JP7277201B2 - 複合長尺部材及びその形成方法 - Google Patents

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本発明は、金属及び繊維強化樹脂により形成された複合長尺部材と、その形成方法とに関する。
下記特許文献1には、車体骨格構造、より具体的には、車両のセンターピラーの構造が開示されている。このセンターピラーは、コ字形断面の金属板の内部に、やはりコ字形断面の繊維強化樹脂(FRP)の補強部材が接着剤によって接合されて構成されている。即ち、このセンターピラーは、金属及び繊維強化性樹脂により形成された複合長尺部材であり、金属板を繊維強化樹脂で補強することで、車体骨格構造部材としての強度及び剛性を両立させると共に、衝撃に対する強度を向上させている。
特開2013-212730号公報
上述した複合長尺部材を形成するには、コ字形断面の金属板の凹内面、又は、コ字形断面の繊維強化樹脂の補強部材の凸外面に接着剤を塗布し、金属板の内部に補強部材を挿入する。両者の接着強度を確保するには広い接着面積が必要であるので、金属外板の凹内面と補強部材の凸外面とが広く密着するように、両者のコ字形断面はほぼ同じにされる。この時、コ字形断面の両側部(一対の対向する側板)の開き角が小さい、即ち、一対の側板がほぼ平行である場合、金属板の内部に補強部材を挿入する際に接着剤が引きずられて偏りが生じる場合がある。例えば、金属板の凹内面に接着剤を塗布してから金属板の内部に補強部材を挿入する場合、接着剤が補強部材の角部で掻き落とされてしまう。このように、接着剤に偏りが生じると、側板において所望の接着強度が得られない。
従って、本発明の目的は、金属と繊維強化性樹脂とを接着剤によりしっかりと接合することのできる複合長尺部材と、その形成方法とを提供することにある。
本発明に係る複合長尺部材は、第一部材と、第二部材と、補強部材とからなる。第一部材は、金属によって形成され、コ字形断面を有する。第二部材も、金属で形成され、第一部材のコ字形の内部に接合されたアーチ形断面を有する。補強部材は、繊維強化樹脂で形成され、アーチ形断面の凸外面が第二部材のアーチ形断面の凹内面に接着される。互いに接着される第二部材と補強部材との間には、接着剤層が形成される。第二部材のアーチ形の両側部の開き角は、第一部材のコ字形の両側部の開き角よりも大きい。
また、本発明に係る複合長尺部材の形成方法における複合長尺部材は、コ字形である金属製の第一部材と、長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である金属製の第二部材と、繊維強化樹脂で形成された、長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である補強部材と、を備える。上記形成方法では、第二部材のアーチ形の両側部の開き角が第一部材のコ字形の両側部の開き角よりも大きくなるように、第二部材が予め形成される。金属製の第二部材のアーチ形の凸外面が金属製の第一部材のコ字形の内部に溶接され、その後、繊維強化樹脂製の補強部材のアーチ形の凸外面が第二部材のアーチ形の凹内面に接着剤によって接着される。
本発明に係る複合長尺部材及びその形成方法によれば、複合長尺部材を構成する金属と繊維強化性樹脂とを接着剤によりしっかりと接合することができる。
図1は、実施形態に係る複合長尺部材の分解斜視図である。 図2は、上記複合長尺部材の第二部材の部分正面図である。 図3は、上記複合長尺部材の断面図(図2におけるIII-III線断面図)である。 図4は、上記複合長尺部材の断面図(図2におけるIV-IV線断面図)である。
以下、図1~図4を参照しつつ実施形態に係る複合長尺部材(及びその形成方法)について説明する。
本実施形態の複合長尺部材は、車体骨格構造部材、具体的にはセンターピラー(Bピラー)として用いられている。なお、車両のセンターピラーは、前後ドア開口周囲骨格構造(サイドシル、Aピラー、Cピラー、ルーフサイドレールなど)やリアフェンダーなどと一体的にボディサイドパネルの一部として形成されることもある。この場合も、センターピラーの部分を見れば複合長尺部材である。
