JP7267384B1 - 経路生成方法及び経路生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本開示の経路生成方法は、自車位置を取得する自車位置取得ステップS100と、自車両1の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得ステップS110と、目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定ステップS120と、自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき目標駐車位置から自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成ステップS130と、仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化ステップS140と、自車両1が自車位置から目標駐車位置に至る入庫経路として評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成ステップS150と、を含む。
【選択図】図2
Description
以下の各ステップを処理回路によって実行する経路生成方法であって、
自車位置を取得する自車位置取得ステップと、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得ステップと、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定ステップと、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成ステップと、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化ステップと、
前記自車両が前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成ステップと、を含み、
前記評価関数は、切り返しごとの走行距離をパラメータとして含む関数である。
自車位置を取得する自車位置取得部と、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部と、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定部と、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成部と、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化部と、
前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成部と、を備え、
前記評価関数は、舵角の絶対値、舵角速度の絶対値、切り返しごとの走行距離、切り返しごとの所要時間及び障害物までの余裕距離のいずれか二つ以上のパラメータを含む関数であり、
前記各パラメータにそれぞれ重み係数を乗算して合算し、
前記重み係数は、前記自車両の入庫経路上の走行距離によって変化させる。
図1は、実施の形態1に係る経路生成装置300を表す機能ブロック図である。経路生成装置300は、自車位置取得部110と、周辺環境情報取得部120と、目標駐車位置設定部130と、経路生成部200とを備える。
以上が、実施の形態1に係る経路生成装置300の各構成の説明である。
以上が、実施の形態1に係る経路生成方法の説明である。
実施の形態1に係る経路生成方法では、評価関数が技術的特徴の一つである。したがって、実施の形態1を含む各実施の形態に係る経路生成方法において適用される評価関数をここで説明する。全てのパラメータを含む包括な評価関数Jは、以下の式(1)で表される。
実施の形態1を含む各実施の形態に係る経路生成方法の説明で用いる用語の定義を以下に説明する。
(1)step_n
「step_n」とは、n回目の切り返しにおける誘導を意味する。
(2)切り返し回数
「切り返し回数」とは、シフト変更の回数を意味する。
(3)据え切り
「据え切り」とは、車両速度0[km/h]で舵角を変化させることを意味する。
(4)切り返し回数のカウント方法
「切り返し回数のカウント方法」とは、並列後退入庫において後退が1回の誘導で駐車完了する場合は、切り返し回数が1回であることを意味する。また、並列前進入庫において後退及び前進の2回の誘導で駐車が完了する場合は、切り返し回数が2回であることを意味する。
(1)出庫経路(仮想的な出庫経路)の生成について
出庫経路の生成方法として、例えば国際公開2020-217315号公報に開示されているように、移動距離S及び曲率ρからなる経路を生成することが可能である。その他の出庫経路の生成方法の例としては、公知のステートラティス法、ポテンシャル法、スプライン補間関数法、Aスター法、ダイクストラ法などが挙げられる。
(2)曲率ρについて
例えば、特開2017-88112号公報に開示されているように、曲率ρは車両の旋回半径の逆数を表し、車両の旋回半径とステアリング角との理論式からステアリング角が算出可能であるため、曲率ρを算出することで自車両1の経路への追従が可能となる。
(3)曲率ρの正負に関して
車両のヨーレートと実舵角、旋回半径及び実舵角には、下記の式(2)で表されるような理論式が存在する。式(2)は、例えば「東京電機大学出版局 安部正人著 自動車の運動と制御 第2版 第3章 車両運動の基礎 3.3節 車両の定常円旋回」に記載されている。
実施の形態1に係る経路生成方法を説明する前に、まず、実施の形態1に係る経路生成方法の比較例を説明する。実施の形態1に係る経路生成方法の比較例では、並列後退入庫において、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2に示すフローチャートのステップS140での評価関数による最小化を実施することなく、入庫経路を生成する。
図5は、並列後退入庫における仮想的な出庫経路を表す図である。自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき、図5に示されるような横軸が移動距離S、縦軸が曲率ρで表現される、目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)に至る仮想的な出庫経路が生成されるとする。なお、かかる出庫経路は上述の公知の方法などによって生成される。図5において、snは経路上で曲率ρの変化率が変化するn番目の地点を表し、集合S={s0,s1,…,s7}で表現される。なお、曲率ρは自車両1の仮想的な出庫経路上での移動中に、3つの一定値ρ1、ρ2、ρ3をとる。
