JP7273115B2 - 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型 - Google Patents

深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型 Download PDF

Info

Publication number
JP7273115B2
JP7273115B2 JP2021126054A JP2021126054A JP7273115B2 JP 7273115 B2 JP7273115 B2 JP 7273115B2 JP 2021126054 A JP2021126054 A JP 2021126054A JP 2021126054 A JP2021126054 A JP 2021126054A JP 7273115 B2 JP7273115 B2 JP 7273115B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deep
wall
packaging material
mold
drawn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021126054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023020599A (ja
Inventor
崇広 御厨
久雄 石井
Original Assignee
株式会社ニッスイ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ニッスイ filed Critical 株式会社ニッスイ
Priority to JP2021126054A priority Critical patent/JP7273115B2/ja
Publication of JP2023020599A publication Critical patent/JP2023020599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7273115B2 publication Critical patent/JP7273115B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fish Paste Products (AREA)
  • Containers And Plastic Fillers For Packaging (AREA)

Description

本発明は、深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型に関する。
従来、深絞り成形された包材の一部を挟んで複数の加工食品が隣接配置された状態で密封された深絞り包装体を製造する技術が知られている。例えば、特許文献1には、加工食品としてのホタテ貝柱様繊維状カマボコが複数、2枚の包装用フィルム(包材)の間に密封された、深絞り包装体の製造方法が開示されている。
特許文献1では、深絞り成形する際の圧力がホタテ貝柱様繊維状カマボコにかかることによって、より締まった食感を得ることができるとされている。一方、圧力がかかり過ぎる、深絞り包装体の内側に密封され隣接配置された複数のホタテ貝柱様繊維状カマボコが互いに着し過ぎるため、深絞り包装体から取り出した後、ホタテ貝柱様繊維状カマボコを1個ずつ適切に取り分けることが難しくなる。また、ホタテ貝柱様繊維状カマボコが崩れ易くなる。
このため、特許文献1では、底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁とを備える成形金型を用いて、包材が深絞り成形される。また、成形金型の区分け壁の厚みは、0.5mm~3mmに設定されている。区分け壁によって、成形金型の底部の上側の空間が複数に区分けされる。このため、深絞り成形時、複数の突出部が、フィルム状の包材に形成される。
特許文献1では、複数の突出部にホタテ貝柱様繊維状カマボコが1個ずつ充填されると共に、突出部の壁は、包材の一部として複数の加工食品同士を隔てる。深絞り成形された包材と別の包材とを密着して内側を密封することによって、複数のホタテ貝柱様繊維状カマボコが、包材の突出部の壁を挟みつつ隣接配置された状態で密封された深絞り包装体が製造される。結果、深絞り包装体からの取り出し前に密封された状態であっても、取り出された後のホタテ貝柱様繊維状カマボコの付着し過ぎを防止し、ほぐれ易くすることができる。
国際公開第2018/088376号
しかし、特許文献1の場合であっても、ホタテ貝柱様繊維状カマボコの付着し過ぎを必ずしも十分に防止できず、求められるほぐれ易さを得られない場合がある。ここで、例えば、深絞り包装体に密封される前に、加工食品を構成する各種材料の種類、配分、或いは調理方法といった、加工食品そのものに対して設計変更を施すことで、ほぐれ易さを高める方法が考えられる。しかし、加工食品そのものに対する設計変更は、設計コストが比較的嵩むという問題がある。
また、深絞り成形では、加熱され比較的柔らかくなった包材は、真空引きによって成型金型側に吸引される際、接触する成型金型の表面形状及び加工食品の表面形状に沿って変形する。成形金型は金属製等比較的固い素材であるため、特に、成型金型に接触して変形する包材の部分は、変形に伴う応力集中の影響で、成形後、強度が低下し、破損し易くなる場合がある。
ここで、例えば、高強度の包装用フィルムを包材として採用したり、包材の厚みを厚くしたりすることによって、包材の強度低下を抑制する方法が考えられる。しかし、高強度の包装用フィルムを用いる場合、材料コストが嵩むという問題がある。
また、包材の厚みが厚くなると、深絞り包装体1個あたりでは増加した厚みが例えば1mm程度であったとしても、数百個や数千個といったまとまった数の深絞り包装体が集積されると、全体の体積は大きく増加する。このため、複数の深絞り包装体を保管又は輸送する際の管理コストが嵩むという問題がある。
本発明は、上記した問題に着目して為されたものであって、深絞り成形された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が隣接配置された状態で密封された深絞り包装体を、コストを抑えて製造できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様に係る深絞り包装体は、底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体であって、下記(A)及び(B)のうち少なくとも一方を満たす。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
第1の態様における上記(A)によれば、区分け壁の厚みが4mm未満の場合に比べ、深絞り成形時、包材の突出部同士の間隔が拡がるため、加工食品が包材の内側に密封されていても深絞り包装体から取り出された後、ほぐれ易くなり食べ易い。また原料の選定、加工方法の選択、温度設定等の理由により、加工食品の付着性が高くなることが見込まれる場合には、簡易な構造の金型を別途用意するだけで加工食品をほぐれ易くできるため、加工食品そのものに対して設計変更を施す必要がない。このため、より多様な加工食品に利用できる。
