JP7275519B2 - 気化式熱交換器 - Google Patents

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Description

この発明は、気化式熱交換器に関し、特に、冷媒が流れる冷媒流路を備える気化式熱交換器に関する。
従来、冷媒が流れる冷媒流路を備える気化式熱交換器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、内部に冷媒が流れるコイル(冷媒流路)を備える熱交換器(気化式熱交換器)が開示されている。上記特許文献1の熱交換器は、コイルを流れる冷媒を冷却する水を保持する湿潤層を備えている。
上記特許文献1の熱交換器では、湿潤層の水がコイルを介して接する冷媒から熱を奪って水蒸気となることにより、冷媒は冷却される。また、上記特許文献1の熱交換器では、湿潤層の水が周辺の空気から熱を奪って水蒸気となることにより、湿潤層の周辺の空気は冷却されるとともに、湿潤層から気化した水蒸気により、湿潤層の周辺の空気は加湿される。
特開2014-169861号公報
一般に、空気の温度が低いほど、空気に含むことのできる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が少なくなる。逆に、飽和水蒸気量を多くして空気中に多量の水蒸気を含むためには、空気の温度を高くしなければならない。ここで、空気が飽和水蒸気量(第1飽和水蒸気量)に達した状態において、空気の温度を下げた場合、第1飽和水蒸気量の空気は、空気の温度を下げた分だけ第1飽和水蒸気量よりも空気に含むことのできる水蒸気の量が少ない第2飽和水蒸気量の状態の空気になる。この場合、第1飽和水蒸気量と第2飽和水蒸気量との差の分だけ、空気に含まれる水蒸気が水へと凝結する。そして、空気に含まれる水蒸気が水へと凝結する際に発生する凝結熱により空気の温度が上昇するので、空気が第1飽和水蒸気量に達した状態に戻る。したがって、空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達すると、空気の温度低下と、空気に含まれる水蒸気の凝結熱による空気の温度上昇とがつり合うことになる。
ここで、上記特許文献1の熱交換器では、上記のように、湿潤層の周辺の空気は、湿潤層に冷却されて温度が低くなることにより、飽和水蒸気量が少なくなる。さらに、上記特許文献1の熱交換器では、湿潤層の周辺の空気は、湿潤層に加湿されることにより、湿潤層の周辺の空気の量が飽和水蒸気量に近付く。すなわち、上記特許文献1の熱交換器では、湿潤層により周辺の空気を加湿する分だけ、周辺の空気を加湿せずに冷却して飽和水蒸気量にした場合よりも高い温度で、湿潤層の周辺の空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する。
このため、上記特許文献1の熱交換器では、上記のように、湿潤層の水の冷却による周辺の空気の温度低下と、周辺の空気に含まれる水蒸気の凝結熱による周辺の空気の温度上昇とのつり合う温度が、周辺の空気を加湿せずに冷却して飽和水蒸気量にした場合よりも高くなるという不都合がある。つまり、上記特許文献1の熱交換器では、周辺の空気を加湿せずに冷却して飽和水蒸気量にした場合よりも高い温度(湿球温度)までしか、湿潤層の周辺の空気が冷却されない。なお、湿球温度とは、流路内を一定気圧に保ちながら、流路内において水を蒸発させて流路内の空気から気化熱を奪うことにより、流路内の水蒸気が飽和に達するまで、流路内を断熱的に冷却した場合の流路の温度である。
この結果、上記特許文献1の熱交換器では、空気が湿潤層により冷却されるとともに加湿されることにより、コイル(冷媒流路)を流れる冷媒の冷却能力を向上させることができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、冷媒流路を流れる冷媒の冷却能力を向上させることが可能な気化式熱交換器を提供することである。
この発明の一の局面による気化式熱交換器は、冷媒が流れる冷媒流路と、空気が流れる空気ドライ流路と、冷媒流路を流れる冷媒を冷却する水を保持する第1湿潤層と、空気ドライ流路を流れる空気を冷却する水を保持する第2湿潤層とが内表面部に設けられ、冷媒流路および空気ドライ流路に隣接するように配置された空気ウェット流路と、所定の間隔を隔てて配置された孔状の複数の冷媒流路に跨って設けられるとともに、複数の冷媒流路に冷媒を供給する管状の冷媒供給部材と、冷媒供給部材の延びる方向と交差する方向に延びるとともに、第1湿潤層に水を供給するための水供給部と、を備え、空気ドライ流路に流入された空気は、第2湿潤層により冷却された後、空気ウェット流路の内部に流れるように構成されている。
この発明の一の局面による気化式熱交換器では、上記のように、空気ドライ流路に流入された空気は、第2湿潤層により冷却された後、空気ウェット流路の内部に流すように構成されている。これにより、空気ウェット流路に設けられた第2湿潤層の水が、空気ドライ流路を流れる空気から熱(気化熱)を奪って、空気ウェット流路内において水蒸気となるので、第2湿潤層から気化した水蒸気により、空気ドライ流路内の空気を加湿せずに冷却することができる。すなわち、空気ドライ流路内の空気を第2湿潤層により冷却する際に加湿しないので、空気ドライ流路が加湿されない分だけ、空気ドライ流路の空気が加湿される場合よりも低い温度で、空気ドライ流路の空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する(飽和する)。このように、空気ドライ流路の空気が加湿される場合よりも低い温度で、空気ドライ流路の空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する(飽和する)ので、第2湿潤層の水の冷却による空気ドライ流路の空気の温度低下と、空気ドライ流路の空気に含まれる水蒸気の凝結熱による温度上昇とのつり合う温度が、空気ドライ流路の空気が加湿される場合よりも低くなる。つまり、空気ドライ流路の空気が加湿される場合よりも低い温度(湿球温度)以下に、空気ドライ流路の空気を冷却することができる。この結果、空気ドライ流路を設けることなく、空気を加湿しながら冷却する場合よりも、空気ウェット流路に流入する空気の温度を低くすることができるので、冷媒流路を流れる冷媒の冷却能力を向上させることができる。また、空気ドライ流路を設けることなく、空気を加湿しながら冷却する場合と比較して、空気ウェット流路に流入する空気の温度を低くすることができるので、空気ウェット流路に流入した空気の冷却に第1湿潤層の水が利用されないようにすることができる。この結果、第1湿潤層の水の大部分を冷媒流路内の冷媒の冷却に利用することができるので、冷媒流路を流れる冷媒の冷却を効率的に行うことができる。
上記一の局面による気化式熱交換器において、好ましくは、空気ドライ流路は、第1温度で流入した空気を、第2湿潤層により第1温度よりも低く、かつ、湿球温度よりも低い第2温度の空気として流出するように構成され、空気ウェット流路には、第2温度の空気が流入する。このように構成すれば、空気ウェット流路内の空気は露点温度を最低温度としながら、気化熱によって確実に冷却されることができる。つまり、空気ウェット流路に流入する第2温度の空気は、水蒸気の量が飽和、もしくは飽和に近い状態であるが、空気ウェット流路よりも温度の高い冷媒流路と空気ドライ流路から熱を奪う事で温度が上昇する。そして、温度が上昇する事で飽和水蒸気量が増えるので、第1湿潤層および第2湿潤層で気化が始まり、空気ウェット流路内の空気は第1湿潤層および第2湿潤層の気化によって冷却・加湿され、飽和状態に戻る。したがって、空気ウェット流路内の空気は飽和湿度曲線上を移動するように加湿が進む。この結果、冷媒流路を流れる冷媒の冷却能力をより向上させることができる。
