JP7270471B2 - 潮流発電装置 - Google Patents
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Description
潮汐によって引き起こされる潮流や黒潮や親潮等のように定常な流れである海流のエネルギーで、プロペラやタービンを回すことにより潮流発電することができる。また、日本近海には関門海峡や明石海峡といった流速が速くて時間によって潮の流れが逆転する海峡が多くあり、潮流発電に好適であるといえる。
本発明によれば、外筒から流入する潮流がテーパ状に傾斜する端部で収束させられて内筒内を高速で流れるため水車が高速で回転させられて発電装置で発電され、その後、潮流は内筒のテーパ状の端部で拡散させられて外筒から流出する。
外筒が円筒状でも潮流発電装置の姿勢をバラストで維持でき、海中での設置高さも調整できる。
水車が同一方向に複数個設置されていると回転による発電のパワーを向上でき、逆方向に複数個設置されていると潮流の向きが変化しても水車の回転による発電を継続できる。
水車が内筒内で回転可能であると潮流の向きが変化したとしても水車の向きを変えることで発電を継続できる。
外筒内に内筒や水車や発電装置を設けた発電ユニットを複数個連結して配列することで、発電をより高効率で行える上に海中でも安定した姿勢で保持できる。
別個に発電装置を液密に収納する設備を設置する必要がなく製造コストの低減に役立つ。
また、外筒と内筒は略円弧版状のセグメントを周方向及び軸方向に連結することで形成されており、内筒のテーパ状の端部は鋼板で形成されていることが好ましい。
本発明は、外筒と内筒をセグメントを組み立てることで形成でき、組み立てが容易で海中での耐久性が高い。
図1~図4は本発明の第一実施形態による潮流発電装置1を示すものである。
図1に示す潮流発電装置1は、海中に設置された二重管タイプの発電用筒体2と、発電用筒体2を海中の所定位置に係留するためのアンカー3と、発電用筒体2を海中に支持するための浮き4とを概略で備えている。アンカー3は係留ロープ6を介して発電用筒体2の下部に連結されている。浮き4は吊りロープ7を介して発電用筒体2の上部に連結されていて、発電用筒体2の上下方向位置が変動することを抑制している。なお、アンカー3が設置されていれば、浮き4は設置しなくてもよい。
発電用筒体2は図2~図4に示すように、略円筒状の外筒9と外筒9の内部に装着された内筒10とを備えている。外筒9と内筒10はいずれも例えばトンネル工事等に用いられるセグメントとしてRCセグメント11を用いて周方向及び軸方向に千鳥に組み立てている。
RCセグメント11は鋼材部分が腐食しないようにコンクリートの内側に配設され、表面はコンクリートで覆われている。RCセグメント11は板状で円弧版状に形成されており、複数のRCセグメント11を周方向及び軸方向に連結することで略円筒状に形成されている。
内筒10の内部には複数本、例えば2本の水車20が設置されている。各水車20は軸部21と軸部21に固定された複数枚のスクリュー22とを備えている。軸部21の長手方向に対してスクリュー22は潮流A方向側に固定されている。
発電用筒体2として、それぞれRCセグメント11から構成される外筒9の内側中心に比較的小径で長さも短い内筒10を例えば地上で組み立てる。そのため、まずRCセグメント11によって外筒9の下側部分を断面円弧状に組み立てる。次に外筒9の下側部分の中央に支持台13を所定間隔で配列し、その上に外筒9のRCセグメント11より曲率半径の小さいRCセグメント11で内筒10の下側部分を断面円弧状にセットする。支持台13の間にバラスト15を収納すると共に支持台13の周方向両端を仕切り壁14で閉鎖する。
その後、完成された発電用筒体2をタグボートによって所要の海流エネルギーの得られる海域に搬送し、発電用筒体2に係留ロープ6を連結してアンカー3を海底に打設する。更に、浮き4を吊りロープ7を介して発電用筒体2に連結して浮力を得て潮流発電装置1を海中に設置する。
水車20を通過した潮流は内筒10からラッパ状の傾斜面部17に移行することで潮流の流れが拡散し、水圧が低下して潮流の流速が低下し、外筒9の他方の開口から流出させられる。また、潮流の向きが変化して逆方向(B方向)から潮流が流れる場合に対応できるように、別個の潮流発電装置1を設置して水車20の向きを逆向きに配設したものを設けるとよい。
しかも、外筒9の周囲を流れる潮流の抵抗が小さく、内筒10と外筒9の間の下側部分にバラスト15を収納しているため、ローリングに対して正しい姿勢を維持できる上に設置高さの調整を容易に行える。また、水車20の発電装置25は外筒9及び内筒10の間の液密の上部空間24内に設置したため漏電や故障等を防止できる。
