JP7270795B1 - 車両用制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
対象物が動的である対向車との衝突は、様々な場面で想定される。
ドライバの不注意による対向車線での走行となってしまう逆走の場面、中央分離帯がない道路での対向車とのすれ違いの場面、右折のための対向車線進入時の場面などが考えられる。
これらの場面においては、お互いの車両が向かい合って走行しているため、その相対速度が高いことにより、衝突した時の被害が比較的大きく、またドライバによる判断および操作をする時間が短い。
また、特許文献2に記載された技術では、レーダーで対向車を検出し、対向車の実動作状態と自車状態から算出した相対位置、相対距離および相対速度に応じて、衝突位置を予測し、衝突位置を走行しないようにハンドル操作を実施して、衝突を回避するようにしている。
例えば、対向車のドライバが慌てて実施する回避動作、あるいは自車と対向車の衝突安全機能の制御方法の違いなどにより、対向車の回避動作が自車の回避方向と同じ方向となってしまうケースも考えられる。
このため、対向車が自車と同じ方向に回避しようとしていると判断できるのは、対向車がすでに自車と同じ方向に回避し始めているタイミングとなってしまい、さらなる回避動作が間に合わなくなってしまうという問題がある。
実施の形態1では、自車に搭載されたカメラおよびレーダーで対向車を検知し、対向車との相対距離および相対速度より自車との衝突の怖れがあるかどうかを予測する。
そして、自車に搭載されたカメラを用いて、対向車ドライバの手の動きから操舵操作を検出し、対向車の相対距離、相対速度、および操舵操作より衝突位置を予測し、衝突位置を回避するように自車の操舵およびブレーキを操作する制御を行うようにしている。
図1において、車両用制御装置211は、次のように構成されている。
対向車検出手段101(車両検出部)は、自車に設置されたカメラ210の画像を元に、自車前方に障害物が存在し、かつそれが車両であることを検出する。
対向車接近判断手段102(対向車判定部)は、自車に設置されたレーダー209の信号を元に、自車前方の車両との相対距離および相対速度を演算して、前方車両が接近している、すなわち、対向車であることを判断する。
なお、カメラ210およびレーダー209は、図2で後述する。
衝突位置予測手段104(衝突位置予測部)は、対向車接近判断手段102における対向車との相対距離および相対速度、さらに対向車操舵操作検出手段103によって検出された対向車の操舵操作量を用いて、自車と対向車の衝突位置を予測する。
衝突回避制御手段105(衝突回避制御部)は、衝突予測位置を通過しないよう、操舵制御およびブレーキ制御を実施する。操舵制御は、電動パワーステアリング206(以下、EPS206と略称する。EPS:Electric Power Steering)により行う。ブレーキ制御は、ブレーキ204a~204を制御する。
図2において、車両200は、アクセルペダル201で、エンジン、モータ(共に図示せず)などの駆動源を操作して、車両を加速させ、ブレーキペダル202で、各タイヤ203a~203dに設置されたブレーキ204a~204dを操作して車両を減速させる。
ハンドル205およびEPS206は、ピニオンギア(図示せず)に接続されたシャフト207に操舵力を伝達させ、その操舵力で、ラック208が車両に対して左右方向に移動することで、タイヤ203a~203dの方向を変更させるようになっている。
また、車両前方の車外環境を検出するセンサとして、レーダー209とカメラ210が設置されている。
記憶装置1001は、格納されているデータを更新して、順次書き換えられるRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。
プロセッサ1000は、記憶装置1001から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ1000にプログラムが入力される。また、プロセッサ1000は、演算結果等のデータを記憶装置1001の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
I/Oインターフェースによって、ECU211には、アクセルペダル201の開度、ブレーキペダル202の位置、レーダー209の信号、カメラ210の画像が、入力情報として与えられ、ECU211からブレーキ204a~204dおよびEPS206を動作させる信号を出すようになっている。
複数のECUにわたる際には、各ECU同士が車内通信できるよう、例えば、CAN(Controller Area Network)などの通信網を備えている。
