改善できる。また、同一の無線リソース(時間・周波数リソース)を用いて複数のUE20との通信ができるため、システム容量を拡大することができる。
また、図1において、通信エリア10A内の一部は、基地局10から端末装置20に向けて無線電力伝送を行う無線電力伝送エリア(以下「WPTエリア」という。)10A'になっている。WPTエリア10A'は図示のように通信エリア10Aよりも狭いエリアでもよいし、通信エリア10Aと同じ又はほぼ同じサイズ及び位置のエリアであってもよい。
WPTエリア10A'では、基地局10からの下りリンクの無線フレームを構成する複数の無線リソース(時間・周波数リソース)であるリソースブロックのうち通信に用いられていない通信未使用の無線リソース(リソースブロック)を無線電力伝送ブロックとして活用している。基地局10は、UE20への下りリンクの無線フレームにおいて、通信未使用の無線リソースである無線電力伝送ブロック(WPTブロック)に無線電力伝送用のダミー信号(以下「WPT用ダミー信号」ともいう。)を割り当てた送信信号を生成してUE20に送信する。
特に、第5世代又はそれ以降の世代の移動通信システムにおいては、無線フレームの一部のサブキャリアのみに必要最小限の参照信号(RS)や制御信号を配置するリーンキャリアという技術が提案されており、無線フレームにおける通信未使用の無線リソースの部分を有効活用してUE20への無線電力伝送を行うことが期待される。
基地局10とUE20との間で送受信される通信の信号の電波及び基地局10からUE20に送信されるWPT用ダミー信号を割り当てた送信信号の電波は、例えば、ミリ波又はマイクロ波である。
図2は、実施形態に係るシステムを構成する基地局10及び端末装置(UE)20の主要構成の一例を示すブロック図である。基地局10は、基地局装置100とアンテナ110とを備える。アンテナ110は、例えば、図1に示すように多数のアンテナ素子を有するアレーアンテナである。アンテナ110は単数でもよいし複数であってもよい。例えば、アンテナ110は複数のセクタセルに対応させて複数配置してもよい。
基地局装置100は、通信信号処理部120と無線処理部130とを備える。通信信号処理部120は、UE20との間で送受信される各種のユーザデータや制御情報等の信号を処理する。
また、通信信号処理部120は、UE20に対する下りリンクの通信の際に、複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いたWPT用ダミー信号を含む下りリンクの送信信号を生成する。例えば、WPT用ダミー信号は、通信信号よりもPAPR(ピーク電力対平均電力比)(「波高比」ともいう。)が小さい変調方式で変調して生成することができる。例えば、WPT用ダミー信号は、Zadoff-Chu系列の符号を用いて変調され、時間に対して振幅が一定で位相が変化する変調信号であってもよく、また、デジタル変調方式の複数のシンボル点のうち振幅が最大又は最大近傍の一又は複数のシンボル点で変調された信号であってもよい。また例えば、送信信号の生成は、通信信号用のQAM(直交振幅変調)やWPT用ダミー信号用のPAPRが小さい変調等の一次変調、並びに、OFDM(直交周波数多重)変調等の二次変調を含んでもよい。
無線処理部130は、通信信号処理部120で生成した送信信号をアンテナ110からUE20に送信したり、UE20からアンテナ110を介して受信した受信信号を通信信号処理部120に出力したりする。
無線処理部130は、送信信号の電力を増幅する電力増幅器(送信アンプ)131と、電力増幅器131を制御する制御部132とを有する。電力増幅器131は例えば高周波・高電力用のFETを用いて構成することができる。制御部132は、例えば、通信信号の増幅時とWPT用ダミー信号の増幅時との間でFETからなる電力増幅器131の効率特性を切り替えるように、電力増幅器131に印加するドレイン電圧(直流電圧)を制御する。
UE20に対する下りリンク通信の送信信号に通信未使用の無線リソースを用いたWPT用ダミー信号を含める処理や、電力増幅器131のドレイン電圧等の制御は、移動通信の無線フレームを構成するサブフレーム毎に行ってもよい。
また、UE20に対する下りリンク通信の送信信号に、通信未使用の無線リソースを用いたWPT用ダミー信号を含める処理は、基地局10が自律的に行ってもよいし、UE20からの要求若しくは指示又は外部プラットフォーム(例えば、サーバ、クラウドシステム)からの要求若しくは指示に基づいて行ってもよい。
また、本実施形態において、無線処理部130は、BF制御信号に基づいてアレーアンテナ110で形成される一又は複数のビームを制御する。また、無線処理部130は、通信信号処理部120で生成されたWPT用ダミー信号を含む下りリンクの送信信号を、アンテナ110を介してUE20に送信する。
基地局10は、UE20に対する下りリンクの通信の際に、UE20毎に又は複数のUE20が属するターゲットエリアのUEグループ毎に、個別のビーム10Bを形成するビームフォーミング(BF)制御を行い、UE20毎に又はUEグループ毎に無線電力伝送を行ってもよい。UE20毎又はUEグループ毎のBF制御は、通信信号処理部120における周波数領域のデジタルBF制御で行ってもよいし、無線処理部130におけるアナログBF制御で行ってもよい。
図2において、UE20は、アンテナ210と無線処理部220と通信信号処理部230と電力出力部240と電池250とを含む。アンテナ210は、例えば複数のアンテナ素子を有する小型のアレーアンテナである。無線処理部220は、通信信号処理部230で生成したフィードバック情報やユーザデータ等の送信信号をアンテナ210から基地局10に送信したり、基地局10からアンテナ210を介して受信した受信信号を通信信号処理部230に出力したりする。