この場合、好ましくは、空気ドライ流路は、空気ドライ流路の空気中に含まれる水蒸気が凝結する第2温度としての露点温度まで第1温度の空気を冷却可能に構成されている。なお、露点温度とは、流路内の水蒸気を含む空気を冷却したとき、凝決が始まる温度を示す。このように構成すれば、空気ドライ流路内の空気の温度を下限の露点温度まで冷却可能とすることにより、空気ウェット流路に流入させる第2温度の空気を最大限に冷却することができるので、第2温度の空気による空気ウェット流路内の冷却能力を向上させることができる。この結果、冷媒流路を流れる冷媒の冷却能力をより一層向上させることができる。
上記一の局面による気化式熱交換器において、好ましくは、第1湿潤層は、空気ウェット流路の冷媒流路側の内表面部に設けられ、第2湿潤層は、空気ウェット流路の空気ドライ流路側の内表面部に設けられている。このように構成すれば、第1湿潤層の水が気化することにより冷媒流路内の冷媒から直接的に気化熱を奪うことができるので、冷媒流路内の冷媒を効率よく冷却することができる。また、第2湿潤層の水が気化することにより空気ドライ流路内の空気から直接的に気化熱を奪うことができるので、空気ドライ流路内の空気を効率よく冷却することできる。これらにより、空気ドライ流路の空気を効率よく冷却することができるとともに、冷媒流路内の冷媒を効率よく冷却することができるので、冷媒流路を流れる冷媒の冷却をより効率的に行うことができる。
上記一の局面による気化式熱交換器において、好ましくは、空気ウェット流路は、空気ドライ流路および冷媒流路に対して全体にわたって隣接している。このように構成すれば、空気ウェット流路の全体にわたって空気ドライ流路の空気の冷却および冷媒流路の冷媒の冷却を行うことができるので、空気ドライ流路の空気および冷媒流路の冷媒を効果的に冷却することができる。
上記一の局面による気化式熱交換器において、好ましくは、空気ウェット流路を流れる空気の流れ方向は、冷媒流路を流れる冷媒の流れ方向とは逆方向である。このように構成すれば、第1湿潤層を介して冷媒流路の冷媒と熱交換する空気ウェット流路の空気の温度は、冷媒流路の下流に行くに伴って低くなり、冷媒流路の下流側端部において、冷媒は最も温度の低い空気ウェット流路内の空気と第1湿潤層を介して熱交換を行うことができる。ここで、冷媒流路の冷媒の流れ方向と空気ウェット流路の空気の流れ方向とが同じ場合、冷媒流路の冷媒が第1湿潤層を介して熱交換を行う空気ウェット流路の空気の温度は、下流に行くに伴って冷媒流路の冷媒により第1湿潤層を介して暖められて高くなる。そして、冷媒流路の冷媒は、冷媒流路の下流側端部において、最も温度の高い空気ウェット流路の空気と第1湿潤層を介して熱交換を行うことになる。これにより、冷媒流路の冷媒の流れ方向と空気ウェット流路の空気の流れ方向とが互いに逆方向の場合の方が、冷媒流路の冷媒の流れ方向と空気ウェット流路の空気の流れ方向とが同じ場合よりも、空気ウェット流路の上流側端部の空気の温度と、冷媒流路の下流側端部の冷媒の温度との差が大きくなるので、冷媒流路から流出する冷媒の温度を低くすることができる。すなわち、冷媒流路の冷媒と空気ウェット流路の空気との第1湿潤層を介した熱交換を効率的に行うことができる。
上記一の局面による気化式熱交換器において、好ましくは、冷媒流路を構成する平板形状の冷媒流路構成部材と、冷媒流路構成部材に対向する位置に配置され、空気ドライ流路を構成する平板形状のドライ流路構成部材とをさらに備え、空気ウェット流路は、冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材との間に設けられている。このように構成すれば、空気ウェット流路を構成する部材を設ける場合と異なり、空気ウェット流路を構成するための専用の部材を設ける必要がないので、気化式熱交換器の小型化および構成を簡略化することができる。
この場合、好ましくは、冷媒流路構成部材およびドライ流路構成部材は、それぞれ、空気ウェット流路を流れる空気の流れ方向に直交する断面において、冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材とが対向する方向の長さが小さい扁平形状を有し、冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材とは、冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材とが対向する方向において交互に並んで配置されている。このように構成すれば、隣り合わせて空気ウェット流路を配置することができるので、気化式熱交換器内に空気ウェット流路を無駄なく配置することができる。また、扁平形状の冷媒流路構成部材およびドライ流路構成部材の各々の表面積と同じ表面積を有する円筒管を並べて配置した場合と比較して、冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材とが対向する方向における気化式熱交換器のサイズ(寸法)を小さくすることができる。
本発明によれば、上記のように、冷媒流路を流れる冷媒の冷却能力を向上させることができる。
第1実施形態による気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第1実施形態による筐体を外した状態の気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第1実施形態による気化式熱交換器を示した断面図である。 第1実施形態による気化式熱交換器の冷却フィンを示した側面図である。 図4における110-110線に沿った断面図である。 図6(A)は第1実施形態による気化式熱交換器の冷却フィンの表面部上に第1湿潤層が形成される前の状態を示した模式図である。図6(B)は冷却フィンの表面部上に第1湿潤層が形成された後の状態を示した模式図である。 第1実施形態による気化式熱交換器における空気ドライ流路を示した断面図である。 図3における100-100線に沿った断面図である。 図9(A)は第1実施形態による気化式熱交換器の空気冷却部材の表面部上に第2湿潤層が形成される前の状態を示した模式図である。図9(B)は冷却フィンの表面部上に第2湿潤層が形成された後の状態を示した模式図である。 第1実施形態による気化式熱交換器における空気ウェット流路を示した断面図である。 第1実施形態による気化式熱交換器における空気ウェット流路および空気ドライ流路のそれぞれの空気の流れを示した模式図である。 第1実施形態による気化式熱交換器の内部を流れる空気の温度変化および絶対湿度の変化を示した模式的なグラフである。 第1変形例による筐体を外した状態の気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第2実施形態による筐体を外した状態の気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第2実施形態による気化式熱交換器における空気ドライ流路を示した断面図である。 第2実施形態による気化式熱交換器における空気ウェット流路を示した断面図である。 第2変形例による筐体を外した状態の気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第3実施形態による気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。 第3実施形態による筐体を外した状態の気化式熱交換器を示した模式的な斜視図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1~図10を参照して、第1実施形態による気化式熱交換器1の構成について説明する。気化式熱交換器1は、生鮮食品などを冷凍・冷蔵するための冷熱機器として構成されている。具体的には、図1および図2に示すように、気化式熱交換器1は、筐体2と、水平方向に複数(5個)並ぶ(積層する)冷却フィン3と、冷媒供給部材4と、水供給部材5と、水平方向に複数(5個)並ぶ(積層する)空気冷却部材6と、送風ファン7とを備えている。なお、冷却フィン3は、特許請求の範囲の「冷媒流路構成部材」の一例である。また、空気冷却部材6は、特許請求の範囲の「ドライ流路構成部材」の一例である。