また、第1の態様における上記(B)によれば、深絞り成形時、成型金型に接触して変形する部分の包材の応力集中が緩和され、包材の強度低下が抑制される。すなわち、包材に脆弱な部分が形成されることを防止できる。上記(B)によれば、包材の強度低下を抑制するにあたり、深絞り成形金型の形状を変更するだけで済むので、例えば、高強度の包装用フィルムを包材として採用する必要がない。このため、材料コストの上昇を抑制できる。また、包材の厚みを厚くする必要がないので、深絞り包装体を保管又は輸送する際の管理コストの上昇を抑制できる。
第2の態様に係る深絞り包装体は、底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで、突出部の内側の凹部に複数の加工食品が隣接配置された状態で密封された深絞り包装体であって、
下記(C)及び(D)のうち少なくとも一方を満たす。
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である
(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
第2の態様における上記(C)によれば、複数の加工食品が付着し過ぎることが抑制されるため、加工食品を深絞り包装体から取り出した後、1個ずつ適切に取り分け易いと共に、加工食品が崩れ難い。また、上記(D)によれば、加工食品が配置される突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満であることによって、1個の深絞り包装体に含まれる加工食品の個数が、多過ぎず、かつ、少な過ぎない個数に調整される。このため、深絞り包装体の全体の大きさや食べ切り易さの点で有利である。
また、上記第1の態様又は第2の態様では、平面視で、複数の突出部の内側の凹部は、包材の中央から放射状に配置されてよい。
上記の構成によれば、平面視で、複数の突出部の内側の凹部は、包材の中央から放射状に配置される。ここで「放射状」とは、凹部のそれぞれが、包材の中央から外側に延びる放射線上であって、全体として、平面視で周回配置された状態である。このため、凹部の内側に加工食品を配置した状態で密封のために真空引きする際、包材の中央に特に強くかかる圧力に耐え易くなる。
また、上記第1の態様では、加工食品は、ホタテ貝柱様繊維状カマボコであってよい。
上記の構成によれば、特に、ホタテ貝柱様繊維状カマボコが密封された深絞り包装体を有利に提供できる。
第3の態様に係る深絞り包装体の製造方法は、底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体の製造方法であって、下記(A)及び下記(B)のうち少なくとも一方を満たす。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
第3の態様によれば、第1の態様の場合と同様に、上記(A)によって設計コストを抑制できる。また、上記(B)によって材料コスト及び管理コストの上昇を抑制できる。
また、上記第3の態様では、深絞り成形金型は、底部と区分け壁とを有する区分け用金型と、周壁を有する本体金型と、を備え、区分け用金型は、本体金型に着脱自在に取り付けられてもよい。
上記の構成によれば、区分け用金型の形状を変えるだけで、多様な形状パターンの突出部を形成することが可能になる。すなわち、本体金型をそのまま流用できるので、多様な突出部の形状パターンに応じて複数の深絞り成形金型を作製する際のコストを抑えることができる。
また、上記第3の態様では、深絞り成形金型は、周壁の外側に設けられ平坦な上面を有する非深絞り成形部を更に備えてもよい。
上記の構成によれば、非深絞り成形部に対応する位置の包材に、深絞り成形されない平坦な部分が形成される。形成された包材の平坦な部分は、加工食品の配置以外の目的で、例えばラベル印刷用のスペースとして活用できる。
また、上記第3の態様では、上記(B)を満たし、曲率半径が2mm以上である表面を有する領域のうち少なくとも一部は、真空引き用の穴部の近傍に位置してもよい。
ここで、真空引き時に包材の各部に生じる変形量のうち、真空引き用の穴部の近傍の変形量が最も大きくなる。上記第3の態様では、曲率半径が2mm以上である表面を有する領域のうち少なくとも一部が真空引き用の穴部の近傍に位置するため、穴部の近傍の包材の変形を効率的に緩和できる。
第4の態様に係る深絞り成形金型は、底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型であって、下記(A)及び(B)のうち少なくとも一方を有する。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
第4の態様によれば、第1の態様の場合と同様に、上記(A)によって設計コストを抑制できる。また、上記(B)によって材料コスト及び管理コストの上昇を抑制できる。
本発明によれば、深絞り成形された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が隣接配置された状態で密封された深絞り包装体を、コストを抑えて製造できる。
本実施形態に係る深絞り成形金型を説明する斜視図である。 本実施形態に係る深絞り成形金型を説明する平面図である。 図2中の3-3線断面図である。 図2中の4-4線断面図である。 本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法を説明する図である。 本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法の加熱真空成形工程において深絞り成形金型の上に第1の包材を配置した状態を説明する断面図である。 本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法の加熱真空成形工程において第1の包材に突出部が形成された状態を説明する断面図である。 本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法の投入工程において第1の包材の突出部に加工食品が投入された状態を説明する断面図である。 本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法の密封工程において第1の包材と第2の包材との内側に加工食品が密封された状態を説明する断面図である。 実施例に係る深絞り包装体から取り出された加工食品を説明する図である。 比較例に係る深絞り包装体から取り出された加工食品を説明する図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。従って、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
<深絞り成形金型>
図1に示すように、本実施形態に係る深絞り成形金型10は、本体金型12と、区分け用金型14と、を備える。
(本体金型)
