JP7273359B2 - 車両の運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、先行車両に追従するように自車両を走行させる車両の運転支援装置に関する。
従来から、自車両から先行車両までの車間距離を所定距離に保ちながら、自車両を先行車両に追従走行させ、先行車両が存在しない場合には自車両を定速走行させる先行車両追従機能付き定速走行制御を実施する運転支援装置が知られている。先行車両追従機能付き定速走行制御は、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)と呼ばれているため、以下、先行車両追従機能付き定速走行制御をACCと呼ぶ。
ACCの実施中においては、自車両を先行車両に追従させるための目標加速度が演算され、この目標加速度に基づいてエンジンあるいはブレーキが制御される。特許文献1に提案されている装置では、自車両を先行車両に追従させている場合に、ウインカーの作動状態に基づいてドライバーが先行車両を追い越そうとしている意図があることを検知するとACCの目標加速度を増大させるように構成されている。
特開2017-202742号公報
ところで、運転支援装置は、ACC以外にも、種々の運転支援機能が設けられていることが多い。その一つとして、ブラインドスポットモニタ(BSMと呼ぶ)が知られている。BSMは、自車両の走行車線に隣接する隣接車線を自車両の後方で走行する他車両を監視して、ドライバーが注意すべき他車両(注意対象車両と呼ぶ)が検知されている場合に、インジケータ等を点灯あるいは点滅させてドライバーに注意を喚起するシステムである。この注意対象車両とは、例えば、自車両のサイドミラーに映らない死角領域に存在する他車両、および、所定時間内に死角領域に進入すると予測される他車両である。
運転支援装置が、ACCとBSMとの両方の機能を備えている場合には、以下の、問題が懸念される。
例えば、ACCによって自車両を先行車両に追従させている場合に、ドライバーが先行車両を追い越そうとしてウインカーを操作したケースを考える。この場合、ACCでは、追い越し車線側のウインカーの操作を検知して、目標加速度を、それまでの先行車両追従用の目標加速度から、それよりも高い追い越し用の目標加速度に切り替える。
ところが、追い越し車線の後方から自車両に急接近している他車両が存在する場合等においては、BSMによって注意対象車両が検知されている。この場合、ウインカー操作が行われた時に、インジケータの点滅等によってドライバーへの注意喚起が行われるため、ドライバーは、追い越しをとどまってハンドル操作を中止する。
一方、ACCでは、ウインカー操作に連動して、目標加速度が、先行車両追従用の目標加速度から追い越し用の目標加速度に切り替わるため、自車両が加速する。従って、ドライバーは、BSMによる注意喚起によって追い越しの意思がなくなっているにも関わらず、自車両が加速するため、違和感を覚えることがある。これにより、ドライバーにとって快適な運転フィーリングが得られない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ACCとBSMとの両方が実施されている場合における運転フィーリングを向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
自車両から先行車両までの車間距離を所定距離に保ちながら前記自車両を前記先行車両に追従走行させるための目標加速度を演算し、前記目標加速度で自車両を走行させる制御である先行車両追従制御を実施するとともに、前記先行車両追従制御の実施中に追い越し車線側のウインカー操作が検知された場合には、前記自車両の目標加速度を、前記先行車両に追従走行させるための目標加速度よりも高い追い越し用の目標加速度に変更する先行車両追従制御手段(10)と、
自車両の走行車線に隣接する隣接車線を自車両の後方で走行する他車両を監視して、ドライバーが注意すべき他車両が検知されている場合に、ドライバーに注意を喚起するブラインドスポットモニタ手段(20)と
を備えた車両の運転支援装置において、
前記先行車両追従制御の実施中に、前記ブラインドスポットモニタ手段によってドライバーが注意すべき他車両が前記追い越し車線に検知されているか否かを判定し(S14,S22)、ドライバーが注意すべき他車両が前記追い越し車線に検知されている場合には、前記自車両の目標加速度が前記追い越し用の目標加速度に設定されないようにする加速制限手段(S14:No,S16,S22:Yes,S23)を備えたことにある。
本発明の車両の運転支援装置は、先行車両追従制御手段とブラインドスポットモニタ手段とを備えている。先行車両追従制御手段は、自車両から先行車両までの車間距離を所定距離に保ちながら自車両を先行車両に追従走行させるための目標加速度を演算し、目標加速度で自車両を走行させる制御である先行車両追従制御を実施する。また、先行車両追従制御手段は、先行車両追従制御の実施中に追い越し車線側のウインカー操作が検知された場合には、自車両の目標加速度を、先行車両に追従走行させるための目標加速度よりも高い追い越し用の目標加速度に変更する。従って、ドライバーが、先行車両を追い越そうとしてウインカー操作を行った場合には、それに連動して追い越し用の目標加速度が演算される。これにより、自車両をドライバーの追い越し意図に沿って加速させることができる。
ブラインドスポットモニタ手段は、自車両の走行車線に隣接する隣接車線を自車両の後方で走行する他車両を監視して、ドライバーが注意すべき他車両が検知されている場合に、ドライバーに注意を喚起する。例えば、ブラインドスポットモニタ手段は、自車両のサイドミラーに映らない死角領域に存在する他車両、および、死角領域に進入すると予測される他車両を検知した場合に、そうした他車両(注意対象車両)の存在をドライバーに知らせるために、ドライバーに注意を喚起する。例えば、ブラインドスポットモニタ手段は、注意対象車両が検知されている状態で、注意対象車両が検知されている方向へのウインカー操作が検知された場合には、ウインカー操作に連動させて、注意対象車両の存在をドライバーに知らせる。この場合、ブラインドスポットモニタ手段は、注意対象車両が検知された段階で、第1注意喚起レベルでドライバーに注意喚起し、注意対象車両が検知されている方向へのウインカー操作が検知された段階で、注意喚起レベルを第1注意喚起レベルよりも高い第2注意喚起レベルに切り替えるように構成されているとよい。
