JP7267251B2 - 抗菌組成物及び医薬組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、抗菌活性を有するペプチドに関する。より詳細には、本発明は、強力な抗菌活性、広範囲の抗菌活性、及び/またはさもなければ抗生物質耐性菌またはバイオフィルムによって保護された細菌を死滅させる能力を有するペプチドに関する。
抗生物質耐性は、健康上の大きな問題である。これは、一部には、医学だけでなく、農業及び畜産業における抗生物質の広範な使用に起因する。このような過剰使用は、感受性生物を死滅させると同時に、抗生物質耐性菌に対して強力な選択バイアスを作り出した。得られた株は、免疫系が弱まっている個体にとって特に問題となり、さらに、病院の患者にとってはますます深刻な問題となっている。
遺伝的抗生物質耐性を示すことに加えて、多くの出現する細菌株は、バイオフィルムとして知られる複雑な会合で存在し得る。バイオフィルムの構造は、抗生物質曝露に対する物理的障壁を構成する。バイオフィルムは、思い切った治療が必要となる全身感染症を引き起こす可能性を有する組織内及び組織上に、特に慢性創傷、及び留置カテーテル、人工器官等の医療用インプラント上に形成され得る。遊離及びバイオフィルムの両方の形態の抗生物質耐性生物に対して活性である物質が緊急に必要とされている。
昆虫、両生類、哺乳動物、及びヒト等の多くの生物は、細菌に対するその生来の防御の一部として、抗菌性ペプチドを産生する。このようなペプチドは化学的に多様である。いくつかは、細菌細胞膜を貫通してそれを破壊することによって作用すると考えられる。他は細菌の細胞プロセスに影響を及ぼす。多くのペプチドが宿主細胞に優先して細菌を標的とする選択性が多く認められる。残念ながら、宿主産生抗菌ペプチドは、多くの抗生物質耐性細菌株を含む広範囲の微生物因子を効果的に排除することができない。したがって、宿主の抗菌防御を増強することができる抗菌性ペプチドが望ましい。
特定の実施形態では、本発明は抗菌性ペプチドを提供する。ペプチドは、抗細菌活性、抗真菌活性及び/または抗原虫活性を有することができる。ペプチドは、従来の抗生物質に対して耐性である微生物株を死滅させる能力を有することができる。特定の実施形態では、本発明の抗菌性ペプチドは、微生物バイオフィルムとして増殖する微生物(例えば、細菌)を死滅させることができる。
特定の実施形態では、本発明の抗菌性ペプチドは、特定の微生物膜領域に対する親和性を形成する、全カチオン電荷、疎水性、容積、及び質量と一体となった両親媒性構造を有する。したがって、抗菌性ペプチドは、少なくとも1つの両親媒性領域を含むことができる。両親媒性領域は、細菌膜への結合に適したカチオン性表面を含むことができる。抗菌性ペプチドは、気泡領域またはベータターンのような第3の領域によって一緒に連結された2つの両親媒性領域を含むことができる。特定の実施形態では、2つの両親媒性領域は、ヘテロ二量体またはホモ二量体のいずれかとして二量化することができる。あるペプチドから別のペプチドへの種々のドメインの交換、またはペプチドにおけるドメインの重複が、臨床応用にとって重要な活性、薬理作用または類似の特徴を向上させると、本発明においては想定される。
本発明の抗菌性ペプチドは、アミノ酸残基を含む。特定の実施形態では、アミノ酸残基は天然のL-アミノ酸残基である。いくつかの実施形態では、抗菌性ペプチド中の1つ以上のアミノ酸残基は、天然に存在しないアミノ酸残基、D-アミノ酸残基、及び/またはベータアミノ酸残基であり得る。特定の実施形態では、本発明の抗菌性ペプチドは、タンパク質分解に対して耐性がある配列を有する。例えば、ペプチドは、プロテアーゼ耐性を付与する天然または非天然のアミノ酸残基を含むことができる。
特定の実施形態では、抗菌性ペプチドは、非哺乳類細胞に対する特異性を有する。例えば、ペプチドは、宿主哺乳動物(例えば、ヒト)細胞を死滅させることに比較して、標的微生物細胞を死滅させることにおいて102 、103 、104 、105 倍、またはそれ以上有効であり得る。本発明のいくつかの抗菌性ペプチドは、1つの種類の微生物に対して活性であるが、他の微生物には活性がなく、したがって抗菌性選択性を提供する。例えば、本発明の特定ペプチドは、微生物の他の菌株、特に共生細菌(例えば、ヒト等の哺乳動物の腸の内腔に通常存在する細菌)への影響を最小限に抑えながら、抗生物質耐性標的細菌を死滅させることができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の1つ以上の抗菌性ペプチドを含む組成物、特に医薬組成物を提供する。このような組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与等のために製剤化することができる。経口送達のために製剤化された組成物は、例えば、そこに含まれる抗菌性ペプチドを腸及びその先に確実に到達させるために、腸溶性コートを含むことができる。局所送達のために製剤化された組成物は、例えば、ゲルまたはクリーム中に懸濁させるか、包帯中に注入して、そこに含まれる抗菌ペプチドの作用持続時間を延長させることができる。あるいは、本発明の抗菌性ペプチドは、感染を予防する手段として、外科用器具及び留置医療器具(例えば、ペースメーカ、カテーテル、人工関節等)のような医療機器の表面にコーティングすることができる。
いくつかの実施形態において、本発明は、微生物感染症を治療する方法、またはそのような感染症を予防する方法を提供する。この方法は、本発明の1つ以上の抗菌性ペプチドを含有する組成物を投与することを含むことができる。組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与等により投与することができる。経口投与または非経口投与は、例えば、全身性感染症を治療するために使用され得る。局所投与は、例えば創傷または火傷を治療するために使用することができる。カテーテルまたは人工関節等の留置医療機器を必要とする患者の治療の場合、治療は、医療機器を患者に挿入する前に、医療機器に1つまたは複数の抗菌性ペプチドを適用することを含むことができる。この方法は、広範囲の動物、特にヒト、飼育動物、家畜、動物園動物、野生動物等の哺乳類のいずれかを治療するために使用することができる。
本発明の一態様に従うヘアピンペプチドの図を示す。 院内感染に関連する選択された微生物に対する本発明の2つのペプチド(指定された「RP-439」及び「RP-442」、それぞれ配列番号:18及び21)の活性のデータを、抗生物質バンコマイシンと比較して示す。試験された病院感染に関連する生物は、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、及びクロストリジウム・ディフィシルであった。
前述のように、本明細書に開示される発明は、抗菌性ポリペプチド、及びこのような抗菌性ポリペプチドを対象に投与して、微生物感染を予防または治療する方法に関する。
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、当然、それ自体変化し得ることが理解されるべきである。本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
