JP7274041B2 - 多孔質体の製造方法および多孔質体 - Google Patents

多孔質体の製造方法および多孔質体 Download PDF

Info

Publication number
JP7274041B2
JP7274041B2 JP2022508145A JP2022508145A JP7274041B2 JP 7274041 B2 JP7274041 B2 JP 7274041B2 JP 2022508145 A JP2022508145 A JP 2022508145A JP 2022508145 A JP2022508145 A JP 2022508145A JP 7274041 B2 JP7274041 B2 JP 7274041B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porous body
inert gas
polysaccharide
foam
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022508145A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021186982A1 (ja
Inventor
梨保 永井
伸也 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Publication of JPWO2021186982A1 publication Critical patent/JPWO2021186982A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7274041B2 publication Critical patent/JP7274041B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J9/00Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof
    • C08J9/30Working-up of macromolecular substances to porous or cellular articles or materials; After-treatment thereof by mixing gases into liquid compositions or plastisols, e.g. frothing with air
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24BMANUFACTURE OR PREPARATION OF TOBACCO FOR SMOKING OR CHEWING; TOBACCO; SNUFF
    • A24B15/00Chemical features or treatment of tobacco; Tobacco substitutes, e.g. in liquid form
    • A24B15/10Chemical features of tobacco products or tobacco substitutes
    • A24B15/16Chemical features of tobacco products or tobacco substitutes of tobacco substitutes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24BMANUFACTURE OR PREPARATION OF TOBACCO FOR SMOKING OR CHEWING; TOBACCO; SNUFF
    • A24B15/00Chemical features or treatment of tobacco; Tobacco substitutes, e.g. in liquid form
    • A24B15/18Treatment of tobacco products or tobacco substitutes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24BMANUFACTURE OR PREPARATION OF TOBACCO FOR SMOKING OR CHEWING; TOBACCO; SNUFF
    • A24B15/00Chemical features or treatment of tobacco; Tobacco substitutes, e.g. in liquid form
    • A24B15/18Treatment of tobacco products or tobacco substitutes
    • A24B15/28Treatment of tobacco products or tobacco substitutes by chemical substances
    • A24B15/30Treatment of tobacco products or tobacco substitutes by chemical substances by organic substances
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24DCIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D1/00Cigars; Cigarettes
    • A24D1/20Cigarettes specially adapted for simulated smoking devices
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24DCIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D3/00Tobacco smoke filters, e.g. filter-tips, filtering inserts; Filters specially adapted for simulated smoking devices; Mouthpieces for cigars or cigarettes
    • A24D3/02Manufacture of tobacco smoke filters
    • A24D3/0229Filter rod forming processes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A24TOBACCO; CIGARS; CIGARETTES; SIMULATED SMOKING DEVICES; SMOKERS' REQUISITES
    • A24DCIGARS; CIGARETTES; TOBACCO SMOKE FILTERS; MOUTHPIECES FOR CIGARS OR CIGARETTES; MANUFACTURE OF TOBACCO SMOKE FILTERS OR MOUTHPIECES
    • A24D3/00Tobacco smoke filters, e.g. filter-tips, filtering inserts; Filters specially adapted for simulated smoking devices; Mouthpieces for cigars or cigarettes
    • A24D3/04Tobacco smoke filters characterised by their shape or structure
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2305/00Characterised by the use of polysaccharides or of their derivatives not provided for in groups C08J2301/00 or C08J2303/00
    • C08J2305/12Agar-agar; Derivatives thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Description