例えば、先行車両追従制御の実施中に追い越し車線へのウインカー操作が検知された場合、ブラインドスポットモニタ手段によって追い越し車線に注意対象車両が検知されている場合には、ドライバーに対して注意喚起が行われるため、ドライバーは、追い越しをとどまってハンドル操作を中止する。従って、ACCによって自車両を加速させてしまうことは好ましくない。
そこで、本発明の車両の運転支援装置は、加速制限手段を備えている。加速制限手段は、先行車両追従制御の実施中に、ブラインドスポットモニタ手段によってドライバーが注意すべき他車両が追い越し車線に検知されているか否かを判定し、ドライバーが注意すべき他車両が追い越し車線に検知されている場合には、自車両の目標加速度が追い越し用の目標加速度に設定されないようにする。例えば、加速制限手段は、先行車両追従制御手段が自車両の目標加速度を追い越し用の目標加速度に変更することを中止させる。従って、目標加速度が不必要に高められることが防止される。
この結果、本発明によれば、ACCとBSMとの両方が実施されている場合における不必要な加速が抑制され、運転フィーリングを向上させることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る車両の運転支援装置の概略システム構成図である。 レーダセンサ、カメラセンサの位置を示す平面図である。 インジケータを備えたサイドミラーの正面図である。 死角領域および注意喚起対象を表す平面図である。 目標車間時間マップを表すグラフである。 ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを表すフローチャートである。 ウインカー連動目標加速度要求により車間短縮が許可されるシーンと許可されないシーンとを表す平面図である。 ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンの変形例を表すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の車両の運転支援装置の概略システム構成図である。
本実施形態の車両の運転支援装置は、車両(以下において、他の車両と区別するために、「自車両」と称呼される場合がある。)に適用され、運転支援ECU10、ブラインドスポットモニタECU20(以下、BSM・ECUと呼ぶ)、エンジンECU30、ブレーキECU40、および、メータECU50を備えている。
これらのECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電気制御装置(Electric Control Unit)であり、CAN(Controller Area Network)100を介して相互に情報を送信可能及び受信可能に接続されている。本明細書において、マイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェースI/F等を含む。CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。これらのECUは、幾つか又は全部が一つのECUに統合されてもよい。
また、CAN100には、車両状態を検出する複数種類の車両状態センサ60、および、運転操作状態を検出する複数種類の運転操作状態センサ70が接続されている。車両状態センサ60は、例えば、車両の走行速度を検出する車速センサ、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ、車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ、および、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサなどである。
運転操作状態センサ70は、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキ操作量センサ、ブレーキペダルの操作の有無を検出するブレーキスイッチ、操舵角を検出する操舵角センサ、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ、変速機のシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ、および、ウインカーレバーの操作を検出するウインカースイッチなどである。
車両状態センサ60、および、運転操作状態センサ70によって検出された情報(センサ情報と呼ぶ)は、CAN100に送信される。各ECUにおいては、CAN100に送信されたセンサ情報を、適宜、利用することができる。
運転支援ECU10は、ドライバーの運転操作を支援するための電子制御装置であって、先行車両と自車両との車間距離を車速に応じた適切な距離に維持しながら先行車両に対して自車両を追従走行させるとともに、先行車両が存在しない場合には、ドライバーの設定した設定車速で自車両を定速走行させる制御であるACCを実施する。これにより、ドライバーの運転操作(ペダル操作)を支援する。
運転支援ECU10は、前方カメラセンサ11、前方レーダセンサ12、ACCスイッチ13に接続されている。
前方カメラセンサ11は、図2に示すように、車室内のフロントウインドの上部に配設されている。前方カメラセンサ11は、自車両の前方領域の画像(カメラ画像)を取得し、その画像から物体情報(物体までの距離及び物体の方位等)、および、自車両が走行している車線を区画する白線に関する車線情報を取得する。前方カメラセンサ11は、検知した立体物の情報、および、車線情報を運転支援ECU10に供給する。
