JP7270390B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7270390B2 JP7270390B2 JP2019007668A JP2019007668A JP7270390B2 JP 7270390 B2 JP7270390 B2 JP 7270390B2 JP 2019007668 A JP2019007668 A JP 2019007668A JP 2019007668 A JP2019007668 A JP 2019007668A JP 7270390 B2 JP7270390 B2 JP 7270390B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- resin composition
- compound
- general formula
- examples
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Epoxy Resins (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
(A)エポキシ樹脂、及び
(B)(B-1)下記一般式(1):
(B-2)下記一般式(2):
を含むエポキシ樹脂組成物に関する。
本発明は、(A)エポキシ樹脂、及び(B)(B-1)下記一般式(1):
(B-2)下記一般式(2):
エポキシ樹脂は、特に限定されず、芳香族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、
(B)(B-1)下記一般式(1):
(B-2)下記一般式(2):
エポキシ樹脂組成物は、チクソ比が1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。チクソ比が1.5未満では、形状維持が困難なため、作業性が悪化することがある。本発明においてチクソ比は、次の方法により測定される値をいう。すなわち、レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)における粘度η1と、せん断速度10(1/s)における粘度η2との比(η1/η2)をチクソ比とする。
エポキシ樹脂組成物は、粘度が10000mPa・s以上であることが好ましく、20000mPa・s以上であることがより好ましく、30000mPa・s以上であることがさらに好ましい。粘度が10000mPa・s未満では、流動性が高過ぎるため、作業性が悪化することがある。また、エポキシ樹脂組成物の粘度は、操作性の観点から50000mPa・s以下が好ましい。本発明においてエポキシ樹脂組成物の粘度は、次の方法により測定される値をいう。すなわち、レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)において測定される粘度である。
エポキシ樹脂組成物は、上記(A)エポキシ樹脂、(B-1)ビスカーバメート化合物または(B-2)ビスウレア化合物の他に、必要に応じて他の任意成分を含有していても良い。他の任意成分としては、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、有機溶剤等が挙げられる。
硬化剤は特に限定されず、例えば、アミン系化合物、酸無水物、アミド系化合物、フェノール系化合物等が挙げられる。
硬化促進剤としては、上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際にそれ自体架橋せずに架橋反応を促進するものであれば特に限定されず、例えば、イミダゾール、第3級アミン、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
充填剤としては、特に限定されず公知の充填剤を用いることができ、例えば、無機酸化物、無機塩、ガラス、窒化物、金属粉等が挙げられる。
有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、N-メチルピロリドン;N,N-ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物等のエステル類;エタノール、プロパノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂に、(B-1)ビスカーバメート化合物または(B-2)ビスウレア化合物を溶解することにより得られる。溶解方法としては、特に限定されず従来公知の方法を用いることができるが、例えば、撹拌機を用いて撹拌する方法、3本ロールミルを用いて混練する方法等を用いることができる。溶解時の温度は80~150℃が好ましい。
エポキシ樹脂組成物の用途は特に限定されないが、適切な粘度が求められる用途で特に好適に使用でき、例えば、接着剤、構造体、塗料等に使用できる。
上記エポキシ樹脂組成物を硬化させることにより、硬化物を得ることができる。硬化方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱装置を用いて、100℃にて1時間、その後180℃にて4時間加熱する方法等が挙げられる。加熱装置は特に限定されず、例えば、送風定温乾燥器、定温恒温乾燥器等を用いることができる。本発明の硬化物は、製造が容易なエポキシ樹脂組成物を用いて製造されるが、シリカ粉末を含む従来のエポキシ樹脂組成物の硬化物と同等以上の物性を示す。
(1-1)エポキシ樹脂
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル製、JER828)
(1-2)シリカ粉末
疎水性フュームドシリカ(日本アエロジル製、アエロジルRY200)
(1-3)硬化剤
ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化製、MH-700)
メタキシレンジアミン(三菱ケミカル製、W)
(1-4)硬化促進剤
2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化学製、2E4MZ)
(合成例1) ビスカーバメート化合物1の合成
