JP7278496B1 - 冷凍サイクル状態予測装置、冷凍サイクル制御装置、及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル状態予測装置、冷凍サイクル制御装置、及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

本開示技術に係る冷凍サイクル状態予測装置は、冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル状態予測装置であって、入力された暫定操作量列に基づいて、未来における冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部(9)を備える。

Description

本開示技術は冷凍サイクル状態予測装置、冷凍サイクル制御装置、及び冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルを利用した装置であり、冷房機及び暖房機として機能するルームエアコン、並びに産業用冷却装置、が該当する。冷凍サイクル装置は、運転中の熱交換器において霜が付着する現象(「着霜」と称される)が生じることがある。
着霜は、熱交換の効率を低下させる。このため、冷凍サイクル装置は、一般に、着霜量が多くなると除霜運転を行う。
例えば、特許文献1には、熱交換器が、互いに所定の間隔をあけて設置される複数のフィンと、複数のフィンを貫通する複数の伝熱管と、を具備し、複数のフィンを用いて空気と伝熱管を流れる冷媒との間で熱交換し、冷凍サイクル装置の密度推定部により出力された霜密度から、フィンに付着した霜の厚さを推定し、推定した霜の厚さに基づいて、膨張部の開度を変更しないように制御する冷凍サイクル装置が開示されている。この構成により特許文献1に係る冷凍サイクル装置は、着霜条件下でもCOP(Coefficient Of Performance)を維持したまま機器を運転することを可能にしている。
特開2012-42207号公報
本開示技術は、特許文献1に例示される冷凍サイクル装置を、改善することを目的とする。本開示技術は、従来に増して、不要な除霜運転をできる限り行わない冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本開示技術に係る冷凍サイクル状態予測装置は、冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置であって、冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものであり、制約条件を満たすよう、演算により暫定操作量列を算出する操作量演算部と、入力された暫定操作量列に基づいて、未来における冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部を含む冷凍サイクル状態予測装置と、を備え、操作量演算部は、暫定操作量列の算出に用いる評価関数の値を計算する評価部と、評価関数の値を最小にする暫定操作量列の解を求める最適化計算部と、を含み、評価関数は、Wを各冷媒系統に対する重み行列としたときに、以下の数式に示すペナルティ項(Vp)を含む、というものである
Figure 0007278496000001
本開示技術に係る冷凍サイクル装置は、上記構成の冷凍サイクル状態予測装置を備えるため、未来における冷凍サイクル装置の状態の予測値を参照し、不要な除霜運転を行わずにすむ。
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 図3は、実施の形態2に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図4は、実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図5は、実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 図6は、実施の形態4に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図7は、実施の形態5に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図8は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 図10は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置の冷凍サイクル制御装置3が、操作量を決定する方法を示した説明図である。 図11は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置の冷凍サイクル制御装置3が、操作量を決定する処理内容を示すフローチャートである。
本開示技術に係る冷凍サイクル装置とは、冷凍サイクルを利用した装置を意味する。冷凍サイクル装置は、具体的には、ルームエアコン、又は産業用冷却装置、である。一般に、ルームエアコン及び産業用冷却装置では、蒸気圧縮式冷凍サイクルが最もよく利用される。冷凍サイクル装置は、圧縮機、凝縮器、膨張弁(キャピラリーチューブ)、及び蒸発器、の四要素部品で構成される。冷凍サイクル装置の内部は密閉状態であり、冷媒が状態変化を伴いながら一定方向に循環し、冷却が実現される。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるとおり冷凍サイクル装置は、操作部1と、測定部2と、冷凍サイクル制御装置3と、制御部4と、を含む。
