JP7263973B2 - 造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、造形物の製造方法に関する。
基材シートと熱膨張性微小球を含む被覆層とを有し、所定の画像を光吸収特性に優れた画像形成材料で形成された熱膨張性シートに、光を照射して、選択的に画像部分を加熱することによって、被覆層の熱膨張性微小球を膨張させて、立体画像を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1では、画像形成材料が発する熱により、熱膨張性微小球を加熱するので、画像の周辺部分にも熱が伝導して、画像に対応する被覆層の熱膨張性微小球だけでなく、画像の周辺の被覆層の熱膨張性微小球も加熱される。これにより、画像の周辺の被覆層も隆起するので、立体画像(凸部)のエッジ部分に鈍り(裾引き)が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、凹凸のエッジ部分の鈍りを抑制された造形物を製造できる、造形物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る造形物の製造方法は、
基材と、バインダと熱膨張材料とを含み前記基材の第1主面に積層された熱膨張層と、を備える成形シートを準備する準備工程と、
前記基材の前記第1主面と反対側の第2主面又は前記熱膨張層の上に、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と、第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含むインクを、所定のパターンで塗布する塗布工程と、
前記インクを塗布された前記成形シートに前記第1電磁波を照射することにより、前記熱変換材料と硬化した前記樹脂とを含む熱変換層を形成すると共に、前記熱膨張層の前記所定のパターンに対応する第1領域以外の第2領域に含まれる前記バインダを架橋させる、第1照射工程と、
前記熱変換層を形成された前記成形シートに前記第2電磁波を照射して、前記熱膨張層の前記第1領域を膨張させる第2照射工程と、を含む。
基材と、バインダと熱膨張材料とを含み前記基材の第1主面に積層された熱膨張層と、を備える成形シートを準備する準備工程と、
前記基材の前記第1主面と反対側の第2主面又は前記熱膨張層の上に、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と、第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含むインクを、所定のパターンで塗布する塗布工程と、
前記インクを塗布された前記成形シートに前記第1電磁波を照射することにより、前記熱変換材料と硬化した前記樹脂とを含む熱変換層を形成すると共に、前記熱膨張層の前記所定のパターンに対応する第1領域以外の第2領域に含まれる前記バインダを架橋させる、第1照射工程と、
前記熱変換層を形成された前記成形シートに前記第2電磁波を照射して、前記熱膨張層の前記第1領域を膨張させる第2照射工程と、を含む。
本発明によれば、凹凸のエッジ部分の鈍りを抑制された造形物を製造できる。
以下、本発明の実施形態に係る造形物の製造方法について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本実施形態では、成形シート10から造形物100を製造する。造形物100は、加飾シート、壁紙等として使用される。本明細書において、「造形物」は所定の面に凹凸を造型(形成)されているシートであり、凹凸は、幾何学形状、文字、模様、装飾等を構成する。ここで、「装飾」とは、視覚及び/又は触覚を通じて美感を想起させるものである。「造形(又は造型)」は、形のあるものを作り出すことを意味し、装飾を加える加飾、装飾を形成する造飾のような概念をも含む。また、本実施形態の造形物100は、所定の面に凹凸を有する立体物であるが、いわゆる3Dプリンタにより製造された立体物と区別するため、本実施形態の造形物100を2.5次元(2.5D)オブジェクト又は疑似三次元(Pseudo-3D)オブジェクトとも呼ぶ。本実施形態の造形物100を製造する技術は、2.5D印刷技術又はPseudo-3D印刷技術とも呼べる。
本実施形態では、成形シート10から造形物100を製造する。造形物100は、加飾シート、壁紙等として使用される。本明細書において、「造形物」は所定の面に凹凸を造型(形成)されているシートであり、凹凸は、幾何学形状、文字、模様、装飾等を構成する。ここで、「装飾」とは、視覚及び/又は触覚を通じて美感を想起させるものである。「造形(又は造型)」は、形のあるものを作り出すことを意味し、装飾を加える加飾、装飾を形成する造飾のような概念をも含む。また、本実施形態の造形物100は、所定の面に凹凸を有する立体物であるが、いわゆる3Dプリンタにより製造された立体物と区別するため、本実施形態の造形物100を2.5次元(2.5D)オブジェクト又は疑似三次元(Pseudo-3D)オブジェクトとも呼ぶ。本実施形態の造形物100を製造する技術は、2.5D印刷技術又はPseudo-3D印刷技術とも呼べる。