本実施形態において、無線処理部220は、基地局10から送信されたWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信する。また、電力出力部240は、例えば整流器を有し、基地局10からのWPT用ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、電池充電用の受電電力として出力する。電力出力部240から出力された受電電力により、電池250を充電することができる。
図3(a)は、本実施形態に係る基地局10から送信されるWPT用ダミー信号を含む送信信号の無線リソース(リソースブロック)におけるWPTブロックの割り当ての一例を示す説明図である。また、図3(b)は、本実施形態に係る基地局10から送信される送信信号のOFDM方式の二次変調における周波数軸上のスペクトルの一例を示す説明図である。図3(a)に示すように、本実施形態のシステムにおける下りリンク通信及び上りリンク通信で用いられる複数の無線リソースは、周波数軸上のサブキャリアと時間軸上のスロットとにより定義される複数のリソースブロック30である。各リソースブロック30は、図3(b)に示すように周波数軸上で互いに直交する所定帯域幅のサブキャリア33を有する。
図3(a)の無線リソースを構成するリソースブロック30は、移動通信の無線フレームを構成する連続の複数のサブフレームに割り当てられる。図示の例では、各サブフレームは所定数(例えば20個)のリソースブロックで構成され、通信用のサブフレーム(以下「通信用フレーム」という。)F1とWPT用のサブフレーム(以下「WPT用フレーム」という。)F2が交互に位置する。通信用フレームF1は、上りリンク及び下りリンクの通信用のリソースブロック31を含み、WPT用フレームF2は、図中のクロスハッチングを付しているWPT用のリソースブロック32を含む。通信用フレームF1のリソースブロック31のうち、上りリンクの複数のリソースブロックには、ユーザデータの上りリンク通信の信号及びUE20からのWPT用のフィードバック情報の通信の信号に割り当てられ、下りリンクの複数のリソースブロックには、ユーザデータや情報の下りリンク通信の信号に割り当てられる。また、WPT用フレームF2のリソースブロック32には、下りリンクのWPT用信号が割り当てられる。
図4は、本実施形態に係る基地局10の電力増幅器131の入力電力Pin[dBm]に対する出力電力Pout[dBm]及び効率PAE[%]の特性の一例を示すグラフである。図中の曲線Aは、電力増幅器131の交流の入力電力Pin[dBm]に対する交流の出力電力Pout[dBm]のシミュレーション計算結果であり、「□」のプロット点は出力電力Pout[dBm]の測定結果である。また、図中の曲線Bは、電力増幅器131の入力電力Pin[dBm]に対する効率の指標値の一つであるPAE(電力付加効率)[%]のシミュレーション計算結果であり、「○」のプロット点は効率PAE[%]の測定結果である。ここで、電力増幅器131のPAE[%]は、(Pout-Pin)/Pdcで定義される。Pdcは電力増幅器131に入力(印加)される直流電力である。また、図中の線形領域は、入力電力Pinと出力電力Poutとの関係が線形又はほぼ線形の関係にある領域である。図中の飽和領域は、入力電力Pinの増加に対して出力電力Poutが飽和又はほぼ飽和している領域である。線形領域と飽和領域の境界の近傍に、電力増幅器131の効率PAEのピークが位置する。
基地局10において、PAPR(ピーク電力対平均電力比)の高い変調信号からなる通信信号を電力増幅器131で増幅するときは、電力増幅器131の低出力電力及び低効率の線形領域が使用される。例えば、図4の飽和領域の開始点(左端)から低電力側に相応のバックオフをとった点(線形領域の中央部)に、通信信号(変調信号)の平均電力が位置するように、電力増幅器131の動作パラメータ(例えば、ドレイン電圧)が設定される。
一方、無線電力伝送(WPT)では、高出力電力及び高効率の領域でWPT用ダミー信号を増幅したいという課題がある。
そこで、本実施形態では、電力増幅器131の高出力電力及び高効率の領域でWPT用ダミー信号を増幅できるように、WPT用ダミー信号として、PAPR(ピーク電力対平均電力比)が通信信号よりも低いOFDM変調信号を用いる。
図5(a)は、本実施形態に係る基地局10から送信される通信信号のQAM方式の一次変調におけるシンボル点41の配置の一例を示す説明図である。図5(a)は、64QAM方式の場合の複数のシンボル点(64値のシンボル点)の配置を示すコンスタレーションの図である。また、図5(b)は、本実施形態に係る基地局10から送信されるWPT用ダミー信号の変調におけるシンボル点の配置の一例を示す説明図である。図5(a)及び図5(b)において、横軸は同相チャネル成分を示し,縦軸は直交チャネル成分を示している。
本実施形態では、WPT用ダミー信号として、PAPR(ピーク電力対平均電力比)が通信信号よりも低いOFDM変調信号を用いる。例えば、図5(a)において、通信信号用のQAM方式の複数のシンボル点41のうち、振幅が最大である最外周又は最外周周辺の複数のシンボル点41Sのみで変調されたOFDM変調信号からなるWPT用ダミー信号を用いてもよい。
また、図5(b)のコンスタレーション図に示すように、時間に対して振幅が一定の条件で位相が変化するシンボル点42で変調されたOFDM変調信号からなるWPT用ダミー信号を用いてもよい。図5(b)のシンボル点42でOFDM変調信号は、例えばZadoff-Chu系列の符号を用いて生成することができる。
図6は、本実施形態に係る基地局10から送信される通信信号及びWPT用ダミー信号の相補累積分布関数(CCDF)曲線の一例を示すグラフである。図6の横軸は、信号全体の平均電力を超える信号の電力レベル[dB]であり、縦軸は、各電力レベルの信号が存在する時間の割合[%]である。図中の曲線C11は、通信信号(OFDM変調信号)のCCDF曲線であり、そのPAPR(ピーク電力対平均電力比)は10~12dB程度である。図中の曲線C12は、WPT用ダミー信号(OFDM変調信号)のCCDF曲線であり、そのPAPRは通信信号よりも低い3dB程度である。