前方レーダセンサ12は、例えば、ミリ波レーダ装置であって、ミリ波送受信部と処理部とを備えている。前方レーダセンサ12は、図2に示すように、自車両の前端部且つ車幅方向の中央部に配設されている。ミリ波送受信部は、自車両の直進前方向に伸びるレーダ軸を中心として、このレーダ軸から左方向及び右方向にそれぞれ所定の角度の広がりをもって伝播するミリ波を発信する。そのミリ波は、物体(例えば、他の車両、歩行者及び二輪車等)により反射される。ミリ波送受信部はこの反射波を受信する。処理部は、受信した反射波に基づいて、物体を検知し、物体までの距離、物体の自車両に対する相対速度、及び物体の自車両に対する方位等の物体情報を演算により取得する。前方レーダセンサ12は、検知した立体物の情報(立体物情報)を運転支援ECU10に供給する。
運転支援ECU10は、前方レーダセンサ12が取得する物体情報を、前方カメラセンサ11が取得する物体情報に基づいて修正することにより、後述するACCに用いる最終的な物体情報を取得する。
ACCスイッチ13は、ドライバーがACCの開始を望む場合、および、ACCの設定を行う場合に操作するスイッチである。ACCスイッチ13は、以下の操作信号を運転支援ECU10に送信する。
(1)運転支援機能のオン/オフ
(2)定速制御モードと追従制御モードとの切り替え
(3)定速走行用の車速(セット車速)の設定
(4)追従制御モードにおける車間距離の設定(長・中・短)
ここでACCについて説明する。運転支援ECU10は、ACCスイッチ13によってACC運転支援がオンに設定されている場合にACCを実施する。運転支援ECU10は、ACCの実施に当たって、ACCスイッチ13によって定速制御モードが選択されている場合には、ACCスイッチ13によって設定されたセット車速にて自車両を定速走行させる制御である定速制御を実施する。
また、運転支援ECU10は、ACCスイッチ13によって追従制御モードが選択されている場合であって、自車両の前方を走行する先行車両が存在する場合には、先行車両情報に基づいて、先行車両と自車両との車間距離を車速に応じた適切な距離に維持しながら自車両を先行車両に追従させる制御である先行車両追従制御を実施する。一方、自車両の前方を走行する先行車両が存在しない場合には、運転支援ECU10は、上記の定速制御を実施する。
運転支援ECU10は、ACC(定速制御あるいは先行車両追従制御)を実施しているあいだ、目標加速度を演算し、その目標加速度と実加速度との偏差に応じた要求駆動力を表す駆動力指令をエンジンECU30に送信する。これにより、ドライバーのペダル操作は不要となる。加速度は、その符号によって加速度と減速度とが区別され、正の値であれば加速度、負の値であれば減速度を表す。尚、加速度が大きい(小さい)、減速度が大きい(小さい)という表現は、その絶対値が大きい(小さい)ことを表す。
本実施形態における運転支援装置は、ACCとBSMとの両方の機能を有する。ACC用の目標加速度は、BSMの作動状況に応じて異なる。そこで、ACC用の目標加速度の演算について説明する前に、先に、BSMについて説明する。
BSM・ECU20は、ブライドスポットモニタシステム(Blind Spot Monitor System)の中核となる制御装置である。BSM・ECU20には、右後レーダセンサ21Rと、左後レーダセンサ21Lと、右インジケータ22Rと、左インジケータ22Lとが接続される。
右インジケータ22Rおよび左インジケータ22Lは、ドライバーに対して注意喚起を行うためのものである。右インジケータ22Rは、右のサイドミラーに組み込まれており、左インジケータ22Lは、左のサイドミラーに組み込まれており、両者は、互いに同じ構成である。以下、右インジケータ22Rと左インジケータ22Lとを区別する必要がない場合、両者をインジケータ22と呼ぶ。
インジケータ22は、図3(右インジケータ22Rを表す)に示すようにサイドミラーSMの鏡が設けられている領域の一部にLEDを組み込んで構成されている。図3においては、その右側に、インジケータ22の拡大図が示されている。各インジケータ22は、BSM・ECU20から供給される点灯信号あるいは点滅信号によって、左右独立して点灯あるいは点滅する。
右後レーダセンサ21Rは、図2に示すように、車体の右後コーナー部に設けられたレーダセンサであり、左後レーダセンサ21Lは、図2に示すように、車体の左後コーナー部に設けられたレーダセンサである。右後レーダセンサ21Rおよび左後レーダセンサ21Lは、検出領域が異なるだけで、互いに同じ構成である。以下、右後レーダセンサ21Rと左後レーダセンサ21Lとを区別する必要がない場合、両者を後側方レーダセンサ21と呼ぶ。
後側方レーダセンサ21は、例えば、前方レーダセンサ12と同様のミリ波レーダ装置であって、発信したミリ波の反射波に基づいて、物体を検知し、物体までの距離、物体の自車両に対する相対速度、及び物体の自車両に対する方位等の物体情報を演算により取得する。
右後レーダセンサ21Rは、車体の右後コーナー部から右斜め後方に向けたレーダ軸を中心として左右所定角度の範囲を立体物の検出領域とし、左後レーダセンサ21Lは、車体の左後コーナー部から左斜め後方に向けたレーダ軸を中心として左右所定角度の範囲を立体物の検出領域としている。右後レーダセンサ21Rの検出領域には、右サイドミラーでは映らない死角領域(右側死角領域)が含まれている。また、左後レーダセンサ21Lの検出領域には、左サイドミラーでは映らない死角領域(左側死角領域)が含まれている。
後側方レーダセンサ21は、検出した立体物に係る情報、例えば、自車両と立体物との距離、自車両と立体物との相対速度、自車両に対する立体物の方位等を表す情報(以下、後方周辺情報と呼ぶ)をBSM・ECU20に供給する。