(成形シート)
まず、図1を参照して、成形シート10を説明する。成形シート10は、図1に示すように、基材20と基材20の第1主面22の上に積層された熱膨張層30とを備える。本実施形態では、熱膨張層30は第1主面22の全面に積層されている。
まず、図1を参照して、成形シート10を説明する。成形シート10は、図1に示すように、基材20と基材20の第1主面22の上に積層された熱膨張層30とを備える。本実施形態では、熱膨張層30は第1主面22の全面に積層されている。
成形シート10の基材20は、熱膨張層30を積層される第1主面22と、第1主面22と反対側の第2主面24とを有する。基材20は熱膨張層30を支持する。基材20は、例えば、シート状に形成される。基材20を構成する材料は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等)等の熱可塑性樹脂である。基材20を構成する材料の種類と基材20の厚さは、造形物100の用途に応じて選択される。
成形シート10の熱膨張層30は、基材20の第1主面22の上に積層される。熱膨張層30は、バインダ31と、バインダ31中に分散された熱膨張材料(すなわち、膨張前の熱膨張材料)32aと、図示しない重合開始剤とを含む。
バインダ31は、酢酸ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー等の任意の熱可塑性樹脂である。バインダ31は、後述する第1電磁波の照射により架橋される。
熱膨張材料32aは、例えば、熱膨張性マイクロカプセルであり、所定の温度以上(例えば、80℃~120℃以上)に加熱されることにより、加熱される熱量(具体的には、加熱温度、加熱時間等)に応じた大きさに膨張する。熱膨張性マイクロカプセルは、プロパン、ブタン、その他の低沸点物質から構成された発泡剤を、熱可塑性樹脂製の殻内に包み込んだマイクロカプセルである。熱膨張性マイクロカプセルの殻は、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、これらの共重合体等の熱可塑性樹脂から形成される。熱膨張性マイクロカプセルは、所定の温度以上に加熱されると、殻が軟化すると共に発泡剤が気化し、発泡剤が気化した圧力により、殻がバルーン状に膨張する。熱膨張性マイクロカプセルは、膨張前の粒径の5倍程度まで膨張する。膨張前の熱膨張性マイクロカプセルの平均粒径は、例えば、5μm~50μmである。
重合開始剤は、第1電磁波の照射により、バインダ31を架橋させる。重合開始剤は、例えば、紫外(UV)光の照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤(ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物等)である。重合開始剤は、例えば、バインダ31に対して0.1重量%~5.0重量%添加される。
成形シート10の熱膨張層30は、熱膨張材料32aの膨張により膨張され、基材20と反対側の面35に、後述する凹凸110を形成される。
(造形物)
次に、図2、図3を参照して、造形物100を説明する。造形物100は、図2、図3に示すように、基材20と、基材20の第1主面22の上に積層され、基材20と反対側に凹凸110を有する熱膨張層30と、基材20の第2主面24の上に積層された熱変換層130とを備える。
次に、図2、図3を参照して、造形物100を説明する。造形物100は、図2、図3に示すように、基材20と、基材20の第1主面22の上に積層され、基材20と反対側に凹凸110を有する熱膨張層30と、基材20の第2主面24の上に積層された熱変換層130とを備える。
造形物100は、シート状の造形物であり、表面に凹凸110を有している。造形物100の基材20の構成は成形シート10の基材20と同様であるので、ここでは、造形物100の熱膨張層30と熱変換層130について、説明する。
造形物100の熱膨張層30は、図3に示すように、バインダ31と、熱膨張材料(すなわち、膨張前の熱膨張材料)32aと、膨張済みの熱膨張材料32bとを含んでいる。造形物100の熱膨張層30のバインダ31は、凹部114(すなわち、後述する第2領域30b)に含まれているバインダ31が架橋していることを除き、成形シート10の熱膨張層30のバインダ31と同様である。また、造形物100の熱膨張層30の熱膨張材料32aは、成形シート10の熱膨張層30の熱膨張材料32aと同様である。膨張済みの熱膨張材料32bは、熱膨張材料32aが所定の温度以上に加熱されて膨張した、熱膨張材料である。熱膨張層30の凹凸110は、膨張済みの熱膨張材料32bを含む凸部112と、膨張前の熱膨張材料32aを含む凹部114とから構成されている。