図1に示されるとおり冷凍サイクル制御装置3は、冷凍サイクル状態予測装置5と、操作量演算部6と、が含まれる。実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3において、冷凍サイクル状態予測装置5は、モデル記憶部10を含む予測部9を備える。実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3において、操作量演算部6は、評価部7と、最適化計算部8と、を備える。
《冷凍サイクル装置の操作部1》
冷凍サイクル装置を構成する操作部1は、冷凍サイクル制御装置3へ操作情報を送る構成要素である。ここで操作情報とは、後述する「操作量」を算出するための情報を意味する。
操作情報は、具体的には、運転開始信号、運転停止信号、運転モード(通常モード、省エネモード、おやすみモード、除霜モード、等のモード)、設定温度、設定風量、等の情報である。
《冷凍サイクル装置の測定部2》
冷凍サイクル装置を構成する測定部2は、冷凍サイクル制御装置3へ測定量を送る構成要素である。ここで測定量とは、測定により得られる冷凍サイクル装置の内部及び外部の状態を意味する。冷凍サイクル装置の状態には、例えば、着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、及び熱交換器表面温度、が含まれる。測定量は、観測可能な場合における上記に例示した内部の状態を測定した値のほか、室内温度、室外温度、蒸発温度、蒸発圧力、蒸発器ファン風量、蒸発器ファン回転数、蒸発器ファン電流値、蒸発器吸入空気の乾球温度、蒸発器吸入空気の湿度、凝縮器吸入空気の乾球温度、等の量である。
測定量の測定手段は、具体的には、温度センサ、圧力センサ、風量センサ、湿度センサ、温湿度センサ、等のセンサでよい。
測定量が霜層厚さである場合、測定方法は、カメラにより取得した画像から解析する、という方法でもよい。
測定量が室外温度又は室外湿度である場合、測定方法は、気象庁が発表する情報をインターネット通信等の手段により取得する、という方法でもよい。
《冷凍サイクル装置の冷凍サイクル制御装置3》
冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置3は、操作部1から送られる操作情報と、測定部2から送られる測定量と、に基づいて、操作量を算出する構成要素である。
操作量は、具体的には、圧縮機周波数、膨張弁開度、蒸発器ファン風量、凝縮器ファン風量、等の量である。
冷凍サイクル制御装置3の詳細な処理内容は、後述の説明により明らかとなる。
《冷凍サイクル装置の制御部4》
冷凍サイクル装置を構成する制御部4は、冷凍サイクル制御装置3から送られる操作量に基づいて、図示しない冷凍サイクル装置のアクチュエータを制御する構成要素である。
ここでアクチュエータは、具体的には、圧縮機、膨張弁、蒸発器ファン、凝縮器ファン、等の冷凍サイクル装置の要素である。
《冷凍サイクル制御装置3の冷凍サイクル状態予測装置5》
冷凍サイクル制御装置3を構成する冷凍サイクル状態予測装置5は、後述の操作量演算部6から送られる暫定操作量列に基づいて、将来時刻における状態の予測値を算出する構成要素である。ここで暫定操作量列は、現時刻(時刻k)において、1サンプリング時刻先(時刻k+1)からmサンプリング時刻先の将来時刻(時刻k+m)までの、各時刻(時刻k+1,…,時刻k+m)における操作量の暫定値を時系列に並べたデータ列である。暫定値は、現時刻(時刻k)において、本式に決定せず、しばらくそれと定めた臨時の値であり、実際の操作量がこれと一致するとは限らない。暫定操作量列の要素数(m)は、あらかじめ定められているパラメータである。
冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、現代制御理論における状態方程式、状態ベクトル、等における状態と同義である。本開示技術が想定する状態は、具体的には、着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、熱交換器表面温度、等の状態である。着霜量、霜層厚さ、霜層密度、霜層表面温度、及び熱交換器表面温度は、いずれも着霜に関係する状態であることから、本明細書では、「着霜関連状態」と称する。
冷凍サイクル状態予測装置5で算出された状態の予測値は、再び操作量演算部6へ送られる。すなわち冷凍サイクル制御装置3には、図1に示されるように、冷凍サイクル状態予測装置5と操作量演算部6とにより、ループが形成されている。
図1に示されるとおり冷凍サイクル状態予測装置5は、モデル記憶部10を含む予測部9を備える。
予測部9は、実際に状態の予測値を算出する構成要素である。より詳細に言えば予測部9は、入力された暫定操作量列に基づいて、未来における状態の予測値を算出する。予測部9は、例えば、モデル記憶部10に学習済み人工知能を格納するものであってよい。学習済みの人工知能は、具体的には学習済みの数理モデル(「学習モデル」とも称される)により実現されてよい。人工知能の学習は、例えば、勾配ブースティング木、線形回帰、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、k近似法、等のアルゴリズムが利用されてよい。学習に用いられる学習データセットは、冷凍サイクル装置を実際に運転して得られる実データのほか、シミュレーションにより得られるシミュレーションデータ、又は実データとシミュレーションデータとを組み合わせたデータでよい。