本発明は、多孔質体の製造方法および多孔質体に関する。
寒天等の多糖類を主成分として含む発泡体が知られている。例えば、特許文献1は、喫煙物品用のフィルタとして使用される発泡体に関し、多糖類等のバイオポリマーと発泡剤との混合物を押出成形することにより発泡体を形成することを開示する。あるいは、特許文献1は、多糖類等のバイオポリマーの溶液を凍結乾燥することにより発泡体を形成することを開示する。また、特許文献2は、医療系材料、細胞培養用固定化培地、包装用資材などの原料として使用することができる発泡体に関し、寒天等の水溶性高分子と、発泡剤と、可塑剤とを含む水溶液を泡立てて、その後乾燥させることにより発泡体を形成することを開示する。
WO2011/117752号 日本国特開2007-91954号公報
特許文献1の発泡体は、その製造方法や後述の実施例1の結果から扁平な孔を有すると考えられ、特許文献2の発泡体は、その断面写真から扁平な孔を有することが分かる。本発明は、ほぼ球形の孔を均一に有する多孔質体、すなわち、等方的な性質を有する多孔質体を提供することを目的とする。
一つの側面によれば、
多糖類の溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製することと、
不活性ガスが供給された前記液体を減圧して、発泡体を形成することと、
前記発泡体を減圧乾燥により乾燥させて、多孔質体を形成することと
を含む、多孔質体の製造方法が提供される。
別の側面によれば、前述の方法により製造される多孔質体が提供される。
本発明によれば、等方的な性質を有する多孔質体を提供することができる。
図1は、香味吸引システムの一例を示す斜視図である。 図2は、香味吸引物品の内部構造を示す図である。 図3は、エアロゾル生成装置の内部構造を示す図である。 図4は、香味吸引物品の一例を示す図である。 図5は、試料1のxy断面を示すSEM画像である。 図6は、試料1のyz断面を示すSEM画像である。 図7は、試料1のzx断面を示すSEM画像である。 図8は、試料2のxy断面を示すSEM画像である。 図9は、試料2のyz断面を示すSEM画像である。 図10は、試料2のzx断面を示すSEM画像である。 図11は、試料3のxy断面を示すSEM画像である。 図12は、試料3のyz断面を示すSEM画像である。 図13は、試料3のzx断面を示すSEM画像である。 図14は、試料4のxy断面を示すSEM画像である。 図15は、試料4のyz断面を示すSEM画像である。 図16は、水分含有多孔質体の含水量と復元率との関係を示すグラフである。 図17は、水分含有多孔質体の含水量と復元率との関係を示すグラフである。 図18は、寒天水溶液の粘度と発泡体のみかけ密度との関係を示すグラフである。 図19は、CO2分圧と発泡体のみかけ密度との関係を示すグラフである。 図20は、圧力開放後の寒天水溶液の温度と発泡体のみかけ密度との関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明を詳説することを目的とし、本発明を限定することを意図していない。
<1.多孔質体の製造方法>
多孔質体の製造方法は、
多糖類の溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製することと、
不活性ガスが供給された前記液体を減圧して、発泡体を形成することと、
前記発泡体を減圧乾燥により乾燥させて、多孔質体を形成することと
を含む。
以下、各工程の順に、すなわち、「多糖類の溶液の調製」、「多糖類の溶液への不活性ガスの供給」、「不活性ガスが供給された液体の減圧」、「発泡体の乾燥」の順に説明する。
(多糖類の溶液の調製)
多糖類の溶液は、好ましくは、「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」の溶液であり、より好ましくは、「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」の水溶液である。「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」とは、水に浸し加熱することにより水に溶解し、その後、冷却することによりゲル化する性質を有する多糖類を指す。このように、「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」は、温度に応じてゾル状態とゲル状態を転移することができるため、本発明の方法において好ましく使用することができる。
「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」は、例えば、寒天、ゲランガム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、またはカードランが挙げられる。したがって、多糖類としては、寒天、ゲランガム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、またはこれらの任意の組み合わせを使用することができる。とりわけ、寒天およびゲランガムは、溶解温度およびゲル化温度がコントロールし易い温度帯にあるため、本発明の方法において好ましく使用することができる。
多糖類の溶液は、「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」の水溶液の場合、多糖類を水に浸し、多糖類の溶解温度以上の温度に加熱することにより、調製することができる。
多糖類の溶液は、45℃の温度および大気圧の条件下で、例えば0.01~50[Pa・s]、好ましくは0.8~20[Pa・s]の粘度を有することができる。多糖類の溶液が、上述の粘度を有すると、その後の不活性ガスの供給工程において、不活性ガスが多糖類の溶液に保持され易いという利点を有する。多糖類の溶液は、寒天の水溶液の場合、水750gに対して、例えば10~45g、好ましくは30~40gの量で寒天を含有することができる(後述の実施例3を参照)。
(多糖類の溶液への不活性ガスの供給)
この工程では、多糖類の溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製する。不活性ガスは、多糖類の溶液に供給されて多孔質体の孔を形成する気体であり、例えば、CO2、N2O、空気、またはN2が挙げられる。不活性ガスは、好ましくは、CO2またはN2Oである。
不活性ガスの供給は、十分な量の不活性ガスを多糖類の溶液に含ませることができれば、任意の方法で行うことができる。例えば、不活性ガスの供給は、多糖類の溶液への不活性ガスのバブリングおよび/または不活性ガスの存在下での多糖類の溶液の振盪により行うことができる。この場合、バブリングおよび振盪は、何れか一方のみを行ってもよいし、両方を行ってもよい。あるいは、不活性ガスの供給は、不活性ガスと多糖類の溶液とを攪拌することにより行ってもよい。
好ましくは、不活性ガスの供給は、多糖類の溶液へ不活性ガスをバブリングし、その後、多糖類の溶液を振盪することにより行うことができる。これにより、より多くの量の不活性ガスを多糖類の溶液に供給し、その後、多糖類の溶液と不活性ガスとの混合を促進して気泡を形成することができる。
あるいは、不活性ガスの供給は、密閉容器中に収容された多糖類の溶液に不活性ガスを加圧しながら供給することにより行うことができる。これにより、より多くの量の不活性ガスを多糖類の溶液に供給し、保持することができる。したがって、より好ましくは、不活性ガスの供給は、密閉容器中に収容された多糖類の溶液に不活性ガスを加圧しながらバブリングし、その後、多糖類の溶液を振盪することにより行うことができる。
不活性ガスの供給により得られる液体は、不活性ガスが、多糖類の溶液(以下、ゾルともいう)中に気泡として分散していてもよいし、ゾル中に溶解していてもよいし、あるいは、一部が気泡としてゾル中に分散し、残りがゾル中に溶解していてもよい。不活性ガスがゾル中に溶解している場合、不活性ガスがゾル中に気泡として分散している場合と比較して、最終的に得られる多孔質体における孔の大きさが、より小さくなる可能性がある。
不活性ガスの供給時における不活性ガスの分圧は、不活性ガスが多糖類の溶液に供給されれば(すなわち、0より大きければ)特に限定されないが、供給効率の観点からある程度大きいことが好ましい。また、不活性ガスの分圧の上限は、容器の耐圧性能により制限されるが特に限定されない。不活性ガスの供給は、不活性ガスを、例えば0kPaより大きい分圧、好ましくは0kPaより大きく4000kPa以下の分圧、より好ましくは800kPa以上の分圧、更に好ましくは800~4000kPaの分圧で供給することにより行うことができる(後述の実施例3を参照)。
不活性ガスの供給の直前に、多糖類の溶液は、不活性ガスの供給工程を経てもゲル化しない温度まで冷却しておくことが好ましい。具体的には、多糖類の溶液は、不活性ガスの供給の直前に、多糖類の溶液のゲル化温度より15~55℃高い温度を有することが好ましい(後述の実施例3を参照)。多糖類の溶液は、不活性ガスの供給の直前に、多糖類の溶液のゲル化温度より25~45℃高い温度を有することがより好ましい(後述の実施例3を参照)。
このように、多糖類の溶液を、不活性ガスの供給の直前に上記温度まで冷却しておくと、不活性ガスの溶解度を高めることができるとともに、多糖類の溶液の粘度を高めることができる。これにより、より多くの量の不活性ガスを多糖類の溶液に溶解し、保持することができる。また、多糖類の溶液を、不活性ガスの供給の直前に上記温度まで冷却しておくと、その後の工程で(すなわち、不活性ガスが供給された液体の減圧後に)、発泡体を速やかに冷却してゲル化することができ、これにより、不活性ガスが発泡体から抜けることを防ぐことができる。
本明細書において、「ゲル化温度」は、以下のとおり定義することができる。4.0質量%の多糖類の溶液(ゾル)を、5℃/分の降温速度で冷却してゲル化させ、温度の変化に対する貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”とをプロットし、得られたグラフにおいて、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”の値が交差する点における温度を「ゲル化温度」という。例えば、寒天の溶液の場合、ゲル化温度は約35℃である。
(不活性ガスが供給された液体の減圧)
この工程では、不活性ガスが供給された液体を減圧して、発泡体を形成する。この工程では、不活性ガスが供給された液体の周囲環境の圧力を相対的に低下させ、これにより、不活性ガスが供給された液体に無数の気泡を生じさせることができる。
上述のとおり、減圧前は、不活性ガスが、多糖類の溶液(以下、ゾルともいう)中に気泡として分散していてもよいし、ゾル中に溶解していてもよいし、あるいは、一部が気泡としてゾル中に分散し、残りがゾル中に溶解していてもよい。ゾル中に気泡として存在している不活性ガスは、より大きな気泡を生じさせることができ、ゾル中に溶解している不活性ガスは、減圧により発泡して気泡を生じさせることができる。
ここで得られる発泡体は、泡状の整髪料(ヘアムース)と同様の形状を有する。発泡体は、減圧前の液体と比べて明らかに増大した体積を有する。
減圧前と減圧後との間の圧力差は、不活性ガスが供給された液体に気泡を生じさせることができれば(すなわち、0より大きければ)特に限定されないが、発泡効率の観点からある程度大きいことが好ましい。また、この圧力差の上限は、容器の耐圧性能により制限されるが特に限定されない。減圧は、減圧前と減圧後との間で、例えば0kPaより大きい圧力差、好ましくは0kPaより大きく4000kPa以下の圧力差、より好ましくは800kPa以上の圧力差、更に好ましくは800~4000kPaの圧力差を生じさせる減圧である。かかる圧力差を生じさせる減圧は、不活性ガスが供給された液体に効率良く気泡を生じさせることができる。
不活性ガスが供給された液体の周囲環境の圧力を相対的に低下させることができれば、減圧前の液体の周囲環境の圧力および減圧後の液体の周囲環境の圧力は、特に限定されない。1つの例によれば、減圧前の液体の周囲環境の圧力を、大気圧(すなわち、101.325kPa)より高い圧力、例えば1000~1300kPaとし、減圧後の液体の周囲環境の圧力を、大気圧とすることができる。この例は、不活性ガスの供給を、密閉容器中に収容された多糖類の溶液に不活性ガスを加圧しながら供給することにより行い、その後、減圧を、密閉容器を開放することにより行うことにより、実施することができる。
減圧の直前に、不活性ガスが供給された液体は、多糖類の溶液がゲル化しない温度まで冷却しておくことが好ましい。具体的には、不活性ガスが供給された液体は、減圧の直前に、多糖類の溶液のゲル化温度より5~25℃高い温度を有することが好ましい(後述の実施例3を参照)。不活性ガスが供給された液体は、減圧の直前に、多糖類の溶液のゲル化温度より9~15℃高い温度を有することがより好ましい(後述の実施例3を参照)。
このように、不活性ガスが供給された液体を、減圧の直前に上記温度まで冷却しておくと、減圧後に、発泡体を速やかに冷却してゲル化することができ、これにより、不活性ガスが発泡体から抜けることを防ぐことができる。すなわち、ゲル化までに要する時間が短いほど、その間に、不活性ガスが発泡体から外に出てしまう可能性が低くなり、多孔質体の孔を確実に形成することができる。
なお、減圧の直前における液体の温度は、減圧前に測定することができない場合には、減圧の直後に測定して、減圧の直前における液体の温度とみなす。
(発泡体の乾燥)
発泡体の形成後、得られた発泡体を減圧乾燥により乾燥させて、多孔質体を形成する。減圧乾燥は、例えば10kPa以下、好ましくは1kPa以下、より好ましくは0~0.7kPaの条件下で行うことができる。減圧乾燥は、「減圧条件下での乾燥工程」を含む乾燥を意味する。例えば、減圧乾燥は、凍結工程とその後の減圧条件下での乾燥工程からなる乾燥(すなわち凍結乾燥)であってもよいし、減圧条件下での乾燥工程のみからなる乾燥であってもよい。減圧乾燥は、好ましくは凍結乾燥である。
発泡体の減圧乾燥により、発泡体がゲル化するとともに、発泡体に含まれる液体(例えば水)が除去される。これにより、発泡体における気泡が、多孔質体の孔になり、発泡体に含まれる多糖類が、多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)になる。なお、熱風乾燥などの加熱乾燥は、発泡体のゲル化を妨げるか、またはゲル化した発泡体が再溶解するため、好ましくない。なお、減圧乾燥以外にも、発泡体の収縮を顕著に引き起こさない方法であれば任意の乾燥方法を採用することができ、例えば、超臨界乾燥を採用することもできる。
発泡体を形成するための減圧と乾燥との間に、発泡体をゲル化温度またはそれ以下の温度まで冷却して、発泡体をゲル化させてもよい。この冷却は、発泡体を室温で放置することにより行うことができる。具体的には、発泡体を形成するための減圧と乾燥との間に、発泡体を15~25℃の条件下に放置して発泡体をゲル化させることができる。このように発泡体を比較的ゆっくり冷却してゲル化させると、発泡体および多孔質体に、変化や収縮を起こりにくくすることができる。
なお、発泡体を形成するための減圧と乾燥の間に発泡体をゲル化させた場合、得られるゲル化した発泡体は、減圧後に得られるムース状の発泡体と区別するため、本明細書では「ゲル状の発泡体」と呼ぶ。
