JP7262502B2 - 冷間工具鋼および該鋼を用いた工具及び金型 - Google Patents

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本発明は、冷間工具鋼と、この鋼を用いたプレス金型、鍛造金型、フォーミングロール、転造ダイス、刃物などの冷間工具や金型に関する。
冷間加工に供される被加工材は硬質で強度が高い。そこで、冷間工具および金型には高い硬度や耐摩耗性が必要である。従来は、冷間工具や金型用の鋼として、例えば、JISで規定されているSKD11やSKD10が用いられている。これらのJIS鋼種は硬度や耐摩耗性に優れる一方で、粗大な一次炭化物が多量に存在するため靭性や疲労特性に劣り、割れや欠けに対する耐久性が不足する場合がある。
そこで、これまでに硬度・耐摩耗性と靭性・疲労特性とを兼備することを志向した提案がなされている。
たとえば、既定の合金成分組成の鋼材を、焼入れ後、300~500℃で1回以上の焼戻しを行い、硬さ55~65HRCで、5~35体積%の残留オーステナイトを平均粒径0.01~2μmに微細分散させることで疲労寿命に優れた冷間工具鋼を提供するものである(特許文献1参照。)。もっとも、偏析に関する考慮がなされておらず、未だ不十分である。
また、既定の合金成分組成の鋼材における炭化物サイズは5~15μmであり、それらの凝集部の凝集サイズが100μm以下であり、焼入焼戻し状態でマルテンサイト組織に5~20体積%の残留オーステナイト組織を残留させることを特徴とするものである(特許文献2参照。)。もっとも、一次炭化物の大きさや凝集サイズの制限だけでは不十分である。
また、既定の合金成分組成に加え、TRD処理後の常温における固溶C量が0.4質量%以上であり、TRD後の常温における一次炭化物面積率が5.5%以下であり、TRD処理時のFeへのCの固溶し易さの指標であるK1値を8.0以上としている(特許文献3参照。)。特許文献1と同じく偏析に関する考慮がなされておらず、不十分である。
他にも、7-13%のCrを含有した冷間工具鋼の鋼塊を鍛伸後にソーキングする製造方法。一旦鍛伸することでCrの濃度勾配を大きくした状態でソーキングすることで拡散が進行し、偏析を軽減、衝撃特性を向上させる提案がある(特許文献4参照)。しかし、CとMoの偏析に対する改良の余地がある。
また、既定の合金成分組成に加え、円相当径が5.0μmを超える炭化物Aの面積率が1.0~3.0面積%であり、前記炭化物Aを含まない90μm×90μmの領域ににおいて、円相当径が0.1μmを超えて2.0μm以下の炭化物Bの個数密度が6.0×105個/mm2以上9.0×105個/mm2未満であり、円相当径が0.1μmを超えて0.4μm以下の炭化物Cの個数密度が5.0×105個/mm2以上7.5×105個/mm2未満であることを特徴とした高硬度で靭性に優れた冷間工具鋼が提案されている(特許文献5参照。)。この提案は非偏析部の炭化物個数密度を規定したにとどまっており、偏析部(濃化部)の検討をしたものではない。
特許第4001787号公報 特許第3883788号公報 特開2020-111766号公報 特開2007-100195号公報 特開2019-157234号公報
上記の提案では、いずれも偏析が十分に考慮されていなかった。しかし偏析の度合いによってはこれらの発明を満足していても、未だ十分な靭性を備えていないものが含まれることとなる。十分な圧鍛を施しても、焼入焼戻しにおける二次炭化物の析出分布量に大きな差が生じ、亀裂・割れの伝播を助長することがある。そして、偏析が激しくなると、靭性を阻害する場合がある。そこで、本発明の目的は、圧鍛などの加工後の偏析を抑えて、硬度と靭性を兼ね備えることのできる冷間工具鋼及びこの鋼を用いた金型と工具を提供することである。
上述したような問題を解消するために、発明者らは鋭意開発を進めた結果、以下に示すように合金成分範囲ならびに関係式を規定することで、十分な硬度が得られるうえに優れた靭性も兼備しうる冷間工具鋼および金型、工具が得られることを見出した。
すなわち、課題を解決するための第1の手段は、
質量%で、
C:0.60~1.00%、
Si:0.50~1.30%、
Mn:0.20~0.70%、
Cr:5.0~12.0%、
Mo:0.50~3.00%、
Mo+1/2W:0.50~3.00%(なお、Wは任意的成分である。)、
V:0.10~1.00%、
残部Fe及び不可避不純物からなり、
鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときに
式(1):α=([Cr]a-[Cr]b)/[Cr]
式(2):β=([Mo+0.5W]a-[Mo+0.5W]b)/[Mo+0.5W]
式(3):γ=([C]a-Ceqa)-([C]b-Ceqb)