一般に、冷凍サイクル装置の多様な運転シナリオに対してリアルタイムのシミュレーションを行う場合、スーパーコンピュータといったシミュレーションに適した大規模な計算資源が必要となる。本開示技術に係る冷凍サイクル状態予測装置5は、学習モデルを備えることにより、一般的なPC等の小規模な計算資源で予測部9の機能を実現することができる。
《冷凍サイクル制御装置3の操作量演算部6》
冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6は、演算により暫定操作量列を求める構成要素である。操作量演算部6で求められる暫定操作量列は、制約条件を満たすよう、それぞれの時刻の値が決められる。
本開示技術が想定する制約条件の典型的な例は、「着霜量が、あらかじめ定められた閾値を超えないこと」である。この場合、冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、着霜量となる。制約条件と状態との組は、冷凍サイクル装置に要求される仕様に応じて、適宜、決められてよい。なお、冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、着霜量に限定されない。冷凍サイクル状態予測装置5が予測値を算出する状態は、他の着霜関連状態であってよい。
前述のとおり操作量演算部6は、評価部7と、最適化計算部8と、を備える。
評価部7は、操作量演算部6が行う暫定操作量列の演算において、用いられる評価関数の値(以降、「評価値」と称する)を算出するための構成要素である。操作量演算部6で用いられる評価関数は、現代制御理論で用いられる評価関数と同義であり、エネルギー関数のようなスカラ関数である。暫定操作量列は、評価関数を最小にするよう、求められる。操作量演算部6で用いられる評価関数は、例えば、冷凍サイクル装置の能力(冷房能力、又は暖房能力)の項が含まれていてもよい。操作量演算部6で用いられる評価関数は、消費エネルギー又はCOP(Coefficient of Performance)に関する項が含まれると好ましい。評価関数において、消費エネルギーに関する項は、消費エネルギーが増えるほど評価関数の値も増える、というものである。操作量演算部6で用いられる評価関数は、設定温度と実際の室内温度との差(誤差)に関する項が含まれると好ましい。評価関数に含まれる各項は、重み係数が乗算され、アナログの場合は時間で積分され、デジタルの場合は各時刻での総和が計算される。
評価関数は、さらに、前述の制約条件を、ペナルティ項、又はバリア項として含むとよい。
最適化計算部8は、条件付き最小化問題を解く構成要素である。最適化計算部8は、具体的には、前述の制約条件の下、前述の評価関数を最小にする暫定操作量列の解を求める構成要素である。
最適化計算部8は、条件付き最小化問題を解くにあたり、例えば、ランダムサーチ、グリッドサーチ、Nelder-Mead法、CMA-ES(Covariance Matrix Adaptation Evolution Strategy)、ベイズ最適化(Bayesian Optimization)等のブラックボックス関数最適化手法、のアルゴリズムが用いられてよい。また、最適化計算部8は、条件付き最小化問題を解くにあたり、例えば、逐次二次計画法(Sequential Quadratic Programming、SQP)等の勾配法、のアルゴリズムが用いられてよい。
操作量演算部6は、必ずしも厳密に条件付き最小化問題を解く必要はない。操作量演算部6は、所定のルールに基づいて生成されたあらかじめ用意された暫定操作量列の候補について、それぞれの評価値を比較し、最も評価値が小さかったものを選択する、というものでもよい。
《冷凍サイクル制御装置3の処理内容》
図2は、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3の処理内容を示すフローチャートである。図2には、冷凍サイクル制御装置3が実施する処理ステップとして、ステップS1からステップS6までが示されている。
図2において、「操作情報、測定値取得」と記載されているステップS1は、冷凍サイクル制御装置3が、操作部1から送られる操作情報と、測定部2から送られる測定量と、を取得する処理ステップである。ステップS1が実施された後、処理工程は、ステップS2へと進められる。
図2において、「暫定操作量の決定」と記載されているステップS2は、冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6が、演算により暫定操作量列を求める処理ステップである。ステップS2が実施された後、処理工程は、ステップS3へと進められる。
図2において、「予測状態量の推定」と記載されているステップS3は、冷凍サイクル制御装置3を構成する冷凍サイクル状態予測装置5が、操作量演算部6から送られる暫定操作量列に基づいて、将来時刻における状態の予測値を算出する処理ステップである。ステップS3が実施された後、処理工程は、ステップS4へと進められる。