本体金型12は、筒状部12Aと、非深絞り成形部12Bとを有する。筒状部12Aは、有底の直円筒状であり、図1中の上側に開口部12Cが位置する。筒状部12Aの底の表面は、平坦である。筒状部12Aの側壁は、筒状部12Aの内側の空間を囲む周壁12A1を形成する。
非深絞り成形部12Bは、平板状の領域であり、図1に示したように平坦な上面を有する。非深絞り成形部12Bは、筒状部12Aの図2中の上側の開口部12Cに、すなわち、周壁12A1の外側に設けられている。
(区分け用金型)
区分け用金型14は、図2に示すように、円板状の底部14Aと、区分け壁14Bとを有する。本実施形態では、本体金型12と区分け用金型14とは互いに別部材であると共に、区分け用金型14は、本体金型12に着脱自在に取り付けられている。なお、本発明では、区分け用金型と本体金型とが一体的に作製されてもよい。
(底部)
本実施形態では、底部14Aの円板の直径は、例えば100mm~110mm程度に設定できるが、本発明では、任意に設定できる。また、本発明では、底部の形状は円板状に限定されず、例えば三角形状、矩形状、八角形状、楕円形状等、上面に加工食品を配置できる限り、任意の幾何学形状を採用できる。
底部14Aの円板の直径は、筒状部12Aの内径及び開口部12Cの直径とほぼ等しい。このため、図3に示すように、区分け用金型14が開口部12Cから筒状部12Aの内側に落とし込まれると共に筒状部12Aの底の表面上に載置されることによって、区分け用金型14を本体金型12に取り付けることができる。また、区分け用金型14が本体金型12に取り付けられた状態で、周壁12A1は、底部14Aの周縁から起立する。
区分け用金型14を本体金型12から取り外す際には、例えば、区分け壁14Bを把持した状態で、区分け用金型14を筒状部12Aの内側から持ち上げればよい。
(区分け壁)
本実施形態では、区分け壁14Bは板状である。区分け壁14Bは、図3中で底部14Aの上面に設けられ、底部14Aの上面から上側に延びて起立している。図3中で底部14Aの最も低い位置の上面から測った区分け壁14Bの高さは、例えば15mm程度に設定できるが、本発明では、任意に設定できる。
区分け壁14Bは、図2に示したように、平面視で、底部14Aの中心を囲んで中央に位置する五角形状の領域と、五角形のそれぞれの頂点を起点として底部14Aの中心から放射状に延びる5本の領域とを有する。このため、区分け壁14Bは、周壁12A1の内側、すなわち筒状部12Aの内側の空間を6個に区分けする。
本実施形態では、6個の空間の平面視での配置パターンは、全体的に円形状であり、中心に1個の空間が配置されると共に、中心の1個の空間の周囲に5個の空間が放射状に周回配置される。なお、本発明では区分けされる空間の個数は、6個に限定されず、複数であれば任意である。
なお、本実施形態に係る深絞り成形金型10を用いた深絞り成形時には、区分け壁14Bの上側にフィルム状の包材が配置され、加熱真空成形される。このため、後で説明する図7中の第1の包材22の突出部22Aのように、6個の空間によって、包材には6個の突出部が、区分け壁14Bによって区分けされる空間の配置パターンに対応した状態で形成される。
すなわち、本実施形態の6個の突出部22Aの平面視での配置パターンは、全体的に円形状であり、中心に1個の突出部22Aが配置されると共に中心の1個の突出部22Aの周囲に5個の突出部22Aが周回配置される。なお、本発明では、突出部の平面視での配置パターンは、これに限定されず、突出部が中心を除いて周回配置されているドーナツ状の配置パターンや、マトリクス(行列)状に配置されたパターン等、適宜変更できる。すなわち、複数の突出部の配置パターンとしては、中央部と周辺部との両方を有してもよいし、又は、中央部を有さず周辺部だけを有してもよい。
(数値の設定)
ここで、本実施形態の区分け用金型14では、区分け壁14Bの厚みT、及び、特定の領域の表面の曲率半径に関する数値が設定されている。具体的には、下記の(A)及び(B)の両方の要件が満たされるように設定されている。なお、本実施形態では、(A)及び(B)の両方の要件が満たされているが、本発明では、上記(A)及び上記(B)の要件のうち少なくとも一方が満たされていればよい。
(A)区分け壁14Bの厚みTが、4mm以上である
(B)断面中で、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面、及び、区分け壁14Bの表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
[要件(A)について]
区分け壁14Bによって、深絞り成形時、包材中で隣接する複数の突出部の間に間隔が形成される。また、区分け壁14Bの厚みTによって、複数の突出部同士の間隔が規定される。
また、深絞り成形の後の工程で、複数の突出部にそれぞれ加工食品が充填されると共に、複数の加工食品は、突出部の壁を挟んだ状態で深絞り包装体の内側に密封される。密封時の圧力によって包材は更に変形するため、包材に形成された複数の突出部同士の間隔も変動する。密封時の変形によって形成された突出部同士の間隔は、複数の加工食品の付着の程度に影響する。
このため、本実施形態では、区分け壁14Bの厚みTは、4mm以上に設定されている。厚みTが4mm未満の場合、深絞り包装体から取り出された加工食品が、十分にほぐれないと共に、崩れやすくなる。
また、本実施形態では、区分け壁14Bの厚みTは、15mm以下であることが好ましい。厚みTが15mmを超える場合、深絞り包装体に加工食品を配置するために必要な部分の面積が大きくなり過ぎる。結果、深絞り包装体の全体サイズが大きくなり過ぎる、又は、一定面積内に配置可能な加工食品の個数が減少する懸念が生じる。なお、本発明では、区分け壁の厚みの上限値は、必須ではない。
[要件(B)について]
深絞り成形時、区分け用金型14の上側に配置された包材は、底部14Aと周壁12A1と区分け壁14Bとに押し付けられることによって変形する。本実施形態では、変形部分の包材の強度低下を抑制できるように、断面中で、区分け用金型14における特定の領域の表面の曲率半径の下限値が、2mm以上に設定されている。
図2及び図3中には、曲率半径が2mm以上に設定される特定の領域として、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SAが例示されている。また、図2及び図4中には、曲率半径が2mm以上に設定される特定の領域として、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SBと区分け壁14Bの表面SCとが例示されている。
なお、特定の領域の表面の曲率半径の下限値が、2mm未満の場合、包材の強度低下を十分に抑制できない。また、曲率半径の下限値が5mm以上であれば、包材の強度低下をより抑制できる観点で好ましい。更に、曲率半径の下限値が7mm以上、より好ましくは10mm以上、更に好ましくは12mm以上であれば、包材の強度低下を抑制する効果が一層高まる観点で好ましい。以下、3個の特定の領域の表面の曲率半径について、それぞれ具体的に説明する。
(底部と周壁との境界部の表面の曲率半径)