ある範囲の値が提供された場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値(別に明確に指示されない限り、下限の単位の1/10まで)、及びその記載された範囲内における任意の他の記載された値または介在する値は、本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲内における任意の具体的に除外される限界に従って、本発明に包含されてもよい。記載された範囲が限界の一方または両方を含む場合、その含まれる限界の一方または両方を除く範囲も本発明に含まれる。
特定の範囲は、数値の前に用語「about(約)」が先行して、本明細書において提示されている。用語「約」は、本明細書では、それが先行する正確な数、及びその用語が先行する数に近いかまたはほぼ等しい数について文字通りに支持するために本明細書で使用される。数字が列挙される特定の数字に近いか近似しているかを判断するにあたり、近いまたは近似しているが列挙されていない数字は、それが提示される文脈において、具体的に列挙された数字と実質的に等価な数字であり得る。
別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載された方法及び材料と類似するまたは等価な任意の方法及び材料もまた、本発明の実施または試験において使用することができるが、方法及び材料の代表的な例を以下に記載する。
本明細書に引用された全ての刊行物及び特許は、それぞれの個々の刊行物または特許が、参照により組み込まれているように具体的にかつ個別に示されているかの如く参照により本明細書に組み込まれており、刊行物が引用されている方法及び/または材料を開示及び記載するために、参照により本明細書に組み込まれている。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためのものであり、本発明が先行発明によりその刊行物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる可能性があり、それは独立して確認する必要があり得る。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。請求項は任意の要素を排除するように作成されてもよいことにさらに留意すべきである。したがって、この記述は、請求項要素の記載、または「否定的」制限の使用に関連して、「専ら」、「単なる」等のような排他的な用語を使用するための前提として役立つことを意図している。
本開示を読んだ当業者には明らかなように、本明細書に記載され図示された個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または主旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、あるいはそのいずれかの特徴と組み合わされ得る、個別の成分及び特徴を有している。記載されたいずれの方法も、引用された事象の順序で、または論理的に実行可能な他の順序で実施することができる。
用語「ペプチド」及び「ポリペプチド」は、本明細書において同義で使用され、アミノ酸残基から構築されたポリマーを指す。
本明細書で使用される用語「アミノ酸残基」は、任意の天然に存在するアミノ酸(LまたはD型)、天然に存在しないアミノ酸、またはアミノ酸模倣体(ペプトイドモノマー等)を指す。
ポリペプチドの「長さ」は、ポリペプチドが含み得る非ペプチドリンカー及び/または修飾を除いて、ポリペプチドを構成する末端が結合しているアミノ酸残基の数である。
「リンカー」または「リンカー配列」は、2つのペプチド配列を一緒に連結する任意の部分であり得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、一緒に連結されるペプチド配列と同一線上にあるアミノ酸配列であるが、他の実施形態では、リンカーは、例えば共有結合を介して、2つのペプチド配列に結合した別個の部分である。リンカーは、アミノ酸配列であっても非アミノ酸部分であってもよい。特定の実施形態では、リンカーは、2つの両親媒性領域の二量化を促進するために使用される。
疎水性アミノ酸残基は、主に非極性の化学的性質を有する官能基(「側鎖」)により特徴づけられる。このような疎水性アミノ酸残基は、天然に存在するか(LまたはD型)または非天然に存在し得る。あるいは、疎水性アミノ酸残基は、主に非極性の化学的性質を有する官能基(「側鎖」)により特徴づけられるアミノ酸模倣体であり得る。逆に、親水性アミノ酸残基は、主に極性(荷電または非荷電)化学的性質を有する官能基(「側鎖」)により特徴づけられる。このような親水性アミノ酸残基は、天然に存在する(LまたはD型)または非天然に存在し得る。あるいは、親水性アミノ酸残基は、主に極性(荷電または非荷電)化学的性質を有する官能基(「側鎖」)により特徴づけられるアミノ酸模倣体であり得る。親水性及び疎水性アミノ酸残基の例を以下の表1に示す。好適な天然に存在しないアミノ酸残基及びアミノ酸模倣体は、当技術分野において公知である。例えば、Liang et al.(2013),“An Index for Characterization of Natural and Non-Natural Amino Acids for Peptidomimetics,”PLoS ONE 8(7):e67844を参照。
大部分のアミノ酸残基は、疎水性または親水性のいずれかと考えられるが、それらの状況に応じて疎水性または親水性のいずれかとして挙動することができるものもいくつかある。例えば、それらの比較的弱い非極性特性のために、グリシン、プロリン、及び/またはシステインは、親水性アミノ酸残基として機能することがある。逆に、その嵩高でわずかに疎水性の側鎖のため、ヒスチジン及びアルギニンは疎水性アミノ酸残基として機能することがある。
Figure 0007267251000001
以下にさらに詳細に記載するように、本開示の態様は、特定の程度のカチオン電荷を有する少なくとも1つの両親媒性領域を有する抗菌性ペプチドを含む。特定の実施形態では、抗菌性ペプチドは、テール領域(例えば、疎水性テール配列)を含む。特定の実施形態では、抗菌性ペプチド(またはペプチド剤)は、2つ以上の両親媒性領域を含む。このような実施形態では、抗菌性ペプチド(またはペプチド剤)の2つの両親媒性領域は、その2つの両親媒性領域が同一または異なるアミノ酸配列を有することができる二量体の形態である(即ち、ホモ二量体またはヘテロ二量体である)。特定の実施形態では、2つ(またはそれ以上)の両親媒性領域がリンカーを介して接続される。リンカーは、ユーザーが所望するように、連続(または一列に並んだ)アミノ酸配列または非アミノ酸部分であり得る。リンカーは、例えば、気泡領域またはベータターン領域であり得る。特定の実施形態では、抗菌性ペプチドは、ポリプロリンヘリックス構造を含む。
抗菌性ペプチド配列の例を以下に示す。さらなる抗菌性ペプチドは、本明細書に記載されているように、抗菌性ペプチドの例とは異なる領域を異なる方法で組み合わせることによって、当業者によって容易に設計され得る。
両親媒性領域
両親媒性領域とは、疎水性及び親水性の要素または特性の両方を有するペプチド領域、例えば、親水性表面及び疎水性表面を有するペプチド領域を意味する。ペプチド領域は、両親媒性の特徴を示す場合、両親媒性立体構造を有すると言われ、これはしばしば、ペプチドが作製された条件及び/またはそれが曝露された条件に依存する。両親媒性であると考えられるためには、ペプチド配列(またはその一部)が常に両親媒性立体構造である必要はない。むしろ、両親媒性立体構造は、少なくとも50%、60%、70%、80%、またはそれ以上の時間で存在すれば十分である。