(1)出庫開始時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で並列駐車している。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置から出庫完了位置の方向に旋回しつつ他車両2の間を抜けるように前進する。曲率ρは0から変化してρ1で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、自車両1は出庫完了位置における姿勢角に近づくように、旋回しながら後退する。曲率ρはρ2で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、自車両1は出庫完了位置に移動している。曲率ρは0の状態となっている。
図5で得られる仮想的な出庫経路に基づき、本来は評価関数を適用し、評価関数を最小化する評価関数最小化経路を出力するが、実施の形態1に係る経路生成方法の比較例では、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS140における評価関数による最小化を実施してはいない。
入庫経路生成ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS150において、図5及び図6で示される仮想的な出庫経路に基づき、仮想的な出庫経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置、つまり、入庫を開始する位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は旋回しつつ目標駐車位置の方向に向かって後退する。曲率ρはρ1*で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、自車両1は目標駐車位置における姿勢角に近づくように、旋回しながら前進する。曲率ρはρ2*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に並列駐車している。
実施の形態1-1に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態1-1に係る経路生成方法は、自車両1を並列後退入庫する入庫経路を生成する。
出庫経路生成ステップは比較例と同様であるので省略する。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、経路評価関数最小化ステップにおいて、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。
図10に示される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置、つまり、入庫を開始する位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は旋回しつつ目標駐車位置の方向に向かって後退する。曲率ρはρ1*で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、自車両1は目標駐車位置における姿勢角に近づくように、旋回しながら前進する。曲率ρはρ2*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に並列駐車している。
実施の形態1-1に係る経路生成方法が奏する効果は以下のとおりである。
上述の「(3)曲率の正負に関して」の項で説明したように、ヨー角θは曲率ρと移動距離sを用いて、θ=ρsと表すことが可能である。図7に示す実施の形態1の比較例の入庫経路と、図11に示す実施の形態1―1の入庫経路において、s1*からs7*までのそれぞれの距離は同一であるが、曲率ρ1*は実施の形態1―1の入庫経路の方が大きく、曲率ρ2*は同等、曲率ρ3*は実施の形態1の比較例の入庫経路の方が大きく出力される。ここで、切り返し3回目の誘導であるstep_3においてのヨー角θの増分が、切り返し3回目における誘導初期の車両の姿勢角と、目標駐車姿勢角との偏差と表現できる。その際、切り返し3回目での曲率ρ3*は実施の形態1の比較例の入庫経路の方が大きいため、実施の形態1―1の入庫経路に比べて、姿勢角の偏差が大きい。したがって、実施の形態1―1に係る経路生成方法によって、切り返しの最終段階での姿勢角の偏差を小さくすることが可能となり、最終段階では姿勢角は目標駐車位置に近づき微調整をするような経路となるため、走行中にユーザに与える違和感を低減できる効果を奏する。
実施の形態1-2に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態1-2に係る経路生成方法は、自車両1を並列後退入庫する入庫経路を生成する。
図13は、実施の形態1-2における並列後退出庫による仮想的な出庫経路を表す図である。自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき、図13に示されるような、横軸が移動距離S、縦軸が曲率ρで表現される、目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)に至る仮想的な出庫経路が生成されるとする。なお、かかる出庫経路は上述の公知の方法などによって生成される。
(1)出庫開始時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で並列駐車している。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置から出庫完了位置の方向に旋回しつつ他車両2の間を抜けるように前進する。曲率ρは0から変化してρ1で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、自車両1は切り返しにより、一旦、目標駐車位置側に後退する。曲率ρはρ2で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点から旋回して、自車両1は出庫完了位置に移動するために、曲率ρはρ3で旋回した後に、ρ4へ変化させて旋回し、最終的に0の状態となっている。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。
図16で表される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を入庫経路として生成する。