上述の多孔質体の製造方法は、不活性ガスの発泡により多孔質体の孔を形成することができるため、発泡剤としては、不活性ガスのみで十分であり、界面活性剤などの追加の発泡剤を使用する必要がない。すなわち、上述の方法の特定の態様において、不活性ガスが供給された液体は、不活性ガス以外の発泡剤を含まない。この特定の態様では、最終的に製造される多孔質体は、不活性ガス以外の発泡剤を含まないため、多孔質体を、たばこ香味源を含む香味吸引物品や食品の用途に使用した際に、消費者が口に入れても安全である点、および燃焼または加熱によって望ましくない香味を発生させることがない点で優れている。
(水の添加について)
上記方法に従って製造された多孔質体(以下、乾燥多孔質体ともいう)に水を添加して、水分含有多孔質体を形成することができる。
水の添加は、任意の方法で行うことができる。例えば、水の添加は、所定量の水を乾燥多孔質体に滴下してもよいし、あるいは乾燥多孔質体を水に浸漬させて、その後、余剰の水を多孔質体から除去してもよい。
添加された水は、乾燥多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)に吸収される。乾燥多孔質体は、その質量の数十倍もの水を吸収することができる。
水は、多孔質体1質量部に対して、例えば0.5質量部未満、好ましくは0.3質量部以下の量で添加することができる。かかる水分量を有する多孔質体および水を添加していない多孔質体は、弾力性が小さく、破断時にさくさくした感触を得ることができる。あるいは、水は、多孔質体1質量部に対して、例えば0.5~50質量部、好ましくは1.0~40質量部の量で添加することができる。かかる水分量を有する多孔質体は、弾力性が大きく、指で押した時にふわふわした感触を得ることができる。
水分含有多孔質体の含水量は、以下のとおり求めることができる。すなわち、水分含有多孔質体の含水量は、水分含有多孔質体から一部(例えば1cm3の立方体)をカットし、得られたサンプルを加熱乾燥させて水分減少量を求め、水分減少量を乾燥後のサンプル重量で割ることにより得ることができる。
含水量(g/g-dry)=乾燥前後の重量変化(水分減少量)/乾燥後のサンプル重量
上述の「さくさくした感触を有する多孔質体」は、例えば0~0.5g/g未満、好ましくは0~0.3g/gの含水量を有することができる(後述の実施例2を参照)。上述の「ふわふわした感触を有する多孔質体」は、例えば0.5g/g以上、好ましくは0.5~50g/g、より好ましくは1.0~40g/gの含水量を有することができる(後述の実施例2を参照)。
このように、多孔質体は、その含水量によって、多孔質体の硬さが変化する。言い換えれば、多孔質体の含水量を制御することにより、様々な硬さを有する多孔質体を作製することが可能である。
水分含有多孔質体は、乾燥させると、水を添加する前の多孔質体(乾燥多孔質体)の構造に戻すことができる。
(追加の成分の添加について)
上述の多孔質体の製造方法は、最終的に製造される多孔質体が、多糖類に加えて追加の成分を含むように実施してもよい。
追加の成分は、多孔質体の用途に応じて適宜選択することができる。追加の成分は、多糖類の溶液に溶解しない物質(すなわち分散質)であってもよいし、多糖類の溶液に溶解する物質(すなわち溶質)であってもよい。追加の成分は、多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)に組み込まれる。このため、追加の成分が分散質の場合、分散質は多孔質体の孔のサイズより小さいことが好ましく、例えば500μm以下、一般的には10~500μmの最大長さを有することが好ましい。追加の成分が分散質の場合、分散質は粒子の形態を有することが好ましく、例えば500μm以下、一般的には10~500μmの平均粒径を有する粒子であることがより好ましい。
追加の成分は、不活性ガスを供給する前に、多糖類の溶液に添加してもよいし、発泡体を形成するための減圧の前に、不活性ガスが供給された液体に添加してもよい。言い換えれば、発泡体を形成するための減圧の前の時点で、不活性ガスが供給された液体に追加の成分が含まれていれば、最終的に製造される多孔質体が、追加の成分を含むことができる。
すなわち、上述の方法の特定の態様において、不活性ガスが供給された液体は、多糖類に加えて、分散質を更に含む。分散質は、不活性ガスが供給された液体に溶解せず、この液体中に固形物として存在する。分散質は、多糖類に対して、例えば0~570質量%、好ましくは30~570質量%の量で多孔質体に含まれ得る。分散質は、例えば、たばこ材料または食品材料である。上述のとおり、たばこ材料および食品材料は、粒子の形態を有することが好ましく、例えば500μm以下、一般的には10~500μmの平均粒径を有する粒子であることがより好ましい。たばこ材料は、たばこ刻、たばこ細粉(たばこ刻などのたばこ材料の粉砕物)、たばこ顆粒(たばこ刻などのたばこ材料を造粒することにより得られる顆粒)などが挙げられる。食品材料は、固形の可食物や固形の食品添加物であれば任意の食品材料を使用することができる。食品材料は、例えば、野菜、果実、小麦粉、アーモンドパウダー、調味料、食品添加物などが挙げられるが、これらに限定されない。
あるいは、上述の方法の特定の態様において、不活性ガスが供給された液体は、多糖類に加えて、多糖類以外の溶質を更に含む。溶質は、不活性ガスが供給された液体に溶解する。溶質は、多糖類に対して、例えば0~570質量%、好ましくは0~50質量%の量で多孔質体に含まれ得る。溶質は、例えば、たばこ香味成分または食品成分である。たばこ香味成分は、たばこ香味源を含む香味吸引物品においてたばこ香味として寄与する成分をいう。たばこ香味成分は、例えば、たばこ材料に由来する香味成分(例えば、たばこ抽出液、またはたばこ抽出成分)であってもよいし、たばこ材料に由来しない香味成分(例えば、メンソール、ミント、バニラなど)であってもよい。食品成分は、食品に含まれる任意の成分をいう。食品成分は、不活性ガスが溶解された液体に溶解する食品成分であれば任意の成分を使用することができる。食品成分は、例えば、砂糖、塩、バター、食品香料、着色料、果汁、油脂、油、飲料、調味料、食品添加物などが挙げられるが、これらに限定されない。
<2.多孔質体>
上述の方法は、(1)多糖類の溶液への不活性ガスの供給、(2)不活性ガスが供給された液体の減圧、および(3)発泡体の乾燥の3つの工程を含む。(1)および(2)の工程により、不活性ガスが供給された液体に無数の球状の気泡を生じさせることができ、(3)の工程により、発泡体の気泡を孔として維持した多孔質体(乾燥多孔質体)を形成することができる。
また、乾燥多孔質体に水を添加すると、添加された水は、乾燥多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)に吸収されるため、発泡体の気泡を孔として維持した水分含有多孔質体を形成することができる。
また、乾燥多孔質体および水分含有多孔質体を追加の成分を含むように製造した場合、追加の成分は、多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)に組み込まれるため、発泡体の気泡を孔として維持した多孔質体を形成することができる。
上述の方法により得られた多孔質体は、発泡体の無数の球状の気泡を孔として維持している。このため、上述の方法により得られた多孔質体は、
多孔質体の水平断面および垂直断面を顕微鏡で観察すると、水平断面および垂直断面の両方において、観察される孔がほぼ円形の形状を有し、明らかに歪んだ形状(例えば、明らかに扁平な形状)を有しておらず、かつ
多孔質体の水平断面および垂直断面を顕微鏡で観察すると、水平断面および垂直断面の両方において、観察される孔が均一に分布している。したがって、上述の方法は、ほぼ球形の孔を均一に有する多孔質体、すなわち、等方的な性質を有する多孔質体を提供することができる。
本明細書では、多孔質体の水平断面および垂直断面の両方において、観察される孔がほぼ円形の形状を有し、明らかに歪んだ形状(例えば、明らかに扁平な形状)を有しておらず、かつ孔が均一に分布している場合、このような多孔質体は等方的な性質を有しているという。例えば、後述の実施例で示されるとおり、図5~7の断面画像を示す多孔質体、図8~10の断面画像を示す多孔質体、または図11~13の断面画像を示す多孔質体が観察された場合、このような多孔質体は等方的な性質を有しているということができる。あるいは、図14~15の断面画像を示す多孔質体が観察された場合、観察される孔が明らかに扁平な形状を有しており、このような多孔質体は等方的な性質を有していないということができる。
等方的な性質を有する多孔質体の技術的な意味を以下に説明する。
例えば、多孔質体が強度に異方性を有している場合、比較的小さな力であっても、その力が加わる方向が、強度が低い方向であると、破壊を生じる可能性がある。それ故、多孔質体を構成要素の1つとして含んだ物品において、多孔質体の方位を制御することが難しい場合や、多孔質体の方位を制御できたとしても、それに様々な方向から力が加わる場合、多孔質体が強度に異方性を有していると、上記の破壊の問題を生じ得る。
これに対し、多孔質体が強度に異方性を有していない場合、比較的小さな力であれば、それがどの方向に加わっても、破壊を生じない。それ故、多孔質体を構成要素の1つとして含んだ物品において、多孔質体の方位を制御することが難しい場合や、多孔質体に様々な方向から力が加わる場合であっても、多孔質体の破壊は生じ難い。
多孔質体にとって等方性が有利であることは、断熱性、濾過性能などの他の性質についても同様である。
また、上述の方法により製造される多孔質体、および上述の方法により製造される多孔質体に水分を添加することにより得られる水分含有多孔質体のいずれも本発明の範囲内である。
<3.別の側面>
(香味吸引物品用たばこ充填材)
多孔質体は、香味吸引物品用たばこ充填材として使用することができる。この用途の場合、多孔質体は、乾燥多孔質体であることが好ましい。多孔質体は、所望の大きさに切断または粉砕することにより、香味吸引物品用たばこ充填材として使用することができる。この用途の場合、多孔質体は、多孔質体の隔壁に、たばこ材料またはたばこ香味成分などの追加の成分を含んでいてもよいし、追加の成分を含んでいなくてもよい。前者の場合、多孔質体は、たばこ材料(例えば、たばこ刻またはシートたばこなど)と組み合わせてたばこ充填材として使用してもよいし、単独でたばこ充填材として使用してもよい。後者の場合、多孔質体は、たばこ材料(例えば、たばこ刻またはシートたばこなど)と組み合わせてたばこ充填材として使用することができる。
したがって、別の側面によれば、上述の「多孔質体の製造方法」に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用たばこ充填材の製造方法が提供される。また、この方法により製造される香味吸引物品用たばこ充填材も、本発明の範囲内である。
上述の香味吸引物品用たばこ充填材は、等方的な性質を有するため、香味吸引物品の製造時に、向きを考慮せずに物品に組み込むことができ、優れた製造適性を有する。上述の香味吸引物品用たばこ充填材は、加熱型香味吸引物品に用いた場合、効果的な断熱材として機能し、加熱型香味吸引物品の温度上昇を抑制することもできる。
(香味吸引物品用フィルタ)
また、多孔質体は、香味吸引物品用フィルタとして使用することができる。この用途の場合、多孔質体は、乾燥多孔質体であることが好ましい。多孔質体は、所望の大きさに切断または粉砕することにより、香味吸引物品用フィルタとして使用することができる。この用途の場合、多孔質体は、吸着剤(好ましくは粒状吸着剤)または香味成分などの追加の成分を含んでいてもよいし、追加の成分を含んでいなくてもよい。この用途の場合、多孔質体は、公知のアセテートトウフィルタやフィルムフィルタなどと組み合わせてフィルタとして使用してもよいし、単独でフィルタとして使用してもよい。
したがって、別の側面によれば、上述の「多孔質体の製造方法」に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用フィルタの製造方法が提供される。また、この方法により製造される香味吸引物品用フィルタも、本発明の範囲内である。
上述の香味吸引物品用フィルタは、等方的な性質を有するため、香味吸引物品の製造時に向きを考慮せずに物品に組み込むことができ、優れた製造適性を有する。また、上述の香味吸引物品用フィルタは、等方的な性質を有するため、香味吸引物品にどの向きに配置されても、同様の濾過性能を発揮することができる。上述の香味吸引物品用フィルタは、加熱型香味吸引物品に用いた場合、効果的な冷却材として機能し、かかるフィルタを通過したエアロゾルを適切な温度に冷却することもできる。
(食品)
また、多孔質体は、食品として使用することができる。この用途の場合、多孔質体は、乾燥多孔質体であっても水分含有多孔質体であってもよく、水分量は、食品の食感に応じて適宜調整することができる。多孔質体は、所望の大きさに切断または粉砕することにより、食品として使用することができる。この用途の場合、通常、多孔質体は、食品材料、食品成分などの追加の成分を含む。この用途の場合、多孔質体は、既存の食品と組み合わせて食品として使用してもよいし、単独で食品として使用してもよい。
したがって、別の側面によれば、上述の「多孔質体の製造方法」に従って多孔質体を形成することを含む、食品の製造方法が提供される。また、この方法により製造される食品も、本発明の範囲内である。
上述の食品は、等方的な性質を有するため、どの向きから食した場合でも食感が同じであり、食した際の違和感を生じさせないという点で優れている。乾燥多孔質体や、水分含有量の比較的少ない多孔質体の場合(例えば0~0.5g/g未満の含水量の場合)、“さくさくした”食感を得ることができ、例えば、せんべい様のお菓子として用いることができる。あるいは、水分含有量の比較的多い多孔質体の場合(例えば0.5~50g/gの含水量の場合)、“ふわふわした”食感を得ることができ、例えば、パン、スポンジケーキの代替物として用いることができる。また、従来、発泡剤によく用いられるたんぱく質は、アレルゲンの1つであるのに対し、上述の多孔質体は、添加物を入れずに形成できるので、添加物フリー/アレルゲンフリーなものが得られる点で優れている。また、多糖類として、「温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類」、例えば寒天、ゲランガム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードランなどを使用した場合、低カロリーであるため、低カロリーな食品を得ることができる。
<4.多孔質体をたばこ充填材として含む香味吸引物品>
上述の多孔質体(好ましくは、乾燥多孔質体)を、香味吸引物品にたばこ充填材として組み込んだ場合について、更に詳細に説明する。
上述の多孔質体をたばこ充填材として含む香味吸引物品は、既存の香味吸引物品のたばこ充填材の一部または全部を上述の多孔質体と置き換えた以外は、既存の香味吸引物品と同じ構成を有する。
