JP7277715B2 - オーステナイト系ステンレス鋼及びオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents
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B:0~0.01%、Ca:0~0.05%、Mg:0~0.05%、REM:0~0.5%、残部:Fe及び不純物であり、固溶N量が0.20質量%以上であり、化学組成が、下記式(1)及び(2)を満たす。
Nb+V≧0.1(1)
Ni+12.93C+1.11Mn+0.72Cr+0.88Mo-0.27Si+0.19Nb+0.53Cu+0.9V+7.55N≧30.0(2)
これにより、強度、低温靱性、及び低温における耐水素脆性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が得られる、と特許文献1に記載されている。
Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼材の化学組成は、次の元素を含有する。
炭素(C)は不可避に含有される。Cは水素脆性を生じにくいfcc構造であるオーステナイトを安定化する。Cはさらに、Cr等と結合し、析出強化により鋼の強度を高める。しかしながら、C含有量が高すぎれば、炭化物が粒界に析出して鋼の靭性を低下する。したがって、C含有量は0.10%以下である。C含有量の上限は好ましくは0.08%であり、より好ましくは0.06%である。Cは不可避に含有されるため、C含有量の下限は0%超である。しかしながら、過度な脱炭は生産性を低下させるため、C含有量の下限はたとえば0.001%である。また、オーステナイトを安定化するためのC含有量の好ましい下限は0.005%である。
シリコン(Si)は、Ni及びCrと結合して金属間化合物を形成する。Siはさらに、シグマ相(σ相)等の金属間化合物の成長を促進する。これらの金属間化合物は、鋼の熱間加工性を低下する。したがって、Si含有量は1.00%以下である。Si含有量の上限は好ましくは0.80%であり、より好ましくは0.60%である。Si含有量の下限は0%超である。しかしながら、精錬コストを考慮して、Si含有量の下限はたとえば0.10%である。また、鋼の脱酸の観点から、Si含有量の下限は0.20%であってもよい。
マンガン(Mn)はオーステナイトを安定化して、水素脆化感受性の高いマルテンサイトの生成を抑制する。Mnはさらに、Nの溶解量を高め、Nの固溶強化の作用を高める。Mn含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の延性及び熱間加工性が低下する。したがって、Mn含有量は6.0~12.0%である。Mn含有量の下限は好ましくは6.3%であり、より好ましくは6.5%であり、さらに好ましくは6.8%である。Mn含有量の上限は好ましくは11.5%であり、より好ましくは11.0%であり、さらに好ましくは10.5%である。
燐(P)は不純物である。Pは鋼の熱間加工性及び靭性を低下する。したがって、P含有量は0.050%以下である。P含有量の上限は好ましくは0.045%であり、さらに好ましくは0.035%であり、さらに好ましくは0.025%である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、過度な脱燐は生産性を低下させるため、P含有量の下限は好ましくは0%超であり、より好ましくは0.005%である。
硫黄(S)は、不純物である。Sは鋼の熱間加工性及び靭性を低下する。したがって、S含有量は0.0500%以下である。S含有量の上限は好ましくは0.0300%であり、より好ましくは0.0020%である。S含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、過度な脱硫は生産性を低下させるため、S含有量の下限は好ましくは0%超であり、より好ましくは0.0002%である。
ニッケル(Ni)はオーステナイトを安定化する。Niはさらに、鋼の延性及び靭性を高める。また、本開示の化学組成を満たし、後述する式(1)~式(3)を満たした上で、Ni含有量が15.0%以上であれば、溶接部の低温靱性が高まる。Ni含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Ni含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、製造コストが高くなる。したがって、Ni含有量は15.0~17.0%である。Ni含有量の下限は好ましくは15.3%であり、より好ましくは15.5%であり、さらに好ましくは15.7%である。Ni含有量の上限は好ましくは16.9%であり、より好ましくは16.8%であり、さらに好ましくは16.5%である。
クロム(Cr)は鋼の耐食性を高める。Crはさらに、熱処理によりC及びNと結合してCr2N等の合金炭窒化物を形成して、析出強化により鋼の強度を高める。Cr含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、Cr含有量が高すぎれば、M23C6型の炭化物が生成し、鋼の延性及び靭性が低下する。したがって、Cr含有量は15.0~30.0%である。Cr含有量の下限は好ましくは20.5%であり、より好ましくは21.0%であり、さらに好ましくは21.5%である。Cr含有量の上限は好ましくは27.0%であり、より好ましくは25.0%であり、さらに好ましくは23.5%である。
バナジウム(V)は炭窒化物を生成し、鋼の強度を高める。V炭窒化物は、VC及びVNを含む。V含有量が低すぎればこの効果を得られない。しかしながら、V含有量が高すぎれば、その効果は飽和し、製造コストが高くなる。V含有量が高すぎればさらに、未固溶のV含有量が多くなり過ぎ、溶接部の低温靱性が低下する。したがって、V含有量は0.01~0.30%である。V含有量の下限は好ましくは0.02%であり、より好ましくは0.05%である。V含有量の上限は好ましくは0.28%であり、より好ましくは0.26%であり、さらに好ましくは0.20%である。
ニオブ(Nb)は炭窒化物を生成し、鋼の強度を高める。Nb炭窒化物は、NbC及びNbNを含む。Nb含有量が低すぎればこの効果を得られない。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、その効果は飽和し、製造コストが高くなる。Nb含有量が高すぎればさらに、未固溶のNb含有量が多くなり過ぎ、溶接部の低温靱性が低下する。したがって、Nb含有量は0.01~0.30%である。Nb含有量の下限は好ましくは0.02%であり、より好ましくは0.05%である。Nb含有量の上限は好ましくは0.28%であり、より好ましくは0.26%であり、さらに好ましくは0.20%である。
