JP2015140802A - 水力発電装置 - Google Patents

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Naoya Yoshikawa
直彌 吉川
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Abstract

【課題】 設置場所を選ばず、エネルギ変換効率の高い水車に基づいた水力発電装置を提供する。【解決手段】 水力発電装置50は、回転体1と、回転体1の回転面の幅方向中心から端部まで上流側から下流側に向かって傾斜を有するブレード3L,3Rを水流の強さに応じて回転体1が回動しながら水面に沈み込むように左右両側に位相差を設けて交互に複数対配置した羽根車10と、水流の方向に対して垂直方向に立設する一対の支持部材21と、支持部材21に設けられ回転軸1を垂直方向に移動可能に軸支する懸架部22と、から構成された羽根車据付部20と、を備えた水車と羽根車の回転力を電力に変換する発電気機構30と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、水力発電装置に関する。より詳しく述べると、羽根車を水面に浮かべ水流により回転するタイプの水車を用いた発電装置に関する。
近年、自然エネルギが注目されており、特に、昼夜、年間を通じて安定した発電が可能であり、設備利用率が50〜90%と高く、太陽光発電と比較して5〜8倍の電力量を発電可能であり、出力変動が少なく、系統安定、電力品質に影響を与えない、太陽光発電と比較して設置面積が小さい等の観点から、環境配慮型の発電として小水力発電が注目されている。
小水力発電の規模は。世界的には各国統一されていないが、概ね「10,000kW以下」であるといわれている。さらに別の区分では1000kw以下の発電をミニ水力発電とよび100kw以下の発電をマイクロ水力発電と呼ぶこともある。
発電方式の分類では、小水力発電は、「流れ込み式」、または「水路式」となり、大規模ダム(貯水池式)、中規模ダム(調整池式)ではなく、河川の水を貯めること無く、そのまま利用する発電方式であり、一般河川、農業用水、砂防ダム、上下水道など、現在無駄に捨てられているエネルギを有効利用する発電である。
このような水力発電として、特許文献1および特許文献2には、下掛け水車を用いた発電形式が採用されている。
すなわち、特許文献1では、流量の少ない水路における発電効率を高めることを目的とした従来の下掛け水車装置として、図7に示すように、用水路を流れる水101に下方の一部が浸るように立てて配置され、同一の方向に回転可能に配置された1対の水車110、120と、水車110、120に連接されて無端軌道をなし、水車110、120を一体として同一の方向に回転可能にする動力伝達部材130と、動力伝達部材130に固定され、用水路を流れる水101の動力を受けて無端軌道の周りに回転する複数の水流受部140と、上方に位置する動力伝達部材130及び水流受部140を支持する支持部材と、を備えた構成を有する下掛け水車装置が開示されている。
また、特許文献2では、流量の少ない水流の水力エネルギを有効活用することができるとともに、水流の淀みの発生を低減することができるようにすることを目的として、図8および図9に示す通り水路の横断方向かつ水平方向に延びる軸周りに回転自在に支持される回転体11と、互いに間隔をおいて回転体211の軸方向の両側にそれぞれ設けられた一対のブレード212とを備えている下掛け水車用の羽根車202が開示されている。特許文献2において、各ブレード212は、互いに間隔をおいて回転体11の周方向へ列設されるとともに、該回転体211の略半径方向に突設された複数の羽根13を備えており、各羽根213は、回転体211の略最下位に位置した状態で、水路210の上流側の面が、回転体211の軸方向中央側になるほど、下流側に位置するように配設されている。
特許文献3には小川等の流量・流速が比較的少ない場所に設置する水車として、図10に示すような円筒型の回転体301の周面に山形紋様のブレード302を設け、両回転軸304をハーネス313で回動自在に保持するとともにハーネス313の他端をフレーム315に固定されたピボット314により回動自在に支持し、フレームを設置支柱316により設置する水車が開示されている。