図2に示したように、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SAは、平面視で底部14Aの円板の外縁に、ほぼ等幅のリング状に形成される。表面SAの曲率半径は、図2及び図3に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち底部14Aの円板の中心Cを通る断面の中で定義できる。
本実施形態では、表面SAの曲率半径は、約10mmに設定されている。なお、本発明では、表面の曲率半径は、これに限定されず、2mm以上の任意の値に設定できる。図3に示したように、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SAに曲率が形成されていることによって、境界部では底部14Aの中央側の上面と周壁12A1の内側面とが滑らかに連続する。
(底部と区分け壁との境界部の表面の曲率半径)
図2に示したように、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SBは、平面視で区分け壁14Bの根元部分にほぼ等幅の線状に形成される。表面SBの曲率半径は、図2及び図4に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち、区分け壁14Bの面方向と直交する断面の中で定義できる。
本実施形態では、表面SBの曲率半径は、約2.2mmに設定されている。なお、本発明では、表面の曲率半径は、これに限定されず、2mm以上の任意の値に設定できる。図4に示したように、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部に曲率が形成されていることによって、境界部では底部14Aの上面と区分け壁14Bの側面とが滑らかに連続する。
(区分け壁の表面の曲率半径)
区分け壁14Bの表面SCは、包材と接触する側の上端面である。本実施形態では、平面視で底部14Aの中心から放射状に延びる5枚の部分の区分け壁14Bの上端面の外側に形成されている。表面SCの曲率半径は、図4に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち、区分け壁14Bの面方向と同じ又は平行な断面の中で定義できる。
本実施形態では、表面SCの曲率半径は、約9mmに設定されている。なお、本発明では、表面の曲率半径は、これに限定されず、2mm以上の任意の値に設定できる。図4に示したように、区分け壁14Bの上端面における角部に曲率が形成されていることによって、角部は丸みを有する。
(隣接する区分け壁の境界部)
なお、本実施形態では、隣接する区分け壁14B同士の境界部における表面の曲率半径も、約2.2mm程度に設定されている。区分け壁14B同士の境界部は、例えば、図3中の左右方向の中央で上下方向に延びる2本線によって図示されている。このため、区分け壁14B同士の境界部においても、包材の強度低下を抑制する効果を得ることができる。
本実施形態では、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SA、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SB、及び、区分け壁14Bの表面SCのすべての曲率半径が2mm以上である。しかし、本発明では、これに限定されず、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうち、少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上であればよい。
(曲率半径の上限値)
また、本実施形態では、表面SA、表面SB及び表面SCのそれぞれの曲率半径の上限値は、50mm以下であることが好ましい。曲率半径が50mmを超える場合、本体金型12の寸法が同じであると、深絞り成形された包材の突出部の内側の容積が小さくなるため、突出部に充填可能な加工食品の量が減少する。すなわち、加工食品のサイズが小さくなる。このため、深絞り包装体の全体サイズの変更や加工食品の個数の変更等が必要になり、結果、設計変更の負担が大きくなる。
また、曲率半径の上限値が40mm以下であれば、設計変更の負担をより抑制できる観点で好ましい。更に、曲率半径の上限値が30mm以下、より好ましくは20mm以下であれば、設計変更の負担抑制効果を最大化できるため、最も好ましい。なお、本発明では、曲率半径の上限値は、限定されない。
(穴部)
また、図2に示したように、区分け用金型14には、真空引き用の穴部14Cが形成されている。穴部14Cは、区分け用金型14における、筒状部12Aの底側の面と、開口部12C側の面との間を貫通している。また、図示を省略するが、筒状部12Aの底には、区分け用金型14の穴部14Cと対応する真空引き用の穴部が形成されている。区分け用金型14の穴部14Cと筒状部12Aの底の穴部とは、区分け用金型14が本体金型12に取り付けられた状態において連通する。
このため、区分け用金型14が本体金型12に取り付けられた状態で真空引きが行われると、区分け用金型14の上側の空気が吸引される。結果、区分け用金型14の上側に配置された包材を加熱真空成形することが可能になる。
本実施形態では、加熱真空成形時の包材の変形を考慮し、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SA、及び、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SBを有する領域は、穴部14Cの近傍に位置するように構成されている。
なお、本発明では、これに限定されず、例えば、区分け壁の上端面の角部の領域が、真空引き用の穴部の近傍に位置すると共に、角部の領域の表面の曲率半径が2mm以上に設定されてもよい。本発明では、曲率半径が2mm以上である表面を有する領域の少なくとも一部が、真空引き用の穴部の近傍に位置すればよい。また、穴部の形状や個数は適宜変更できる。
<深絞り包装体の製造方法>
次に、本実施形態に係る深絞り成形金型10を用いた深絞り包装体の製造方法を、図5~図9を参照して説明する。なお、本実施形態では「深絞り包装体の製造方法」は「深絞り包装方法」と同じ意味で用いられる。また、図5中では、見易さのため、深絞り成形金型10の本体金型12及び区分け用金型14の細部の構成は、簡略化されている。また、図5中では加工食品30も簡略的に図示されている。
(加熱真空成形工程)
図5に示すように、深絞り包装機20が配置されている製造ラインでは、まず、上流側(図5中の右側)に設置されているロール21に第1の包材22として巻き取られた包装用フィルムシートが、所定の長さ分、下流側(図5中の左側)に引き出される。引き出された部分の第1の包材22は、深絞り成形金型10の上側に配置される。
また、図6に示すように、第1の包材22が上側からシート押え装置24によって押えられることによって、深絞り成形金型10に対する第1の包材22の位置が固定される。深絞り成形金型10の本体金型12の筒状部12Aの内側には、区分け用金型14が予め配置されている。また、図示を省略するが、製造ラインには、第1の包材22を加熱する加熱装置が設けられている。また、図示を省略するが、筒状部12Aの底の穴部14Cには、真空引き用のポンプ等の吸引装置に連結された配管が接続されている。
