JP7275624B2 - 周波数帯域可変高周波増幅器 - Google Patents

周波数帯域可変高周波増幅器 Download PDF

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Description

本発明は、周波数帯域可変高周波増幅器に関する。
従来、特許文献1に、差動電力増幅器において、負荷にトランスを備え、トランスの一次側に負荷インピーダンスの虚部を制御する可変容量、トランスの二次側に負荷インピーダンスの実部を制御する可変容量を備える構成が提案されている。このような構成とすることで、差動電力増幅器の電力付加効率(PAE)を制御することを可能としている。
米国特許第8339203号明細書
高分解能の車載用途ミリ波レーダーは、広い周波数帯域が使用可能な76GHz帯、79GHz帯が、現在主に使用されている。76GHz帯は、76~77GHzの周波数帯域、79GHz帯は、77~81GHzの周波数帯域である。レーダーに使用されるモノリシック・マイクロ波集積回路(以下、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)という)では、これらの異なる周波数帯域のアプリケーションに対し、同一のチップにて対応することが求められる。異なる周波数帯域に設計された複数のMMICによる対応も可能であるが、複数のMMICとなるために、開発及び製造のコストの観点で問題なる。一方、一つのチップで76~81GHzの全ての周波数帯域をカバーするとなると、高周波増幅器の広帯域化を実現する必要があり、結果として増幅器の消費電流が多くなるという問題がある。
また、一般に入出力整合回路にトランスを使用した高周波増幅器ではトランスとそのトランスに並列に接続された容量及び寄生抵抗から共振周波数が決まるため、回路構成上、広帯域化が難しい。帯域幅が狭いため、製造工程に起因する増幅器の周波数ピークのばらつきに弱く、歩留まりが低下する課題がある。一方でトランスによる整合回路は、差動構成でのインピーダンス変換の簡易さやレイアウト面積が縮小可能なことから、特にミリ波帯のMMICでは頻繁に用いられる。なお、CMOSプロセスで製造されたトランスを入出力整合回路に持つ増幅器の周波数ばらつきは、トランスに並列接続された容量のばらつき、例えばMOM容量(Metal-Oxide-Metal)やMIM(Metal-Insulator-Metal)容量における層間膜の変動に起因するばらつきが一般的に支配的である。
本発明は上記点に鑑みて、同一チップの高周波増幅器を異なる周波数帯域のアプリケーションに適用できるようにし、高周波増幅器の低消費電力化を可能にすることを目的とする。また、集積回路の製造工程に起因する周波数ピークのばらつきに対する補正に適用でき、歩留まりの改善が図られるようにすることをもう一つの目的とする。
請求項1記載の発明は、集積回路に構成された周波数帯域可変高周波増幅器(以下、単に増幅器という)に関する。請求項1記載の発明は、第1トランス又は第1インダクタを用いて構成される入力整合回路(20、80)と、入力整合回路から入力される信号を増幅する増幅部コア(30、90)と、増幅部コアの出力側に接続されると共に第2トランス又は第2インダクタを用いて構成される出力整合回路(40、100)と、を備え、入力整合回路と出力整合回路のうちの少なくとも入力整合回路には、可変容量(22a~22d、42a~42d、83)が備えられている。
このような構成により、増幅器を異なる周波数帯域にて用いることができる。よって、同一チップの増幅器を異なる周波数帯域のアプリケーションに適用できるため、互いに異なる周波数帯域に合わせて利得を調整した増幅器を複数設ける必要がなくなる。この結果、増幅器を低消費電力化できる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかる増幅器のブロック構成図である。 入力整合回路の回路図である。 出力整合回路の回路図である。 可変容量の回路図である。 基準インピーダンスがZ、基準アドミタンスがY(=1/Z)のイミタンスチャートを用いて高周波側の周波数帯にて整合したときの入力/出力アドミタンス特性を示す図である。 高周波側の周波数帯にて整合したときのリターンロス特性を示す図である。 高周波側の周波数帯にて整合したときの利得特性を示す図である。 低周波側の周波数帯にて整合したときの入力/出力アドミタンス特性を示す図である。 低周波側の周波数帯にて整合したときのリターンロス特性を示す図である。 低周波側の周波数帯にて整合したときの利得特性を示す図である。 第2実施形態で説明する入力/出力アドミタンス特性の許容範囲の一例を示した図である。 第2実施形態で説明する入力/出力アドミタンス特性の許容範囲の一例を示した図である。 第3実施形態にかかる増幅器の回路図である。 第4実施形態にかかる増幅器の回路図である。 第5実施形態にかかる増幅器の回路図である。 第6実施形態にかかる増幅器の回路図である。 第7実施形態で説明する増幅部コアの回路図である。 第8実施形態にかかる増幅器の回路図である。 可変容量の回路図である。 第9実施形態で説明する一次対二次の巻線比を1:1とした場合の第1トランスのレイアウト構成を示す図である。 図16AのXVIB-XVIB断面図である。 第9実施形態で説明する一次対二次の巻線比を1:2とした場合の第1トランスのレイアウト構成を示す図である。 第10実施形態にかかる第1トランスのレイアウト構成を示す図である。 第1トランスのレイアウト構成の比較例を示す図である。 第11実施形態で説明する可変容量の回路図である。 第12実施形態にかかる増幅器のブロック構成図である。 入力整合回路/出力整合回路の一例を示した回路図である。 入力整合回路/出力整合回路の一例を示した回路図である。 入力整合回路/出力整合回路の一例を示した回路図である。 第13実施形態で説明する増幅器を多段で備える場合のブロック構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1~図6Aおよび図6Bを参照して、第1実施形態にかかる増幅器10について説明する。図1に示すように、増幅器10は、入力整合回路20、増幅部コア30及び出力整合回路40を備え、シリコンを用いて形成したMMICに備えられている。この増幅器10は、特性インピーダンスZの伝送線路に接続された差動の高周波増幅器を想定している。また、ここで増幅器10は差動動作なので、特性インピーダンスZは逆相のOddモードで定義される。増幅部コア30は、電圧電流変換を行うMOSFETから構成され、入力整合回路20から入力される電圧を電流変換する。なお、ここでは、増幅部コア30をMOSFETで構成した例を示すが、増幅部コア30については、バイポーラトランジスタなどを含む各種トランジスタ素子により構成することができる。
図2A、図2Bに示すように、入力整合回路20と出力整合回路40とは、同様の回路構成とされている。ただし、これらの入力整合回路20及び出力整合回路40を構成する各素子のパラメータは、入力整合回路20と出力整合回路40とにおいて同一であっても良いし互いに異なっていても良い。
入力整合回路20は、増幅部コア30の入力に接続されている。入力整合回路20は、第1トランス21と、可変容量22a、22bと、可変容量22c、22dとを備え、増幅器10の周波数可変に対応させられる構成とされている。第1トランス21は、一次巻線21a及び二次巻線21bを備える。各可変容量22a、22bは、第1トランス21の一次側のネット23a、23bとグランドGrとの間にそれぞれ接続されている。各可変容量22c、22dは、第1トランス21の二次側のネット23c、23dとグランドGrとの間にそれぞれ接続されている。
出力整合回路40は、増幅部コア30の出力側に接続されている。出力整合回路40は、第2トランス41と、可変容量42a、42bと、可変容量42c、42dとを備え、増幅器10の周波数可変に対応させられる構成とされている。第2トランス41は、一次巻線41a及びの二次巻線41bを備える。各可変容量42a、42bは、第2トランス41の一次側のネット43a、43bとグランドGrとの間にそれぞれ接続されている。各可変容量42c、42dは、第2トランス41の二次側のネット43c、43dとグランドGrとの間にそれぞれ接続されている。
図2Cは、入力整合回路20を構成する可変容量22a~22d、42a~42dの回路図を示している。可変容量22a~22d、42a~42dは、同様の回路構成とされているが、これらの可変容量22a~22d、42a~42dを構成する各素子のパラメータは、互いに同一であっても良いし互いに異なっていても良い。
図2Cに示すように、可変容量22a~22d、42a~42dは、複数の固定容量51~53と、高周波スイッチとしての複数のMOSFET54~56と、を備える。固定容量51~53は、例えばMOM容量又はMIM容量により構成される。図2Cの構成では、固定容量51~53とMOSFET54~56のドレインとがそれぞれ接続されることで、固定容量51~53とMOSFET54~56とがそれぞれ直列接続されており、各直列接続回路がRFノードN1とグランドGrとの間に並列接続されている。ここでは、固定容量51~53とMOSFET54~56との直列接続回路を3つ備えた構成を例にあげるが、2つもしくは4つ以上の直列接続回路を備える構成でも良い。RFノードN1は、各可変容量22a~22d、42a~42dの対応するネット23a~23d、43a~43dに接続される。