図2において、「評価値の計算」と記載されているステップS4は、冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6の評価部7が、暫定操作量列の演算において、用いられる評価値を算出する処理ステップである。ステップS4が実施された後、処理工程は、ステップS5へと進められる。
図2において、「反復終了?」と記載されているステップS5は、冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6の最適化計算部8が、制約条件の下、評価関数を最小にする暫定操作量列の解を求める反復演算において、終了条件が満たされてるか否かを判断する処理ステップである。
一般に、評価関数が極値(極大値又は極小値)となるパラメータの値を、数値的に、最急降下法等の勾配を利用した反復演算により求める場合、反復演算の終了条件は、勾配の絶対値が十分に小さく、予め用意された閾値(ε)以下になることである。また、反復演算において解が収束しない等の現象に対応するため、反復の回数が予め用意された閾値(kmax)を超える場合、強制的に演算処理を終了することも一般的に行われる。ステップS5における最適化計算部8も、このような閾値(ε、kmax)を用いて、終了条件が満たされてるか否かを判断してよい。
ステップS5において、終了条件が満たされていないと判断された場合(NOの場合)、処理工程はステップS2へと進められる。ステップS5において、終了条件が満たされていると判断された場合(YESの場合)、処理工程はステップS6へと進められる。
図2において「操作量決定」と記載されているステップS6は、冷凍サイクル制御装置3が、反復演算により求めた暫定操作量列を、実際の制御に用いる一連の操作量と決定し、制御部4へ出力する処理ステップである。ステップS6が実施された後、処理工程は終了となる。
以上のとおり実施の形態1に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、操作量の限度を超えない限り、すなわちアクチュエータの能力が十分であれば、着霜関連状態を閾値以下に抑えたまま通常運転を継続することができる。本開示技術は、複数の室外機を有する冷凍サイクル装置、又は熱交換器を上下に分けて使用するデュアルオンデフロスト回路を用いた冷凍サイクル装置、等の冷凍サイクル装置に適用することが、望ましい形態である(実施の形態6、及び実施の形態7、参照)。
実施の形態2.
実施の形態2に係る冷凍サイクル装置は、本開示技術に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態2では、実施の形態1で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態2では、実施の形態1と重複する説明が、適宜、省略される。
図3は、実施の形態2に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。図3に示されるとおり実施の形態2に係る冷凍サイクル制御装置3は、実施の形態1に示した構成に加え、冷凍サイクル状態予測装置5の予測部9に、積分演算部11を備える。
《積分演算部11》
一般に、システム(特に線形時不変システム)の動的挙動は、状態についての微分方程式(一般に、「状態方程式」と称される)によって表される。そして、状態方程式の解を数値的に求めるときに、積分演算が用いられる。初期状態(x(0))が既知であり、未来のすべての時刻における状態の時間微分値(dx(t)/dt)がわかれば、未来の任意の時刻における状態の値(x(t))は、単純に積分演算によって求めることができる。
本開示技術に係る冷凍サイクル装置の動的挙動も、状態方程式により表される、と考えられる。
実施の形態2で追加された構成要素の積分演算部11は、予測部9が予測した未来のすべての時刻における状態の時間微分値(状態の時間微分値を、以降、「状態量時間微分値」と称する)に対し積分演算を実施し、未来の任意の時刻における状態の値を算出する構成要素である。
なお、積分演算部11が行う積分演算は、厳密に言えば、連続時間ではなく離散時間を前提とした処理である。
また、実際の冷凍サイクル装置は、線形時不変システムではない。そこで、非線形システムに対しては、一般に、平衡状態まわりの線形化(「平衡点まわりの線形化」とも称される)が行われ、近似の線形時不変システムが用いられる。
予測部9が有する学習モデルは、入力された暫定操作量列に基づいて、未来における状態の予測値を算出するものであるから、冷凍サイクル装置が線形時不変システムであれば、状態方程式そのものである。予測部9が有する数理モデルは、学習により、非線形システムである冷凍サイクル装置の動的挙動を再現可能とする数理モデルである、と言える。
実施の形態2に係る予測部9が有する数理モデルは、初期状態(x(0))を既知とし、冷凍サイクル装置へ入力される操作量の時系列データから、未来のすべての時刻における状態量時間微分値を出力するよう、学習されてもよい。
以上のとおり実施の形態2に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、実施の形態1に記載された効果と同様の効果を奏する。
実施の形態3.