特許第3993220号公報 特開2009−174480号公報 英国特許出願GB−2463113A号明細書
しかしながら、特許文献1から特許文献3の発電方式では、10kw程度まで発電を目的としたものであり(小水力発電)、これらの装置を数10kwから数100kwまたはそれ以上の電力を出力する装置を構成することは非常に困難である。
さらに、特許文献2および特許文献3に記載の水車は、受水能力が低く、同一の水量・流速で十分な受水量を確保することができない。また、特許文献2に記載の水車をスケールアップしても従来の下掛け水車の製造コストよりも高くなり、また、現場で搬送するのも困難である。また、特許文献2に記載の水車は、流路上に構成するため、設置場所に制限がある。
また、特許文献3に記載の水車は、河川や水路等に設置するタイプの水力発電装置であり、効率的に水流を受けることができず、流速が増加した場合には空回りする恐れがある。したがって、比較的流れが穏やかな河川や水路に設置場所が限定される。
そのため設置場所を選ばず、数10kwから数100kw規模またはそれ以上の電力を安価で効率よく発電可能な発電装置に対する要望がある。
したがって、本発明の課題は、設置場所を選ばず、エネルギ変換効率の高い水車に基づいた水力発電装置を提供することである。
また、従来のこの規模の水力発電装置は、大規模な土木改修工事を必要とし、さらには水車自体の直径が1mまたは数mに及び設置箇所への搬送問題が生じる。そのため、本発明の別の課題は、設置場所を選ばず土木回収工事が不要または簡単な工事により高い強度で設置可能な水力発電装置を提供することである。
1 水流を受けて回転する左右両側面に回転軸を有する回転体と、
前記回転体の回転面の幅方向中心から端部まで上流側から下流側に向かって傾斜を有するブレードを水流の強さに応じて前記回転体が回動しながら水面に沈み込むように左右両側に位相差を設けて交互に複数対配置した羽根車と、
水流の方向に対して垂直方向に立設する一対の支持部材と、
前記支持部材に設けられ前記羽根車の回転軸を垂直方向に移動可能に軸支する懸架部と、から構成された羽根車据付部と、
を備えた水車と、
前記羽根車の回転力を電力に変換する発電気機構と、を備えたことを特徴とする水力発電装置。
2 前記羽根車全体の比重が0.05から0.3であることを特徴とする項目1に記載の水力発電装置。
3 前記各ブレードが前記回転体の幅方向に対して5から35度の傾斜で配置されている特徴とする項目1または項目2に記載の水力発電装置。
4 前記ブレードの端面にアール部が設けられていることを特徴とする項目1から項目3のいずれか1項に記載の水力発電装置。
5 前記回転体の回転軸を有する両側面には、前記ブレードを覆うように受水案内用の案内板が設けられていることを特徴とする項目1から項目4のいずれか1項に記載の水力発電装置。
6 前記羽根車は、回転面に対して垂直方向に2または多分割された分割部材から構成され、前記分割部材の接続面同士が凹凸により嵌合せまたは楔を通じて一体成形されていることを特徴とする項目1から項目5のいずれか1項に記載の水力発電装置。
7 前記支持部材がボルトにより連結されて構成されていることを特徴とする項目1から項目6に記載の水力発電装置。
8 一端が前記フレームを回動自在に軸支し、他端が前記羽根車の回転軸を軸支する一対のアームにより前記懸架部が構成されていることを特徴とする項目1から項目7に記載の水力発電装置。
9 前記回転体の側面に前記回転軸と同心のリングギアを設け、
前記懸架部を前記羽根車の回転軸を垂直方向に移動可能に案内する上流側に突出した前記リングギアの直径と同一直径の円弧状の案内部により構成し、
前記リングギアと噛合する中間歯車を介して前記回転体の回転数を増速することを特徴とする項目1から項目7に記載の水力発電装置。
本発明の水力発電装置は、水流の強さに応じて沈み込みする羽根車と、前記羽根車を沈み込み自在に懸架する懸架部を有する羽根車の羽根車据付部とから構成された水車を備えている。
