JP7268377B2 - 配置推奨装置、配置推奨方法、及びプログラム - Google Patents

配置推奨装置、配置推奨方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本開示は、配置推奨装置、配置推奨方法、及びプログラムに関する。
従来から、音波発信器とその音波発信器とは異なる位置に配置される1又は複数の音波受信器とにより、水中等の媒質中の計測対象物を計測する、バイスタティックソーナー方式又はマルチスタティックソーナー方式の計測システムが流通している。このような計測システムでは、音波発信器と音波受信器の配置により探知できる領域等が異なってくるため、適切な配置で機器を設置することが望まれる。
特許文献1には、対象媒質中を所定の物理作用が伝搬する際の伝搬特性を、音線理論を用いて計算する伝搬シミュレーション装置が開示されている。特許文献1に記載の装置では、設定された物理作用の供給源を始点とする各音線につき、当該供給源からの距離が近い座標から順番に、物理作用の少なくとも振幅の計算を含む所定の音線経路計算を実行する。そして、同装置では、当該振幅の値が所定の基準振幅値より小さくなった場合に、この音線経路計算を中止している。
特許文献2には、マルチスタティックソーナーシステムを支援して水中物体及び受信装置の最適な配置を設定する水中物体捜索支援装置が開示されている。特許文献2に記載の装置では、音速プロファイル情報に基づいて仮想捜索海域における仮想反射波が得られる第1エリアを算定し、そのエリア内の任意の複数箇所に水中物体の存在位置を予測し仮設定している。また、同装置では、水中物体の予測位置に向けて伝搬する仮想音波の方位及び水中物体で反射する複数の仮想反射波の各方位を設定し、仮想反射波の伝搬方向先に位置する第2エリア内の任意の複数箇所を仮想反射波の受信位置として暫定的に定めている。そして、同装置では、複数の受信装置をこの受信位置に仮設定している。
特許文献3には、センサ深度毎に得られる目標深度毎の指標パラメータを組み合わせることにより、目標の深度方向に対する探知予測情報を1つの図で示すことが可能となり、深度方向の探知予察状況を俯瞰して把握することが可能な予察装置が開示されている。特許文献3に記載の予察装置では、対象物を音波で探知するセンサを配置する深度を設定し、設定された深度におけるセンサの探知可能範囲を予測(予察計算)している。そして、同装置では、指標パラメータを用いて予測の結果得られた探知確率データから対象物が存在する深度毎の探知確率の評価指標値を計算し、複数の深度における評価指標値を集約して表示している。
特許文献4には、現実的な計算時間内で現在の状況に即した最適な送受信装置の配置を決定することを目的とした配置決定装置が開示されている。特許文献4に記載の配置決定装置では、探知判定のために必要な実環境測定値を測定し、測定した実環境測定値に基づいて配置による残響を考慮したカバレッジを計算している。そして、同装置では、カバレッジの計算結果及び送受信装置のコストに基づいて、最適化手法を用いて複数の送信装置と複数の受信装置の配置を決定している。
特開2005-083932号公報 特開2011-058906号公報 特開2015-165203号公報 特開2015-190914号公報
しかしながら、特許文献1~4に記載の技術はいずれも、配置を評価するための値の予察計算及びその評価にかかる演算量を十分に低減できておらず、推奨する配置を出力するまでに時間がかかる。
本開示の目的は、上述した課題を解決する配置推奨装置、配置推奨方法、及びプログラムを提供することにある。上記課題は、計測に用いる音波発信器と音波受信器の配置を推奨するに際し、配置を評価するための値の予察計算及びその評価にかかる演算量を十分に低減することができないというものである。
本開示の第1の態様に係る配置推奨装置は、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力部と、前記入力部で入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算部と、前記演算部で求めた前記推奨配置を出力する出力部と、を備え、前記演算部は、前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、ものである。
本開示の第2の態様に係る配置推奨方法は、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、を備え、前記演算ステップは、前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、ものである。
本開示の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータに、配置推奨処理を実行させるためのプログラムであって、前記配置推奨処理は、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、を含み、前記演算ステップは、前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、ものである。
本開示により、上記課題を解決する配置推奨装置、配置推奨方法、及びプログラムを提供することができる。即ち、本開示によれば、計測に用いる音波発信器と音波受信器の配置を推奨するに際し、配置を評価するための値の予察計算及びその評価にかかる演算量を十分に低減することができるようになる。
実施形態1に係る配置推奨装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態2に係る配置推奨装置の一構成例を示す機能ブロック図である。 実施形態2に係る配置推奨装置で使用される配置グリッドの一例を示す模式図である。 実施形態2に係る配置推奨装置で使用される配置グリッドの他の例を示す模式図である。 実施形態2に係る配置推奨装置において想定される機器の配置の一例を示す模式図である。 図2の配置推奨装置における損失計算部で計算されたある方位での伝搬損失結果の一例を示す図である。 図6の伝搬損失結果において伝搬損失が閾値より大きくなる位置を示す図である。 図2の配置推奨装置における閾値処理部で閾値処理された結果の一例を示す模式図である。 図2の配置推奨装置における予察計算部で計算された結果の一例を示す模式図である。 図2の配置推奨装置における評価対象値算出部で算出された探知面積の一例を示す模式図である。 図2の配置推奨装置における配置推奨部で出力される推奨順序の一例を示す模式図である。 図2の配置推奨装置における配置推奨処理の一例を説明するためのフロー図である。 配置推奨装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る配置推奨装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る配置推奨装置1は、入力部1a、演算部1b、及び出力部1cを備える。
本実施形態に係る配置推奨装置は、バイスタティックソーナー方式又はマルチスタティックソーナー方式の計測システムに関して、音波発信器と音波受信器の配置を推奨する装置である。ここで、音波発信器は音源となる機器であり、音波受信器は、音波発信器から発信された音波を受信する機器であり、受信センサを有することができる。なお、音波発信器、音波受信器は、セット又は単独で「音響センサ」と称することもできる。
また、計測システムは、音波発信器とその音波発信器とは異なる位置に配置される1又は複数の音波受信器とにより、水中等の媒質中の計測対象物を計測するシステムであり、通常、音波発信器と音波受信器とは通信可能になっている。また、計測システムは、計測対象物の位置、形状をはじめ、演算によりその移動速度などを計測することもできる。なお、計測対象物としては、海底に設置された魚礁等の構造物、魚等の生物、媒質中に漂う遺失物等の物体(水中物体)など、様々なものが挙げられ、媒質の密度差(例えば塩分濃度差)によって生じた層の境界などを計測することもできる。