特定の実施形態では、本発明の抗菌性ペプチドの両親媒性領域は、長さが5~35個のアミノ酸残基であり、少なくとも25%(例えば、30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、またはそれ以上)の、両親媒性を示す両親媒性領域のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態では、両親媒性領域は、1~3個の疎水性及び1~3個の親水性アミノ酸残基の交互配列を含むことができる。したがって、両親媒性領域は、式(X1-31-3 n (式中、Xは親水性アミノ酸残基を表し、Yは疎水性アミノ酸残基を表し、nは2~15の整数である)で表すことができる。例えば、両親媒性領域は、式1、式2(式1の逆の式)、または式3に従う配列を有することができる。
式1: XYYXXYYXXYXXYYXXYY
式2: YYXXYYXXYXXYYXXYYX
式3: XYXYXYXYXYXYXYX
各疎水性アミノ酸残基Yは、天然に存在する疎水性アミノ酸、天然に存在しない疎水性アミノ酸、及び疎水性アミノ酸模倣体からなる群から選択される。各親水性アミノ酸残基Xは、天然に存在する親水性アミノ酸、天然に存在しない親水性アミノ酸、及び親水性アミノ酸模倣体からなる群より選択される。しばしば、両親媒性立体構造は、らせん構造等の特定の二次構造に関連している。したがって、抗菌性ポリペプチドの両親媒性領域は、両親媒性310-ヘリックス立体構造、両親媒性α-ヘリックス立体構造、両親媒性π-ヘリックス立体構造、または両親媒性ポリプロリンヘリックス立体構造を有することができる。あるいは、抗菌性ポリペプチドの両親媒性領域は、両親媒性β-ストランド立体構造を有することができる。
特定の実施形態では、本開示の態様による抗菌性ペプチドの両親媒性領域は、1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の)大きな疎水性アミノ酸残基を含む。大きな疎水性アミノ酸残基の例としては、トリプトファン、フェニルアラニン、及びチロシンが挙げられる。さらに、特定の状況下では、ヒスチジンまたはアルギニンは、大きな疎水性アミノ酸残基とみなすことができる。特定の実施形態では、本開示の態様に従う抗菌性ペプチドの両親媒性領域は、1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の)小さな疎水性アミノ酸残基を含む。小さな疎水性アミノ酸残基の例としては、グリシン、アラニン、セリン、システイン、バリン、スレオニン、及びプロリンが挙げられる。特定の実施形態では、抗菌性ポリペプチドは、大きな疎水性残基と小さな疎水性残基との組み合わせを含む両親媒性領域を有する。
両親媒性領域の特定な例として、以下が挙げられる。
RVFKKAFRKFKKLFKRAF(配列番号:1)、
FARKFLKKFKRFAKKFVR(配列番号:2)、及び
FKRKIKAKLRFKAKVRLK(配列番号:3)
カチオン電荷/表面
本開示の態様に従う抗菌性ポリペプチドは、カチオン性表面を有する両親媒性領域を含む。特定の実施形態において、両親媒性領域は、陽イオン電荷(即ち電荷>0、例えば+1、+2、+3、+4、+5、+6、+7、+8、+9、+10またはそれ以上)を有する。したがって、特定の実施形態では、開示されたペプチドの両親媒性領域は、1つ以上の極性カチオン性アミノ酸残基(即ち、正に荷電した側鎖を有する)を含む。正に荷電した側基を有するアミノ酸残基(生理学的条件を仮定する)の例には、リジン、典型的にはアルギニンが含まれ、ヒスチジンが含まれる場合もある。したがって、抗菌性ポリペプチドは、1~20個のカチオン性アミノ酸残基を含む両親媒性領域を有することができる。したがって、本発明の抗菌性ペプチドは、極性アミノ酸残基を含み、その少なくとも40%(例えば、50%、60%、70%、80%、90%または100%)がカチオン性に荷電している(例、Arg、Lys、His)。
テール領域
特定の実施形態では、抗菌性ペプチドはテール領域を含む。本発明の抗菌性ペプチドのテール領域は、長さが3~15個のアミノ酸残基であり、かつテール領域における少なくとも50%(例えば、60%、70%、75%、80%、85%、90%、またはそれ以上)のアミノ酸残基が疎水性である。テール領域は、抗菌性ペプチドのN末端、C末端、または両方の末端に位置することができる。特定の実施形態では、テール領域は、6個のアミノ酸ごとに1つの極性アミノ酸を含む。テール領域配列の一例を式4(Yは疎水性アミノ酸残基を表す)に示す。
式4:YYYYY
配列FAFAF(配列番号:4)を有するテール領域を含む本発明の態様に従う抗菌性ペプチドの特定の例としては、下記(テール部に下線が引かれている)が含まれる。
FAFAFRVFKKAFRKFKKLFKRAF (配列番号:5)、及び
FARKFLKKFKRFAKKFVRFAFAF (配列番号:6)
気泡領域
特定の実施形態において、抗菌性ペプチドは、気泡領域を含む。本発明の抗菌性ペプチドの「気泡」領域は、各末端にシステイン残基(C)が隣接するひと続きのアミノ酸残基からなる(図1参照)。システイン残基間のひと続きのアミノ酸残基は、2~10個のアミノ酸残基の長さであり得、疎水性アミノ酸と親水性アミノ酸との任意の組み合わせから構成され得る。気泡領域は、2つの両親媒性領域を連結し、抗菌性ペプチドによるヘアピン二次構造の形成に寄与することができる(図1参照)。したがって、この領域は、「リンカー領域」の一種(本明細書の他の箇所に記載されている他の領域と同様に)に分類することができる。特定の実施形態において、ヘアピン二次構造は、抗菌活性を顕著に高めることができる。
気泡領域は、例えば、式5(式中、Yは疎水性アミノ酸残基を表し、Xは親水性アミノ酸残基を表す)に示すような配列を有することができる。
式5:C(Y/X)(Y/X)(Y/X)(Y/X)C
配列CLGRFC(配列番号:7)を有する気泡領域を含む本発明の抗菌性ペプチドの特定の例としては、以下を挙げることができる。
KIRAKLCLGRFCIRAKLR (配列番号:8)、及び
KIKARLCLGKFCIKARLK (配列番号:9)
二量化
理論に制限されることを意図しないが、本発明の抗菌性ペプチドの効力は、大部分で、標的微生物(例えば、細菌細胞)の細胞膜上のペプチド二量体化及びクラスター化に依存すると考えられる。二量体は、細胞膜に浸透し、最終的に細胞膜を溶解する際により効率的であると考えられている。このような二量体の形成は、例えばリンカー領域を用いて、ペプチドが物理的に一緒に連結される場合、熱力学的により好都合であり得る。リンカー領域は、さらなるアミノ酸残基(例えば、上記の気泡領域のような)を含むことができ、またはアミノ酸非含有リンカー部分であり得る。
ベータターン領域