そのため、水流の強さに応じて羽根車が沈み込んで回転することとなる。羽根車が沈み込むと羽根車に備えられたブレードがより大量の水を受水することとなる。これにより、同じ水流の強さ(流量・流速)で同一サイズの羽根車と比較して高いエネルギを受けこれを出力することが可能となる。また、本発明の水車は、水面に浮遊させて回転させるタイプの水車であるので河川、用水路等の水路に設置しあるいは洋上に船舶、筏、ブイ等により固定して潮流・海流、船舶の走行による水流等の水流により高出力で回転させることが可能である。したがって、本発明の水車の設置の自由度はきわめて高い。そのため、このような水車に基づく本発明の水力発電装置は、高出力、設置自由度の高が高く、水力発電装置および水力発電システムは、同一の条件でより高出力で発電可能である。
本発明の第1実施形態に係る水力発電装置を示す図面である。 (a)および(b)は本発明の第1実施形態で使用する羽根車の一例を示す斜視図である。 本発明の羽根車の沈み込みの現象を説明する説明図である。 (a)および(b)の羽根車の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す水力発電装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る水力発電装置を示す側面図である。水車の羽根車据付部の一実施形態を示す斜視図である。 従来技術の下掛け水車の一例を示す図面である。 従来技術の下掛け水車の羽根車の一例を示す図面である。 図8に示す羽根車を搭載した水車の一例を示す図面である。 従来技術の浮遊型の水車の羽根車の一例を示す図面である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(定義)
なお、本明細書で使用する用語は下記の意義を有する。
「水流」とは、水車の羽根車を回転させる水の流れであり、河川や用水路に代表される水路等の高低差を有する水の流れによって発生する水の流れや潮流・海流等の水の流れや船舶の走行によって生じる水の流れを含むことを意味し、「水流の強さ」とは、流速の速さおよび流量の大きさを意味する。
「水路」とは、用水路等に加えて、例えば双胴船やアウトリーガ等に代表される船体間に本発明の水車を設置する場合に両方の船体で構成される水の流れる流路を含むことを意味する。
「沈み込み」とは、水流のない水面に羽根車を浮かべた際の羽根車の水に沈む部分(羽根車の埋没量)と比較して、羽根車が水流を受けて回転した際の羽根車の水に沈む割合(すなわち、羽根車の水中埋没量)が増加することを意味し、沈み込みの割合が増加した割合を「沈み込み量」という。
「位相差」とは、水流を受ける左右のブレードが左右同時に水流を受けるのではなく左右交互に受水することを意味する。
また、本発明の羽根車(水車)は、水流方向を「縦方向」と呼び、水流に対して垂直方向を幅方向と呼ぶ。また、羽根車の入水側(上流側)を「前方」と呼び、出水側(下流側)を「後方」と呼ぶ。
(水車:概要)
図1および図2に示す通り、本発明の水車装置は、羽根車10と、羽根車10の回転体1の回転軸を垂直方向に移動可能に支持し設置箇所に固定する羽根車据付部20とを備えており、羽根車10の回転力を電力に変換する発電機構30とから主として構成されている。
羽根車10は、水流を受けて回転する左右両側面に回転軸2を有する回転体1と、回転体1の回転面の幅方向中心部から上流側から下流側端部に向かって傾斜を有するブレード3L,3Rを水流の強さに応じて回転体1が回動しながら水面に沈み込むように左右両側に位相が生じるように交互に備えている。
一方、羽根車据付部20は、水流の方向に対して垂直方向に立設する一対の支持部材21と、支持部材に設けられ羽根車10の回転軸2を垂直方向に移動可能に軸支する懸架部22と、から構成され、所望により両方の支持部材21を桁材23により接続することができる。
このように本発明の水車は、鉛直方向にのみに羽根車10を移動可能にした懸架部22を備えた羽根車据付部20に懸架・支持された羽根車10から構成され、水流を有する水面に設置した際に水流の強さに応じて羽根車10が沈み込みを行いながら回転する新規タイプの水車である。水流が強い場合(例えば、流量が多くなる場合・流速が速くなる場合)、懸架部22により鉛直下向に羽根車10は移動し、水中に沈みこむ体積(すなわち、羽根車10の水中埋没量)が増えた状態で回転する(高速回転)。一方、水流が弱くなると、羽根車10の水中埋没量が減少し、懸架部22により鉛直上方に移動する。このように、本発明の水車は、水流の強さに応じて懸架部22により自動的に羽根車10の沈み込み量を変化させて羽根車10が回転する新規タイプの水車である。