入力部1aは、パラメータを入力する部位であり、キーボード、タッチセンサ等の入力デバイスを有することができる。入力されるパラメータは、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータである。
演算部1bは、入力部1aで入力されたパラメータに基づき上記閾値を設定し、音波発信器と音波受信器とについての推奨配置を求める。上述したように、音波受信器は音波発信器とは異なる位置に配置される機器であり、その数は1以上である。
推奨配置とは、音波発信器及び1又は複数の音波受信器の配置として推奨する配置を指す。推奨配置は、最も推奨する1種類の配置のみであってもよいし、複数種類の配置を推奨してもよく、後者の場合には推奨順序が分かるように後述の出力部1cから出力しておくことが好ましい。また、配置は、例えば水平位置及び深度で表現しておくことができるが、表現方法はこれに限ったものではなく、配置を表すための座標系も問わない。
演算部1bにおける推奨配置を求める処理について、具体的に説明する。
演算部1bは、音波発信器の配置と計測対象物又は音波受信器の配置との組合せ毎に、音波の伝搬損失を計算し、計算した組合せ毎の伝搬損失を閾値と比較する。伝搬損失の計算自体は、既知の手法を採用すればよい。例えば、演算部1bは、音速プロファイルや水深等の環境情報と対象の組合せが示す配置情報とに基づき、対象の組合せの伝搬損失を計算することができる。この計算は予測的な計算であり、予測計算又は予察計算と称することができる。
上述のように、伝搬損失は組合せ毎に計算されることになる。そのため、演算部1bは、配置の候補となる組合せ全てについて、その配置(例えば水平位置及び深度)を予め記憶しておく。若しくは、演算部1bは、単に配置の候補とする範囲(例えば水平位置の範囲及び深度の範囲)を予め記憶しておくとともに、グリッド幅などの配置として採り得る単位を示す値も予め記憶しておいてもよい。
そして、演算部1bは、伝搬損失が閾値以下である組合せについて、音波発信器の配置と計測対象物の配置と音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する。この計算も予測的な計算であり、予測計算又は予察計算と称することができる。例えば、ある組合せの探知情報は、その組合せで配置した場合に音波受信器によって探知可能と予測される領域を示す情報とすることができる。なお、探知情報を求める計算自体は、既知の手法を採用すればよい。
演算部1bは、予察計算により得た探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する組合せを、推奨配置として求める。なお、所定の推奨基準とは、探知情報に関する推奨基準であり、例えば探知情報が示す値についての基準値とすることができる。換言すれば、演算部1bは、予察計算により得た探知情報に基づき、予察計算の対象となった組合せの中から、所定の推奨基準を満たす探知情報を得る元となった組合せを、推奨配置として選択(決定)する。
なお、演算部(制御部)1bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業用メモリ、及び配置推奨装置1の全体を制御するためのプログラムを記憶した不揮発性の記憶装置などによって実現することができる。また、演算部1bは、例えば集積回路(Integrated Circuit)によって実現することもできる。これらの点から、演算部1bは制御部と称することもできる。
また、出力部1cは、演算部1bで求めた推奨配置を出力する。出力部1cにおける出力方法やそのための出力デバイスは問わず、推奨配置を表示デバイスに表示させてもよい。その他、配置推奨装置1に接続された印刷装置に印刷ジョブを出力して印刷させること(又は配置推奨装置1に設けた印刷装置で印刷させること)もできる。また、出力部1cは、配置推奨装置1の外部又は内部に設けたスピーカから音声で出力させることもできる。また、出力部1cは、配置推奨装置1の外部又は内部の記憶装置にデータとして出力させるだけでもよい。
出力部1cにおける表示形態等の出力形態は問わないが、推奨配置を見ただけ又は聴いただけで推奨される配置を、計測装置の使用者が理解できるような形態であることが好ましい。そのため例えば、音波発信器と音波受信器を緯度経度とともに簡略的に図示することが好ましい。また、GPS(Global Positioning System)等による航行ナビゲーションシステムの表示画面にこれらの情報を表示させることもできる。また、海上などにおいては、音波発信器を搭載又は曳航する船舶、音波受信器を搭載又は曳航する船舶(n個の音波受信器を用いる場合には、最大でn隻の船舶)のそれぞれに対して、対象の機器を配置すべき緯度経度の情報を送信することもできる。その場合、各船舶は、受信した情報を航行ナビゲーションシステムなどに表示させることもできる。
計測システムにより計測を行う作業者は、出力部1cから出力された推奨配置を考慮して、実際に音波発信器及び音波受信器を設置して(それらを設置した船舶を移動させるなどして)計測を行うことができる。
本実施形態では、音波発信器と音波受信器の配置を推奨するに際し、各機器の配置候補の全てに対して探知情報の予察計算を実施する必要がなく、推奨に値しない配置について探知情報の予察計算及び探知情報に基づく配置の評価のための演算を行う必要がなくなる。よって、本実施形態によれば、計測に用いる音波発信器と音波受信器の配置を推奨するに際し、配置を評価するための値の計算(予察計算)及びその評価を行う演算にかかる演算量を十分に低減することができるようになる。つまり、本実施形態によれば、効率的に配置を評価する評価値となる探知情報を算出し、推奨配置を出力するまでの時間を短縮することができる。
<実施形態2>
実施形態2について、図2~図11を併せて参照しながら、実施形態1との相違点を中心に説明するが、実施形態1で説明した様々な例が適用できる。まず、図2~図11を参照しながら本実施形態に係る配置推奨装置について説明する。図2は、本実施形態に係る配置推奨装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
以下では、音波発生器は音響センサの音源に相当するため、音源センサと称し、音波受信器は受信センサを有するため、単に受信センサと称し、説明を行う。また、音源センサ、受信センサはいずれも船舶に搭載しておくことができ、以下、音源センサ、受信センサを搭載した船舶をそれぞれ送信艦、受信艦と称する。但し、音源センサ及び受信センサは、船舶に搭載するに限らず、例えば音響ブイとも称される海洋観測用のブイなどに搭載することもできる。
図2に示すように、本実施形態に係る配置推奨装置10は、条件設定部11、損失計算部12、閾値処理部13、予察計算部14、評価対象値算出部15、及び配置推奨部(配置リコメンド部)を備えることができる。
条件設定部11は、入力部1aと、演算部1bの一部とに相当する部位であり、必要な情報を入力し、計算条件を設定する部位である。計算条件には、推奨候補となる音源センサと受信センサの位置の全組合せが含まれる。よって、条件設定部11は上記全組合せを設定(決定)する。位置(配置)は、3次元の位置情報によって示されることが好ましいが、2次元の位置情報によって示されるものであってもよい。
計算条件として又は計算条件の設定のために、条件設定部11は、例えば下記の項目(a)~(k)を設定する。無論、これ以外にも、閾値の設定や予察計算に必要な項目又は考慮すると好ましい項目を含むことができる。また、これらの項目(a)~(k)等は、例えば次のように入力することができる。例えば、配置推奨装置10に設けた表示デバイスに入力用のGUI(Graphical User Interface)画像を表示させておき、ユーザがその表示画面を見ながら入力デバイスにより入力することができる。また、上記必要な項目は、ファイルやデータベースから読み込むことで入力することもできる。
(a)音速プロファイル、水深、上面及び底面(海の場合には海面、海底に該当)における反射損失、上面、底面及び媒質中における吸収損失など、TL(伝搬損失)を決定するのに必要なパラメータ