図4においては、対向車ドライバの手の位置の変化量を検出する様子を示している。
図4(a)は、対向車ドライバの元の手の位置Aを示す図、図4(b)は、対向車ドライバの移動させた後の手の位置A’を示す図、図4(c)は、対向車ドライバの手の位置が動いた角度αを示す図である。なお、図4(c)では、ハンドルの横方向中心線B-B’を示している。
図5(a)~図5(f)は、図5(a)に始まる時間の経過に伴う自車と対向車の状態を示す。
図5においては、自車200aと対向車200bが、図5(f)で衝突に至るまでの経過を示している。自車200aと対向車200bの操舵操作方向300と、ブレーキ中302の状態を示している。衝突予測位置400を避けるように操舵301が行われる。図5(f)では、衝突500の発生に至っている。
図6(a)~図6(g)は、図6(a)に始まる時間の経過に伴う自車と対向車の状態を示す。
図6において、符号200a、200b、300~302、400は図5におけるものと同一のものである。図6では、図5の衝突500は避けられている。
以下に、図3のフローチャートを参照して、実施の形態1のプログラム動作について説明する。
なお、図3のフローチャートは、ECU211の演算処理装置において、演算周期毎にサブルーチンとして実行される。
また、ステップS301では、カメラ210を用いて車両を検出しているが、これに限らず、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)など他のセンサを用いて検出しても良い。
接近していない場合には、そのままサブルーチンを終了する。
これが、対向車接近判断手段102に相当する。
また、ステップS302では、レーダー209を用いて、対向車の接近を検出しているが、これに限らず、例えば、LiDARなど他のセンサを用いて検出しても良い。
図4のように、図4(a)の対向車ドライバの手の位置Aから、図4(b)の手の位置A’になった際、操舵操作されたことを検出する。
さらに、図4(c)に示すように、角度αを幾何学的に演算する。なお、ハンドルの横方向中心線B-B’の位置は、画像から推定する。角度αはハンドル角変化量であるため、ステアリングギア比で減衰させて、タイヤの切れ角変化量を演算する。
これが、対向車操舵操作検出手段103に相当する。
なお、ステップS303では、対向車ドライバの手の位置から対向車の操舵操作を検出したが、例えば、対向車ハンドルそのものの角度変化、またはドライバの肩の変化などから対向車の操舵操作を検出しても良い。
また、より信頼性の高い操舵操作の検出とするために、例えば、手の位置とハンドルそのものの角度変化の2種類を用いることなどで、最終的な操舵操作を検出しても良い。
演算式は、例えば、等速直線運動を前提とした幾何学的な式を用いても良いし、より精度良くする場合には、慣性または車外環境(風、路面状況など)を考慮した物理モデルを予め記憶しておき、自車および対向車に対して、物理モデルから衝突予測位置の演算をしても良い。これが、衝突位置予測手段104に相当する。
このときの演算式は、例えば、等速直線運動を前提とした幾何学的な式を用いても良いし、より精度良くする場合には、慣性または車外環境(風、路面状況など)を考慮した物理モデルを予め記憶しておき、物理モデルから自車の操舵操作量およびブレーキ量を演算しても良い。
また、車両横方向への操作量は、ブレーキ204a~204dに対し、個別の指示値を与え、偏らせた値とすることでも可能である。
ステップS305とステップS306が、衝突回避制御手段105に相当する。
まず、図5を用いて、衝突に至る例について説明する。
図5は、自車200aと対向車200bの衝突までの流れを、図5(a)~図5(f)の時間に区切って表したものである。
図5(a)で、対向車200bがあることを認識し、図5(b)において、自車200aは、衝突回避機能によってブレーキがかかり、かつEPS206へ左に回避する指示が出されて、動作が始まる。このとき、自車200aは、まだ左方向には向いていない。
一方、対向車200bにおいては、ブレーキのみで回避しようとしている。
図5(d)のタイミングで、自車200aは、さらなる操舵301をするべく指示するが、図5(e)および図5(f)のタイミングでも、衝突を回避できる操舵とはならずに、図5(f)のタイミングで、衝突500が発生している。
図6(b)において、自車200aは、衝突回避機能によってブレーキがかかり、かつEPS206により、タイヤが左に切られる回避動作が始まるが、自車200aは、まだ左方向には向いていない。
図6(c)のタイミングにおいて、対向車200bのドライバが、自車200aの回避方向と同じ方向に操舵301の操作をしてしまった場合、自車200aは対向車200bが操舵301したことを検出しているため、衝突予測位置400は更新され、その衝突予測位置を回避するべく操舵301の操作を実施している。
図6(d)のタイミングでは、自車200aは、対向車200bの動作を、図6(c)のタイミングで、すでに予測して回避動作を予め実施していたため、図6(f)以降は、衝突予測位置400がなくなり、図6(g)のタイミングでは、衝突回避ができている。
実施の形態1は、自車が衝突回避制御中に対向車のドライバが操舵したことを検出する場合についてのものであったが、実施の形態2は、対向車のドライバは操舵操作せず、自動運転制御など対向車のシステムが操舵操作した場合についてのものである。
また、広域通信網を介してサーバから送信される対向車の操舵に関連するデータを自車で受信することで、対向車の操舵操作を検出する。
そして、対向車の相対距離、相対速度、および操舵操作より衝突位置を予測し、衝突位置を回避するように自車の操舵およびブレーキを操作する制御について、説明する。
以下では、実施の形態2について、図を用いて説明する。
図7において、符号101~105、209、210は図1におけるものと同一のものである。図7では、車外との通信を行う車外通信手段106(車外通信部)を設けている。車外通信手段106は、図8で後述する外部通信機212aを通じて、対向車検出手段101によって検出された対向車におけるハンドル角を受信する。
なお、実施の形態2における各手段も、実施の形態1と同様に、ECU211のROMに記憶されているものとする。
図8において、自車200aには、広域通信網213を介して、サーバ214とデータを送受信するための外部通信機212aが設けられている。
さらに、対向車200bにも同様に、外部通信機212bが設けられている。
なお、この外部通信機212a、212bは、様々なデータが送受信できるが、実施の形態2では、少なくとも車両におけるリアルタイムのハンドル角のデータが送受信されるものである。
以下では、図3のフローチャートを用いて、実施の形態2のプログラム動作について説明する。
なお、ステップS303以外の図3の各ステップの処理は、実施の形態1と同じであり、その説明を省略する。
サーバ214に送信・収集されている対向車ハンドル角データは、対向車200bにおける外部通信機212bを通して送信されているものである。
なお、ステップS303においては、対向車のハンドル角データから、対向車操舵操作を検出したが、例えば、タイヤ角またはEPS206のデータなどから対向車操舵操作を検出しても良い。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
103 対向車操舵操作検出手段、104 衝突位置予測手段、
105 衝突回避制御手段、106 車外通信手段、200 車両、200a 自車、
200b 対向車、201 アクセルペダル、202 ブレーキペダル、
203a~203d タイヤ、204a~204d ブレーキ、205 ハンドル、
206 EPS、207 シャフト、208 ラック、209 レーダー、
210 カメラ、211 車両用制御装置、212a 外部通信機、
212b 外部通信機、213 広域通信網、214 サーバ、
1000 プロセッサ、1001 記憶装置、1002 I/Oインターフェース
Claims (2)
- 自車の前方の車両を検出する車両検出部、
この車両検出部により検出された車両について、自車との相対距離および相対速度を演算し、自車に向かう対向車かどうかを判定する対向車判定部、
この対向車判定部により対向車と判定された場合に、上記対向車の操舵操作を検出する対向車操舵検出部、
上記相対距離および相対速度に基づき、上記対向車操舵検出部により検出された対向車の操舵操作を加味して、自車と上記対向車との衝突位置を予測する衝突位置予測部、
この衝突位置予測部により予測された衝突位置を回避するように自車の操舵およびブレーキを制御する衝突回避制御部を備え、
上記対向車操舵検出部による上記対向車の操舵操作の検出は、自車の前方を撮影するカメラの映像を介して、上記対向車のドライバの動きを解析して行うことを特徴とする車両用制御装置。 - 上記対向車のドライバの動きには、上記ドライバの手の位置の変化、肩の位置の変化およびハンドルの角度の変化のいずれかが含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
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