実施の形態3に係る冷凍サイクル装置は、本開示技術に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態3では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態3では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
図4は、実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。 図4に示されるとおり実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置3は、実施の形態1に示した構成に加え、冷凍サイクル状態予測装置5に推定部12を備える。
《推定部12》
一般に、状態に基づいて操作量を決める制御器を設計する場合、制御器が用いる状態がすべて観測できることが望ましい。しかし、環境上又はハードウエア上の制限によりセンサを設置できない、等の理由により、状態を観測できない場合がある。このような状況に対応すべく、一般に、状態の推定を行う状態推定器(「オブザーバ」とも称される)が知られている。
冷凍サイクル装置の技術分野においても、環境上又はハードウエア上の制限により、一部の状態(例えば、霜層厚さ)が観測できない、といった状況が生じ得る。
実施の形態2で追加された構成要素の推定部12は、観測できない状態を推定する構成要素である。
観測できない状態は、例えば、霜層厚さ、エンタルピー、又は乾き度、が挙げられる。
観測できない状態が霜層厚さの場合、推定部12は、例えば、特開2011-127853号公報に開示された方法を利用して、霜層厚さを直接観測するセンサを用いることなく、霜層厚さを推定するようにしてもよい。
図5は、実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置3の処理内容を示すフローチャートである。図5に示されるとおり実施の形態3に係る冷凍サイクル制御装置3の処理ステップは、実施の形態1に係る冷凍サイクル制御装置3の処理ステップ(S1からS6まで)に加え、「推定値の算出」と記載された処理ステップ(S10)を含む。
図5において、「推定値の算出」と記載されたステップS10は、推定部12が実施する処理ステップである。図5に記載された「推定値の算出」における推定値は、観測できない状態の推定値を意味する。
図5に示されるとおり、ステップS10は、ステップS1の後に実施される。ステップS10が実施された後は、ステップS2が実施される。
以上のとおり実施の形態3に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、或る注目している状態を直接観測することができない場合においても、実施の形態1に記載された効果と同様の効果を奏するものである。
実施の形態4.
実施の形態4に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態4では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態4では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
図6は、実施の形態4に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。図6に示されるとおり実施の形態4に係る冷凍サイクル制御装置3は、推定部12において、第二モデル記憶部13を備える。
推定部12の具体的態様として、推定部12が、予測部9が有する学習モデルとは別に、観測できない状態の推定値を出力するように学習された、第二学習モデルを保有することが考えられる。実施の形態4に係る推定部12は、第二学習モデルを格納する第二モデル記憶部13を備える。
第二学習モデルの学習は、例えば、勾配ブースティング木、線形回帰、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、k近似法、等のアルゴリズムが利用されてよい。
第二学習モデルの学習に用いられる学習データセットは、冷凍サイクル装置を実際に運転して得られる実データのほか、シミュレーションにより得られるシミュレーションデータ、又は実データとシミュレーションデータとを組み合わせたデータでよい。
前述のとおり、一般に、冷凍サイクル装置の多様な運転シナリオに対してリアルタイムのシミュレーションを行う場合、スーパーコンピュータといったシミュレーションに適した大規模な計算資源が必要となる。本開示技術に係る冷凍サイクル制御装置3は、第二学習モデルを備えることにより、一般的なPC等の小規模な計算資源で推定部12の機能を実現することができる。
以上のとおり実施の形態4に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、実施の形態3に記載された効果と同様の効果を奏する。
実施の形態5.
実施の形態5に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態4に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態5では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態5では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
図7は、実施の形態5に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。図7に示されるとおり実施の形態5に係る冷凍サイクル制御装置3は、予測部9に学習モデルを格納する必要がない場合の態様であり、モデル記憶部10を有さなくてもよい。
前述のとおり、一般に、線形時不変システムの動的挙動は、状態方程式によって表される。冷凍サイクル装置が、平衡点まわりの線形化等により線形時不変システムと近似できる場合、予測部9は、数理モデルとして、状態方程式を備えればよい。
以上のとおり実施の形態5に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、実施の形態4と同様、実施の形態3に記載された効果と同様の効果を奏する。
実施の形態6.