次に、図7に示すように、加熱装置によって第1の包材22を加熱すると共に、深絞り成形金型10を用いて真空引きすることによって、第1の包材22を深絞り成形する。深絞り成形によって、第1の包材22は、区分け用金型14の表面の形状と周壁12A1の内面の形状とに沿って変形し、結果、図7中で下側に突出する複数の突出部22Aが形成される。
また、非深絞り成形部12Bに対応する位置の第1の包材22には、平坦な部分が形成される。突出部22A及び平坦な部分が形成された第1の包材22は、所定の長さ分、下流側に引き出される。
(投入工程)
次に、図8に示すように、引き出された部分の第1の包材22の複数の突出部22Aのそれぞれの内側に、加工食品30を投入する。すなわち、第1の包材22は、製造ラインにおいてボトム材である。また、突出部22Aの内側の凹部は、加工食品30の収納部として機能する。
(加工食品)
本発明の加工食品としては、固形食品であってもよいし、或いは、低温加工等が施されることによって、固化、又は粘性が上昇した液状食品であってもよい。また、固形食品は、塊状食品であってもよいし、粉状食品であってもよい。また、塊状食品は、塊状弾性食品であってもよいし、塊状非弾性食品であってもよい。また、塊状弾性食品としては、例えば、カマボコ製品、チーズ製品、畜肉製品、団子製品、餅製品、豆製品等が含まれる。また、塊状弾性食品としては、卵や甘栗等も含まれる。
本実施形態の加工食品30は、塊状弾性食品のホタテ貝柱様繊維状カマボコである。ホタテ貝柱様繊維状カマボコの製造方法としては、例えば、原材料を含有する練肉を、平行な溝を有する複数のシート状に形成し、形成された複数枚のシート状の練肉を1枚ずつ巻き込むことによって、所定の太さを有する長尺の棒状カマボコを製造する。そして、長尺の棒状カマボコを、ホタテ貝柱様の所定の長さに切断することによって製造できる。
このため、本実施形態の加工食品30としてのホタテ貝柱様繊維状カマボコの形状は、円柱状又は多角柱状である。なお、ホタテ貝柱様繊維状カマボコについては、例えば、国際公開第2018/088376号の記載内容を参照できる。
加工食品30を突出部22Aに投入する際には、必要に応じて、第1の包材22を所定の温度まで降下させることができる。加工食品30が投入された第1の包材22は、所定の長さ分、下流側のシール装置28の位置に引き出される。
(密封工程)
次に、図5中の上側のロール25に巻き取られている包装用フィルムシートが、シール装置28の位置に第2の包材26として引き出される。引き出された第2の包材26は、充填された加工食品30を覆うように、第1の包材22に重ね合わされる。すなわち、第2の包材26は、製造ラインにおいてトップ材であり、蓋として機能する。
そして、図9に示すように、シール装置28を用いて内側の6個の加工食品30を真空引き等によって密封(シール)しつつ、第1の包材22と第2の包材26とを熱圧着して一体化する。密封された6個の加工食品30は、突出部22Aを挟んで隣接配置される。また、加熱真空成形工程において形成された第1の包材22の平坦な部分には、第2の包材26が平坦な状態で張り合わせられる。
また、密封時の圧力によって、突出部22Aが介在することなく隣接する加工食品30同士が直接接触する部分(図9中の加工食品30の上部)の付着が促される。また、第1の包材22と第2の包材26とは、内側の空気が抜かれた分、更に圧縮するように変形する。結果、第1の包材22、第2の包材26と、第1の包材22及び第2の包材26の内側に密封された加工食品30とが、互いに密着する。
(小分け工程)
次に、図5に示したように、互いに密着して一体化した第1の包材22と第2の包材26とを、所定の長さ分、下流側の裁断装置29の位置に引き出す。そして、一体化した第1の包材22と第2の包材26とを、所定の位置で裁断装置29によってカットすることによって、小分けされた深絞り包装体40を得ることができる。上記の一連の工程を、繰り返し行うことによって、複数の深絞り包装体40を連続的に得ることができる。
なお、本実施形態では、説明の便宜のため、各工程において1個の深絞り包装体40に応じた作業が行われる場合を例示的に説明したが、本発明では、これに限定されない。例えば本発明では、加熱真空成形工程において複数の深絞り成形金型をマトリクス状に配置することによって、1回の加熱真空成形で、1枚の包装用フィルムシートに複数の深絞り成形が施されてもよい。
以上のとおり、本実施形態に係る深絞り成形金型10を用いた深絞り包装体の製造方法によって、深絞り包装体40を製造することができる。製造された深絞り包装体40の内側では、6個の加工食品30が、深絞り成形の際、区分け壁14Bによって形成された第1の包材22の一部、すなわち突出部22Aの壁を挟みつつ、突出部22Aの内側の凹部に隣接配置された状態で密封されている。
次に、本実施形態の実施例に係る深絞り包装体を参照して説明する。実施例に係る深絞り包装体は、図5~図9で説明した深絞り包装体の製造方法によって製造された。まず、製造された深絞り包装体40を突出部22Aが上側に張り出すように水平面上に載置した。そして、載置された深絞り包装体40を平面視した状態で、隣接配置された6個の加工食品30の間に形成された間隙の幅を測定した。
測定の結果、本実施形態では6個の加工食品30のホタテ貝柱様繊維状カマボコにおいて互いに隣接する2個のホタテ貝柱様繊維状カマボコの間隙の幅は、いずれも1mm以上、7mm以下であった。
なお、本実施形態では、間隙の値は、突出部22Aを正面に配置して深絞り包装体を平面視したとき、対象とする隣接する2個の加工食品30の間の最小の幅として定義される。真空包装処理によって、加工食品30と第1の包材22とは密着している。また、加工食品30がホタテ貝柱様繊維状カマボコである場合、深絞り包装体を平面視すると、円柱状又は多角柱状の加工食品30の底面又は側面を画定する辺に相当する部分が、第1の包材22の突出部22Aの稜線として表れる。このため、隣接する2個の加工食品30において、間隙を挟んで対向する突出部22Aの稜線同士の離隔幅を、間隙の幅として測定すればよい。
また、図10中には、実施例に係る深絞り包装体から取り出され、皿の上に配置された加工食品としてのホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aが例示されている。実施例では、6個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aが、皿の中央に1個、かつ、中央のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aの周囲に5個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aが周回配置されている。実施例の場合、深絞り包装体から取り出された後、6個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aは、1個ずつ適切に取り分け易かった。また、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aは、崩れ難かった。