β-ターン配列は、個々のモノマーを物理的に連結するために使用され、分子内相互作用を起こしやすくする。これは、疎水性表面を水相から保護することができるので、両親媒性溶解ペプチドにとって特に重要であると思われる。β-ターン配列は、2つの鎖内両親媒性領域が逆平行配向の二量体を形成することを可能にする。したがって、この領域は、「リンカー領域」(本明細書の他の箇所に記載されている他の領域と同様に)の一種に分類することができる。例えば、配列番号:6のモノマー(上記に示した)は、1.26μMの濃度の黄色ブドウ球菌2log超を死滅させたが、配列番号:12の二量体(以下に示す)は、0.156μM未満の濃度の同じ菌2log超を死滅させた(実施例5参照)。
β-ターン配列は、当該分野で公知の任意のβ-ターン配列であり得る。β-ターン配列は、例えば、配列番号:10(式中、Yは疎水性アミノ酸残基を表し、Xは親水性アミノ酸残基を表す)(すなわち、任意のアミノ酸残基)で示される配列を有することができる。
(Y/X)GPGR(Y/X) (配列番号:10)
配列FGPGRF(配列番号:11)を有するβ-ターン配列を含む本発明の抗菌性ペプチドの特定の例としては、下記が挙げられる。
FAFAFKAFKKAFKKFKKAFKKAFGPGRFAKKFAKKFKK FAKKFAKFAFAF (配列番号:12)
ポリプロリンヘリックスの二次構造
理論に限定されることを意図しないが、プロリン残基が反復され、それによって1回転あたりより通常の3.6アミノ酸残基ではなく、1回転あたり約3.0アミノ酸残基が生じるヘリックス構造は、得られたペプチドの半減期延長をもたらすと考えられる。このようなヘリックスは、両親媒性領域、カチオン電荷、及び任意のテール領域等の上記の必要な構造的特徴を維持しながら形成することができる。
抗菌性ペプチドの例
本発明の態様による抗菌性ペプチドの例を以下の表2に示す。これらの例は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。以下に列挙する配列中の「O」残基は、アミノ酸オルニチンを表す。
Figure 0007267251000002
Figure 0007267251000003
したがって、本発明はさらに、本明細書に開示された抗菌性ポリペプチドのいずれか1つ(例えば、表xxに示すように)と少なくとも50%同一である(例えば、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%またはそれ以上同一である)アミノ酸配列を含み、かつなお少なくとも1つの抗菌特性を保持するポリペプチドを提供する。特定の実施形態では、このようなポリペプチド配列は、前記で詳述したカチオン電荷を有する両親媒性領域を含む。さらに、このようなポリペプチドは、気泡領域、ベータターン領域、ポリプロリンヘリックス構造、テール部、両親媒性領域二量体等の、本明細書に記載されるようなさらなる構造的特徴を含み得る。
したがって、特定の実施形態では、本発明は、本明細書に開示された抗菌性ポリペプチドのいずれか1つに対して、1~10個のアミノ酸の差異(例えば、10個以下、9個以下、8個以下、7個以下、6個以下、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下または1個のアミノ酸の差異)を有するアミノ酸配列を含み(例えば、表xxに示すように)かつなお少なくとも1つの抗菌特性を保持するポリペプチドを提供する。本明細書で使用される「アミノ酸差異」は、アミノ酸置換、アミノ酸挿入、末端アミノ酸付加、アミノ酸欠失、末端アミノ酸切断、またはこれらの任意の組み合わせを含む。置換されたアミノ酸残基(または複数の残基)は、置換されるアミノ酸残基と無関係(例えば、疎水性/親水性、サイズ、電荷、極性等の点で無関係)であり得るか、あるいは置換されたアミノ酸残基は、類似の、保存的または非常に保存的なアミノ酸置換を構成し得る。本明細書で使用される「類似の」、「保存的な」、及び「非常に保存的な」アミノ酸置換は、以下の表3に示すように定義される。アミノ酸残基置換が類似しているか、保存的であるか、または非常に保存的であるかどうかの決定は、アミノ酸残基の側鎖のみに基づくものであり、ペプチド骨格ではない。これは、後述するように、ペプチド安定性を増加させるために修飾され得る。
Figure 0007267251000004
組成物
本開示は、本明細書に記載の抗菌性ポリペプチドを含む組成物を提供する。例えば、抗菌性ポリペプチドは、表2に列挙されたポリペプチドのいずれか、または抗菌活性を保持するその断片もしくは変異体であり得る。特定の実施形態では、本発明の組成物に含まれる抗菌性ポリペプチドは、合成ポリペプチド(例えば、化学合成によって作製されるか、及び/または組換え生産される)となる。
本発明の組成物は、単一の抗菌性ポリペプチド、または異なる抗菌性ポリペプチドの組み合わせを含み得る。組成物は、タンパク質及び他のポリペプチドを実質的に含まなくてもよい。本明細書で使用される用語「タンパク質及び他のポリペプチドを実質的に含まない」は、組成物のタンパク質含量の5%未満が、本発明の抗菌性ポリペプチドではないタンパク質及び他のポリペプチドから構成されることを意味する。本発明の非抗菌性ポリペプチドを実質的に含まない組成物は、他の非抗菌性ポリペプチドを4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%未満またはそれ以下で有し得る。
特定の実施形態における本発明の組成物は、ヒトまたは他の哺乳動物もしくは動物において天然には見出されない抗菌性ポリペプチドを含有する。
本発明の組成物は、少なくとも1mg(例えば、少なくとも5、10、20、30、40、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000mg、またはそれ以上)の抗菌性ポリペプチドを含み得る。したがって、例えば、組成物は、約1mg~約1000mg(例えば、約5mg~約900mg、約5mg~約800mg、約5mg~約700mg、約5mg~約600mg、約10mg~約500mg、約10mg~約400mg、約10mg~約300mg、約10mg~約250mg、約10mg~約200mg、約10mg~約150mg、約10mg~約100mg、約50mg~約500mg、約50mg~約400mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約500mg、約75mg~約400mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、約100mg~約250mg、約100mg~約200mg、または前述の端点の2つを含む任意の他の範囲)に等しい量の抗菌性ポリペプチドを含み得る。
本発明の組成物は、少なくとも1mg/ml(例えば、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100mg/mlまたはそれ以上)の抗菌性ポリペプチドを含む溶液を含む。したがって、例えば、組成物は約1mg/ml~約1000mg/ml(例えば、約5mg/ml~約900mg/ml、約5mg/ml~約800mg/ml、約5mg/ml~約700mg/ml、約5mg/ml~約600mg/ml、約5mg/ml~約500mg/ml、約10mg/ml~約500mg/ml、約10mg/ml~約400mg/ml、約10mg/ml~約300mg/ml、約10mg/ml~約250mg/ml、約10mg/ml~約200mg/ml、約10mg/ml~約150mg/ml、約10mg/ml~約100mg/ml、約50mg/ml~約500mg/ml、約50mg/ml~約400mg/ml、約50mg/ml~約300mg/ml、約50mg/ml~約250mg/ml、約50mg/ml~約200mg/ml、約50mg/ml~約150mg/ml、約50mg/ml~約100mg/ml、約75mg/ml~約500mg/ml、約75mg/ml~約400mg/ml、約75mg/ml~約300mg/ml、約75mg/ml~約250mg/ml、約75mg/ml~約200mg/ml、約75mg/ml~約150mg/ml、約75mg/ml~約100mg/ml、約100mg/ml~約500mg/ml、約100mg/ml~約400mg/ml、約100mg/ml~約300mg/ml、約100mg/ml~約250mg/ml、約100mg/ml~約200mg/ml、約10mg/ml~約150mg/ml、または前述の端点の2つを含む任意の他の範囲)の抗菌性ポリペプチド濃度を有する溶液を含むことができる。
