JP7265754B2 - 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 - Google Patents
多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7265754B2 JP7265754B2 JP2019042767A JP2019042767A JP7265754B2 JP 7265754 B2 JP7265754 B2 JP 7265754B2 JP 2019042767 A JP2019042767 A JP 2019042767A JP 2019042767 A JP2019042767 A JP 2019042767A JP 7265754 B2 JP7265754 B2 JP 7265754B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- producing
- reaction
- cellulose
- lignin
- polysaccharide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/54—Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
(2)前記多糖類が、セルロースである上記(1)に記載の多糖類誘導体の製造方法。
(3)前記反応が、酸素の存在下で行われる上記(1)又は(2)に記載の多糖類誘導体の製造方法。
(4)前記アルデヒドが、α,β-不飽和アルデヒドであり、酸化剤を別途使用せずに反応が行われる上記(1)又は(2)に記載の多糖類誘導体の製造方法。
(5)前記α,β-不飽和アルデヒドが、シンナムアルデヒドである上記(4)に記載の多糖類誘導体の製造方法。
(6)カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種の前記イオン液体を、反応中に生成させる上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の多糖類誘導体の製造方法。
(7)リグニンを含む原料を、カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種のイオン液体に溶解させ、アルデヒドと酸化的に反応させる工程を含むリグニン誘導体の製造方法。
(8)前記反応が、酸素の存在下で行われる上記(7)に記載のリグニン誘導体の製造方法。
(9)前記アルデヒドが、α,β-不飽和アルデヒドであり、酸化剤を別途使用せずに反応が行われる上記(8)に記載のリグニン誘導体の製造方法。
(10)前記α,β-不飽和アルデヒドが、シンナムアルデヒドである上記(9)に記載のリグニン誘導体の製造方法。
(11)カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種の前記イオン液体を、反応中に生成させる上記(7)~(10)のいずれか一つに記載のリグニン誘導体の製造方法。
まず、多糖類誘導体の製造方法について述べる。本実施形態に係る多糖類誘導体の製造方法は、多糖類を含む原料を、特定のイオン液体に溶解させ、アルデヒドと酸化的に反応させる工程を含む。
1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート(EmimOAc)、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムアセテート、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム2-ピリドネート(EmimOPy)、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム3-フェニルプロピオネート(EmimPPA)等。
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])を1-エチル-3-メチルイミダゾリウム2-ピリドネート(EmimOPy)(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シンナムアルデヒド(587mg、4.44mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を220mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のセルロースフェニルプロピオン酸エステルであることが確認された。置換度は3.0であった。
IR (ATR, cm-1) 1729.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.0-6.5(br), 5.5-3.0(br), 3.0-2.5 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])を1-エチル-3-メチルイミダゾリウムアセテート(EmimOAc)(378mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シンナムアルデヒド(293mg、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を182mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物はセルロースフェニルプロピオン酸酢酸エステルであることが確認された。目的のフェニルプロピオン酸の置換度は1.0、酢酸の置換度は0.1であった。
IR (ATR, cm-1) 1729.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.0-6.5 (br), 5.5-3.0 (br), 3.0-2.5 (br), 2.2-1.7 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ノネナール(622mg、4.44mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を295mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のセルロースエステルであることが確認された。回収物は目的のセルロースノナン酸エステルであることが確認された。置換度は2.8であった。
IR (ATR, cm-1) 1742.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 5.5-3.0 (br), 2.5-0.6 (br).
参考文献:Bode et al., Org. Lett., 2005, 7, 3873-3876.
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])を80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースは溶液に溶解していないことを確認し、2-メシチル-2,5,6,7-テトラヒドロピロロ[2,1-c][1,2,4]トリアゾール-4-イウムクロライド(29.0mg、0.11mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(28.4mg、0.22mmol)、シンナムアルデヒド(293mg、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を82.9mg得た。IR測定の解析結果から、エステル基に由来するピークは殆ど観測されず、回収物は出発原料のセルロースであることが確認された。
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])を1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド(BmimCl)(388mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で1時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シンナムアルデヒド(559μL、4.44mmol)及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU、102mg、0.67mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を236mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のセルロースフェニルプロピオン酸エステルであることが確認された。置換度は1.6であった。
IR (ATR, cm-1) 1729.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.0-6.5 (br), 5.5-3.0 (br), 3.0-2.5 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シナモン精油(シンナムアルデヒド含有、濃度73重量%)(823μL)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を237mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のセルロースフェニルプロピオン酸エステルであることが確認された。置換度は2.9であった。
IR (ATR, cm-1) 1729.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.0-6.5 (br), 5.5-3.0 (br), 3.0-2.5 (br).