(比較例)
一方、上記(A)の要件に関し、区分け壁14Bの厚みTを4mm以上ではなく、2mmに設定した深絞り成形金型を比較例として用意した。また、比較例に係る深絞り成形金型では、区分け壁14Bの厚みT以外の要件に関しては本実施形態に係る深絞り成形金型と同様に設定した。そして、比較例に係る深絞り成形金型を用いて、本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法と同様の工程を実施して、比較例に係る深絞り包装体を製造した。比較例では、6個の加工食品30において互いに隣接する2個の加工食品30の間隙は、いずれも1mm未満であった。
また、図11中には、製造された比較例に係る深絞り包装体から取り出され、皿の上に配置されたホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zが例示されている。比較例では、実施例と同様に、6個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zが、皿の中央に1個、かつ、中央のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zの周囲に5個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zが周回配置されている。
比較例の場合、深絞り包装体から取り出された後、6個のホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zは、互いに付着し過ぎており、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zを1個ずつ適切に取り分けることが難しかった。また、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Zは、崩れ易かった。
(作用効果)
本実施形態では、深絞り成形金型10の区分け壁14Bによって、第1の包材22に複数の突出部22Aが深絞り成形され、突出部22Aの壁は、第1の包材22の一部として複数の加工食品30同士を隔てる。深絞り成形された第1の包材22と第2の包材26とを密着して加工食品30を密封することによって、深絞り包装体が製造される。
また、本実施形態に係る深絞り成形金型10では、下記(A)及び(B)の要件が両方満たされるように設定されている。
(A)区分け壁14Bの厚みTが、4mm以上である
(B)断面中で、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SA、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SB、及び、区分け壁14Bの表面SCのうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
上記(A)によれば、深絞り成形時、区分け壁の厚みが4mm未満の場合に比べ、第1の包材22の突出部22A同士の間隔が拡がるため、加工食品30が第1の包材22と第2の包材26との内側に密封されていても深絞り包装体40から取り出された後、ほぐれ易くなり食べ易い。また、原料の選定、加工方法の選択、温度設定等の理由により、加工食品30の付着性が高くなることが見込まれる場合には、簡易な構造の金型を別途用意するだけで加工食品30をほぐれ易くできるため、加工食品30そのものに対して設計変更を施す必要がない。このため、本実施形態は、より多様な加工食品30に利用できる。
特に、加工食品30がほぐれ易いことによって、
(a)対象となる加工食品の種類を広げられる
(b)用いる原料や加工方法の選択の幅を広げられる
(c)保存中の空気酸化や水分減少により生じる食感のムラを減らせる
等の、加工食品30ならではの有利な効果を得ることができる。上記(a)(c)によれば、管理コストの上昇を、また、上記(b)によれば、材料コストの上昇を、それぞれ抑制できる。
また、上記(B)によれば、深絞り成形時、成型金型に接触して変形する部分の第1の包材22の応力集中が緩和され、第1の包材22の強度低下が抑制される。すなわち、第1の包材22に脆弱な部分が形成されることを防止できる。上記(B)によれば、第1の包材22の強度低下を抑制するにあたり、深絞り成形金型10の形状を変更するだけで済むので、例えば、高強度の包装用フィルムを包材として採用する必要がない。このため、材料コストの上昇を抑制できる。また、第1の包材22の厚みを厚くする必要がないので、深絞り包装体40を保管又は輸送する際の管理コストの上昇を抑制できる。
よって、本実施形態に係る深絞り成形金型10を用いて深絞り包装体40を製造すれば、深絞り成形された第1の包材22の一部を挟んで複数の加工食品30が隣接配置された状態で密封された深絞り包装体40を、コストを抑えて製造できる。
また、本実施形態に係る深絞り包装体40では、下記(C)及び(D)の要件が両方満たされるように設定されている。
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である
(D)突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
上記(C)によれば、実施例の場合のように、隣接配置された複数の加工食品30の間隙は、1mm以上、7mm以下であるため、複数の加工食品30が付着し過ぎることが抑制される。このため、加工食品30を深絞り包装体から取り出した後、1個ずつ適切に取り分け易いと共に、加工食品30が崩れ難い。
また、上記(D)によれば、加工食品が配置される突出部22Aの内側の凹部の個数が6個と、4個以上10個未満であることによって、1個の深絞り包装体40に含まれる加工食品30の個数が、多過ぎず、かつ、少な過ぎない個数に調整される。このため、深絞り包装体40の全体の大きさや食べ切り易さの点で有利である。
また、本実施形態では、平面視で、複数の突出部22Aの内側の凹部は、第1の包材22の中央から放射状に配置される。このため、凹部の内側に加工食品30を配置した状態で密封のために真空引きする際、第1の包材22の中央に特に強くかかる圧力に耐え易くなる。なお、本実施形態では、周辺部に放射状に配置される加工食品30が、5個である場合が例示的に説明されたが、本発明では、少なくとも4個以上10個未満に区分けされればよい。また、複数の突出部の配置パターンと同様に、複数の凹部の配置パターンとしては、中央部と周辺部との両方を有してもよいし、又は、中央部を有さず周辺部だけを有してもよい。
また、本実施形態では、実施例の場合のように、深絞り包装体40の内側に充填される加工食品30として、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aを使用できる。ここで、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30A以外の加工食品30、例えば、カニ脚様カマボコは、長尺状であるため、深絞り包装体の中で複数のカニ脚様カマボコを、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aのように周回配置する必要性が小さい。