BSMシステムは、他車両が死角領域に存在していることをドライバーに知らせることを主目的として設けられているため、以下、立体物を他車両と呼ぶ。
BSM・ECU20は、図4に示すように、自車両C1に対する右の死角領域RRと左の死角領域RLとの相対位置を記憶している。この右の死角領域RRは、右サイドミラーでは映らない(死角になりやすい)領域を含むように予め設定され、左の死角領域RLは、左サイドミラーでは映らない(死角になりやすい)領域を含むように予め設定された領域である。右の死角領域RRと左の死角領域RLとを区別する必要が無い場合は、両者を死角領域Rと呼ぶ。死角領域Rは、例えば、車両左右方向については、車体左右側面から外側に0.5m~3.5mの範囲、前後方向については、車体後端の前方1mから後方4mの範囲に設定されている。死角領域Rは、車両に適した範囲に設定されるもので、この範囲に限るものでは無い。
BSM・ECU20は、後側方レーダセンサ21から供給された後方周辺情報に基づいて、この死角領域Rに車体が一部でも入っている他車両が存在するか否かを判断し、死角領域Rに他車両が存在すると判断した場合には、この他車両を注意喚起対象とする。例えば、図4に示す例では、自車両C1の走行車線に隣接する右車線において、死角領域RRを並走している他車両C2については、注意喚起対象とされる。以下、注意喚起対象とされる他車両を注意対象車両と呼ぶこともある。
また、BSM・ECU20は、後側方レーダセンサ21から供給された後方周辺情報に基づいて、この死角領域Rに設定時間内に進入すると予測される他車両が存在するか否かを判断し、設定時間内に死角領域Rに進入すると予測される他車両が存在すると判断した場合には、その他車両を注意喚起対象とする。例えば、図4に示す例では、自車両C1の走行車線に隣接する左車線において、死角領域RLに急速に接近してくる他車両C3については、注意喚起対象とされる。
BSM・ECU20は、注意対象車両が存在する場合には、注意対象車両が存在するあるいは接近する死角領域Rの左右位置に応じたインジケータ22を点灯させる。つまり、注意対象車両が右側の死角領域RRに存在するあるいは接近する場合には、右インジケータ22Rを点灯させ、注意対象車両が左側の死角領域RLに存在するあるいは接近する場合には、左インジケータ22Lを点灯させる。これにより、ドライバーに対してサイドミラーに映らない他車両の存在を知らせることができる。
また、BSM・ECU20は、インジケータ22を点灯させている状況において、CAN100に送信されるウインカー作動信号を読み込む。そして、その点灯中のインジケータ22の方向(右インジケータ22Rの場合は右、左インジケータ22Lの場合は左)と同じ方向のウインカー作動信号を受信した場合、つまり注意対象車両が存在する方向のウインカー作動信号を受信した場合、インジケータ22を点滅させる(点灯→点滅)。
注意対象車両が検出されてインジケータ22が点灯している状況において、ドライバーが、注意対象車両の存在する方向へ曲がろうとしてウインカー操作を行った場合には、インジケータ22が点滅する。これにより、ドライバーへの注意喚起レベルが高められる。こうして、ドライバーに対して、ハンドル操作をしても大丈夫か確認させることができ、状況に応じてハンドル操作をとどまらせることができる。
BSM・ECU20は、インジケータ22を点灯させている状況、および、インジケータ22を点滅させている状況を表す信号(BSM状況信号と呼ぶ)をCAN100に送信する。このBSM状況信号には、作動しているインジケータ22の方向(左右)を判別できる情報も含まれている。従って、各ECUにおいては、CAN100を介して左右別にインジケータ22の作動状況を把握することができる。
エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31に接続されている。エンジンアクチュエータ31は内燃機関32の運転状態を変更するためのアクチュエータである。本実施形態において、内燃機関32はガソリン燃料噴射・火花点火式・多気筒エンジンであり、吸入空気量を調整するためのスロットル弁を備えている。エンジンアクチュエータ31は、少なくとも、スロットル弁の開度を変更するスロットル弁アクチュエータを含む。エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31を駆動することによって、内燃機関32が発生するトルクを変更することができる。内燃機関32が発生するトルクは図示しない変速機を介して図示しない駆動輪に伝達されるようになっている。従って、エンジンECU30は、エンジンアクチュエータ31を制御することによって、自車両の駆動力を制御し加速状態(加速度)を変更することができる。
ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41に接続されている。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキペダルの踏力によって作動油を加圧する図示しないマスタシリンダと、左右前後輪に設けられる摩擦ブレーキ機構42との間の油圧回路に設けられる。摩擦ブレーキ機構42は、車輪に固定されるブレーキディスク42aと、車体に固定されるブレーキキャリパ42bとを備える。ブレーキアクチュエータ41は、ブレーキECU40からの指示に応じてブレーキキャリパ42bに内蔵されたホイールシリンダに供給する油圧を調整し、その油圧によりホイールシリンダを作動させることによりブレーキパッドをブレーキディスク42aに押し付けて摩擦制動力を発生させる。従って、ブレーキECU40は、ブレーキアクチュエータ41を制御することによって、自車両の制動力を制御することができる。
メータECU50は、表示器51、および、左右のウインカー52(ウインカーランプを意味する。ターンランプと呼ばれることもある)に接続されている。表示器51は、例えば、運転席の正面に設けられたマルチインフォーメーションディスプレイであって、車速等のメータ類の計測値の表示に加えて、各種の情報を表示する。例えば、メータECU50は、運転支援ECU10から運転支援状態に応じた表示指令を受信すると、その表示指令で指定された画面を表示器51に表示させる。
