JP7273366B2 - 銅張積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、銅張積層板に関する。さらに詳しくは、見かけのたわみ量を制御できる銅張積層板に関する。
電子機器用の配線材料として、COF(Chip On Film)、FPC(Flexible Printed Circuits)等が知られている。この配線材料に用いられる絶縁フィルムは、搭載される電子機器の薄型、小型化の要求に従って、より薄いものが採用されるようになってきている。これにより、電子機器の高密度実装が可能となっている。
COF等の配線材料は、銅張積層板(CCL:Copper Clad Laminate)から製造される。銅張積層板は、ポリイミドフィルム等の絶縁フィルムの片面または両面に銅めっき等で金属層を形成したものである。この銅張積層板において、ベースとなる絶縁フィルムの厚さは、12.5~100μmであり、好ましくは25~38μmである。この銅張積層板と、その製造方法が特許文献1で開示されている。
上記したような厚さの絶縁フィルムを用いた銅張積層板からCOFなどを製造する工程で用いられるサブトラクティブ法は、以下に示すとおりである。すなわち、まず厚さ8~12μm程度の銅層が形成された銅張積層板に、フォトレジスト膜が形成される。その後露光、現像され、フォトレジストパターンが形成された後、フォトレジストパターンの開口部に露出する銅層がエッチング法により溶解、除去される。このサブトラクティブ法が用いられた後、幾つかの工程を経ることで、所定の金属配線パターンを有するCOFなどの配線材料が得られる。
最近では、上記のサブトラクティブ法に替えて、セミアディティブ法が採用される場合がある。このセミアディティブ法では、より微細な金属配線パターンを有するCOFなどの配線材料を得ることが可能である。セミアディティブ法においても、ベースとなる絶縁フィルムの表面に薄い金属層が形成された銅張積層板が用いられる。セミアディティブ法では、この銅張積層板の表面にフォトレジストパターンが形成された後、フォトレジストパターンの開口部をめっきした後、サブトラクティブ法と同様幾つかの工程を経ることで、所望の厚さの金属配線パターンを有するCOFなどの配線材料が得られる。
特に近年では、より高い配線密度化が可能な両面COF基板などが製造されている。この両面COF基板などの製造では、両面がめっきされた銅張積層板が用いられている。この両面COF基板などの製造では、セミアディティブ法が多く採用され、その際の銅張積層板の銅層の厚さは、0.1~5μm、好ましくは0.4~2μmとなっている。
特開2010-205799号公報
COF基板などの配線材料の製造工程においては、銅張積層板は、幅方向が水平になるように搬送される。この際に銅張積層板の自重によるたわみが発生し、銅張積層板の搬送時に、装置との接触による擦り傷が発生し易いといった問題があった。すなわち、銅張積層板は、搬送時に下面となる側は銅張積層板の自重により下方にたわみやすく、これにより装置の搬送部底面と接触し、この接触による擦り傷が発生する場合がある。この擦り傷が、COF基板などの配線材料の配線パターン形成工程において、配線欠陥の原因となったり、擦り傷から生じた金属粉または樹脂粉の発生の要因となったりしていた。
加えて、銅張積層板においては、銅めっきがされた面は、その面が谷になるような反りが生じることがあり、この場合上記のたわみ量がさらに大きくなるという問題があった。
特にセミアディティブ法で用いられる銅張積層板は銅層が薄いため、よりたわみやすいといった問題があった。ちなみに、このセミアディティブ法での銅張積層板の幅の多くは、150~250mmである。
本発明では、上記事情に鑑み、みかけのたわみ量を制御できる銅張積層板を提供することを目的とする。
第1発明の銅張積層板は、ベースフィルムと、該ベースフィルムに直接重畳された金属層と、該金属層に直接重畳された銅めっき層と、を含んで構成され、前記銅めっき層が、低硫黄銅めっき層と、該低硫黄銅めっき層に直接重畳され、前記低硫黄銅めっき層よりも単位体積当たりの硫黄濃度が高い高硫黄銅めっき層と、を含んで構成されており、二次イオン質量分析法により測定した場合に、前記低硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値が7×10 16 atoms/cm 以上5×10 18 atoms/cm 以下であり、前記高硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最大値が2×10 19 atoms/cm 以上9×10 19 atoms/cm 以下であることを特徴とする。
発明の銅張積層板は、第1発明において、前記銅めっき層が、前記ベースフィルムの両側に設けられており、前記銅めっき層のうち少なくとも一方の側に設けられている銅めっき層が、前記高硫黄銅めっき層を含んでいることを特徴とする。
発明の銅張積層板は、第1発明または第2発明において、前記低硫黄銅めっき層が、前記金属層に直接重畳されていることを特徴とする。
発明の銅張積層板は、第1発明から第発明のいずれかにおいて、前記低硫黄銅めっき層が、前記めっき層の最も外側に位置していることを特徴とする。
第1発明によれば、銅めっき層が、低硫黄銅めっき層と、高硫黄銅めっき層と、を含んで構成されることにより、銅張積層板の長さ方向に垂直な断面において、銅張積層板の反りを制御することが可能となる。反りを制御することが可能であることから、幅方向が水平方向となるように搬送されている銅張積層板においては、上面の幅方向の中央部の谷となる形状の深さを決定できたり、上面の幅方向の中央部が山となる形状としたりすることが可能となり、見かけのたわみ量を制御できる。特に上面の幅方向の中央部が山となる形状となる場合は、銅張積層板の自重によるたわみ量が相殺される。これらにより銅張積層板が装置と接触することを抑制できる。