このような羽根車10を鉛直(重力方向)に移動可能に水流がある面に設置すると、水流の強さ(流速)に応じて羽根車10が鉛直方向に沈み込むことを見出した。同一の水流の強さの水流で沈み込みを起こした場合と、沈み込まない場合とを比較すると沈み込み量が増加するにしたがって羽根車10の回転数が増加することを見出した。なお、沈み込み量の上限は、羽根車10が完全に陥没して、水車として機能しない量(すなわち、羽根車10が回転しない量)であり、羽根車全体の容積の40%程度である。
そのため、同一の水流で沈み込みを行う羽根車10を採用した場合、回転軸を固定した従来の水車と比較して、回転軸2からの出力が増加する。このような回転軸2に発電機を設けると沈み込みをしない固定回転軸の従来の羽根車と比較した場合、高い発電量で発電可能となる。発電量については、羽根車の受ける水流(流速・流量)、ブレードの設置の仕方により相違があるが、沈み込みにより受水量の増加と鉛直方向への揚力を励起した水車の場合、沈み込みがない固定軸水車と比較して凡そ5〜11倍の電力を出力することが可能である。
本明細書において「沈み込み量」とは、羽根車を水面に浮かべた際の羽根車の水に沈む部分に対する羽根車が水流を受けて回転した際の羽根車の水に沈む部分の増加量を意味する。この沈み込み量が増加するのにしたがって、羽根車10の水の捕捉量、すなわち受水量が大きくなる。すなわち、沈み込み量が増加するのにしたがって流水のエネルギ捕捉量が増加する。
図3に示す通り、沈み込みは、羽根車全体の浮力と羽根車10を回転させるための水流(例えば、流速および流量)と位相を有するブレード3L,3Rの関係により生じるものと推測できる。
すなわち、水流を受けない状態で水面に所定の浮力を有する本発明の羽根車を浮かべた際の喫水線(沈み込み前)とし、このような状態で、所定の入水角を有する左右交互に設けられた位相差を有するブレード3L,3Rが水流1を受けると羽根車10が回転する。水流1による回転により、水流を受けたブレードにより下方側へ向かう水流2と変換される。なお、下向きに変換された水流は、再び水平方向の流れとなって羽根車を通過することとなる(水流3)。
そのため、羽根車10は流速に応じて水流内部の圧力低下現象が励起され、水車後部の減圧現象から水車後部の水面低下として水流内に於ける落差に相当する現象が生じ、下向きの揚力により沈み込みが生じるものと考えられる(沈み込み後喫水線)。羽根車10の回転軸2が鉛直方向に移動可能に支持した懸架部22により、羽根車10は水流に応じて下方に沈み込みを行うこととなる。この沈み込み前後の水流の落差により、羽根車10は沈み込んだ量だけ位置エネルギをうけるものと推察される
なお、特許文献2に記載のような羽根車は、羽根車の中心部分に空間が設けられているので左右の両ブレードに十分に水が受水できずに拡散してしまうのでブレードに十分な力が加わらず、一方特許文献3に記載のような羽根車は、左右両側に受水した水が拡散してしまうので十分な力が加わらない。これに対して、本発明においては左右交互にブレード3L,3Rを設けたので、水流を受けると例えば左側ブレード3Lと次の左側ブレード3L間に受水しこれを保持した後に外側に流れ、右側ブレード3Rと次の右側ブレード3R間に受水しこれを保持した後に外側に流れ、左右交互のブレード3L,3Rに水流の力を受けることとなる。そのため、例えば自転車のペダルを交互に踏むのと同様に羽根車に非常に強い回転力が生じるものと推察できる。
さらに、本発明のようにこのような羽根車を鉛直方向に移動可能に(すなわち水流の強さに応じて自由に羽根車を移動可能に)軸支することによって初めて沈み込みによる位置エネルギを出力可能となる。また、羽根車が沈み込むほど各ブレードの受水量が増加する。そのため、運動エネルギ(質量m)の増加に伴い、下向きの揚力の励起、並びに水流内部の減圧による位置エネルギの創出が可能となり、高い出力能力を有する水車が提供される。また、後述の実施例によると、沈み込みにより羽根車10の単位時間当たりの回転数(rpm)が増加することがわかった。
(羽根車)