撹拌機及び温度計、窒素ラインを接続したガラス管を設置した300mL三口反応容器に、トルエン100.0g、ヘキサメチレンジイソシアネート10.0g(59mmol)、ドデカノール23.0g(120mmol)、1,4-ジアザビシクロ-(2,2,2)-オクタン(DABCO)0.01g(0.09mmol)を仕込んだ後、窒素バブリングしながら、60℃で5時間撹拌した。反応終了後室温まで冷却した後、減圧ろ過、エタノール洗浄をして白色結晶を得た。続いて80℃で5時間減圧乾燥することで、30gの目的化合物を得た。反応の終点は、赤外吸収分析によって、イソシアネート結合由来の2250cm-1付近のピーク消失と、カーバメート結合に基づく1680cm-1(C=O伸縮振動)、1530cm-1(NH変角振動)付近のピーク生成によって確認した。
表1に示す重量比で、ジイソシアネート、アルコール、およびアミン、触媒(DABCO)を使用した以外は合成例1と同様にして、ビスカーバメート化合物(合成例2、4、6~8)およびビスウレア化合物(合成例3、5)を合成した。合成例3および5については、ウレア結合に基づく1610cm-1(C=O伸縮振動、1570cm-1(NH変角振動)付近のピーク生成を確認した。その後、エタノールによる再結晶により未反応のアミンを除去した。なお、合成例4の化合物は一般式(1)におけるR2~R3の要件を満たさず、合成例5の化合物は一般式(2)におけるR2~R3の要件を満たさない。合成例6~8の化合物は、一般式(1)におけるR1の用件を満たさない。
表2に示す重量比で各成分を混合し、120℃で加熱し、ビスカーバメート化合物およびビスウレア化合物を溶解させた。実施例1~3、比較例1~5においては各成分の混合後、ビスカーバメート化合物およびビスウレア化合物は容易に溶解した。比較例6においてはシリカ粉末を3本ロールミルを用いて混合した。得られたエポキシ樹脂組成物の粘度およびチクソ比を後述の方法により測定した。結果を表2に示す。
実施例1~3、比較例1、2、7のエポキシ樹脂組成物に、さらに、表3に示す重量比で硬化剤および硬化促進剤を配合し、150℃で3時間加熱して硬化物を得た。得られた硬化物のガラス転移温度、弾性率、線膨張係数、接着強度を後述の方法により測定した。結果を表3に示す。
(5-1)エポキシ樹脂組成物の粘度
レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)における粘度を測定した。
(5-2)エポキシ樹脂組成物のチクソ比
レオメータARES-G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)における粘度η1と、せん断速度10(1/s)における粘度η2との比(η1/η2)を算出した。
(5-3)硬化物のガラス転移温度
粘弾性測定装置DMS7100(日立ハイテクサイエンス製)を用いて、周波数1Hz、1分間に5℃の割合で-30℃から300℃まで昇温させて、損失正接tanδピークの値を求めた。
(5-4)硬化物の弾性率
粘弾性測定装置DMS7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、周波数1Hz、1分間に5℃の割合で-30℃から300℃まで昇温させて、25℃での貯蔵弾性率を求めた。
(5-5)硬化物の線膨張係数
熱分析装置TMA7100(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、圧縮モードにて1分間に10℃の割合で温度を-30℃から400℃まで昇温させて、30~50℃での平均線膨張係数を求めた。
(5-6)硬化物の接着強度
アルミ試験片、万能材料試験機ストログラフVG20F(東洋精機社製)を用いて、ロードセル1KN、クロスヘッドスピード200mm/minで測定した。
実施例4~7の硬化物は、製造が容易な実施例1~3のエポキシ樹脂組成物を用いて製造されたが、ガラス転移温度、弾性率、線膨張係数、接着強度を損なうことなく、比較例8~11の硬化物と同等以上の物性を示した。
Claims (12)
- 前記一般式(1)及び(2)中、R2及びR3が同一である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂(A)100重量部に対し、一般式(1)の化合物(B-1)、又は一般式(2)の化合物(B-2)の配合量が5重量部以下である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに硬化剤を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤が、酸無水物又は芳香族アミンである請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を含む接着剤。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 前記一般式(1)及び(2)中、R 2 及びR 3 が同一である、請求項8に記載の接着剤。
- エポキシ樹脂(A)100重量部に対し、一般式(1)の化合物(B-1)、又は一般式(2)の化合物(B-2)の配合量が5重量部以下である、請求項8または9に記載の接着剤。
- 前記エポキシ樹脂組成物がさらに硬化剤を含む請求項8~10のいずれか1項に記載の接着剤。
- 硬化剤が、酸無水物又は芳香族アミンである請求項11に記載の接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019007668A JP7270390B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019007668A JP7270390B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | エポキシ樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020117574A JP2020117574A (ja) | 2020-08-06 |
JP7270390B2 true JP7270390B2 (ja) | 2023-05-10 |
Family
ID=71890005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019007668A Active JP7270390B2 (ja) | 2019-01-21 | 2019-01-21 | エポキシ樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7270390B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017061694A (ja) | 2012-07-11 | 2017-03-30 | 協立化学産業株式会社 | 硬化剤及びそれを用いた樹脂組成物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0722226A (ja) * | 1993-07-02 | 1995-01-24 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 樹脂結合型磁石用組成物及び、それを用いた樹脂結合型磁石とその製造方法 |
JPH0982511A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-28 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 樹脂結合型磁石用組成物及び樹脂結合型磁石 |
JPH11209575A (ja) * | 1998-01-27 | 1999-08-03 | Toshiba Chem Corp | 封止用樹脂組成物および半導体封止装置 |
JPH11293158A (ja) * | 1998-04-07 | 1999-10-26 | Kusumoto Kasei Kk | 粉体塗料用ピンホール防止剤 |
-
2019
- 2019-01-21 JP JP2019007668A patent/JP7270390B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017061694A (ja) | 2012-07-11 | 2017-03-30 | 協立化学産業株式会社 | 硬化剤及びそれを用いた樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020117574A (ja) | 2020-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6461170B2 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物 | |
TWI503302B (zh) | A cyanate ester compound, a hardened resin composition containing a cyanate ester compound, and a hardened product | |
JP5933707B2 (ja) | 熱硬化性エポキシ系の強化剤用付加体 | |
JP2010540754A (ja) | イソシアネート変性エポキシ樹脂及びそのエポキシ粉体コーティング組成物 | |
JPWO2013111697A1 (ja) | 樹脂組成物およびそれを成型してなる半導体実装基板 | |
US20140242394A1 (en) | Curable resin composition and method for manufacturing cured product using the same | |
US9334426B2 (en) | Latent curing agent and epoxy compositions containing the same | |
KR102155006B1 (ko) | 자동차용 이액형 접착제 조성물, 이의 경화물 및 자동차 소재 접착방법 | |
KR20150138344A (ko) | 하이드록시알킬아미노 사이클로알칸을 포함하는 1 성분 에폭시 경화제 | |
TWI801488B (zh) | 樹脂組成物及其硬化物、電子零件用接著劑、半導體裝置,以及電子零件 | |
JP5792593B2 (ja) | ディップコート用エポキシ樹脂組成物 | |
JP2015503661A (ja) | 硬化性水溶性エポキシアクリレート樹脂組成物 | |
JP7270390B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
KR102454135B1 (ko) | 지방산 개질된 산 무수물기반 에폭시 화합물을 포함하는 이액형 에폭시 접착제 조성물 및 이로부터 제조된 경화물 | |
JP2004027159A (ja) | 熱硬化性液状樹脂組成物 | |
JP2006022146A (ja) | 硬化性樹脂組成物 | |
TW202206416A (zh) | 胺化醯亞胺化合物、胺化醯亞胺組合物、硬化劑、環氧樹脂組合物、胺化醯亞胺化合物之製造方法、密封材、及接著劑 | |
JP2022034224A (ja) | マスターバッチ型熱硬化性樹脂組成物、及び熱硬化性樹脂組成物 | |
JP6792800B2 (ja) | 封止用エポキシ樹脂組成物 | |
JP2004018452A (ja) | イソシアヌル酸環を有する新規なエステル化合物および該化合物を用いたエポキシ樹脂組成物 | |
WO2019088122A1 (ja) | 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法 | |
WO2023182522A1 (ja) | エポキシ樹脂、その硬化体及びエポキシ樹脂の製造方法 | |
KR102454213B1 (ko) | 산 무수물기반 에폭시 화합물, 이를 포함하는 에폭시 접착제 조성물 및 이로부터 제조된 경화물 | |
JP2012219134A (ja) | 電子部品用樹脂組成物及びそれを用いた液状封止材、電子部品装置 | |
KR102566321B1 (ko) | 산 무수물기반 에폭시 화합물, 이를 포함하는 에폭시 수지 이액형 조성물 및 이로부터 제조된 경화물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211126 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221006 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221101 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221201 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230425 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7270390 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |