JP7273115B2 - 深絞り包装体、深絞り包装体の製造方法及び深絞り成形金型 - Google Patents
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Description
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
下記(C)及び(D)のうち少なくとも一方を満たす。
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である
(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
図1に示すように、本実施形態に係る深絞り成形金型10は、本体金型12と、区分け用金型14と、を備える。
本体金型12は、筒状部12Aと、非深絞り成形部12Bとを有する。筒状部12Aは、有底の直円筒状であり、図1中の上側に開口部12Cが位置する。筒状部12Aの底の表面は、平坦である。筒状部12Aの側壁は、筒状部12Aの内側の空間を囲む周壁12A1を形成する。
区分け用金型14は、図2に示すように、円板状の底部14Aと、区分け壁14Bとを有する。本実施形態では、本体金型12と区分け用金型14とは互いに別部材であると共に、区分け用金型14は、本体金型12に着脱自在に取り付けられている。なお、本発明では、区分け用金型と本体金型とが一体的に作製されてもよい。
本実施形態では、底部14Aの円板の直径は、例えば100mm~110mm程度に設定できるが、本発明では、任意に設定できる。また、本発明では、底部の形状は円板状に限定されず、例えば三角形状、矩形状、八角形状、楕円形状等、上面に加工食品を配置できる限り、任意の幾何学形状を採用できる。
本実施形態では、区分け壁14Bは板状である。区分け壁14Bは、図3中で底部14Aの上面に設けられ、底部14Aの上面から上側に延びて起立している。図3中で底部14Aの最も低い位置の上面から測った区分け壁14Bの高さは、例えば15mm程度に設定できるが、本発明では、任意に設定できる。
ここで、本実施形態の区分け用金型14では、区分け壁14Bの厚みT、及び、特定の領域の表面の曲率半径に関する数値が設定されている。具体的には、下記の(A)及び(B)の両方の要件が満たされるように設定されている。なお、本実施形態では、(A)及び(B)の両方の要件が満たされているが、本発明では、上記(A)及び上記(B)の要件のうち少なくとも一方が満たされていればよい。
(B)断面中で、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面、及び、区分け壁14Bの表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
区分け壁14Bによって、深絞り成形時、包材中で隣接する複数の突出部の間に間隔が形成される。また、区分け壁14Bの厚みTによって、複数の突出部同士の間隔が規定される。
深絞り成形時、区分け用金型14の上側に配置された包材は、底部14Aと周壁12A1と区分け壁14Bとに押し付けられることによって変形する。本実施形態では、変形部分の包材の強度低下を抑制できるように、断面中で、区分け用金型14における特定の領域の表面の曲率半径の下限値が、2mm以上に設定されている。
図2に示したように、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SAは、平面視で底部14Aの円板の外縁に、ほぼ等幅のリング状に形成される。表面SAの曲率半径は、図2及び図3に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち底部14Aの円板の中心Cを通る断面の中で定義できる。
図2に示したように、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SBは、平面視で区分け壁14Bの根元部分にほぼ等幅の線状に形成される。表面SBの曲率半径は、図2及び図4に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち、区分け壁14Bの面方向と直交する断面の中で定義できる。
区分け壁14Bの表面SCは、包材と接触する側の上端面である。本実施形態では、平面視で底部14Aの中心から放射状に延びる5枚の部分の区分け壁14Bの上端面の外側に形成されている。表面SCの曲率半径は、図4に示すように、底部14Aの水平な下面に垂直な面のうち、区分け壁14Bの面方向と同じ又は平行な断面の中で定義できる。