このように水流の強さに応じた沈み込みを発生させる本発明の羽根車10は、図2(a)、(b)に示す通り、水流を受けて回転する左右両側面に回転軸2を有する回転体1と、回転体1の回転面の幅方向中心から上流側から下流側に向かって傾斜を有するブレード3L,3Rを水流の強さに応じて回転体1が回動しながら水面に沈み込むように左右両側に位相が生じるように交互に備えている。すなわち、左右両側に沈み込むように交互にブレード3L,3Rを配置して水流を受けた際に左右両側のブレード3L,3Rに位相が生じるように幅方向中心から左右交互にブレードを回転体1の周方向に所定間隔で設けている。
すなわち、左右両側に沈み込むように交互にブレード3L,3Rを配置して水流を受けた際に左右両側のブレード3L,3Rに位相が生じるように幅方向中心から左右交互にブレードを回転体1の周方向に所定間隔で設けている。
本発明の好ましい実施形態において、本発明の羽根車10におけるブレード3L,3Rの数は、回転体1のサイズにもよるが4から15対(8から30枚)、好ましくは6から10対(12から20枚)である。また、羽根車10全体の高さに対するブレード3L,3Rの高さの比率は0.1から0.3、好ましくは0.3から0.2である。
このようにブレード3L,3Rを交互に配置した羽根車10が水流を受けると水流の抵抗を抑え効率的に羽根車10を回転させ、懸架部22により水面に対して鉛直方向に羽根車10の移動方向を規制することにより、羽根車10は水流の強さに応じた回転速度で回転し、水流の強さに応じて沈み込み量で沈み込む。
このように本発明の羽根車10を効率的に沈み込みを行わせるために、羽根車10の浮力が重要な要素である。浮力(水に対する)は、一般的に羽根車全体の比重と関連し、比重が小さいほどより大きな浮力が発生する。本発明においては、羽根車の水に対する比重は、0.05から0.3、好ましくは0.1から0.2である。このような比重を実現するために、本発明では、回転体1およびブレード3L,3Rを各々発泡樹脂で構成し、必要に応じて当該樹脂をコーティングすることが好ましい。特に、好ましい発泡樹脂として日本合成化学工業株式会社からからエフレタンの商品名で販売されているエフレタンが好ましい。また、樹脂のコーティングに代えて、金属板、好ましくはステンレス板またはカーボンファイバー樹脂等の補強材により補強することが特に好ましい。
なお、本発明の羽根車10の回転効率を増加させるために、ブレード3L,3Rの回転軸2側(出水側)にアール部を設けることが好ましい。このようにアール部を設けることによりレード3L,3Rへ流入した水の抵抗値が少なくなり(水抜けがよくなり)、効率的に羽根車10が回転する。このアール部は、ブレード3L,3Rと同一の素材で一体成形することも可能であるが、金属製、例えば鋼板やステンレス鋼板やなどの素材を用いることもでき、このような素材でアール部3を形成することによりブレードを保護する作用も有している。また。アール部3の代わりに水かき部3を設けてもよい。
さらに、本発明の好ましい実施形態では、図2(b)に示す通り、羽根車の両側面、すなわち出力側の両側面にブレードを覆うように受水案内板4を設けることが好ましい。このように受水案内板4を設けることにより、水流を効率的に羽根車内で捕捉することが可能である。
また、本発明の羽根車10において、ブレード3L,3Rは、特に限定されないが、回転体1の幅方向(水流に対して直角方向)に対して、5から35度の角度範囲内であることが羽根車10の効率的回転のために好ましい。
なお、以上本発明の羽根車10について説明したが本発明の羽根車は、上記の説明に限定されるもではない。例えば、図5に示す通り、本発明の羽根車を分割して構成して現場で組み立て可能な構成にすることも可能である。
例えば、図4(a)に示す通り、羽根車10の側面(周面に対して垂直方向)に、垂直に例えば分割部材1a〜1dに4分割し、分割した面同士の接合部1ab、1baと、1bc、1cb、と1cd、1dcと、1da、1adとを各々楔1’により連結することができる。さらに、例えば分割部材同士に互いに嵌合するような凹凸溝を設けて接続することも可能である。そして、図4(b)に示す通りに、例えばL字型の接続具1”により側面を同心円状に接続して全体を強化することもできる。