制御回路11は、MOSFET54~56をオン・オフ制御して固定容量51~53の接続を切り替えることで可変容量22a~22d、42a~42dの容量値を調整する容量制御回路として機能する。制御回路11は、入力整合回路20や出力整合回路40の内部に備えられていても、別の場所に備えられていても良い。
MOSFET54~56のゲートと制御回路11との間、バックゲートとグランドとの間、ドレインとソースとの間には、抵抗Rg、Rb、Rjpがそれぞれ接続されている。また、図2Cでは省略しているが、MOSFET54~56がDeep N-wellを持つ構成とされる場合、Deep N-wellと電源電位との間に抵抗Rdnが挿入される。これらのうち抵抗Rg、Rb、Rdnは、MOSFET54~56の高周波帯における挿入損失を低減したり、耐圧を改善したり、また、高調波歪を抑制するために挿入される。一方、抵抗Rjpは電位のフローティングを解消するために挿入される。
例えば、複数の固定容量51~53の容量値及び複数のMOSFET54~56のゲート幅は、1:2:4のように等比関係を備えるように構成されている。このため、制御回路11により、MOSFET54~56をオン・オフ制御することで、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値がデジタル的に変化させられる。
また、MOSFET54~56が全てオフしているときの可変容量22a~22d、42a~42dの容量値は、固定容量51~53と、MOSFET54~56のオフ時ソース-ドレイン間の寄生容量との直列合成値で決められる。MOSFET54~56が全てオンしているときの可変容量22a~22d、42a~42dの容量値は、固定容量51~53の容量値を加算した合成容量値となる。このため、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値が最大となるのは、制御回路11が全てのMOSFET54~56をオンしているときであり、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値が最小となるのは、制御回路11が全てのMOSFET54~56をオフしているときである。
可変容量22a~22d、42a~42dが、図2Cに示すように固定容量51~53及びMOSFET54~56を用いて構成されていれば、例えばバラクタやそのアナログ電圧制御は要らなくなり、バラクタの固有の製造ばらつきの影響を受けなくて済む。
図3は、基準インピーダンスがZ0、基準アドミタンスがY(=1/Z)のイミタンスチャートである。以降、基準インピーダンスは入出力に接続される伝送線路の特性インピーダンスZと一致することを想定する。図中、アドミタンスがYである等コンダクタンス線について、太線を用いて示してある。以下、図1に示したように、入力インピーダンスをZin、その逆数で表される入力アドミタンスをYin(=1/Zin)、出力インピーダンスをZout、その逆数で表される出力アドミタンスをYout(=1/Zout)と表記して説明する。
ここで、例えば76~77GHzの76GHz帯と77~81GHzの79GHz帯の2つの帯域のミリ波レーダーのアプリケーションを想定する。このとき周波数ダブラーの手前のローカル信号は、それぞれ38.0~38.5GHz、38.5~40.5GHzとなる。従って、以下では低周波数f=38.0GHz、高周波数f=40.5GHzと想定する。
以下に可変容量22a~22d、42a~42dの容量値を変更することで、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutをそれぞれ可変し、結果インピーダンス整合される周波数帯域を高周波側、低周波側に可変させる方法を示す。以降において、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutについて、同じ図面を使用して説明しているが、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutは同じ値を取るわけではない。
まず、高周波数f側に整合する場合の動作を説明する。可変容量22a~22d、42a~42dの容量値が低い値のとき、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutのコンダクタンス成分Gin、Goutがそれぞれ特性インピーダンスZから決まる特性アドミタンス値Y(=1/Z)となるようにする。具体的には、コンダクタンス成分Gin、Goutが特性アドミタンス値Yとなるように、入力整合回路20や出力整合回路40における第1トランス21や第2トランス41のサイズ、可変容量22a~22d、42a~42dの最小値を設定する。すなわち、低周波数f=38.0GHzから高周波数f=40.5GHzの周波数帯域において、図3に示すように、基準アドミタンス値Yの等コンダクタンス線上に入力整合回路20や出力整合回路40のインピーダンス(アドミタンス)が乗るようにする。
また、この状態で同時に入力インピーダンスZinや出力インピーダンスZoutの高周波数f側がイミタンスチャート上の中心である基準インピーダンスZの点に近くなるように第1トランス21や第2トランス41のサイズを決定する。このときの入出力のリターンロスS11、S22は、高周波数fの方が低周波数fよりも基準インピーダンスZに近いので、図4Aに示すように周波数fP1をピークに持つ高周波数f側に整合されている。したがって、図4Bに示すように、増幅器10の小信号電圧利得S21も高周波数f側に近い周波数fP1でピークを持つ。ここで、図4Aにて入力リターンロスS11と出力リターンロスS22をまとめて書いたが、S11とS22の波形は一致することを示しているのではなく、図4AではS11とS22がそれぞれ周波数fP1にて整合のピークを持つことを示している。後述の図6Aでも同様である。
次に、低周波数f側に整合する場合の動作を説明する。高周波数f側にて整合が取れている状態で可変容量22a~22d、42a~42dの容量値を大きくする。これにより、入力インピーダンスZinや出力インピーダンスZoutは、図5に示すようにイミタンスチャートの中心を通る等コンダクタンス線上を移動し、低周波数f側で整合が取られる。図6A、図6Bは、このときの入出力のリターンロスS11、S22と増幅器10の小信号電圧利得S21の様子を示している。リターンロスS11、S22は、高周波数fよりも低周波数f側となる周波数fP2をピークに持ち、小信号電圧利得S21も低周波数f側に近い周波数fP2でピークを持つ。
以上のようにして、インピーダンス整合される周波数帯域を高周波側、低周波側に可変させることができる。
このように、本実施形態では、入力整合回路20の第1トランス21の一次側の可変容量22a、22b及び二次側の可変容量22c、22d、出力整合回路40の第2トランス41の一次側の可変容量42a、42b及び二次側の可変容量42c、42dを調整できるようにしている。これにより、入力アドミタンスYinの実部、出力アドミタンスYoutの実部を系の特性アドミタンスと一致した状態で変更することなく、入力アドミタンスYinの虚部及び出力アドミタンスYoutの虚部を制御できる。但し、実際の高周波回路の設計においては、配線抵抗、シリコン基板の抵抗などの寄生成分により、入力アドミタンスYinの実部、出力アドミタンスYoutの実部が変動することが起こりえる。従って、ここでの変動することなくとは、設計で意図的に実部を変更しないという意味であり、仮に意図しない実部の変動があったとしても、高周波回路の設計で事実上影響を無視できるという意味であることに注意されたい。なお、入力アドミタンスYinの実部、出力アドミタンスYoutの実部を系の特性アドミタンスと一致した状態と記載したが、値が完全に一致する必要はなく、電圧定在波比(以下、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)という)が6以下などの、反射が無視できる範囲で値が一致すればよい。
このようにして、高周波数f側、低周波数f側の何れの周波数帯においても、入力アドミタンスYin及び出力アドミタンスYoutを共に系の基準アドミタンス値Yに合わせるように調整できる。この結果、増幅器10の周波数帯域を変更できる。
これにより、増幅器10を異なる周波数帯域にて用いることができる。よって、同一チップの増幅器10を異なる周波数帯域のアプリケーションに適用できるため、互いに異なる周波数帯域に合わせて利得を調整した増幅器を複数設ける必要がなくなる。この結果、増幅器10を低消費電力化できる。
また、集積回路の製造ばらつきに起因して増幅器10の周波数ピークがばらついたとしても、入力整合回路20、出力整合回路40を用いてこの影響を解消でき、歩留まりを改善できる。