図1に示されるように、本実施形態の複合長尺部材は、第一部材としてのピラーアウターパネル1、第二部材2、及び、補強部材3によって構成されている。また、センターピラーとしては、第三部材としてのピラーインナーパネル4も備えている。ピラーアウターパネル1及びピラーインナーパネル4は、鉄系金属、具体的には、スチールによって形成されている。即ち、本実施形態では、ピラーアウターパネル1及びピラーインナーパネル4は、同じ金属(鉄系金属:スチール)で形成されている。また、ピラーアウターパネル1(及びピラーインナーパネル4)の長手方向に垂直な断面形状は、図3及び図4に示されるように、ハット形である。
なお、ハット形断面は、コ字形断面の両側縁から外側に向けてフランジがそれぞれ延設されたものであり、コ字形断面の一種でもある。コ字形断面は、底板(正面板と捉えることもできる)の両側縁からそれぞれ側板が立ち上げられて形成されている。一対の側板は、互いに対向しており、互いにほぼ平行である。本実施形態では、ピラーアウターパネル1の底板(正面板)の一部に強度及び剛性を向上させるためのビード10が形成されているが、ピラーアウターパネル1の断面形状はコ字形(ハット形)である。
ピラーアウターパネル1及びピラーインナーパネル4は、上述したフランジで互いにスポット溶接により接合されている。なお、ピラーインナーパネル4の外側にボディサイドパネルのセンターピラー部分が配置される(即ち、ピラーアウターパネル1がピラースティフナとして用いられる)場合もある。この場合は、ボディサイドパネルも一体的にスポット溶接により接合される。ピラーアウターパネル1及びピラーインナーパネル4により、複合長尺部材であるセンターピラーが構成されるが、このセンターピラー(複合長尺部材)は、その内部に補強部材3が取り付けられることで、その強度及び剛性が向上されている。そして、第二部材2は、補強部材3とセンターピラー(特に、ピラーアウターパネル1)との接合強度を向上させるために設けられている。
第二部材2も、ピラーアウターパネル1及びピラーインナーパネル4と同様に、鉄系金属、具体的には、スチールによって形成されている。即ち、本実施形態では、第二部材2も、ピラーアウターパネル1(及びピラーインナーパネル4)と同じ金属(鉄系金属:スチール)で形成されている。なお、ここで、板厚や引張強度が異なっても、鉄系金属であれば同じ金属である。例えば、車体として用いられる鋼板は、引張強度によって、高張力鋼板や超高張力鋼板などと呼び分けられるが、これらは同じ金属である。同じ金属としては、アルミ系金属も例示され得る。
また、第二部材2の長手方向に垂直な断面形状は、アーチ形である。本実施形態におけるアーチ形は、一対の側板の端縁からそれらの中央に向けてなだらかに湾曲している。ただし、アーチ形は、断面上で、一対の側板間の距離Dが徐々に狭くなり、かつ、各側板が第一部材としてのピラーアウターパネル1に向けて凸となっていればよい。即ち、本実施形態のようになだらかな湾曲ではなくても、正多角形の一部を切り取ったような断面もアーチ形である。
本実施形態の第二部材2は、ピラーアウターパネル1にスポット溶接によって接合される。なお、スポット溶接でなく、レーザ溶接(線溶接)でもよい。図2に、第二部材2の一部を示すが、図2中の*で示される点がスポット溶接個所である。なお、本実施形態では第二部材2とピラーアウターパネル1とは同じ金属で形成されるため、その接合強度を高くできる。特に、溶接での接合は、十分な強度を得られ、かつ、他の部品を必要としないため好ましい。また、溶接による接合は、接合強度の経時的な変化や温度による接合強度の変化が少ない点でも好ましい。
また、ピラーアウターパネル1と第二部材2との接合に接着剤を用いてもよい。コ字形断面のピラーアウターパネル1の内部にアーチ形断面の第二部材2の凸外面を接着剤で接合するには、十分な接着面積を確保できない。従って、ピラーアウターパネル1と第二部材2とを接着剤で接合するには、両者が同じ金属で形成されている方が好ましい。異種材料の接着は、接着剤が両方の材質に対して十分な接着強度を発現しなければならないため、同じ金属同士を接合する方が高い接着(接合)強度を得やすい。なお、ピラーアウターパネル1と第二部材2との接合にボルトやリベットを用いてもよい。この場合は、十分な接合強度を得られると思われるが、部品点数が増加してしまう。ただし、この場合も、同じ金属同士を接合するのであれば、電食を気にする必要がないので好ましい。
なお、図1に示されるように、センターピラー(複合長尺部材)には、フロントドアのドアロックストライカーの取付孔11や、リアドアの最大開度を規制するチェックリンクの取付孔12が設けられている。ドアロックストライカーの取付孔11やチェックリンクの取付孔12では、ピラーアウターパネル1の内側にウェルドナットが溶接される。このため、第二部材2には、図2に示されるように、ドアロックストライカーの取付孔11のウェルドナット15(図4参照)との干渉を防止するための窪み21や、チェックリンクの取付孔のウェルドナットとの干渉を防止するための窪み22が形成されている。
