JP7276788B2 - 5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法 - Google Patents
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Description
第1ステップでは、空間誤差モデルを確立し、同次座標行列によって5軸数値制御工作機械の空間誤差モデルを確立し、位置誤差及び方向誤差を確定する。
第3ステップでは、工作機械の運動軸の主要な幾何学的誤差を測定し、空間誤差モデルに基づいて、主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差を算出する。
以下、添付の図面および実施例と併せて、本発明の技術案をさらに説明する。
第1ステップでは、空間誤差モデルを確立する。同次座標行列によって5軸数値制御工作機械の空間誤差モデルを確立し、位置誤差及び方向誤差を確定する。
第2ステップでは、準モンテカルロ法に基づいて主要な幾何学的誤差を識別し、主要な幾何学的誤差の主感度及び総合感度を確定する。
第4ステップでは、ワークを切削して総合寸法誤差を測定し、主要な幾何学的誤差と非主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差の補正の比率を算出する。
第2ステップの主要な幾何学的誤差の識別は、次の手順のように実行される。
カテゴリ4およびカテゴリ6の場合には、空間誤差A1を増大させ、元の合計誤差が20μmであれば、30μmに補正する。
例えば、上記の単一の主要な幾何学的誤差の最適な比率によって、4項の主要な幾何学的誤差の最適な比率の値piが得られる。
本実施例は、提案された幾何学的誤差の最適化補正の有効性を検証するために、S試験片を、型番JDGR400である5軸数値制御工作機械で切削加工する。工具経路は、NX12.0によりプログラムされ、加工ステップは、2020年のISO-10794におけるステップに従っている。図2及び図3に示すように、「S」試験片は、JDGR400 5軸数値制御工作機械で切削され、3次元座標で、その寸法誤差が測定される。
図8に示すように、誤差の補正の比率を最適化させる方法に従って、各点での5項の主要な幾何学的誤差の最適な比率の値がそれぞれ解かれる。最適な比率の値pは、該項の誤差A1を元の誤差値のp倍に補正することを意味し、即ち、補正量がA1(1-p)である。p=1は補正しないことを意味する。p=0は、誤差をゼロに補正すること、つまり全体を補正することを意味する。p<0は、現在の方向とは反対の方向へ誤差を補正することを意味し、例えば、20μmから-10μmへ補正する。0<p<1は、誤差を減少させるように補正することを意味し、例えば、20μmから5μmに補正する場合、p=0.25である。p>1は、誤差を増加させるように補正することを意味し、例えば、20μmから30μmに補正する場合、p=1.5である。図8aの横軸のデータ点群1のY方向とZ方向の誤差といった、X、Y、Zの3方向の総合サイズ誤差が3μm未満の位置の場合、誤差補正する必要がないため、これらの点での幾何学的誤差の最適な比率は1である。
Claims (4)
- 5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法であって、
空間誤差モデルを確立し、同次座標行列によって5軸数値制御工作機械の空間誤差モデルを確立し、位置誤差及び方向誤差を確定する第1ステップと、
準モンテカルロ法に基づいて主要な幾何学的誤差を識別し、主要な幾何学的誤差の主感度及び総合感度を確定する第2ステップと、
工作機械の運動軸の主要な幾何学的誤差を測定し、空間誤差モデルに基づいて、主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差を算出する第3ステップと、
ワークを切削して総合寸法誤差を測定し、主要な幾何学的誤差及び非主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差の補正の比率を算出する第4ステップであって、主要な幾何学的誤差及び非主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差の補正の比率の算出が、空間誤差モデル及び準モンテカルロ法の感度分析により得られ、即ち、「総合寸法誤差C1=すべての主要な幾何学的誤差による空間誤差A1+非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1」となる第4ステップと、
主要な幾何学的誤差と非主要な幾何学的誤差との結合関係、及び総合感度の大きさにより、主要な幾何学的誤差の最適な補正の比率を確定し、リアルタイムの補正を行う第5ステップと、
を備え、
主要な幾何学的誤差の最適な補正の比率の確定には、すべての主要な幾何学的誤差による空間誤差A1の比率を最適化させることが含まれ、まず、ワーク加工中の工具経路上の点の主要な幾何学的誤差による空間誤差A1と、非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1と、ワークの総合寸法誤差C1とが、正か負かによって、最適な比率を、7つのカテゴリに分類し、