なお、水深は、計測対象物が含まれる媒質(音波が伝搬する媒質)の上面から底面までの深さの、媒質が水の場合の例である。音速プロファイルは、媒質の深さに応じて変化する音速特性である。なお、上面の反射損失や吸収損失を直接入力するのではなく、例えば風速、風浪階級、波高などを入力デバイスから入力し、換算式やテーブルを用いて、上面の反射損失や吸収損失を算出することもできる。
(b)SL(音源センサから発信される音波の送波レベル)
(c)TS(目標[計測対象物]のターゲットストレングス:計測対象物への入力音圧レベルと計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差)
(d)NL(受信センサで受信される音波のノイズレベル)
(e)DI(受信センサの指向性利得[受波指向性利得])
(f)DT(受信センサにおける検出閾値[探知閾値])
(g)α(補正項)
(h)目標が存在する深度の範囲(1つの深度のみ指定することもできるが、複数深度を指定してもよい)
(i)推奨の評価基準(探知面積、探知体積、探知密度等の探知情報に関する基準)
(j)音源センサの位置及び深度
(k)受信センサの位置及び深度(受信センサは複数あってもよい)
項目(a)は計測時の環境を示す環境情報に該当する。項目(b)~(f)は、機器の性能及び設置環境(設置された位置の環境情報)の少なくとも一方に依存する値を示す情報である。
ここで、項目(c)で示される値は計測対象物に応じて変わることもある。また、項目(d)で示される値は、主に設置環境に依存する値、具体的には、受信センサの配置やその配置された環境に応じて変わる値となる。つまり、NLは、環境情報の影響を受けうるパラメータである。NLは、例えば周囲雑音と航走雑音の2種類のいずれか一方の値又は両方を合成した値とすることができる。周囲雑音は、風速(又は波高)の影響を受けて変化し、船の航走雑音は、受信センサが搭載される船舶毎に異なり、船速によっても異なる。また、NLは、このような性質の値であることから、受信センサが複数ある場合には基本的に受信センサ毎に設定されることになる。また、項目(e),(f)のDI及びDTは、いずれも一定値に設定することができるが、環境情報の影響を受けうるパラメータであると言える。項目(d)以外の項目(b),(c),(e)~(f)についても、機器毎の能力(性能)及び設置環境の少なくとも一方に依存する値を示す情報であるため、受信センサが複数ある場合には受信センサ毎の値がパラメータとして入力されることが好ましい。但し、これらの項目でも、全ての受信センサに共通の仕様で示された共通の値を採用することもできる。
項目(b)~(g)はその値自体を入力することができる。また、項目(g)に関し、αとして事前に決めた定数を採用することもできるが、αとしてn次関数などを採用することもでき、その場合には必要な複数の定数等の値を入力することができる。
項目(j),(k)は、伝搬損失の計算にも必要であるが、音響センサの空間配置を推奨する対象となりうる候補の情報であるため、複数の候補を示す値を設定しておく必要がある。この例について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、配置推奨装置10で使用される配置グリッドの一例を示す模式図で、図4は、図3とは異なる例を示す模式図である。
例えば、条件設定部11は、図3で例示するような矩形グリッド又は図4で例示するような円弧状の辺をもつ同心円グリッドを設定しておき、水平方向の空間配置の候補をそのグリッドの交点で表現するようにしておくことができる。条件設定部11は、いずれのグリッドを採用する場合にも深度毎に設定しておくことができ、無論、最初から3次元のグリッドを設定しておくこともできる。なお、図4の同心円グリッドは、基準位置からの方位とその方位における距離とにより候補の配置を示すことができる。
条件設定部11は、このようにしてグリッドを設定しておき、そのグリッドにおける計算範囲(変動させる範囲)を入力することで、項目(j),(k)をその計算範囲に含まれるグリッドの交点として設定することができる。また、条件設定部11は、計算範囲だけでなく、グリッドの種類(形状)、幅(間隔)をユーザが設定できるように構成しておくこともできる。
また、項目(j),(k)では、深度を1つに固定し空間方向のみ変動させた位置を候補として設定することもでき、逆に空間方向を固定し深度を変動させた位置を候補として設定することもでき、またその他の変動方法を採用して候補を設定することもできる。さらには、音源センサ又は受信センサが固定された状態(つまり既に配置する位置及び深度が決まっている状態)であってもよく、その場合には項目(j)又は(k)において固定値を入力すればよい。
次に、損失計算部12について、図5及び図6を併せて参照しながら説明する。図5は、配置推奨装置10において想定される機器の配置の一例を示す模式図で、図6は、損失計算部12で計算されたある方位での伝搬損失結果(伝搬損失分布)の一例を示す図である。
損失計算部12は、音源センサをある位置及びある深度に配置した場合の伝搬損失(音源センサから計測対象物までの音波の伝搬損失TL)を計算する。例えば、図5の深度2又は深度3における黒丸(●)の点に音源センサを配置することを想定することができる。なお、上記の項目(j),(k)に関し、図5で例示するように深度によってグリッドを異ならせて設定しておくこともできる。
そして、損失計算部12は、音源センサの配置毎にこのような計算を行う。伝搬損失の計算方法は、例えば特許文献2や下記の「水中音響学 改訂」に記載されている方法など一般的な方法を採用することができる。
「水中音響学 改訂」、 Robert J.Urick 著、新家富雄 監修、三好章夫 翻訳、京都通信社 発行
損失計算部12において、ある深度に音源センサを配置した場合のある方位の伝搬損失を計算すると、例えば、図6に示すグラフのような結果が得られる。なお、図6では、音源からの距離と深度の2次元図を示しているが、実際の計算では、例えば方位の方向も併せて3次元的な計算が実行され、これによりTLの3次元空間分布が得られる。また、図6では、伝搬損失とともに、音源センサから発信される音波の伝搬経路も曲線で例示している。
次に、閾値処理部13における処理について、図7及び図8を併せて参照しながら説明する。図7は、図6の伝搬損失結果において伝搬損失が閾値より大きくなる位置を示す図で、図8は、閾値処理部13で閾値処理された結果の一例を示す模式図である。
閾値処理部13は、演算部1bの一部に相当する部位であり、条件設定部11で設定された計算条件に基づき、伝搬損失の閾値を決定する。この閾値の決定は、上述した損失計算部12による伝搬損失TLの計算に先立ち実行しておくことができる。以下、この閾値を伝搬損失閾値TLとして説明する。
送信艦に搭載される音源センサから計測対象物(目標)までの伝搬損失をTL、目標から受信艦に搭載される受信センサまでの伝搬損失をTLとすると、最大探知距離時のソーナー方程式は次式のようになる。
SL-(TL+TL)+TS=NL-DI+DT
そして、上式から、合計の伝搬損失TL+TLの最大値が次式のように求まる。
TL+TL≦SL+TS-NL+DI-DT
上式から、音源センサから目標までの伝搬損失TLの最大値も、次式のように求まる。
TL<TL+TL≦SL+TS-NL+DI-DT
本実施形態において、伝搬損失閾値TLとの比較対象となる値は、損失計算部12での計算について説明したように、TL(つまり、音源センサから目標までの音波の伝搬損失を示す値)とする。また、そのTLについての閾値が、伝搬損失閾値TLとなる。但し、上述のように、伝搬損失閾値TLは、合計の伝搬損失TL+TLの最大値であり、TL+TLの閾値ともなり得る値である。
よって、閾値処理部13は、予察時の諸元より、以下の式に従って伝搬損失閾値TLを計算することができる。下式で伝搬損失閾値TLを自動的に計算することにより、計算の度に伝搬損失閾値TLをオペレータが直接設定すること必要がなくなる。
TL=SL+TS-NL+DI-DT+α