20mLシュレンク管内で、アミロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、アミロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シナモン精油(シンナムアルデヒド含有、濃度73重量%)(823μL)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を307mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のアミロースフェニルプロピオン酸エステルであることが確認された。置換度は3.0であった。
IR (ATR, cm-1) 1739.;1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ; 7.5-6.5 (br), 5.5-3.0 (br), 3.0-2.0 (br).
20mLシュレンク管内で、リグニン(363mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、リグニンが均一に溶液に溶解していることを確認し、シナモン精油(シンナムアルデヒド含有、濃度73重量%)(823μL)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を410mg得た。IR測定の解析結果から、回収物は目的のエステル構造が導入されていることが確認された。
IR (ATR, cm-1) 1733.
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器に乾燥処理を行った空気を充填したバルーンを取り付け、容器内部を空気で置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ベンズアルデヒド(226μL、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を118mg得た。IR及び1H NMR測定の解析結果から、回収物は目的のセルロース安息香酸エステルであることが確認された。置換度は1.4であった。
IR (ATR, cm-1) 1714.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.3-6.9 (br), 5.8-3.0 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOAc(378mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器に酸素を充填したバルーンを取り付け、容器内部を酸素で置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ベンズアルデヒド(226μL、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を113mg得た。回収物の溶解性が低いためアセチル化処理を行った後に、IR及び1H NMR測定を行った。解析結果から、アセチル化前の回収物は目的のセルロース安息香酸エステルであることが確認された。置換度は0.6であった。
IR (ATR, cm-1) 1711.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.2-7.0 (br), 5.5-3.0 (br), 2.2-1.5 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOAc(378mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器に酸素を充填したバルーンを取り付け、容器内部を酸素で置換し、脱水DMF(3.44mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ベンズアルデヒド(226μL、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を139mg得た。回収物の溶解性が低いためアセチル化処理を行った後に、IR及び1H NMR測定を行った。解析結果から、アセチル化前の回収物は目的のセルロース安息香酸エステルであることが確認された。置換度は0.4であった。
IR (ATR, cm-1) 1711.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 8.2-7.0 (br),5.6-3.0 (br), 2.2-1.5 (br).
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])を1-エチル-3-メチルイミダゾリウムクロライド(EmimCl)(325mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器に酸素を充填したバルーンを取り付け、容器内部を酸素で置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ベンズアルデヒド(226μL、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を102mg得た。IR測定の解析結果から、エステル基に由来するピークは殆ど観測されず、回収物は出発原料のセルロースであることが確認された。
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOAc(378mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器にアルゴンガスを充填したバルーンを取り付け、容器内部をアルゴンで置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、ベンズアルデヒド(226μL、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を102mg得た。IR測定の解析結果から、エステル基に由来するピークは殆ど観測されず、回収物は出発原料のセルロースであることが確認された。
20mLシュレンク管内で、セルロース(120mg、2.22mmol=[OH])をEmimOPy(456mg、2.22mmol)に溶解させ、80℃で3時間減圧乾燥を行った。反応容器に乾燥処理を行った空気を充填したバルーンを取り付け、容器内部を空気で置換し、脱水DMSO(3.15mL、44.4mmol)を加えて60℃で3時間撹拌した。撹拌後、セルロースが均一に溶液に溶解していることを確認し、シトロネラール(342mg、2.22mmol)を反応溶液中へ加え、60℃で24時間撹拌した。反応溶液を過剰量のメタノールに加えることで不溶分を析出させ、ろ過後さらにメタノールを用いて洗浄した後に回収した。減圧条件下60℃で一晩不溶分を乾燥させることで、固体を65mg得た。回収物の溶解性が低いためアセチル化処理を行った後に、IR及び1H NMR測定を行った。解析結果から、アセチル化前の回収物は目的のセルロースシトロネル酸エステルであることが確認された。置換度は0.1であった。
IR (ATR, cm-1) 1728.;1H NMR (600 MHz, Acetone-d6) δ; 5.5-3.0 (br), 2.2-0.7 (br).