ここで、水平方向において冷却フィン3の並ぶ方向をX方向とし、水平方向においてX方向に直交する方向をY方向とする。また、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向(上下方向)とする。なお、X方向は、特許請求の範囲の「冷媒流路構成部材とドライ流路構成部材とが対向する方向」の一例である。Z方向は、特許請求の範囲の「空気ウェット流路を流れる空気の流れ方向」の一例である。
筐体2は、略直方体形状を有している。筐体2は、冷却フィン3を内部に収容する第1ケース部21と、第1ケース部21のY2方向側(背面側)に取り付けられる第2ケース部22と、第1ケース部21のZ1方向側(上方向側)に取り付けられる第3ケース部23とを含んでいる。
図3に示すように、第1ケース部21は、冷却フィン3を内部に収容する内部空間21aを形成し、平面視で矩形の枠状となる複数(4個)の側壁部21bを有している。第1ケース部21は、Z1方向側(上方向側)の端部およびZ2方向側(下方向側)の端部のそれぞれに開口21c、21dを有している。第1ケース部21の内部空間21aは、Z1方向側(上方向側)の端部の開口21cを介して後述する第3ケースの内部空間23aに連通する。第1ケース部21の内部空間21aは、Z2方向側(下方向側)の端部の開口21dを介して外部空間に連通する。
また、図3に示すように、複数の側壁部21bのうちY1方向側(正面側)の側壁部21bおよびY2方向側(背面側)の側壁部21bには、それぞれ、複数の空気冷却部材6のそれぞれを差し込む複数のスリット21e、21fが形成されている。複数のスリット21e、21fは、それぞれ、X方向に並ぶように設けられている(図1参照)。
第2ケース部22は、内部空間22aと、内部空間22aに繋がるY1方向側(正面側)の端部の開口22bとを有している。第2ケース部22の内部空間22aは、後述する空気ドライ流路6aを介して外部空間に連通する。
第3ケース部23は、内部空間23aと、Y2方向側(背面側)の開口23bと、Z2方向側(下側)の開口23cとを有している。第3ケース部23の内部空間23aは、Y2方向側(背面側)の開口23bを介して第2ケース部22の内部空間22aに連通する。第3ケース部23の内部空間23aは、Z2方向側(下側)の開口23cを介して第1ケース部21の内部空間21aに連通する。
このように、気化式熱交換器1では、第2ケース部22および第3ケース部23により、空気ドライ流路6aと空気ウェット流路10とを繋ぐダクトが形成されている。
冷却フィン3は、図4および図5に示すように、冷却フィン3の表面部上に保持された水により、冷却フィン3を介して内部を流れる冷媒Cから気化熱を奪うことによって、冷媒Cを冷却するように構成されている。なお、冷媒Cには、フロン、水、空気、アンモニアまたは二酸化炭素などが用いられる。
具体的には、冷却フィン3は、冷媒流路3aを構成する平板形状を有している。冷媒流路3aは、冷媒Cを流す流路である。冷却フィン3は、Z方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。これにより、冷却フィン3は、冷媒流路3aを流れる冷媒Cから後述する第1湿潤層81への熱伝導を効率よく行うことが可能である。また、冷却フィン3は、Y方向に一定の間隔を空けて複数(4個)配置されている。複数の冷却フィン3は、Z方向において、互いに略平行になるように配置されている。冷却フィン3は、アルミニウムなどの金属または樹脂から形成されている。
冷媒流路3aは、冷却フィン3をZ方向に貫通する複数(4個)の貫通孔31を有している。複数の貫通孔31は、それぞれ、Z1方向から見て円形、もしくは矩形形状を有している。複数の貫通孔31は、略等間隔でY方向に並んでいる。
冷媒供給部材4は、Y方向に並ぶ複数の冷却フィン3のそれぞれの冷媒流路3aに冷媒Cを供給するように構成されている。具体的には、冷媒供給部材4は、冷媒流路3aに連通する複数の連通孔(図示せず)が形成された管部4aを含んでいる。管部4aは、Y方向に延びている。管部4aは、平面視において冷却フィン部3に重なる位置に配置されている。また、冷媒供給部材4は、冷却フィン部3のZ方向(上下方向)のそれぞれの端部に配置されている。
また、冷媒供給部材4は、Y方向に並ぶ複数の冷却フィン3のそれぞれの冷媒流路3aに連続的に冷媒Cを供給するように構成されている。具体的には、冷媒供給部材4は、Y方向に並ぶ複数の冷却フィン3のそれぞれの冷媒流路3aに、Z2方向側からZ1方向側に向かって冷媒Cを流すように構成されている。冷媒供給部材4は、Y方向に並ぶ複数の冷却フィン3のそれぞれの冷媒流路3aに冷媒C(高温冷媒)を供給可能なように、冷却フィン3のZ2方向側の端部に接続されている。冷媒供給部材4は、Y方向に並ぶ複数の冷却フィン3のそれぞれの冷媒流路3aから冷媒C(低温冷媒)を排出可能なように、冷却フィン3のZ1方向側の端部に接続されている。このような、冷媒供給部材4が、X方向に複数(4個)並んで配置されている(図2参照)。
ここで、図6(A)および図6(B)に示すように、気化式熱交換器1は、冷却フィン3の表面部に設けられ、水供給部材5から供給される水を保持する隙間を形成する複数の保持材8を備えている。保持材8は、冷却フィン3のX方向の各々の表面部上の全体に亘って配置されている。気化式熱交換器1では、複数の保持材8により形成された上記した隙間に生じる毛細管現象によって、水供給部材5から供給された水が冷却フィン3の表面部上に保持される。このようにして、冷却フィン3の表面部上に第1湿潤層81が形成される。
保持材8は、樹脂材(レーヨン、ナイロンおよびアクリルなどの樹脂)により形成された樹脂製繊維である。複数の保持材8は、冷却フィン3の表面部上に、たとえば静電植毛により接合されることが好ましい。なお、複数の保持材8は、冷却フィン3の表面部上に接着剤とともに吹き付けることにより接合されてもよい。
水供給部材5は、冷却フィン3に連続的に水を供給するように構成されている。具体的には、水供給部材5は、Z2方向側に複数の孔(図示せず)が形成された管部5aを含んでいる。水供給部材5は、冷却フィン3のZ1方向側(上方向側)に配置されている。
このような、Y方向に複数(4個)並んだ冷却フィン3のそれぞれに単一の冷媒供給部材4を取り付けた構成を1組として、X方向に複数(5組)並んでいる。また、水供給部材5は、Y方向に複数(4個)並んでいる。水供給部材5は、X方向に複数(5個)並んだ冷却フィン3のそれぞれに水を供給するように構成されている。複数(4個)の水供給部材5は、X方向に複数(4個)並んだ空気冷却部材6のそれぞれに水を供給するように構成されている。
空気冷却部材6は、図7および図8に示すように、空気冷却部材6の表面部上に保持された水により、空気冷却部材6を介して内部を流れる空気から気化熱を奪うことによって、空気を冷却するように構成されている。
具体的には、空気冷却部材6は、冷却フィン3に対向する位置に配置され(図2参照)、空気ドライ流路6aを構成する平板形状を有している。すなわち、複数の空気冷却部材6は、X方向に並ぶ複数の冷却フィン3同士の各隙間に配置されている。空気ドライ流路6aは、送風ファン7(図1参照)から送られる空気を流す流路である。空気冷却部材6は、Z方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。これにより、空気冷却部材6は、空気ドライ流路6aを流れる空気から後述する第2湿潤層91への熱伝導を効率よく行うことが可能である。空気冷却部材6は、ポリプロピレンなどの樹脂または金属から形成されている。
空気ドライ流路6aは、空気冷却部材6をY方向に貫通する複数(10個)の貫通孔61を有している。複数の貫通孔61は、それぞれ、Y1方向から視て矩形形状(図2参照)を有している。複数の貫通孔61は、略等間隔でZ方向に並んでいる。