集積回路を製造する際には、増幅器10について、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値が中央のときに、目的の周波数にピークが合うように設計されるが、製造ばらつきにより周波数ピークがずれ得る。その場合に、上記したように、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値を可変させることで、高周波数f側にピークを持つ周波数fP1や低周波数f側にピークを持つ周波数fP2に調整できる。これにより、集積回路の製造ばらつきに起因して増幅器10の周波数ピークがばらついたとしても、それを目的の周波数に合わせることが可能となる。
また第1トランス21、第2トランス41を用いているため、差動構成においてインピーダンス変換を簡易に行うことができる。
ここで、特許文献1記載の従来技術は、出力負荷のトランスの一次側の可変容量の値を調整して負荷インピーダンスの虚部を制御すると共に、トランスの二次側の可変容量の値を調整して負荷インピーダンスの実部を制御し、電力付加効率や出力電圧の最適化を実現している。
しかしながら、従来技術は、周波数帯域幅を考慮した増幅器の入出力整合回路のインピーダンス制御には適さない。すなわち、周波数可変には負荷インピーダンスではなく入出力インピーダンスについて制御する必要があるが、従来技術では負荷インピーダンスを制御する構成となっている。ここで、従来技術が制御対象としている負荷インピーダンスとは、図1において増幅部コア30からみた出力整合回路40のインピーダンスであり、本実施形態が制御対象とする入力インピーダンスZinや出力インピーダンスZoutと異なる点に注意されたい。
一方、本実施形態では、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutの実部を系の基準アドミタンス値Yに一致させた状態で、可変容量22a~22d、42a~42dを用いて入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutの虚部のみを制御している。これにより、入力整合回路20や出力整合回路40の周波数ピークを制御している。
また別の見方をすれば、増幅器10の小信号電圧利得S21のピーク周波数fp1、fp2を調整する技術を提示しており、必ずしも電力付加効率や出力電力を最適化しているわけではない。また特許文献1記載の従来技術は、周波数帯域を考慮することなく、周波数特性が合っている前提において、ある周波数一点における電力付加効率及び出力電力を考慮している。この点で、本実施形態は、従来技術とは調整の目的、課題、構成、作用効果も異なる。
次に、第1実施形態におけるその他の変形例を説明する。
可変容量22a、22b、22c、22dについては、そのうちの一部を削除しても良いし一部を固定容量に置き換えても良い。可変容量42a、42b、42c、42dについても、そのうちの一部を削除しても良いし固定容量に置き換えても良い。
また、可変容量22a~22d、42a~42dは、差動信号線の両側に接続した形態を示しているが、その一方だけ、例えば、入力整合回路20であれば可変容量22a、22cだけ設け、出力整合回路40であれば可変容量42a、42cだけ設けても良い。逆に、入力整合回路20であれば可変容量22b、22dだけ設け、出力整合回路40であれば可変容量42b、42dだけ設けても良い。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第1実施形態では、周波数帯域f~fにおいて、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutのコンダクタンス成分Gin、Goutが特性インピーダンスZの逆数となる特性アドミタンス値Yに一致する場合を想定した。しかしながら、実際の高周波回路の設計では寄生成分により、これらが一致しない場合が想定される。このような場合でも、周波数帯域f~fにおいて、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutが一定の範囲内であれば、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値の調整により、第1実施形態で示した調整手法を、有意な効果の範囲で適用することができる。
具体的には、図7に示すように、周波数帯域f-fにおいて、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutがそれぞれVSWRが2以下の円の範囲にあるのが望ましい。基準となるVSWRの値を小さくして1に近づけることで、得られる効果を大きくすることができる。VSWRが2のときリターンロスは約10dBであり電力の約10%反射されていることになる。このときコンダクタンス成分Gin、Goutは、Y/2<Gin、Gout<2・Yの範囲が許容範囲になる。実際の高周波回路設計で起こりえるが、完全に反射を抑えられない場合でも、反射を有意な範囲で抑えることが可能な範囲で、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値の調整により増幅器10の周波数帯域の制御、調整が可能である。
また、図8に示すように、周波数帯域f-fにおいて、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutの実部がそれぞれVSWRが3以下の円の範囲にあるようにしても良い。VSWRが3のときリターンロスは約6dBであり電力の約25%反射されていることになる。このときコンダクタンス成分Gin、Goutは、Y/3<Gin、Gout<3・Yの範囲が許容範囲になる。このような許容範囲に設定する場合、VSWRが2以下の場合より反射が大きくなるものの、より広い範囲において適用が可能になる。
さらに、周波数帯域f-fにおいて、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutの実部がそれぞれVSWRが6以下の円の範囲にあるようにしても良い。VSWRが6のときリターンロスは約3dBであり電力の約50%反射されていることになる。このように、少なくともVSWRが6の範囲内にあるようにすれば、反射を50%以下に抑えられる範囲で、増幅器10の周波数帯域の制御、調整が可能となる。
なお、図7及び図8中において、低周波数f側に合わせた時を実線、高周波数f側に合わせた時を点線で示してある。また、図7では、VSWR=2の円、図8では、VSWR=3の円を太線で示してある。
以上説明したように、アドミタンスがYである等コンダクタンス線上にコンダクタンス成分Gin、Goutが完全には乗らない場合でも、入力アドミタンスYin、出力アドミタンスYoutが所定のVSWRの範囲内入るようにする。このようにすることで、入力及び出力での電力反射の影響を有意な範囲で抑えた上で、増幅器10の周波数帯域の調整が可能である。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態では、入出力整合回路におけるトランスの一次側と二次側の比を変える場合について説明する。以下、図9を参照して、本実施形態にかかる増幅器10について説明する。
図9に示すように、増幅器10では、入力整合回路20における第1トランス21の一次巻線21aと二次巻線21bとの巻数比が1:n1とされ、第2トランス41の一次巻線41aと二次巻線41bとの巻数比がn2:1とされている。ここでn1、n2は1より大きな実数である。すなわち、第1トランス21については、二次巻線21bの巻数が一次巻線41aの巻数よりも多くなっており、また第2トランス41については、一次巻線41aの巻数が二次巻線41bの巻数より多くなっている。
ここでの巻数比については、一次巻線21a対二次巻線21bの巻数比をma:na、(但しma<na)、一次巻線41a対二次巻線41bの巻数比をnb:mb(但しnb>mb)として表現することもできる。
すなわち、第1トランス21の一次側の自己インダクタンスをL11、二次側の自己インダクタンスをL12としたとき、L11<L12とするように一次巻線21a及び二次巻線21bの巻数を設定している。また、第2トランス41の一次側の自己インダクタンスをL21、二次側の自己インダクタンスをL22としたとき、L21>L22とするように一次巻線41a及び二次巻線41bの巻数を設定している。
第1トランス21及び第2トランス41は、それぞれの巻数比を変更することで、第1トランス21及び第2トランス41に接続された可変容量22a~22dの大きさを任意に設定できる。