また、二次イオン質量分析法により測定した場合に、低硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値が7×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下であり、高硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最大値が2×1019atoms/cm以上9×1019atoms/cm以下であることにより、反りの制御をより確実に行うことができる。
発明によれば、銅めっき層が、ベースフィルムの両側に設けられていることにより、たわみの制御がより容易になる。
発明によれば、低硫黄銅めっき層が金属層に直接重畳されていることにより、生産性を維持することできる。
発明によれば、低硫黄銅めっき層が、めっき層のもっとも外側に設けられていることにより、銅張積層板の最も外側の面の光沢が良くなる。
本発明の第1実施形態に係る銅張積層板の断面図である。 図1の銅張積層板の製造に用いられるめっき装置の斜視図である。 図2のめっき装置を構成するめっき槽の平面図である。 本発明の第2実施形態に係る銅張積層板の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る銅張積層板の実施例1での硫黄濃度の測定結果である。 銅張積層板の比較例1での硫黄濃度の測定結果である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための銅張積層板を例示するものであって、本発明は、銅張積層板を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
本発明に係る銅張積層板1は、ベースフィルム11と、このベースフィルム11に直接重畳された金属層12と、この金属層12に直接重畳された銅めっき層20と、を含んで構成され、この銅めっき層20が、低硫黄銅めっき層22と、この低硫黄銅めっき層22に直接重畳され、低硫黄銅めっき層22よりも単位体積当たりの硫黄濃度が高い高硫黄銅めっき層21と、を含んで構成されている。
銅めっき層20が、低硫黄銅めっき層22と、高硫黄銅めっき層21と、を含んで構成されることにより、銅張積層板1の長手方向に垂直な断面において、後述するように銅張積層板1の反りを制御することが可能となる。反りを制御することが可能であることから、幅方向が水平方向となるように搬送されている銅張積層板1においては、上面の幅方向の中央部の谷となる形状の深さを決定できたり、上面の幅方向の中央部が山となる形状としたりすることが可能となり、銅張積層板1の幅方向を水平にして搬送される際の見かけのたわみ量を制御できる。特に上面の幅方向の中央部が山となる形状となる場合は、銅張積層板1の自重によるたわみが相殺され、見かけ上、そのたわみ量を小さくでき、これにより銅張積層板1が装置と接触することを抑制できる。
反りの制御が可能な理由は以下のとおりである。電気めっきでは、めっき液中に存在する添加剤成分(特に硫黄成分)が、銅めっき層20内に取り込まれる。添加剤成分が銅めっき層20内へ取り込まれる量、すなわち銅めっき層20内の添加剤成分の割合は、電解めっきの電流密度、電解めっき液の温度、電解めっき液の濃度により変化する。電流密度に関しては、添加剤成分の割合は、電流密度が高いほど少なくなる。ここで銅めっき層20の添加剤成分と銅めっき層20に発生する応力は、反比例の関係にあることがわかっている。すなわち、電流密度が高くなれば、添加剤成分が少なくなり、それにより銅めっき層20に発生する応力は大きくなる。
ここで、銅めっき層20が片面だけに被覆される場合は、この被覆された面が谷となるように反りが発生する。すなわち、銅張積層板1が、その幅方向を上下にする姿勢で、その幅方向の一端を保持されると、銅張積層板1の長手方向に垂直な断面においては、被覆された側が谷となる形状となる。本発明では、銅張積層板1の銅めっき層20が、低硫黄銅めっき層22と、高硫黄銅めっき層21とを含んで構成されているので、応力の高い低硫黄銅めっき層22と、応力の低い高硫黄銅めっき層21があり、応力の高い低硫黄銅めっき層22が連続する場合と比較して、応力の低い高硫黄銅めっき層21により低硫黄銅めっき層22が連続することを避けることができると推測される。その結果として高硫黄銅めっき層21がない場合と比較して、谷の深さを浅くできる。すなわち、谷となる形状の深さを制御できる。また、両面に銅めっき層20が被覆される場合は、上面の幅方向の中央部が山となる形状ができる。特に上面の幅方向の中央部が山となる形状となる場合は、銅張積層板1の自重によるたわみが相殺され、見かけ上、そのたわみ量を小さくできる。これらにより銅張積層板1が装置と接触することを抑制できる。
(第1実施形態に係る銅張積層板1)
図1に、本発明の第1実施形態に係る銅張積層板1の断面図を示す。本発明の第1実施形態に係る銅張積層板1は、基材10と、この基材10の一方の面の表面に形成された銅めっき層20と、からなる。