また、メータECU50は、ウインカー駆動回路(図示略)を備えている。メータECU50は、CAN100を介してウインカースイッチの情報を取得し、ウインカースイッチがオンしたことを検知した場合には、オンしたウインカースイッチで特定される方向(右、左)のウインカー52を点滅させる。また、メータECU50は、ウインカー52を点滅させている間、ウインカー52が点滅状態であることを表すウインカー点滅情報を運転支援ECU10に送信する。従って、運転支援ECU10は、左右のウインカー52の点滅状態(作動状態)を把握することができる。尚、運転支援ECU10あるいはメータECU50は、ウインカースイッチを直接的に接続して、ウインカースイッチの情報を取得する構成であってもよい。
<ACCにおける目標加速度の演算>
次に、運転支援ECU10の実施するACCにおける目標加速度の演算方法について説明する。運転支援ECU10は、先行車両追従制御用の目標加速度である追従用目標加速度と、定速制御用の目標加速度である定速走行用目標加速度と、カーブした道路を走行する場合の目標加速度であるカーブ走行用目標加速度とを所定の演算周期で並行して演算する。そして、この3つの目標加速度(追従用目標加速度、定速走行用目標加速度、カーブ走行用目標加速度)のうちの最小値を選択して、その選択した目標加速度を最終的な目標加速度に設定する。
<追従用目標加速度の演算>
運転支援ECU10は、前方カメラセンサ11と前方レーダセンサ12によって得られた立体物情報に基づいて、自車両の走行する車線(自車線)の前方に他車両が存在するか否かを判定し、自車線の前方に他車両が存在する場合には、そのうちの最も自車両に接近した他車両を先行車両として選択する。運転支援ECU10は、先行車両が存在する場合には、追従用目標加速度を所定の演算周期で繰り返し演算する。
運転支援ECU10は、追従用目標加速度を演算するにあたって、自車両が先行車両を追従する場合の目標車間時間を演算する。運転支援ECU10は、車速センサによって検出される車速Vnと、ドライバーが設定して記憶されている設定車間距離(長・中・短)とに基づいて、目標車間時間を演算する。運転支援ECU10は、目標車間時間マップを記憶している。目標車間時間マップは、図5に示すように、車速Vnが速いほど、かつ、目標車間距離が短いほど短くなる目標車間時間td*が設定される特性を有する。運転支援ECU10は、車速Vnと設定車間距離とを目標車間時間マップに適用することにより目標車間時間td*を演算する。
運転支援ECU10は、目標車間時間td*、先行車両情報(先行車車間距離、先行車相対速度)、および、車速センサにより検出された車速Vnを入力して追従用目標加速度Afollow*を演算する。
運転支援ECU10は、以下の式(1)および(2)に示すように、加速側追従用目標加速度Afollow1*と、減速側追従用目標加速度Afollow2*とを演算する。運転支援ECU10は、減速側追従用目標加速度Afollow2*が負の値(Afollow2*<0m/s2)となる場合には、追従用目標加速度Afollow*として減速側追従用目標加速度Afollow2*を採用し(Afollow*=Afollow2*)、そうでない場合には、追従用目標加速度Afollow*として加速側追従用目標加速度Afollow1を採用する(Afollow*=Afollow1*)。
Afollow1*=((ΔD×K1)+(Vr×K2))×Ka ・・・(1)
Afollow2*=((ΔD×K1)+(Vr×K2)) ・・・(2)
ここで、ΔDは後述する車間偏差であり、K1,K2はゲイン、Vrは後述する先行車相対速度、Kaは加速側ゲインである。また、加速側追従用目標加速度Afollow1*は、下限値がゼロに設定されており、演算結果が負の値となる場合には、下限処理によってゼロに設定される。また、減速側追従用目標加速度Afollow2*は、上限値がゼロに設定されており、演算結果が正の値となる場合には、上限処理によってゼロに設定される。
車間偏差ΔDは、実際の先行車車間距離から目標車間距離(目標車間時間td*に車速Vnを乗算して算出される)を減算した値である。従って、実際の先行車車間距離が目標車間距離よりも長い状況では、車間偏差ΔDは正の値となり、追従用目標加速度Afollow*を増加させる方向に働く。ゲインK1,K2は、調整用の正の値であって、固定値でもよいし他のパラメータによって調整される値であってもよい。先行車相対速度Vrは、自車両に対する先行車両の相対速度であって、先行車両の車速から自車両の車速を減算した値である。従って、先行車両が自車両から遠ざかって行く状況では、先行車相対速度Vrは正の値となり、追従用目標加速度Afollow*を増加させる方向に働く。
加速側ゲインKaは、減速側追従用目標加速度Afollow2に対して加速側追従用目標加速度Afollow1の大きさを調整する正の値である。
ドライバーが先行車両を追い越そうとしていると推定できる場合には、自車両と先行車両との車間距離を縮めることが好ましい。こうしたことは、式(1)の加速側ゲインKaを調整することによって実現できる。例えば、追い越し車線へのウインカー操作が検知されていない場合(ウインカーが点滅していない場合)には、加速側ゲインKaをKa0とし、追い越し車線へのウインカー操作が検知されている場合(ウインカーが点滅している場合)には、加速側ゲインKaをKa1とすればよい。この場合、加速側ゲインKa1は、加速側ゲインKa0よりも大きな値(Ka1>Ka0)である。これにより、ドライバーが先行車両を追い越そうとしていると推定できる場合には、先行車両と自車両との車間距離を縮めるように作用する追従用目標加速度Afollow*を演算することができる。