送風ファン7(図1参照)は、X方向に並ぶ複数の空気冷却部材6のそれぞれの空気ドライ流路6aに空気を供給するように構成されている。具体的には、送風ファン7は、X方向に並ぶ複数の空気冷却部材6のそれぞれの空気ドライ流路6aに、Y1方向側からY2方向側に向かって空気を流すように構成されている。
ここで、図9(A)および図9(B)に示すように、気化式熱交換器1は、空気冷却部材6の表面部に設けられ、水供給部材5から供給される水を保持する隙間を形成する複数の保持材9を備えている。保持材9は、空気冷却部材6のX方向の各々の表面部上の全体に亘って配置されている。気化式熱交換器1では、空気冷却部材6に配置された複数の保持材9により形成された上記した隙間に生じる毛細管現象によって、水供給部材5から供給された水が空気供給部材の表面部上に保持される。このようにして、空気冷却部材6の表面部上に第2湿潤層91が形成される。なお、保持材9の構成は、上記した第1湿潤層81を形成する保持材8と同様であるため説明を省略する。
図10に示すように、冷却フィン3と空気冷却部材6とは、X方向において交互に並んで配置(積層)されている。冷却フィン3と空気冷却部材6とは、一定の間隔をあけて配置されている。ここで、冷却フィン3と空気冷却部材6との一定の間隔は、冷却フィン3の表面部上の第1湿潤層81(図6(B)参照)の水と空気冷却部材6の表面部上の第2湿潤層91(図9(B)参照)の水との架橋を抑制可能な間隔である。
気化式熱交換器1は、冷却フィン3と空気冷却部材6との間に設けられる空気ウェット流路10を備えている。すなわち、空気ウェット流路10は、冷媒流路3aおよび空気ドライ流路6aに隣接するように配置されている。空気ウェット流路10は、空気ドライ流路6aを通過した空気を流す流路である。ここで、空気ウェット流路10は、第1ケース部21の内部空間21aに、X方向において交互に並んで配置された冷却フィン3および空気冷却部材6を挿入することにより形成されている。すなわち、空気ウェット流路10は、冷却フィン3と空気冷却部材6との間の隙間により形成されている。空気ウェット流路10は、X方向において複数(8個)設けられている。
空気ウェット流路10は、冷媒流路3aを流れる冷媒Cを冷却する水を保持する上記した第1湿潤層81(図6(B)参照)と、空気ドライ流路6aを流れる空気を冷却する水を保持する上記した第2湿潤層91(図9(B)参照)とを設けた内表面部10a、10bを有している。ここで、第1湿潤層81は、空気ウェット流路10の冷媒流路3a側の内表面部10aに設けられている。なお、空気ウェット流路10の冷媒流路3a側の内表面部10aとは、冷却フィン3の外側の表面部を示す。第2湿潤層91は、空気ウェット流路10の空気ドライ流路6a側の内表面部10bに設けられている。なお、空気ウェット流路10の空気ドライ流路6a側の内表面部10bとは、空気冷却部材6の外側の表面部を示す。
空気ウェット流路10は、空気ドライ流路6aに対して全体にわたって隣接している。つまり、空気ウェット流路10は、X方向において空気ドライ流路6aに隣接するとともに、Z方向の全長にわたって空気ドライ流路6aに隣接している。
空気ウェット流路10は、冷媒流路3aに対して全体にわたって隣接している。詳細には、空気ウェット流路10は、X方向において冷媒流路3aに隣接するとともに、Z方向の全長にわたって冷媒流路3aに隣接している。すなわち、空気ウェット流路10と冷媒流路3aとは、X方向から視て互いに重なり合うように設けられている。また、空気ウェット流路10の上流側端部は、冷媒流路3aの下流側端部に隣接している。また、空気ウェット流路10の下流側端部は、冷媒流路3aの上流側端部に隣接している。
ここで、気化式熱交換器1内の空気は、上流側から、空気冷却部材6の空気ドライ流路6a、第2ケース部22の内部空間22a、第3ケース部23の内部空間23aおよび冷却フィン3と空気冷却部材6との間の空気ウェット流路10の順に流れる。すなわち、空気冷却部材6の空気ドライ流路6aでは、空気はY1方向側からY2方向側に流れる(図7参照)。第2ケース部22の内部空間22aでは、空気はZ2方向側からZ1方向側へ流れる(図7参照)。第3ケース部23の内部空間23aでは、空気はY2方向側からY1方向側へ流れる(図7参照)。空気ウェット流路10では、空気はZ1方向側からZ2方向側へ流れる(図10参照)。
また、空気ウェット流路10の空気の流れ方向が、空気の流れ方向D1である。そして、冷媒流路3aの冷媒の流れ方向が、空気の流れ方向D1とは反対方向の冷媒Cの流れ方向D2である。
(気化式熱交換器における熱の移動)
図11および図12を参照して、気化式熱交換器1における熱の移動について説明する。なお、図11は、気化式熱交換器1における熱の移動について説明するための概念図であり、空気(空気ドライ流路6aの空気)の流れ方向は、気化式熱交換器1における空気の流れ方向とは異なっている。
また、図11におけるAの部分は、空気ドライ流路6aの流入口部分を示しており、図12においては第1温度T1の空気の状態に対応する。図11におけるBの部分は、空気ドライ流路6aの流出口部分を示しており、図12においては第2温度T2の空気の状態に対応する。図11におけるCの部分は、空気ウェット流路10の流出口部分を示しており、図12においては第3温度T3の空気の状態に対応する。
本実施形態の気化式熱交換器1は、空気ウェット流路10の第1湿潤層81および第2湿潤層91を、空気ウェット流路10に流入した空気の冷却に利用することを抑制するように構成されている。すなわち、気化式熱交換器1は、空気ドライ流路6aにおいて予冷を行った空気を空気ウェット流路10に流入させて、空気ウェット流路10内における排熱を行うように構成されている。ここで、予冷とは、空気ウェット流路10内に流入する空気の温度を、第1湿潤層81または第2湿潤層91の水が空気ウェット流路10内に流入する空気から気化熱を奪いにくい温度まで冷却することを示す。
具体的には、気化式熱交換器1は、空気ドライ流路6aに流入された空気を、第2湿潤層91により冷却した後、空気ウェット流路10の内部に流すように構成されている。ここで、空気ドライ流路6aは、第1温度T1で流入した空気(外気)を、第1温度T1よりも低い第2温度T2の空気(冷却空気)として流出させるように構成されている。また、空気ウェット流路10は、第2温度T2の空気(冷却空気)を、第2温度T2よりも高く第1温度T1よりも低い第3温度T3の空気(高温多湿空気)として流出するように構成されている。ここで、第1温度T1の空気の温度は、外気温である。
〈空気ドライ流路における空気の予冷〉
空気ドライ流路6aは、第1温度T1で流入した空気を、第2湿潤層91により第1温度T1よりも低く、かつ、湿球温度Wよりも低い第2温度T2の空気(冷却空気)として流出するように構成されている(T1>T2)。すなわち、空気ドライ流路6aは、内部を通過する空気を、第1温度T1(図12に示す図11のAの部分における空気の状態)から第2温度T2(図12に示す図11のBの部分における空気の状態)まで冷却するように構成されている。
空気ドライ流路6aでは、内部を流れる空気から、空気冷却部材6を介して空気冷却部材6の空気ウェット流路10側の内表面部10bに設けられた第2湿潤層91の水が熱(気化熱)を奪うことにより気化する。これにより、空気ドライ流路6aの内部を流れる空気が冷却される。この際、空気ドライ流路6aには第2湿潤層91を設けていないので、第2湿潤層91から気化した水蒸気により、空気ドライ流路6a内の空気は加湿されない。この結果、空気ドライ流路6aでは、空気ドライ流路6a内の空気を加湿せずに冷却することにより、空気ドライ流路6a内の空気を加湿した場合よりも低い温度で空気ドライ流路6a内の空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する(飽和する)。