ここで、予察時の諸元であるSL,TS,NL,DI,DT,αは、条件設定部11で計算条件の一部として入力されている。また、SL+TS-NL+DI-DTが最大探知距離時における伝搬損失の最大値であり、通常、伝搬損失閾値TLを上記最大値より低く設定しておくことで、計測精度を保つことができる。よって、補正項αは、通常マイナス値が設定されることになる。但し、補正項αを0又はプラス値に設定することもできる。
このように、閾値処理部13は、伝搬損失閾値をSL+TS-NL+DI-DT+αで計算される値に設定することができる。また、上述のように閾値設定のためのパラメータは、SL、TS、NL、DI、及びDTを少なくとも含むことが好ましく、項目(g)として説明したように補正項αの値も含むことが好ましい。但し、補正項αは、事前に決定しておいた値を計算式に含めておいてもよい。
また、上記の諸元のうち1つでも空間分布をもつ値である場合には、閾値処理部13は、空間分布をもった伝搬損失閾値TLを計算する。つまり、伝搬損失閾値は、空間分布をもった閾値群とすることができ、これにより適切に演算量をより減らすようにすることもできる。
また、受信センサを複数用いることを想定しており、且つ、NL,DI,DTの少なくとも1つの値が受信センサにより異なる場合には、閾値処理部13は、受信センサ毎に伝搬損失閾値TLを計算する。このように、伝搬損失閾値は受信センサ毎に設定することもできる。受信センサ毎に設定しておくことで、受信センサの個体差、受信センサの配置環境の差などに応じた設定が可能となる。
また、上記の諸元が全て定数だった場合、伝搬損失閾値TLを事前に計算することが可能であるため、閾値処理部13又は条件設定部11は、条件設定部11において上記の諸元が入力された時点で伝搬損失閾値TLを計算しておいてもよい。
また、条件設定部11は、伝搬損失閾値TLを直接入力可能に構成することもでき、直接入力された場合には、上述した諸元に基づく計算を省略して、閾値処理部13は、その入力された値を使用すればよい。このように、項目(g)におけるαの値及び項目(b)~(f)の値を入力せずに、直接、TLの値を入力し、その値を使用することもできる。つまり、伝搬損失閾値TLを設定するためのパラメータは、伝搬損失閾値TLを示す(伝搬損失閾値TLそのものを示す)パラメータとすることもできる。
次に、閾値処理部13は、損失計算部12で計算された音源センサの伝搬損失値TLを伝搬損失閾値TLと比較する。ある音源センサの配置及びある目標の配置について、計算された伝搬損失値TLが伝搬損失閾値TLよりも大きい場合は、任意の位置に受信センサを配置しても目標は探知不可能である。そのため、該当位置に音源センサを配置して、前記目標位置に受信センサを配置しても目標を探知不可能と判断する。探知不可能と判断された音源センサと受信センサの配置のセットに関しては、これ以上の計算(TLの計算を含む予察計算等、各部14~16の処理)を実行しないこととする。このように、本実施形態では、合計伝搬損失TL+TLの閾値ともなり得るTLをTLだけで超えた位置に、受信センサを配置した場合のTL+TLを計算しても、その配置での探知が不可であることは確実である。よって、本実施形態では、そのような配置についての、TLの計算を含めた予察計算を省略する。
例えば、図7では、図6のグラフにおいて伝搬損失閾値TLより大きい領域を斜線で示しているが、音源センサの配置に対してこの斜線に含まれる受信センサの位置については予察演算等を実施しないことになる。なお、図7では、図6と同様に、音源からの距離と深度の伝搬損失の2次元図及びそれに対する伝搬損失閾値判定結果を示しているが、実際の閾値処理では、例えば方位の方向も併せて3次元的な計算が実行される。
このように、閾値処理部13では、伝搬損失閾値に基づく閾値処理(判定)により、計算不要領域を算出することができる。矩形状のグリッドで配置を設定した場合を例に、閾値処理による判定結果を説明すると、例えば、図8に示すようになる。図8において、黒丸(●)の位置を音源センサの位置、白丸(○)の位置を第1受信センサの位置とした組合せについては、伝搬損失値TLが伝搬損失閾値TL以下であることを示している。つまり、この組合せ以外は、合計伝搬損失値TL+TLがTLの計算をするまでもなく伝搬損失閾値TL以上であることを示している。
図8において、黒丸の位置に音源センサを配置する場合、グリッドの交点のうち白丸及び黒丸が存在しない交点が示す位置には第1受信センサを配置することは、伝搬損失の観点から好ましくなく、推奨する候補からこの時点で除かれる。このようにこの時点で除かれた候補の配置については、予察計算等の後段の処理も実行されないこととなり、黒丸の位置に音源センサを配置する場合における受信センサの配置の候補として白丸が存在する位置について、後段の処理が実行されることとなる。なお、受信センサをn個配置することも想定する場合には、第2受信センサ、・・・、第n受信センサについて同様の閾値処理が実行されることになる。
なお、比較例として閾値処理を実行しない場合には、格子点全ての箇所に受信センサを配置して予察計算を実施することになる。従って、格子点の数から白丸がついた数を引いた値が後段の処理における計算時の削減パターン数となる。
次に、予察計算部14について、図9を併せて参照しながら説明する。図9は、予察計算部14で計算された結果の一例を示す模式図である。
予察計算部14は、演算部1bの一部に相当する部位である。予察計算部14は、閾値処理部13において伝搬損失のTL値が伝搬損失閾値TL以下であると判定された配置について、音源センサの配置と目標の配置と受信センサの配置との組合せ毎に探知情報を計算する予察計算を実行する。つまり、予察計算部14は、閾値処理部13で判定により処理対象と決定された音源センサと目標の配置の組合せ全てを満たすような音源センサと受信センサの配置組合せ全てについて、この予察計算を実行する。なお、ここでの予察計算の方法としては、例えば上述の「水中音響学 改訂」や特許文献2に記載されている方法など、一般的な方法を採用することができる。
予察計算部14では、探知情報の計算に際し、目標から受信センサまでの伝搬損失TLの計算結果を使用することができる。その場合、予察計算部14に損失計算部12の構成を含めておくか、損失計算部12に伝搬損失TLの計算をさせてその計算結果を受け取るように構成しておく。ここでは後者の例について説明するが、前者の場合も情報のやりとりが異なるだけで同様である。
損失計算部12は、音源センサをある位置及びある深度に配置し受信センサをある位置及びある深度に配置した場合において、目標から受信センサまでの伝搬損失TLを計算し、既に計算済みの伝搬損失TLに加算して、合計伝搬損失値TL+TLを求める。例えば、図5の深度2又は深度3における黒丸(●)の点に音源センサを配置することを想定することができる。損失計算部12は、少なくとも推奨する候補となる、受信センサの配置について、配置毎に合計伝搬損失を計算することになる。なお、上記の項目(j),(k)に関し、図5で例示するように深度によってグリッドを異ならせて設定しておくこともできる。
そして、損失計算部12は、音源センサの配置毎にこのような受信センサの配置毎の計算を行い、予察計算部14にその結果を渡す。伝搬損失TLの計算又は伝搬損失TL+TLの計算も含めた伝搬損失の計算方法は、例えば特許文献2や上述の「水中音響学 改訂」に記載されている方法など一般的な方法を採用することができる。
予察計算される探知情報は、探知領域(指定した探知確率において、計測対象物が探知できる領域)又は探知確率の空間分布とすることができる。ここで、対象となる深度は1つであってもよいし、複数であってもよく、予察計算前に予め定められていればよい。
以下、深度毎の探知面積を求めるための深度毎の探知領域を予察計算する場合を例に挙げて説明する。図9には、第2深度(深度2)における黒丸の位置を音源センサの配置、第1深度(深度1)における白丸の位置を第1受信センサの配置とした組合せで、深度A,Bにおける探知領域を予察計算した結果を示す。深度A、深度Bは、いずれも計測対象物が存在することが想定される深度(目標存在深度)であるものとする。この結果、目標存在深度における探知領域として、例えば、図8で示すような網線で塗りつぶした範囲が得られる。深度A、深度B以外にも目標存在深度があればその目標存在深度における探知領域についても、同様に予察計算が実行され、深度毎に結果を得ることになる。