一方、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aは、製品の高さに相当する長さが直径(最大径)と同程度、又は直径より短い場合が多い。このため、深絞り包装体の中で、ホタテ貝柱様繊維状カマボコ30Aを周回配置する必要性が大きくなる。結果、本実施形態は、特に、ホタテ貝柱様繊維状カマボコが密封された深絞り包装体40を有利に提供できる。
また、本実施形態に係る深絞り成形金型10では、区分け用金型14は、本体金型12に着脱自在に取り付けられている。このため、区分け用金型14の形状を変えるだけで、多様な形状パターンの突出部22Aを形成することが可能になる。すなわち、本体金型12をそのまま流用できるので、多様な突出部22Aの形状パターンに応じて複数の深絞り成形金型10を作製する際のコストを抑えることができる。
また、本実施形態に係る深絞り成形金型10では、非深絞り成形部12Bに対応する位置の第1の包材22に、深絞り成形されない平坦な部分が形成される。形成された包材の平坦な部分は、加工食品30の配置以外の目的で、例えばラベル印刷用のスペースとして活用できる。
また、本実施形態に係る深絞り成形金型10では、区分け用金型14における曲率半径が2mm以上である表面SA及び表面SBを有する領域は、真空引き用の穴部14Cの近傍に位置する。ここで、真空引き時に第1の包材22の各部に生じる変形量のうち、真空引き用の穴部14Cの近傍の変形量が最も大きくなる。このため、真空引き用の穴部14Cの近傍の第1の包材22の変形を効率的に緩和できる。
<その他の実施形態>
本発明は上記の開示した実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
10 深絞り成形金型
12 本体金型
12A 筒状部
12A1 周壁
12B 非深絞り成形部
12C 開口部
14 区分け用金型
14A 底部
14B 区分け壁
14C 穴部
20 深絞り包装機
21 ロール
22 第1の包材
22A 突出部
24 シート押え装置
25 ロール
26 第2の包材
28 シール装置
29 裁断装置
30 加工食品
30A,30Z ホタテ貝柱様繊維状カマボコ
40 深絞り包装体
C 底部の中心
SA 底部と周壁との境界部の表面
SB 底部と区分け壁との境界部の表面
SC 区分け壁の表面

Claims (8)

  1. 底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体であって、
    下記(A)(B)、(C)及び(D)を満たす、深絞り包装体。
    (A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
    (B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
    (C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
  2. 平面視で、複数の前記突出部の内側の凹部は、前記包材の中央から放射状に配置される、
    請求項に記載の深絞り包装体。
  3. 前記加工食品は、ホタテ貝柱様繊維状カマボコである、
    請求項1又は2に記載の深絞り包装体。
  4. 底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体の製造方法であって、
    下記(A)(B)、(C)及び(D)を満たす、深絞り包装体の製造方法。
    (A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
    (B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
    (C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
  5. 前記深絞り成形金型は、前記底部と前記区分け壁とを有する区分け用金型と、前記周壁を有する本体金型と、を備え、
    区分け用金型は、本体金型に着脱自在に取り付けられる、
    請求項に記載の深絞り包装体の製造方法。
  6. 前記深絞り成形金型は、前記周壁の外側に設けられ平坦な上面を有する非深絞り成形部を更に備える、
    請求項又はに記載の深絞り包装体の製造方法。
  7. 前記(B)を満た前記曲率半径を有する領域のうち少なくとも一部は、真空引き用の穴部の近傍に位置する、
    請求項のいずれか一項に記載の深絞り包装体の製造方法。
  8. 底部と、
    底部の周縁から起立する周壁と、
    底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、
    を備え、
    底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形し、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封される深絞り成形金型であって、
    下記(A)(B)、(C)及び(D)を有する、深絞り成形金型。
    (A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
    (B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
    (C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
JP2021126054A 2021-07-30 2021-07-30 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型 Active JP7273115B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021126054A JP7273115B2 (ja) 2021-07-30 2021-07-30 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021126054A JP7273115B2 (ja) 2021-07-30 2021-07-30 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023020599A JP2023020599A (ja) 2023-02-09
JP7273115B2 true JP7273115B2 (ja) 2023-05-12

Family