基材10は、絶縁性を有するベースフィルム11の表面に金属層12が形成されたものである。ベースフィルム11としてポリイミドフィルムなどの樹脂フィルムを用いることができる。金属層12は、例えばスパッタリング法により形成される。金属層12は、下地金属層13と銅薄膜層14と、からなる。下地金属層13と銅薄膜層14とはベースフィルム11の表面に図1に示すように積層されている。一般に、下地金属層13は、ニッケル、クロム、またはニッケルクロム合金からなる。特に限定されないが、下地金属層13の厚さは5~50nmが一般的であり、銅薄膜層14の厚さは5~400nmが一般的である。
銅めっき層20は、金属層12の表面に形成されている。特に限定されないが、銅めっき層20の厚さは、サブトラクティブ法の場合8~12μmが一般的であり、セミアディティブ法の場合、0.1~5μmが一般的である。なお、金属層12と銅めっき層20とを合わせて「導体層」と称することがある。
銅めっき層20は、電解めっきにより成膜される。本実施形態に係る銅張積層板1の銅めっき層20を製造する方法は特に限定されないが、例えば、めっき時に電流密度を変更することで、高硫黄銅めっき層21と低硫黄銅めっき層22とを形成する方法、異なる成分のめっき液を貯留しためっきのための槽を複数設けることで高硫黄銅めっき層21と低硫黄銅めっき層22とを形成する方法、温度を互いに異ならせためっきのための槽を複数設けることで高硫黄銅めっき層21と低硫黄銅めっき層22とを形成する方法が挙げられる。
本実施形態では、銅めっき層20は、1つの高硫黄銅めっき層21を挟むように、2つの低硫黄銅めっき層22が設けられている。すなわち、まず金属層12に直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。次に、これに直接重畳するように高硫黄銅めっき層21が設けられる。そして最後に低硫黄銅めっき層22が再度設けられる。図1の紙面において最も上側に位置している、この低硫黄銅めっき層22が銅張積層板1の表面となる。
低硫黄銅めっき層が金属層に直接重畳されていることにより、生産性を維持することできる。また、低硫黄銅めっき層が、めっき層のもっとも外側に設けられていることにより、銅張積層板の最も外側の面の光沢が良くなる。
なお、高硫黄銅めっき層21または低硫黄銅めっき層22の層数は限定されない。加えて高硫黄銅めっき層21と低硫黄銅めっき層22が交互に積層されていることが好ましい。
また、高硫黄銅めっき層21とは、その厚さ方向のあらかじめ定められた範囲内において、その範囲の端部よりも中央部の硫黄濃度が高い部分を有し、かつその部分がめっきされている際の電流密度、めっき温度およびめっき液の成分が同じ条件でめっきされている層を言う。加えて低硫黄銅めっき層22とは、その厚さ方向のあらかじめ定められた範囲内において、その範囲の端部よりも中央部の硫黄濃度が低い部分を有し、かつその部分がめっきされている際の電流密度、めっき温度およびめっき液の成分が同じ条件でめっきされている層を言う。ここでいう「あらかじめ定められた範囲」とは、銅張積層板1の生産者が任意に定めることができる。例えばあらかじめ定められた範囲は0.1μmとすることができる。
銅めっき層20が、低硫黄銅めっき層22と、高硫黄銅めっき層21と、を含んで構成されることにより、銅張積層板1の長さ方向に垂直な断面において、銅張積層板1の反りを制御することが可能となる。反りを制御することが可能であることから、幅方向が水平方向となるように搬送されている銅張積層板1においては、上面の幅方向の中央部の谷となる形状の深さを決定できたり、上面の幅方向の中央部が山となる形状としたりすることが可能となる。特に上面の幅方向の中央部が山となる形状となる場合は、銅張積層板1の自重によるたわみが相殺され、見かけ上、そのたわみ量を小さくできる。これらにより銅張積層板1が装置と接触することを抑制できる。
銅めっき層20の硫黄密度は、様々な方法で測定することができる。例えば、二次イオン質量分析法により、低硫黄銅めっき層22および高硫黄銅めっき層21における単位体積当たりの硫黄濃度を測定すると、低硫黄銅めっき層22の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値は、7×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下であり、高硫黄銅めっき層21における単位体積当たりの硫黄濃度の最大値は、2×1019atoms/cm以上9×1019atoms/cm以下であることが望ましい。
二次イオン質量分析法により測定した場合に、低硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値、および高硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最大値が上記のような値であることにより、反りの制御をより確実に行うことができる。
(第1実施形態に係る銅張積層板1の製造方法)
以下では、めっき時に電流密度を変更する方法により、第1実施形態に係る銅張積層板1を製造する方法について、図2および図3により説明する。
図2には、本実施形態の銅張積層板1の製造に用いられるめっき装置3の斜視図を、図3には、図2のめっき装置3を構成するめっき槽40の平面図を示す。めっき装置3は、ロールツーロールにより長尺帯状の基材10を搬送しつつ、基材10に対して電解めっきを行う装置である。めっき装置3はロール状に巻回された基材10を繰り出す供給装置31と、めっき後の基材10(銅張積層板1)をロール状に巻き取る巻取装置32と、を有する。