特に、第1トランス21においては、巻数が多いn1とされた二次巻線21b側のネット23c、23dに接続される可変容量22c、22dの容量値を小さくできる。また、第2トランス41においては、巻数が多いn2とされた一次巻線41a側のネット43a、43bに接続される可変容量42a、42bの容量値を小さくできる。可変容量22c、22d、42a、42bの容量値を小さくすることで、可変容量22c、22d、42a、42bのインピーダンスを高くでき、高周波が入力された際の可変容量22c、22d、42a、42bを通じた信号漏れを少なくできる。このように、トランス21、22の巻数比を意図的に設定することで、可変容量22c、22d、42a、42bにおける高周波ロスを低減できる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第3実施形態に対して、入出力整合回路におけるトランスの巻数の多い側、つまりインダクタンスLが大きい側のみに可変容量を付け、巻数の少ない側では容量を固定値とするものである。
図10に示す増幅器10では、入力整合回路20における第1トランス21の一次側のネット23a、23bに、可変容量22a、22bの代わりに固定容量24a、24bが接続されている。また、出力整合回路40における第2トランス41の二次側のネット43c、43dに、可変容量42c、42dの代わりに固定容量44a、44bが接続されている。
つまり、巻数比を1:n1とした第1トランス21のうち巻数比n1側のネット23c、23dに接続される容量を可変容量22c、22dとし、巻数比1側のネット23a、23bに接続される容量を固定容量24a、24bとしている。また、巻数比をn2:1とした第2トランス41のうち巻数比n2側のネット43a、43bに接続される容量を可変容量42a、42bとし、巻数比1側のネット43c、43dに接続される容量を固定容量44a、44bとしている。
ここで、増幅器において、ピーク周波数fは、インダクタンスLと容量値Cに基づく共振周波数によって決まり、簡略化すると次式のように表される。
Figure 0007275624000001
この数式に表されるように、LCの値を変化させることで、ピーク周波数を変化させられる。ただし、高周波でのロスを少なくするためには、できるだけインダクタンスLを大きくし、容量値Cを小さくすることが望ましい。可変容量はゲート容量を有するMOSFET等を用いて構成されているので、同じ容量値でも固定容量と比べ可変容量の方が高周波信号の損失が大きくなるため、容量値Cをできるだけ可変容量側の値を小さくすることが信号漏れの低減に繋がる。
このため、本実施形態のように、インダクタンスLが大きくなる側、つまり巻線比が多い側に可変容量22c、22d、42a、42bを付けるようにすれば、可変容量22c、22d、42a、42bの容量値を相対的に抑えることが可能となる。その結果、可変容量22c、22d、42a、42bでの高周波でのロスを低減することが可能となる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態では、第4実施形態において、可変容量の容量値に制限がある場合について説明する。
図11に示す増幅器10では、増幅部コア30を、ソース接地された一対のMOSFET31a、31bを用いて構成している。ただし、増幅部コア30の構成については一例を示したに過ぎず、他の回路構成とされていても良い。そして、入力整合回路20や出力整合回路40は、第4実施形態と同様の構成とされているが、可変容量22c、22d、42a、42bの容量値に制限を設けている。
ここで、増幅器10において、MOSFET31a、31bのゲートソース間容量をそれぞれCgsとし、可変容量22c、22d、42a、42bの容量値をそれぞれCTUNEとして、本実施形態では、「CTUNEの最大値≦2Cgs」を満たすCTUNEに制限している。好ましくは「CTUNEの最大値≦Cgs」を満たすように、より好ましくは「CTUNEの最大値≦1/2Cgs」を満たすように、CTUNEを制限すると良い。
本実施形態の回路構成においては、入力整合回路20の可変容量22c、22dとMOSFET31a、31bのゲートソース間容量が並列接続された状態となる。このような構成では、可変容量22c、22dを通じて、信号の漏れが発生し、CgsとCTUNEの相対的な大きさに応じて可変容量22c、22dでの漏れ量が決まる。従って、CTUNEの値をCgsに対し相対的に小さくするほど、可変容量22c、22dのインピーダンスが相対的に大きくなるため、可変容量22c、22dでの漏れ量を小さくすることが可能となり、高周波信号の損失を抑制できる。
より具体的には、「CTUNEの最大値≦1/2Cgs」とすれば可変容量22c、22dでの高周波信号の損失をほぼ無視すること可能となる。また、「CTUNEの最大値≦Cgs」としても可変容量22c、22dのインピーダンスはゲートソース間容量と同程度以上にすることが可能になる。さらに、「CTUNEの最大値≦2Cgs」とした場合、上記の場合と比較すると効果が小さくなるものの、CTUNEを制限することによる可変容量22c、22dでの高周波信号の損失の低下が図れる。
可変容量22c、22dでは、図2Cに示すように固定容量51~53に対して高周波スイッチの役割を担うMOSFET54~56が直列接続された構成とされている。このため、MOSFET54~56がオン状態のときには、一定のオン抵抗を持つために、信号漏れが生じると電力損失が発生する。したがって、本実施形態のようにCTUNEを制限することによって可変容量22c、22dでの高周波信号の漏れを低下させることで、損失を抑制することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、第1~第5実施形態に対して増幅部コア30の構成を指定したものである。なお、ここでは特に有効な構成として、第4、第5実施形態のように、入出力整合回路に備えられるトランスの増幅部コア側の巻線比を高くする構成とした場合を例に挙げて説明するが、第1~第3実施形態の構成であってもよい。
図12に示す増幅器10では、増幅部コア30は、入力整合回路20と出力整合回路40との間において、トランジスタとしてのMOSFET31a、31bとMOSFET32a、32bとをカスコード接続した構成とされている。
第1トランス21の二次巻線21bの巻数、又は、第2トランス41の一次巻線41aの巻数が多くなると、第1トランス21や第2トランス41での変圧により、巻数が大きい側に発生する電圧が大きくなる。このため、MOSFET31a、31bやMOSFET32a、32bにおけるHCI(Hot Carrier Injection)の問題が発生しやすくなる。本実施形態の増幅部コア30の回路構成によれば、MOSFET31a、31bとMOSFET32a、32bとがカスコード接続されているため、第5実施形態のようなソース接地のMOSFET31a、31bのみによる増幅部コア30に比較して耐圧を高めることができる。特に、第1トランス21や第2トランス41の巻線比を1:1から変えた場合に、カスコード接続にすることによる耐圧の改善の効果が期待される。
特に、ミリ波帯域で使用される集積回路を微細CMOSプロセスにより製造する場合、ソース-ドレイン間電圧により発生するHCIに対する耐圧が低いため、本実施形態のようなカスコード接続を適用することによる耐圧の改善は効果が大きい。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、第6実施形態に対して増幅部コアの構成を変更したものである。増幅部コア以外の部分については、第7実施形態と同様であるため、増幅部コアについてのみ図示して説明する。
図13に示す増幅部コア30は、一対のMOSFET31a、31bとコンデンサ33a、33bとを備えた構成とされている。具体的には、一対のMOSFET31a、31bについてはソース接地されている。そして、一方のMOSFET31aのドレインと他方のMOSFET31bのゲートとの間、及び、他方のMOSFET31bのドレインと一方のMOSFET31aのゲートとの間に、それぞれコンデンサ33a、33bがクロスカップル接続されている。
このような回路構成とすることで、増幅部コア30の入出力インピーダンスが変化した場合であっても、Kファクタを安定させることができる。
なお、本実施形態のように一対のMOSFET31a、31bおよびコンデンサ33a、33bにてクロスカップル接続した回路構成に対して、第6実施形態のようにMOSFET31a、31bとMOSFET32a、32bとをカスコード接続する構成を組み合わせても良い。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して入出力整合回路の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様である。ここでは、第5実施形態のように増幅部コアをソース接地したMOSFETを用いて構成しつつ、第1実施形態に対して入出力整合回路の構成を変更する場合を例に挙げて説明するが、増幅部コアの構成については他の回路構成であっても良い。
図14に示すように、入力整合回路20は、第1トランス21と、可変容量22e、22fとを備える。可変容量22eは、第1トランス21の一次側の差動信号線を構成するネット23aとネット23bとの間に接続されている。可変容量22fは、第1トランス21の二次側の差動信号線を構成するネット23cとネット23dとの間に接続されている。このように差動構成としている。