実施の形態1-2に係る経路生成方法によると、出庫経路生成ステップにおいて生成された図13に示されるような仮想的な出庫経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて評価関数最小化経路の逆方向経路を入庫経路として生成すると、実施の形態1の比較例では切り返し1回目の段階で短い期間でハンドルが左右に操舵される格好となり、走行中にユーザに違和感あるいは不安感を与える可能性が高い状態であったが、実施の形態1-2に係る経路生成方法によって、図17に示されるような経路を生成することで、切り返し1回目の段階でハンドルの左右への急操舵を抑えることが可能となるため、走行中にユーザに与える違和感を低減できる効果を奏する。
実施の形態2に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態2に係る経路生成方法は、自車両1を並列駐車させる際に、前向きに入庫する入庫経路(以下、並列前向き入庫と呼ぶ)を生成する。
実施の形態2に係る経路生成方法を説明する前に、まず、実施の形態2に係る経路生成方法の比較例を説明する。実施の形態2に係る経路生成方法の比較例では、並列前向き入庫において、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2のフローチャートにおけるステップS140での評価関数による最小化を実施することなく、入庫経路を生成する。
図18は、実施の形態2の比較例における並列前向き出庫による出庫経路を表す図である。自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき、図18に示されるような横軸が移動距離S、縦軸が曲率ρで表現される、目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)に至る仮想的な出庫経路が生成されるとする。なお、かかる出庫経路は上述の公知の方法などによって生成される。図18において、snは曲率ρの変化率が変化するn番目の地点を表し、集合S={s0,s1,…,s8}で表現する。
(1)出庫開始時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で並列駐車している。自車両1は前向きに駐車している。なお、通路には障害物7が存在する。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)とは反対方向に一旦旋回しつつ他車両2の間を抜けるように後退する。曲率ρは0から増加してρ1で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、step_1終了時点の位置から切り返しつつ一旦前進する。曲率ρはρ2で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点の位置から切り戻しつつ再度、障害物7の側に後退する。曲率ρはρ3で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、step_3終了時点の位置から旋回しつつ前進して、自車両1は出庫完了位置に移動している。曲率ρは0の状態となっている。
図18で得られる仮想的な出庫経路に基づき、本来は評価関数を適用し、評価関数を最小化する評価関数最小化経路を出力するが、実施の形態2に係る経路生成方法の比較例では、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS140における評価関数による最小化を実施してはいない。
入庫経路生成ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS150において、図18及び図19で示される仮想的な出庫経路に基づき、仮想的な出庫経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置にある。曲率ρは0の状態となっている。なお、通路には障害物7が存在する。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置とは反対方向に一旦旋回しつつ後退する。曲率ρは0から増加してρ1*で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、step_1終了時点の位置から切り返しつつ一旦前進する。曲率ρはρ2*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点の位置から切り戻しつつ再度、障害物7の側に後退する。曲率ρはρ3*で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に並列前向きに駐車している。
実施の形態2-1に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態2-1に係る経路生成方法は、自車両1を並列駐車させる際に、自車両1を前進して入庫する入庫経路(以下、並列前進入庫と呼ぶ)を生成する。
出庫経路生成ステップは実施の形態2の比較例と同様であるので省略する。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、経路評価関数最小化ステップにおいて、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。
図23に示される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置にある。曲率ρは0の状態となっている。なお、通路には障害物7が存在する。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置とは反対方向、つまり、障害物7側に一旦旋回しつつ後退する。曲率ρは0から増加してρ1*で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、step_1終了時点の位置から切り返しつつ一旦前進する。曲率ρはρ2*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点の位置から切り戻しつつ再度、障害物7の側に後退する。曲率ρはρ3*で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、step_3終了時点の位置から前進して、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に駐車している。自車両1は並列前進向きに駐車している。