また、めっき装置3は基材10を搬送する上下一対のエンドレスベルト33(下側のエンドレスベルト33は図示省略)を有する。各エンドレスベルト33には基材10を把持する複数のクランプ34が設けられている。供給装置31から繰り出された基材10は、その幅方向が鉛直方向に沿う懸垂姿勢となり、両縁が上下のクランプ34に把持される。基材10はエンドレスベルト33の駆動によりめっき装置3内を周回した後、クランプ34から開放され、巻取装置32で巻き取られる。
基材10の搬送経路には、前処理槽35、めっき槽40、および後処理槽36が配置されている。基材10はめっき槽40内を搬送されつつ、電解めっきによりその表面に銅めっき層20が成膜される。これにより、長尺帯状の銅張積層板1が得られる。
図3に示すように、めっき槽40は基材10の搬送方向に沿った横長の単一の槽である。基材10はめっき槽40の中心に沿って搬送される。めっき槽40には銅めっき液が貯留されている。めっき槽40内を搬送される基材10は、その全体が銅めっき液に浸漬されている。
銅めっき液は水溶性銅塩を含む。銅めっき液に一般的に用いられる水溶性銅塩であれば、特に限定されず用いられる。水溶性銅塩として、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩などが挙げられる。無機銅塩として、硫酸銅、酸化銅、塩化銅、炭酸銅などが挙げられる。アルカンスルホン酸銅塩として、メタンスルホン酸銅、プロパンスルホン酸銅などが挙げられる。アルカノールスルホン酸銅塩として、イセチオン酸銅、プロパノールスルホン酸銅などが挙げられる。有機酸銅塩として、酢酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅などが挙げられる。
銅めっき液に用いる水溶性銅塩として、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩などから選択された1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、硫酸銅と塩化銅とを組み合わせる場合のように、無機銅塩、アルカンスルホン酸銅塩、アルカノールスルホン酸銅塩、有機酸銅塩などから選択された1つのカテゴリー内の異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。ただし、銅めっき液の管理の観点からは、1種類の水溶性銅塩を単独で用いることが好ましい。
銅めっき液は硫酸を含んでもよい。硫酸の添加量を調整することで、銅めっき液のpHおよび硫酸イオン濃度を調整できる。
銅めっき液は一般的にめっき液に添加される添加剤を含む。添加剤として、レベラー成分、ポリマー成分、ブライトナー成分、塩素成分などが挙げられる。添加剤として、レベラー成分、ポリマー成分、ブライトナー成分、塩素成分などから選択された1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
レベラー成分は窒素を含有するアミンなどで構成される。レベラー成分として、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヤヌス・グリーンBなどが挙げられる。ポリマー成分として、特に限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体から選択された1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。ブライトナー成分として、特に限定されないが、ビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド(略称SPS)、3-メルカプトプロパン-1-スルホン酸(略称MPS)などから選択された1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。塩素成分として、特に限定されないが、塩酸、塩化ナトリウムなどから選択された1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることが好ましい。
銅めっき液の各成分の含有量は任意に選択できる。ただし、銅めっき液は硫酸銅を60~280g/L、硫酸を20~250g/L含有することが好ましい。そうすれば、銅めっき層20を十分な速度で成膜できる。銅めっき液はレベラー成分を0.5~50mg/L含有することが好ましい。そうすれば、突起を抑制し平坦な銅めっき層20を形成できる。銅めっき液はポリマー成分を10~1500mg/L含有することが好ましい。そうすれば、基材10端部への電流集中を緩和し均一な銅めっき層20を形成できる。銅めっき液はブライトナー成分を0.2~16mg/L含有することが好ましい。そうすれば、析出結晶を微細化し銅めっき層20の表面を平滑にできる。また、銅めっき液がブライトナー成分を含むことで、形成された銅めっき層20に不純物として硫黄が含まれる。銅めっき液は塩素成分を20~80mg/L含有することが好ましい。そうすれば、異常析出を抑制できる。
銅めっき液の温度は20~35℃が好ましい。また、めっき槽40内の銅めっき液を攪拌することが好ましい。銅めっき液を攪拌する手段は、特に限定されないが、噴流を利用した手段を用いることができる。例えば、ノズルから噴出させた銅めっき液を基材10に吹き付けることで、銅めっき液を攪拌できる。
めっき槽40の内部には、基材10の搬送方向に沿って複数のアノード41が配置されている。また、基材10を把持するクランプ34はカソードとしての機能も有する。アノード41とクランプ34(カソード)との間に電流を流すことで、基材10の表面に銅めっき層20を成膜できる。
なお、図3に示すめっき槽40には、基材10の表裏両側にアノード41が配置されているが、本実施形態では、基材10の片面のみ通電される。