また、図1に示されるように、センターピラー(複合長尺部材)には、リアドアヒンジの取付孔13も設けられている。リアドアヒンジは、車室側からナットで締結されるので、図2に示されるように、第二部材2には、締結されるナットを避けるための貫通孔23が形成されている。さらに、図1に示されるように、センターピラー(複合長尺部材)には、リアドアへのハーネスを通すための貫通孔14も形成されている。この貫通孔14には、ハーネスを保護すると共にセンターピラー内部への雨水の侵入を防止するグロメットの一端が取り付けられる(グロメットの他端はリアドアに取り付けられる)。第二部材2にも、リアドアへのハーネスを通すための貫通孔24が形成されている。
補強部材3は、繊維強化性樹脂で形成されている。より具体的には、補強部材3は、熱硬化性樹脂をマトリクス樹脂とするCFRP(炭素繊維強化性樹脂)で形成されている。なお、補強部材3のCFRPは、第二部材2と接着剤で接合される前にそのマトリクス樹脂が硬化されている。補強部材3も、第二部材2と同じアーチ形断面を有している。より詳細には、第二部材2の凹湾曲面と補強部材3の凸湾曲面とが同じ形をしている。このため、第二部材2の凹内面と補強部材3の凸外面とは、(後述する接着剤層5を介して)面接触する。補強部材3にも、上述した第二部材2の窪み21及び22並びに貫通孔23及び24にそれぞれ対応する、窪み31及び32並びに貫通孔33及び34が形成されている。
センターピラー(複合長尺部材)の根元の内部には、前席のシートベルトユニットが収納される。このため、ピラーインナーパネル4の下端には開口40が形成されている。この開口40からは、シートベルトのウェビングの腰側が導出される。また、ピラーインナーパネル4には、シートベルトのウェビングの肩側が導出される開口41も形成されている。なお、図示されていないが、センターピラー(複合長尺部材)の上部には、シートベルトアンカーを保持するための機構も設けられる。さらに、ピラーインナーパネル4にも、リアドアヒンジにナットを締結するための開口42も形成されている。
上述したように、本実施形態の第二部材2は、補強部材3とセンターピラー(特に、ピラーアウターパネル1)との接合強度を向上させるために設けられている。このため、本実施形態の第二部材2の材質(スチールとしてのグレード)及び板厚などは、センターピラーの強度及び剛性の向上への寄与度は低い。しかし、第二部材2のセンターピラーの強度及び剛性の向上への寄与度が高くなるように、第二部材2の材質や板厚が設定されてもよい。また、本実施形態の補強部材3は、CFRPで形成されているが、CFRTPやGFRP等の他の繊維強化樹脂によって形成されてもよい。
上述したように、補強部材3の凸外面は、接着剤によって第二部材2の凹内面に接合されている。このため、補強部材3と第二部材2との間には、図3及び図4に示されるように接着剤層5が形成される。第二部材2は金属であり、補強部材3はCFRPであるので、両者は異種材料である。上述したように、異種材料の接着に用いられる接着剤には両方の素材に対する接着強度が求められる。ただし、ここでは、第二部材2の凹内面と補強部材3の凸外面とは同じ形であるので全面で接着される。このため、十分な接着面積を確保でき、容易かつ確実に十分な接着強度を得ることができる。
補強部材3の凸外面をピラーアウターパネル1の内部に接合された第二部材2の凹内面に接着する際には、何れか一方(両方でもよい)に接着剤が塗布された後に補強部材3が第二部材2の内部に挿入される。ここで、補強部材3及び第二部材2がアーチ形断面を有しているので、補強部材3の挿入時に補強部材3によって塗布された接着剤が掻き取られるようなことはない。また、補強部材3の挿入時に、塗布された接着剤がずり上がって接着剤に偏りが生じるようなこともない。
従って、接着剤の偏りは生じずに全面に亘って均一な厚さの接着剤層5を形成することができ、十分な接着強度で補強部材3を第二部材2に接合することができる。即ち、第二部材2を介して、十分な接着強度で補強部材3をピラーアウターパネル(第一部材)1に接合することができる。第二部材2を介して、十分な接着強度で補強部材3をピラーアウターパネル(第一部材)1に接合することで、センターピラー(複合長尺部材)の強度や剛性(曲げ剛性及びねじり剛性)を向上させることができる。