ID=85159781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021126054A Active JP7273115B2 (ja) 2021-07-30 2021-07-30 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7273115B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001277344A (ja) 2000-01-24 2001-10-09 Sumitomo Chem Co Ltd ポリオレフィン系発泡樹脂容器の製造方法
JP2006298395A (ja) 2005-04-18 2006-11-02 Toppan Printing Co Ltd フランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法
JP2015178373A (ja) 2014-03-19 2015-10-08 東京食品機械株式会社 深絞り包装容器及びその製造方法
WO2018088376A1 (ja) 2016-11-10 2018-05-17 日本水産株式会社 ホタテ貝柱様繊維状カマボコと包装体及びそれらの製造方法
JP2019199271A (ja) 2018-05-15 2019-11-21 キユーピー株式会社 分配包装体詰めゲル状組成物含有食品
JP2020128247A (ja) 2019-02-12 2020-08-27 日清食品ホールディングス株式会社 食品トレー

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5263354A (en) * 1985-03-15 1993-11-23 Saunders William T Drawn can body methods, apparatus and products
JPH0647772Y2 (ja) * 1988-07-06 1994-12-07 昭和アルミニウム株式会社 食品包装用アルミニウム箔樹脂積層容器
JPH0499437A (ja) * 1990-08-13 1992-03-31 Tokyo Reinetsu Sangyo Kk エビ類の冷凍方法およびその方法に使用するトレー
JPH0728135Y2 (ja) * 1991-12-09 1995-06-28 東洋水産株式会社 イージーオープン容器詰食品
JPH061385A (ja) * 1992-06-16 1994-01-11 Toppan Printing Co Ltd 具材包装体の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001277344A (ja) 2000-01-24 2001-10-09 Sumitomo Chem Co Ltd ポリオレフィン系発泡樹脂容器の製造方法
JP2006298395A (ja) 2005-04-18 2006-11-02 Toppan Printing Co Ltd フランジ付き仕切りトレー容器およびその製造方法
JP2015178373A (ja) 2014-03-19 2015-10-08 東京食品機械株式会社 深絞り包装容器及びその製造方法
WO2018088376A1 (ja) 2016-11-10 2018-05-17 日本水産株式会社 ホタテ貝柱様繊維状カマボコと包装体及びそれらの製造方法
JP2019199271A (ja) 2018-05-15 2019-11-21 キユーピー株式会社 分配包装体詰めゲル状組成物含有食品
JP2020128247A (ja) 2019-02-12 2020-08-27 日清食品ホールディングス株式会社 食品トレー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023020599A (ja) 2023-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10421601B2 (en) Processor tray and method of packing
US20100005975A1 (en) Multi-level cavitied bun molds
JP7273115B2 (ja) 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型
JP5788514B2 (ja) パッケージを形成する方法、パッケージおよびパッケージ素材片
CN111615336B (zh) 食品用可食容器和用于烘烤可食容器半部的热模
EP2481689B1 (en) Packaging for one portion or several portions of a confectionery product
US6918506B2 (en) Packaging container
US20210002018A1 (en) Packaging tray with a profiled sealing edge
KR200474479Y1 (ko) 우수한 강도를 갖는 구조로 이루어진 식품용 트레이
US2833654A (en) Food product and method and apparatus for making the product
JP7343103B2 (ja) 食品用の焼き型付き焼き皿
US3852485A (en) Package for uniformly shaped chip type snack food products
KR20130024240A (ko) 우수한 강도를 갖는 구조로 이루어진 식품용 트레이
EP1604903A2 (en) A food-carrying cardboard tray
JPH0630655Y2 (ja) 寿司飯収容容器
US20210219561A1 (en) Apparatus and Method for Making Food Items
KR101956475B1 (ko) 김 스낵 조각용 커팅장치
JP6590272B2 (ja) 充填式冷凍食品の容器
JP3009393B1 (ja) 冷凍麺およびその製造方法
US20240116668A1 (en) Packaging of food products and associated packaging device
RU2699707C1 (ru) Способ и устройство для разъединения сырных кубиков
KR20230086216A (ko) 냉동피자 트레이 및 냉동피자 팩
JP6994784B1 (ja) 食品の冷凍用容器及び冷凍食品の製造方法
JP6280197B1 (ja) シート状食品の裁断方法
EP4043357A1 (en) A food container of fiber pulp

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220511

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7273115

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150