本発明の組成物は、医薬組成物を含む。このような医薬組成物は、1種以上の抗菌性ポリペプチド及び薬学的に許容される担体を含むことができる。医薬組成物は、本発明の抗菌性ポリペプチド以外の活性成分をさらに含むことができる。他の活性成分は、従来の抗生物質等の治療剤/抗菌剤であってもよい。従来の抗生物質は、抗菌性、または本発明の抗菌性ポリペプチドが増強するかもしくは増強される他の特性を有することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、担体、例えば血清アルブミン(例えば、HAS、BSA等)のような担体タンパク質を含み、これは精製または組換え生産することができる。医薬組成物中で抗菌性ポリペプチド(複数可)を血清アルブミンと混合することにより、抗菌性ポリペプチドを血清アルブミンに効果的に「負荷する」ことができ、より多くの量の抗菌性ポリペプチドを感染部位に首尾よく送達することができる。本発明の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、局所投与等のために製剤化することができる。経口送達のために製剤化された組成物は、例えば、そこに含まれる抗菌性ペプチドを腸及びそれより先に確実に到達させるために、腸溶性コートを含むことができる。局所送達のために製剤化された組成物は、例えば、ゲルまたはクリーム中に懸濁されるか、または包帯中に注入させて、そこに含まれる抗菌ペプチドの作用持続時間を延長させることができる。あるいは、本発明の抗菌性ペプチドは、感染を予防する手段として、外科用器具及び留置医療機器(例えば、ペースメーカ、カテーテル、人工関節等)のような医療機器の表面にコーティングすることができる。
方法
本発明の抗菌性ポリペプチドは、対象における細菌感染を治療または予防するための強力なツールを提供する。したがって、本発明は、対象における少なくとも1つの微生物の排除、その数の減少またはその複製の顕著な減少をもたらす方法を提供する。対象は、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、カモ等)、ペット(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ハムスター、アレチネズミ、魚等)、実験動物(例えば、マウス、ラット、サル、チンパンジー、フクロウ、魚等)、動物園の動物(例えば、ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、サル、象、ラクダ、シマウマ、イノシシ、ライオン、トラ、キリン、クマ、鳥等)、野生動物(例えば、シカ、オオカミ、マウンテン・ライオン、鳥等)、またはヒト対象(例えば、患者)の任意の動物でもよい。
抗菌性ポリペプチド(複数可)は、動物の種類、動物のサイズ、及び治療される状態に応じた用量及び頻度で投与することができる。典型的には、抗菌性ポリペプチドは、約1mg~約1000mgの間(例えば、約5mg~約900mg、約5mg~約800mg、約5mg~約700mg、約5mg~約600mg、約10mg~約500mg、約10mg~約400mg、約10mg~約300mg、約10mg~約250mg、約10mg~約200mg、約10mg~約150mg、約10mg~約100mg、約50mg~約500mg、約50mg~約400mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約75mg~約500mg、約75mg~約400mg、約75mg~約300mg、約75mg~約250mg、約75mg~約200mg、約75mg~約150mg、約75mg~約100mg、約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、約100mg~約250mg、約100mg~約200mg、または前述の端点の2つを含む任意の他の範囲)の量で、毎日(または1日おき、または毎週)投与される。毎日の投与量は、1日に1回投与するか、または1日の複数の時点で服用するより少ない投与量に分割することができる。ヒト(及び他の同様のサイズの哺乳類)の場合、1日おきに5mg/kgの用量を投与することができる。抗菌性ポリペプチドは、一定期間(例えば、2~3週間)、間隔をあけて(例えば、2~3週間ポリペプチドを投与し、2~3週間待ってから、サイクルを繰り返す)投与されるか、あるいは微生物が除去または顕著に減少するまで、微生物感染症の症状が改善されるまで、または潜在的な微生物感染リスクが低減または除去される(例えば、創傷が治癒する)まで投与され得る。
前述の方法のいずれかと組み合わせた、抗菌ポリペプチド(またはそのようなポリペプチドを含む薬学的組成物)の投与は、静脈内、腹腔内、非経口、同所性、皮下、局所、鼻腔内、経口、舌下、眼内で、埋め込み型デポにより、ナノ粒子ベースの送達システム、マイクロニードルパッチ、マイクロスフェア、ビーズ、浸透圧ポンプまたは機械的ポンプ、及び/または他の機械的手段を使用して行うことができる。
前述の方法のいずれかと併せて、抗菌ポリペプチド(またはこのようなポリペプチドを含む薬学的組成物)は、別の薬物、例えば抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗原虫薬、抗マラリア薬、または非感染性疾患若しくは他の状態を治療する薬剤と組み合わせて投与することができる。特定の実施形態では、他の薬物は、疾患/微生物感染症の症状を軽減することができるものである(例えば、発熱を軽減または防止する、吐き気を治療または予防する等)。いずれの場合においても、抗菌性ポリペプチドは、他の薬物の投与の前に、投与と同時に、または投与の後に、投与することができる。
以下の実施例は、本発明をどのように製造し使用するかについての完全な開示及び説明を当業者に提供するために提示されており、発明者らが発明と考えるものの範囲を限定するものではなく、以下の実験が実施されたすべての実験または唯一の実験であることを示すことを意図するものでもない。使用される数値(例えば、量、温度等)に関して正確さを保つための努力がなされているが、ある程度の実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。別に示さない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧またはそれに近いものである。
実施例1:プランクトン性グラム陰性細菌及びグラム陽性細菌に対する活性