特に、本実施形態の複合長尺部材は車体骨格構造(センターピラー)として用いられており、ピラーアウターパネル(第一部材)1を外側に向けて用いられている。他の車両が側方から車体に衝突したり、当該衝突によって車体が横転した場合、車体の外側から車体骨格構造部材に荷重が作用する。本実施形態の複合長尺部材では、第二部材2の内側に接着された補強部材3によって第一部材1が補強されているので、上述した荷重によって補強部材3には引張荷重が作用する。補強部材3は強化繊維樹脂(本実施形態ではCFRP)によって形成されており、圧縮荷重よりは引張荷重に強い。また、上述した荷重によって第一部材1及び第二部材2には圧縮荷重が作用するが、金属で形成された第一部材1及び第二部材2は圧縮荷重に対して強い。従って、本実施形態の複合長尺部材は、衝突時や横転時に作用する荷重に効果的に対抗できるので、車体骨格構造として用いるのに好ましい。例えば、本実施形態の複合長尺部材は、センターピラー(Bピラー)の他、Aピラー、Cピラー、ルーフサイドレール、サイドシル、フロントバンパ、リアバンパとして、(第一部材1を外側に向けて)好適に用いることができる。
コ字形断面及びアーチ形断面についてより詳しく説明する。コ字形断面は、上述したように、底板(正面板)とその両側縁から角度をもって延設された一対の対向する側板とで形成される。一対の側板が平行である場合、それらの間の距離は一定である。ここで、コ字形断面の両側部(一対の側板)の開き角をα°とする(図2参照)。ただし、一対の側板が平行な場合、開き角は0°であるとする(理論的には、180°>α≧0°)。
一方、アーチ形断面は、一対の側板の端縁から中央に向けてなだらかに湾曲し、かつ、外側に向けて凸となっている。従って、一対の側板間の距離D(図2参照)は徐々に狭くなる。即ち、コ字形断面のピラーアウターパネル(第一部材)1とアーチ形断面の第二部材2とを例にすれば、断面上において、側板の端縁から離れるほど、ピラーアウターパネル(第一部材)1と第二部材2との間の隙間は大きくなる。ここで、アーチ形断面の両側部(一対の側板)の開き角をβとする(図2参照)。
このとき、アーチ形断面の開き角βはコ字形断面の開き角αよりも大きい(180°>β>α≧0°)。なお、アーチ形断面の場合、側板と底板(正面板)との境界が分かりにくい場合や、側板が湾曲又は屈曲している場合がある。このような場合は、断面の深さの半分を側板とみなし、屈曲している場合はその平均角度や、湾曲している場合は中央での接線角度に基づいて、開き角βが求められる。従って、コ字形断面とアーチ形断面とは、その側板の端縁近傍のみを見れば、互いにほぼ平行である場合もある。
次に、上述した複合長尺部材(センターピラー)の形成方法について説明する。まず、予め、ピラーアウターパネル(第一部材)1、第二部材2、補強部材3及びピラーインナーパネル(第三部材)4がそれぞれ形成される。ピラーアウターパネル1、第二部材2及びピラーインナーパネル4は、鋼板をプレス成形することで形成される。補強部材3は、型を用いてプリプレグを賦形した後にオートクレーブで加熱して形成する。このとき、上述したように、アーチ形断面の第二部材2の開き角βが、コ字形断面のピラーアウターパネル1の開き角αよりも大きくなるように(β>α)、ピラーアウターパネル1及び第二部材2が形成される。
次に、第二部材2が、ピラーアウターパネル1の内部に溶接(本実施形態ではスポット溶接)によって接合される。次に、補強部材3の凸外面が接着剤によって第二部材2の凹内面に接着され、接着剤層5が形成される。上述したように、アーチ形断面の補強部材3が、同じくアーチ形断面の第二部材2に接着されるので、接着剤の偏りは生じない。これにより、補強部材3が第二部材2を介してピラーアウターパネル(第一部材)1にしっかりと接合される。最後に、ピラーアウターパネル1とピラーインナーパネル4とが、それらのフランジにおいて互いに溶接(本実施形態ではスポット溶接)によって接合される。このように形成されたセンターピラー(複合長尺部材)は、金属と繊維強化樹脂(CFRP)とからなる複合部材である。