ここで、空気ドライ流路6aの水蒸気の量が飽和水蒸気量に達すると、第2湿潤層91の水が空気から熱を奪って水蒸気となることにより空気ドライ流路6aの空気の温度を下げたとしても、空気ドライ流路6aの空気に含まれる水蒸気の量が飽和しているので、空気ドライ流路6aの空気に含まれる水蒸気が水へと凝結する。そして、空気ドライ流路6aの空気に含まれる水蒸気が水へと凝結する際に発生する凝結熱により空気ドライ流路6aの空気の温度が上昇するので、空気ドライ流路6aの空気の温度が低くならない。したがって、空気ドライ流路6aの空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達すると、第2湿潤層91の水の冷却による周辺の空気の温度低下と、空気ドライ流路6aの空気に含まれる水蒸気の凝結熱による周辺の空気の温度上昇とがつり合う。
このため、上記のように、空気ドライ流路6a内の空気が加湿される場合よりも低い温度で、空気ドライ流路6a内の空気の水蒸気の量が飽和するので、第2湿潤層91の水の冷却による空気ドライ流路6a内の空気の温度低下と、空気ドライ流路6a内の空気に含まれる水蒸気の凝結熱による温度上昇とのつり合う温度が、空気ドライ流路6a内の空気が加湿される場合よりも低くなる。
つまり、空気ドライ流路6aでは、内部の空気に含まれる水蒸気の凝結熱による温度上昇と、第2湿潤層91の水の冷却による内部の温度低下とがつり合う温度を、内部の空気が加湿される場合よりも小さくすることが可能である。このように、空気ドライ流路6aは、空気ドライ流路6aの空気中に含まれる水蒸気が凝結する第2温度T2としての露点温度Fまで第1温度T1の空気を冷却可能に構成されている。
空気ドライ流路6aでは、内部の空気が露点温度Fになった場合、さらに冷却されると、内部の絶対湿度が飽和湿度であるため、内部の空気中の水蒸気が凝結する凝結熱が発生し、内部の空気が冷却された分だけ暖められる。したがって、空気ドライ流路6aでは、露点温度Fにおいて、内部の空気に含まれる水蒸気の凝結熱と、第2湿潤層91の水による内部の冷却とがつり合う。なお、絶対湿度とは、対象とする空気中の乾き空気(水分を含まない空気)1kgに対する水蒸気の重量割合を示す。
〈空気ウェット流路における冷媒の冷却〉
空気ウェット流路10は、第2温度T2の空気(冷却空気)を流入するように構成されている。ここで、気化式熱交換器1では、空気ドライ流路6aを流出した第2温度T2の空気は、第2ケース部22の内部空間22a(図7参照)および第3ケース部23の内部空間23a(図7参照)の順に流れた後、空気ウェット流路10に流入する。なお、空気ウェット流路10は、冷媒流路3aに隣接する空気の流路である。従来では、冷媒流路に隣接する流路に直接的に外気が流入されていたが、気化式熱交換器1では、空気ドライ流路6aを介して、間接的に空気ウェット流路10に空気が流入される。
空気ウェット流路10は、内部を通過する空気を、第2温度T2(図12に示す図11のBの部分における空気の状態)から第3温度T3(図12に示す図11のCの部分における空気の状態)まで加熱するように構成されている(T3>T2)。すなわち、空気ウェット流路10は、内部を通過する第2温度T2の空気により、空気ウェット流路10よりも温度の高い冷媒流路3aおよび空気ドライ流路6aから熱を奪うように構成されている。
空気ウェット流路10では、冷媒流路3aを流れる冷媒Cから、第2温度T2の空気が熱を奪って温度が上昇することにより、飽和水蒸気量が増える。また、空気ウェット流路10では、空気ドライ流路6aを流れる第1温度T1の空気から、第2温度T2の空気が熱を奪って温度が上昇することにより、飽和水蒸気量が増える。これらにより、空気ウェット流路10では、第1湿潤層81および第2湿潤層で気化が始まるので、第2温度T2から温度上昇した空気は、第1湿潤層81および第2湿潤層91の気化によって冷却・加湿され、飽和状態に戻る。したがって、空気ウェット流路10内の空気は飽和湿度曲線上を移動するように加湿が進む(図12参照)。このように、空気ウェット流路10では、第2温度T2の空気により、冷媒流路3aの冷媒Cから熱を奪いながら、第1湿潤層81から気化した水蒸気が下流側へ流される。また、空気ウェット流路10では、第2温度T2の空気により、空気ドライ流路6aの第1温度T1の空気から熱を奪いながら、第2湿潤層91から気化した水蒸気が下流側へ流される。
空気ウェット流路10では、冷媒流路3aの冷媒Cおよび空気ドライ流路6aの第1温度T1の空気により、第2温度T2の空気が加熱されるとともに、第1湿潤層81から気化した水蒸気および第2湿潤層91から気化した水蒸気により、第2温度T2の空気が加湿される。
また、図11に示すように、空気ウェット流路10を流れる空気の流れ方向D1は、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの流れ方向D2とは反対方向である。ここで、気化式熱交換器1では、空気ドライ流路6aを流出した第2温度T2の空気の流れ方向D1を、第2ケース部22の内部空間22a(図7参照)および第3ケース部23の内部空間23a(図7参照)の順に流すことにより、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの流れ方向D2とは逆方向に変える。
空気ウェット流路10では、第2温度T2から第3温度T3まで加熱された空気(高温多湿空気)を、第1ケース部21のZ2方向側の開口21d(図3参照)から外部空間に排出することにより、排熱が行われている。また、空気ウェット流路10では、第1湿潤層81および第2湿潤層91のそれぞれにおいて気化しなかった水も、第1ケース部21のZ2方向側の開口21dから外部空間に排出される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、空気ドライ流路6aに流入された空気を、第2湿潤層91により冷却した後、空気ウェット流路10の内部に流すように構成する。これにより、空気ウェット流路10に設けられた第2湿潤層91の水が、空気ドライ流路6aを流れる空気から熱(気化熱)を奪って、空気ウェット流路10内において水蒸気となるので、第2湿潤層91から気化した水蒸気により、空気ドライ流路6a内の空気を加湿せずに冷却することができる。すなわち、空気ドライ流路6a内の空気を第2湿潤層91により冷却する際に加湿しないので、空気ドライ流路6aが加湿されない分だけ、空気ドライ流路6aの空気が加湿される場合よりも低い温度で、空気ドライ流路6aの空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する(飽和する)。このように、空気ドライ流路6aの空気が加湿される場合よりも低い温度で、空気ドライ流路6aの空気の水蒸気の量が飽和水蒸気量に達する(飽和する)ので、第2湿潤層91の水の冷却による空気ドライ流路6aの空気の温度低下と、空気ドライ流路6aの空気に含まれる水蒸気の凝結熱による温度上昇とのつり合う温度が、空気ドライ流路6aの空気が加湿される場合よりも低くなる。つまり、空気ドライ流路6aの空気が加湿される場合よりも低い温度(湿球温度W)以下に、空気ドライ流路6aの空気を冷却することができる。この結果、空気ドライ流路6aを設けることなく、空気を加湿しながら冷却する場合よりも、空気ウェット流路10に流入する空気の温度を低くすることができるので、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの冷却能力を向上させることができる。また、空気ドライ流路6aを設けることなく、空気を加湿しながら冷却する場合と比較して、空気ウェット流路10に流入する空気の温度を低くすることができるので、空気ウェット流路10に流入した空気の冷却に第1湿潤層81の水が利用されないようにすることができる。