JP7270149B2 - 異種金属接合体の製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、2種の金属は硬度や塑性流動時の粘性が異なる。回転工具を硬度や粘度の異なる境界に挿入し、境界線に沿って移動させると、移動方向に直交した方向に力が掛かる等、回転工具に大きな負荷が掛かってしまう。また、塑性流動時の粘性が高い金属が回転工具に付着するといった問題も生じる。
摩擦攪拌接合は技術の革新期にあり、未だに解決されていない、あるいは十分に認識すらされていない課題が存在する。上述した課題もそういった課題の一つである。
特に、異種金属の接合において、この課題は顕著になる。すなわち、底面付近に大きな未接合部分であるキッシングボンドが生じることもクリミティブな課題であるが、それに加えて、底面付近だけではなく、接合部全体に渡り接合強度の低下を引き起こす可能性がある。接合部全体に渡り、異種金属が混在する領域が生じることがその要因である。性質の異なる異種金属が混在すると、ボイド等の金属接合を弱体化する欠陥が生じやすくなるため、接合強度が低下する。それだけではなく、この欠陥の存在により、接合の経時劣化が助長される可能性もあり、長期的な安定性が求められる接合技術においては致命的な課題と言える。非破壊検査を行うことが困難になることも、さらに問題を深刻化している。
このような重大な課題が存在するにもかかわらず、現時点において、十分に有効な対策は提案されていない。
上記異なる金属である2つの部材を設置する接地面に凹部を設け、2つの部材の突き合わせ面が当該凹部に沿うように2つの部材を設置し、
上記凹部内に上記2つの部材を構成する金属のいずれかよりも融点の低い金属部材を設置し、
上記突き合わせた境界に回転工具の端部が略一致するようにして、回転工具を挿入することを特徴とするものである。
この発明に係る第2の異種金属接合体の製造方法は、異なる金属である2つの部材を突き合わせて、摩擦攪拌接合により接合する異種金属接合体の製造方法であって、
上記異なる金属である2つの部材を設置する接地面において、2つの部材の突き合わせ面に沿うように上記2つの部材を構成する金属のいずれかよりも融点の低い金属部材を設置し、
上記突き合わせた境界面上に回転工具の端部が略一致するようにして、回転工具を挿入することを特徴とするものである。
そこで、接地面に凹部を設ける等により、回転工具をより深く挿入できるようにした。これにより、上面から底面に至るまで良好な接合ができることを見出した。
まず、回転工具を突き合わせ面に沿って移動する際に抵抗を小さくする等の理由で、回転工具を少し傾けて挿入することが行われている。これにより回転工具の劣化を抑制できる。しかし、回転工具を傾けて挿入すると底面付近でキッシングボンドが拡大してしまう。特に異種金属の接合では顕著になる。そこで、回転工具をより深く挿入できるようにしたことで、この問題も解決できた。
また、異種金属の接合では、それぞれの金属の流動時の粘性等が異なるため、回転工具に移動方向に直交する方向の力が生じ、回転工具の劣化を早めやすい。しかし、回転工具の位置をずらして、ほぼ一方の金属にだけ挿入することで、回転工具に掛かる垂直方向の力を大きく緩和し、劣化を抑制できる。
そして、流動時の粘性の小さい金属だけに回転工具を挿入できるため、回転工具への金属の付着も抑制できる。すなわち、付着した金属を除去する等のメンテナンスの頻度を減らすことができる。
また、上記2つの部材を構成する金属のいずれかよりも融点の低い金属部材を用いるため、2種の接合部材はしっかりと底部まで接合が行え、一方、これらの部材と犠牲材とした上記金属部材は接合しないという好適な状況を実現できる場合が多い。
まず、図を用いて、異種金属を接合する際の接合動作について説明する。図1は、2つの部材を接合するに際して、回転工具1bを挿入する前の様子を表す模式的斜視図である。図2は、回転工具を挿入した状態を表す模式的斜視図である。そして、図3は、回転工具を挿入し掃引している状態を表す模式的斜視図である。