ペプチドは、嫌気性細菌の抗微生物感受性試験のためのM11-A8E CLSI標準により下記のチャレンジ生物に対して試験を行った。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)ATCC 700221、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogens)ATCC 13048、ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)MRSA ATCC 33591、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)ATCC 49619、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 27853、アシネトバクター・バウマンニー(Acinetobacter baumannii)ATCC 17978D-5、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)ATCC 19660、及び、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)ATCC 51625。サンプル希釈物は、最初のサンプルから1:2048までの範囲であった。11の濃度を、MQAラボラトリーズ(MQA Laboratories)によって96ウェルプレート上において2連で試験した。結果を、最小殺菌濃度(MBC)として表4に示す。MBCは、8種のチャレンジ生物のそれぞれについて99.9%の致死率となるために必要な各ペプチドの濃度である。(表4の濃度は、μMで試験した全細菌のMBCの平均値である)。
Figure 0007267251000005
実施例2:バイオフィルム細菌に対する活性
最低バイオフィルム除菌濃度(Minimum Biofilm Eradication Concentration)(MBEC)アッセイを使用した。MBEC値は、バイオフィルム細菌を死滅させるために必要な抗菌製品の濃度についての推定値を提供する。カルガリーバイオフィルムデバイス(Calgary Biofilm Device)(CBD)プレートを使用して、96ペグを含む蓋上にバイオフィルムを形成した。細菌培養物を増殖させ、約1×107 CFU/mLまでトリプシンソイブロス(TSB)で希釈した後、CBDプレートに接種し、それを振盪機で125rpmにて35℃で24時間インキュベートした。
バイオフィルムを含有するペグ蓋をPBS中で最初にすすぎ、浮遊細胞を除去した後、試験物の2倍の連続希釈液で処理し、35℃で一晩制御した。ペグ蓋をPBSで2回すすいだ後、新鮮な培地で超音波処理してペグに付着したバイオフィルムを破壊した。その後、プレートを一晩インキュベートして増殖を評価した。細菌の定量化は、650nmでの吸光度(A650)を測定することにより行った。定義により、A650の測定値が0.1未満であれば、バイオフィルムの根絶を示している。結果を表5に示す。
Figure 0007267251000006
実施例3:生物処理細菌(バークホルデリア・タイランデンシス(B.thailandensis))に対する活性
試験品及び比較抗生物質(セフタジジム)のインビトロ活性を、以下のように試験した。滅菌96ウェルプレートにおいて、ウェル当たり1×105 CFUの細菌を、10mMのリン酸緩衝液中において抗生物質(対照)及びペプチドの連続希釈物とともにインキュベートした(3時間、37℃)。細菌の生存率は、滅菌PBS中の各ペプチド濃度で連続希釈によって決定した。希釈液を栄養寒天培地に3連で播種し、37℃で24時間インキュベートした。その後、コロニーを計測して生存率を決定した。細菌の生存率は、各実験プレート上のコロニー数対抗菌ペプチドを欠く対象プレート中の平均コロニー数の比によって計算した。バークホルデリア・タイランデンシス(B.thailandensis)の50%を死滅させるために必要な抗菌ペプチド濃度(EC50)は、生存率対ペプチド濃度の対数をグラフ化することによって決定した。標準的なシグモイド用量反応曲線にデータを適合させることにより、EC50を決定した。各実験は3回反復して行った。表6は、試験した各ペプチド及び抗生物質セフタジジム(Ceftazidime)のEC50の結果を示す。
Figure 0007267251000007
実施例4:選択されたペプチドの抗菌活性及び抗真菌活性(IC50値)
抗菌活性及び抗真菌活性の測定は、標準マイクロメーター希釈法により行った。簡潔に述べると、細胞を各株について特定された培地中で一晩増殖させ、同じ培地で希釈した。ペプチドの連続希釈液を50μlの容量でマイクロタイタープレートに添加し、続いて50μlの細菌または真菌、5×105 CFU/mlを添加した。プレートを37度で24時間インキュベートし、最小阻害濃度(MIC)を、細菌増殖の50%を阻害した最低ペプチド濃度として決定した。表7は、試験した各細菌分離株についてのIC50をμMで示し、表8は、試験した各真菌についてのIC50をμMで示す。
Figure 0007267251000008
Figure 0007267251000009
実施例5:インビトロ殺菌活性のためのペプチドのスクリーニング
試験した細菌は、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)株トロント(B.c.)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)株A7436及びHG405、アクチノバシラス・アクチノミセタムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)株A7154(A.a.)、フソバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)株1594(F.n.)、大腸菌(Escherichia coli)株(E.c.)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)ATCC株29213(S.a.)、及び緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)株(P.a.)である。すべての細菌を適切な気圧下で適切な培地において成長の早期指数増殖期まで増殖させた。採取前に最低5回の倍加を保証するために培地に細菌を接種した。培養物を遠心分離により生理食塩水で2回洗浄し、適切な濃度の生理食塩水中に再懸濁させた。最初のスクリーニングでは、すべてのペプチドを、660nmの光学密度で推定される106 CFU/mlの標的細菌と共に、生理食塩水中10μMの最終濃度で使用した。対照を等容量の生理食塩水で処理した。懸濁液を周囲大気中において37℃でインキュベートし、アリコートをコロニー形成単位の定量的回収のために一時的に(0~2時間)除去した。これにより、異なる細菌株を有する個々のペプチドの死滅のキネティクスの決定が可能になった。概して、生理食塩水対照における2時間の試験期間中、様々な株の生存率の低下は殆どまたは全くなかった。しかしながら、期間内にフソバクテリウム・ヌクレアタム及びクチノバシラス・アクチノミセタムコミタンスの両方の対照の生存率が有意に低下したが(>1log10)、30分後までは検出可能な低下はなかった。ペプチド処理されたものの回復可能なCFUの対数減少対生理食塩水処理対照のそれが、1-ログ(log)減少よりも大きい場合、死滅は有意であると考えられた。10μMで死滅できかったペプチドは不活性であると考えられた。2倍を超えるログ減少をもたらしたペプチドは、106 CFU/mlの標的細菌で試験する前に、2倍、5倍または10倍希釈液のいずれかによって滴定した。終点滴定は、回復可能なCFU対生理食塩水処理対照の2-ログを超える減少をもたらすペプチドの最終濃度(μM単位)(「2ログ(log)減少濃度」)として決定される。試験した各細菌についての配列番号:12及び6のこの2-ログ減少濃度を、すべての細菌(最後の列)の平均値と共に表9に示す。