図5に示す潮流発電装置1Aの発電用筒体2において、潮流は、外筒9に対して左側から流れ込むA方向の潮流と右側から流れ込むB方向の潮流とに切り換わる。本第二実施形態では、両方の潮流の流れに対応できる。潮流発電装置1Aにおいて、内筒10内に設置された複数、例えば2つの水車20は第一水車20A、第二水車20Bとされ、軸部21の長手方向に対してスクリュー22が逆向きに設置されている。
即ち、図5において、内筒10内で左側に設置された第一水車20AはA方向の潮流に対応できるように軸部21の左側にスクリュー22が設置され、右側に設置された第二水車20BはB方向の潮流に対応できるように軸部21の右側にスクリュー22が設置されている。
本実施形態による潮流発電装置1Bでは、発電用筒体2の内筒10内に複数、例えば2台の水車20が直列に設置されている。これらの水車20は軸部21にスクリュー22が固定され、内筒10と外筒9の間の上部空間24内には発電装置25がそれぞれ設置されている。各水車20の軸部21は内筒10の上下方向に設置された旋回軸28によって回転可能に連結されている。しかも、旋回軸28の一端は上部空間24内に設置された駆動モータMに連結され、旋回軸28によって水車20を正逆回転させることができる。
本第四実施形態による潮流発電装置1Cは、上述したいずれかの実施形態による潮流発電装置1、1A、1Bの少なくともいずれかを複数本(図では3本)並列に連結したものである。この場合、例えば潮流発電装置1の発電用筒体2を3本連結したとして、隣り合う外筒9同士の接線部分を内面からボルト29とナット30等で連結すればよい。或いは3本の外筒9の外周面を枠体31や鋼材、線材等で囲うことで連結してもよい。
本実施形態による潮流発電装置1によれば、発電用筒体2を複数本並列に連結したため、海中での姿勢がより安定する上に、水車20による発電効率が一層高くなる。
上述した各実施形態等では、内筒10内に水車20を複数個配設したが、1個でもよいことはいうまでもない。
なお、各潮流発電装置1~1Cの発電用筒体2の組み立ては工場やドッグだけでなく洋上の施工現場等で構築して、海中に沈めることができる。また、発電用筒体2は発電ユニットに含まれる。
2 発電用筒体
3 アンカー
9 外筒
10 内筒
13 支持台
14 仕切り壁
15 バラスト
17 傾斜面部
20 水車
20A 第一水車
20B 第二水車
21 軸部
22 スクリュー
24 上部空間
25 発電装置
28 旋回軸
M 駆動モータ
Claims (6)
- 外筒と、
前記外筒の内側に配設されている内筒と、
前記内筒の両端部に固定され、前記外筒に向けてテーパ状に拡径されている傾斜面部と、
前記内筒内に設けられていて潮流によって回転する水車と、
前記水車の回転によって発電する発電装置と、
を備え、
前記外筒と内筒は、円弧版状のセグメントを、継手面同士を周方向に連結するとともに、主桁面同士を軸方向に連結することで形成されている、
ことを特徴とする潮流発電装置。 - 前記外筒と内筒の間は周方向の仕切り壁と支持台で仕切られており、前記仕切り壁と支持台で仕切られた空間内にバラストが収納されている請求項1に記載された潮流発電装置。
- 前記水車は同一方向または逆方向の向きに複数個設置されている請求項1または2に記載された潮流発電装置。
- 前記水車は前記内筒の上下方向に設置された旋回軸の回りで回転可能である請求項1または2に記載された潮流発電装置。
- 外筒と、
前記外筒の内側に配設されている内筒と、
前記内筒の両端部に固定され、前記外筒に向けてテーパ状に拡径されている傾斜面部と、
前記内筒内に設けられていて潮流によって回転する水車と、
前記水車の回転によって発電する発電装置と、
を備え、
前記外筒と内筒は、円弧版状のセグメントを、継手面同士を周方向に連結するとともに、主桁面同士を軸方向に連結することで形成されている、
発電ユニットが並列に複数個連結されていることを特徴とする潮流発電装置。 - 前記発電装置は前記外筒と内筒の間に設置されている請求項1から5のいずれか1項に記載された潮流発電装置。
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JP2019110574A JP7270471B2 (ja) | 2019-06-13 | 2019-06-13 | 潮流発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020200824A JP2020200824A (ja) | 2020-12-17 |
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