実施の形態2-1に係る経路生成方法が奏する効果は以下のとおりである。
上述の「(3)曲率の正負に関して」の項で説明したように、ヨー角θは曲率ρと移動距離sを用いて、θ=ρsと表すことが可能である。また、上述したように、図24に示す実施の形態2-1の入庫経路は、図20に示す実施の形態2の比較例の入庫経路から、仮想的な出庫経路における切り返し1回目の終了位置よりも切り返し3回目の終了位置を通路側に近づけた経路である。すなわち、実施の形態2-1の入庫経路では、入庫経路に関して、切り返し1回目の終了位置の方が切り返し3回目の終了位置よりも通路側に近づいているため、最終誘導経路となる切り返し回数4回目で自車両の姿勢角を目標駐車姿勢角に正すための移動距離が短くなる。換言すると、目標駐車姿勢角に正すための移動距離が短くすむ。したがって、実施の形態2―1に係る経路生成方法によって、最終誘導における開始時の自車両の姿勢角と目標駐車姿勢角の偏差を小さくすることが可能となり、最終誘導経路は、目標駐車姿勢角に対する自車両の姿勢角に関して微調整で済む経路となるため、走行中にユーザに与える違和感を低減できる効果を奏する。
実施の形態2-2に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態2-2に係る経路生成方法は、自車両1を並列駐車させる際に、並列前進入庫する入庫経路を生成する。経路評価関数最小化ステップでは、切り返し回数を変更することなく、評価関数を最小化する。
出庫経路生成ステップは実施の形態2の比較例と同様であるので省略する。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、経路評価関数最小化ステップにおいて、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。
図28は、実施の形態2-2に係る経路生成方法によって生成された入庫経路を表す図である。図27に示される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を入庫経路として生成する。つまり、移動距離Sに対する曲率ρのグラフは図28のような概形となる。
以上、実施の形態2-2に係る経路生成方法によると、図28に示される入庫経路における、切り返し4回目の曲率であるρ4*の絶対値が、実施の形態2の比較例及び実施の形態2-1に係る経路生成方法においてそれぞれ生成される図20及び図24の入庫経路における曲率よりも小さい。したがって、切り返し3回目終了時の舵角δstep_3Endと切り返し4回目開始時の舵角δstep_4Startの偏差が小さくなり、据え切り時間も減少することが可能となる。よって、実施の形態2-1の効果の説明の項で述べた走行中のユーザに与える違和感を低減する効果に加えて、さらに、誘導時間を短縮する効果を奏する。
実施の形態3に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態3に係る経路生成方法は、自車両1を縦列入庫する入庫経路を生成する。
実施の形態3に係る経路生成方法を説明する前に、まず、実施の形態3に係る経路生成方法の比較例を説明する。実施の形態3に係る経路生成方法の比較例では、縦列入庫において、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2に示すフローチャートのステップS140での評価関数による最小化を実施することなく、入庫経路を生成する。
図29は、実施の形態3における縦列出庫による出庫経路を表す図である。自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき、図29に示されるような横軸が移動距離S、縦軸が曲率ρで表現される、目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)に至る仮想的な出庫経路が生成されるとする。なお、かかる出庫経路は上述の公知の方法などによって生成される。
(1)出庫開始時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で縦列駐車している。
(2)step_1終了時点では、自車両1は駐車スペース内で自車両1の後方の他車両2側に曲率ρが0を維持して、すなわち直進しながら後退する。
(3)step_2終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_1終了時点の位置から通路側に旋回しつつ前進する。曲率ρはρ1で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点の位置から旋回しつつ後退する。曲率ρはρ2で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、自車両1は再び通路側に前進する。曲率ρはρ3で一定値となる状態となっている。
(6)step_5終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_4終了時点の位置から再度旋回しつつ後退する。曲率ρはρ4で一定値となる状態となっている。
(7)step_6終了時点では、step_5終了時点から自車両1は再び通路側に曲率ρ=ρ5として旋回しつつ前進し、曲率ρ=0に戻して直進することで、他車両2間を完全に抜けて、曲率ρ=ρ6へ変化させて、最終的に0へ変化させながら、出庫完了位置に到達している。
図29で得られる仮想的な出庫経路に基づき、本来は評価関数を適用し、評価関数を最小化する評価関数最小化経路を出力するが、実施の形態3に係る経路生成方法の比較例では、経路評価関数最小化ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS140における評価関数による最小化を実施してはいない。
入庫経路生成ステップ、つまり、図2のフローチャートのステップS150において、図29及び図30で示される仮想的な出庫経路に基づき、仮想的な出庫経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は駐車スペース側に曲率ρ=ρ1*として旋回しつつ後退し、曲率ρ=0に戻して、直進しつつ後退し、最終的に、曲率ρ=ρ2*として旋回しながら後退することで、他車両2間で、通路側に向かって斜めになった状態となっている。