図6に示すように、通信信号よりも低いPAPRを有するWPT用ダミー信号を用いることにより、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の出力電力Poutの範囲を、通信信号の増幅時によりも高い、電力増幅器131の効率(PAE)がピーク近傍の高出力電力範囲に設定することができる。従って、通信信号についてはスプリアスが発生しないように高いマージンをとった低めの出力電力の範囲で増幅できるとともに、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の高出力化及び高効率化を図ることができる。
なお、本実施形態において、WPT用ダミー信号の出力電力範囲及び通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、電力増幅器131の効率特性における電力付加効率(PAE:)のピークが位置するように、WPT用ダミー信号の送信時と通信信号の送信時で電力増幅器131の効率特性を切り替える制御を行ってもよい。この制御により、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の出力電力を更に高めることができる。
図7は、実施形態に係る基地局から送信される通信信号及びWPT用ダミー信号のそれぞれを増幅するときの電力増幅器131の効率特性の一例を示すグラフである。図中の横軸は、電力増幅器131の出力電力Pout[dBm]であり、縦軸は電力増幅器131の効率を示すPAE(電力付加効率)である。また、図7中の第1の出力電力範囲R1は、通信信号の高いPAPR(10~12dB)に対応可能な前述の通信用フレームF1(図3(a)参照)で使用される。また、高電力側の第2の出力電力範囲R2は、WPT用ダミー信号の低いPAPR(3dB)に対応可能な前述のWPT用フレームF2(図3(a)参照)で使用される。
図7において、第1の効率特性曲線C21は、FETで構成された電力増幅器131に通信信号用のドレイン電圧Vd1を印加したときの効率特性である。このドレイン電圧Vd1は、通信信号の出力電力範囲R1が、電力増幅器131の効率PAEのピークよりも低く、スプリアスが発生しないように高いマージンをとった低めの出力電力の線形範囲に位置するように制御される。
第2の効率特性曲線C22は、FETで構成された電力増幅器131にWPT用のドレイン電圧Vd2を印加したときの効率特性である。このドレイン電圧Vd2は、通信信号の出力電力範囲R1よりも高いWPT信号用の出力電力範囲R2が、電力増幅器131の効率PAEのピークよりも若干低い出力電力範囲又は当該ピーク近傍の出力電力範囲に位置するように、上記通信信号用のドレイン電圧Vd1よりも高めに制御される。
このように通信信号の増幅時とWPT用ダミー信号の増幅時との間で電力増幅器131に印加するドレイン電圧を制御することにより、通信信号についてはスプリアスが発生しないように高いマージンをとった低めの出力電力の範囲で増幅できるとともに、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の高出力化及び高効率化を図ることができる。特に、WPT用ダミー信号の増幅時には、電力増幅器131の効率PAEのピークを高出電力側にシフトさせることできるため、更なる高出力化及び高効率化の両立を図ることができる。
図8は、実施形態に係る基地局10の電力増幅器131のドレイン電圧の制御の一例を示すタイムチャートである。図8に示すように、電力増幅器131の高出力化及び高効率化のためのドレイン電圧の制御は、移動通信のフレーム毎(フレーム単位)で行ってもよい。例えば、図8において、通信信号を増幅する通信用フレームF1では、電力増幅器131のドレイン電圧を通信信号用の第1のドレイン電圧Vd1に制御する。一方、WPT用ダミー信号を増幅するWPT用フレームF2では、電力増幅器131のドレイン電圧を、通信信号用の第1のドレイン電圧Vd1よりも高い第2のドレイン電圧Vd2に切り替えるように制御する。
このように電力増幅器131のドレイン電圧の制御をフレーム毎に(フレーム単位で)行うことにより、電力増幅器のドレイン電圧を出力電力に合わせて常時制御するエンベロープトラッキング技術と比較して、ドレイン電圧の同期制御がより容易になり、制御のための実装回路がより簡易になる。
上記構成の図1~図8のシステムによれば、基地局10からUE20への下りリンク通信において、通信未使用の無線リソースを無線電力伝送ブロック(WPTブロック)として有効活用し、基地局10からUE20への無線電力伝送(WPT)を行うことができる。また、基地局10においてWPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の高出力化及び高効率化を図ることができる。
図9は、本実施形態に係る基地局10から複数のUE20へのビームフォーミングによるUE毎の給電の一例を示す説明図である。本実施形態において、図9に示すように通信エリア10A内のWPTエリア10A'(前述の図1参照)に複数のUE20(1)~20(3)が在圏し、UE毎に形成したビーム10B(1)~10B(3)を介して各UE20(1)~20(3)に給電してもよい。ビーム10B(1)~10B(3)は、例えば時分割で切り替えて形成してもよい。
以上、本実施形態によれば、通信信号よりも低いPAPRを有するWPT用ダミー信号を用いることにより、基地局10において、通信信号についてはスプリアスが発生しないように高いマージンをとった低めの出力電力の範囲で増幅できるとともに、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の高出力化及び高効率化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、WPT用ダミー信号の送信時と通信信号の送信時で電力増幅器131の効率特性を切り替える制御(ドレイン電圧の制御)により、WPT用ダミー信号を増幅するときの電力増幅器131の出力電力を更に高めることができる。