この結果、第1湿潤層81の水の大部分を冷媒流路3a内の冷媒Cの冷却に利用することができるので、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの冷却を効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、空気ウェット流路10には、第2温度T2の空気を流入させる。これにより、空気ウェット流路10内の空気は露点温度Fを最低温度としながら、気化熱によって確実に冷却されることができる。つまり、空気ウェット流路10に流入する第2温度T2の空気は、水蒸気の量が飽和、もしくは飽和に近い状態であるが、空気ウェット流路10よりも温度の高い冷媒流路3aと空気ドライ流路6aから熱を奪う事で温度が上昇する。そして、温度が上昇する事で飽和水蒸気量が増えるので、第1湿潤層81および第2湿潤層91で気化が始まり、空気ウェット流路10内の空気は第1湿潤層81および第2湿潤層91の気化によって冷却・加湿され、飽和状態に戻る。したがって、空気ウェット流路10内の空気は飽和湿度曲線上を移動するように加湿が進む。この結果、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの冷却能力をより向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、空気ドライ流路6aを、空気ドライ流路6aの空気中に含まれる水蒸気が凝結する第2温度T2としての露点温度Fまで第1温度T1の空気を冷却可能に構成する。これにより、空気ドライ流路6a内の空気の温度を下限の露点温度Fまで冷却可能とすることにより、空気ウェット流路10に流入させる第2温度T2の空気を最大限に冷却することができるので、第2温度T2の空気による空気ウェット流路10内の冷却能力を向上させることができる。この結果、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの冷却能力をより一層向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1湿潤層81を、空気ウェット流路10の冷媒流路3a側の内表面部10aに設ける。また、第2湿潤層91を、空気ウェット流路10の空気ドライ流路6a側の内表面部10bに設ける。これにより、第1湿潤層81の水が気化することにより冷媒流路3a内の冷媒Cから直接的に気化熱を奪うことができるので、冷媒流路3a内の冷媒Cを効率よく冷却することができる。また、第2湿潤層91の水が気化することにより空気ドライ流路6a内の空気から直接的に気化熱を奪うことができるので、空気ドライ流路6a内の空気を効率よく冷却することできる。これらの結果、空気ドライ流路6aの空気を効率よく冷却することができるとともに、冷媒流路3a内の冷媒Cを効率よく冷却することができるので、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの冷却をより効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、空気ウェット流路10を、空気ドライ流路6aおよび冷媒流路3aに対して全体にわたって隣接させる。これにより、空気ウェット流路10の全体にわたって空気ドライ流路6aの空気の冷却および冷媒流路3aの冷媒Cの冷却を行うことができるので、空気ドライ流路6aの空気および冷媒流路3aの冷媒Cを効果的に冷却することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、空気ウェット流路10を流れる空気の流れ方向D1を、冷媒流路3aを流れる冷媒Cの流れ方向D2とは逆方向にする。これにより、第1湿潤層81を介して冷媒流路3aの冷媒Cと熱交換する空気ウェット流路10の空気の温度は、冷媒流路3aの下流に行くに伴って低くなり、冷媒流路3aの下流側端部において、冷媒Cは最も温度の低い空気ウェット流路10内の空気と第1湿潤層81を介して熱交換を行うことができる。ここで、冷媒流路3aの冷媒Cの流れ方向D2と空気ウェット流路10の空気の流れ方向D1とが同じ場合、冷媒流路3aの冷媒Cが第1湿潤層81を介して熱交換を行う空気ウェット流路10の空気の温度は、下流に行くに伴って冷媒流路3aの冷媒Cにより第1湿潤層81を介して暖められて高くなる。そして、冷媒流路3aの冷媒Cは、冷媒流路3aの下流側端部において、最も温度の高い空気ウェット流路10の空気と第1湿潤層81を介して熱交換を行うことになる。この結果、冷媒流路3aの冷媒Cの流れ方向D2と空気ウェット流路10の空気の流れ方向D1とが互いに逆方向の場合の方が、冷媒流路3aの冷媒Cの流れ方向D2と空気ウェット流路10の空気の流れ方向D1とが同じ場合よりも、空気ウェット流路10の上流側端部の空気の温度と、冷媒流路3aの下流側端部の冷媒Cの温度との差が大きくなるので、冷媒流路3aから流出する冷媒Cの温度を低くすることができる。すなわち、冷媒流路3aの冷媒Cと空気ウェット流路10の空気との第1湿潤層81を介した熱交換を効率的に行うことができる。
また、第1実施形態では、上記のように、空気ウェット流路10を、冷却フィン3と空気冷却部材6との間に設ける。これにより、空気ウェット流路10を構成する部材を設ける場合と異なり、空気ウェット流路10を構成するための専用の部材を設ける必要がないので、気化式熱交換器1の小型化および構成を簡略化することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、冷却フィン3および空気冷却部材6を、それぞれ、Z方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状に設ける。これにより、扁平形状の冷却フィン3および空気冷却部材6の各々の表面積と同じ表面積を有する円筒管を並べて配置した場合と比較して、X方向における気化式熱交換器1のサイズ(寸法)を小さくすることができる。
また、第1実施形態では、冷却フィン3と空気冷却部材6とを、X方向において交互に並んで配置する。これにより、隣り合わせて空気ウェット流路10を配置することができるので、気化式熱交換器1内に空気ウェット流路10を無駄なく配置することができる。
(第1変形例)
図13を参照して、第1変形例について説明する。この第1変形例では、上記第1実施形態とは気化式熱交換器201の姿勢を横向きにした点が異なる例について説明する。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
冷却フィン203は、図13に示すように、Y方向に沿って延びる平板形状を有している。冷却フィン203は、Y方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。冷媒流路203aは、冷却フィン203にY方向に沿って延びる。
また、冷媒供給部材204は、Z方向に並ぶ複数の冷却フィン203のそれぞれの冷媒流路203aに冷媒Cを供給するため、Y2方向側の端部に配置されている。冷媒供給部材204は、Z方向に並ぶ複数の冷却フィン203のそれぞれの冷媒流路203aから冷媒Cを排出するため、Y1方向側の端部に配置されている。
このような、Z方向に複数(4個)並んだ冷却フィン203のそれぞれに単一の冷媒供給部材204を取り付けた構成が、1組となってX方向に複数(5組)並んでいる。
空気冷却部材206は、Y方向に沿って延びる平板形状を有している。空気冷却部材206は、Y方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。また、空気ドライ流路206aは、空気冷却部材206をZ方向に貫通する複数(10個)の貫通孔261を有している。
送風ファン7(図1参照)は、X方向に並ぶ複数の空気冷却部材206のそれぞれの空気ドライ流路206aに、Z1方向側からZ2方向側に向かって空気を流すように構成されている。
また、空気ウェット流路210は、冷却フィン203と空気冷却部材206との間に、Y方向に沿って延びて設けられている。ここで、空気ウェット流路210は、X方向において冷媒流路203aに隣接するとともに、Y方向の全長にわたって冷媒流路203aに隣接している。