一方、出力整合回路40は、第2トランス41と、可変容量42e、42fとを備える。可変容量42eは、第2トランス41の一次側の差動信号線を構成するネット43aとネット43bとの間に接続されている。可変容量42fは、第2トランス41の二次側の差動信号線を構成するネット43cとネット43dとの間に接続されている。このように差動構成としている。
図15は、可変容量22e、22f、42e、42fの回路図を示している。可変容量22e、22f、42e、42fは同様の回路構成とされているが、これらを構成する各素子のパラメータは、同一であっても良いし互いに異なっていても良い。
可変容量22e、22f、42e、42fは、複数の固定容量61~63と、これらの固定容量61~63の両端それぞれに接続された複数のMOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bとを備えている。各固定容量61~63に対して、複数のMOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bそれぞれのドレインが接続され、各固定容量61~63と複数のMOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bとがそれぞれ直列接続されている。そして、各直列接続回路が正側のRFノードN1と負側のRFノードN2との間に接続されている。正側のRFノードN1は、第1トランス21の一次側および二次側の一方のネット23a、23cや第2トランス41の一次側および二次側の一方のネット43a、43cに接続される。負側のRFノードN2は、第1トランス21の一次側および二次側の他方のネット23b、23dや第2トランス41の一次側および二次側の他方のネット43b、43dに接続される。
MOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bのゲートと制御回路11との間、これらのMOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bのバックゲートとグランドと間、ドレインとソースと間には、抵抗Rg、Rb、Rjpがそれぞれ接続されている。
なお、第1トランス21のうちMOSFET31a、31bのゲートに繋がる二次巻線21bにはゲートバイアスを印加するためのセンタータップが設けられる。また、第2トランス41のうちMOSFET31a、31bのドレインに繋がる一次巻線41aには電源Vddに接続されるセンタータップが設けられる。ただし、図11、図12および図14では、図示を省略している。
以上説明したように、本実施形態では、差動間に可変容量22e、22f、42e、42fを備えるようにしているため、可変容量22e、22f、42e、42fの使用個数を少なくできる。このため、第1実施形態と比べて、集積回路が形成されるチップ中において可変容量22e、22f、42e、42fを構成するMOSFET64a、64b、65a、65b、66a、66bが占有するレイアウト面積を縮小できる。
なお、ここでは、第1トランス21や第2トランス41について、一次対二次で巻線比が同じとされている場合を例に挙げているが、一次対二次で巻数比が異なっていても良い。
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。本実施形態では、第1~第8実施形態で説明した第1トランス21、第2トランス41のレイアウト構成例について説明する。
図16Aは、第1トランス21の一次対二次の巻線比を1:1とする場合のレイアウト図であり、図16Bは、図16A中のXVI-XVI断面図である。これらの図に示す構成は、第2トランス41にも適用可能であるが、ここでは第1トランス21の構成例として説明する。
図16Aに示すように、第1トランス21の一次巻線21aと二次巻線21bを共に1巻として、一次対二次の巻数比を1:1とするレイアウト構成とされている。
一次巻線21aおよび二次巻線21bは、集積回路内に備えられる積層構造のメタル配線からなる配線層の一部を用いて構成され、例えば積層構造の中でも上層に位置する厚膜のグローバル配線層を用いて構成される。図16Bに示すように、一次巻線21aは、第1レイヤL1に構成され、二次巻線21bは、層間膜21cを介して第1レイヤL1上に配置された第2レイヤL2に構成されている。平面視において、一次巻線21aのスパイラル部21aaは、二次巻線21bのスパイラル部21baと極力重ならないように配置されている。ここではスパイラル部21aaおよびスパイラル部21baを各辺が対向する矩形状で構成しており、スパイラル部21aaの内側にスパイラル部21baが配置された構成とされている。そして、一次巻線21aの引出部21abと二次巻線21bの引出部21bbが互いに反対方向に引き出されることで、平面視において、一次巻線21aと二次巻線21bとの重なりがスパイラル部21aaと引出部21bbとの重なり部のみとされている。つまり、スパイラル部21aaとスパイラル部21baについては、重なりが無く、互いに異なる領域に配置されたレイアウト構成とされている。
このように、第1トランス21の一次巻線21aと二次巻線21bとの重なりを極力少なくすることにより、第1トランス21内部にて発生する寄生容量を減らすことができる。このため、可変容量部の固定分が減り、可変容量の可変比、つまり可変容量の容量値CTUNEの最小値に対する最大値の比(CTUNEの最大値/CTUNEの最小値)を増やすことができ、その結果、周波数可変範囲をより大きくすることができる。
さらに、図16Bに示すように、スパイラル部21aaとスパイラル部21baについては、それぞれの側面21acと側面21bcとによる寄生容量や上面21adと下面21bdとによる寄生容量を削減するために、これらの間の配線スペースをこれらの配線厚程度取っている。
なお、ここでは一次対二次の自己インダクタンスの比を1:1とすることを想定しているが、スパイラル部21aaとスパイラル部21baのサイズが異なることになるため、正確に自己インダクタンスの比が1:1になるわけではない。このことは、第1トランス21だけでなく、第2トランス41についても同様である。
図17は、第1トランス21の一次対二次の巻線比を1:n1とする場合のレイアウト図である。図17に示すように、第1トランス21の一次巻線21aを1巻、二次巻線21bを2巻として、一次対二次の巻線比を1:2とするレイアウト構成とされている。この図に示す構成は、一次と二次の巻数を入れ替えることで、第2トランス41にも適用可能である。
一次巻線21aは、第1レイヤL1を用いて形成され、平面視において、スパイラル部21aaが矩形状に1巻され、引出部21abが一方向に引き出された構成とされている。二次巻線21bは、主に第2レイヤL2を用いて形成され、スパイラル部21ba内において、矩形状に2巻され、引出部21bbが引出部21bbと反対方向に引き出された構成とされている。スパイラル部21baのうち、2巻するときに交差する領域については、第1レイヤL1の一部を使用し、ビアVを通じて第2レイヤL2と第1レイヤL1の一部とを接続した構成としている。
このような構成としても、第1トランス21の一次巻線21aと二次巻線21bとの重なりを極力少なくすることにより、寄生容量を減らすことができる。このため、可変容量部の固定分が減り、可変容量の可変比を増やすことができ、その結果、周波数可変範囲をより大きくすることができる。
なお、第1トランス21の断面については図示していないが、スパイラル部21aaとスパイラル部21baのうち隣接する部分との配線スペースについて、図16Bと同様に配線厚程度取っており、寄生容量の削減が図られている。
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。ここでは、第1トランス21、第2トランス42のシールド構造について説明する。なお、第1トランス21と第2トランス42のシールド構成については同様の構成とされることから、ここでは第1トランス21を例に挙げて説明する。また、第1トランス21や第2トランス41の巻線比についても1:1に限らない。
図18に示すように、集積回路上において、第1トランス21の一次巻線21a、二次巻線21bを構成する第1レイヤL1、第2レイヤL2とシリコン基板との間のレイヤL3に、グランド電位となるシールド層Sを設けることができる。ただし、本実施形態では、図18に示すように、少なくとも第1トランス21の一次巻線21a、二次巻線21bの形成領域を含む所定領域にはシールド層Sを設けていない。
図19は、シールド層Sを第1トランス21の一次巻線21a、二次巻線21bの形成領域を含む所定領域に設けた比較例を示している。
例えば、シリコン基板を用いてミリ波などの高い周波数帯域で動作する集積回路を構成すると、シリコン基板は、渦電流に基づく損失を生じる抵抗性の導体ではなく誘電体として振る舞う。したがって、シリコン基板の抵抗性による損失は高周波になるほど少なくなるため、一次巻線21a、二次巻線21bの下部のローカル配線を使用したシールドは必要ない。抵抗としての性質と容量としての性質が切り替わる緩和周波数fは、1/(2περ)により求めることができる。εはシリコン基板の誘電率、ρはシリコン基板の抵抗率を示している。シリコン基板は、その比誘電率が12であり、シリコン基板の抵抗率を10[Ω・cm]とすると、緩和周波数fは、約15[GHz]となり、30[GHz]以上のミリ波帯では、シリコン基板による損失は相対的に無視することが可能となる。このため、シールド層SがレイヤL3に設けられていなくても、シリコン基板による損失が大きくなることはない。