(3)step_2終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_1終了時点の位置から通路側に旋回しつつ前進する。曲率ρはρ3*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_2終了時点の位置から旋回しつつ後退する。曲率ρはρ4*で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_3終了時点の位置から再度旋回しつつ後退する。曲率ρはρ5*で一定値となる状態となっている。
(6)step_5終了時点では、自車両1は駐車スペース内で自車両1の後方の他車両2側に後退する。曲率ρはρ6*で一定値となる状態となっている。
(7)step_6終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で縦列駐車している。
出庫経路生成ステップは実施の形態3の比較例と同様であるので省略する。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、経路評価関数最小化ステップにおいて、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。
図36に示される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は駐車スペース側に曲率ρ=ρ1*として旋回しつつ後退し、曲率ρ=0に戻して、直進しつつ後退し、最終的に、曲率ρ=ρ2*として旋回しながら後退することで、他車両2間で、通路側に向かって斜めになった状態となっている。
(3)step_2終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_1終了時点の位置から通路側に旋回しつつ前進する。曲率ρはρ3*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_2終了時点の位置から旋回しつつ後退する。曲率ρはρ4*で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、専ら駐車スペース内でstep_3終了時点の位置から再度旋回しつつ後退する。曲率ρはρ5*で一定値となる状態となっている。
(6)step_5終了時点では、自車両1は駐車スペース内で自車両1の後方の他車両2側に後退する。曲率ρはρ6*で一定値となる状態となっている。
(7)step_6終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で縦列駐車している。
実施の形態3に係る経路生成方法によると、実施の形態3に係る経路生成方法の比較例とは異なり、図38に示すように、切り返し1回目における自車両1と他車両2(車両B)との距離が短くなるため、比較例のような大回りとなる経路に対して旋回する度合いが緩和されている。この結果、走行中にユーザに与える違和感を低減できる効果を奏する。また、切り返し1回目の終了位置における自車両1の姿勢角が比較例よりも目標駐車姿勢角に近づいているため、切り返し2回目から5回目におけるハンドルの操舵量も低減することができる効果も併せて奏する。
実施の形態4に係る経路生成方法について、以下に説明する。実施の形態4に係る経路生成方法は、自車両1を並列駐車させる際に、自車両1を並列後退入庫する入庫経路を生成する。
図39は、実施の形態4における並列後退出庫による仮想的な出庫経路を表す図である。自車位置、周辺環境情報及び目標駐車位置に基づき、図39に示されるような横軸が移動距離S、縦軸が曲率ρで表現される、目標駐車位置から自車位置(出庫完了位置)に至る仮想的な出庫経路が生成されるとする。なお、かかる出庫経路は上述の公知の方法などによって生成される。図39において、snは曲率ρの変化率が変化するn番目の点を表し、集合S={s0,s1,…,s9}で表現する。
(1)出庫開始時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で並列駐車している。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置から出庫完了位置とは反対方向に一旦曲率ρ1で旋回してから曲率ρ2へ変化させながら、出庫完了位置側に旋回しつつ、他車両2の間を抜けるように前進する。
(3)step_2終了時点では、自車両1は旋回しつつ駐車スペースの前方側まで一旦後退する。曲率ρはρ3で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、自車両1はstep_2終了時点から前進して、出庫完了位置へと移動している。曲率ρは0の状態となっている。
出庫経路生成ステップで生成された仮想的な出庫経路に基づき、経路評価関数最小化ステップにおいて、入庫経路としての適合性を評価する評価関数を適用して、当該評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する。評価関数の最小化にあたり、出庫に必要な切り返し回数が変更される場合であっても、入庫経路としての適合性を評価する評価関数の評価値が最小化される場合は、生成された仮想的な出庫経路を採用する。
図45に示される評価関数最小化経路に基づき、入庫経路生成ステップにおいて、評価関数最小化経路の逆方向経路を、入庫経路として生成する。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は目標駐車位置側に一旦旋回しつつ後退する。曲率ρは0から増加してρ1*で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、step_1終了時点の位置から切り返しつつ一旦前進する。曲率ρはρ2*で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点の位置から切り返しつつ駐車スペース側に後退する。曲率ρはρ3*で一定値となる状態となっている。
(5)step_4終了時点では、step_3終了時点の位置から旋回しつつ通路側に前進する。曲率ρはρ4*で一定値となる状態となっている。
(6)step_5終了時点では、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に駐車している。自車両1は並列後退向きに駐車している。
(1)入庫開始時点では、自車両1は自車位置、つまり、入庫を開始する位置にある。曲率ρは0の状態となっている。
(2)step_1終了時点では、自車両1は旋回しつつ目標駐車位置の方向に向かって後退する。曲率ρはρ2**で一定値となる状態となっている。