Claims (11)
- 多糖類を含む原料を、カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種のイオン液体に溶解させ、アルデヒドと酸化的に反応させる工程を含む多糖類誘導体の製造方法。
- 前記多糖類が、セルロースである請求項1に記載の多糖類誘導体の製造方法。
- 前記反応が、酸素の存在下で行われる請求項1又は2に記載の多糖類誘導体の製造方法。
- 前記アルデヒドが、α,β-不飽和アルデヒドであり、酸化剤を別途使用せずに反応が行われる請求項1又は2に記載の多糖類誘導体の製造方法。
- 前記α,β-不飽和アルデヒドが、シンナムアルデヒドである請求項4に記載の多糖類誘導体の製造方法。
- カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種の前記イオン液体を、反応中に生成させる請求項1~5のいずれか一項に記載の多糖類誘導体の製造方法。
- リグニンを含む原料を、カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種のイオン液体に溶解させ、アルデヒドと酸化的に反応させる工程を含むリグニン誘導体の製造方法。
- 前記反応が、酸素の存在下で行われる請求項7に記載のリグニン誘導体の製造方法。
- 前記アルデヒドが、α,β-不飽和アルデヒドであり、酸化剤を別途使用せずに反応が行われる請求項8に記載のリグニン誘導体の製造方法。
- 前記α,β-不飽和アルデヒドが、シンナムアルデヒドである請求項9に記載のリグニン誘導体の製造方法。
- カチオンがアゾリウムイオンであり且つアニオンの共役酸の真空中におけるpKaが1以上である少なくとも1種の前記イオン液体を、反応中に生成させる請求項7~10のいずれか一項に記載のリグニン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019042767A JP7265754B2 (ja) | 2019-03-08 | 2019-03-08 | 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019042767A JP7265754B2 (ja) | 2019-03-08 | 2019-03-08 | 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020143250A JP2020143250A (ja) | 2020-09-10 |
JP7265754B2 true JP7265754B2 (ja) | 2023-04-27 |
Family
ID=72353278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019042767A Active JP7265754B2 (ja) | 2019-03-08 | 2019-03-08 | 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7265754B2 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007007635A (ja) | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Lee Chang Yung Chemical Industry Corp | カルボン酸エステルを製造するための触媒及び該触媒を使用したカルボン酸エステルの製造方法 |
WO2009054462A1 (ja) | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 複合粒子担持物、該複合粒子担持物の製造方法、及び該複合粒子担持物を化学合成用の触媒として用いた化合物の製造方法 |
JP2010104768A (ja) | 2008-10-02 | 2010-05-13 | Kri Inc | 多糖類ナノファイバーとその製造方法、多糖類ナノファイバー含むイオン液体溶液と複合材料 |
JP2011074113A (ja) | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Toray Ind Inc | セルロース混合エステルおよびその製造方法 |
JP2011184816A (ja) | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Olympus Corp | セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体 |
JP2012519740A (ja) | 2009-03-06 | 2012-08-30 | フラウンホーファー − ゲゼルシャフト ツル フェーデルング デル アンゲヴァントテン フォルシュング エー.ファォ. | 多糖誘導体の調製方法 |
WO2012133003A1 (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-04 | 独立行政法人理化学研究所 | セルロース誘導体のエステル化物およびその製造方法 |
JP2012207136A (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Institute Of Physical & Chemical Research | 多糖のエステル化物または多糖誘導体のエステル化物およびその製造方法 |
-
2019
- 2019-03-08 JP JP2019042767A patent/JP7265754B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007007635A (ja) | 2005-07-01 | 2007-01-18 | Lee Chang Yung Chemical Industry Corp | カルボン酸エステルを製造するための触媒及び該触媒を使用したカルボン酸エステルの製造方法 |
WO2009054462A1 (ja) | 2007-10-26 | 2009-04-30 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 複合粒子担持物、該複合粒子担持物の製造方法、及び該複合粒子担持物を化学合成用の触媒として用いた化合物の製造方法 |
JP2010104768A (ja) | 2008-10-02 | 2010-05-13 | Kri Inc | 多糖類ナノファイバーとその製造方法、多糖類ナノファイバー含むイオン液体溶液と複合材料 |
JP2012519740A (ja) | 2009-03-06 | 2012-08-30 | フラウンホーファー − ゲゼルシャフト ツル フェーデルング デル アンゲヴァントテン フォルシュング エー.ファォ. | 多糖誘導体の調製方法 |
JP2011074113A (ja) | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Toray Ind Inc | セルロース混合エステルおよびその製造方法 |