めっき槽40の内部に配置された複数のアノード41は、それぞれに整流器が接続されている。したがって、アノード41ごとに異なる電流密度となるように設定できる。本実施形態では、めっき槽40の内部が基材10の搬送方向に沿って、複数の区域に区分されている。各区域は一または複数の連続するアノード41が配置された領域に対応する。
各区域は低電流密度区域LZまたは高電流密度区域HZとして構成されている。低電流密度区域LZでは電流密度がゼロか比較的低い「低電流密度」に設定されており、基材10に対して低電流密度での電解めっきを行う。高電流密度区域HZでは電流密度が低電流密度よりも高い「高電流密度」に設定されており、基材10に対して高電流密度での電解めっきを行う。
ここで、低電流密度区域LZにおける電流密度(低電流密度)を0~0.39A/dmに設定することが好ましい。また、高電流密度区域HZにおける電流密度(高電流密度)を0.4~10A/dmに設定することが好ましい。
なお、金属層に直接重畳される銅めっき層は、低硫黄銅めっき層22であることが好ましい。銅めっき層20を、電流密度を変更して低硫黄銅めっき層22と高硫黄銅めっき層21とに分ける場合、電流密度を、あらかじめ定められた生産性を維持できる程度に高くすると同時に、めっき焼けが生じない程度に低くする必要がある。この電流密度は、低硫黄銅めっき層22が生成できる電流密度であるとともに、低硫黄銅めっき層22を生成できる電流密度の中でも、比較的低い電流密度であることが好ましい。具体的には、電流密度は、0.4~0.5A/dmに設定されることが好ましい。
低電流密度区域LZと高電流密度区域HZとは基材10の搬送方向に沿って交互に設けられていることが好ましい。低電流密度区域LZの数は1つでもよいし、複数でもよい。高電流密度区域HZの数は1つでもよいし、複数でもよい。基材10の搬送方向を基準として、最も上流の区域が低電流密度区域LZであってもよいし、高電流密度区域HZであってもよい。また、最も下流の区域が低電流密度区域LZであってもよいし、高電流密度区域HZであってもよい。なお、最も下流の区域が高電流密度区域HZであることが好ましい。
めっき槽40に複数の低電流密度区域LZが配置される場合、複数の低電流密度区域LZにおける電流密度は同じでもよいし、異なってもよい。また、めっき槽40に複数の高電流密度区域HZが配置される場合、複数の高電流密度区域HZにおける電流密度は同じでもよいし、異なってもよい。ただし、高電流密度区域HZにおける電流密度は、基材10の搬送方向の下流側に向かって、段階的に上昇するよう設定することが好ましい。
基材10は、低電流密度区域LZと高電流密度区域HZとを交互に通過しながら電解めっきされる。すなわち、めっき槽40では基材10に対して、低電流密度での電解めっきと高電流密度での電解めっきとを交互に繰り返し行う。これにより、銅めっき層20が成膜される。
このような方法により形成された銅めっき層20は、図1に示すように、異なる電流密度での電解めっきにより形成された複数の層が積層された構造となる。すなわち、銅めっき層20は、高硫黄銅めっき層21と、低硫黄銅めっき層22とが、厚さ方向に交互に積層された構造を有する。ここで、高硫黄銅めっき層21は低電流密度での電解めっきにより形成され、相対的に硫黄濃度が高い。また低硫黄銅めっき層22は高電流密度での電解めっきにより形成され、相対的に硫黄濃度が低い。これは電解めっきにおける電流密度が低いほど、銅めっき液の添加剤がめっき層に取り込まれやすくなるためである。
(第2実施形態に係る銅張積層板1)
図4に、本発明の第2実施形態に係る銅張積層板1の断面図を示す。本発明の第2実施形態に係る銅張積層板1は、基材10と、この基材10の両方の面の表面に形成された銅めっき層20と、からなる。
本実施形態と第1実施形態との相違点は、ベースフィルム11の両面に金属層12が設けられ、さらにそれに重畳して銅めっき層20が両面に設けられている点である。ベースフィルム11、金属層12、銅めっき層20の材料、厚さなどは第1実施形態と同じである。
本実施形態では、図4の紙面の上側の銅めっき層20は、2つの高硫黄銅めっき層21をそれぞれ挟むように、3つの低硫黄銅めっき層22が設けられている。すなわち、第1に金属層12に直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。第2に、これに直接重畳するように高硫黄銅めっき層21が設けられる。第3に、これに直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。第4に、これに直接重畳するように高硫黄銅めっき層21が設けられる。最後に、これに直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。図4の紙面において最も上側に位置している、この低硫黄銅めっき層22が銅張積層板1の表面となる。
加えて図4の紙面の下側の銅めっき層20は、1つの高硫黄銅めっき層21挟むように、2つの低硫黄銅めっき層22が設けられている。すなわち第1に金属層12に直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。第2にこれに直接重畳するように高硫黄銅めっき層21が設けられる。最後に、これに直接重畳するように低硫黄銅めっき層22が設けられる。図4の紙面において最も下側に位置している、この低硫黄銅めっき層22が銅張積層板1の表面となる。