造形物100の熱変換層130は、凹凸110を形成するために設けられる。熱変換層130は、基材20の第2主面24の上に、熱膨張層30の凹凸110に対応した所定のパターンで積層される。
熱変換層130は、第1電磁波の照射により硬化した樹脂と、吸収した第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含む。例えば、第1電磁波はUV光であり、第2電磁波は可視光と赤外光である。
硬化した樹脂は、例えば、UV光の照射により硬化したUV硬化樹脂である。熱変換材料は、カーボンブラック、六ホウ化金属化合物、酸化タングステン系化合物等である。例えば、カーボンブラックは、可視光と赤外光を吸収して熱に変換する。また、六ホウ化金属化合物と酸化タングステン系化合物は、赤外光(近赤外光)を吸収して熱に変換する。六ホウ化金属化合物と酸化タングステン系化合物の中では、赤外光(近赤外光)領域で吸収率が高く、かつ可視光領域の透過率が高いことから、六ホウ化ランタン(LaB6)とセシウム酸化タングステンが好ましい。
熱変換層130は、照射された第2電磁波を熱に変換し、変換された熱を放出する。これにより、成形シート10の熱膨張層30は、所定の温度に加熱される。熱膨張材料32aが加熱される温度は、後述する熱変換材料を含む熱変換層130の濃淡(すなわち熱変換材料の密度又は濃度)と、熱変換層130に照射される第2電磁波の単位面積と単位時間当たりのエネルギー量とにより制御できる。熱変換層130は、成形シート10の他の部分に比べて速やかに、第2電磁波を熱に変換するので、熱変換層130の近傍の熱膨張層30が選択的に加熱される。
(造形物の製造方法)
次に、図4~図7を参照して、造形物100の製造方法を説明する。本実施形態では、シート状(例えば、A4用紙サイズ)の成形シート10から、造形物100を製造する。
次に、図4~図7を参照して、造形物100の製造方法を説明する。本実施形態では、シート状(例えば、A4用紙サイズ)の成形シート10から、造形物100を製造する。
図4は、造形物100の製造方法を示すフローチャートである。造形物100の製造方法は、成形シート10を準備する準備工程(ステップS10)と、成形シート10の基材20の第2主面24の上に、未硬化の樹脂と熱変換材料とを含むインク120を所定のパターンで塗布する塗布工程(ステップS20)と、インク120を塗布された成形シート10に第1電磁波を照射することにより、熱変換材料と硬化した樹脂とを含む熱変換層130を形成すると共に、熱膨張層30の第1領域30a以外の第2領域30bに含まれるバインダ31を架橋させる第1照射工程(ステップS30)と、熱変換層130を形成された成形シート10に第2電磁波を照射して熱膨張層30の第1領域30aを膨張させる第2照射工程(ステップS40)と、を含む。
準備工程(ステップS10)では、成形シート10とインク120とを準備する。インク120は、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含む。ここでは、第1電磁波はUV光であり、第2電磁波は赤外光である。
成形シート10は、例えば、基材20の第1主面22に、バインダ31と熱膨張材料32aとUV光の照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤とを混合した塗布液をスクリーン印刷し、印刷された塗布液を乾燥することにより製造される。インク120は、例えば、未硬化のUV硬化樹脂を含む紫外線硬化型インク(UVインク)に六ホウ化ランタンを混合して、調製される。
塗布工程(ステップS20)では、印刷装置によって、基材20の第2主面24の上に、インク120を凹凸110の凸部112の高さに応じた濃淡パターン(すなわち、凹凸110に対応した所定のパターン)で印刷する。これにより、インク120が、図5に示すように、基材20の第2主面24の上に、凹凸110に対応した所定のパターンで塗布される。印刷装置は、例えば、インクジェットプリンタである。
図4に戻り、第1照射工程(ステップS30)では、インク120を塗布された成形シート10に、インク120を塗布されている側(基材20側)からUV光(第1電磁波)を照射する。これにより、図6に示すように、インク120に含まれる未硬化のUV硬化樹脂が硬化して、六ホウ化ランタン(熱変換材料)と硬化したUV硬化樹脂とを含む熱変換層130が形成される。また、熱膨張層30のインク120の濃淡パターン(所定のパターン)に対応する第1領域30a以外の第2領域30bに含まれるバインダ31が、UV光を吸収した光ラジカル重合開始剤により架橋される。一方、UV光が成形シート10のインク120を塗布されている側から照射されているので、UV光は熱膨張層30のインク120の濃淡パターンに対応する第1領域30aに届かない。したがって、熱膨張層30のインク120の濃淡パターンに対応する第1領域30aに含まれるバインダ31は、架橋されない。