JP2011184816A (ja) | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Olympus Corp | セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体 |
WO2012133003A1 (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-04 | 独立行政法人理化学研究所 | セルロース誘導体のエステル化物およびその製造方法 |
JP2012207136A (ja) | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Institute Of Physical & Chemical Research | 多糖のエステル化物または多糖誘導体のエステル化物およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020143250A (ja) | 2020-09-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6799259B2 (ja) | 多糖類誘導体及びリグニン誘導体の製造方法 | |
Gharehkhani et al. | Lignin-derived platform molecules through TEMPO catalytic oxidation strategies | |
JP5492349B2 (ja) | ギ酸を触媒的に製造する方法 | |
US8110667B2 (en) | Method for conversion of carbohydrate polymers to value-added chemical products | |
Yang et al. | Activating cellulose via its reversible reaction with CO 2 in the presence of 1, 8-diazabicyclo [5.4. 0] undec-7-ene for the efficient synthesis of cellulose acetate | |
Durand et al. | Evaluation of deep eutectic solvent–water binary mixtures for lipase-catalyzed lipophilization of phenolic acids | |
Ge et al. | Progress on chemical modification of cellulose in “green” solvents | |
Wolfs et al. | A more sustainable synthesis approach for cellulose acetate using the DBU/CO 2 switchable solvent system | |
JP2013507358A (ja) | 2,5−フランジカルボン酸及びそのエステルを調製する方法 | |
JP7054503B2 (ja) | セルロース誘導体、ヘミセルロース誘導体及びリグニン誘導体の製造方法 | |
US20180237371A1 (en) | Method of catalytic oxidation of lignite using oxygen as oxidant at atmospheric pressure | |
Chen et al. | Aerobic oxidation of starch catalyzed by isopolyoxovanadate Na4Co (H2O) 6V10O28 | |
Shi et al. | Product-oriented decomposition of lignocellulose catalyzed by novel polyoxometalates-ionic liquid mixture | |
Goswami et al. | Catalyst-free esterification of high amylose starch with maleic anhydride in 1-butyl-3-methylimidazolium chloride: the effect of amylose content on the degree of MA substitution | |
KR20160136849A (ko) | 2,5-푸란디카르복실산의 제조 방법 | |
JP7265754B2 (ja) | 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 | |
JP7223406B2 (ja) | 多糖類誘導体の製造方法、及びリグニン誘導体の製造方法 | |
WO2005058972A1 (en) | Process for the oxidation of hydroxy compounds by means of nitroxy compounds | |
Sun et al. | Succinoylation of wheat straw hemicelluloses with a low degree of substitution in aqueous systems | |
JP2013139557A (ja) | セルロース水溶液の製造方法およびセルロース誘導体の製造方法 | |
JP2023112188A (ja) | 多糖類エステル化物の製造方法 | |
US20050121159A1 (en) | Process for the oxidation of hydroxy compounds by means of nitroxy compounds | |
EP3891120B1 (en) | A process for the production of oxidized wood products | |
EP1541552B1 (en) | Process for the recovery of nitroxy compounds from organic solutions and oxidation process | |
Ramírez‐Arreola et al. | Rapid starch acetylation at low temperature using iodine as catalyst |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20210721 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230404 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230410 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7265754 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |