JP7274904B2 - ヒトメタニューモウイルス検出用試薬 - Google Patents
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Description
1.ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus)のマトリックスプロテインを認識する抗体を含有することを特徴とする、ヒトメタニューモウイルス検出用試薬。
2.前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識する、前記1に記載のヒトメタニューモウイルス検出用試薬。
3.検体中のヒトメタニューモウイルスを、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体により検出する、ヒトメタニューモウイルスの免疫学的測定方法。
4.前記免疫学的測定方法は、酵素免疫測定法、凝集法又はイムノクロマトグラフィー法である前記3に記載の免疫学的測定方法。
5.前記免疫学的測定方法がイムノクロマトグラフィー法であって、前記イムノクロマトグラフィー法は、
ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体に標識物質が結合した標識抗体と検体中のヒトメタニューモウイルスとを接触させることにより、前記標識抗体と前記ヒトメタニューモウイルスとの複合体を形成させる工程と、
前記複合体中のヒトメタニューモウイルスを、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する検出用抗体により検出する工程と、
を含む、前記4に記載の免疫学的測定方法。
6.前記標識抗体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識する、前記5に記載の免疫学的測定方法。
7.前記検出用抗体が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインの立体構造を認識する、前記5または6に記載の免疫学的測定方法。
8.試料添加部、標識物質保持部、検出部を有するクロマトグラフ媒体部及び吸収部を含む、ヒトメタニューモウイルスを検出するための免疫クロマト分析装置であって、
前記標識物質保持部および前記検出部が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体を含有する、
免疫クロマト分析装置。
9.前記標識物質保持部が含有する抗体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識する、前記8に記載の免疫クロマト分析装置。
10.前記検出部が含有する抗体が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインの立体構造を認識する、前記8または9に記載の免疫クロマト分析装置。
11.前記8~10のいずれか1に記載の免疫クロマト分析装置と、検体を希釈するための検体希釈液とを含む、免疫クロマト分析キット。
また、本発明における抗体は、該抗体が認識する対象のタンパク質、またはアミノ酸配列からなるペプチドを抗原として用いたELISA試験により吸光度を測定し、該吸光度からブランクの吸光度を除して得られるS/N比が1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらに好ましい。
本発明の、ヒトメタニューモウイルス検出用試薬は、hMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体を含有することを特徴としている。
(配列番号1)
MESYLVDTYQGIPYTAAVQVDLVEKDLLPASLTIWFPLFQANTPPAVLLDQLKTLTITTLYAASQNGPILKVNASAQGAAMSVLPKKFEVNATVALDEYSKLDFDKLTVCEVKTVYLTTMKPYGMVSKFVSSAKSVGKKTHDLIALCDFMDLEKNIPVTIPAFIKSVSIKESESATVEAAISSEADQALTQAKIAPYAGLIMIMTMNNPKGIFKKLGAGTQVIVELGAYVQAESISKICKTWSHQGTRYVLKSR
上記アミノ酸配列149-178番目を認識する抗体は、後述する参考例1に記載のELISA試験において、ペプチド5を抗原と用いて測定した吸光度からブランク値を減じた吸光度が0.1Abs以上であることが好ましく、0.15Abs以上であることがより好ましく、0.2Abs以上であることがさらに好ましい。
また、上記アミノ酸配列149-178番目を認識する抗体は、ペプチド5を抗原として用いたELISA試験により吸光度を測定し、該吸光度からブランクの吸光度を除して得られるS/N比が1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらに好ましい。
上記149-178番目のアミノ酸配列は、以下配列番号2に示される配列である。
(配列番号2)
FMDLEKNIPVTIPAFIKSVSIKESESATVE
例えば、ELISA法の場合では、以下のようにして検出を行うことができる。まず、マイクロプレートの各ウェルに本発明の試薬を添加して、ウェル底面にhMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体を感作させる。次に、当該マイクロプレートの各ウェルに検体試料を添加して、当該試料中に含まれるhMPVと上記抗体の複合体を形成させる。そして、各ウェルにhMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体を標識した標識抗体を添加することにより、上記の複合体に当該標識抗体を結合させる。これにより、上記標識抗体の標識に基づいて、hMPVの検出が可能となる。
その他成分としては、例えば、緩衝液、界面活性剤、塩類、タンパク質、防腐剤等が挙げられる。ELISA法の場合では、他に発色基質等が挙げられる。凝集法では、他に増粘剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
タンパク質としては、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)、ウシ胎児血清(FBS)、カゼイン、ブロックエース(大日本製薬社製)等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、アジ化ナトリウム、イソチアゾリン、抗生物質(ストレプトマイシン、ペニシリン、ゲンタマイシン等)、バイオエース、プロクリン300、プロキセル(Proxel)GXL等が挙げられる。
発色基質としては、例えば、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)、o-フェニレンジアミン(OPD)、p-ニトロフェニルフォスフェート(pNPP)、o-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ゼラチン、寒天、グリセロール、澱粉、アルギン酸塩類、デキストリン、カラギナン、キトサン等が挙げられる。
本発明の免疫学的測定方法は、検体中のhMPVを、hMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体により検出することを特徴としている。
本発明の方法においては、hMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体は、本発明の検出用試薬で用いる抗体を用いることができる。
以下、本発明の免疫学的測定方法としてのイムノクロマトグラフィー法について、当該方法に用いる免疫クロマト分析装置に基づいて、具体的に説明する。
なお、免疫クロマト分析装置の一実施形態についての詳細は後述するとおりであるが、図1に示すように、試料添加部1、標識物質保持部2、クロマトグラフ媒体部3、検出部4、吸収部5、バッキングシート6から構成される。当該装置において、「固定」とは、抗体が移動しないように膜等の担体に配置されていることを意味し、「保持」とは、膜等の担体の中または表面を移動可能に配置されることを意味する。
工程(2):標識物質保持部に保持されている、hMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体に標識物質が結合した標識抗体と、検体中のhMPVとを接触させることにより、当該標識抗体とhMPVとの複合体を形成させる工程
工程(3):上記複合体を移動相としてクロマトグラフ媒体部に展開させる工程
工程(4):展開された上記複合体中のhMPVを、検出部に固定されているhMPVのマトリックスプロテインを認識する検出用抗体により検出する工程
以下各工程について説明する。
第1に、検体を、測定精度を低下させることなく、装置内の媒体中をスムーズに移動する程度の濃度に、検体希釈液で調整または希釈して検体含有液とするのが好ましい。検体希釈液は後述するものを使用できる。
第2に、検体含有液を試料として、試料添加部1上に、所定量(通常、0.1ml~2ml)滴下する。試料が試料添加部1に滴下されると、該試料は試料添加部1中で移動を開始する。
工程(2)は、工程(1)において試料添加部に添加された試料を、標識物質保持部2へと移動させ、標識物質保持部2に保持されているhMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体に標識物質が結合した標識抗体と、検体中の被検出物質であるhMPVとを接触させることによって、上記標識抗体がhMPVを認識し、両者が複合体を形成する工程である。標識物質は後述するものを使用できる。
工程(3)は、工程(2)において被検出物質であるhMPVが標識物質保持部2において標識抗体に接触、認識されて形成される複合体を、クロマトグラフ媒体部3上を移動相として通過させる工程である。
工程(4)は、クロマトグラフ媒体部3上を移動相として通過した検体中のhMPVが、抗原・抗体の特異的結合反応により、検出部4に固定されているhMPVのマトリックスプロテインを認識する検出用抗体と、前記工程(2)において標識物質が結合した標識抗体とによってサンドイッチ状に挟まれるように特異的に反応結合して、検出部4が着色する工程である。
本発明の免疫クロマト分析装置は、図1に示すように、試料添加部1、標識物質保持部2、クロマトグラフ媒体部3、検出部4、吸収部5、バッキングシート6から構成されている。
検出部4へのhMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体の固定化は、常法に従って行うことができる。
本発明の免疫クロマト分析キットは、上記の免疫クロマト分析装置と、検体を希釈して展開するための検体希釈液とを含む。
・HMPV57(BIORAD社製):No.9と称する
・HMPV33(BIORAD社製):No.10と称する
・C01851M(Meridian社製):No.11と称する
製造例1
hMPVのマトリックスプロテインを認識する抗体は以下のように作製した。まず、配列番号1で示されるhMPVのマトリックスプロテインのアミノ酸配列からなるペプチドを合成した。His-tag発現用ベクターであるpET302/NT-Hisを制限酵素EcoRIで切断した後、脱リン酸化処理としてアルカリフォスファターゼにより処理し、当該ペプチドと混合し、DNA Ligation Kit Ver.2(タカラバイオ)を用いてライゲーション反応をおこなった。
次に、上記作製した抗体が認識するアミノ酸配列をELISA試験により調べた。
配列番号1で示されるhMPVマトリックスプロテインのアミノ酸配列を、下記6つのアミノ酸配列に分け、それぞれのアミノ酸配列からなるペプチドを、ペプチドの化学合成法の常法であるペプチド固相合成法により作製した。なお、ペプチド1は、配列番号1で示されるhMPVマトリックスプロテインのアミノ酸配列の6-30番目(配列番号3)、ペプチド2は40-70番目(配列番号4)、ペプチド3は75-109番目(配列番号5)、ペプチド4は123-141番目(配列番号6)、ペプチド5は149-178番目(配列番号2)、ペプチド6は184-219番目(配列番号7)にそれぞれ対応する。
ペプチド1:VDTYQGIPYTAAVQVDLVEKDLLPA(配列番号3)
ペプチド2:QANTPPAVLLDQLKTLTITTLYAASQNGPIL(配列番号4)
ペプチド3:SAQGAAMSVLPKKFEVNATVALDEYSKLDFDKLTV(配列番号5)
ペプチド4:YGMVSKFVSSAKSVGKKTH(配列番号6)
ペプチド5:FMDLEKNIPVTIPAFIKSVSIKESESATVE(配列番号2)
ペプチド6:EADQALTQAKIAPYAGLIMIMTMNNPKGIFKKLGAG(配列番号7)
二次抗体として、Anti Mouse IgG(H+L),Rabbit,IgG Whole,Peroxidase Cojugated(和光純薬社製、コード014-17611)10μg/mLを100μL、ウェルに加え、37℃1.5時間インキュベートした。その後BSA溶液を取り除き、ウェルを300μL PBST(0.05% Tween20 in PBS)にて3回ウォッシュし、ウェルに残った液は、ペーパータオルに叩き付けて取り除いた。
ウェルに発色基質としてSure Blue Reserve TMB Microwell Peroxidase Substrate(1-Component)(KPL社製、コード53-00-01)を100μL加え、15分反応させ、2N硫酸を100μL加えて反応を停止させた後、マイクロプレートリーダー(BIORAD社製)で450nmの吸光度を測定した。
各ウェルの吸光度(実測値)からブランクの吸光度(ブランク値)を減じた値(測定値)を表1及び図2に示す。また、各ウェルの吸光度(実測値)からブランクの吸光度(ブランク値)を除した値(S/N比)を表2及び図3に示す。
以上の結果から、No.2、No.6、No.8の抗体は配列番号1のアミノ酸配列からなるhMPVマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識する抗体であることが確認できた。
次に、上記作製したNo.1~No.8の抗体が、hMPVマトリックスプロテインの立体構造を認識しているのか、SDS-PAGEおよびウエスタンブロット法により調べた。
0.01mg/mlのRecombinant hMPV Matrix Protein溶液を、2倍濃縮サンプルバッファー(125mM Tris-HCl、10%グリセロール、4%SDS、3%TCEP、0.001% ブロモフェノールブルー、pH6.8)と等量で混合し、SDS-PAGEに供した。SDS-PAGEは、XV PANTERA Gel 5-20% 18well(DRC社製)を用いて、公知の標準的な方法に従った。泳動後のゲルからタンパク質をSequi-Blot PVDF Membrane(BIO-RAD社製)にブロッテイング装置(BIO-RAD社製)により転写した。転写後のPVDF膜を1%BSA-PBSで室温にて10分ブロッキングした。ブロッキング液を除き、PVDF膜を0.05%のTween20(商品名)を含むPBS(以下、T-PBSという。)で10分間3回洗浄後、上記No.1~No.8の抗体とともに室温で1時間インキュベートした。PVDF膜をT-PBSで10分間3回洗浄後、T-PBSで5000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgG(SIGMA社製)とともに室温で30分間インキュベートした。T-PBSで10分間3回洗浄後、発色基質である1-StepTM NBT/BCIP(PIERCE社製)とともにPVDF膜をインキュベートして、PVDF膜に結合した抗体を可視化した。結果を図4に示す。
図4に示すように、No.2、No.3、No.4、No.6、No.8の抗体において全長のhMPVマトリックスプロテインに相当する約36kDaのバンドが検出されたが、No.1、No.5、No.7の抗体において同バンドは検出されなかった。
すなわち、No.1、No.5、No.7の抗体は、SDS-PAGEによって分離された全長のhMPVのマトリックスプロテインとはウエスタンブロット法で抗原抗体反応しないことから、hMPVマトリックスプロテインの立体構造を認識していることが確認された。
検体希釈液、及び、試料添加部1と、標識物質保持部2と、検出部4を有するクロマトグラフ媒体3と、吸収部5とを含む免疫クロマト分析装置からなる免疫クロマト分析キットを作製した。
なお、標識物質保持部が含有する標識抗体、及び、検出部が含有する検出用抗体としては、上記作製したNo.1~No.3の抗体を用い、その組み合わせは、下記表3に示すとおりである。以下詳細に説明する。
試料添加部としてグラスファイバーからなる不織布(ミリポア社製:300mm×30mm)を用いた。
金コロイド懸濁液(田中貴金属工業社製:LC40nm)0.5mlに、リン酸緩衝液(pH7.4)で0.05mg/mlの濃度になるように希釈した表3に示す抗体(標識抗体)を0.1ml加え、室温で10分間静置した。
メンブレンとしてニトロセルロースからなるシート(ミリポア社製、商品名:HF120、300mm×25mm)を用いた。次に、5質量%のイソプロピルアルコールを含むリン酸緩衝液(pH7.4)で1.0mg/mlの濃度になるように、表3に示す抗体(検出用抗体)を希釈した溶液150μLを、乾燥されたメンブレン上の検出部に1mmの幅でイムノクロマト用ディスペンサー「XYZ3050」(BIODOT社製)を用いて1μL/mmの量(1シートあたり25μL)でライン状に塗布した。
次に、バッキングシートからなる基材に、試料添加部、標識物質保持部、検出部を有するクロマトグラフ媒体部、展開した試料や標識物質を吸収するための吸収部としてグラスファイバー製の不織布を順次貼り合わせた。そして、裁断機で幅が5mmとなるように裁断し、免疫クロマト分析装置とした。なお、標識物質保持部の試料展開方向の長さを12mmとした。
1質量%の非イオン性界面活性剤(ナカライテスク社製ノニデットP-40と日油社製ノニオンMN-811の1:1混合物)を含む50mMのHEPES緩衝液(pH7.5)を調製し、検体を希釈処理するための検体希釈液とした。
実施例1において、標識物質保持部が含有する標識抗体、及び、検出部が含有する検出用抗体として、上記作製したNo.5~No.8の抗体を用い、その組み合わせを表4に示すとおりとした点を除いては、実施例1と同様にして、実施例2の免疫クロマト分析キットを作製した。
実施例1において、標識物質保持部が含有する標識抗体、及び、検出部が含有する検出用抗体として、hMPVのN蛋白を認識する抗体であるNo.9~No.11の抗体を用い、その組み合わせを表5に示すとおりとした点を除いては、実施例1と同様にして、比較例1の免疫クロマト分析キットを作製した。
hMPVを含有する検体試料を使用して、上記作製した実施例1、2、及び比較例1の免疫クロマト分析装置を用いた場合の、検出部における発色強度を、以下のとおり測定した。
hMPV感染者の鼻腔吸引液を検体希釈液で5000倍希釈し、検体含有液を調製した。調製した検体含有液120μLを免疫クロマト分析装置の試料添加部上に載せて展開させた。展開開始から5分後に検出部の着色の度合い(発色強度)をデンシトメーターにより測定した。
実施例1の結果を表3及び図5、実施例2の結果を表4及び図6、比較例1の結果を表5に示す。
特に、イムノクロマトグラフィー法において、標識抗体に配列番号1のアミノ酸配列からなるhMPVマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識する抗体を用い、検出用抗体にhMPVマトリックスプロテインの立体構造を認識する抗体を用いることで、特に感度良くhMPVの検出できた。
一方、hMPVのN蛋白を認識する抗体(No.9~No.11)を用いた比較例1では、hMPVの実検体を検出することができなかった。
本試験では、上記作製した実施例1の免疫クロマト分析キットを用い、RSV(製品名Respiratory Syncytial Virus、Microbix Biosystem社製 型番EL-07-02)を検体として測定を行った。RSVの濃度が35μg/mLとなるように上記検体希釈液で希釈し、検体含有液を調製した検体含有液を試料として、試験例1と同様に測定を行った。また陽性コントロールとして、RSV検出キット(製品名:アルソニックRSV Lot.EN13、アルフレッサファーマ社製)を用いて、同様の試験を行った。結果を表6及び図7に示す。
2 標識物質保持部
3 クロマトグラフ媒体部
4 検出部
5 吸収部
6 バッキングシート
Claims (3)
- 検体中のヒトメタニューモウイルスを、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体により検出する、ヒトメタニューモウイルスの免疫学的測定方法であって、
前記免疫学的測定方法がイムノクロマトグラフィー法であり、前記イムノクロマトグラフィー法は、
ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体に標識物質が結合した標識抗体と、検体中のヒトメタニューモウイルスとを接触させることにより、前記標識抗体と前記ヒトメタニューモウイルスとの複合体を形成させる工程と、
前記複合体中のヒトメタニューモウイルスを、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する検出用抗体により検出する工程と、
を含み、
前記標識抗体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識し、
前記検出用抗体が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインの立体構造を認識する、免疫学的測定方法。 - 試料添加部、標識物質保持部及び検出部を有するクロマトグラフ媒体部並びに吸収部を含む、ヒトメタニューモウイルスを検出するための免疫クロマト分析装置であって、
前記標識物質保持部および前記検出部が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインを認識する抗体を含有し、
前記標識物質保持部が含有する抗体が、配列番号1のアミノ酸配列からなるヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインのアミノ酸配列149-178番目を認識し、
前記検出部が含有する抗体が、ヒトメタニューモウイルスのマトリックスプロテインの立体構造を認識する、免疫クロマト分析装置。 - 請求項2に記載の免疫クロマト分析装置と、検体を希釈するための検体希釈液とを含む、免疫クロマト分析キット。
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