図4に戻り、第2照射工程(ステップS40)では、熱変換層130を形成された成形シート10に赤外光(第2電磁波)を照射する。これにより、熱変換層130は赤外光を熱に変換し、変換された熱を放出する。そして、図7に示すように、熱膨張層30のインク120の濃淡パターンに対応する第1領域30aが膨張して、凸部112と凹部114(すなわち、凹凸110)が形成される。
本実施形態では、熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31が架橋されているので、所定の温度以上に加熱する熱が第2領域30bに伝導されても、架橋されたバインダ31が、第2領域30bの熱膨張材料32aの膨張を妨げ、第2領域30bの膨張を抑える。したがって、凹凸110のエッジ部分の鈍りを抑制できる。例えば、バインダ31と熱膨張材料32aとを含み重合開始剤を含まない熱膨張層と、水性インクと熱変換材料とを含むインクから形成された熱変換層240とを備える成形シートに、第2電磁波を照射した場合に生じる、図8に示すような凹凸のエッジ部分の鈍り250を抑制できる。
以上により、造形物100を製造できる。
以上により、造形物100を製造できる。
以上のように、本実施形態の製造方法は、インク120から熱変換層130を形成すると共に、凹凸110の凹部114に対応する熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31を架橋させるので、熱膨張層30の第2領域30bの膨張を抑えて、凹凸110のエッジ部分の鈍りを抑制された造形物100を製造できる。また、本実施形態では、熱変換層130が基材20の第2主面24に形成されるので、熱変換層130の色彩を考慮せずに、熱膨張層30の上に容易にカラー印刷を施すことができる。例えば、熱膨張層30の上に、シアンとマゼンタとイエローとブラックの4色のインクから構成され、カラー画像を表すカラーインク層を積層してもよい。さらに、熱膨張層30のバインダ31が架橋されているので、製造された造形物100の耐熱性を向上させることができる。
<実施形態2>
実施形態1では、熱変換層130が基材20の第2主面24の上に積層されているが、熱変換層130は熱膨張層30の上に積層されてもよい。
実施形態1では、熱変換層130が基材20の第2主面24の上に積層されているが、熱変換層130は熱膨張層30の上に積層されてもよい。
本実施形態の成形シート10は、実施形態1の成形シート10と同様であるので、造形物100と造形物100の製造方法について説明する。
本実施形態の造形物100は、図9、図10に示すように、基材20と、基材20の第1主面22の上に積層され、基材20と反対側に凹凸110を有する熱膨張層30と、熱膨張層30の上に積層された熱変換層130とを備える。
本実施形態の造形物100は、実施形態1の造形物100と同様に、シート状の造形物であり、表面に凹凸110を有している。凹凸110は、実施形態1の凹凸110と同様に、凸部112と凹部114とから構成されている。本実施形態の造形物100の基材20と熱膨張層30の構成は、実施形態1と同様であるので、熱変換層130について説明する。
造形物100の熱変換層130は、熱膨張層30の凸部112の上に設けられている。熱変換層130は、凹凸110を形成するために、成形シート10の熱膨張層30の上に、凹凸110に対応したパターンで積層されている。熱変換層130は、実施形態1の熱変換層130と同様に、第1電磁波の照射により硬化した樹脂と、吸収した第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含んでいる。
次に、本実施形態の造形物100の製造方法を説明する。図11は、本実施形態の造形物100の製造方法を示すフローチャートである。造形物100の製造方法は、成形シート10を準備する準備工程(ステップS10)と、成形シート10の熱膨張層30の上に、未硬化の樹脂と熱変換材料とを含むインク120を所定のパターンで塗布する塗布工程(ステップS20)と、インク120を塗布された成形シート10に第1電磁波を照射することにより、熱変換層130を形成すると共に、熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31を架橋させる第1照射工程(ステップS30)と、熱変換層130を形成された成形シート10に第2電磁波を照射して熱膨張層30の第1領域30aを膨張させる第2照射工程(ステップS40)と、を含む。
準備工程(ステップS10)では、実施形態1と同様に、成形シート10とインク120とを準備する。
塗布工程(ステップS20)では、印刷装置によって、成形シート10の熱膨張層30の上に、インク120を凹凸110の凸部112の高さに応じた濃淡パターン(凹凸110に対応した所定のパターン)で印刷する。これにより、インク120が、図12に示すように、熱膨張層30の上に凹凸110に対応した所定のパターンで塗布される。