このように構成することによって、現地の据付のための輸送時は分割し、現地で組み立てることが可能となる。また、メンテナンス時である一対のブレードが破損した場合、当該破損したブレードを含むブレード部を交換することにより対応可能である。なお、後述する通り、羽根車据付部20もボルトで接続する複数の材料から構成することも可能である。このように構成することによって本発明の水力発電装置全体を分解し、設置場所により組み立てることが可能となる。
(羽根車据付部20)
次に、本発明の羽根車据付部20について説明する。図1に示す通り、本発明の羽根車据付部20は、羽根車10を沈み込み量に応じて鉛直方向(すなわち羽根車の沈み込み方向およびその逆方向)に移動可能に懸架・支持する装置である。
このような羽根車据付部20は、図1に示す通り、羽根車据付部20は、水流の方向に対して垂直方向に立設する一対の支持部材21と、支持部材20に設けられ羽根車10の回転体1の回転軸を垂直方向に移動可能に軸支する懸架部22と、から構成されている。
支持部材20は、軽量化および強度維持の観点からチャンネル部材、好ましくはCチャンネル部材で構成されていることが好ましく、さらに好ましくは複数のCチャンネル部材をボルト等で接合して構成されている。このように構成することにより、本発明の水力発電装置を設置場所に設置した際に高い強度を保つことができるのと同時に設置箇所で現場で組み立てることが可能となる。従来の水力発電装置と比較して特別な土木工事なしで本発明の水力発電措置を容易に設置可能となる。なお、支持部材20は、設置する箇所に基礎工事を行って直接埋め込んでく(コンクリート型枠を介してコンクリートを流し込んで)もよく、あるいは図1に示す通り土台24を介して設置してもよい。
懸架部22は、支持部材20の所定位置に設けられ、羽根車10を水流に応じて鉛直方向に移動可能に設けられた羽根車10を羽根車据付部20に懸架・支持する部材である。
このような懸架部22は、図1および図5に示すように一端が支持部材21を回動自在に軸支し、他端が羽根車10の回転軸を軸支する一対のアームにより構成することができる。あるいは、図6に示すように支持フレームに三日月状の案内部を設け、案内部内を羽根車10の回転軸が水流の強さに応じて上下動く構成とすることもできる。この場合、水車10の側面には回転軸1と同心円上の比較的大きなリングギアを備え、案内部はこのリングギアと同じ円周を有する。
このように構成することによって、本発明の水車は、安定して動作することが可能となる。すなわち、水流に対して垂直方向(川幅方向)に一対の頑丈な支持部材21を立設し、この指示部材21上に設けた懸架部により羽根車10を垂直方向に移動可能に懸架することにより強固に羽根車10を保持することが可能となる。
(発電機構)
本発明の水力発電装置は、上述した羽根車10が沈み込み可能に支持された水車における羽根車10の回転軸2からの出力を電力に変換する周知の発電機30を備えた構成を有している。
このような発電機構30は、羽根車据付部20に設けられた懸架部22の機構と連動して適宜設計される。
例えば、図1および図5に示す本発明の水力発電装置においては、羽根車10の受ける回転力を従来周知の増速装置により回転数を増加させてから発電機に伝えて発電させることができる。すなわち、羽根車10の回転力を第1の歯車32と第2の歯車33をタイミングベルト34を介して増速して発電機31に伝達している。また、タイミングベルト34の代わりにチェーンベルトを用いてもよい。
そして、発電機30により変換された電力は、従来周知の方法によりキャパシタを介してあるいは集電装置を介して取り出される。
同様にして、図6に示す実施形態では、回転体1の側面に回転軸2(回転体)と同心のリングギア32Aを設け、このリングギアと同一の周を切断した案内部を凸部が上流側になる懸架部21として支持フレーム21に取り付けた構成をしている。そして、リングギア32Aと噛合するミッションギア33Aを羽根車取付装置20に固定する(図6の場合には土台)。このように構成すると、上流側からの水流WFにより羽根車が回転すると回転軸2は案内板(懸架部21)に案内して下側(図6においては右側)に移動する。この移動に伴いリングギア32Aも同心的に移動するが、案内板(懸架部21)がリングギア32Aと同一の周を有しているので絶えず固定されたミッションギア33Aと噛合こととなる。このミッションギア33Aを介して羽根車10の回転数を増速して発電機に伝達することが可能となる。