窒素(N)はオーステナイトを安定化する。Nはさらに、固溶強化により鋼の強度を高める。本開示ではN含有量を高めることで固溶強化により高圧の水素に適した強度を得る。N含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、N含有量が高すぎれば、鋼の靭性及び加工性が低下する。したがって、N含有量は0.40~0.60%である。N含有量の下限は好ましくは0.41%であり、より好ましくは0.42%であり、さらに好ましくは0.43%である。N含有量の上限は好ましくは0.59%であり、より好ましくは0.58%であり、さらに好ましくは0.55%である。
本開示によるオーステナイト系ステンレス鋼はさらに、Feの一部に代えて、Moを含有してもよい。
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moはオーステナイトを固溶強化する。Moはさらに、鋼の耐食性を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、金属間化合物が析出しやすくなり、鋼の延性及び靭性が低下する。したがって、Mo含有量は0~5.0%である。Mo含有量の下限は好ましくは0.1%であり、より好ましくは0.3%であり、さらに好ましくは0.5%である。Mo含有量の上限は好ましくは4.5%であり、より好ましくは4.0%であり、さらに好ましくは3.5%であり、さらに好ましくは3.0%である。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、上記各元素の含有量を満たし、かつ、式(1)~式(3)を満たす。これにより、高強度を有し、さらに、溶接部の低温靱性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が得られる。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、式(1)を満たす。
Nb+V≦0.40 (1)
ここで、式(1)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、式(2)を満たす。
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
ここで、式(2)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成は、式(3)を満たす。
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧0 (3)
ここで、式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼のミクロ組織はオーステナイト単相である。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼は未固溶のV含有量が0.20質量%以下である。Vは炭窒化物を形成する。V炭窒化物を抑制できれば、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の低温靱性が高まる。未固溶のV含有量は、V炭窒化物の生成量に依存する。つまり、未固溶のV含有量が0.20質量%以下ということは、V炭窒化物の生成が抑制されていることを意味する。この場合、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の低温靱性が高まる。未固溶のV含有量は少ない程好ましい。未固溶のV含有量の下限は0質量%であってもよい。しかしながら、V炭窒化物を完全に除去することは、製造上困難な場合があるので、未固溶のV含有量の下限は好ましくは0.01質量%であり、より好ましくは0.02質量%である。未固溶のV含有量の上限はより好ましくは0.18質量%であり、より好ましくは0.15質量%である。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼は未固溶のNb含有量が0.20質量%以下である。Nbは炭窒化物を形成する。Nb炭窒化物を抑制できれば、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の低温靱性が高まる。未固溶のNb含有量は、Nb炭窒化物の生成量に依存する。つまり、未固溶のNb含有量が0.20質量%以下ということは、Nb炭窒化物の生成が抑制されていることを意味する。この場合、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の低温靱性が高まる。未固溶のNb含有量は少ない程好ましい。未固溶のNb含有量の下限は0質量%であってもよい。しかしながら、Nb炭窒化物を完全に除去することは、製造上困難な場合があるので、未固溶のNb含有量の下限は好ましくは0.01質量%であり、より好ましくは0.02質量%である。未固溶のNb含有量の上限はより好ましくは0.18質量%であり、より好ましくは0.15質量%である。
未固溶のV含有量、及び、未固溶のNb含有量は次の方法で測定する。オーステナイト系ステンレス鋼の一部を採取し、試験片とする。試験片を10%アセチルアセトン-1%テトラメチルアンモニウムクロライド/メタノールの電解液を用いて電解する。得られた電解液を0.2μmメッシュのフィルターを用いてろ過する。ろ過後に残った残渣を酸で分解する。酸での分解条件は以下のとおりであった、酸:硫酸5ml+リン酸5ml+過塩素酸5ml+硝酸10ml+水5ml、温度:約290℃、処理時間:約30分。得られた溶液をICP分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により分析する。ICP発光分光分析装置は島津製作所製ICPV-1017(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いる。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の引張強さは好ましくは700MPa以上である。引張強さの下限はより好ましくは750MPaであり、さらに好ましくは800MPaである。引張強さの上限は特に限定されないが、たとえば1000MPaであり、好ましくは950MPaであり、より好ましくは930MPaである。