上述の多孔質体は、たとえば、通常のたばこ刻と同等のサイズに切断または粉砕し、得られた切断物または粉砕物を加熱型香味吸引物品にたばこ充填材として組み込むことができる。多孔質体の切断物または粉砕物は、例えば、篩目(sieve opening)0.5~4mmのサイズを有することができる。篩目0.5~4mmのサイズとは、篩目0.5mmの篩を通過するサイズから、篩目4mmの篩を通過するサイズまでの範囲に包含されるサイズをいう。上述の多孔質体は、1つの香味吸引物品に含まれるたばこ充填材を100質量%とすると、全たばこ充填材の5~100質量%を占めるように配合することができる。
より具体的には、上述の多孔質体は、燃焼型香味吸引物品または加熱型香味吸引物品にたばこ充填材として組み込むことができる。燃焼型香味吸引物品は、香味源を燃焼させることにより香味をユーザに提供する香味吸引物品である。また、加熱型香味吸引物品は、香味源を燃焼させることなく加熱することにより香味をユーザに提供する香味吸引物品である。
燃焼型香味吸引物品は、例えば、シガレット、パイプ、キセル、葉巻、またはシガリロなどが挙げられる。
加熱型香味吸引物品は、当該物品と別体型の加熱装置により加熱されてもよいし、当該物品と一体型の加熱装置により加熱されてもよい。前者の香味吸引物品(別体型)において、加熱型香味吸引物品と加熱装置とをまとめて、本明細書では「香味吸引システム」と呼ぶ。
加熱型香味吸引物品としては、例えば、
炭素熱源の燃焼熱でたばこ充填材を加熱する炭素熱源型吸引物品(たとえばWO2006/073065を参照);
香味吸引物品と、香味吸引物品を電気加熱するための加熱デバイスとを備えた電気加熱型吸引器(たとえばWO2010/110226を参照);または
液状のエアロゾル源をヒータにより加熱してエアロゾルを発生させ、エアロゾルとともに香味を吸引する液体霧化型吸引物品(たとえばWO2015/046385を参照)
などが挙げられる。
一つの態様によれば、
上述の多孔質体と、エアロゾル源と、必要に応じてたばこ材料とを含む香味吸引物品と、
香味吸引物品を着脱可能に装着する加熱装置であって、香味吸引物品を加熱してエアロゾル源からエアロゾルを発生させるとともに、エアロゾルの作用により、多孔質体および/またはたばこ材料から香味成分を放出させるエアロゾル生成装置と
を含む香味吸引システムが提供される。
この香味吸引システムにおいて、多孔質体は、追加の成分としてたばこ材料を含んでいてもよい。追加の成分としてのたばこ材料は、多孔質体の隔壁に含まれる。この場合、香味吸引物品は、多孔質体から分離独立した状態で、たばこ材料を更に含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。具体的には、香味吸引物品は、多孔質体と混合された状態で、たばこ材料(例えば、たばこ刻)を含んでいてもよいし、および/または多孔質体を被覆するようにたばこ材料(例えば、シートたばこ)を含んでいてもよい。
あるいは、この香味吸引システムにおいて、多孔質体は、追加の成分としてたばこ材料を含んでいなくてもよい。この場合、香味吸引物品は、多孔質体から分離独立した状態で、たばこ材料を更に含むことができる。具体的には、香味吸引物品は、多孔質体と混合された状態で、たばこ材料(例えば、たばこ刻)を含んでいてもよいし、および/または多孔質体を被覆するようにたばこ材料(例えば、シートたばこ)を含んでいてもよい。
以下に、この香味吸引システムの一例を図1~4を参照して説明する。図1は、香味吸引システムの一例を示す斜視図である。図2は、香味吸引物品の内部構造を示す図である。図3は、エアロゾル生成装置の内部構造を示す図である。図4は、香味吸引物品の一例を示す図である。
図1に示すとおり、香味吸引システム100は、
上述の多孔質体と、エアロゾル源と、必要に応じてたばこ材料とを含む香味吸引物品110と、
香味吸引物品110を着脱可能に装着するエアロゾル生成装置120であって、香味吸引物品110を加熱してエアロゾル源からエアロゾルを発生させるとともに、エアロゾルの作用により、多孔質体および/またはたばこ材料から香味成分を放出させるエアロゾル生成装置120と
を有する。
香味吸引物品110は、交換可能なカートリッジであり、長手方向に沿って延びる柱状形状を有する。香味吸引物品110は、エアロゾル生成装置120に挿入された状態で加熱されることによってエアロゾルおよび香味成分を発生するように構成されている。
図2に示すとおり、香味吸引物品110は、充填物111と、充填物111を巻装する第1巻紙112とを含む基材部11Aと、基材部11Aとは反対側の端部を形成する吸口部11Bとを有する。基材部11Aと吸口部11Bは、第2巻紙113によって連結されている。
吸口部11Bは、紙管部114と、フィルタ部115と、紙管部114とフィルタ部115との間に配置された中空セグメント部116とを有する。紙管部114は、紙を円筒形に巻いて形成された紙管であり、内側は空洞である。フィルタ部115は、アセテートトウなどの濾材を含む。中空セグメント部116は、1つ又は複数の中空チャネルを有する充填層を含む。フィルタ部115の濾材と中空セグメント部116の充填層とは、プラグラッパー117で覆うことにより連結されている。充填層は、繊維から構成され、繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空チャンネルのみを流れることになり、充填層内はほとんど流れない。香味吸引物品110において、フィルタ部115でのエアロゾル成分の濾過による減少を少なくしたいときに、フィルタ部115の長さを短くして中空セグメント部116で置き換えることはエアロゾルのデリバリー量を増大させるために有効である。
吸口部11Bは3つのセグメントから構成されているが、吸口部11Bは1つ又は2つのセグメントから構成されていてもよいし、4つ又はそれ以上のセグメントから構成されていてもよい。例えば、中空セグメント部116を省略し、紙管部114とフィルタ部115を互いに隣接配置して吸口部11Bを形成することもできる。
香味吸引物品110の長手方向の長さは、40~90mmであることが好ましく、50~75mmであることがより好ましく、50~60mmであることがさらに好ましい。香味吸引物品110の円周は15~25mmであることが好ましく、17~24mmであることがより好ましく、20~23mmであることがさらに好ましい。また、香味吸引物品110の長手方向において、基材部11Aの長さは20mm、紙管部114の長さは20mm、中空セグメント部116の長さは8mm、フィルタ部115の長さは7mmであってよいが、これら個々のセグメントの長さは、製造適性、要求品質等に応じて、適宜変更できる。
充填物111は、上述の多孔質体と、エアロゾル源と、必要に応じてたばこ材料とを含む。エアロゾル源は、所定温度で加熱されてエアロゾルを発生する。エアロゾル源として、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、1,3-ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。充填物111中のエアロゾル源の含有量は、特に限定されず、十分な量のエアロゾルの発生と、良好な香喫味の付与の観点から、通常5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上であり、また、通常50質量%以下であり、好ましくは20質量%以下である。
充填物111は、香味源として、上述の多孔質体および必要に応じてたばこ材料を含む。「多孔質体」は、上記で説明したとおりである。また、上述のとおり、多孔質体は、多孔質体の隔壁に、追加の成分としてたばこ材料を含んでいてもよい。
一方、任意成分である「たばこ材料」は、存在する場合には、多孔質体から分離独立した状態で存在する。具体的には、任意成分であるたばこ材料は、多孔質体と混合された状態で存在していてもよいし、および/または多孔質体を被覆するように存在していてもよい。前者の場合、たばこ材料は、例えばたばこ刻であり、後者の場合、たばこ材料は、例えばシートたばこである。
任意成分として用いるたばこ刻の材料は特に限定されず、ラミナや中骨等の公知のものを用いることができる。任意成分として用いるたばこ刻の大きさやその調製法については特に制限はない。例えば、乾燥したたばこ葉を、幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。また、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20~200μm程度になるように粉砕して均一化(homogenize)したものをシート加工し、それを幅0.8~1.2mmに刻んだものを用いてもよい。
また、任意成分として用いるシートたばこは、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20~200μm程度になるように粉砕して均一化(homogenize)したものをシート加工することにより得られたたばこ成形体であってもよいし、原料工場や製造工場で生じるたばこ屑などのたばこ材料をシート状に成形したたばこ成形体であってもよい。
図4に香味吸引物品110の一例を示す。図4において、右側は香味吸引物品110の外観を示し、左側は充填物111側の端面を示す。図4において、図2と同一の構成要件には同一の符号を付す。充填物111は、多孔質体の隔壁に追加の成分としてたばこ材料を含む多孔質体111aと、第1巻紙112の内側で多孔質体111aを被覆するシートたばこ111bとから構成される。
香味吸引物品110において、第1巻紙112、第2巻紙113、およびプラグラッパー117は、それぞれ、シガレットで使用される巻紙、チップペーパー、およびプラグラッパーと同じものを使用することができる。
図3に示すとおり、エアロゾル生成装置120は、香味吸引物品110を挿入可能な挿入孔130を有する。すなわち、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を構成する内側筒部材132を有する。内側筒部材132は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。
また、エアロゾル生成装置120は、挿入孔130を塞ぐ蓋部140を有していてよい。蓋部140は、挿入孔130を塞いだ状態と、挿入孔130を露出させた状態(図1参照)との間をスライド可能に構成されている。
エアロゾル生成装置120は、挿入孔130に連通する空気流路160を有していてよい。空気流路160の一端は、挿入孔130に連結されており、空気流路160の他端は、挿入孔130とは別のところでエアロゾル生成装置120の外部(外気)に連通している。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆う蓋部170を有していてよい。蓋部170は、空気流路160の、外気に連通する側の端部を覆った状態にすることもできるし、あるいは、空気流路160を露出させた状態にすることもできる。
蓋部170は、空気流路160を覆った状態であっても空気流路160に気密に閉塞することはない。すなわち、蓋部170が空気流路160を覆った状態であっても、蓋部170付近を介して空気流路160内に外気が流入可能に構成されている。
ユーザは、エアロゾル生成装置120に香味吸引物品110を挿入した状態で、香味吸引物品110の一端部、具体的には、図2に示される吸口部11Bを咥え、吸引動作を行う。ユーザの吸引動作により、空気流路160に外気が流入する。空気流路160内に流入した空気は、挿入孔130内の香味吸引物品110を通って、ユーザの口腔内に導かれる。
エアロゾル生成装置120は、空気流路160内又は空気流路160を構成する壁部の外面に、温度センサを有していてよい。温度センサは、例えば、サーミスタや熱電対等であってよい。ユーザが香味吸引物品110の吸口部11Bを吸引すると、空気流路160内を蓋部170側からヒータ30側に向かって流れる空気の影響で、空気流路160の内部温度又は空気流路160を構成する壁部の温度が低下する。温度センサは、この温度低下を測定することによってユーザの吸引動作を検知することができる。
エアロゾル生成装置120は、バッテリ10と、制御ユニット20と、ヒータ30と、を有する。バッテリ10は、エアロゾル生成装置120で用いる電力を蓄積する。バッテリ10は、充放電可能な二次電池であってよい。バッテリ10は、例えばリチウムイオン電池であってよい。
ヒータ30は、内側筒部材132の周りに設けられていてよい。ヒータ30を収容する空間と、バッテリ10を収容する空間は、隔壁180によって互いに分離されていてよい。これにより、ヒータ30により加熱された空気が、バッテリ10を収容する空間内に流入することを抑制することができる。したがって、バッテリ10の温度上昇を抑制することができる。
ヒータ30は、柱状の香味吸引物品110の外周を加熱可能な筒形状であることが好ましい。ヒータ30は、例えばフィルムヒータであってよい。フィルムヒータは、一対のフィルム状の基板と、一対の基板の間に挟まれた抵抗発熱体とを有していてよい。フィルム状の基板は、耐熱性及び電気絶縁性に優れた材料から作られることが好ましく、典型的には、ポリイミドから作られる。抵抗発熱体は、銅、ニッケル合金、クロム合金、ステンレス、白金ロジウム等の金属材料の1つ又は2つ以上から作られることが好ましく、例えば、ステンレス製の基材によって形成され得る。さらに、抵抗発熱体はフレキシブルプリント回路(FPC)によって電源と接続するために接続部位及びそのリード部に銅メッキを施してもよい。
好ましくは、熱収縮チューブが、ヒータ30の外側に設けられていてよい。熱収縮チューブは、熱により半径方向に収縮するチューブであり、例えば熱可塑性エラストマによって構成されている。熱収縮チューブの収縮作用により、ヒータ30が内側筒部材132に押し付けられる。これにより、ヒータ30と内側筒部材132の密着性が高まるので、ヒータ30から香味吸引物品110への内側筒部材132を介した熱の伝導性が高まる。
エアロゾル生成装置120は、ヒータ30の半径方向の外側、好ましくは熱収縮チューブの外側に、筒状の断熱材を有していてもよい。断熱材は、ヒータ30の熱を遮断することによって、エアロゾル生成装置120の筐体外面が過度な高温に達するのを防止する役割を果たし得る。断熱材は、例えば、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲル等のエアロゲルから作られることができる。断熱材としてのエアロゲルは、典型的には、断熱性能が高くかつ製造コストが比較的低いシリ力エアロゲルであってよい。ただし、断熱材は、グラスウールやロックウール等の繊維系断熱材であってもよいし、ウレタンフォームやフェノールフォームの発泡系断熱材であってもよい。或いは、断熱材は真空断熱材であってもよい。
断熱材は、喫煙物品110に面する内側筒部材132と、断熱材の外側の外側筒部材134との間に設けられていてよい。外側筒部材134は、例えばアルミニウムやステンレス(SUS)のような熱伝導部材によって構成されていてよい。断熱材は、密閉された空間内に設けられることが好ましい。
制御ユニット20は、制御基板、CPU、及びメモリ等を含んでいてよい。また、エアロゾル生成装置120は、制御ユニット20による制御の下でユーザに各種情報を報知するための通知部を有していてもよい。通知部は、例えばLEDのような発光素子もしくは振動素子、又はこれらの組み合わせであってよい。