における式(1)の値αが0.8以下、式(2)の値βが1.4以下、式(3)の値γが1.0以下となる、冷間工具鋼である。
ただし、式(1)~(3)中の[ ]の元素表記は、
鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときの中周部(D/4部)における、
[元素] :当該元素の添加質量%、
[元素]a:当該元素の濃化部の質量%、
[元素]b:当該元素の非濃化部の質量%、のことであり、
C当量のCeqa及びCeqbは、
Ceqa=0.06×[Cr]a+0.063×[Mo]a+0.033×[W]a+0.2×[V]a、
Ceqb=0.06×[Cr]b+0.063×[Mo]b+0.033×[W]b+0.2×[V]b、
であり、
ここに濃化部とは偏析部の断面組織において面積が20μm2以上の一次炭化物を含まない基地部(マトリクス)をいう。
その第2の手段は、第1の手段に記載の冷間工具鋼を用いた工具である。
その第3の手段は、第1の手段に記載の冷間工具鋼を用いた金型である。
本発明の手段による冷間工具鋼は、偏析が抑制されているので、この鋼を焼入焼戻しすると、硬さは61.0HRC以上であって、かつ、シャルピー衝撃値が15.0J/cm2以上となり靭性と硬さとが両立しうることとなる。
本発明鋼の元素[Mo]についてのEPMA分析結果(カラー画像を黒白に変換して示す。) 比較鋼の元素[Mo]についてのEPMA分析結果(カラー画像を黒白に変換して示す。)
本発明の実施の形態の説明に先立って、まず、本発明の冷間工具鋼の成分組成を規定する理由、及び、式(1)~(3)を規定する理由について説明する。なお、成分組成の%は質量%をいう。
C:0.60~1.00%
Cは、鋼中への固溶および炭化物形成にて工具鋼に必要な高硬さを付与させる成分である。この観点からCは少なくとも0.60%は必要である。Cは1.00%を超えると、粗大炭化物を多く形成し易くなり、濃化部の偏析を助長し、靭性を低下させる。そこで、Cは0.60~1.00%とする。好ましくはCは0.70~0.90%である。
Si:0.50~1.30%
Siは製鋼での脱酸効果、焼入性、固溶強化に寄与する成分である。この観点からSiは少なくとも0.50%は必要である。Siは1.30%を超えると靭性が低下する。そこで、Siは0.50~1.30%とする。好ましくはSiは0.60~1.20%である。
Mn:0.20~0.70%
Mnは製鋼での脱酸効果、焼入性に寄与する成分である。この観点からMnは少なくとも0.20%は必要である。Mnは0.70%を超えると靭性が低下する。そこで、Mnは、0.20~0.70%である。好ましくはMnは0.25~0.60%である。
Cr:5.0~12.0%
Crは焼入性の向上と焼戻硬さの確保に必要な成分である。Crが5.0%未満であると、これらの効果が不十分である。他方、Crが12.0%を超えると、粗大炭化物を多く形成し易くなり、濃化部の偏析を助長し、靭性を低下させる。そこで、Crは5.0~12.0%である。好ましくはCrは6.5~10.0%である。さらに、より好ましくは、Crは6.9~9.0%である。
Mo:0.50~3.00%であって、かつ、Mo+1/2W:0.50~3.00%(なお、Wは任意的成分。)
Moは焼入性改善と、焼戻硬さ向上に寄与する成分である。WはMoと似た効果を奏し、焼入性改善と、焼戻硬さ向上に寄与する任意的付加的成分である。WがMoと同様の効果を得るためには、WはMoの1/2の量で換算してMoと置換することができる。そこで、Mo単体であってもよいが、MoにWが組み合わさってもよい。それらの効果を得るためには、Mo+1/2Wは少なくとも0.50%は必要である。Mo+1/2Wは3.0%を超えると左記の効果は飽和し、過剰添加は濃化部の偏析を助長し、靭性を低下させる。そこで、Mo+1/2Wの合計量は、0.50~3.00%であり、好ましくは、0.70~2.50%であり、さらに、より好ましくは、1.00~2.20%である。なおMoのみの場合は、Moは0.50~3.00%である。好ましくはMoは、0.70~2.50%であり、さらに、より好ましくは、Moは1.00~2.20%である。
V:0.10~1.00%
Vは焼戻し時に微細かつ硬質な析出硬化物を形成し二次硬化に寄与する成分である。その効果を得るためにはVは少なくとも0.10%は必要である。他方、Vは1.00%を超えると、過剰となって粗大炭化物の形成を促し、靭性の低下を招く。そこで、Vは0.10~1.00%とする。好ましくはVは0.20~0.80%である。さらに、より好ましくは、Vは0.40~0.70%である。
鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときに
式(1):α=([Cr]a-[Cr]b)/[Cr]
式(2):β=([Mo+0.5W]a-[Mo+0.5W]b)/[Mo+0.5W]
式(3):γ=([C]a-Ceqa)-([C]b-Ceqb)
における式(1)の値αが0.8以下、式(2)の値βが1.4以下、式(3)の値γが1.0以下となる、冷間工具鋼である。
ただし、式(1)~(3)中の[ ]の元素表記は、
鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときの中周部(D/4部)における、
[元素] :当該元素の添加質量%、
[元素]a:当該元素の濃化部の質量%、
[元素]b:当該元素の非濃化部の質量%、のことであり、
濃化部と非濃化部のCeq(C当量)は、それぞれ
Ceqa=0.06×[Cr]a+0.063×[Mo]a+0.033×[W]a+0.2×[V]a、
Ceqb=0.06×[Cr]b+0.063×[Mo]b+0.033×[W]b+0.2×[V]b。
ここで、濃化部とは、偏析部の断面組織において面積が20μm2以上の一次炭化物を含まない基地部(マトリクス)のことをいう。

さて、上に示した式(1)、式(2)、式(3)は、圧鍛した際のCr、Mo+0.5W、Cの濃化部と非濃化部における濃度の違い、すなわち偏析度合いを表すものである。それぞれの式で規定する上限値を超えると、偏析が激しくなり、靭性を阻害することとなる。焼入焼戻しにおける二次炭化物の析出分布量に大きな差が生じ、亀裂・割れの伝播を助長するからである。そこで、式(1)の値は、0.8以下とする。好ましくは、式(1)の値は0.7以下である。また、式(2)の値は1.4以下とする。好ましくは式(2)は1.2以下である。また、式(3)の値は1.0以下とする。好ましくは式(3)は0.8以下である。
表1の実施例No.1~19、比較例No.20~32に示す成分組成と残部Fe及び不可避不純物からなる鋼を、1トン真空誘導溶解炉にて溶製した後、鍛伸温度1100~1200℃で鍛錬成形比5.0Sとなる丸棒に鍛伸し、焼なましを行った。
Figure 0007262502000001
偏析度合いの評価は、鍛伸材の直径の1/4の位置である中周部をEPMA(Electron Prove Micro Analysis)にて分析した値を用いた。表2に、各成分の濃化部と、非濃化部の分析値を質量%で示す。なお、[元素]aは、当該元素の濃化部のことであり、[元素]bは、当該元素の非濃化部のことである。濃化部とは、偏析部の断面組織において面積が20μm2以上の一次炭化物を含まない基地部(マトリクス)のことをいう。
Figure 0007262502000002
次に、実施例No.1~19、比較例No.20~32について、式(1)=([Cr]a-[Cr]b)/[Cr]、式(2)=([Mo+0.5W]a-[Mo+0.5W]b)/[Mo+0.5W]、式(3)=([C]a-Ceqa)-([C]b-Ceqb)の値を、表3に示す。
Figure 0007262502000003
焼なまし材中周部から適宜寸法の小片を切断し、焼入焼戻し処理を行った。その後、ロックウェル硬度計にて鋼材の硬さ(HRC)を測定した。次いで、焼なまし材中周部から鍛伸材長手方向と平行にシャルピー衝撃試験片(10R-Cノッチ)を作製し、シャルピー衝撃試験にて靭性を評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0007262502000004
※1:計算値評価は、表3の数値において、本発明の望ましい請求範囲を満たすものを「A」、請求範囲を満たすものを「B」、請求範囲を外れるものを「C」とした。
※2:硬さの単位はHRC。1030℃で30分保持後に空冷による焼入れを実施。その後、500~570℃で60分保持後に空冷する焼戻しを2回繰り返した。
それらの硬さをロックウェル硬度計で測定し、最高硬さによる評価を行った。A+、A、B、Cの順に高い硬度を有する。61.0HRC以上を「A」とし、特に63.0HRC以上を「A+」と評価した。60.0HRC以上61.0HRC未満は「B」、60.0HRC未満は「C」と評価した。
※3:靭性はシャルピー衝撃試験にて評価した。試験片形状は10R-2mmCノッチ試験片とした。A+、A、Cの順に優れた靭性を有する。焼なまし材中周部より、鍛伸材長手方向と平行に約15mm×15mm×60mmの素材を割出し、最高硬さが得られた条件で焼入焼戻しを実施した。15.0J/cm2以上を「A」とし、特に22.0J/cm2以上を「A+」と評価した。15.0J/cm2未満は「C」と評価した。
(焼入焼戻し硬さ)
各試験片について、1030℃で30分保持後に空冷による焼入れを実施した。その後、500~570℃で60分保持後に空冷する焼戻しを2回繰り返した。