また、本実施形態によれば、電力増幅器131のドレイン電圧の制御をフレーム毎に(フレーム単位で)行うことにより、電力増幅器のドレイン電圧を出力電力に合わせて常時制御するエンベロープトラッキング技術と比較して、ドレイン電圧の同期制御がより容易になり、制御のための実装回路がより簡易になる。
また、本実施形態によれば、基地局10と端末装置20との間の通信未使用の無線リソースを利用して端末装置20への給電を行うことができる。
また、本発明は、基地局10から送信された電波を受信可能な多数の端末装置20への給電をまかなうことができる給電インフラを提供できるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
なお、本明細書で説明された処理工程並びにシステム、端末装置(UE、IoTデバイス)、基地局、移動局、中継装置及び制御装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、各種無線通信装置、基地局装置(Node B、Node G)、端末装置、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、上記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された上記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 :基地局
10A :通信エリア
10A' :WPTエリア
10B :ビーム
20 :端末装置(UE)
100 :基地局装置
110 :アンテナ(アレーアンテナ)
120 :通信信号処理部
130 :無線処理部
131 :電力増幅器
132 :制御部
210 :アンテナ(アレーアンテナ)
230 :通信信号処理部
240 :電力出力部
250 :電池

Claims (20)

  1. 複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局を備え、前記基地局から端末装置に無線電力伝送を行うシステムであって、
    前記基地局は、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信する無線処理部と、を有し、
    前記端末装置は、
    前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、
    前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有し、
    前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である、
    ことを特徴とするシステム。
  2. 請求項1のシステムにおいて、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は前記通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う、
    ことを特徴とするシステム。
  3. 請求項1のシステムにおいて、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御する、
    ことを特徴とするシステム。
  4. 複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局を備え、前記基地局から端末装置に無線電力伝送を行うシステムであって、
    前記基地局は、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信する無線処理部と、を有し、
    前記端末装置は、
    前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信する無線処理部と、
    前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力する電力出力部と、を有し、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う、
    ことを特徴とするシステム。
  5. 請求項4のシステムにおいて、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御する、
    ことを特徴とするシステム。
  6. 請求項3又は5のいずれかのシステムにおいて、
    前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、
    前記無線処理部は、前記ドレイン電圧をフレーム単位で切り替えるように制御する、
    ことを特徴とするシステム。
  7. 複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局であって、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して端末装置に送信する無線処理部と、を備え、
    前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である、
    ことを特徴とする基地局。
  8. 請求項7の基地局において、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は前記通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う、
    ことを特徴とする基地局。
  9. 請求項8の基地局において、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御する、
    ことを特徴とする基地局。