以下、先行車両の追従に適した加速側ゲインKaを追従用加速ゲインKa0と呼び、追い越しに適した加速側ゲインKaを追い越し用加速ゲインKa1と呼ぶ。また、追従用加速ゲインKa0を前記式(1)に適用して演算される加速側追従用目標加速度Afollow1を「追従用目標加速度」と呼び、追い越し用加速ゲインKa1を前記式(1)に適用して演算される加速側追従用目標加速度Afollow1を「追い越し用目標加速度」と呼ぶ。
運転支援ECU10は、先行車両追従制御中に追い越し車線側のウインカー操作を検知した場合、追い越し車線に先行車両が存在しない、あるいは、存在してもその先行車両の車速が自車両の車速以上であれば、加速側ゲインKaを、それまでの追従用加速ゲインKa0から追い越し用加速ゲインKa1(>Ka0)に切り替えるためのウインカー連動目標加速度要求を出力する。運転支援ECU10は、ウインカー連動目標加速度要求に従って、追い越し用目標加速度を演算する。これにより、自車両をドライバーの追い越し意図に沿って加速させることができる。
ところで、BSMシステムによって注意対象車両が検知され、インジケータ22が点灯している状況においては、ウインカー操作に連動して車間距離を短縮するように作用する追い越し用目標加速度を演算してしまうとドライバーに違和感を与えてしまうおそれがある。
例えば、先行車両追従制御中に、BSMシステムによって追い越し車線の後方に注意対象車両が検知され、インジケータ22が点灯している状況を考える。この状況において、追い越し車線側のウインカー操作が検知された場合には、インジケータ22が点滅する。これにより、ドライバーは、追い越しをとどまってハンドル操作を中止する。こうした状況において、仮に、先行車両と自車両との車間距離が縮まるように自車両が加速してしまうと、ドライバーに違和感を与えてしまう。
そこで、運転支援ECU10は、以下に示すように、ウインカー連動目標加速度要求の実施(追従用目標加速度から追い越し用目標加速度への変更)を制限する。図6は、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを表す。運転支援ECU10は、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンが起動すると、運転支援ECUは、ステップS11において、ACCを実施中であるか否かについて判定する。ACCを実施していない状況においては、「No」と判定してウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを一旦終了する。ACCを実施中である場合(S11:Yes)、運転支援ECU10は、ステップS12において、先行車両追従制御の実施中であるか否かについて判定する。先行車両追従制御を実施していない状況においては、「No」と判定してウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを一旦終了する。
先行車両追従制御の実施中である場合(S12:Yes)、運転支援ECU10は、ステップS13において、追い越し車線側にウインカー操作が行われているか否かについて判定する。この場合、運転支援ECU10は、CAN100を介してウインカー点滅情報を読み込み、追い越し車線側のウインカーが点滅状態であるか否かについて判定する。
運転支援ECU10は、追い越し車線側にウインカー操作が行われていないと判定した場合(S13:No)、その処理をステップS16に進めて、ウインカー連動目標加速度要求を実施しないようにする。これにより、運転支援ECU10は、追従用加速ゲインKa0を前記式(1)に適用して演算される追従用目標加速度を演算する。従って、自車両をそのまま先行車両に追従させることができる。
一方、追い越し車線側にウインカー操作が行われていると判定した場合(S13:Yes)、運転支援ECU10は、その処理をステップS14に進めて、BSMにおける追い越し車線側のインジケータ22が作動中(点灯中、あるいは、点滅中)でないか否かについて判定する。この場合、運転支援ECUは、CAN100を介してBSM状況信号を読み込んで上記の判定を行う。
追い越し車線側のインジケータ22が作動中でない場合(消灯中,S14:Yes)、運転支援ECU10は、その処理をステップS15に進めて、ウインカー連動目標加速度要求を実施する。これにより、運転支援ECU10は、追い越し用加速ゲインKa1(>Ka0)を前記式(1)に適用して演算される追い越し用目標加速度を演算する。これにより、先行車両と自車両との車間距離が縮められる。従って、ドライバーは、ハンドル操作を行うことで、先行車両をスムーズに追い越すことができる。
一方、BSMのインジケータ22が作動中の場合(S14:No)、運転支援ECU10は、その処理をステップS16に進めて、ウインカー連動目標加速度要求を実施しないようにする。これにより、運転支援ECU10は、追従用加速ゲインKa0を前記式(1)に適用して演算される追従用目標加速度を演算する。従って、自車両をそのまま車間距離をキープして先行車両に追従させることができる。
この結果、追い越し車線側のインジケータ22が点灯している状況において、追い越し車線側にウインカー操作が行われても、先行車両と自車両との車間距離が縮まるように自車両が加速しない。これにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることができる。
運転支援ECU10は、ステップS15あるいはステップS16の処理を実施するとウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを一旦終了する。そして、所定の演算周期にてウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを繰り返し実施する。