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態6では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態6では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、機能構成が、図1に示された実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の機能構成と同じである。実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものである、とする。前述のとおり、このような構成の例として、熱交換器を上下に分けて使用するデュアルオンデフロスト回路が知られている。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、各冷媒系統における着霜関連状態を観測し、除霜運転の実行期間をどう計画するか、という計画問題を課題とする。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、操作量として、運転モード(通常モード、省エネモード、おやすみモード、除霜モード、等のモード)を含むものを扱う。説明を簡単にするため、各冷媒系統は、運転モードを、通常運転モード、又は除霜運転モードのいずれかしか選択できない、とする。すなわち、実施の形態6に係る冷凍サイクル制御装置3は、冷媒系統のそれぞれに対して、通常運転モード、又は除霜運転モードのいずれかを指示する。
実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、評価部7が扱う評価関数に、同時刻に除霜運転モードが重なることに対してペナルティを課すペナルティ項が含まれているとよい。ペナルティ項は、除霜運転モードが重なる冷媒系統の数が多いほど、ペナルティが大きくなる、というものでよい。またペナルティ項は、除霜運転モードが重なる時間が長いほど、ペナルティが大きくなる、というものでよい。ペナルティ項(V)は、例えば、以下の数式のものが考えられる。

Figure 0007278496000002

ここで、ペナルティ項を表すVの下付添え字のpは、Penaltyの頭文字に由来する。
式(1)においてkswitch(t)は、冷媒系統の除霜運転モードが重なるときに1をとり、その他のときに0をとる、スウィッチの役割を果たす関数である。
式(1)においてWは各冷媒系統に対する重みを表した重み係数行列である。上付添え字のTは、転置の操作を表す。重み行列のWは、対角成分以外の成分は0をとる対角行列であってよい。
式(1)においてn(t)は、i番目の冷媒系統が除霜運転モードのときに1をとり、通常運転モードのときに0をとる、関数である。
前述のとおり本開示技術に係る冷凍サイクル装置は、操作量の限度を超えない限り、すなわちアクチュエータの能力が十分であれば、着霜関連状態を閾値以下に抑えたまま通常運転を継続することができる。
実施の形態6に係る冷凍サイクル制御装置3は、アクチュエータの能力が不十分で着霜関連状態の少なくとも1つが閾値を超えてしまった冷媒系統に対し、通常運転を行う条件(以降、「通常運転条件」と称する)を満たさないと判断し、除霜運転モードに切り替える制御を行う。
以上のとおり実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、各冷媒系統における着霜関連状態を観測し、除霜運転が必要な冷媒系統について除霜運転を実施しつつ、同時に除霜運転がなされる冷媒系統の数を最小限に抑える、という効果を奏する。この作用により実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、いずれかの冷媒系統により通常運転を継続できるため、快適性が失われることがない。また、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置は、同時に除霜運転モードとなる冷媒系統の数を最小限に抑えることができるため、省エネへの貢献も期待できる。
実施の形態7.
実施の形態7に係る冷凍サイクル装置は、実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の変形例である。特に明記する場合を除き、実施の形態7では、既出の実施の形態で用いられた符号と同じものが使われる。実施の形態7では、既出の実施の形態と重複する説明が、適宜、省略される。
実施の形態6においては、評価部7が、用いる評価関数に、数式(1)に例示されるペナルティ項を導入し、同時に除霜運転モードとなる冷媒系統の数を最小限に抑えることを実現した。同時に除霜運転モードとなる冷媒系統の数を最小限に抑えることは、別の方法によっても実現することができる。実施の形態7は、評価関数を用いずに、同時に除霜運転モードとなる冷媒系統の数を最小限に抑えることを実現する。
図8は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3を含む冷凍サイクル装置の機能構成を示すブロック図である。図8に示されるとおり実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3は、操作量演算部6に評価部7と最適化計算部8とを必要としない場合の態様である。
図9は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3の処理内容を示すフローチャートである。図9に示されるとおり実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3は、処理ステップに、ステップS1、ステップS12、ステップS3、及びステップS16、を含む。