図11に戻り、第1照射工程(ステップS30)では、インク120を塗布された成形シート10に、インク120を塗布されている側(熱膨張層30側)からUV光(第1電磁波)を照射する。これにより、図13に示すように、インク120に含まれる未硬化のUV硬化樹脂が硬化して、六ホウ化ランタン(熱変換材料)と硬化したUV硬化樹脂とを含む熱変換層130が形成される。また、実施形態1と同様に、また、熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31が、架橋される。一方、UV光が成形シート10のインク120を塗布されている側から照射されているので、熱膨張層30の第1領域30aに含まれるバインダ31は、架橋されない。
図11に戻り、第2照射工程(ステップS40)では、実施形態1と同様に、熱変換層130を形成された成形シート10に赤外光(第2電磁波)を照射する。これにより、実施形態1と同様に、熱膨張層30の第1領域30aが膨張する。そして、図14に示すように、凹凸110が形成される。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31が架橋されているので、所定の温度以上に加熱する熱が第2領域30bに伝導されても、架橋されたバインダ31が、第2領域30bの熱膨張材料32aの膨張を妨げ、第2領域30bの膨張を抑える。したがって、凹凸110のエッジ部分の鈍りを抑制できる。
以上により、造形物100を製造できる。
以上により、造形物100を製造できる。
以上のように、本実施形態の製造方法は、実施形態1の製造方法と同様に、インク120から熱変換層130を形成すると共に、凹凸110の凹部114に対応する熱膨張層30の第2領域30bに含まれるバインダ31を架橋させる。したがって、本実施形態の製造方法は、熱膨張層30の第2領域30bの膨張を抑えて、凹凸110のエッジ部分の鈍りを抑制された造形物100を製造できる。また、本実施形態では、熱変換層130が熱膨張層30の上に積層されるので、本実施形態の製造方法は、基材20の材質(基材20の熱伝導率)に依らず、速やかに熱膨張層30(熱膨張材料32a)を加熱できる。さらに、熱膨張層30のバインダ31が架橋されているので、製造された造形物100の耐熱性を向上させることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、造形物100はロール状の成形シート10からロール状に製造されてもよい。また、基材20を構成する材料は、熱可塑性樹脂に限らず、紙、布等であってもよい。基材20を構成する熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂とポリエステル系樹脂に限らず、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂、ポリイミド系樹脂等であってもよい。
成形シート10の熱膨張層30に含まれる重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤に限られず、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤等であってもよい。
また、成形シート10の熱膨張層30は重合開始剤を含まなくともよい。この場合、成形シート10の熱膨張層30の凹部114に対応する第2領域30bでは、第1電磁波の照射により、ラジカルがバインダ31に生じて、バインダ31が架橋されるので、凹凸110のエッジ部分の鈍りを抑制された造形物100を製造できる。
造形物100の製造方法では、第2照射工程(ステップS40)の後に、インク120を塗布されていない側から、第1電磁波を熱膨張層30に照射してもよい。これにより、熱膨張層30の第1領域30aに含まれるバインダ31が、光ラジカル重合開始剤により架橋されるので、製造された造形物100の耐熱性をさらに向上させることができる。
熱変換層130は、基材20の第2主面24又は熱膨張層30の上に設けられた剥離層に積層されてもよい。これにより、造形物100から剥離層を剥離して、造形物100から熱変換層130を除去できる。
成形シート10と造形物100は、各層の間に他の任意の材料による層を形成されてもよい。例えば、基材20と熱膨張層30との間に、基材20と熱膨張層30とをより密着させる密着層が形成されてもよい。密着層は、例えば、表面改質剤から構成される。
また、実施形態2の造形物100は、実施形態1の造形物100と同様に、カラー画像を表すカラーインク層を積層されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
基材と、バインダと熱膨張材料とを含み前記基材の第1主面に積層された熱膨張層と、を備える成形シートを準備する準備工程と、