なお、高硫黄銅めっき層21または低硫黄銅めっき層22の層数は限定されない。加えて高硫黄銅めっき層21と低硫黄銅めっき層22が交互に積層されていることが好ましい。また、基材10の一方の面(例えば図4の上側の面)の高硫黄銅めっき層21の数が、他方の面(例えば図4の下側の面)の高硫黄銅めっき層21の数と異なっていることが好ましい。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、例えば、二次イオン質量分析法により、低硫黄銅めっき層22および高硫黄銅めっき層21における単位体積当たりの硫黄濃度を測定すると、低硫黄銅めっき層22の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値は、7×1016atoms/cm以上5×1018atoms/cm以下であり、高硫黄銅めっき層21における単位体積当たりの硫黄濃度の最大値は、2×1019atoms/cm以上9×1019atoms/cm以下であることが望ましい。
銅めっき層20が、ベースフィルム11の両側に設けられていることにより、たわみ量の制御がより容易になる。
(第2実施形態に係る銅張積層板1の製造方法)
第1実施形態に係る銅張積層板1の製造方法に対する、本実施形態に係る銅張積層板1の製造方法の相違点は、めっき槽40に、基材10の表裏両側に配置されているアノード41の両側に通電される点である。この場合、低硫黄銅めっき層22、高硫黄銅めっき層21の個数に応じて、アノード41の個数および低電流密度区域LZと高電流密度区域HZの個数は増減する。その他の点は、第1実施形態に係る銅張積層板1の製造方法と同じである。なお、この場合、ベースフィルム11の両面に金属層12が形成された基材10を用いる必要がある。
以下、本発明に係る銅張積層板1の具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<基材10>
ベースフィルム11として、厚さ35μmのポリイミドフィルム(宇部興産社製 Upilex-35SGAV1)が用いられた。また、スパッタリング装置として、マグネトロンスパッタリング装置が用いられた。マグネトロンスパッタリング装置内にはニッケルクロム合金ターゲットと銅ターゲットとが設置された。ニッケルクロム合金ターゲットの組成はCrが20質量%、Niが80質量%である。真空雰囲気下で、ベースフィルム11の片面に、厚さ250オングストロームのニッケルクロム合金からなる下地金属層13が形成され、その上に厚さ1,500オングストロームの銅薄膜層14が形成された。
<銅めっき層20>
銅めっきのために用いられる銅めっき液には、硫酸銅を120g/L、硫酸を70g/L、レベラー成分を20mg/L、ポリマー成分を1100mg/L、ブライトナー成分を16mg/L、塩素成分を50mg/Lが含まれている。レベラー成分としてジアリルジメチルアンモニウムクロライド-二酸化硫黄共重合体(ニットーボーメディカル株式会社製 PAS-A-5)が用いられた。ポリマー成分としてポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体(日油株式会社製 ユニルーブ50MB-11)が用いられた。ブライトナー成分としてビス(3-スルホプロピル)ジスルフィド(RASCHIG GmbH社製の試薬)が用いられた。塩素成分として塩酸(和光純薬工業株式会社製の35%塩酸)が用いられた。
上記の銅めっき液が貯留されためっき槽40に基材10が供給された。電解めっきにより基材10の片面に厚さ約2.0μmの銅めっき層20が成膜された。このときの銅めっき液の温度は31℃であった。また、電解めっきを行う際、ノズルから噴出させた銅めっき液が基材10の表面に対して略垂直に吹き付けられ、これにより銅めっき液が撹拌された。
電解めっきにおいて、表1に示すように電流密度の条件が設定された。層番号は、金属層12に近い側からの番号である。この場合、高硫黄銅めっき層を形成するために低電流で形成された層は6層存在する。
Figure 0007273366000001
<硫黄濃度>
図5に実施例1で得られた銅張積層板1の硫黄密度の測定結果を示す。測定は、二次イオン質量分析法(アルバック・ファイ(株)PHI ADEPT-1010)により行われた。銅めっき被膜の厚さ方向で硫黄成分量を測定した。また図5では、低硫黄銅めっき層22の硫黄濃度の最小値として好ましい範囲をLS、高硫黄銅めっき層21の硫黄濃度の最大値として好ましい範囲をHSとして示す。
図5のグラフの最も右側の谷部分が層番号1の低硫黄銅めっき層22の硫黄濃度の最小値である。すなわち、グラフの右側から第3から7番目までの谷部分、すなわち硫黄濃度の最小値が低硫黄銅めっき層22の硫黄濃度の最小値として好ましいLSの範囲にあり、グラフの右から第1から6番目までの山部分、すなわち硫黄密度の最大値が高硫黄銅めっき層21の硫黄密度の最大値として好ましいHSの範囲に位置していることがわかる。
<そり>
本実施例の銅張積層板1の反り量を測定した。反り量は銅張積層板1を、1辺が10cmの正方形に切り出し、四隅の浮き上がり量を目視で計測し、平均した。反り量は銅めっき層20がある面を表として、四隅が浮き上がり、その平均値は5mmであった。
(比較例1)
<銅めっき層20>
比較例1の条件は、銅めっき層20が成膜される際の電流の条件が、表2のようになった以外は、実施例1と同じである。実施例1と同様、層番号は、金属層12に近い側からの番号である。
Figure 0007273366000002
<硫黄濃度>
図6に比較例1で得られた銅張積層板1の硫黄濃度の測定結果を示す。測定は実施例1と同じ方法で行われている。比較例1では、低硫黄銅めっき層22は存在するが、高硫黄銅めっき層21が存在していないのがわかる。