実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3の処理ステップは、図9に示された順序(シーケンス)で実施される。実施の形態7におけるステップS1及びステップS3は、実施の形態1に示されたステップS1及びステップS3(図2参照)と同じ内容である。
図9において、「暫定操作量の決定」と記載されているステップS12は、冷凍サイクル制御装置3を構成する操作量演算部6が、暫定操作量列を生成する処理ステップである。
ステップS12の段階で操作量演算部6は、暫定的に、全ての時刻において、全ての冷媒系統が、通常運転モードである、という暫定操作量列を生成する。
図9において、「操作量決定」と記載されたステップS16は、操作量演算部6が、後述の方法により操作量を決定する処理ステップである。
図10は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3の冷凍サイクル制御装置3(主に操作量演算部6)が、操作量を決定する方法を示した説明図である。図10は、具体的には、横軸が時間を表し、縦軸が予測着霜量を表す、予測着霜量の時間経緯を表したグラフである。図10に示されるグラフにおいては、「冷媒系統1」、「冷媒系統2」、「冷媒系統3」、及び「冷媒系統4」と記された、4つの冷媒系統について、予測着霜量の時間経緯が例示されている。
図10に示されるグラフにおいて、縦軸のタイトルに登場するFは、これ以上は着霜量を許さないと決めた着霜量の上限値を表す。すなわち図10に示されるグラフにおいて、縦軸の予測着霜量は、着霜量上限値(F)で正規化されている。したがって図10に示されるグラフにおいて、縦軸の「1」と記載されている横線は、これを超えると着霜量が上限値を超えてしまう境界を表している。各冷媒系統において、予測着霜量が着霜量上限値(F)を超えないことが、前述の通常運転条件であるとする。
図10に示されるグラフにおいて、横軸に記載されているt1_1は、冷媒系統1において着霜量が上限値に到達すると予測される時刻を表している。t2_1は冷媒系統2について、t3_1は冷媒系統3について、それぞれ着霜量が上限値に到達すると予測される時刻を表している。
図10に示されるグラフにおいて、横軸に記載されているtは、冷凍サイクル制御装置3が想定する最も将来の時刻を表す。
図10に示されるグラフの右上部に記載されている「R」は、着霜量が着霜量上限値(F)を超えないと推定された冷媒系統の集合を表す。図10には、冷媒系統1、冷媒系統2、及び冷媒系統3が、Rの集合に含まれる状況が例示されている。
図11は、実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3(主に操作量演算部6)が、操作量を決定する処理内容を示すフローチャートである。図11に示されるとおり実施の形態7に係る冷凍サイクル制御装置3の処理ステップには、ステップS21からステップS25までが含まれる。
図11において、「予測着霜量の取得」と記載されたステップS21は、予測部9が実施する処理である。ステップS21において予測部9は、各冷媒系統について着霜量の予測値を算出する。ステップS21において予測部9は、図10に例示されるグラフをプロットできる準備が整う。
図11において、「除霜運転可能時刻の初期化」と記載されたステップS22は、操作量演算部6が実施する処理ステップである。ステップS22において操作量演算部6は、除霜運転可能時刻(t)を初期化する。除霜運転可能時刻(t)の初期値は、例えば、tでよい。除霜運転可能時刻(t)が意味する概念は、以降の処理ステップの説明により明らかとなる。
図11において、「Rが空でない?」と記載されたステップS23は、操作量演算部6が実施する処理ステップである。ステップS23において操作量演算部6は、Rが空集合となっているか否かを確認する。
が空集合であれば、処理ステップは終了する。Rが空集合でなければ、処理ステップはステップS24へと進められる。
図11において、「冷媒系統iの除霜期間の決定」と記載されたステップS24は、操作量演算部6が実施する処理ステップである。ステップS24において操作量演算部6は、Rに含まれる冷媒系統について、除霜運転が実施されるべき期間を決定する。
除霜運転が実施されるべき期間を決定するのに際し、操作量演算部6は、各冷媒系統が除霜運転を継続する時間長を予め把握している必要がある。図10におけるグラフの横軸に登場する「td_1」は、両矢印の線分により、冷媒系統1が除霜運転を継続する時間長を表している。同様にして、「td_2」は冷媒系統2が除霜運転を継続する時間長を、「td_3」は冷媒系統3が除霜運転を継続する時間長を、それぞれ表している。
操作量演算部6は、除霜運転が実施されるべき期間の決定を、Rに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(F)を超える時刻が最も遅いもの、から行う。例えば、図10に示された事例では、Rに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(F)を超える時刻が最も遅いものは、冷媒系統3である。操作量演算部6は、まず冷媒系統3について、除霜運転開始時刻(図10における「t3_2」、下付添え字の「3」は冷媒系統3を、下付添え字の「_2」は除霜運転開始時刻であることを、それぞれ表す)を、着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(図10における「t3_1」)とした場合、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないか、確認する。図10に示されたとおり、冷媒系統3については、除霜運転開始時刻(t3_2)を着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(t3_1)としても除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないため、操作量演算部6は、除霜運転が実施されるべき期間を、t3_1からt3_1+td_3まで、と決定する。