  10. 複数の無線リソースを選択的に用いて通信可能な基地局であって、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成する通信信号処理部と、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して端末装置に送信する無線処理部と、を備え、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行う、
    ことを特徴とする基地局。
  11. 請求項10の基地局において、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記無線処理部は、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御する、
    ことを特徴とする基地局。
  12. 請求項9又は11の基地局において、
    前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、
    前記無線処理部は、前記ドレイン電圧をフレーム単位で切り替えるように制御する、
    ことを特徴とする基地局。
  13. 基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法であって、
    前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、
    前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信することと、
    前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、
    前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、を含み、
    前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である、
    ことを特徴する方法。
  14. 基地局及び端末装置が複数の無線リソースを選択的に用いて互いに通信を行う方法であって、
    前記基地局が、前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成することと、
    前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信することと、
    前記端末装置が、前記基地局から送信された前記ダミー信号を含む送信信号を受信することと、
    前記端末装置が、前記ダミー信号を含む送信信号を受信した受信信号の電力を、受電電力として出力することと、を含み、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行うことを、更に含む、
    ことを特徴する方法。
  15. 請求項14の方法において、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記基地局が、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御することを、含む、
    ことを特徴する方法。
  16. 請求項15の方法において、
    前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、
    前記基地局が、前記電力増幅器の効率特性をフレーム単位で切り替えるように制御することを更に含む、
    ことを特徴とする方法。
  17. 複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含み、
    前記無線電力伝送用のダミー信号は、ピーク電力対平均電力比(PAPR)が通信信号よりも低い変調信号である、
    ことを特徴とするプログラム。
  18. 複数の無線リソースを選択的に用いて端末装置と通信を行う基地局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    前記複数の無線リソースのうち通信に使用されていない通信未使用の無線リソースを用いた無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を生成するためのプログラムコードと、
    前記無線電力伝送用のダミー信号を含む送信信号を電力増幅器で増幅して前記端末装置に送信するためのプログラムコードと、を含み、
    前記電力増幅器における前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲は通信信号の出力電力範囲よりも高く、
    前記無線電力伝送用のダミー信号の出力電力範囲及び前記通信信号の出力電力範囲のぞれぞれの上限又は上限近傍に、前記前記電力増幅器の効率特性における電力付加効率(PAE)のピークが位置するように、前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替える制御を行うためのプログラムコードを、更に含む、
    ことを特徴とするプログラム。
  19. 請求項18のプログラムにおいて、
    前記電力増幅器は電力増幅用FETで構成され、
    前記無線電力伝送用のダミー信号の送信時と前記通信信号の送信時で前記電力増幅器の効率特性を切り替えるように、前記電力増幅用FETのドレイン電圧を制御するためのプログラムコードを、含む、
    ことを特徴するプログラム。
  20. 請求項19のプログラムにおいて、
    前記通信信号及び前記無線電力伝送用のダミー信号はそれぞれ、互いに異なる通信用のフレーム及び無線電力伝送用のフレームで送信され、
    前記電力増幅器の効率特性をフレーム単位で切り替えるように制御するためのプログラムコードを更に含む、
    ことを特徴とするプログラム。
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