<そり>
比較例1の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は、実施例1の場合と同じである。反り量は銅めっき層20がある面を表として、四隅が浮き上がり、その平均値は15mmであった。実施例1の場合と比較して非常に大きな反りであることがわかった。これにより実施例1の銅張積層板1の反りが制御されたことがわかった。
(実施例2)
<基材10>
実施例2では、ベースフィルム11の両面に金属層12が形成された。両面に形成された金属層12の厚さは、実施例1で片面に形成された金属層12の厚さとそれぞれ同じである。これ以外の点は実施例1と同じである。
<銅めっき層20>
実施例2では、両面に銅めっき層20が設けられた。一方の面である表面のめっき時の電流密度の条件を表3に示す。層番号は、金属層12に近い側からの番号である。
Figure 0007273366000003
また、実施例2では、他方の面である裏面にも銅めっき層20が設けられた。裏面のめっき時の電流密度の条件を表4に示す。層番号は、金属層12に近い側からの番号である。
Figure 0007273366000004
<硫黄濃度>
実施例2においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には高硫黄銅めっき層21が存在していない。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。
高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例2の銅張積層板1の反り量を測定した。反り量は銅張積層板1を、1辺が10cmの正方形に切り出し、裏面側を下にして浮き上がり部分を目視で計測した。浮き上がり部分が中央部である場合はその値を採用し、浮き上がり部分が四隅である場合は目視で計測した値を平均した。実施例2では、中央部が浮き上がり、その値は6mmであった。反り量の値を表10に示す。なお、表においては、中央部が浮き上がっている場合をマイナスとして表記した。
(実施例3)
<銅めっき層20>
基材10に関しては実施例2と同じである。また銅めっき層20に関しては、電流密度の条件以外は実施例2と同じである。また、表面の電流密度についても実施例2と同じである。実施例2との相違点は、裏面の電流密度の条件である。この条件を表5に示す。
Figure 0007273366000005
<硫黄濃度>
実施例3においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には1つの高硫黄銅めっき層21が存在している。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。裏面の高硫黄銅めっき層21は、表5の層番号が3の部分であり、その値は5×1019atoms/cmである。高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例3の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は実施例2と同じである。実施例3では、中央部が浮き上がり、その値は4mmであった。反り量の値を表10に示す。なお、表においては、中央部が浮き上がっている場合をマイナスとして表記した。
(実施例4)
<銅めっき層20>
基材10に関しては実施例2と同じである。また銅めっき層20に関しては、電流密度の条件以外は実施例2と同じである。また、表面の電流密度についても実施例2と同じである。実施例2との相違点は、裏面の電流密度の条件である。この条件を表6に示す。
Figure 0007273366000006
<硫黄濃度>
実施例4においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には3つの高硫黄銅めっき層21が存在している。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。裏面の高硫黄銅めっき層21は、表6の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例4の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は実施例2と同じである。実施例4では、中央部および四隅の浮き上がりはなかったので、その量は0mmであった。反り量の値を表10に示す。
(実施例5)
<銅めっき層20>
基材10に関しては実施例2と同じである。また銅めっき層20に関しては、電流密度の条件以外は実施例2と同じである。また、表面の電流密度についても実施例2と同じである。実施例2との相違点は、裏面の電流密度の条件である。この条件を表7に示す。
Figure 0007273366000007
<硫黄濃度>
実施例5においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には6つの高硫黄銅めっき層21が存在している。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。裏面の高硫黄銅めっき層21は、表7の層番号が12の部分であり、その値は9×1019atoms/cmである。層番号2、4、6、8、10は、層番号12と同程度の高硫黄銅めっき層21である。高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例5の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は実施例2と同じである。実施例5では、四隅が浮き上がり、その平均値は4mmであった。反り量の値を表10に示す。
(実施例6)
<銅めっき層20>
基材10に関しては実施例2と同じである。また銅めっき層20に関しては、電流密度の条件以外は実施例2と同じである。また、表面の電流密度についても実施例2と同じである。実施例2との相違点は、裏面の電流密度の条件である。この条件を表8に示す。なお、表8において8層目から17層までは、電流密度が8A/dmの層と、0.3A/dmの層とが交互に形成されている。この際のめっき時間は8A/dmの層では12秒、0.3A/dmの層では60秒である。
Figure 0007273366000008
<硫黄濃度>
実施例6においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には9つの高硫黄銅めっき層21が存在している。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。裏面の高硫黄銅めっき層21は、表8の層番号が18の部分であり、その値は9×1019atoms/cmである。層番号2、4、6、8、10、12、14、16は、層番号18と同程度の高硫黄銅めっき層21である。高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例6の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は実施例2と同じである。実施例6では、四隅が浮き上がり、その平均値は6mmであった。反り量の値を表10に示す。
(実施例7)
<銅めっき層20>
基材10に関しては実施例2と同じである。また銅めっき層20に関しては、電流密度の条件以外は実施例2と同じである。また、表面の電流密度についても実施例2と同じである。実施例2との相違点は、裏面の電流密度の条件である。この条件を表9に示す。なお、表9において2層目から7層目までは、電流密度0.4A/dmの層と、0.3A/dmの層とが交互に形成されている。この際のめっき時間は0.4A/dmの層では20秒、0.3A/dmの層では60秒である。また、14層目から23層までは、電流密度が8A/dmの層と、0.3A/dmの層とが交互に形成されている。この際のめっき時間は8A/dmの層では12秒、0.3A/dmの層では60秒である。
Figure 0007273366000009
<硫黄濃度>
実施例7においては、電流密度から、表面に3つの高硫黄銅めっき層21が存在し、裏面には9つの高硫黄銅めっき層21が存在している。表面の高硫黄銅めっき層21のうち、一番大きな値は、表3の層番号が6の部分であり、その値は8×1019atoms/cmである。層番号2と4は、層番号6と同程度の高硫黄銅めっき層21である。裏面の高硫黄銅めっき層21は、表9の層番号が24の部分であり、その値は9×1019atoms/cmである。層番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22は、層番号24と同程度の高硫黄銅めっき層21である。高硫黄銅めっき層21の数を表10に示す。
<そり>
実施例7の銅張積層板1の反り量を測定した。測定方法は実施例2と同じである。実施例7では、四隅が浮き上がり、その平均値は9mmであった。反り量の値を表10に示す。
Figure 0007273366000010
表10に示すように、高硫黄銅めっき層21の数を一方の面で変化させることで、反り量を制御できることがわかる。
11 ベースフィルム
12 金属層
20 銅めっき層
21 高硫黄銅めっき層
22 低硫黄銅めっき層

Claims (4)

  1. ベースフィルムと、該ベースフィルムに直接重畳された金属層と、該金属層に直接重畳された銅めっき層と、を含んで構成され、
    前記銅めっき層が、低硫黄銅めっき層と、該低硫黄銅めっき層に直接重畳され、前記低硫黄銅めっき層よりも単位体積当たりの硫黄濃度が高い高硫黄銅めっき層と、を含んで構成されており、
    二次イオン質量分析法により測定した場合に、
    前記低硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最小値が7×10 16 atoms/cm 以上5×10 18 atoms/cm 以下であり、
    前記高硫黄銅めっき層の単位体積当たりの硫黄濃度の最大値が2×10 19 atoms/cm 以上9×10 19 atoms/cm 以下である、
    ことを特徴とする銅張積層板。
  2. 前記銅めっき層が、
    前記ベースフィルムの両側に設けられており、
    前記銅めっき層のうち少なくとも一方の側に設けられている銅めっき層が、前記高硫黄銅めっき層を含んでいる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の銅張積層板。
  3. 前記低硫黄銅めっき層が、
    前記金属層に直接重畳されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の銅張積層板。
  4. 前記低硫黄銅めっき層が、
    前記めっき層の最も外側に位置している、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の銅張積層板。
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