このような予察計算を1回の予察計算として説明する。この場合、予察計算部14は、音源センサの全配置と考慮しておくべき目標の全配置と全ての受信センサの全配置との組合せ(但し、上述の閾値処理により除かれた組合せを除く)について、探知情報(この例では深度毎の探知領域)の予察計算を実行する。
次に、評価対象値算出部15について、図10を併せて参照しながら説明する。図10は、評価対象値算出部15で算出された探知面積の一例を示す模式図である。
評価対象値算出部15は、演算部1bの一部に相当する部位であり、予察計算により得た探知情報から、その探知情報が所定の推奨基準を満たすか否かを判定するための評価対象値(判定対象値)を算出する。
所定の推奨基準は、例えば探知体積、探知密度(全体)、平均探知確率(全体)、深度毎の探知面積、深度毎の探知密度、深度毎の平均探知確率など、計測目的に応じて予め定めておけばよい。探知密度(全体)とは、計算前に指定した領域の体積に対して、探知領域が占める体積の割合を指す。深度毎の探知密度に関し、ある深度の探知密度とは、計算前に指定したその深度における領域の面積に対する、探知面積(計測対象物が探知できるその深度における領域の面積)の割合を指す。平均探知確率(全体)とは、計算前に指定した領域全体において計測対象物が探知できる確率を指す。深度毎の平均探知確率に関し、ある深度の平均探知確率とは、計算前に指定したその深度における領域において計測対象物が探知できる確率を指す。なお、予察計算部14も、計測目的に応じて必要な探知情報を予察計算するように構成しておくことができる。また、配置推奨装置10は、計測目的を入力可能に構成するとともに、予察計算部14及び評価対象値算出部15でその入力された計測目的に応じた処理を自動的に選択して実行するように構成しておくこともできる。
単純な例として、深度Aにおける探知面積が評価対象値として用いられる場合について説明する。但し、上述したように、評価対象値は所定の推奨基準と比較するための値であるため、評価対象値算出部15は、探知面積以外の情報を算出するように構成されることがある。
例えば、図10に示すように、組合せ1(第1組合せ)では、黒丸の位置を音源センサの位置、白丸の位置を第1受信センサの位置とする。その組合せ1で予察計算を実行すると、探知領域は、例えば図10に示す深度Aにおける網線で塗りつぶした範囲となる。評価対象値算出部15は、この探知領域から探知面積を計算し、例えばSSという値を計算結果として出力する。つまり、評価対象値算出部15は、組合せ1の場合における深度Aの探知面積としてSSという値を計算により得ることができる。同様に、評価対象値算出部15は、組合せ2(第2組合せ)の場合における深度Aの探知面積としてSSという値を計算により得ることができる。これらの結果が配置推奨部16へ入力される情報となる。
なお、予察計算部14で必要な予察計算を実施して、評価対象値算出部15で評価対象値を算出するようにしているが、予察計算の実行した直後に評価対象値の算出までを実行することを1セットの処理とすることもできる。また、所定の推奨基準にも依るが、予察計算部14から所定の推奨基準と比較できる探知情報が出力される場合には、評価対象値算出部15を設けないか使用しないこともできる。
次に、配置推奨部16について、図11を併せて参照しながら説明する。図11は、配置推奨部16で出力される推奨順序の一例を示す模式図である。
配置推奨部16は、演算部1bの一部と出力部1cに相当する部位であり、評価対象値算出部15で算出された全て又は一部の評価対象値を、計測目的に応じた所定の推奨基準と比較する。そして、配置推奨部16は、その比較結果に基づき、音源センサと受信センサの配置を推奨するような出力を行う。
配置推奨部16は、簡単な出力例を挙げると、図11に示すような一覧表を表示デバイスに表示させる。図11では、探知面積が最も大きい順を評価(推奨度)が高いとして推奨配置を表示している。例えば、SS>SSであった場合には、配置推奨部16は、次のような順序で表示を行うことができる。探知面積SSの算出元となった組合せ1が示す、音源センサ及び1又は複数の受信センサの位置及び深度を、探知面積SSの算出元となった組合せ2が示す、音源センサ及び1又は複数の受信センサの位置及び深度より、上側に表示することができる。なお、推奨配置の出力に際し、どのように探知面積や配置を出力させるか(どのように加工して出力させるか)は問わず、例えば推奨目的(通常、計測目的に対応)に応じて出力形態を変えるようにしてもよい。
次に、図12を参照しながら、配置推奨装置10における配置推奨処理の一例について説明する。図12は、配置推奨装置10における配置推奨処理の一例を説明するためのフロー図である。
まず、条件設定部11が計算条件を設定し(ステップS1)、損失計算部12が音源センサの伝搬損失(音源センサから目標までの伝搬損失)を計算する(ステップS2)。次いで、条件設定部11が伝搬損失閾値を設定する(ステップS3)。例えばステップS2,S3の順序は逆であってもよく、ステップS3はステップS1とともに実行しておくこともできる。
閾値処理部13は、ステップS2で計算された伝搬損失がステップS3で設定された伝搬損失閾値以下であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でNOの場合には、ステップS2に戻って次の音源センサの配置についての処理に移行するか、ステップS3に戻って次の受信センサについての処理に移行する。
ステップS4でYESの場合、対象となっている配置の組合せについて、予察計算部14が合計伝搬損失の計算も含めた予察計算を実行し(ステップS5)、評価対象値算出部15が評価対象値を算出する(ステップS6)。評価対象値算出部15は、全ての組合せの計算が終了したか否かを判定し(ステップS7)、YESの場合には、配置推奨部16が所定の推奨基準との比較により推奨配置を求めて出力する(ステップS8)。ステップS7でNOの場合には、ステップS2に戻って次の音源センサの配置についての処理に移行するか、ステップS3に戻って次の受信センサについての処理に移行する。
本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を奏する。換言すれば、本実施形態によれば、バイスタティック/マルチスタティック運用において、効果的な複数の音響センサの空間配置(距離、方位、深度など)を推奨するに際し、空間配置毎に繰り返し実施される予察計算の回数を低減することができる。
具体的に説明すると、実際、マルチスタティックの予察計算において最も時間がかかるのは、伝搬損失の計算である。TLは、1回計算しただけで空間分布を得ることができるが、TLまで計算すると、メッシュ(計算格子)数分全てケースで計算しなければならない。よって、本実施形態では、伝搬損失の計算をなるべく減らすために、そのメッシュ数分の計算を少しでも減らすようにTLの計算を減らしており、これにより演算量を十分に低減させることができる。このように、本実施形態によれば、探知情報の予察計算、評価対象値の算出、及び判定に要する計算回数を低減することができ、それにより、推奨配置の結果出力までの時間を短縮することができる。また、本実施形態によれば、伝搬損失閾値を設定するに際して専門知識を必要としない。
また、伝搬損失閾値を設定するためのパラメータは、項目(b)~(f)の少なくとも1つの情報を含むことができ、情報は多いほど正確性が増すため好ましいと言える。
また、環境情報として項目(a)で例示した各情報を入力する例を挙げたが、これらの情報のうち少なくとも1つの環境情報を入力するように構成することもできる。その場合にも、演算部1bは、伝搬損失を、入力部1aで入力された環境情報に基づいて計算すればよい。また、環境情報としては、媒質の性質、例えば海水であれば塩分濃度、海水温などを示す情報もその一部として計算に採用することもできる。