Figure 0007267251000010
実施例6:抗生物質耐性菌の死滅
黄色ブドウ球菌、緑膿菌、及びクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)を、RP-439及びRP-442(それぞれ配列番号:18及び21)に対する感受性について試験した。これらの生物は院内感染と関連している。実験は、実施例5に記載したように行った。図2は、示されたペプチドまたはバンコマイシンの添加後1時間の時点で行った結果を示す。図2から明らかなように、黄色ブドウ球菌はバンコマイシンと同様のレベルで両方のペプチドによって効果的に死滅した。しかしながら、これらのペプチドはこの従来の抗生物質よりも広い範囲で効力を示すことが見出された。具体的には、RP-439及びRP-442は緑膿菌(P.aeruginosa)及びクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の両方を死滅させるために有効であったが、バンコマイシンはこれらの微生物に対して有効ではなかった。細菌が、単一細胞フォーマット(図2に示す)またはバイオフィルム形態(前の実施例に記載されているもの、上記の黄色ブドウ球菌(S.aureus)及び緑膿菌に対するRP-442のバイオフィルムデータ、クロストリジウム・ディフィシル及びペプチドRP-439についてはバイオフィルムデータが示されていない)で曝露されたかどうかにかかわらず、同様の結果が得られた。
実施例で得られた結果は、医学的に重要なヒト感染を引き起こすものを含む、広範囲の微生物を死滅させる際の本発明の抗菌性ペプチドの効力を実証する。
実施形態
以下の非限定的な実施形態は、本発明の態様を説明するために提供される。
1.抗菌性ペプチドを含む抗菌組成物であって、前記抗菌性ペプチドは、配列番号:23、25、17、12、13、27、1~6、8、9、14~16、18~22、24、26、及び28~30のいずれか1つと少なくとも60%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む、抗菌組成物。
2.抗菌性ペプチドは、少なくとも1つの細菌生物、真菌生物または原生生物を死滅させるために有効である、実施形態1に記載の抗菌組成物。
3.前記細菌生物、真菌生物または原生生物は、アクチノバクター、アクチノバシラス、バークホルデリア、カンジダ、クロストリジウム、エンテロバクター、エンテロコッカス、エシェリキア、フソバクテリウム、ポルフィロモナス、シュードモナス、ブドウ球菌及びストレプトコッカスからなる群から選択される属に分類される種である、実施形態2に記載の抗菌組成物。いくつかの実施形態では、細菌生物、真菌生物または原生生物は、1つ以上の従来の抗生物質(例えば、MRSA生物)に対して耐性である。
4.前記細菌生物、真菌生物または原生生物は、アシネトバクター・バウマニ、アクチノバチルス・アクチノミセテムコミタンス、バークホルデリア・セパシア、バークホルデリア・タイランデンシス、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・クルセイ、カンジダ・トロピカリス、クロストリジウム・ディフィシル、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカ、エンテロコッカス・フェシウム、大腸菌、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ポルフィロモナス・ジンジバリス、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、及び肺炎連鎖球菌からなる群から選択される、実施形態3に記載の抗菌組成物。
5.前記抗菌性ペプチドは、微生物バイオフィルムとして増殖する微生物を死滅させるために有効である、実施形態2~4のいずれか1つに記載の抗菌組成物。
6.前記抗菌性ペプチドは、微生物病原体の膜に結合するカチオン性表面を有する両親媒性領域を含む、先行実施形態のいずれかに記載の抗菌組成物。
7.前記抗菌性ペプチドは、ポリプロリンヘリックス構造を含む、先行実施形態のいずれかに記載の抗菌組成物。
8.前記抗菌性ペプチドは、N末端、C末端またはその両方に疎水性テール領域を含み、前記疎水性テール領域が4~10個の疎水性アミノ酸配列を有する、先行実施形態のいずれかに記載の抗菌組成物。
9.前記疎水性テール領域は、配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有する、実施形態8に記載の抗菌組成物。
10.前記抗菌性ペプチドは、2つの両親媒性領域を含む、先行実施形態のいずれかに記載の抗菌組成物。
11.前記2つの両親媒性領域が、リンカーによって一緒に連結されている、実施形態10に記載の抗菌組成物。
12.前記リンカーは、気泡領域またはベータターンを含む、実施形態11に記載の抗菌組成物。
13.前記2つの両親媒性領域は、二量体構造を形成する、実施形態10~12のいずれか1つに記載の抗菌組成物。
14.前記2つの両親媒性領域は、同じアミノ酸配列を有する、実施形態10~13のいずれか1つに記載の抗菌組成物。
15.前記2つの両親媒性領域は、異なるアミノ酸配列を有する、実施形態10~13のいずれか1つに記載の抗菌組成物。
16.前記抗菌性ペプチドは、配列番号:23、25、17、12、13、27、1~6、8、9、14~16、18~22、24、26、28~30からなる群から選択されるアミノ酸配列、配列番号:23、25、17、12、13、27、1~6、8、9、14~16、18~22、24、26、28~30のいずれか1つと異なる5個以下のアミノ酸を有するアミノ酸配列、及び、リンカーによって連結されたそのホモ二量体またはヘテロ二量体を含む、先行実施形態のいずれかに記載の抗菌組成物。
17.実施形態1~16のいずれか1つに記載の抗菌組成物及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
18.経口投与、非経口投与、または局所投与用に製剤化されている、実施形態17に記載の医薬組成物。
19.経口投与のために製剤化され、さらに腸溶コーティングを含む、実施形態18に記載の医薬組成物。
20.ゲル懸濁液、クリーム、マイクロニードルからなる群から選択される形態の局所送達のために製剤化され、包帯または局所パッチに注入される、実施形態18に記載の医薬組成物。
21.さらに、追加の生物活性剤を含む、実施形態17~20のいずれか1つに記載の医薬組成物。