このようにして、本発明の水車の回転軸からの出力を電力に変換する本発明の水力発電装置50は、前述の通り、水流の強さに応じて羽根車が自動的に沈み込む構成としたので、羽根車の沈み込みにより生じる力(浮力相当)が生じ、トルクが増加するのと同時に、沈み込みにより高い効率で受水するために生じる回転数の増加により、同一サイズの固定軸型の水車に比較して、格段に高い電力を出力可能となる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、沈み込みの量を規制する規制手段を設けることや水路をジャッキアップして流速を変化させる構成も本発明の範囲内である。
本発明の水車は、水流の強さに応じて羽根車が自動的に沈み込む構成としたので、羽根車の沈み込みにより生じる力(浮力相当)が生じ、トルクが増加するのと同時に、沈み込みにより高い効率で受水するために生じる回転数の増加により、同一サイズの固定軸型の水車に比較して、格段に高いエネルギを出力可能となる。しかも、本発明の水車は、水面に浮遊させて回転させるタイプの水車であるので河川、用水路等の水路に設置し高出力で回転させることが可能である。したがって、本発明の水力発電装置は、種々の形態で適用可能となる。そのため本発明の水力発電装置を用いて種々の水力発電システムを構築可能である。
WF 水流
1 回転体
2 回転軸
3L,3R ブレード
10 羽根車
20 羽根車据付部
21 支持部材
22 懸架部
24 接合部材
30 発電機構

Claims (9)

  1. 水流を受けて回転する左右両側面に回転軸を有する回転体と、
    前記回転体の回転面の幅方向中心から端部まで上流側から下流側に向かって傾斜を有するブレードを水流の強さに応じて前記回転体が回動しながら水面に沈み込むように左右両側に位相差を設けて交互に複数対配置した羽根車と、
    水流の方向に対して垂直方向に立設する一対の支持部材と、
    前記支持部材に設けられ前記羽根車の回転軸を垂直方向に移動可能に軸支する懸架部と、から構成された羽根車据付部と、
    を備えた水車と、
    前記羽根車の回転力を電力に変換する発電気機構と、を備えたことを特徴とする水力発電装置。
  2. 前記羽根車全体の比重が0.05から0.3であることを特徴とする請求項1に記載の水力発電装置。
  3. 前記各ブレードが前記回転体の幅方向に対して5から35度の傾斜で配置されている特徴とする請求項1または請求項2に記載の水力発電装置。
  4. 前記ブレードの端面にアール部または水かき部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  5. 前記回転体の回転軸を有する両側面には、前記ブレードを覆うように受水案内用の案内板が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  6. 前記羽根車は、回転面に対して垂直方向に2または多分割された分割部材から構成され、前記分割部材の接続面同士が凹凸により嵌合せまたは楔を通じて一体成形されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  7. 前記支持部材がボルトにより連結されて構成されていることを特徴とする請求項1から項請求項6に記載の水力発電装置。
  8. 一端が前記フレームを回動自在に軸支し、他端が前記羽根車の回転軸を軸支する一対のアームにより前記懸架部が構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7に記載の水力発電装置。
  9. 前記回転体の側面に前記回転軸と同心のリングギアを設け、
    前記懸架部を前記羽根車の回転軸を垂直方向に移動可能に案内する上流側に突出した前記リングギアの直径と同一直径の円弧状の案内部により構成し、
    前記リングギアと噛合する中間歯車を介して前記回転体の回転数を増速することを特徴とする請求項1から請求項7に記載の水力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017075613A (ja) * 2017-02-02 2017-04-20 嘉義 辻本 河川水力発電装置
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