また、環境情報は、伝搬損失閾値を設定するためのパラメータの一種として入力することができる。この場合、伝搬損失閾値は、センサ能力、目標のTSなどの情報を示すパラメータだけでなく、海域に関する情報等の環境情報が示すパラメータに応じて異なる値に設定されることができる。
また、出力部1c又は配置推奨部16は、上述したように推奨配置を出力するが、その他、推奨配置として出力対象の組合せに対応する探知情報を出力するように構成することもできる。つまり、本実施形態に係る配置推奨装置は、推奨配置により配置した場合の探知情報を予察計算する予察装置として機能させるように構成することもできる。
<実施形態3>
実施形態3について、実施形態2との相違点を中心に説明するが、実施形態1,2で説明した様々な例が適用できる。
本実施形態で使用する閾値は、実施形態2における閾値と異なり、音源センサから計測対象物を介して受信センサまで達する音波の伝搬損失を示す閾値とする。実施形態2で説明したように、最大探知距離時のソーナー方程式に基づき、合計伝搬損失TL+TLの最大値が次式のように求まる。
TL+TL≦SL+TS-NL+DI-DT
よって、本実施形態においても、実施形態2と同様に、閾値処理部13は、予察時の諸元より、以下の式に従って伝搬損失閾値TLを計算することができる。下式で伝搬損失閾値TLを自動的に計算することにより、計算の度に伝搬損失閾値TLをオペレータが直接設定すること必要がなくなる。
TL=SL+TS-NL+DI-DT+β
上式では、実施形態2における項目(g)の補正項αの代わりに補正項βが用いられている。補正項βも補正項αと同様の理由から、通常マイナス値が設定されることになる。また、補正項βは補正項αとして設定する値以下の値に設定されることになる。但し、補正項βを0又はプラス値に設定することもできる。
本実施形態では、このような伝搬損失閾値を用いて合計伝搬損失に閾値処理を施すことになるため、損失計算部12は、音源センサをある位置及びある深度に配置し受信センサをある位置及びある深度に配置した場合の合計伝搬損失を計算する。合計伝搬損失は、上述したように、音源センサから目標までの音波の伝搬損失を示す値TLと、目標から受信センサまでの音波の伝搬損失を示す値TLの合計となる。例えば、図5の深度2又は深度3における黒丸(●)の点に音源センサを配置することを想定することができる。損失計算部12は、少なくとも推奨する候補となる、受信センサの配置について、配置毎に伝搬損失を計算することになる。なお、上記の項目(j),(k)に関し、図5で例示するように深度によってグリッドを異ならせて設定しておくこともできる。
そして、損失計算部12は、音源センサの配置毎にこのような受信センサの配置毎の計算を行う。伝搬損失の計算方法は、例えば特許文献2や上述の「水中音響学 改訂」に記載されている方法など一般的な方法を採用することができる。
次に、閾値処理部13は、損失計算部12で計算された音源センサの伝搬損失値を伝搬損失閾値TLと比較する。本実施形態において、伝搬損失閾値TLとの比較対象となる値、伝搬損失閾値TLは、それぞれTL+TL(つまり、音源センサから計測対象物までの音波の伝搬損失を示す値)、その値についての閾値となる。
ある音源センサの配置及びある受信センサの配置について、計算された伝搬損失値TL+TLが伝搬損失閾値TLよりも大きい場合は、該当位置に音源センサを配置して該当位置に受信センサを配置しても目標を探知不可能と判断する。探知不可能と判断された配置のセットに関しては、これ以上の計算(予察計算等、各部14~16の処理)を実行しないこととする。例えば、図7では、図6のグラフにおいて伝搬損失閾値TLより大きい領域を斜線で示しているが、音源センサの配置に対してこの斜線に含まれる受信センサの位置については予察演算等を実施しないことになる。
このように、閾値処理部13では、伝搬損失閾値に基づく閾値処理(判定)により、計算不要領域を算出することができ、その例については、図8を参照しながら例示した通りである。
次に、予察計算部14について説明する。予察計算部14は、閾値処理部13において合計伝搬損失値が伝搬損失閾値TL以下であると判定された配置について、音源センサの配置と目標の配置と受信センサの配置との組合せ毎に探知情報を計算する予察計算を実行する。つまり、予察計算部14は、閾値処理部13で判定により処理対象と決定された音源センサと目標と受信センサの配置の組合せ全てについて、この予察計算を実行する。なお、ここでの予察計算の方法としては、例えば上述の「水中音響学 改訂」や特許文献2に記載されている方法など、一般的な方法を採用することができる。
予察計算される探知情報は、上述した通り、探知体積、探知密度(全体)、平均探知確率(全体)、深度毎の探知面積、深度毎の探知密度、深度毎の平均探知確率の少なくとも1つの情報を含むこと、或いはその情報を計算可能な前段階の情報とすることができる。
予察計算部14は、音源センサの全配置と考慮しておくべき目標の全配置と全ての受信センサの全配置との組合せ(但し、上述の閾値処理により除かれた組合せを除く)について、探知情報(この例では深度毎の探知領域)の予察計算を実行する。
また、評価対象値算出部15及び配置推奨部16については、実施形態2と同様であり、その説明を省略する。
また、本実施形態に係る配置推奨装置10における配置推奨処理は、基本的に図12で説明したものと同様である。但し、図12のステップS2において、損失計算部12が音源センサの伝搬損失として合計伝搬損失を計算し、ステップS5の予察計算において、既に計算した合計伝搬損失を用いるなど、実施形態2との相違点はある。
以上、本実施形態では、実施形態2と異なり、TL+TLとそれに関する閾値TLを比較し、その閾値TLを超えたものは、探知計算を実施しておらず、実施形態2と比較すると伝搬損失の計算量の低減量は少ないものの、時間短縮には効果がある。
<実施形態4>
実施形態4について、実施形態3との相違点を中心に説明するが、実施形態1~3で説明した様々な例が適用できる。
実施形態2,3においては、予察計算する海域が雑音支配の環境下の場合に有益な次のソーナー方程式を用いている。
SL-(TL+TL)+TS=NL-DI+DT
これに対し、実施形態4に係る配置推奨装置では、実施形態3に係る配置推奨装置において、予察計算する海域が残響支配の環境下の場合に有益な次のソーナー方程式を用いる。
SL-(TL+TL)+TS=RL+DT
ここで、RLは、残響レベルとする。ここでの残響レベルは、音源センサから発せられた音波の残響(計測対象物以外の物体に反射して或いは計測対象物に再度反射して残った音波)が受信センサで受信されるレベルを指す。
そして、上式から、合計伝搬損失TL+TLの最大値が次式のように求まる。
TL+TL≦SL+TS-RL-DT
よって、本実施形態における閾値処理部13は、予察時の諸元より、以下の式に従って伝搬損失閾値TLを計算することができる。ここで、残響レベルは、合計伝搬損失に関連する値となり、合計伝搬損失等に基づき算出することができる。つまり、RLの計算には実施形態3で説明した損失計算部12による合計伝搬損失TL+TLの値が必要となる。残響レベルの算出方法については、上述の「水中音響学 改訂」に記載されている方法など一般的な方法を採用することができる。下式で伝搬損失閾値TLを自動的に計算することにより、計算の度に伝搬損失閾値TLをオペレータが直接設定すること必要がなくなる。
TL=SL+TS-RL-DT+γ
上式では、実施形態2における項目(g)の補正項αの代わりに実施形態3で用いた補正項βの代わりとして、補正項γが用いられている。補正項γも補正項αと同様の理由から、通常マイナス値が設定されることになる。但し、補正項γを0又はプラス値に設定することもできる。
本実施形態において、損失計算部12による合計伝搬損失TL+TLの計算、閾値処理部13によるその計算結果との伝搬損失閾値TLとの比較、並びに予察計算部14による予察計算については、実施形態3と同様であり、その説明を省略する。また、本実施形態において、評価対象値算出部15及び配置推奨部16についても、実施形態3と同様であり、その説明を省略する。また、本実施形態に係る配置推奨装置10における配置推奨処理の大まかな流れは、上述のような相違点を除き、基本的に図12を参照しながら実施形態3で説明したものと同様である。