それらの硬さをロックウェル硬度計で測定し、最高硬さによる評価を行った。A+、A、B、Cの順に高い硬度を有する。61.0HRC以上を「A」とし、特に63.0HRC以上を「A+」と評価した。60.0HRC以上61.0HRC未満は「B」、60.0HRC未満は「C」と評価した。
(靭性)
シャルピー衝撃試験にて靭性を評価した。試験片形状は10R-2mmCノッチ試験片とした。A+、A、Cの順に優れた靭性を有する。焼なまし材中周部より、鍛伸材長手方向と平行に約15mm×15mm×60mmの素材を割出し、最高硬さが得られた条件で焼入焼戻しを実施した。15.0J/cm2以上を「A」とし、特に22.0J/cm2以上を「A+」と評価した。15.0J/cm2未満は「C」と評価した。
実施例のNo.1~19は本発明鋼の成分組成の冷間工具鋼であって、表3、表4に示すように式(1)~(3)の値も満足しており偏析が抑えられている。そこで、発明鋼を用いると、焼入焼戻し後に、61.0HRC以上の十分な硬度が得られる一方で、15.0J/cm2以上のシャルピー衝撃値を示し優れた靭性も有するものとなる。
一方、比較鋼No.20~32では、表4に示すとおり、硬さと靭性の双方は両立できないものとなった。
比較例No.20とNo.21はSKD11鋼であるところ、Cが過多であることから、粗大な一次炭化物の凝集に加え、偏析度合いも顕著であるために靭性が低いものとなった。なお、500~570℃での焼戻しでは、60HRC程度の硬さにとどまることとなった。
比較鋼No.22はC量が過多であるため、非常に高い硬度が得られる一方で、式(1)の値が示すように、Crの偏析を助長し靭性が低いものとなった。
比較鋼No.23はC量が過少であるため、十分な硬度が得られなかった。
比較鋼No.24はSi量が過多であるため、マトリクスの延性が低下し、十分な靭性が得られなかった。
比較鋼No.25はMn量が過多であるため、マトリクスが脆化し、十分な靭性が得られなかった。
比較鋼No.26はCr量が過少であるため、十分な硬度が得られなかった。
比較鋼No.27はCr量が過多であるため、式(1)の値が示すようにCrの偏析が顕著になり、靭性が低いものとなった。
比較鋼No.28はMo量が過多であるため、式(2)の値が示すようにMoの偏析が顕著になり、靭性が低いものとなった。
比較鋼No.29はMo量が過少であるため、十分な硬度が得られなかった。
比較鋼No.30はV量が過少であるため、十分な硬度が得られなかった。
比較鋼No.31はV量が過多であるため、十分な靭性が得られなかった。
比較鋼No.32の化学成分値は本発明の範囲内であるが、式(1)の値が示すように偏析度合いが大きく、靭性が不足するものとなった。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.60~1.00%、
    Si:0.50~1.30%、
    Mn:0.20~0.70%、
    Cr:5.0~12.0%、
    Mo:0.50~3.00%、
    Mo+1/2W:0.50~3.00%(なお、Wは任意的成分である。)、
    V:0.10~1.00%、
    残部Fe及び不可避不純物からなり、
    鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときに
    式(1):α=([Cr]a-[Cr]b)/[Cr]
    式(2):β=([Mo+0.5W]a-[Mo+0.5W]b)/[Mo+0.5W]
    式(3):γ=([C]a-Ceqa)-([C]b-Ceqb)
    における式(1)の値αが0.8以下、式(2)の値βが1.4以下、式(3)の値γが1.0以下となる、冷間工具鋼。
    ただし、式(1)~(3)中の[ ]の元素表記は、
    鍛錬成形比4.0S以上に圧鍛したときの中周部(D/4部)における、
    [元素] :当該元素の添加質量%、
    [元素]a:当該元素の濃化部の質量%、
    [元素]b:当該元素の非濃化部の質量%、のことであり、
    C当量のCeqa及びCeqbは、
    Ceqa=0.06×[Cr]a+0.063×[Mo]a+0.033×[W]a+0.2×[V]a、
    Ceqb=0.06×[Cr]b+0.063×[Mo]b+0.033×[W]b+0.2×[V]bであり、
    ここに濃化部とは偏析部の断面組織において面積が20μm2以上の一次炭化物を含まない基地部(マトリクス)をいう。
  2. 請求項1に記載の冷間工具鋼を用いた工具。
  3. 請求項1に記載の冷間工具鋼を用いた金型。
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