制御ユニット20は、ユーザの起動要求を検知したら、バッテリ10からヒータ30への電力供給を開始する。ユーザの起動要求は、例えば、ユーザによる押しボタンやスライド式スイッチの操作や、ユーザの吸引動作によって為される。ユーザの起動要求は、押しボタン150の押下によって為されてもよい。より具体的には、ユーザの起動要求は、蓋部140が開いた状態での押しボタン150の押下によって為されてもよい。或いは、ユーザの起動要求は、ユーザの吸引動作の検知によって為されてもよい。ユーザの吸引動作は、例えば前述したような温度センサによって検知できる。
<5.好ましい実施形態>
以下に、好ましい実施形態をまとめて示す。
[1] 多糖類の溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製することと、
不活性ガスが供給された前記液体を減圧して、発泡体を形成することと、
前記発泡体を減圧乾燥により乾燥させて、多孔質体を形成することと
を含む、多孔質体の製造方法。
[2] 前記減圧乾燥が凍結乾燥である[1]に記載の方法。
[3] 前記多糖類が、温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類である[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記多糖類が、寒天、ゲランガム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、またはこれらの任意の組み合わせである[1]~[3]の何れか1に記載の方法。
[5] 前記多糖類が、寒天またはゲランガムである[1]~[4]の何れか1に記載の方法。
[6] 前記多糖類が、寒天である[1]~[5]の何れか1に記載の方法。
[7] 多糖類の前記溶液が、45℃の温度および大気圧の条件下で、0.01~50[Pa・s]の粘度を有する[1]~[6]の何れか1に記載の方法。
[8] 多糖類の前記溶液が、45℃の温度および大気圧の条件下で、0.8~20[Pa・s]の粘度を有する[1]~[7]の何れか1に記載の方法。
[9] 多糖類の前記溶液が、水750gに対して10~45gの量で寒天を含有する溶液である[1]~[8]の何れか1に記載の方法。
[10] 多糖類の前記溶液が、水750gに対して30~40gの量で寒天を含有する溶液である[1]~[9]の何れか1に記載の方法。
[11] 多糖類の前記溶液が、不活性ガスの前記供給の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より15~55℃高い温度を有する[1]~[10]の何れか1に記載の方法。
[12] 多糖類の前記溶液が、不活性ガスの前記供給の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より25~45℃高い温度を有する[1]~[11]の何れか1に記載の方法。
[13] 不活性ガスが供給された前記液体が、前記発泡体を形成するための前記減圧の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より5~25℃高い温度を有する[1]~[12]の何れか1に記載の方法。
[14] 不活性ガスが供給された前記液体が、前記発泡体を形成するための前記減圧の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より9~15℃高い温度を有する[1]~[13]の何れか1に記載の方法。
[15] 不活性ガスの前記供給が、多糖類の前記溶液への前記不活性ガスのバブリングおよび/または前記不活性ガスの存在下での多糖類の前記溶液の振盪により行われる[1]~[14]の何れか1に記載の方法。
[16] 不活性ガスの前記供給が、多糖類の前記溶液へ前記不活性ガスをバブリングし、その後、多糖類の前記溶液を振盪することにより行われる[1]~[15]の何れか1に記載の方法。
[17] 不活性ガスの前記供給が、密閉容器中に収容された多糖類の前記溶液に前記不活性ガスを加圧しながら供給することにより行われる[1]~[16]の何れか1に記載の方法。
[18] 不活性ガスの前記供給が、密閉容器中に収容された多糖類の前記溶液に前記不活性ガスを加圧しながらバブリングし、その後、多糖類の前記溶液を振盪することにより行われる[1]~[17]の何れか1に記載の方法。
[19] 前記不活性ガスが、CO2、N2O、空気、またはN2である[1]~[18]の何れか1に記載の方法。
[20] 前記不活性ガスが、CO2またはN2Oである[1]~[19]の何れか1に記載の方法。
[21] 前記不活性ガスが、CO2である[1]~[20]の何れか1に記載の方法。
[22] 不活性ガスの前記供給が、前記不活性ガスを0kPaより大きく4000kPa以下の分圧で供給することにより行われる[1]~[21]の何れか1に記載の方法。
[23] 不活性ガスの前記供給が、前記不活性ガスを800kPa以上の分圧で供給することにより行われる[1]~[22]の何れか1に記載の方法。
[24] 不活性ガスの前記供給が、前記不活性ガスを800~4000kPaの分圧で供給することにより行われる[1]~[23]の何れか1に記載の方法。
[25] 前記発泡体を形成するための前記減圧と前記乾燥との間に、前記発泡体を15~25℃の条件下に放置して前記発泡体をゲル化させることを更に含む[1]~[24]の何れか1に記載の方法。
[26] 前記発泡体を形成するための前記減圧が、減圧前と減圧後との間で0kPaより大きく4000kPa以下の圧力差を生じさせる減圧である[1]~[25]の何れか1に記載の方法。
[27] 前記発泡体を形成するための前記減圧が、減圧前と減圧後との間で800kPa以上の圧力差を生じさせる減圧である[1]~[26]の何れか1に記載の方法。
[28] 前記発泡体を形成するための前記減圧が、減圧前と減圧後との間で800~4000kPaの圧力差を生じさせる減圧である[1]~[27]の何れか1に記載の方法。
[29] 不活性ガスの前記供給が、密閉容器中に収容された多糖類の前記溶液に不活性ガスを加圧しながら供給することにより行われ、前記発泡体を形成するための前記減圧が、前記密閉容器を開放することにより行われる[1]~[28]の何れか1に記載の方法。
[30] 不活性ガスの前記供給が、密閉容器内で、大気圧より高い圧力、例えば1000~1300kPaの圧力の下で行われ、前記発泡体を形成するための前記減圧が、前記密閉容器を開放することにより行われる[1]~[29]の何れか1に記載の方法。
[31] 不活性ガスが供給された前記液体が、前記不活性ガス以外の発泡剤を含まない[1]~[30]の何れか1に記載の方法。
[32]前記減圧乾燥が、10kPa以下、好ましくは1kPa以下、より好ましくは0~0.7kPaの条件下で行われる[1]~[31]の何れか1に記載の方法。
[33] 前記減圧乾燥が、減圧条件下での乾燥工程のみからなる乾燥である[1]~[32]の何れか1に記載の方法。
[34] 前記減圧乾燥の代わりに、超臨界乾燥が行われる[1]~[33]の何れか1に記載の方法。
[35] 不活性ガスが供給された前記液体が、分散質を更に含む[1]~[34]の何れか1に記載の方法。
[36] 前記分散質が、たばこ材料または食品材料である[35]に記載の方法。
[37] 前記分散質が、たばこ材料である[35]または[36]に記載の方法。
[38] 前記分散質が、粒子の形態を有する[35]~[37]の何れか1に記載の方法。
[39] 前記分散質が、500μm以下、好ましくは10~500μmの平均粒径を有する粒子である[35]~[38]の何れか1に記載の方法。
[40] 前記分散質が、前記多糖類に対して、0~570質量%、好ましくは30~570質量%の量で多孔質体に含まれる[35]~[39]の何れか1に記載の方法。
[41] 不活性ガスが供給された前記液体が、前記多糖類以外の溶質を更に含む[1]~[40]の何れか1に記載の方法。
[42] 前記溶質が、たばこ香味成分または食品成分である[41]に記載の方法。
[43] 前記溶質が、たばこ香味成分である[41]または[42]に記載の方法。
[44] 前記溶質が、前記多糖類に対して、0~570質量%、好ましくは0~50質量%の量で多孔質体に含まれる[41]~[43]の何れか1に記載の方法。
[45] [1]~[44]の何れか1に記載の方法に従って製造される前記多孔質体に水を添加して、水分含有多孔質体を形成することを含む、水分含有多孔質体の製造方法。
[46] 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して0.5質量部未満の量で添加される[45]に記載の方法。
[47] 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して0.3質量部未満の量で添加される[45]または[46]に記載の方法。
[48] 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して0.5~50質量部の量で添加される[45]に記載の方法。
[49] 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して1.0~40質量部の量で添加される[45]または[48]に記載の方法。
[50] [1]~[49]の何れか1に記載の方法により製造される多孔質体。
[51] [1]~[49]の何れか1に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用たばこ充填材の製造方法。
[52] [1]~[49]の何れか1に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用フィルタの製造方法。
[53] [1]~[49]の何れか1に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、食品の製造方法。
[54] [51]に記載の方法により製造される香味吸引物品用たばこ充填材。
[55] [52]に記載の方法により製造される香味吸引物品用フィルタ。
[56] [53]に記載の方法により製造される食品。
[57] [1]~[49]の何れか1に記載の方法に従って製造される前記多孔質体を、たばこ充填材として含む香味吸引物品。
[58] [37]または[43]に記載の方法に従って製造される前記多孔質体を、たばこ充填材として含む香味吸引物品。
[実施例1]多孔質体の観察
以下の試料1~5の多孔質体を作製し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
試料1:追加の成分を含まない多孔質体
試料2:追加の成分として分散質を含む多孔質体
試料3:追加の成分として溶質を含む多孔質体
試料4:不活性ガスの供給を行うことなく調製された多孔質体
試料5:凍結乾燥ではなく自然乾燥により調製された多孔質体
<1-1.多孔質体の作製>
<試料1>
(1)粉寒天(和光純薬、試薬特級)17.5gを375mLの水の中で溶解させ、90℃になるまで温めた。得られた寒天水溶液は、45℃の温度および大気圧の条件下に置いた場合、3.8[Pa・s]の粘度を有する。
(2)寒天水溶液(90℃)を60℃まで冷却した。
(3)寒天水溶液(60℃)を密閉容器に入れ、寒天水溶液にCO2ガスを供給した。CO2ガスの供給は、エスプーマスパークリング(日本炭酸瓦斯株式会社)を用いて、寒天水溶液にCO2ガスをバブリングすることにより行った。CO2ガスの供給量は、16gで、CO2ガスの分圧は、1124kPaであった。
(4)CO2ガスが供給された液体を7分間振盪した。
(5)密閉容器を開放し、得られたムース状の発泡体をバッドに空けた。密閉容器の開放前と開放後の圧力差は、1124kPaであった。また、密閉容器を開放した直後、ムース状の発泡体は、45℃の温度を有していた。なお、本実験および以降の実験では、密閉容器の開放前に液体の温度を測定することができないため、密閉容器を開放した直後に液体の温度を測定し、これを密閉容器の開放の直前における液体の温度とみなした。
(6)発泡体を30分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル状の発泡体を室温(25℃)に戻るまで放置した。
(7)ゲル状の発泡体を冷凍庫にいれて凍結し、その後、含水量が約0になるまで(3日程度)乾燥させた。乾燥は、0.61kPa以下の減圧下で行った。これにより多孔質体を作製した。
<試料2>
(1)まず、追加の成分としてたばこ細粉を準備した。具体的には、シガレット(メビウス・スーパーライト(日本たばこ産業株式会社))のたばこ刻部分を取り出して、ミルで破砕し、篩目500μm以下のものを選別した。
(2)粉寒天(和光純薬、試薬特級)4.4gを375mLの水の中で溶解させ、90℃になるまで温めた。
(3)たばこ細粉13.1gを寒天水溶液(90℃)に加えて分散させた。たばこ細粉を含む寒天水溶液は、45℃の温度および大気圧の条件下に置いた場合、0.02[Pa・s]の粘度を有する。
(4)たばこ細粉を含む寒天水溶液(90℃)を60℃まで冷却した。
(5)たばこ細粉を含む寒天水溶液(60℃)を密閉容器に入れ、寒天水溶液にCO2ガスを供給した。CO2ガスの供給は、エスプーマスパークリング(日本炭酸瓦斯株式会社)を用いて、寒天水溶液にCO2ガスをバブリングすることにより行った。CO2ガスの供給量は、16gで、CO2ガスの分圧は、1124kPaであった。
(6)CO2ガスが供給された液体を7分間振盪した。
(7)密閉容器を開放し、得られたムース状の発泡体をバッドに空けた。密閉容器の開放前と開放後の圧力差は、1124kPaであった。また、密閉容器を開放した直後、ムース状の発泡体は、45℃の温度を有していた。
(8)発泡体を30分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル状の発泡体を室温(25℃)に戻るまで放置した。
(9)ゲル状の発泡体を冷凍庫にいれて凍結し、その後、含水量が約0になるまで(3日程度)乾燥させた。乾燥は、0.61kPa以下の減圧下で行った。これにより多孔質体を作製した。
<試料3>
(1)粉寒天(和光純薬、試薬特級)10.0gを375mLの水の中で溶解させ、90℃になるまで温めた。
(2)塩1.0gを寒天水溶液(90℃)に加えて溶解させた。塩を含む寒天水溶液は、45℃の温度および大気圧の条件下に置いた場合、1.3[Pa・s]の粘度を有する。
(3)寒天水溶液(90℃)を60℃まで冷却した。
(4)寒天水溶液(60℃)を密閉容器に入れ、寒天水溶液にCO2ガスを供給した。CO2ガスの供給は、エスプーマスパークリング(日本炭酸瓦斯株式会社)を用いて、寒天水溶液にCO2ガスをバブリングすることにより行った。CO2ガスの供給量は、16gで、CO2ガスの分圧は、1124kPaであった。
(5)CO2ガスが供給された液体を7分間振盪した。
(6)密閉容器を開放し、得られたムース状の発泡体をバッドに空けた。密閉容器の開放前と開放後の圧力差は、1124kPaであった。また、密閉容器を開放した直後、ムース状の発泡体は、45℃の温度を有していた。