第二の理由は、回転工具1bの回転による塑性流動した部材の一部が、飛び出すのを抑制するためである。図4において、塑性流動した部材の一部の飛び出しは、摩擦攪拌接合装置挿入部1を傾けたことにより、回転工具1bの左側で多く生じる。この飛び出しは、ショルダー部1aがある程度抑えることが可能である。
ただし、このように摩擦攪拌接合装置挿入部1を傾けると、接合体上面に少し凹みが生じることがあり、接合体の使用目的に応じては、摩擦攪拌接合装置挿入部1を傾けないで接合しても良い。
さらに、回転工具1bの大部分がひとつの部材側に位置していることで、2つの部材が流動し、混在する領域が広がることも抑制できる。また、Cuのように粘性の高い部材は、回転工具1bに付着するが、それも最小限に抑えることができる。回転工具1bにCuが大量に付着すると、次の接合前にCuを切削除去する必要が生じるが、その作業を行わなくて済むというメリットが生じる。これらの効果は、回転工具1bの全てがひとつの部材側に位置することでより顕著になるため、図5(b)がより望ましい。
なお、接地面に設けた凹部4aは、接合箇所6の幅方向をカバーできる幅を有していれば良い。そして、2つの部材2、3を設置する際には、接合箇所6を予め考慮し、予定されている接合箇所6の幅方向の中心位置と凹部4aの幅方向の中心位置とが略一致するように、且つ、2つの部材2、3の突き合わせ面が当該凹部4aに沿うように、2つの部材2、3を設置するのが良い。
実施の形態1においては、部材設置部4に凹部4aを設けたことで、異種金属であっても良好な接合が可能であることを示した。
本実施の形態においては、この凹部4aに犠牲材を設けることでも、良好な接合が得られることを以下に示す。
接合に際して、回転工具1bの先端が犠牲材5の表面に当たるか当たらないか、あるいは、わずかに挿入される程度が望ましい。いずれの場合も、実施の形態1と同様に、部材2,3の底部まで良好な接合が行える。
例えば、部材2がCu(融点 1085℃)、部材3がAl(融点 660℃)である場合には、例えば、黄銅を犠牲材5として用いても良い。特に、Znの比率を増やして融点を700℃から800℃程度にすると、部材2、3と接合されず、犠牲材の切削削除の加工が不要であった。このように、部材2、3のいずれか一方よりも低融点の材料からなる犠牲材を用いれば、2種の接合部材はしっかりと底部まで接合が行え、一方、これらの部材と犠牲材は接合しないという好適な状況を実現できる場合が多い。
以上、2つの実施の形態において、異種の金属部材を接合する場合であっても、部材の底部に至るまでしっかりと接合できる良好な接合が可能な異種金属接合体の製造方法について詳述した。
第一に、異種の金属部材を接合する場合であっても、部材の底部に至るまでしっかりと接合できる。すなわち、上部から底部に至るまで、いわゆるキッシングボンドが生じない良好な接合が可能である。
1a ショルダー部
1b 回転工具(プローブ部)
2 部材A
3 部材B
4 部材設置部
4a 凹部
5 犠牲材
6 接合済箇所
Claims (3)
- 異なる金属である2つの部材を突き合わせて、摩擦攪拌接合により接合する異種金属接合体の製造方法であって、
上記異なる金属である2つの部材を設置する接地面に凹部を設け、2つの部材の突き合わせ面が当該凹部に沿うように2つの部材を設置し、
上記凹部内に上記2つの部材を構成する金属のいずれかよりも融点の低い金属部材を設置し、
上記突き合わせた境界面上に回転工具の端部が略一致するようにして、回転工具を挿入する
ことを特徴とする異種金属接合体の製造方法。 - 上記異なる金属の内、硬度が小さい方の金属で構成される部材側に回転工具の回転中心を挿入する
ことを特徴とする請求項1に記載の異種金属接合体の製造方法。 - 異なる金属である2つの部材を突き合わせて、摩擦攪拌接合により接合する異種金属接合体の製造方法であって、
上記異なる金属である2つの部材を設置する接地面において、2つの部材の突き合わせ面に沿うように上記2つの部材を構成する金属のいずれかよりも融点の低い金属部材を設置し、
上記突き合わせた境界面上に回転工具の端部が略一致するようにして、回転工具を挿入する
ことを特徴とする異種金属接合体の製造方法。
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