なお、本実施形態では、隣接する区分け壁14B同士の境界部における表面の曲率半径も、約2.2mm程度に設定されている。区分け壁14B同士の境界部は、例えば、図3中の左右方向の中央で上下方向に延びる2本線によって図示されている。このため、区分け壁14B同士の境界部においても、包材の強度低下を抑制する効果を得ることができる。
また、本実施形態では、表面SA、表面SB及び表面SCのそれぞれの曲率半径の上限値は、50mm以下であることが好ましい。曲率半径が50mmを超える場合、本体金型12の寸法が同じであると、深絞り成形された包材の突出部の内側の容積が小さくなるため、突出部に充填可能な加工食品の量が減少する。すなわち、加工食品のサイズが小さくなる。このため、深絞り包装体の全体サイズの変更や加工食品の個数の変更等が必要になり、結果、設計変更の負担が大きくなる。
また、図2に示したように、区分け用金型14には、真空引き用の穴部14Cが形成されている。穴部14Cは、区分け用金型14における、筒状部12Aの底側の面と、開口部12C側の面との間を貫通している。また、図示を省略するが、筒状部12Aの底には、区分け用金型14の穴部14Cと対応する真空引き用の穴部が形成されている。区分け用金型14の穴部14Cと筒状部12Aの底の穴部とは、区分け用金型14が本体金型12に取り付けられた状態において連通する。
次に、本実施形態に係る深絞り成形金型10を用いた深絞り包装体の製造方法を、図5~図9を参照して説明する。なお、本実施形態では「深絞り包装体の製造方法」は「深絞り包装方法」と同じ意味で用いられる。また、図5中では、見易さのため、深絞り成形金型10の本体金型12及び区分け用金型14の細部の構成は、簡略化されている。また、図5中では加工食品30も簡略的に図示されている。
図5に示すように、深絞り包装機20が配置されている製造ラインでは、まず、上流側(図5中の右側)に設置されているロール21に第1の包材22として巻き取られた包装用フィルムシートが、所定の長さ分、下流側(図5中の左側)に引き出される。引き出された部分の第1の包材22は、深絞り成形金型10の上側に配置される。
次に、図8に示すように、引き出された部分の第1の包材22の複数の突出部22Aのそれぞれの内側に、加工食品30を投入する。すなわち、第1の包材22は、製造ラインにおいてボトム材である。また、突出部22Aの内側の凹部は、加工食品30の収納部として機能する。
本発明の加工食品としては、固形食品であってもよいし、或いは、低温加工等が施されることによって、固化、又は粘性が上昇した液状食品であってもよい。また、固形食品は、塊状食品であってもよいし、粉状食品であってもよい。また、塊状食品は、塊状弾性食品であってもよいし、塊状非弾性食品であってもよい。また、塊状弾性食品としては、例えば、カマボコ製品、チーズ製品、畜肉製品、団子製品、餅製品、豆製品等が含まれる。また、塊状弾性食品としては、卵や甘栗等も含まれる。
次に、図5中の上側のロール25に巻き取られている包装用フィルムシートが、シール装置28の位置に第2の包材26として引き出される。引き出された第2の包材26は、充填された加工食品30を覆うように、第1の包材22に重ね合わされる。すなわち、第2の包材26は、製造ラインにおいてトップ材であり、蓋として機能する。
次に、図5に示したように、互いに密着して一体化した第1の包材22と第2の包材26とを、所定の長さ分、下流側の裁断装置29の位置に引き出す。そして、一体化した第1の包材22と第2の包材26とを、所定の位置で裁断装置29によってカットすることによって、小分けされた深絞り包装体40を得ることができる。上記の一連の工程を、繰り返し行うことによって、複数の深絞り包装体40を連続的に得ることができる。
一方、上記(A)の要件に関し、区分け壁14Bの厚みTを4mm以上ではなく、2mmに設定した深絞り成形金型を比較例として用意した。また、比較例に係る深絞り成形金型では、区分け壁14Bの厚みT以外の要件に関しては本実施形態に係る深絞り成形金型と同様に設定した。そして、比較例に係る深絞り成形金型を用いて、本実施形態に係る深絞り包装体の製造方法と同様の工程を実施して、比較例に係る深絞り包装体を製造した。比較例では、6個の加工食品30において互いに隣接する2個の加工食品30の間隙は、いずれも1mm未満であった。
本実施形態では、深絞り成形金型10の区分け壁14Bによって、第1の包材22に複数の突出部22Aが深絞り成形され、突出部22Aの壁は、第1の包材22の一部として複数の加工食品30同士を隔てる。深絞り成形された第1の包材22と第2の包材26とを密着して加工食品30を密封することによって、深絞り包装体が製造される。