(7)発泡体を30分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル状の発泡体を室温(25℃)に戻るまで放置した。
(8)ゲル状の発泡体を冷凍庫にいれて凍結し、その後、含水量が約0になるまで(3日程度)乾燥させた。乾燥は、0.61kPa以下の減圧下で行った。これにより多孔質体を作製した。
<試料4>
(1)粉寒天(和光純薬、試薬特級)17.5gを375mLの水の中で溶解させ、90℃になるまで温めた。得られた寒天水溶液(90℃)をバッドに空けた。
(2)寒天水溶液を30分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル化物を室温(25℃)に戻るまで放置した。
(3)ゲル化物を冷凍庫にいれて凍結し、その後、含水量が約0になるまで(7日程度)乾燥させた。乾燥は、0.61kPa以下の減圧下で行った。これにより多孔質体を作製した。
<試料5>
(1)粉寒天(和光純薬、試薬特級)17.5gを375mLの水の中で溶解させ、90℃になるまで温めた。
(2)寒天水溶液(90℃)を60℃まで冷却した。
(3)寒天水溶液(60℃)を密閉容器に入れ、寒天水溶液にCO2ガスを供給した。CO2ガスの供給は、エスプーマスパークリング(日本炭酸瓦斯株式会社)を用いて、寒天水溶液にCO2ガスをバブリングすることにより行った。CO2ガスの供給量は、16gで、CO2ガスの分圧は、1124kPaであった。
(4)CO2ガスが供給された液体を7分間振盪した。
(5)密閉容器を開放し、得られたムース状の発泡体をバッドに空けた。密閉容器の開放前と開放後の圧力差は、1124kPaであった。また、密閉容器を開放した直後、ムース状の発泡体は、45℃の温度を有していた。
(6)発泡体を30分以上放置してゲル化させ、その後、ゲル状の発泡体を室温(25℃)に戻るまで放置した。
(7)ゲル状の発泡体をドラフト内に放置し、自然乾燥により(3日程度)乾燥させた。これにより多孔質体を作製した。
<1-2.観察方法>
試料1~5の多孔質体を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて30倍の倍率で観察した。具体的には、各試料を、重力に対して垂直方向の断面(xy断面)と、重力に対して平行方向の断面(yz断面)と、xy断面およびyz断面の両方と直交する断面(zx断面)で切断し、3つの断面(xy断面、yz断面およびzx断面)を観察した。撮像は、試料1~5の多孔質体(含水量0)を22℃60RH%で調湿し、調湿された多孔質体に対して行った。
<1-3.観察結果>
試料1のSEM画像を図5~7に示し、試料2のSEM画像を図8~10に示し、試料3のSEM画像を図11~13に示し、試料4のSEM画像を図14~15に示す。
<試料1>
試料1の多孔質体は、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、孔がほぼ円形の形状を有し、扁平な形状を有していなかった。また、試料1の多孔質体は、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、孔が均一に分布していた。このように、試料1の多孔質体は、観察する方向によらず、ほぼ同一の多孔質構造が観察された。すなわち、試料1の多孔質体は、ほぼ球形の孔を均一に有し、等方的な性質を有していることが確認された。
試料1の変形例として、凍結乾燥(すなわち、凍結工程とその後の減圧条件下での乾燥工程からなる乾燥)の代わりに、減圧条件下での乾燥工程のみからなる乾燥を行ったこと以外は、試料1と同様の方法に従って多孔質体を作製した。試料1の変形例においても、試料1と同様、得られた多孔質体は、ほぼ球形の孔を均一に有し、等方的な性質を有していることが確認された。
<試料2>
試料2の多孔質体は、多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)にたばこ細粉を含むことが観察された。試料2の多孔質体は、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、孔がほぼ円形の形状を有し、扁平な形状を有していなかった。また、試料2の多孔質体は、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、孔が均一に分布していた。このように、試料2の多孔質体は、追加の成分として分散質を含むが、観察する方向によらず、ほぼ同一の多孔質構造が観察された。すなわち、試料2の多孔質体は、ほぼ球形の孔を均一に有し、等方的な性質を有していることが確認された。
試料2の変形例として、13.1gの粉寒天と4.4gのたばこ細粉を使用したこと以外は、試料2と同様の方法に従って多孔質体を作製した。試料2の変形例では、たばこ細粉を含む寒天水溶液は、45℃の温度および大気圧の条件下で、3.2[Pa・s]の粘度を有していた。この変形例においても、試料2と同様、得られた多孔質体は、ほぼ球形の孔を均一に有し、等方的な性質を有していることが確認された。
<試料3>
試料3の多孔質体は、追加の成分として塩を含むが、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、観察される孔がほぼ円形の形状を有し、扁平な形状を有していなかった。また、試料3の多孔質体は、水平断面(xy断面)および垂直断面(yz断面およびzx断面)の全てにおいて、孔が均一に分布していた。このように、試料3の多孔質体は、追加の成分として溶質を含むが、観察する方向によらず、ほぼ同一の多孔質構造が観察された。すなわち、試料3の多孔質体は、ほぼ球形の孔を均一に有し、等方的な性質を有していることが確認された。
<試料4>
試料4の多孔質体は、試料1~3の多孔質体と比べて、密閉容器の開放時に体積の膨張率が小さかった。また、試料4の多孔質体は、試料1~3の多孔質体と比べて、観察される孔のサイズが小さかった。また、試料4の多孔質体は、垂直断面(yz断面)において、観察される孔が明らかに扁平な形状を有していた。すなわち、試料4の多孔質体は、異方的な性質を有していることが確認された。これらの結果は、試料4の多孔質体が、不活性ガスの供給を行うことなく調製されたため、密閉容器の開放時に気泡をうまく生じさせることできなかったためと考えられる。
<試料5>
試料5の多孔質体は、試料1~3の多孔質体と比べて、肉眼で観察しても、明らかに空隙が目立っていた。このため、SEM画像を得ることができなかった。これは、自然乾燥を行ったため、多孔質体の孔を隔てる壁(隔壁)がうまく形成できず、多孔質構造をつくることができなかったためと考えられる。
[実施例2]水分含有多孔質体の含水量と硬さとの関係
実施例2では、水分含有多孔質体の含水量と硬さとの関係を調べた。
<2-1.方法>
<水分含有多孔質体の含水量>
「水分含有多孔質体の含水量」は、以下のとおり算出した。
1cm3の立方体にカットしたサンプルを、蓋つき秤量瓶に入れ、105℃に設定した乾燥機内部で3時間かけて多孔質体の水分を完全に除去した。その後、多孔質体入り秤量瓶を、シリカゲルの入ったデシケーター内部で室温まで冷却して、乾燥を完了させた。乾燥前のサンプル重量と乾燥後のサンプル重量の値を用いて、含水量を以下の式により算出した。
含水量(g/g-dry)=乾燥前後の重量変化(水分減少量)/乾燥後のサンプル重量
<水分含有多孔質体の硬さ>
「水分含有多孔質体の硬さ」については、サンプルに荷重をかけて変形させ、その後荷重を開放したときに、サンプルの形がどの程度復元するかを測定した。すなわち、「水分含有多孔質体の硬さ」は、復元率により表す。
「水分含有多孔質体の復元率」は、以下のとおり算出される値をいう。
サンプル高さが75%変形するまで(すなわち、元の高さの25%の高さになるまで)サンプルに荷重をかけ、その後、一定時間(1分)荷重を開放した。その後、サンプル高さを測定した。荷重をかける前のサンプル高さと荷重を開放した後のサンプル高さの値を用いて、復元率を以下の式により算出した。
復元率=(荷重を開放した後のサンプル高さ/荷重をかける前のサンプル高さ)
復元率の値が1に近いほど、荷重を開放した後に元の形への戻りが良いこと(すなわち、弾力性が大きく、ふわふわした感触を有すること)を示す。
<2-2.結果>
水分含有多孔質体の含水量と復元率との関係を図16および17に示す。図16は、約50g/gまでの含水量を有する試料の復元率を示し、図17は、約2.8g/gまでの含水量を有する試料の復元率を示す。
図16および図17は、以下のことを示す。水分含有多孔質体が約0.24g/g以下の含水量を有すると、復元率が0.5未満で、荷重を開放した後に元の形への戻りが良くなかった(すなわち、弾力性が小さく、さくさくした感触を有していた)。一方、水分含有多孔質体が約1.3g/g以上の含水量を有すると、復元率が1に近く、荷重を開放した後に元の形への戻りが良かった(すなわち、弾力性が大きく、ふわふわした感触を有していた)。
これらの結果から、以下のことが考察される。「さくさくした感触を有する多孔質体」は、例えば0~0.5g/g未満、好ましくは0~0.3g/gの含水量を有するように水を添加することにより製造することができ、「ふわふわした感触を有する多孔質体」は、例えば0.5g/g以上、好ましくは0.5~50g/g、より好ましくは1.0~40g/gの含水量を有するように水を添加することにより製造することができる。
[実施例3]多孔質体の調製時のパラメーターと発泡体のみかけ密度との関係
実施例3では、多孔質体の調製時のパラメーターと、ゲル状の発泡体のみかけ密度との関係を調べた。多孔質体の調製時のパラメーターとして、寒天水溶液の粘度、CO2分圧、および圧力開放後の寒天水溶液の温度を変化させた。
この実施例では、みかけ密度は、凍結乾燥前のゲル状の発泡体のみかけ密度を測定した。ゲル状の発泡体は、その後、凍結乾燥工程に晒され多孔質体になるが、凍結乾燥工程は、ゲルの収縮抑制を行いつつ水分除去を行う。このため、ゲル状の発泡体のみかけ密度が小さいほど、乾燥後に得られる多孔質体のみかけ密度も小さく、多孔質体として特に優れていると考えられる。
<3-1.方法>
まず、実験に用いた測定方法を以下に記載する。
<寒天水溶液の粘度の測定方法>
500mLビーカーに寒天水溶液を入れ、攪拌機で一分程度混合し、その溶液の温度を中心部において熱電対で測定した。その直後にB型回転粘度計(TVB-10、東機産業株式会社)の回転ローター(M1またはM4を使用)をビーカーに入れ、回転速度30rpmで30秒間にわたって粘度を測定した。その平均値を「寒天水溶液の粘度」とした。
<みかけ密度の測定方法>
みかけ密度は、以下の式により算出した。
ρA=WA/VA
ここで、WAは、ゲル状の発泡体の重量[g]であり、VAは、ゲル状の発泡体の体積[cc]である。
ゲル状の発泡体を直径3cmの円形型抜きで円筒状に抜き取り、ノギスでゲル状の発泡体の中心部の高さを測定することにより、ゲル状の発泡体の体積を求めた。その後、天秤を用いてゲル状の発泡体の重量を測定した。上記測定を3回繰り返し、その算術平均を「ゲル状の発泡体のみかけ密度」とした。
<CO2分圧の算出方法>
CO2分圧は、ファンデルワールスの式より算出した。
CO2={nRT/(V-nb)}-a(n/V)2
ここで、PCO2は、CO2分圧[単位]、nは、CO2モル分率、Rは気体定数、Tは環境温度、Vはエスプーマ容器の空隙体積、aおよびbはそれぞれファンデルワールス係数である。
<3-2.結果>
<寒天水溶液の粘度と発泡体のみかけ密度との関係>
実施例1の試料1と同様の方法に従って、ゲル状の発泡体を調製した。寒天水溶液の粘度は、寒天の濃度を変えることにより変化させた。表1に、ゲル状の発泡体の調製条件と、ゲル状の発泡体のみかけ密度を示す。なお、表1において、「寒天粘度」は、寒天水溶液を圧力解放後に吐出した時の温度(すなわち、45℃)における粘度を表す。
Figure 0007274041000001
寒天水溶液の粘度と発泡体のみかけ密度との関係を図18に示す。
図18および表1の結果から、多糖類として寒天を用いて多孔質体を製造した場合、寒天水溶液は、水750gに対して、10~45gの量で寒天を含有することが好ましく、水750gに対して、30~40gの量で寒天を含有することがより好ましいことが分かる。
寒天濃度が低いと、寒天粘度が小さく、寒天水溶液が気泡を保持しにくく、気泡内の気体が抜け易いため、みかけ密度が大きくなると考えられる。一方、寒天濃度が高いと、寒天粘度が大きく、振盪時に液体が流動しにくいことにより、液体とCO2ガスとの混合が促進されず、気泡が形成されにくく、その結果、みかけ密度が大きくなると考えられる。
<CO2分圧と発泡体のみかけ密度との関係>
実施例1の試料1と同様の方法に従って、ゲル状の発泡体を調製した。CO2ガスの分圧(以下、CO2分圧という)は、CO2添加量を変えることにより変化させた。なお、容器内には、CO2の他に、空気と水蒸気が含まれるがこれらの量は一定なので、CO2分圧が大きくなるほど、全圧が大きくなり、これにより大気圧との差も大きくなる。表2に、ゲル状の発泡体の調製条件と、ゲル状の発泡体のみかけ密度を示す。
Figure 0007274041000002
CO2分圧と発泡体のみかけ密度との関係を図19に示す。
図19および表2の結果から、CO2ガスの供給は、CO2を、0kPaより大きく4000kPa以下の分圧で供給することが好ましく、800kPa以上の分圧で供給することがより好ましく、800~4000kPaの分圧で供給することが更に好ましいことが分かる。
CO2添加量が少なく、CO2分圧が小さいと、寒天水溶液と混合される気体の量が減少し、また、圧力解放後に寒天水溶液を膨化する力が弱まるため、みかけ密度が大きくなると考えられる。
<圧力開放後の寒天水溶液の温度と発泡体のみかけ密度との関係>
実施例1の試料1と同様の方法に従って、ゲル状の発泡体を調製した。圧力開放後の寒天水溶液の温度は、CO2供給の直前における寒天水溶液の温度(表3では導入温度という)を変えることにより変化させた。上述のとおり、本実験でも圧力開放前に寒天水溶液の温度を測定することができないため、圧力を開放した直後に寒天水溶液の温度を測定し、これを圧力開放の直前における寒天水溶液の温度とみなした。表3に、ゲル状の発泡体の調製条件、ゲル状の発泡体のみかけ密度を示す。
Figure 0007274041000003
圧力開放後の寒天水溶液の温度と発泡体のみかけ密度との関係を図20に示す。
図20および表3の結果から、CO2が供給された液体は、減圧の直前に、寒天水溶液のゲル化温度より5~25℃高い温度を有することが好ましく、寒天水溶液のゲル化温度より9~15℃高い温度を有することがより好ましいことが分かる。また、図20および表3の結果から、寒天水溶液は、CO2の供給の直前に、寒天水溶液のゲル化温度より15~55℃高い温度を有することが好ましく、寒天水溶液のゲル化温度より25~45℃高い温度を有することがより好ましいことが分かる。
CO2の供給前の温度(導入温度)が低く、これに伴って圧力開放の直前における寒天水溶液の温度が低いと、寒天粘度が増加するため、圧力解放時に寒天水溶液が膨化しにくく、みかけ密度が大きくなると考えられる。一方、CO2の供給前の温度(導入温度)が高く、これに伴って圧力開放の直前における寒天水溶液の温度が高いと、ゲル化するまでに時間を要し、気泡内の気体が抜け易く、みかけ密度が大きくなると考えられる。