(3)step_2終了時点では、自車両1は自車位置から目標駐車位置の方向に旋回しつつ前進する。曲率ρはρ3**で一定値となる状態となっている。
(4)step_3終了時点では、step_2終了時点から、曲率ρ4**で旋回しながら後退し、曲率ρ1**で旋回することで、自車両1に関して左側の他車両2の衝突を回避しながら、自車両1は他車両2の間に挟まれる形で目標駐車位置に並列駐車している。自車両1は並列後退向きに駐車している。
実施の形態4に係る経路生成方法によると、図49に示される入庫経路とは異なり、図48のような入庫経路を生成することが可能となるので、切り返し回数は5回と増えるものの、ハンドルの操舵量を低減させ、車両A(左側の他車両2)との接近距離もマージンを保てるようになるため、ユーザへの不安感を低減できる効果を奏する。
Claims (11)
- 以下の各ステップを処理回路によって実行する経路生成方法であって、
自車位置を取得する自車位置取得ステップと、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得ステップと、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定ステップと、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成ステップと、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化ステップと、
前記自車両が前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成ステップと、を含み、
前記評価関数は、切り返しごとの走行距離をパラメータとして含む関数である経路生成方法。 - 以下の各ステップを処理回路によって実行する経路生成方法であって、
自車位置を取得する自車位置取得ステップと、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得ステップと、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定ステップと、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成ステップと、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化ステップと、
前記自車両が前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成ステップと、を含み、
前記評価関数は、切り返しごとの所要時間をパラメータとして含む関数である経路生成方法。 - 以下の各ステップを処理回路によって実行する経路生成方法であって、
自車位置を取得する自車位置取得ステップと、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得ステップと、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定ステップと、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成ステップと、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化ステップと、
前記自車両が前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成ステップと、を含み、
前記評価関数は、舵角の絶対値、舵角速度の絶対値、切り返しごとの走行距離、切り返しごとの所要時間及び障害物までの余裕距離のいずれか二つ以上のパラメータを含む関数であり、前記各パラメータにそれぞれ重み係数を乗算して合算し、
前記重み係数は、前記自車両の入庫経路上の走行距離によって変化させる経路生成方法。 - 前記入庫経路は、前記自車両の移動距離及び曲率の関数で表されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記経路評価関数最小化ステップは、前記出庫経路生成ステップで生成された前記仮想的な出庫経路の切り返し回数を維持しながら前記評価関数の最小化を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記経路評価関数最小化ステップは、前記出庫経路生成ステップで生成された前記仮想的な出庫経路の切り返し回数を変更しながら前記評価関数の最小化を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記評価関数は、舵角の絶対値をパラメータとして含む関数であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記評価関数は、舵角速度の絶対値をパラメータとして含む関数であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記評価関数は、障害物までの余裕距離をパラメータとして含む関数であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 前記パラメータは複数のパラメータからなり、前記複数のパラメータにそれぞれ重み係数を乗算して合算することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の経路生成方法。
- 自車位置を取得する自車位置取得部と、
自車両の周辺環境情報を取得する周辺環境情報取得部と、
目標駐車位置を設定する目標駐車位置設定部と、
前記自車位置、前記周辺環境情報及び前記目標駐車位置に基づき、前記目標駐車位置から前記自車位置に至る仮想的な出庫経路を生成する出庫経路生成部と、
生成された前記仮想的な出庫経路に対して評価関数を適用し、前記評価関数を最小化する評価関数最小化経路を生成する経路評価関数最小化部と、
前記自車位置から前記目標駐車位置に至る入庫経路として、前記評価関数最小化経路に対する逆方向経路を生成する入庫経路生成部と、を備え、
前記評価関数は、舵角の絶対値、舵角速度の絶対値、切り返しごとの走行距離、切り返しごとの所要時間及び障害物までの余裕距離のいずれか二つ以上のパラメータを含む関数であり、
前記各パラメータにそれぞれ重み係数を乗算して合算し、
前記重み係数は、前記自車両の入庫経路上の走行距離によって変化させる経路生成装置。
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