前記基材の前記第1主面と反対側の第2主面又は前記熱膨張層の上に、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と、第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含むインクを、所定のパターンで塗布する塗布工程と、
前記インクを塗布された前記成形シートに前記第1電磁波を照射することにより、前記熱変換材料と硬化した前記樹脂とを含む熱変換層を形成すると共に、前記熱膨張層の前記所定のパターンに対応する第1領域以外の第2領域に含まれる前記バインダを架橋させる、第1照射工程と、
前記熱変換層を形成された前記成形シートに前記第2電磁波を照射して、前記熱膨張層の前記第1領域を膨張させる第2照射工程と、を含む、
造形物の製造方法。
基材と、バインダと熱膨張材料とを含み前記基材の第1主面に積層された熱膨張層と、を備える成形シートを準備する準備工程と、
前記基材の前記第1主面と反対側の第2主面又は前記熱膨張層の上に、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と、第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含むインクを、所定のパターンで塗布する塗布工程と、
前記インクを塗布された前記成形シートに前記第1電磁波を照射することにより、前記熱変換材料と硬化した前記樹脂とを含む熱変換層を形成すると共に、前記熱膨張層の前記所定のパターンに対応する第1領域以外の第2領域に含まれる前記バインダを架橋させる、第1照射工程と、
前記熱変換層を形成された前記成形シートに前記第2電磁波を照射して、前記熱膨張層の前記第1領域を膨張させる第2照射工程と、を含む、
造形物の製造方法。
(付記2)
前記熱膨張層が、前記第1電磁波の照射により前記バインダを架橋させる重合開始剤を含む、
付記1に記載の造形物の製造方法。
前記熱膨張層が、前記第1電磁波の照射により前記バインダを架橋させる重合開始剤を含む、
付記1に記載の造形物の製造方法。
(付記3)
前記第1照射工程では、前記成形シートの前記インクを塗布されている側から、前記第1電磁波を照射する、
付記1又は2に記載の造形物の製造方法。
前記第1照射工程では、前記成形シートの前記インクを塗布されている側から、前記第1電磁波を照射する、
付記1又は2に記載の造形物の製造方法。
(付記4)
前記第1電磁波が紫外光であり、前記第2電磁波が赤外光である、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の造形物の製造方法。
前記第1電磁波が紫外光であり、前記第2電磁波が赤外光である、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の造形物の製造方法。
10・・・成形シート、20・・・基材、22・・・基材の第1主面、24・・・基材の第2主面、30・・・熱膨張層、30a・・・第1領域、30b・・・第2領域、31・・・バインダ、32a・・・熱膨張材料(膨張前の熱膨張材料)、32b・・・膨張済みの熱膨張材料、35・・・熱膨張層の基材と反対側の面、100・・・造形物、110・・・凹凸、112・・・凸部、114・・・凹部、120・・・インク、130・・・熱変換層、240・・・熱変換層、250・・・鈍り
Claims (4)
- 基材と、バインダと熱膨張材料とを含み前記基材の第1主面に積層された熱膨張層と、を備える成形シートを準備する準備工程と、
前記基材の前記第1主面と反対側の第2主面又は前記熱膨張層の上に、第1電磁波の照射により硬化する未硬化の樹脂と、第2電磁波を熱に変換する熱変換材料とを含むインクを、所定のパターンで塗布する塗布工程と、
前記インクを塗布された前記成形シートに前記第1電磁波を照射することにより、前記熱変換材料と硬化した前記樹脂とを含む熱変換層を形成すると共に、前記熱膨張層の前記所定のパターンに対応する第1領域以外の第2領域に含まれる前記バインダを架橋させる、第1照射工程と、
前記熱変換層を形成された前記成形シートに前記第2電磁波を照射して、前記熱膨張層の前記第1領域を膨張させる第2照射工程と、を含む、
造形物の製造方法。 - 前記熱膨張層が、前記第1電磁波の照射により前記バインダを架橋させる重合開始剤を含む、
請求項1に記載の造形物の製造方法。 - 前記第1照射工程では、前記成形シートの前記インクを塗布されている側から、前記第1電磁波を照射する、
請求項1又は2に記載の造形物の製造方法。 - 前記第1電磁波が紫外光であり、前記第2電磁波が赤外光である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の造形物の製造方法。
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