Claims (27)

  1. 多糖類の溶液に不活性ガスを供給して、不活性ガスが供給された液体を調製することと、
    不活性ガスが供給された前記液体を減圧して、発泡体を形成することと、
    前記発泡体を減圧乾燥により乾燥させて、多孔質体を形成することと
    を含む、多孔質体の製造方法。
  2. 前記減圧乾燥が凍結乾燥である請求項1に記載の方法。
  3. 前記多糖類が、温度応答性ゾル-ゲル転移特性を有する多糖類である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記多糖類が、寒天、ゲランガム、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カードラン、またはこれらの任意の組み合わせである請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
  5. 多糖類の前記溶液が、45℃の温度および大気圧の条件下で、0.01~50[Pa・s]の粘度を有する請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
  6. 多糖類の前記溶液が、不活性ガスの前記供給の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より15~55℃高い温度を有する請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7. 不活性ガスが供給された前記液体が、前記発泡体を形成するための前記減圧の直前に、多糖類の前記溶液のゲル化温度より5~25℃高い温度を有する請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8. 不活性ガスの前記供給が、多糖類の前記溶液への前記不活性ガスのバブリングおよび/または前記不活性ガスの存在下での多糖類の前記溶液の振盪により行われる請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記不活性ガスが、CO2またはN2Oである請求項1~8の何れか1項に記載の方法。
  10. 不活性ガスの前記供給が、前記不活性ガスを0kPaより大きく4000kPa以下の分圧で供給することにより行われる請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記発泡体を形成するための前記減圧と前記乾燥との間に、前記発泡体を15~25℃の条件下に放置して前記発泡体をゲル化させることを更に含む請求項1~10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記発泡体を形成するための前記減圧が、減圧前と減圧後との間で0kPaより大きく4000kPa以下の圧力差を生じさせる減圧である請求項1~11の何れか1項に記載の方法。
  13. 不活性ガスが供給された前記液体が、前記不活性ガス以外の発泡剤を含まない請求項1~12の何れか1項に記載の方法。
  14. 不活性ガスが供給された前記液体が、分散質を更に含む請求項1~13の何れか1項に記載の方法。
  15. 前記分散質が、たばこ材料または食品材料である請求項14に記載の方法。
  16. 不活性ガスが供給された前記液体が、前記多糖類以外の溶質を更に含む請求項1~15の何れか1項に記載の方法。
  17. 前記溶質が、たばこ香味成分または食品成分である請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1~17の何れか1項に記載の方法に従って製造される前記多孔質体に水を添加して、水分含有多孔質体を形成することを含む、水分含有多孔質体の製造方法。
  19. 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して0.5質量部未満の量で添加される請求項18に記載の方法。
  20. 前記水が、前記多孔質体1質量部に対して0.5~50質量部の量で添加される請求項18に記載の方法。
  21. 請求項1~20の何れか1項に記載の方法により製造される多孔質体。
  22. 請求項1~20の何れか1項に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用たばこ充填材の製造方法。
  23. 請求項1~20の何れか1項に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、香味吸引物品用フィルタの製造方法。
  24. 請求項1~20の何れか1項に記載の方法に従って多孔質体を形成することを含む、食品の製造方法。
  25. 請求項22に記載の方法により製造される香味吸引物品用たばこ充填材。
  26. 請求項23に記載の方法により製造される香味吸引物品用フィルタ。
  27. 請求項24に記載の方法により製造される食品。
JP2022508145A 2020-03-17 2021-02-15 多孔質体の製造方法および多孔質体 Active JP7274041B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020046086 2020-03-17
JP2020046086 2020-03-17
PCT/JP2021/005503 WO2021186982A1 (ja) 2020-03-17 2021-02-15 多孔質体の製造方法および多孔質体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2021186982A1 JPWO2021186982A1 (ja) 2021-09-23
JP7274041B2 true JP7274041B2 (ja) 2023-05-15