一方、可変容量22a、22b、22c、22dを用いて周波数制御する場合には、寄生容量を極力少なくすることが望ましい。このため、少なくとも、第1トランス21の一次巻線21a、二次巻線21bの形成領域を含む所定領域に、グランド電位となるシールド層Sを設けない方が良い。
本実施形態の図18の構成によれば、第1トランス21の一次巻線21a、二次巻線21bの形成領域にはシールド層Sを設けていないため、寄生容量を抑えることができる。このため、寄生容量による固定分の容量を低減でき、第9実施形態で示した可変容量の可変比をより大きくできる。
なお、一次巻線21aと二次巻線21bを同一レイヤで構成することもできるが、この場合であっても、一次巻線21aと二次巻線21bの形成領域を含む所定領域にシールド層Sを設けないようにすることで寄生容量を抑えることができ、同様の効果を奏する。また、シリコン基板の抵抗率を10[Ω・cm]としたが、抵抗率の値により、抵抗性と容量性が切り替わる緩和周波数は変動することに注意する必要がある。さらにシリコン基板の抵抗率自体に温度依存があることに注意する必要がある。
(第11実施形態)
第11実施形態について説明する。本実施形態では、可変容量のうちの高周波スイッチの役割を担うMOSFETを複数段縦積みにする場合について説明する。
例えば、可変容量22a~22d、42a~42dについて、図2Cの構成に代えて図20に示す構成とすることができる。可変容量22a~22d、42a~42dは、高周波スイッチとしての役割を担うMOSFET54a、54b、55a、55b、56a、56bと、固定容量51~53とを主に備える。
固定容量51とMOSFET54a、54bとの直列接続回路、固定容量52とMOSFET55a、55bとの直列接続回路、及び、固定容量53とMOSFET56a、56bとの直列接続回路がRFノードN1とグランドGrとの間に並列接続されている。そして、各MOSFET54a、54b、55a、55b、56a、56bのゲートと制御回路11との間、バックゲートとグランドとの間、ドレインとソースとの間には、抵抗Rg、Rb、Rjpがそれぞれ接続されている。
この構成によれば、各直列接続回路において、MOSFET54a、54b、55a、55b、56a、56bを2段に縦積みしているため、可変容量22a~22d、42a~42dの耐圧を向上できる。
特に、第3実施形態などのように第1トランス21の一次対二次の巻数比を1:n1、第2トランス41の一次対二次の巻数比をn2:1にしたときには、巻数が多い側の電圧が大きくなる。この場合に、本実施形態のように、MOSFET54a、54b、55a、55b、56a、56bを複数段縦積みすることで、可変容量22a~22d、42a~42dの耐圧を向上できる。このため、可変容量22a~22d、42a~42dを第1トランス21や第2トランス41における巻数が多く、電圧振幅が大きくなる側で使用することで、耐圧を改善できる。
(第12実施形態)
第12実施形態について説明する。上記各実施形態では差動信号を前提とした増幅器の周波数可変の構成について説明したが、本実施形態では、単相信号の場合での増幅器の周波数可変の構成とする。以下、本実施形態の増幅器について、図21~図24を参照して説明する。
図21に示すように、本実施形態の増幅器70は、入力整合回路80、増幅部コア90、及び出力整合回路100を備える。
入力整合回路80から出力される単相信号が増幅部コア90に入力され、増幅部コア90において電流電圧変換された信号として出力整合回路100に伝えられたのち、単相信号として出力される。
増幅部コア90は、MOSFET91とインダクタ92とを備え、電圧電流変換を担う。MOSFET91は、ゲートが入力整合回路80の出力に接続されたソース接地回路形式とされている。インダクタ92は、バイアス供給のためのものであり、MOSFET91のドレインと電源Vddの供給端子との間に接続されている。
なお、ここではMOSFET91をソース接地回路形式としているが、この形式に限定するものではない。インダクタ92については、伝送線路によるスタブを構成しても良い。また、図21では、MOSFET91のゲートバイアス回路、ゲート端子及びドレイン端子でのDC成分をカット目的の容量を省略している。
このように構成される増幅器70において、入力整合回路80、出力整合回路100の回路構成の例として、図22~図24に示す3つのパターンを取ることが可能である。図22~図24に示す回路構成については、入力整合回路80と出力整合回路100のいずれにも適用可能であるが、以下では、入力整合回路80の適用例として説明する。
図22に示す回路構成では、入力整合回路80は、ネット81にインダクタ82を備えると共に、インダクタ82に対して並列に、具体的にはインダクタ82の入力側端子とグランドGrとの間に可変容量83を備える。
また、図23に示す回路構成では、入力整合回路80は、ネット81にインダクタ82を備えると共に、インダクタ82に対して並列に、具体的にはインダクタ82の出力側端子とグランドGrとの間に可変容量83を備える。
また、図24に示す回路構成では、入力整合回路80は、ネット81にインダクタ82a、82bを直列に備えると共に、インダクタ82a、82bに対して並列に可変容量83を備える。可変容量83は、ネット81のうちのインダクタ82aとインダクタ82bとの間の部分とグランドGrとの間に備えられている。
このように、図22~図24のいずれの回路構成においても、インダクタ82a、82bに対して並列に可変容量83を構成している。インダクタ82a、82bに対して直列に可変容量83を備えることもできるが、直列の抵抗成分が大きくなり高周波ではロスが大きくなる。したがって、上記の回路構成とすることで、高周波ロスを抑えることができる。
以上説明したような単相信号の場合の増幅器70についても、入力整合回路80と出力整合回路100に対して可変容量83を備える構成を適用でき、差動信号を前提とした上記各実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、インダクタ82、82a、82bは、入力整合回路80に用いた場合には第1インダクタに相当し、出力整合回路100に用いた場合には第2インダクタに相当する。
(第13実施形態)
第13実施形態について説明する。本実施形態では、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値の変更方法の一例について、図2A、図2Bの構成を用いて説明する。ただし、これに限らず、図2A、図2B以外の回路構成とされた各実施形態についても、同様の容量値の変更方法を適用できる。
上記したように、可変容量22a~22d、42a~42dの容量値を調整することで、入力整合回路20や出力整合回路40の周波数ピークを高周波数f側や低周波数f側へ可変させている。
この場合に、入力整合回路20と出力整合回路40の可変容量22a~22d、42a~42dを同じ方向、つまり共に周波数ピークを高周波数f側に可変させたり、共に周波数ピークを低周波数f側に可変させたりすることが考えられる。このようにすると、増幅器10の入力側と出力側の周波数ピークの移動方向が一致するため、正の相関を持たせることができ、次に説明する負の相関を持たせる場合と比較して、増幅器10の利得を大きくすることができる。
また、入力整合回路20と出力整合回路40の可変容量22a~22d、42a~42dを逆方向、つまり一方については周波数ピークを高周波数f側に可変させ、他方については周波数ピークを低周波数f側に可変させることが考えられる。このようにすると、増幅器10の入力側と出力側の周波数ピークの移動方向が逆方向になるため、負の相関を持たせることができる。この場合、上記した正の相関を持たせる場合と比較して、増幅器10の利得が下がるが、周波数帯域幅を増やすことができる。
さらに、図25に示すように、増幅器10を複数段接続した構成の周波数帯域可変増幅回路とすることもできる。その場合に、複数段それぞれの増幅器10について、可変容量22a~22d、42a~42dを同じ方向に可変させることができる。つまり、各増幅器10の入力側と出力側の周波数ピークをすべて高周波数f側に可変させたり、すべて低周波数f側に可変させる。このようにすれば、増幅器10を複数段接続した構成の全体での利得を最大にできる。
また、複数段それぞれの増幅器10について、可変容量22a~22d、42a~42dを逆方向に可変させることができる。例えば、図25に示すように2段の増幅器10を備える場合、一方の増幅器10については入力側と出力側の周波数ピークを共に高周波数f側に可変させ、他方の増幅器10については入力側と出力側の周波数ピークを共に低周波数f側に可変させる。また、各増幅器10の入力側と出力側の周波数ピークを逆方向に可変させて、共に負の相関を持たせるようにしても良い。このようにすれば、上記した複数段それぞれの増幅器10について入力側と出力側を同じ方向に可変させた場合と比較して利得は下がるが、周波数帯域幅を増やすことができる。