22.前記追加の生物活性剤は、抗菌剤、抗炎症剤、制吐剤、抗鎮痛薬、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態21に記載の医薬組成物。
23.移植可能な医療器具の表面にコーティングされるように製剤化されている、実施形態17に記載の医薬組成物。
24.前記医療器具は、外科器具及び留置医療器具からなる群から選択される、実施形態23に記載の医薬組成物。
25.微生物感染の治療または予防をそれを必要とする対象に対して行う方法であって、実施形態17~24のいずれか1つに記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
26.前記医薬組成物は、前記対象に経口的、非経口的、または局所的に投与される、実施形態25に記載の方法。
27.前記医薬組成物が、医療器具を前記対象に挿入する前に、前記医薬組成物を前記医療器具の表面に適用することによって、前記対象に投与される、実施形態25に記載の方法。
28.前記対象は、ヒト、家畜、農場動物及び動物園動物からなる群から選択される実施形態25~27のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、好ましい実施形態に関して前述してきたが、それに限定されないことも当業者であれば認識するであろう。前述した本発明の様々な特徴及び態様は、個別にまたは一緒に使用することができる。さらに、本発明は、特定の環境での実施に関連してかつ特定の適用に関して説明されているが、当業者であれば、その有用性はそれに限定されず、本発明は、様々な環境及び実施においても有利に使用することができると認識するであろう。したがって、以下に記載される特許請求の範囲は、本明細書に開示される本発明の全容及び主旨を考慮して解釈されるべきである。
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従い、本願は2015年3月23日に出願された米国仮特許出願第62/137,206号に対する優先権の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれている。

Claims (20)

  1. 抗菌性ペプチドを含む抗菌組成物であって、
    前記抗菌性ペプチドは、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)を含んでいる
    ことを特徴とする抗菌組成物。
  2. 抗菌性ペプチドを含む抗菌組成物であって、
    前記抗菌性ペプチドは、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする抗菌組成物。
  3. 抗菌性ペプチドを含む抗菌組成物であって、
    前記抗菌性ペプチドは、長さが35個以下のアミノ酸残基であり、式2に従うアミノ酸配列を有する両親媒性領域を含んでおり、
    YYXXYYXXYXXYYXXYYX(式2)
    (式中、各Yは疎水性残基であり、各Xは独立して親水性アミノ酸残基である)
    前記親水性アミノ酸残基Xはすべてオルニチン残基であり、
    前記疎水性アミノ酸残基Yのそれぞれは、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、イソロイシン残基、ロイシン残基、バリン残基、メチオニン残基、システイン残基、スレオニン残基、セリン残基、アラニン残基、プロリン残基、グリシン残基、セレノシステイン残基、N-ホルミルメチオニン残基、ノルロイシン残基、及びノルバリン残基からなる群から選択される一つのアミノ酸残基である
    ことを特徴とする抗菌組成物。
  4. 前記抗菌性ペプチドは、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)を含むことを特徴とする請求項に記載の抗菌組成物。
  5. 前記抗菌性ペプチドは、N末端、C末端またはその両方に疎水性テール領域をさらに含み、前記疎水性テール領域が4~10個の疎水性アミノ酸の配列を有することを特徴とする請求項に記載の抗菌組成物。
  6. 前記疎水性テール領域は、配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とする請求項に記載の抗菌組成物。
  7. 前記抗菌性ペプチドは、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項に記載の抗菌組成物。
  8. アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む1つの抗菌性ペプチドと、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)と少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むもう1つの抗菌性ペプチドとがリンカーによって連結されている、ホモ二量体またはヘテロ二量体を含むことを特徴とする請求項2または7に記載の抗菌組成物。
  9. 前記抗菌性ペプチドは、アミノ酸配列RP-444(配列番号:23)と少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の抗菌組成物。
  10. 前記抗菌性ペプチドは、少なくとも1つの細菌生物、真菌生物または原生生物を死滅させるために有効であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の抗菌組成物。
  11. 前記抗菌性ペプチドは、微生物病原体の膜に結合するカチオン性表面を有する両親媒性領域を含むことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の抗菌組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の抗菌組成物及び薬学的に許容される担体を含むことを特徴とする医薬組成物。
  13. 経口投与のために製剤化され、さらに腸溶コーティングを含むことを特徴とする請求項12に記載の医薬組成物。
  14. ゲル懸濁液、クリーム、マイクロニードルから選択される形態の局所送達のために製剤化され、包帯または局所パッチに注入されることを特徴とする請求項12に記載の医薬組成物。
  15. さらに、追加の生物活性剤を含むことを特徴とする請求項12に記載の医薬組成物。
  16. 前記追加の生物活性剤は、抗菌剤、抗炎症剤、制吐剤、抗鎮痛薬、及びこれらの組み合わせから選択されることを特徴とする請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 移植可能な医療器具の表面にコーティングされるように製剤化されていることを特徴とする請求項12に記載の医薬組成物。
  18. 微生物感染の治療または予防のための医薬を製造する際の請求項1217のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  19. 前記医薬は、経口的、非経口的、または局所的な調剤形式に製造されることを特徴とする請求項18に記載の使用。
  20. 前記医薬は、医療器具の表面に適用されることを特徴とする請求項18に記載の使用。
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