Family

ID=77768091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022508145A Active JP7274041B2 (ja) 2020-03-17 2021-02-15 多孔質体の製造方法および多孔質体

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4122980A4 (ja)
JP (1) JP7274041B2 (ja)
TW (1) TW202138444A (ja)
WO (1) WO2021186982A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20240180237A1 (en) * 2022-12-06 2024-06-06 Greenbutts Llc Fiber cell structure expansion process

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000512666A (ja) 1996-05-22 2000-09-26 ベン―グリオン ユニバーシティー オブ ザ ネゲブ 細胞培養および移植用の多糖スポンジ
JP2007091954A (ja) 2005-09-29 2007-04-12 Toshiba Corp 発泡体、その製造方法、およびその再生方法
JP2017516898A (ja) 2014-05-19 2017-06-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 多孔質アルギネート系エアロゲルの生成方法
WO2018189366A1 (en) 2017-04-13 2018-10-18 Basf Se Process for preparing a porous material

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4012333A (en) * 1975-05-23 1977-03-15 Hercules Incorporated Method of making gels based on biologically produced polysaccharides
US5502082A (en) * 1991-12-20 1996-03-26 Alliedsignal Inc. Low density materials having good compression strength and articles formed therefrom
US5458884A (en) * 1992-09-10 1995-10-17 Britton; Peter Bioerodible device for administering active ingredients
US20030224022A1 (en) * 1993-01-19 2003-12-04 Amos Nussinovitch Hydrocolloid cellular solid matrices
WO2006073065A1 (ja) 2005-01-06 2006-07-13 Japan Tobacco Inc. 非燃焼型喫煙物品用炭素質熱源組成物
TW201032739A (en) * 2009-01-08 2010-09-16 Japan Tobacco Inc Filter for cigarette
EP2412396B2 (en) 2009-03-23 2023-10-18 Japan Tobacco, Inc. Non-combustion article for flavor inhalation
US9226524B2 (en) * 2010-03-26 2016-01-05 Philip Morris Usa Inc. Biopolymer foams as filters for smoking articles
CN108433184B (zh) 2013-09-30 2022-05-03 日本烟草产业株式会社 非燃烧型香味吸取器
RU2554811C1 (ru) * 2014-07-01 2015-06-27 Федеральное государственное бюджетное учреждение науки Институт металлургии и материаловедения им. А.А. Байкова Российской академии наук (ИМЕТ РАН) Способ получения пористых хитозановых губок, содержащих фосфаты кальция, для заполнения костных дефектов
BR112019013497A2 (pt) * 2016-12-29 2020-01-07 Jt International S.A. Mousse de tabaco

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000512666A (ja) 1996-05-22 2000-09-26 ベン―グリオン ユニバーシティー オブ ザ ネゲブ 細胞培養および移植用の多糖スポンジ
JP2007091954A (ja) 2005-09-29 2007-04-12 Toshiba Corp 発泡体、その製造方法、およびその再生方法
JP2017516898A (ja) 2014-05-19 2017-06-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 多孔質アルギネート系エアロゲルの生成方法
WO2018189366A1 (en) 2017-04-13 2018-10-18 Basf Se Process for preparing a porous material

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021186982A1 (ja) 2021-09-23
JPWO2021186982A1 (ja) 2021-09-23
EP4122980A4 (en) 2024-03-27
EP4122980A1 (en) 2023-01-25
TW202138444A (zh) 2021-10-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8124147B2 (en) Oral pouch products with immobilized flavorant particles
EP3243393B1 (en) Heat reversible composition for smoking goods that are gel-like at normal temperatures
CN102065700B (zh) 发泡咖啡组合物
KR20160098203A (ko) 캡슐을 포함하는 필터를 구비한 흡연 물품
JP2021528062A (ja) タバコムースの製造方法
TWI673014B (zh) 具液體輸送材料之菸品
CN112955032A (zh) 产生气溶胶的基质
JP7274041B2 (ja) 多孔質体の製造方法および多孔質体
CN105979803A (zh) 具有带有易碎壳的液体释放组分的吸烟制品
WO2014083333A1 (en) Controlling a smokeable material
KR102458829B1 (ko) 경질 캡슐로 구성된 캡슐 필터 세그먼트를 포함하는 에어로졸 생성 로드
CN114040685A (zh) 生成气溶胶的底物
KR20210062732A (ko) 비연소형 흡인 물품
JP2022512063A (ja) タバコ構成要素含有剤を含有する造形発泡体の形成方法
EP4051021B1 (en) Aerosol-generating tobacco-containing composition comprising medium-chain triglyceride
JP2023502836A (ja) クラム状タバコ基材
CN112955030A (zh) 气溶胶生成
TW201726007A (zh) 用於吸菸製品的活性碳球狀體
JP2023530605A (ja) 粒状フレーバー付与粒子を含むエアロゾル発生基材
TWI642366B (zh) 球狀之粉末凝聚體及其製造方法
TWI636741B (zh) 球狀之粉末凝聚體及其製造方法
WO2023033042A1 (ja) 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート、非燃焼加熱型香味吸引器、及び非燃焼加熱型香味吸引システム
WO2023033060A1 (ja) 非燃焼加熱型香味吸引器用たばこシート及びその製造方法、非燃焼加熱型香味吸引器、並びに非燃焼加熱型香味吸引システム
EA046136B1 (ru) Табакосодержащий состав, генерирующий аэрозоль, содержащий триглицерид средней цепи
CN118119289A (zh) 非燃烧加热型香味抽吸器用烟草片及其制造方法、非燃烧加热型香味抽吸器、以及非燃烧加热型香味抽吸系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221209

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20230123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7274041

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150