本実施形態によれば、予察計算する海域が雑音支配の環境下ではなく、残響支配の環境下である場合について、実施形態3と同様の効果を奏する。
<他の実施形態>
[I]
実施形態1では、図1に示す配置推奨装置1の演算部1bの機能について説明したが、配置推奨装置1としてこの機能が実現できればよい。同様に、実施形態2~4では、図2に示す各部11~16の機能について説明したが、配置推奨装置10としてこれらの機能が実現できればよい。また、計測システムにおいて主に音波発生器が1台用いられることを前提として説明したが、計測時に音波発生器も複数台用いることもできる。そのような計測システムに対しても同様に、配置推奨装置は、音波発生器と音波受信器の組合せ毎に伝搬損失を計算して閾値と比較し、伝搬損失が閾値以下の組合せについて探知情報を計算し、推奨基準を満たす探知情報が得られた組合せを推奨配置として出力する。
[II]
実施形態1~4に係る配置推奨装置は、次のようなハードウェア構成を有していてもよい。図13は、実施形態1~4に係る配置推奨装置のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、上記他の実施形態[I]についても同様である。
図13に示す配置推奨装置100は、プロセッサ101、メモリ102、及び、入力デバイス及び出力デバイス等のための入出力インタフェース103を有する。実施形態1~4で説明した配置推奨装置における演算部1bの機能或いは各部11~16の機能は、プロセッサ101がメモリ102に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現される。このプログラムは、上述した通り、プロセッサ101を演算部1bとして機能させるためのプログラムとすることができる。また、このプログラムは、条件設定部11の機能を入力デバイスと協働させながら実現させるためのサブプログラム、配置推奨部16の機能を出力デバイスと協働させながら実現させるためのサブプログラムの少なくとも1つを含むことができる。また、このプログラムは、各部12~15の少なくとも1つの機能を実現させるためのサブプログラムを含むことができる。
上述の例において、上記プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、上記プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
[III]
さらに、上述した様々な実施形態において、配置推奨装置における配置推奨処理の手順を例示したように、本開示は、配置推奨方法としての形態も採り得る。この配置推奨方法は、次のような、入力ステップ、演算ステップ、及び出力ステップを備える。入力ステップは、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する。演算ステップは、入力ステップで入力されたパラメータに基づき閾値を設定し、音波発信器と音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める。出力ステップは、演算ステップで求めた推奨配置を出力する。ここで、演算ステップは、音波発信器の配置と計測対象物又は音波受信器の配置との組合せ毎に、音波の伝搬損失を計算し、計算した組合せ毎の伝搬損失を閾値と比較する。演算ステップは、伝搬損失が閾値以下である組合せについて、音波発信器の配置と計測対象物の配置と音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行する。演算ステップは、それにより得た探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する組合せを推奨配置として求める。なお、その他の例については、上述した様々な実施形態で説明した通りである。また、上記プログラムは、コンピュータに上述した配置推奨方法(配置推奨処理)を実行させるためのプログラムであると言える。
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
<付記>
(付記1)
音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力部と、
前記入力部で入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算部と、
前記演算部で求めた前記推奨配置を出力する出力部と、
を備え、
前記演算部は、
前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
配置推奨装置。
(付記2)
前記閾値は、空間分布をもった閾値群である、
付記1に記載の配置推奨装置。
(付記3)
前記閾値は、前記音波発信器から前記計測対象物までの音波の伝搬損失を示す閾値である、
付記1又は2に記載の配置推奨装置。
(付記4)
前記閾値は、前記音波発信器から前記計測対象物を介して前記音波受信器まで達する音波の伝搬損失を示す閾値であり、
前記演算部は、前記閾値を、前記音波受信器毎に設定する、
付記1又は2に記載の配置推奨装置。
(付記5)
前記パラメータは、前記音波発信器から発信される音波の送波レベル、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングス、前記音波受信器で受信される音波のノイズレベル、前記音波受信器の指向性利得、及び前記音波受信器における音波検出閾値、の少なくとも1つの情報を含む、
付記1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記6)
前記音波発信器から発信される音波の送波レベルをSL、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングスをTS、前記音波受信器で受信される音波のノイズレベルをNL、前記音波受信器の指向性利得をDI、前記音波受信器における音波検出閾値をDT、補正項をαとすると、
前記パラメータは、SL、TS、NL、DI、及びDTを少なくとも含み、
前記演算部は、前記閾値をSL+TS-NL+DI-DT+αで計算される値に設定する、
付記1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記7)
前記音波発信器から発信される音波の送波レベルをSL、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングスをTS、前記音波発信器から発信された音波の残響が前記音波受信器で受信される残響レベルをRL、前記音波受信器における音波検出閾値をDT、補正項をγとすると、
前記パラメータは、SL、TS、RL、及びDTを少なくとも含み、
前記演算部は、前記閾値をSL+TS-RL-DT+γで計算される値に設定する、
付記4に記載の配置推奨装置。
(付記8)
前記パラメータは、前記閾値を示すパラメータである、
付記1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記9)
前記入力部は、媒質の上面から底面までの深さ、前記媒質の音速プロファイル、前記上面における他の媒質の流れの速度又は前記流れによる応力、前記底面における反射損失、及び前記底面における吸収損失、の少なくとも1つの環境情報を入力し、
前記演算部は、前記伝搬損失を、前記入力部で入力された前記環境情報に基づいて計算する、
付記1~8のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記10)
前記探知情報は、探知体積、探知密度、平均探知確率、深度毎の探知面積、深度毎の探知密度、深度毎の平均探知確率の少なくとも1つの情報を含む、
付記1~9のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記11)