(A)区分け壁14Bの厚みTが、4mm以上である
(B)断面中で、底部14Aと周壁12A1との境界部の表面SA、底部14Aと区分け壁14Bとの境界部の表面SB、及び、区分け壁14Bの表面SCのうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
(a)対象となる加工食品の種類を広げられる
(b)用いる原料や加工方法の選択の幅を広げられる
(c)保存中の空気酸化や水分減少により生じる食感のムラを減らせる
等の、加工食品30ならではの有利な効果を得ることができる。上記(a)(c)によれば、管理コストの上昇を、また、上記(b)によれば、材料コストの上昇を、それぞれ抑制できる。
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である
(D)突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
本発明は上記の開示した実施の形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
12 本体金型
12A 筒状部
12A1 周壁
12B 非深絞り成形部
12C 開口部
14 区分け用金型
14A 底部
14B 区分け壁
14C 穴部
20 深絞り包装機
21 ロール
22 第1の包材
22A 突出部
24 シート押え装置
25 ロール
26 第2の包材
28 シール装置
29 裁断装置
30 加工食品
30A,30Z ホタテ貝柱様繊維状カマボコ
40 深絞り包装体
C 底部の中心
SA 底部と周壁との境界部の表面
SB 底部と区分け壁との境界部の表面
SC 区分け壁の表面
Claims (8)
- 底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体であって、
下記(A)、(B)、(C)及び(D)を満たす、深絞り包装体。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である - 平面視で、複数の前記突出部の内側の凹部は、前記包材の中央から放射状に配置される、
請求項1に記載の深絞り包装体。 - 前記加工食品は、ホタテ貝柱様繊維状カマボコである、
請求項1又は2に記載の深絞り包装体。 - 底部と、底部の周縁から起立する周壁と、底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、を備え、底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形する深絞り成形金型を用いて深絞り成形され、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封された深絞り包装体の製造方法であって、
下記(A)、(B)、(C)及び(D)を満たす、深絞り包装体の製造方法。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である - 前記深絞り成形金型は、前記底部と前記区分け壁とを有する区分け用金型と、前記周壁を有する本体金型と、を備え、
区分け用金型は、本体金型に着脱自在に取り付けられる、
請求項4に記載の深絞り包装体の製造方法。 - 前記深絞り成形金型は、前記周壁の外側に設けられ平坦な上面を有する非深絞り成形部を更に備える、
請求項4又は5に記載の深絞り包装体の製造方法。 - 前記(B)を満たす前記曲率半径を有する領域のうち少なくとも一部は、真空引き用の穴部の近傍に位置する、
請求項4~6のいずれか一項に記載の深絞り包装体の製造方法。 - 底部と、
底部の周縁から起立する周壁と、
底部の上面に設けられ周壁の内側を複数に区分けする区分け壁と、
を備え、
底部と周壁と区分け壁とにフィルム状の包材を接触させて包材を深絞り成形し、前記区分け壁によって形成された包材の突出部の壁を挟んで複数の加工食品が、前記突出部の内側の凹部に隣接配置された状態で密封される深絞り成形金型であって、
下記(A)、(B)、(C)及び(D)を有する、深絞り成形金型。
(A)区分け壁の厚みが、4mm以上である
(B)断面中で、底部と周壁との境界部の表面の曲率半径が5mm以上、かつ、底部と区分け壁との境界部の表面、及び、区分け壁の表面のうちの少なくとも1つの表面の曲率半径が2mm以上である
(C)隣接配置された前記複数の加工食品の間隙の幅は、1mm以上、7mm以下である(D)前記突出部の内側の凹部は、4個以上10個未満である
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