なお、図25では、複数段として、増幅器10を2段備える構成を例に挙げたが、3段以上としても良い。その場合において、可変容量を逆方向に可変させる場合には、増幅器10の総数を考慮して各方向とする増幅器10の数を決めれば良い。
(他の実施形態)
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
例えば、上記各実施形態における増幅器10について、量産選別工程の際に入力整合回路20及び出力整合回路40の周波数可変を静的に行うことを想定している。しかし、例えば、77GHz~81GHzの79GHz帯を用いるミリ波レーダーにおいては、レーダー同士の同一周波数帯での緩衝を防ぐため、4GHzの帯域を例えば1GHz毎に分割して周波数帯域を動的に変更することもある。
このとき、ミリ波レーダーの実アプリケーションを実行中に、制御回路11が入力整合回路20及び出力整合回路40を用いて動的にマッチング調整することで、増幅器10の周波数帯域を動的に変動する分割された帯域に合わせるようにしても良い。また、所定の周波数帯域幅で用いられる所定のアプリケーションとして、ミリ波レーダーを例に挙げたが、本発明はミリ波レーダー以外のアプリケーションに対しても適用可能である。具体的には、ミリ波帯を使用した無線通信規格である第5世代移動通信システムが挙げられる。
また、上記各実施形態において、増幅部コアや可変容量を構成するためのトランジスタとしてMOSFETを例に挙げて説明したが、MOSFETに限るものではなく、各種トランジスタを用いることもできる。
また、上記実施形態では、増幅器のうちの入力整合回路と出力整合回路の両方において、可変容量を備えると共に可変容量の容量値を可変とした構成について説明した。これに対して、少なくとも入力整合回路について可変容量の容量値を可変とする構成とすれば、増幅器の周波数帯域の変更が可能である。
また、可変容量については、入力整合回路に備えられるトランスの一次側と二次側の両方に備える場合、もしくはトランスの巻線比が一次対二次で1:n1とされる場合における二次側に備える場合について説明した。同様に、出力整合回路に備えられるトランスの一次側と二次側の両方に備える場合、もしくはトランスの巻線比が一次対二次でn2:1とされる場合における一次側に備える場合について説明した。これらも一例を示したに過ぎない。例えば、入力整合回路と出力整合回路ともに、トランスの巻線比にかかわらず、一次側と二次側の双方に可変容量を備えるようにしても良いし、一次側と二次側の一方のみを可変容量とし、他方を固定容量としても良い。
10、70 増幅器
20、80 入力整合回路
30、90 増幅部コア
40、100 出力整合回路
21、41 第1、第2トランス
22a~22d、42a~43d 可変容量
24a、24b、44a、44d 固定容量

Claims (14)

  1. 集積回路に構成された周波数帯域可変高周波増幅器であって、
    第1トランス(21)又は第1インダクタ(82)を用いて構成される入力整合回路(20、80)と、
    前記入力整合回路から入力される信号を増幅する増幅部コア(30、90)と、
    前記増幅部コアの出力側に接続されると共に第2トランス(41)又は第2インダクタ(82)を用いて構成される出力整合回路(40、100)と、を備え、
    前記入力整合回路と前記出力整合回路には、可変容量(22a~22d、42a~42d、83)が備えられており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は入力アドミタンスの虚部を制御するためのものであり、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は出力アドミタンスの虚部を制御するためのものであって、
    前記入力整合回路に備えられる前記可変容量の容量値を調整し、該入力整合回路の周波数ピークを高周波数(f)側もしくは低周波数(f)側に可変させることで前記入力アドミタンスの虚部が制御されると共に、
    前記出力整合回路に備えられる前記可変容量の容量値を調整し、該出力整合回路の周波数ピークを高周波数(f)側もしくは低周波数(f)側に可変させることで前記出力アドミタンスの虚部が制御され、
    前記入力整合回路の周波数ピークを可変させる方向と前記出力整合回路の周波数ピークを可変させる方向が一致させられ、共に前記高周波数側とされているか、もしくは、共に前記低周波数側とされていることで正の相関を持ち、
    前記入力整合回路は一次巻線(21a)及び二次巻線(21b)を有する前記第1トランス(21)を用いて構成されると共に、前記出力整合回路は一次巻線(41a)及び二次巻線(41b)を有する前記第2トランス(42)を用いて構成され、
    n1を1より大きな実数としたとき前記第1トランスの一次対二次の巻数比が1:n1により構成され、
    n2を1より大きな実数としたとき前記第2トランスの一次対二次の巻数比がn2:1により構成されており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量(22c、22d)は前記第1トランスの二次側に備えられ、
    前記第1トランスの一次側には固定容量(24a、24b)が備えられ、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量(42a、42b)は前記第2トランスの一次側に備えられ、
    前記第2トランスの二次側には固定容量(44a、44b)が備えられており、
    さらに、前記増幅部コアが、
    ソース接地された一対のMOSFET(31a、31b)を備え、
    前記可変容量の容量値をC TUNE とし、前記MOSFETのゲートソース間容量をCgsとして、
    前記容量値C TUNE の最大値と前記ゲートソース間容量Cgsとが、
    容量値C TUNE の最大値≦2・Cgs
    の関係とされている周波数帯域可変高周波増幅器。
  2. 集積回路に構成された周波数帯域可変高周波増幅器であって、
    第1トランス(21)又は第1インダクタ(82)を用いて構成される入力整合回路(20、80)と、
    前記入力整合回路から入力される信号を増幅する増幅部コア(30、90)と、
    前記増幅部コアの出力側に接続されると共に第2トランス(41)又は第2インダクタ(82)を用いて構成される出力整合回路(40、100)と、を備え、
    前記入力整合回路と前記出力整合回路には、可変容量(22a~22d、42a~42d、83)が備えられており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は入力アドミタンスの虚部を制御するためのものであり、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は出力アドミタンスの虚部を制御するためのものであって、
    前記入力整合回路に備えられる前記可変容量の容量値を調整し、該入力整合回路の周波数ピークを高周波数(f)側もしくは低周波数(f)側に可変させることで前記入力アドミタンスの虚部が制御されると共に、
    前記出力整合回路に備えられる前記可変容量の容量値を調整し、該出力整合回路の周波数ピークを高周波数(f)側もしくは低周波数(f)側に可変させることで前記出力アドミタンスの虚部が制御され、
    前記入力整合回路の周波数ピークを可変させる方向と前記出力整合回路の周波数ピークを可変させるが逆とされ、一方が前記高周波数側とされ、他方が前記低周波数側とされていることで負の相関を持ち、
    前記入力整合回路は一次巻線(21a)及び二次巻線(21b)を有する前記第1トランス(21)を用いて構成されると共に、前記出力整合回路は一次巻線(41a)及び二次巻線(41b)を有する前記第2トランス(42)を用いて構成され、
    n1を1より大きな実数としたとき前記第1トランスの一次対二次の巻数比が1:n1により構成され、
    n2を1より大きな実数としたとき前記第2トランスの一次対二次の巻数比がn2:1により構成されており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量(22c、22d)は前記第1トランスの二次側に備えられ、
    前記第1トランスの一次側には固定容量(24a、24b)が備えられ、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量(42a、42b)は前記第2トランスの一次側に備えられ、
    前記第2トランスの二次側には固定容量(44a、44b)が備えられており、
    さらに、前記増幅部コアが、
    ソース接地された一対のMOSFET(31a、31b)を備え、
    前記可変容量の容量値をC TUNE とし、前記MOSFETのゲートソース間容量をCgsとして、