前記出力部は、前記推奨配置を出力するほか、前記推奨配置として出力対象の前記組合せに対応する前記探知情報を出力する、
付記1~10のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
(付記12)
音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、
前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、
を備え、
前記演算ステップは、
前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
配置推奨方法。
(付記13)
コンピュータに、配置推奨処理を実行させるためのプログラムであって、
前記配置推奨処理は、
音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、
前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、
を含み、
前記演算ステップは、
前記音波発信器の配置と計測対象物又は前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
前記伝搬損失が前記閾値以下である前記組合せについて、前記音波発信器の配置と前記計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
プログラム。
1、10、100 配置推奨装置
1a 入力部
1b 演算部
1c 出力部
11 条件設定部
12 損失計算部
13 閾値処理部
14 予察計算部
15 評価対象値算出部
16 配置推奨部
101 プロセッサ
102 メモリ
103 入出力インタフェース

Claims (10)

  1. 音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力部と、
    前記入力部で入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算部と、
    前記演算部で求めた前記推奨配置を出力する出力部と、
    を備え、
    前記演算部は、
    前記音波発信器の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
    計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
    前記組合せのうち前記伝搬損失が前記閾値以下である組合せのみについて、前記音波発信器の配置と計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
    前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
    配置推奨装置。
  2. 前記閾値は、空間分布をもった閾値群である、
    請求項1に記載の配置推奨装置。
  3. 前記閾値は、前記音波発信器から前記計測対象物までの音波の伝搬損失を示す閾値である、
    請求項1又は2に記載の配置推奨装置。
  4. 前記閾値は、前記音波発信器から前記計測対象物を介して前記音波受信器まで達する音波の伝搬損失を示す閾値であり、
    前記演算部は、前記閾値を、前記音波受信器毎に設定する、
    請求項1又は2に記載の配置推奨装置。
  5. 前記パラメータは、前記音波発信器から発信される音波の送波レベル、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングス、前記音波受信器で受信される音波のノイズレベル、前記音波受信器の指向性利得、及び前記音波受信器における音波検出閾値、の少なくとも1つの情報を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
  6. 前記音波発信器から発信される音波の送波レベルをSL、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングスをTS、前記音波受信器で受信される音波のノイズレベルをNL、前記音波受信器の指向性利得をDI、前記音波受信器における音波検出閾値をDT、補正項をαとすると、
    前記パラメータは、SL、TS、NL、DI、及びDTを少なくとも含み、
    前記演算部は、前記閾値をSL+TS-NL+DI-DT+αで計算される値に設定する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
  7. 前記音波発信器から発信される音波の送波レベルをSL、計測対象物への入力音圧レベルと前記計測対象物からの反射音圧レベルとのレベル差であるターゲットストレングスをTS、前記音波発信器から発信された音波の残響が前記音波受信器で受信される残響レベルをRL、前記音波受信器における音波検出閾値をDT、補正項をγとすると、
    前記パラメータは、SL、TS、RL、及びDTを少なくとも含み、
    前記演算部は、前記閾値をSL+TS-RL-DT+γで計算される値に設定する、
    請求項4に記載の配置推奨装置。
  8. 前記パラメータは、前記閾値を示すパラメータである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の配置推奨装置。
  9. コンピュータが、音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、
    前記コンピュータが、前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、
    前記コンピュータが、前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、
    を備え、
    前記演算ステップは、
    前記音波発信器の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
    計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
    前記組合せのうち前記伝搬損失が前記閾値以下である組合せのみについて、前記音波発信器の配置と計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
    前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
    配置推奨方法。
  10. コンピュータに、配置推奨処理を実行させるためのプログラムであって、
    前記配置推奨処理は、
    音波発信器から発信される音波の伝搬損失の閾値を設定するためのパラメータを入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力されたパラメータに基づき前記閾値を設定し、前記音波発信器と前記音波発信器とは異なる位置に配置される音波受信器とについての推奨配置を求める演算ステップと、
    前記演算ステップで求めた前記推奨配置を出力する出力ステップと、
    を含み、
    前記演算ステップは、
    前記音波発信器の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎に、前記音波の伝搬損失を計算し、
    計算した前記組合せ毎の伝搬損失を前記閾値と比較し、
    前記組合せのうち前記伝搬損失が前記閾値以下である組合せのみについて、前記音波発信器の配置と計測対象物の配置と前記音波受信器の配置との組合せ毎の探知情報を計算する予察計算を実行し、
    前記予察計算により得た前記探知情報のうちの所定の推奨基準を満たす探知情報に対応する前記組合せを、前記推奨配置として求める、
    プログラム。
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