例えば、図7(a)に示すように、走行車線DLで自車両C1が先行車両C4を追従する先行車両追従制御が実施されている状況において、ドライバーが先行車両C4を追い越そうとしてウインカー操作を行った場合、追い越し車線PLに注意対象車両が検知されていないケースでは、目標加速度がそれまでの追従用目標加速度から追い越し用目標加速度に切り替えられる。これにより、先行車両と自車両との車間距離が縮められる。
一方、図7(b)に示すように、走行車線DLで自車両C1が先行車両C4を追従する先行車両追従制御が実施されている状況において、ドライバーが先行車両C4を追い越そうとしてウインカー操作を行った場合、追い越し車線PLに注意対象車両C5が検知されているケースでは、目標加速度がそれまでの追従用目標加速度に維持される。つまり、目標加速度が追い越し用目標加速度に切り替えられることが禁止される。これにより、先行車両と自車両との車間距離が縮められることなく維持される。この場合、ドライバーは、ウインカー操作に連動してインジケータ22の表示が点滅するため注意対象車両の存在に気が付いて追い越し操作を中止する。従って、ドライバーの意図に沿った自車両の走行を実現することができる。
<定速走行用目標加速度の演算>
次に、定速走行用目標加速度の演算について説明する。運転支援ECU10は、車速センサによって検出される車速Vnと、ドライバーがACCスイッチ13を使って設定した設定車速Vsetとに基づいて、次式(3)に示すように、定速走行用目標加速度Aconst*を所定の演算周期で繰り返し演算する。
Aconst*=(Vset-Vn)×K3 ・・・(3)
ここで、K3は、定速走行用加速度ゲインであって、車速Vnに応じた正の値に設定される。定速走行用加速度ゲインは、車速Vnが高い場合には低い場合に比べて小さくなる値に設定されるとよい。(3)式右辺第1項の車速偏差(Vset-Vn)が正の場合には、自車両を加速させる方向に働く定速走行用目標加速度Aconst*が演算され、車速偏差(Vset-Vn)が負の場合には、自車両を減速させる方向に働く定速走行用目標加速度Aconst*が演算される。
<カーブ走行用目標加速度演算部>
運転支援ECU10は、カーブした道路を走行する場合の目標加速度であるカーブ走行用目標加速度Acurve*を所定の演算周期で繰り返し演算する。運転支援ECU10は、車速センサによって検出される車速Vnと、ヨーレートセンサによって検出されるヨーレートYawとに基づいて、次式(4)、(4-1)および(4-2)によってカーブ走行用目標加速度Acurve*を演算する。
Acurve*=(Vcurve-Vn)×K4 ・・・(4)
ここで、Vcurveは、カーブ走行時に許容される許容速度であって次式(4-1)によって演算される。sqrtは、平方根の値を求める関数を意味する。
Vcurve=sqrt(R×Gcy) ・・・(4-1)
Rは、自車両が走行している位置における道路の推定カーブ半径であって、次式(4-2)によって演算される。Krは、換算係数である。尚、推定カーブ半径Rは、例えば、前方カメラセンサ11によって走行車線の左右のレーンマーカー(白線)を検出して、そのレーンマーカーのラインからカーブ半径を演算することもできる。
R=Kr×(Vn/Yaw) ・・・(4-2)
更に、Gcyは、カーブ走行において許容される横加速度であって、予め設定されている。K4は、予め設定された大きさのゲインである。
カーブ走行用目標加速度Acurve*は、下限値がゼロに設定されており、演算結果が負の値となる場合には、下限処理によってゼロに設定される。
<最終目標加速度>
運転支援ECU10は、追従用目標加速度Afollow*と、定速走行用目標加速度Aconst*と、カーブ走行用目標加速度Acurve*とのうちの最も小さな値を選択し、その選択した値を最終的な目標加速度A*に設定する。
A*=min( Afollow*,Aconst*,Acurve* ) ・・・(5)
ここで、minは、括弧内の数値の最小値を選択する関数を意味する。
<要求駆動力の演算>
運転支援ECU10は、目標加速度A*と、実際の自車両の加速度である実加速度Anとの偏差である加速度偏差ΔA(=A*-An)を演算し、この加速度偏差ΔAに基づいて要求駆動力F*を演算する。例えば、運転支援ECU10は、は、次式(6)に示すように、加速度偏差ΔAにゲインK5を乗算した値に、1演算周期前の要求駆動力F*(n-1)を加算した値を、要求駆動力F*に設定する。
F*=(A*-An)×K5+F*(n-1) ・・・(6)
運転支援ECU10は、所定の演算周期で要求駆動力F*を演算し、その都度、演算した要求駆動力F*をエンジンECU30に供給する。これにより、自車両が目標加速度A*で加速(減速も含む)するように駆動力が制御される。従って、先行車両追従制御、あるいは、定速制御に適した加速度で車両を走行させることができる。尚、実加速度Anは、車速Vnを微分演算することにより取得する構成であってもよいし、前後加速度センサ(図示略)を車体に設けて、前後加速度センサの検出値から取得する構成であってもよい。
エンジンECU30は、大きな制動力(負の駆動力)が要求されており、内燃機関32およびトランスミッション(図示略)だけでは要求に応えられない場合、その不足分を油圧ブレーキで発生させるようにブレーキECU40に対して要求制動力を送信する。
以上説明した本実施形態の車両の運転支援装置によれば、先行車両追従制御の実施中に追い越し車線側のウインカー操作が検知された場合には、BSMシステムによってドライバーが注意すべき他車両が追い越し車線に検知されているか(インジケータ22が作動中であるか)否かについて判定される。そして、ドライバーが注意すべき他車両が追い越し車線に検知されている場合には(S14:No)、自車両の目標加速度を追い越し用の目標加速度に変更することが中止される(S16)。従って、目標加速度が不必要に高められることが防止される。これにより、ACCとBSMとの両方が実施されている場合における不必要な加速が抑制され、運転フィーリングを向上させることができる。