    前記容量値C TUNE の最大値と前記ゲートソース間容量Cgsとが、
    容量値C TUNE の最大値≦2・Cgs
    の関係とされている周波数帯域可変高周波増幅器。
  3. 前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は、所定のアプリケーションの周波数帯域幅において、前記入力アドミタンスの虚部を制御するためのものであり、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は、前記所定のアプリケーションの周波数帯域幅において、前記出力アドミタンスの虚部を制御するためのものである請求項1または2に記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  4. 前記入力アドミタンスの実部および前記出力アドミタンスの実部が、系の特性アドミタンスの実部と電圧定在波比が6以下の範囲で一致する請求項1から3のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  5. 前記入力アドミタンスおよび前記出力アドミタンスが、電圧定在波比が6以下の範囲に含まれている請求項1から3のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  6. 集積回路に構成された周波数帯域可変高周波増幅器であって、
    第1トランス(21)又は第1インダクタ(82)を用いて構成される入力整合回路(20、80)と、
    前記入力整合回路から入力される信号を増幅する増幅部コア(30、90)と、
    前記増幅部コアの出力側に接続されると共に第2トランス(41)又は第2インダクタ(82)を用いて構成される出力整合回路(40、100)と、を備え、
    前記入力整合回路と前記出力整合回路には、可変容量(22a~22d、42a~42d、83)が備えられており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は入力アドミタンスの虚部を制御するためのものであり、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は出力アドミタンスの虚部を制御するためのものであって、
    前記入力整合回路は一次巻線(21a)及び二次巻線(21b)を有する前記第1トランス(21)を用いて構成されると共に、前記出力整合回路は一次巻線(41a)及び二次巻線(41b)を有する前記第2トランス(42)を用いて構成され、
    n1を1より大きな実数としたとき前記第1トランスの一次対二次の巻数比が1:n1により構成され、
    n2を1より大きな実数としたとき前記第2トランスの一次対二次の巻数比がn2:1により構成されており、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量(22c、22d)は前記第1トランスの二次側に備えられ、
    前記第1トランスの一次側には固定容量(24a、24b)が備えられ、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量(42a、42b)は前記第2トランスの一次側に備えられ、
    前記第2トランスの二次側には固定容量(44a、44b)が備えられていて、
    前記増幅部コアが、
    ソース接地された一対のMOSFET(31a、31b)を備え、
    前記可変容量の容量値をCTUNEとし、前記MOSFETのゲートソース間容量をCgsとして、
    前記容量値CTUNEの最大値と前記ゲートソース間容量Cgsとが、
    容量値CTUNEの最大値≦2・Cgs
    の関係とされている周波数帯域可変高周波増幅器。
  7. 前記増幅部コアは、前記入力整合回路と前記出力整合回路との間において、カスコード接続した複数のMOSFET(31a、31b、32a、32b)を有する回路構成とされている請求項1から6のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  8. 前記増幅部コアは、
    ソース接地された一対のMOSFET(31a、31b)を備え、
    一方のMOSFET(31a)のドレインと他方のMOSFET(31b)のゲートとの間、及び、前記他方のMOSFETのドレインと前記一方のMOSFETのゲートとの間、にそれぞれコンデンサ(33a、33b)を接続したクロスカップル接続とされている請求項1から7のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  9. 前記入力整合回路は、一次巻線(21a)及び二次巻線(21b)を備えた前記第1トランス(21)を用いて構成されると共に、前記出力整合回路は、一次巻線(41a)及び二次巻線(41b)を備えた前記第2トランス(41)を用いて構成され、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は、前記第1トランスの前記一次巻線の差動信号線を構成するネット(23a、23b)とグランドとの間と、前記第1トランスの前記二次巻線の差動信号線を構成するネット(23c、23d)と前記グランドとの間の少なくとも一方に接続され、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は、前記第2トランスの前記一次巻線の差動信号線を構成するネット(43a、43b)とグランドとの間と、前記第2トランスの前記二次巻線の差動信号線を構成するネット(43c、43d)と前記グランドとの間の少なくとも一方に接続されている請求項1から8のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  10. 前記入力整合回路は、一次巻線(21a)及び二次巻線(21b)を備えた前記第1トランス(21)を用いて構成されると共に、前記出力整合回路は、一次巻線(41a)及び二次巻線(41b)を備えた前記第2トランス(41)を用いて構成され、
    前記入力整合回路に備えられた前記可変容量は、前記第1トランスの前記一次巻線の差動信号線を構成するそれぞれのネット(23a、23b)の間と、前記第1トランスの前記二次巻線の差動信号線を構成するそれぞれのネット(23c、23d)の間との少なくとも一方に接続され、
    前記出力整合回路に備えられた前記可変容量は、前記第2トランスの前記一次巻線の両端の差動信号線を構成するそれぞれのネット(43a、43b)の間と、前記第2トランスの前記二次巻線の差動信号線を構成するそれぞれのネット(43c、43d)との少なくとも一方に接続されている請求項1から8のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  11. 前記第1トランスと前記第2トランスの前記一次巻線および前記二次巻線は、共に、スパイラル部(21aa、21ba)と引出部(21ab、21bb)とを有した構成とされ、前記一次巻線の前記スパイラル部と前記二次巻線の前記スパイラル部は、重なりが無く、互いに異なる領域に配置されたレイアウト構成とされている請求項9または10に記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  12. 前記第1トランスと前記第2トランスの前記一次巻線および前記二次巻線は、それぞれ所定のレイヤの配線層(L1、L2)を用いて構成され、
    前記所定のレイヤの配線層と異なるレイヤの配線層(L3)にはグランド電位となるシールド層(S)を備え、
    前記シールド層は、少なくとも前記第1トランス及び前記第2トランスの形成領域を含む所定領域には設けられていない請求項9から11のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  13. 前記可変容量は、固定容量(51~53、61~63)と、該固定容量との接続の切替えを行う高周波スイッチを構成するトランジスタ(54、54a、54b、55、55a、55b、56、56a、56b、64a、64b、65a、65b、66a、66b)と、が直列接続された直列接続回路を複数並列接続したものである請求項1から12のいずれか1つに記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
  14. 前記可変容量は、固定容量(51~53)と、該固定容量の接続の切替を行う高周波スイッチを構成するトランジスタ(54a、54b、55a、55b、56a、56b)と、が直列接続された直列接続回路を前記ネットと前記グランドとの間に複数並列接続したものであり、
    複数並列接続されたそれぞれの前記直列接続回路は、前記固定容量と前記グランドとの間に前記トランジスタが複数直列接続されることで複数段縦積みされた回路構成とされている請求項に記載の周波数帯域可変高周波増幅器。
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