ここで、気化式熱交換器201では、空気は、空気ドライ流路206aにおいてZ1方向側からZ2方向側に流れた後、Y2方向側からY1方向側に流れ、Z2方向側からZ1方向側へ流れる。そして、気化式熱交換器201では、空気は、空気ウェット流路10においてY1方向側からY2方向側へ流れる。なお、第1変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態]
図14~図16を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは空気ドライ流路306aの延びる方向が異なる例について説明する。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
筐体302は、図14~図16に示すように、冷却フィン3を内部に収容する第1ケース部321と、第1ケース部321のZ1方向側(上方向側)に取り付けられる第2ケース部323とを含んでいる。
第2ケース部323は、内部空間323aと、Z2方向側(下側)の開口323bとを有している。第2ケース部323の内部空間323aは、Z2方向側(下側)の開口323bを介して第1ケース部321の内部空間21aに連通する。このように、気化式熱交換器301では、第2ケース部323により、空気ドライ流路306aと空気ウェット流路10とを繋ぐダクトが形成されている。
空気ドライ流路306aは、空気冷却部材6をZ方向に貫通する複数(5個)の貫通孔61を有している。複数の貫通孔61は、それぞれ、Z1方向から見て矩形形状を有している。複数の貫通孔61は、略等間隔でY方向に並んでいる。
送風ファン7(図1参照)は、X方向に並ぶ複数の空気冷却部材6のそれぞれの空気ドライ流路306aに、Z2方向側からZ1方向側に向かって空気を流すように構成されている。
このように、第2実施形態の気化式熱交換器301では、空気ドライ流路306aを流出した第2温度T2の空気は、第2ケース部323の内部空間323a(図15および図16参照)に流れた後、空気ウェット流路10に流入する。すなわち、空気ドライ流路306aの空気の流れる方向は、空気ウェット流路10の空気の流れる方向とは反対方向である。
ここで、空気冷却部材6の空気ドライ流路306aでは、空気はZ2方向側からZ1方向側に流れる(図15参照)。第2ケース部323の内部空間323aでは、空気はZ2方向側からZ1方向側へ流れた後、Z1方向側からZ2方向側へ流れる(図15および図16参照)。空気ウェット流路10では、空気はZ1方向側からZ2方向側へ流れる。なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、空気ドライ流路306aの空気を第2ケース部323により反対方向に変えて空気ウェット流路10に流入させることにより、空気ドライ流路306aと空気ウェット流路10とを繋ぐダクトの構成を簡略化することが可能であるので、気化式熱交換器301の大型化および構成の複雑化を抑制することが可能である。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2変形例)
図17を参照して、第2変形例について説明する。この第2変形例では、上記第2実施形態とは気化式熱交換器401の姿勢を横向きにした点が異なる例について説明する。なお、図中において上記第2実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
冷却フィン403は、図17に示すように、Y方向に沿って延びる平板形状を有している。冷却フィン403は、Y方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。冷媒流路403aは、冷却フィン403にY方向に沿って延びる。
また、冷媒供給部材404は、Z方向に並ぶ複数の冷却フィン403のそれぞれの冷媒流路403aに冷媒Cを供給するため、Y2方向側の端部に配置されている。冷媒供給部材404は、Z方向に並ぶ複数の冷却フィン403のそれぞれの冷媒流路403aから冷媒Cを排出するため、Y1方向側の端部に配置されている。
このような、Z方向に複数(4個)並んだ冷却フィン403のそれぞれに単一の冷媒供給部材404を取り付けた構成が、1組となってX方向に複数(5組)並んでいる。
空気冷却部材406は、Y方向に沿って延びる平板形状を有している。空気冷却部材406は、Y方向に直交する断面において、X方向の長さが小さい扁平形状を有している。また、空気ドライ流路406aは、空気冷却部材406をY方向に貫通する複数(5個)の貫通孔461を有している。
送風ファン7(図1参照)は、X方向に並ぶ複数の空気冷却部材406のそれぞれの空気ドライ流路406aに、Y2方向側からY1方向側に向かって空気を流すように構成されている。
また、空気ウェット流路410は、冷却フィン403と空気冷却部材406との間に、Y方向に沿って延びて設けられている。ここで、空気ウェット流路410は、X方向において冷媒流路403aに隣接するとともに、Y方向の全長にわたって冷媒流路403aに隣接している。
ここで、気化式熱交換器401では、空気は、空気ドライ流路406aにおいてY2方向側からY1方向側に流れた後、Y1方向側からY2方向側に折り返すように流れる。そして、気化式熱交換器401では、空気は、空気ウェット流路410においてY1方向側からY2方向側へ流れる。なお、第2変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図18および図19を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態とは冷却フィン3と空気冷却部材6とをスペーサ511により接続する点が異なる例について説明する。なお、図中において上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付して図示する。
図18に示すように、第3実施形態の気化式熱交換器501では、冷却フィン3と空気冷却部材6との間にスペーサ511が配置されている。ここで、第1ケース部521における複数の側壁部521bのうちY1方向側(正面側)の側壁部521bには、スペーサ511により接続された冷却フィン3および空気冷却部材6を差し込む開口521eが形成されている。また、図示はしないが、第1ケース部521における複数の側壁部521bのうちY2方向側(背面側)の側壁部には、スペーサ511により接続された冷却フィン3および空気冷却部材6を差し込む開口が形成されている。
図19に示すように、気化式熱交換器501は、冷却フィン3と空気冷却部材6との間において、Y1方向側端部に配置されるスペーサ511(以下、第1スペーサ511a)と、Y2方向側端部に配置されるスペーサ511(以下、第2スペーサ511b)とを備えている。これにより、第3実施形態の気化式熱交換器501の空気ウェット流路10は、冷却フィン3、空気冷却部材6、第1スペーサ511aおよび第2スペーサ511bにより囲まれて形成されている。なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、冷却フィン3と空気冷却部材6との間に第1スペーサ511aおよび第2スペーサ511bを配置することにより、冷却フィン3と空気冷却部材6との間隔を安定して維持することが可能である。これにより、第1スペーサ511aおよび第2スペーサ511bにより囲まれて形成される空間である空気ウェット流路10の大きさの変化を抑制することが可能であるので、空気ウェット流路10内を流れる空気に対して圧力損失が生じることを抑制することが可能である。ここで、圧力損失とは、空気ウェット流路10内を空気が流れる際のエネルギー損失である。