図11において、「除霜運転可能時刻、Rの更新」と記載されたステップS25は、操作量演算部6が実施する処理ステップである。ステップS25において操作量演算部6は、除霜運転可能時刻(t)の更新と、Rの更新と、を実施する。
図10に示された事例では、操作量演算部6は、tにt3_2を、すなわち直前のステップS24で決定した冷媒系統3についての除霜運転開始時刻(t3_2)を、代入する。このように除霜運転可能時刻(t)とは、「この時刻までだったら、除霜運転を行っても、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないよ」ということを示すものである。
冷媒系統3は、除霜運転開始時刻(t3_2)から除霜運転がなされるため、もはや集合Rに属さなくなる。図10に示された事例では、操作量演算部6は、ステップS25において、Rから冷媒系統3を削除する。
図11に示されるとおり、ステップS25の後、処理ステップは、再度ステップ23へ進められる。
図10に示された事例では、2周目のステップS24において操作量演算部6は、冷媒系統2について、除霜運転開始時刻(図10における「t2_2」、最初の下付添え字の「2」は冷媒系統2を、下付添え字の「_2」は除霜運転開始時刻であることを、それぞれ表す)を、着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(図10における「t2_1」)とした場合、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないか、確認する。図10に示された事例においては、冷媒系統2は、除霜運転開始時刻(t2_2)を着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(t2_1)とした場合、冷媒系統3と除霜運転期間が重なってしまう。
そこで操作量演算部6は、除霜運転がなされる冷媒系統が重ならないよう、冷媒系統2の除霜運転開始時刻(t2_2)を、着霜量が上限値に到達すると予測される時刻(t2_1)よりも、少し早める。操作量演算部6は、例えば以下の数式に基づいて、除霜運転開始時刻を決定する。

Figure 0007278496000003

図10に示された事例では、操作量演算部6は、冷媒系統2についての除霜運転開始時刻のt2_2を、t-td_2と決定する。
実施の形態7においては、特に図10に示された事例においては、除霜運転の判断を「除霜量」に基づいて行うことが示されたが、本開示技術はこれに限定されない。本開示技術に係る冷凍サイクル装置は、除霜運転の判断を、他の着霜関連状態に基づいて実施してもよい。
以上のとおり実施の形態7に係る冷凍サイクル装置は上記構成を備えるため、評価関数に基づいた演算を実施しなくても、実施の形態6に記載した効果を奏する。
本開示技術は、ルームエアコン及び産業用冷却装置に応用でき、産業上の利用可能性を有する。
1 操作部、2 測定部、3 冷凍サイクル制御装置、4 制御部、5 冷凍サイクル状態予測装置、6 操作量演算部、7 評価部、8 最適化計算部、9 予測部、10 モデル記憶部、11 積分演算部、12 推定部、13 第二モデル記憶部。

Claims (3)

  1. 冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置であって、
    前記冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものであり、
    制約条件を満たすよう、演算により暫定操作量列を算出する操作量演算部と、
    入力された前記暫定操作量列に基づいて、未来における前記冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部を含む冷凍サイクル状態予測装置と、を備え、
    前記操作量演算部は、前記暫定操作量列の算出に用いる評価関数の値を計算する評価部と、前記評価関数の値を最小にする前記暫定操作量列の解を求める最適化計算部と、を含み、
    前記評価関数は、Wを各冷媒系統に対する重み行列としたときに、以下の数式に示すペナルティ項(Vp)

    Figure 0007278496000004

    を含むものである、
    冷凍サイクル制御装置。
  2. 冷凍サイクル装置を構成する冷凍サイクル制御装置であって、
    前記冷凍サイクル装置は、同一の室内で冷媒系統の異なる複数台の室内機を有するものであるか、又は、冷媒系統の異なる複数の熱交換器を持つ室内機を有するものであり、
    制約条件を満たすよう、演算により暫定操作量列を算出する操作量演算部と、
    入力された前記暫定操作量列に基づいて、未来における前記冷凍サイクル装置の状態の予測値を算出する予測部を含む冷凍サイクル状態予測装置と、を備え、
    前記操作量演算部は、
    (a)暫定的に、全ての時刻において、全ての冷媒系統が、通常運転モードである、という前記暫定操作量列を生成するステップと、
    (b)除霜運転可能時刻(t)を初期化するステップと、
    (c)着霜量が着霜量上限値(F)を超えないと推定された冷媒系統の集合Rが空集合となっているか否かを確認し、空集合であれば処理ステップを終了し、空集合でなければステップ(d)へと進むステップと、
    (d)ステップ(c)に係る前記集合Rに含まれる冷媒系統のうち、着霜量が着霜量上限値(F)を超える時刻が最も遅いものから除霜運転が実施されるべき期間を決定し、
    (e)前記除霜運転可能時刻(t)と前記集合Rとを更新し、ステップ(c)へと進むステップと、
    を実施する、
    冷凍サイクル制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の冷凍サイクル制御装置を備える、
    冷凍サイクル装置。
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