ただし、カテゴリ1およびカテゴリ2は、主要な幾何学的誤差による空間誤差A1と非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1とが、正か負かで一致している同方向の相容関係であることを表し、カテゴリ3およびカテゴリ5は、主要な幾何学的誤差による空間誤差A1と非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1とが、正か負かで一致していない逆方向の相違関係であることを表し、カテゴリ4およびカテゴリ6は、主要な幾何学的誤差による空間誤差A1と非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1とが、正か負かで一致していない逆方向の相違関係であることを表し、カテゴリ7は、非主要な幾何学的誤差による空間誤差B1がゼロであることを表し、
そして、総合寸法誤差C1の大きさに基づき分類し、C1<3μmの場合には、誤差が許容範囲内にあると判定し、補正は必要ではなく、C1>3μmの場合には、補正が必要であり、最適な比率pを、空間誤差A1を元の合計誤差のp倍に補正するように設定し、即ち、補正量がA1・(1-p)であり、ここで、カテゴリ1およびカテゴリ2の場合には、A1及びB1の絶対値の大きさに従って細分化し、比率pが、負の数である場合、誤差の逆方向への補正を意味し、|A1|≧|B1|の場合には、P≧-1を設定するカテゴリ1となり、|A1|<|B1|の場合には、P<-1を設定するカテゴリ2となり、カテゴリ3およびカテゴリ5の場合には、空間誤差A1の補正量を減少させ、補正量を空間誤差A1より小さくし、0<P<1を設定し、カテゴリ4およびカテゴリ6の場合には、空間誤差A1を増大させ、P>1を設定し、
主要な幾何学的誤差の最適な補正の比率の確定には、単一の主要な幾何学的誤差の補正の比率の最適化が含まれ、すべての主要な幾何学的誤差による空間誤差A1の比率を最適化させた後、単一の主要な幾何学的誤差の最適な比率の値をpiに設定し、主要な幾何学的誤差の実値をeiとし、準モンテカルロ法によって主要な幾何学的誤差の結合感度STiを算出し、主要な幾何学的誤差を、最適な比率piで下式に代入し、比率補正後の主要な幾何学的誤差による空間誤差と非主要な幾何学的誤差による空間誤差とを、大きさが等しくて方向が逆になるようにすることにより、m項の主要な幾何学的誤差の最適な比率の値piが求められ、
ΔE=f(El,・・・,Em)=f(plel,・・・,pmem)=-B1
p1:・・・:pm=S1:・・・:Sm
ただし、eiは第i項の主要な幾何学的誤差の実際の大きさであり、Eiは比率を最適化させて補正した後の第i項の幾何学的誤差による空間誤差であり、piは第i項の誤差の最適な比率の値であり、そのうち、iの範囲は[1,m]である、
ことを特徴とする5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法。 - 第1ステップにおける空間誤差モデルの確立は、次の手順に従って実行され、
まず、小さい角度誤差に基づいて、運動軸の幾何学的誤差の伝達行列が与えられ、
運動軸の運動学的伝達行列は、下式のように理論的な運動量及び幾何学的誤差によって共同で確定され、
ただし、Motionは、理想運動の行列を表し、Errorは、幾何学的誤差の行列を表し、
正の運動学の同次座標変換に基づいて、下式のように5軸数値制御工作機械の空間誤差モデルが確立され、
ただし、WTTは、ワークに対する工具の運動伝達行列を表し、ワークに対する工具の位置及び方向を表す4×4の同次座標行列である。位置Pは、 WTTの第4列を表す。方向Oは、 WTTの第3列を表す。得られた位置誤差ΔP(Δx,Δy,Δz)と方向誤差ΔO(Δi,Δj,Δk)とは、下式のようなものであり、
ただし、WTTactualは、誤差のある場合の運動伝達行列を表し、WTTidealは、誤差のない理想的な場合の運動伝達行列を表す、
ことを特徴とする請求項1に記載の5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法。 - 第2ステップの主要な幾何学的誤差の識別は、次の手順のように実行され、
工作機械の空間誤差の方程式をy=f(x)に設定する。ただし、yはモデルの出力、即ち、ワークに対する工具の先端の姿勢誤差である。前記姿勢誤差は、位置誤差と方向誤差とを含む。そのうち、X=(x1,x2,・・・,xn)は、n項の幾何学的誤差の入力変数であり、5軸数値制御工作機械には、41項の幾何学的誤差があるため、n=41となり、
そして、既知の幾何学的誤差xiの分布関数に従って、準モンテカルロ法により、各入力変数の定義領域でN回サンプリングし、2つのN×n行列を作成し、
行列Bの第i列を行列Aの第i列に置き換えて、新たな行列Ciを取得し、
ただし、x~iは、xiの以外の幾何学的誤差を表し、xiは、第i項の幾何学的誤差を表す、
ことを特徴とする請求項2に記載の5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法。 - 第3ステップにおいて、空間誤差モデルに基づく主要な幾何学的誤差によるワークの寸法誤差の算出は、すべての主要な幾何学的誤差を前記空間誤差モデルに代入して、すべての主要な幾何学的誤差による空間誤差A1を取得することである、
ことを特徴とする請求項2に記載の5軸数値制御工作機械の主要な幾何学的誤差の補正の比率を最適化させる補正方法。
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