本実施形態の複合長尺部材(及びその形成方法)は、コ字形断面を有する金属製の第一部材(ピラーアウターパネル)1と、アーチ形断面を有する金属製の第二部材2と、アーチ形断面を有する繊維強化樹脂製の補強部材3とを備えている。第二部材2が第一部材1の内部に接合され、かつ、補強部材3の凸外面が接着剤層5を介して第二部材2の凹内面に接合されている。従って、金属同士の第一部材1と第二部材2との接合強度を確保しつつ、かつ、同じアーチ形断面を有する(異種材料の)第二部材2と補強部材3とを広い接着面積を確保して接着剤層5を介して十分な接合(接着)強度で接合できる。この結果、金属製の第一部材1と繊維強化性樹脂製の補強部材3とを第二部材2(及び接着剤層5)を介してしっかりと接合することができ、複合長尺部材の強度及び剛性を向上させることができる。
アーチ形断面を有する補強部材3は、同じくアーチ形断面を有する第二部材2に接着されるので、両者の接着時に接着剤の偏りは生じることはなく、接着剤層5を介した補強部材3と第二部材2との接合(接着)強度を十分に確保することができる。
ここで、本実施形態によれば、アーチ形断面の第二部材2の開き角βが、コ字形断面の第一部材1の開き角αよりも大きい(β>α)。従って、接着時の接着剤の偏りを確実に回避して、アーチ形断面の第二部材2にアーチ形断面の補強部材3を十分な接合(接着)強度で接着することができる。
また、本実施形態によれば、第二部材2が溶接によって第一部材1に接合されている。従って、コ字形断面の第一部材1の内部にアーチ形断面の第二部材2を接合するのに十分な接触面積を確保できないが、第一部材1も第二部材2も金属製なので両者を溶接によって接合することで十分な接合強度を確保することができる。
また、本実施形態では、第一部材1と第二部材2とが同じ金属で形成されているので、(上述したように溶接であっても接着であっても)両者を容易かつ強固に接合することができる。また、第一部材1と第二部材2との間の電食も防止できる。
本発明複合長尺部材(及びその形成方法)は、車体骨格構造部材として用いられ得る。
1 ピラーアウターパネル(第一部材)
2 第二部材
3 補強部材
4 ピラーインナーパネル(第三部材)
5 接着剤層
α (第一部材の)開き角
β (第二部材の)開き角

Claims (5)

  1. 複合長尺部材であって、
    長手方向に垂直な断面形状がコ字形である金属製の第一部材と、
    長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である金属製の第二部材であって、当該アーチ形の凸外面が前記第一部材のコ字形の内部に接合された第二部材と、
    繊維強化樹脂で形成された、長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である補強部材であって、当該アーチ形の凸外面が前記第二部材のアーチ形の凹内面に接着された補強部材と、
    前記第二部材の前記凹内面と前記補強部材の前記凸外面との間に形成された接着剤層と、を備えており
    前記第二部材のアーチ形の両側部の開き角が、前記第一部材のコ字形の両側部の開き角よりも大きい、ことを特徴とする複合長尺部材。
  2. 前記第一部材のコ字形の内部に、前記第二部材が溶接によって接合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の複合長尺部材。
  3. 前記第一部材と前記第二部材とが同じ金属で形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合長尺部材。
  4. 長手方向に垂直な断面形状がコ字形である金属製の第一部材と、長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である金属製の第二部材と、繊維強化樹脂で形成された、長手方向に垂直な断面形状がアーチ形である補強部材と、を備えた複合長尺部材の形成方法であって、
    前記第二部材のアーチ形の両側部の開き角が前記第一部材のコ字形の両側部の開き角よりも大きくなるように、前記第二部材が予め形成され、
    前記第二部材のアーチ形の凸外面が前記第一部材のコ字形の内部に溶接され、
    前記補強部材のアーチ形の凸外面が前記第二部材のアーチ形の凹内面に接着剤によって接着される、ことを特徴とする複合長尺部材の形成方法。
  5. 前記第一部材と前記第二部材とが同じ金属で形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の複合長尺部材の形成方法。
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