以上、本実施形態に係る車両の運転支援装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを図8のように実施してもよい。運転支援ECU10は、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチン(図8)を所定の演算周期で繰り返し実施する。運転支援ECU10は、ステップS21において、ウインカー連動目標加速度要求の実施中であるか否かを判定する。つまり、運転支援ECU10は、目標加速度が、追い越し用目標加速度に設定されている状況であるか否かについて判定する。ウインカー連動目標加速度要求の実施中でない場合(S21:No)、運転支援ECU10は、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを一旦終了する。
一方、ウインカー連動目標加速度要求の実施中の場合(S21:Yes)、運転支援ECU10は、続くステップS22において、追い越し車線側のBSMのインジケータ22が作動中であるか否かについて判定する。追い越し車線側のインジケータ22が作動している場合(S22:Yes)、運転支援ECU10は、ステップS23において、ウインカー連動目標加速度要求を中止する。従って、目標加速度が追い越し用目標加速度から追従用目標加速度に切り替えられる。
一方、追い越し車線側のインジケータ22が作動していない場合(S22:No)、運転支援ECU10は、ウインカー連動目標加速度要求制限ルーチンを一旦終了する。従って、ウインカー連動目標加速度要求の実施が継続される。つまり、追い越し用目標加速度によって、先行車両と自車両との車間距離が縮められる。
この変形例によっても、実施形態と同様の効果が得られる。
10…運転支援ECU、11…前方カメラセンサ、12…前方レーダセンサ、13…ACCスイッチ、20…ブラインドスポットモニタECU、21L,21R…左後レーダセンサ、22R,22L…インジケータ、30…エンジンECU、31…エンジンアクチュエータ、32…内燃機関、40…ブレーキECU、41…ブレーキアクチュエータ、42…摩擦ブレーキ機構、50…メータECU、51…表示器、52…ウインカー、60…車両状態センサ、70…運転操作状態センサ、Afollow…追従用目標加速度、Afollow1…加速側追従用目標加速度、Afollow2…減速側追従用目標加速度、C1…自車両、C2,C3,C5…注意対象車両、C4…先行車両、DL…走行車線、PL…追い越し車線、Ka…加速側ゲイン、Ka0…追従用加速ゲイン、Ka1…追い越し用加速ゲイン。

Claims (1)

  1. 自車両から先行車両までの車間距離である先行車車間距離を所定距離である目標車間距離に保ちながら前記自車両を前記先行車両に追従走行させるための追従用目標加速度を演算し、前記自車両の目標加速度を前記追従用目標加速度に設定して自車両を走行させる制御である先行車両追従制御を実施するとともに、前記先行車両追従制御の実施中に追い越し車線側のウインカー操作が検知された場合には、前記自車両の目標加速度を、前記追従用目標加速度よりも高い追い越し用の目標加速度である追い越し用目標加速度に変更する先行車両追従制御手段と、
    前記自車両の右のサイドミラーに組み込まれた右インジケータと、
    前記自車両の左のサイドミラーに組み込まれた左インジケータと、
    前記自車両の走行車線に隣接する隣接車線を前記自車両の後方で走行する他車両を監視して、前記自車両の右の死角領域(RR)と前記自車両の左の死角領域(RL)とのそれぞれに対してドライバーが注意すべき注意対象車両が検知されている場合に当該検知された注意対象車両が存在するあるいは接近する前記左及び右の死角領域の左右位置に応じた側の、前記右インジケータ及び前記左インジケータの少なくとも一方を点灯させることにより、ドライバーに注意を喚起するブラインドスポットモニタ手段と
    を備えた車両の運転支援装置において、
    前記ブラインドスポットモニタ手段は、前記右インジケータを点灯させている状況において右方向へ曲がろうとすることを示すウインカー操作が検知された場合に前記右インジケータを点滅させ、前記左インジケータを点灯させている状況において左方向へ曲がろうとすることを示すウインカー操作が検知された場合に前記左インジケータを点滅させる、ように構成され、
    前記先行車両追従制御手段は、
    前記先行車車間距離から前記目標車間距離を減算した値である車間偏差をΔD、所定の正の値であるゲインをK1、所定の別の正の値であるゲインをK2、前記自車両に対する前記先行車両の相対速度であって前記先行車両の車速から前記自車両の車速を減算した値である先行車相対速度をVr、所定の正の値である追従用加速ゲインをKa0、前記追従用加速ゲインKa0よりも大きな所定の正の値である追い越し用加速ゲインをKa1とするとき、
    値((ΔD×K1)+(Vr×K2))が正の値である場合、
    前記追従用目標加速度を
    追従用目標加速度=((ΔD×K1)+(Vr×K2))×Ka0
    なる式に基いて計算するとともに、
    前記追い越し用目標加速度を、
    追い越し用目標加速度=((ΔD×K1)+(Vr×K2))×Ka1
    なる式に基いて計算するように構成され、
    前記先行車両追従制御手段は、前記先行車両追従制御の実施中に、前記ブラインドスポットモニタ手段によってドライバーが注意すべき注意対象車両が前記追い越し車線に検知されているか否かを判定し、前記ドライバーが注意すべき注意対象車両が前記追い越し車線に検知されていると判定され且つ前記追い越し車線側の前記右インジケータ及び前記左インジケータの一方が点灯又は点滅させられている場合には、前記自車両の目標加速度が前記追い越し用目標加速度に設定されることなく前記追従用目標加速度に維持されるようにする加速制限手段を備えた、
    車両の運転支援装置。
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