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、冷却フィン3(203、403)が、X方向に複数(5個)並ぶ例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却フィンが、X方向に1~4個またはX方向に6個以上並んでもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、冷却フィン3(203、403)が、Y方向に一定の間隔を空けて複数(4個)配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却フィンが、1~3個または5個以上並んでもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、空気冷却部材6(206、406)が、X方向に複数(5個)並ぶ例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空気冷却部材が、X方向に1~4個または6個以上並んでいてもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、冷媒流路3a(203a、403a)は、冷却フィン3をZ方向に貫通する複数(4個)の貫通孔31を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。冷媒流路は、貫通孔を1~3個または5個以上有していてもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、冷却フィン3(203、403)と空気冷却部材6(206、406)とは、X方向において交互に並んで配置(積層)されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却フィンと空気冷却部材とは、X方向において交互に並んで配置(積層)されていなくともよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、水供給部材5は、Z2方向側に複数の孔(図示せず)が形成された管部5aを含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。水供給部材は、多孔板または多孔シートに水を供給することにより、冷却フィンの表面上に水を供給してもよいし、噴射器により冷却フィンの表面上に水を供給してもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、保持材8、9は、樹脂材(レーヨン、ナイロンおよびアクリルなどの樹脂)により形成された樹脂製繊維である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、保持材は、金属(アルミニウム、ステンレスなど)により形成された金属製繊維でもよいし、金属板に複数の孔を形成した部材であってもよいし、硬質樹脂製ビーズであってもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、送風ファン7は、空気ドライ流路6aに空気を流すように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、送風ファンは、筐体内に空気を供給することにより、空気ドライ流路および空気ウェット流路に所望の空気流れを発生させてもよい。
また、上記第1~第3実施形態、第1および第2変形例では、空気ドライ流路6aは、空気ドライ流路6aの空気中に含まれる水蒸気が凝結する第2温度T2としての露点温度Fまで第1温度T1の空気を冷却するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、空気ドライ流路は、露点温度よりも高く湿潤温度以下の温度に第1温度の空気を冷却してもよい。
また、上記第1変形例では、気化式熱交換器201の姿勢を横向きにした例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気化式熱交換器の姿勢を斜めにしてもよい。
また、上記第2変形例では、気化式熱交換器401の姿勢を横向きにした例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、気化式熱交換器の姿勢を斜めにしてもよい。
1、201、301、401、501 気化式熱交換器
3、203、403 冷却フィン(冷媒流路構成部材)
3a、203a、403a 冷媒流路
6、206、406 空気冷却部材(ドライ流路構成部材)
6a、206a、306a、406a 空気ドライ流路
10、210、410 空気ウェット流路
10a、10b 内表面部
81 第1湿潤層
91 第2湿潤層
C 冷媒
D1 空気の流れ方向
D2 冷媒の流れ方向
F 露点温度
T1 第1温度
T2 第2温度
W 湿球温度

Claims (8)

  1. 冷媒が流れる冷媒流路と、
    空気が流れる空気ドライ流路と、
    前記冷媒流路を流れる前記冷媒を冷却する水を保持する第1湿潤層と、前記空気ドライ流路を流れる空気を冷却する水を保持する第2湿潤層とが内表面部に設けられ、前記冷媒流路および前記空気ドライ流路に隣接するように配置された空気ウェット流路と、
    所定の間隔を隔てて配置された孔状の複数の前記冷媒流路に跨って設けられるとともに、前記複数の冷媒流路に冷媒を供給する管状の冷媒供給部材と、
    前記冷媒供給部材の延びる方向と交差する方向に延びるとともに、前記第1湿潤層に水を供給するための水供給部と、を備え、
    前記空気ドライ流路に流入された空気は、前記第2湿潤層により冷却された後、前記空気ウェット流路の内部に流れるように構成されている、気化式熱交換器。
  2. 前記空気ドライ流路は、第1温度で流入した空気を、前記第2湿潤層により前記第1温度よりも低く、かつ、湿球温度よりも低い第2温度の空気として流出するように構成され、
    前記空気ウェット流路には、前記第2温度の空気が流入する、請求項1に記載の気化式熱交換器。
  3. 前記空気ドライ流路は、前記空気ドライ流路の空気中に含まれる水蒸気が凝結する前記第2温度としての露点温度まで前記第1温度の空気を冷却可能に構成されている、請求項2に記載の気化式熱交換器。
  4. 前記第1湿潤層は、前記空気ウェット流路の前記冷媒流路側の内表面部に設けられ、
    前記第2湿潤層は、前記空気ウェット流路の前記空気ドライ流路側の内表面部に設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の気化式熱交換器。
  5. 前記空気ウェット流路は、前記空気ドライ流路および前記冷媒流路に対して全体にわたって隣接している、請求項1~4のいずれか1項に記載の気化式熱交換器。
  6. 前記空気ウェット流路を流れる空気の流れ方向は、前記冷媒流路を流れる前記冷媒の流れ方向とは逆方向である、請求項1~5のいずれか1項に記載の気化式熱交換器。
  7. 前記冷媒流路を構成する平板形状の冷媒流路構成部材と、
    前記冷媒流路構成部材に対向する位置に配置され、前記空気ドライ流路を構成する平板形状のドライ流路構成部材とをさらに備え、
    前記空気ウェット流路は、前記冷媒流路構成部材と前記ドライ流路構成部材との間に設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載の気化式熱交換器。
  8. 前記冷媒流路構成部材および前記ドライ流路構成部材は、それぞれ、前記空気ウェット流路を流れる空気の流れ方向に直交する断面において、前記冷媒流路構成部材と前記ドライ流路構成部材とが対向する方向の長さが小さい扁平形状を有し、
    前記冷媒流路構成部材と前記ドライ流路構成部材とは、前記冷媒流路構成部材と前記ドライ流路構成部材とが対向する方向において交互に並んで配置されている、請求項7に記載の気化式熱交換器。
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