引張強さはJIS Z2241(2011)に準じて測定する。平行部の直径が6.0mmで標点間距離が30mmの丸棒引張試験片を2本採取する。丸棒引張試験片の採取方向は、圧延方向とする。採取された丸棒引張試験片に対して、室温でJIS Z2241(2011)に準拠した方法で引張試験を実施し、引張強さを求める。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法の一例を説明する。本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、準備工程と、熱間加工工程と、最終熱処理工程とを備える。
準備工程では、上記化学組成及び式(1)~式(3)を満たす素材を準備する。具体的には、上記化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼に対して、必要に応じて周知の脱ガス処理を実施する。脱ガス処理を実施した溶鋼から、素材を製造する。素材の製造方法はたとえば、連続鋳造法である。連続鋳造法により、連続鋳造材(素材)を製造する。連続鋳造材はたとえば、スラブ、ブルーム及びビレット等である。溶鋼を造塊法によりインゴットにしてもよい。
熱間加工工程では、素材を熱間加工して中間材を製造する。具体的には、素材(連続鋳造材又はインゴット)を周知の方法により熱間加工して、オーステナイト系ステンレス鋼の中間材を製造する。中間材はたとえば、鋼管、棒鋼、及び線材等である。中間材はたとえば、ユジーン・セジュルネ法による熱間押出加工により製造される。熱間加工時の加熱温度はたとえば、1000~1250℃である。
最終熱処理工程では、中間材を、1000℃以上の温度で最終熱処理する。最終熱処理の温度が1000℃未満では、V炭窒化物及びNb炭窒化物を含む析出物が多くなり過ぎ、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部の低温靱性が低下する。したがって、最終熱処理の温度は1000℃以上である。最終熱処理の温度の上限はたとえば1250℃である。
本開示のオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法は、上記工程の他にその他の工程を有してもよい。たとえば、最終熱処理工程の前に、冷間加工工程を備えてもよい。また、熱間加工工程の後、最終熱処理工程の前に、中間の熱処理工程を備えてもよい。冷間加工工程及び熱処理工程は複数回実施してもよい。
表1に示す化学組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼を試験炉で溶解し、熱間鍛造により長さ300mm、幅200mm、厚さ120mmの鋼板とした。得られた鋼板を表2に記載の熱処理温度で20分間保持した後に水冷する最終熱処理を実施した。最終熱処理した鋼板から、各試験に使用する試験片を作製した。
各試験番号の鋼板に対して、上述の方法で、未固溶のV含有量及び未固溶のNb含有量を測定した。結果を表2に示す。
各試験番号の鋼板を、長さ150mm、幅200mm、厚さ120mmに機械加工し、溶接により接合した。溶接は、ガスタングステンアーク溶接法により、各試験番号の鋼板と同じ化学組成の溶加材を用いて、入熱5kJ/cmとして、鋼板同士に対して突合せ溶接を行った。溶接後の溶接部に、ノッチ角度45°、2mm深さのノッチ加工を施し、シャルピー試験片を作製した。JIS Z2242(2018)に準拠した方法でシャルピー衝撃試験を実施して、吸収エネルギー(J)及び横膨出量(mm)を測定した。得られた結果を表2に示す。
各試験番号の鋼板に対して、上述の方法で引張強さを測定した。結果を表2に示す。
表1及び表2を参照して、試験番号1~試験番号6の鋼板は、化学組成が適切であり、式(1)~式(3)を満たした。試験番号1~試験番号6の鋼板はさらに、未固溶のV含有量が0.20質量%以下であり、未固溶のNb含有量が0.20質量%以下であった。そのため、試験番号1~試験番号6の鋼板は、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーが30J以上であり、横膨出量が0.50mm以上であり、溶接部の優れた低温靱性を示した。また、試験番号1~試験番号6の鋼板は引張強さが700MPa以上であり、優れた強度を有した。
Claims (2)
- 質量%で、
C:0.06%以下、
Si:1.00%以下、
Mn:6.0~12.0%、
P:0.050%以下、
S:0.0500%以下、
Ni:15.0~17.0%、
Cr:16.1~30.0%、
V:0.01~0.28%、
Nb:0.01~0.20%、
N:0.40~0.60%、
Mo:0.3~3.5%、及び、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす化学組成を有し、
未固溶のV含有量が0.20質量%以下である、オーステナイト系ステンレス鋼。
0.16≦Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧2.0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 質量%で、
C:0.06%以下、
Si:1.00%以下、
Mn:6.0~12.0%、
P:0.050%以下、
S:0.0500%以下、
Ni:15.0~17.0%、
Cr:16.1~30.0%、
V:0.01~0.28%、
Nb:0.01~0.20%、
N:0.40~0.60%、
Mo:0.3~3.5%、及び、
残部がFe及び不純物からなり、
式(1)~式(3)を満たす化学組成を有する素材を準備する工程と、
前記素材を熱間加工して中間材を製造する工程と、
前記中間材を、1000℃以上の温度で20分以上、最終熱処理する工程とを備える、オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
0.16≦Nb+V≦0.40 (1)
Ni+30(C+N)+0.5Mn-1.091(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-3.273≧0 (2)
Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.80(Cr+Mo+1.5Si+0.5Nb)-47≧2.0 (3)
ここで、式(1)~式(3)の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
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